JP2014095675A - 電気化学的センサおよびセンサヘッド - Google Patents

電気化学的センサおよびセンサヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP2014095675A
JP2014095675A JP2012248704A JP2012248704A JP2014095675A JP 2014095675 A JP2014095675 A JP 2014095675A JP 2012248704 A JP2012248704 A JP 2012248704A JP 2012248704 A JP2012248704 A JP 2012248704A JP 2014095675 A JP2014095675 A JP 2014095675A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
electrode
potential difference
ion selective
species
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012248704A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6127460B2 (ja
Inventor
Naoto Ogami
直人 大上
Hideyuki Yamashita
英之 山下
Yutaro Okuno
雄太郎 奥野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Healthcare Co Ltd
Original Assignee
Omron Healthcare Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Omron Healthcare Co Ltd filed Critical Omron Healthcare Co Ltd
Priority to JP2012248704A priority Critical patent/JP6127460B2/ja
Publication of JP2014095675A publication Critical patent/JP2014095675A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6127460B2 publication Critical patent/JP6127460B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

【課題】測定対象液に含まれた2つのイオン種の間の濃度比を測定する電気化学的センサであって、測定精度を高めることができ、小型かつ低価格で構成できるものを提供すること。
【解決手段】標準液について、第1の時刻に検出した第1の電位差と、第2の時刻に検出した第2の電位差との間の、時間経過に伴うずれを表すドリフト量に基づいて、単位時間当たりのドリフト量を表すドリフト速度を算出する(S8−2)。測定対象液について、第2の時刻よりも後の第3の時刻に検出した第3の電位差に対して、第2の時刻と第3の時刻との間に生じたドリフト量を解消するようにドリフト速度に応じた補正を行って、補正された第3の電位差を求める(S11−2)。標準液についての第2の電位差と測定対象液についてのその補正された第3の電位差との差に応じて、第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を求める(S12)。
【選択図】図10

Description

この発明は電気化学的センサに関し、より詳しくは、測定対象液に含まれた2つのイオン種の間の濃度比を測定する電気化学的センサに関する。
また、この発明は、測定対象液に含まれた2つのイオン種の間の濃度比を測定するために、測定対象液が接触されるセンサヘッドに関する。
従来、この種の電気化学的センサとしては、例えば特許文献1(特開昭63−277962号公報)に開示されているように、試料溶液(リチウムイオンとナトリウムイオンとを含む測定対象液)を、リチウムイオンを決定するための電極(リチウムイオン選択電極)及びナトリウムイオンを決定するための電極(ナトリウムイオン選択電極)と接触させ、それら2つのイオン選択電極の間の電位差ΔVを測定し、その電位差ΔVからリチウムイオンとナトリウムイオンとの間の濃度差を計算するものが知られている。各イオン選択電極としては、イオンを選択するイオン選択膜を一部に有する外囲器と、外囲器内に満たされた内部液と、内部液に接触し外囲器を貫通している内部電極とを有するタイプのものが示されている。
特開昭63−277962号公報 特開昭59−93775号公報 特開昭52−142584号公報
一般に、この種の電気化学的センサでは、測定中に測定電位(電位差)のドリフトが生じて、測定精度を高めることができないという問題がある。また、上述の内部液を有するイオン選択電極は、大型になり、高価格になるという問題がある。ここで、上述のタイプのイオン選択電極において単に内部液を省略し、または単にイオン選択電極を微小化すると、特許文献2(特開昭59−93775号公報)や特許文献3(特開昭52−142584号公報)に記載されているように、測定電位のドリフトがさらに大きくなって、測定精度が低下する。
そこで、この発明の課題は、測定対象液に含まれた2つのイオン種の間の濃度比を測定する電気化学的センサであって、測定精度を高めることができ、小型かつ低価格で構成できるものを提供することにある。
また、この発明の課題は、測定対象液に含まれた2つのイオン種の間の濃度比を測定するために、測定対象液が接触されるセンサヘッドであって、測定精度を高めることができ、小型かつ低価格で構成できるものを提供することにある。
上記課題を解決するため、第1の局面では、この発明の電気化学的センサは、
測定対象液に含まれた2つのイオン種の間の濃度比を測定する電気化学的センサであって、
第1のイオン種を選択して、その第1のイオン種の濃度に応じた電位を発生させる第1のイオン選択電極と、
第2のイオン種を選択して、その第2のイオン種の濃度に応じた電位を発生させる第2のイオン選択電極と、
上記第1のイオン選択電極と上記第2のイオン選択電極との間の電位差を検出する電位差検出部と、
上記2つのイオン種の間の予め定められた濃度比を有する標準液について、上記電位差検出部が第1の時刻に検出した第1の電位差と、上記電位差検出部が上記第1の時刻よりも後の第2の時刻に検出した第2の電位差との間の、時間経過に伴うずれを表すドリフト量に基づいて、単位時間当たりのドリフト量を表すドリフト速度を算出するドリフト速度算出部と、
上記測定対象液について、上記電位差検出部が上記第2の時刻よりも後の第3の時刻に検出した第3の電位差に対して、上記第2の時刻と第3の時刻との間に生じたドリフト量を解消するように上記ドリフト速度に応じた補正を行って、補正された第3の電位差を求める電位差補正部と、
上記標準液についての上記第2の電位差と上記測定対象液についての上記補正された第3の電位差との差に応じて、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を求める濃度比算出部とを備える。
本明細書で、「測定対象液」は、少なくとも2つのイオン種を含む液を広く指す。測定対象液は、例えば、ヒトの体液、特にヒトが排泄した尿(ナトリウムイオンとカリウムイオンを含む。)であってもよい。
この発明の電気化学的センサでは、測定は次のようにして行われる。
まず、ユーザが、上記第1、第2のイオン選択電極に対して、上記2つのイオン種の間の予め定められた濃度比を有する標準液を接触させる。すると、上記第1、第2のイオン選択電極が、それぞれ上記標準液に含まれた第1、第2のイオン種の濃度に応じた電位を発生させる。電位差検出部は、上記第1のイオン選択電極と上記第2のイオン選択電極との間の電位差を検出する。ドリフト速度算出部は、上記標準液について、上記電位差検出部が第1の時刻に検出した第1の電位差と、上記電位差検出部が上記第1の時刻よりも後の第2の時刻に検出した第2の電位差との間の、時間経過に伴うずれを表すドリフト量に基づいて、単位時間当たりのドリフト量を表すドリフト速度を算出する。
上記ドリフト速度が算出された後、ユーザが、上記第1、第2のイオン選択電極に対して、測定対象液を接触させる。すると、上記第1、第2のイオン選択電極が、それぞれ上記測定対象液に含まれた第1、第2のイオン種の濃度に応じた電位を発生させる。電位差検出部は、上記第1のイオン選択電極と上記第2のイオン選択電極との間の電位差を検出する。電位差補正部は、上記電位差検出部が上記第2の時刻よりも後の第3の時刻に検出した第3の電位差に対して、上記第2の時刻と第3の時刻との間に生じたドリフト量を解消するように上記ドリフト速度に応じた補正を行って、補正された第3の電位差を求める。
そして、濃度比算出部が、上記標準液についての上記第2の電位差と上記測定対象液についての上記補正された第3の電位差との差に応じて、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を求める。
このように、この電気化学的センサによれば、上記電位差補正部によって、上記第2の時刻と第3の時刻との間に生じたドリフト量を解消するように補正が行われる。したがって、上記測定対象液に含まれた第1、第2のイオン種の間の濃度比について、測定精度を高めることができる。
また、そのようにドリフトが解消されるので、例えば、上記第1、第2のイオン選択電極としては、内部液を省略して、イオン選択膜に内部電極が直接接したものを用いることができる。そのようにした場合、この電気化学的センサは、小型かつ低価格で構成され得る。
なお、上記第1、第2のイオン選択電極に対して液を「接触」させる場合、液を上記第1、第2のイオン選択電極に対して振り掛けてもよいし、液に上記第1、第2のイオン選択電極を浸漬してもよい。
一実施形態の電気化学的センサでは、上記電位差補正部による上記ドリフト速度に応じた補正は、上記ドリフト速度と上記第2の時刻からの経過時間との積を表す項目を含む補正式によることを特徴とする。
この一実施形態の電気化学的センサでは、上記電位差補正部による上記ドリフト速度に応じた補正は、上記ドリフト速度と上記第2の時刻からの経過時間との積を表す項目を含む補正式による。したがって、上記ドリフト速度に応じた補正が簡単に行われる。
一実施形態の電気化学的センサでは、
上記第1の電位差は、或る長さをもつ第1の期間の電位差を表す平均値であり、
上記第2の電位差は、或る長さをもつ第2の期間の電位差を表す平均値であることを特徴とする。
この一実施形態の電気化学的センサでは、上記第1、第2の電位差は、それぞれ或る長さをもつ第1、第2の期間の電位差を表す平均値である。したがって、上記ドリフト速度算出部による、上記標準液についてのドリフト速度の算出の精度が高まる。したがって、上記測定対象液に含まれた第1、第2のイオン種の間の濃度比について、さらに測定精度を高めることができる。
なお、この場合、上記第1、第2の時刻は、それぞれ第1、第2の期間の終点、すなわち、それぞれの平均値が確定した時刻とする。
さらに、上記第3の電位差は、或る長さをもつ第3の期間の電位差を表す代表値であるのが望ましい。これにより、上記測定対象液に含まれた第1、第2のイオン種の間の濃度比について、さらに測定精度を高めることができる。
一実施形態の電気化学的センサでは、
上記ドリフト速度算出部による上記ドリフト速度の算出が完了した時、上記測定対象液についての上記電位差検出部による測定が開始可能である旨を報知する報知部を備えたことを特徴とする。
この一実施形態の電気化学的センサでは、上記ドリフト速度算出部による上記ドリフト速度の算出が完了した時、報知部が、上記測定対象液についての上記電位差検出部による測定が開始可能である旨を報知する。この報知により、ユーザは、上記第1、第2のイオン選択電極に対して測定対象液を接触させることを促される。この結果、測定が円滑に行われる。
一実施形態の電気化学的センサでは、
上記第1のイオン選択電極は、上記第1のイオン種を選択して透過させる第1のイオン選択膜と、上記第1のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第1の内部電極とを含み、
上記第2のイオン選択電極は、上記第2のイオン種を選択して透過させる第2のイオン選択膜と、上記第2のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第2の内部電極とを含み、
上記第1のイオン選択膜の感度、選択性は、それぞれ上記第2のイオン選択膜の感度、選択性と実質的に揃えられていることを特徴とする。
この一実施形態の電気化学的センサでは、上記第1のイオン選択膜の感度、選択性は、それぞれ上記第2のイオン選択膜の感度、選択性と実質的に揃えられている。したがって、上記第1、第2のイオン選択膜は、測定対象液中の干渉物質(上記第1、第2のイオン種以外の物質)に対して実質的に同じ応答を示す。この結果、上記測定対象液に含まれた第1、第2のイオン種の間の濃度比について、さらに測定精度を高めることができる。
一実施形態の電気化学的センサでは、上記第1のイオン選択膜、上記第2のイオン選択膜がそれぞれクラウンエーテルの構造を持つ材料を含むことを特徴とする。
この一実施形態の電気化学的センサでは、上記第1のイオン選択膜、上記第2のイオン選択膜がそれぞれクラウンエーテルの構造を持つ材料を含むので、上記第1のイオン選択膜の感度、選択性を、それぞれ上記第2のイオン選択膜の感度、選択性と実質的に揃えることが容易になる。
一実施形態の電気化学的センサでは、
上記第1のイオン選択電極は、上記第1のイオン種を選択して透過させる第1のイオン選択膜と、上記第1のイオン選択膜に直接接して配置され、上記第1のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第1の内部電極とを含み、
上記第2のイオン選択電極は、上記第2のイオン種を選択して透過させる第2のイオン選択膜と、上記第2のイオン選択膜に直接接して配置され、上記第2のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第2の内部電極とを含んでいることを特徴とする。
この一実施形態の電気化学的センサでは、上記第1のイオン選択電極を構成する上記第1のイオン選択膜と上記第1の内部電極とが直接接して配置されている。また、上記第2のイオン選択電極を構成する上記第2のイオン選択膜と上記第2の内部電極とが直接接して配置されている。つまり、一般的なイオン選択電極における内部液が省略された構成になっている。したがって、この電気化学的センサは、小型かつ低価格で構成され得る。
第2の局面では、この発明のセンサヘッドは、
測定対象液に含まれた2つのイオン種の間の濃度比を測定するために、測定対象液が接触されるセンサヘッドであって、
上記測定対象液に接触すべき電極として、上記2つのイオン種のうちの第1のイオン種を選択するための第1のイオン選択電極と第2のイオン種を選択するための第2のイオン選択電極とのみを備え、
上記第1のイオン選択電極は、上記第1のイオン種を選択して透過させる第1のイオン選択膜と、上記第1のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第1の内部電極とを含み、
上記第2のイオン選択電極は、上記第2のイオン種を選択して透過させる第2のイオン選択膜と、上記第2のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第2の内部電極とを含み、
上記第1のイオン選択膜の感度、選択性は、それぞれ上記第2のイオン選択膜の感度、選択性と実質的に揃えられていることを特徴とする。
この発明のセンサヘッドでは、上記第1のイオン選択膜の感度、選択性は、それぞれ上記第2のイオン選択膜の感度、選択性と実質的に揃えられている。したがって、上記第1、第2のイオン選択膜は、測定対象液中の干渉物質(上記第1、第2のイオン種以外の物質)に対して実質的に同じ応答を示す。この結果、上記測定対象液に含まれた第1、第2のイオン種の間の濃度比について、測定精度を高めることができる。また、上記測定対象液に接触すべき電極は、上記第1、第2のイオン選択電極のみであるから、このセンサヘッドは、小型かつ低価格で構成され得る。
一実施形態のセンサヘッドでは、上記第1のイオン選択膜、上記第2のイオン選択膜がそれぞれクラウンエーテルの構造を持つ材料を含むことを特徴とする。
この一実施形態のセンサヘッドでは、上記第1のイオン選択膜、上記第2のイオン選択膜がそれぞれクラウンエーテルの構造を持つ材料を含むので、上記第1のイオン選択膜の感度、選択性を、それぞれ上記第2のイオン選択膜の感度、選択性と実質的に揃えることが容易になる。
一実施形態のセンサヘッドでは、
絶縁性をもつ搭載面を備え、この搭載面上に一体に、上記第1のイオン選択電極と上記第2のイオン選択電極とが互いに離間して形成され、
上記第1のイオン選択電極では、上記搭載面上に上記第1の内部電極が配置され、上記第1の内部電極上に上記第1のイオン選択膜が直接接して配置され、
上記第2のイオン選択電極では、上記搭載面上に上記第2の内部電極が配置され、上記第2の内部電極上に上記第2のイオン選択膜が直接接して配置されていることを特徴とする。
本明細書で、「絶縁性」とは、電気的な絶縁性を意味する。
この一実施形態のセンサヘッドでは、上記搭載面上で、上記第1のイオン選択電極を構成する上記第1のイオン選択膜と上記第1の内部電極とが直接接して配置されている。また、上記第2のイオン選択電極を構成する上記第2のイオン選択膜と上記第2の内部電極とが直接接して配置されている。つまり、一般的なイオン選択電極における内部液が省略された構成になっている。しかも、上記第1のイオン選択電極と上記第2のイオン選択電極とが、上記搭載面上に一体に形成されている。したがって、このセンサヘッドは、小型かつ低価格で構成され得る。
第3の局面では、この発明の電気化学的センサは、
上記センサヘッドと、
上記第1のイオン選択電極の上記第1の内部電極と上記第2のイオン選択電極の上記第2の内部電極との間の電位差を検出する電位差検出部とを備えたことを特徴とする。
この発明の電気化学的センサでは、電位差検出部が、上記第1のイオン選択電極の上記第1の内部電極と上記第2のイオン選択電極の上記第2の内部電極との間の電位差を検出する。この電位差に応じて、上記測定対象液に含まれた第1、第2のイオン種の間の濃度比を求めることができる。この電気化学的センサでは、上記センサヘッドのおかげで、上記測定対象液に含まれた第1、第2のイオン種の間の濃度比について、測定精度を高めることができる。
以上より明らかなように、この発明の電気化学的センサは、上記測定対象液に含まれた2つのイオン種の間の濃度比について、測定精度を高めることができ、しかも、小型かつ低価格で構成できる。
また、この発明のセンサヘッドは、測定対象液に含まれた2つのイオン種の間の濃度比について、測定精度を高めることができ、小型かつ低価格で構成できる。
この発明の一実施形態の電気化学的センサのブロック構成を示す図である。 図2(A)は完成状態のセンサヘッドを板面に対して垂直な方向から見たところを示す図である。図2(B)は、図2(A)におけるV−V線断面を示す図である。 図2(A)のセンサヘッドを分解状態で示す図である。 図2(A)に対応する完成状態のセンサヘッドを、対応するコネクタとともに示す斜視図である。 袋の形態をもつ密封部材で覆われた完成状態のセンサヘッドを示す図である。 図6(A),(B)は、観測される電位差を補正なしで経時的に示す図である。 図7(A),(B)は、図6(A),(B)に対応して、補正された電位差を経時的に示す図である。 図8(A)は、測定対象液としてのヒトの尿について、臨床検査センタで測定した値と、上記センサヘッドを用いて測定したドリフト補正前のNa/K測定値との対応関係を示す図である。図8(B)は、測定対象液としてのヒトの尿について、臨床検査センタで測定した値と、上記センサヘッドを用いて測定したドリフト補正後のNa/K測定値との対応関係を示す図である。 ユーザが上記センサヘッドを用いて上記電気化学的センサを使用する場合の概略フローを示す図である。 ユーザが上記センサヘッドを用いて上記電気化学的センサを使用する場合の詳細フローを示す図である。 電位差の経時変化の波形を観測するための測定系の構成を示す図である。 図12(A)は完成状態の別のセンサヘッドを板面に対して垂直な方向から見たところを示す図である。図12(B)は、図12(A)におけるV−V線断面を示す図である。 図12(A)のセンサヘッドを分解状態で示す図である。 測定対象液として、第1イオンとしてのNaと第2イオンとしてのKとの間の濃度比を様々に変えて調整したサンプル溶液について、上記センサヘッドを用いて電位差を測定したときの測定結果を示す図である。 ユーザが上記センサヘッドを用いて上記電気化学的センサを使用する場合の概略フローを示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、この発明の一実施形態の電気化学的センサ(全体を符号90で示す。)のブロック構成を示している。
この電気化学的センサ90は、大別して、センサヘッド30と、筐体10′を有する本体10とを備えている。本体10は、センサヘッド30が着脱可能に装着されるコネクタ21を備えている。コネクタ21は、筐体10′の壁面を貫通して設けられている。本体10には、制御部11、データ入力部12、操作部13、センサヘッド接続検知部14および表示部20が搭載されて収容されている。
本体10は、この例では、ユーザの手で把持されるべき細長い角柱状の外形を有している。センサヘッド30は、詳しくは後述するが、略矩形板状の外形を有している。この結果、この電気化学的センサ90は、ユーザが本体10を手に持って使用する手持ちタイプの装置として構成されている。
図2(A)は、上記センサヘッド30の一例としてのセンサヘッド30A(完成状態のもの)を板面に対して垂直な方向から見たところを示している。図2(B)は、図2(A)におけるV−V線断面を示している。また、図3は、センサヘッド30Aを分解状態で示している。
図2(A)および図3によって分かるように、このセンサヘッド30Aは、所定のサイズを持つ矩形状の基板31と、この基板31の一方の主面である搭載面31a上に、1つの辺31cに沿って互いに離間して配置された第1のイオン選択電極41および第2のイオン選択電極42と、これらの第1のイオン選択電極41、第2のイオン選択電極42からそれぞれ基板31の反対側の辺(縁部)31eへ向かってX方向に互いに平行に延在する第1引出電極43および第2引出電極44を備えている。
基板31は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ガラス、シリコン、ポリイミドフィルム、ガラスエポキシ、ポリカーボネートまたはアクリルなどの絶縁性材料からなっている。したがって、搭載面31aも、絶縁性をもつ。
第1引出電極43、第2引出電極44は、Pt、Ag、Au、Ir、CまたはIrOなどの導電性材料からなっている。
図2(B)および図3によって分かるように、第1のイオン選択電極41は、第1引出電極43と同じ材料からなる導電性をもつ第1芯材下層41m′と、この第1芯材下層41m′に直接接して設けられたAgClからなる第1芯材上層41m″とを、第1の内部電極41mとして有している。これとともに、第1のイオン選択電極41は、第1の内部電極41m(より正確には、第1芯材上層41m″)に直接接して設けられた第1のイオン選択膜41iを有している。
同様に、第2のイオン選択電極42は、第2引出電極44と同じ材料からなる導電性を持つ第2芯材下層42m′と、この第2芯材下層42m′に直接接して設けられたAgClからなる第2芯材上層42m″とを、第2の内部電極42mとして有している。これとともに、第2のイオン選択電極42は、第2の内部電極42m(より正確には、第2芯材上層42m″)に直接接して設けられた第2のイオン選択膜42iを有している。
第1の内部電極41mと第1のイオン選択膜41iとが接する領域、第2の内部電極42mと第2のイオン選択膜42iとが接する領域は、それぞれ、絶縁性基材(光硬化型若しくは熱硬化型のレジスト、または絶縁性を有するシール、シート、テープなどからなる。)50に設けられた開口51,52のサイズ(この例では、直径約4mm)によって画定されている。
第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iは、それぞれ後述の標準液または測定対象液に含まれた互いに異なるイオン種(これらを適宜「第1イオン」、「第2イオン」と呼ぶ。)を選択的に透過する性質を有している。この例では、第1のイオン選択膜41iは、第1イオンとしてのナトリウムイオン(Na)を選択的に透過する性質を有している。第2のイオン選択膜42iは、第2イオンとしてのカリウムイオン(K)を選択的に透過する性質を有している。
図2(A)によって良く分かるように、センサヘッド30Aのうち絶縁性基材50によって覆われていない部分(これを「電極パッド部」と呼ぶ。)30xでは、第1引出電極43、第2引出電極44が露出している。
上述のようなセンサヘッド30Aは、比較的構成要素が少なく、特に、略矩形の平板状に形成されるとともに、一般的なイオン選択電極が有する内部液が省略されている。また、測定対象液に接触すべき電極は、第1、第2のイオン選択電極41,42のみである。したがって、このセンサヘッド30Aは、小型かつ低価格で構成され得る。
この例では、図5に示すように、センサヘッド30Aは、使用前の保管状態では、密封部材としての、アルミフィルムからなる袋の形態をもつ密封パック72によって覆われている。この密封パック72は、基板31の面方向サイズよりも大きい面方向サイズをもつ矩形の表シート72aと裏シート72bとからなっている。表シート72aと裏シート72bは、少なくとも4辺で互いに密着され、第1のイオン選択電極41、第2のイオン選択電極42とともに搭載面31aをなす基板31の全部を覆っている。このような密封パック72を備えた場合、センサヘッド30Aが外気と接触することによる経時的な劣化を防止できる。また、センサヘッドの薄厚化を損なうことがない。
なお、密封部材としては、密封パック72に代えて、例えば基板31と同じサイズの密封シートを設けて、第1のイオン選択電極41、第2のイオン選択電極42、第1引出電極43、第2引出電極44とともに、搭載面31aを覆うようにしてもよい。
図1中のコネクタ21は、図4中に具体的に示すように、センサヘッド30Aの電極パッド部30xが挿入されるべきスロット22を有している。スロット22内で、センサヘッド30Aの第1引出電極43、第2引出電極44に対応する位置には、くの字状の板ばねからなるコンタクト部材23,24が設けられている。ユーザがセンサヘッド30Aの電極パッド部30xをスロット22内に挿入すると、第1引出電極43、第2引出電極44がコンタクト部材23,24と接触して導通する。この結果、センサヘッド30Aの第1のイオン選択電極41と第2のイオン選択電極42との間の電位差または電流が、コネクタ21を介して、本体10によって検出され得る。
図1中の本体10に搭載されたデータ入力部12は、センサヘッド30Aの第1のイオン選択電極41と第2のイオン選択電極42との間の電位差を入力する。
センサヘッド接続検知部14は、コネクタ21のコンタクト部材23,24間がオープンであるか否かに基づいて、センサヘッド30Aが本体10に装着されているか否かを検出する。なお、図4中のスロット22内にリミットスイッチ(図示せず)を設けても良い。そして、センサヘッド接続検知部14は、基板31の一部が当接することによって上記リミットスイッチがオンしているか否かに基づいて、センサヘッド30Aが本体10に装着されているか否かを検出しても良い。
図1中の制御部11は、ソフトウェアによって動作するCPU(中央演算処理ユニット)を含み、この電気化学的センサ90全体の動作を制御する。また、制御部11は、第1のイオン選択電極41と第2のイオン選択電極42との間の電位差を経時的に記憶するメモリ18を有している。
操作部13は、この例では押しボタンスイッチからなり、ユーザによる測定対象液についての測定開始の指示を入力するために働く。
表示部20は、この例ではLCD(液晶表示素子)からなり、制御部11による演算結果などの各種情報を表示する。
この電気化学的センサ90では、センサヘッド30Aによって、測定対象液に含まれた第1イオン、第2イオン間の濃度比が、次のような原理によって求められる。
まず、第1のイオン選択電極41、第2のイオン選択電極42のようなイオン選択電極は、一般に、式(1)のようにネルンストの式に従った、化学種の活量の対数に比例した応答を示す。
Figure 2014095675
ここで、Eは作用極の電位(V)、Eは各電極に固有の式量電位(V)、Rは気体定数(=8.314J/K・mol)、Tは絶対温度(K)、nはイオン価数、Fはファラデー定数(=96,485C/mol)、rは溶液全体のイオン濃度を表す活量係数、Cは測定対象のイオン濃度(mol/L)を表す。
ここで、第1のイオン選択電極41、第2のイオン選択電極42について、それぞれ電極電位をEw1、Ew2、式量電位を
Figure 2014095675
と表す。第1のイオン選択電極41、第2のイオン選択電極42での測定対象である第1イオン、第2イオンの濃度をそれぞれC,Cとする。また、第1のイオン選択電極41、第2のイオン選択電極42の感度を、活量係数を含めた値でS,Sとする。なお、各電極41,42での応答の感度は、測定対象が1価イオンで温度25℃のとき、理論的にはS=S=59.2となるが、実際には、膜のばらつきや感応物質の劣化・溶出の影響で異なるので、上述のようにそれぞれ活量係数を含めた値でS,Sとする。また、第1のイオン選択電極41、第2のイオン選択電極42での干渉物質による電位への影響量(各イオン選択電極の選択性に対応する)をk,kとおく。すると、電極電位をEw1、Ew2は、それぞれ式(2)、(3)のように示される。
Figure 2014095675
ここで、式(4)のように第1のイオン選択電極41の感度と第2のイオン選択電極42の感度との間の差(感度差)をαとする。
=S−α …(4)
すると、第1のイオン選択電極41の電極電位と第2のイオン選択電極42の電極電位との間の差(電位差)ΔEは、式(5)のように表される。
Figure 2014095675
ここで、第1のイオン選択電極41、第2のイオン選択電極42の感度S,Sと、第1のイオン選択電極41、第2のイオン選択電極42での干渉物質による電位への影響量をk,k(各イオン選択電極の選択性に対応する)については、後述のように第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iの材料を設定することによって、互いに揃えることができる。そのように、第1のイオン選択電極41感度S、選択性kを、それぞれ第2のイオン選択電極42の感度S、選択性kと揃えた場合、実質的に、α=S−S=0 …(6)
=k …(7)
とみなすことができる。この結果、式(5)は、次の式(8)のように簡略化される。
Figure 2014095675
この式は、第1イオン、第2イオン間の既知の濃度比をもつ溶液(標準液)についてΔEを測定して、定数である
Figure 2014095675
(以下、これをVで表す。)と、感度Sとを予め求めておけば、測定対象溶液における第1イオン、第2イオン間の濃度比M(=C/C)を測定できることを表している。
特に、感度Sについては、作製したセンサヘッドのロット内では一定と仮定し、予め測定しておいた既知の一定の値を採用する。定数Vについては、標準液について、イオン選択電極41と基準電極42との間の電位差を検出することにより求めることができる。すなわち、標準液における第1イオン、第2イオン間の濃度比(既知)をMrefとし、標準液について検出された電位差をVrefとすると、式(8)から、
=Vref−Slog(Mref) ・・・(9)
一方、測定対象液についてイオン選択電極41,42間の電位差を検出する。測定対象液中の第1イオン、第2イオン間の濃度比をMとし、測定対象液について検出された電位差をVとすると、式(8)から、
logM=(V−V)/S
となる。
よって、測定対象液中の第1イオン、第2イオン間の濃度比Mは、式(10)のように求められる。
Figure 2014095675
・・・(10)
図9は、ユーザが上述のセンサヘッド30Aを用いて電気化学的センサ90を使用する場合の概略フローを示し、また、図10はその詳細フローを示している。
i) まず、図9のステップS1に示すように、ユーザはセンサヘッド30Aを覆っている密封部材72(図5参照)を除去する。
ii) 続いて、図9のステップS2に示すように、ユーザは、予め調整された第1イオン、第2イオン間の既知の濃度比をもつ溶液(標準液)をセンサヘッド30Aに振り掛ける。
標準液としては、例えば第1イオンをNa、第2イオンをKと想定した場合、160ミリmol/LのNaClと40ミリmol/LのKClとを混合した水溶液を用いる。
iii) 続いて、図9のステップS3に示すように、ユーザはセンサヘッド30Aをセンサ本体10に装着する。具体的には、図4に示したように、センサヘッド30Aの電極パッド部30xをコネクタ21に装着する。
なお、ステップS2とステップS3との順序を入れ換えて、センサヘッド30Aをセンサ本体10に装着した後に、センサヘッド30Aに標準液を振り掛ける等してもよい。
iv) センサヘッド30Aがセンサ本体10に装着されたのに応じて、図9のステップS4に示すように、本体10内のセンサヘッド接続検知部14は、センサヘッド30Aが本体10に装着されたことを検出する。
v) すると、制御部11が電位差検出部として働いて、図9のステップS5に示すように、その標準液についての電位差Vの測定・記録を開始する。電位差Vの測定は、この例では1秒間周期で行う。測定された電位差Vは、制御部11が有するメモリ18に経時的に記憶される。
通常、例えば図6(A)に示すように、観測される電位差Vは、時間経過に伴うずれを表すドリフトを伴っている。図6(A)の例では、0秒から60秒までの間に、約62mVから63mVまでドリフトしている。
vi) 次に、図9のステップS6に示すように、制御部11がドリフト速度算出部として働いて、電位差Vについての単位時間当たりのドリフト量を表すドリフト速度(ΔV/Δtとする。)を算出する。
具体的には、まず図10のステップS6−1に示すように、測定中の電位差Vが安定したことを確認する。詳しくは、図6(A)中に示すように或る予備期間d0(期間d0の長さは、5秒間から15秒間、典型的には約10秒間とする。)のドリフト量を観測して、ドリフト量が±0.5mV以内であれば、電位差Vが安定したと判断する。電位差Vが安定していなければ、安定するまで待つ(なお、例えば30秒間乃至60秒間待っても、電位差Vが安定しなければ、表示部20に例えば「測定エラー」と表示して、何らかの異常が発生した旨をユーザに報知してもよい。)。
なお、電位差Vが安定しているか否かの基準は、±0.5mVに限られず、例えば、±0.1mVまたは±0.2mVとしてもよい。
電位差Vが安定していれば、図10のステップS6−2に示すように、予備期間d0に続く第1の期間d1(期間d1の長さは、5秒間から15秒間、典型的には約10秒間とする。)における電位差の平均値(第1の電位差)V1を求める。ステップS6−3に示すように、この平均値V1が確定した時刻(第1の時刻)をt1とする。
次に、ステップS6−4に示すように、時刻t1から例えば30秒経過後の第2の期間d2(図6(A)中に示す。)における電位差の平均値V2を求める。
vii) 次に、図9のステップS7に示すように、制御部11が、第2の期間d2における電位差の平均値(第2の電位差)V2を、上記標準液についての基準電位Vrefとする。
viii) 次に、図9のステップS8に示すように、制御部11が電位差補正部として働いて、上記ドリフト速度ΔV/Δtに応じた補正のための補正式を設定する。
具体的には、まず図10のステップS8−1に示すように、第2の期間d2における電位の平均値V2が確定した時刻(第2の時刻)をt2とする。
次に、ステップS8−2に示すように、ドリフト速度
ΔV/Δt=(V2−V1)/(t2−t1) ・・・(11)
を算出する。
この時、ステップS8−3に示すように、制御部11が報知部として働いて、表示部20に測定対象液についての測定が開始可能である旨(例えば「測定準備ができました」という文字列)を表示して、ユーザに報知する。この報知により、ユーザは、センサヘッド30A(特に、第1、第2のイオン選択電極41,42)に対して測定対象液を接触させることを促される。この結果、測定が円滑に行われる。
次に、ステップS8−4に示すように、上記ドリフト速度ΔV/Δtに基づいて、測定対象液のための補正式を設定する。補正された電位(第1、第2のイオン選択電極41,42間の電位差の補正された値)をV′とし、第2の時刻t2の後の現在の時刻をtとする。すると、この例では、補正式は、ドリフト速度ΔV/Δtと第2の時刻t2からの経過時間(t−t2)との積を含んで、次の式(12)のように表される。
V′=V+(ΔV/Δt)(t−t2)
=V+{(V2−V1)/(t2−t1)}(t−t2) ・・・(12)
この式(12)を用いて観測される電位差Vを補正すると、電位差Vの経時変化は、図6(B)のドリフトを伴った状態から、図7(A)のドリフトが解消された状態として把握される。
この例では、1秒間周期で電位差Vが測定される度に、制御部11がこの式(12)による補正を行って、補正後の電位差V′を算出する。
この式(12)により、上記ドリフト速度ΔV/Δtに応じた補正を簡単に行うことができる。
ix) 次に、図9のステップS9に示すように、ユーザは、測定対象液をセンサヘッド30Aに振り掛ける。
x) 次に、図9のステップS10に示すように、ユーザは、操作部13(図1参照)を操作して、測定対象液についての測定開始を指示する。
xi) 測定開始の指示に応じて、図9のステップS11に示すように、制御部11が電位差検出部として働いて、測定対象液についての電位差Vを検出する。
具体的には、まず図10のステップS11−1に示すように、ドリフト補正後の電位差V′が安定したことを確認する。詳しくは、図7(B)中に示すように或る予備期間di(期間diの長さは、5秒間から15秒間、典型的には約10秒間とする。)のドリフト量を観測して、ドリフト量が±0.5mV以内であれば、電位差V′が安定したと判断する。電位差V′が安定していなければ、安定するまで待つ(なお、例えば30秒間乃至60秒間待っても、電位差V′が安定しなければ、表示部20に例えば「測定エラーが発生しました」という文字列を表示して、何らかの異常が発生した旨をユーザに報知してもよい。)。
なお、電位差V′が安定しているか否かの基準は、±0.5mVに限られず、例えば、±0.1mVまたは±0.2mVとしてもよい。
電位差V′が安定していれば、図10のステップS11−2に示すように、予備期間diに続く第3の期間d3(期間d3の長さは、5秒間から15秒間、典型的には約10秒間とする。)における電位差の平均値(補正された第3の電位差)V′3を求める。この例では、図7(B)中に示すように、この平均値V′3が確定した時刻(第3の時刻)はt3である。
xii) 次に、図9のステップS12に示すように、制御部11が濃度比算出部として働いて、測定対象液における第1イオン、第2イオン間の濃度比Mを求める。
具体的には、式(10)において、Vrefとして、標準液について得られたV2の値を入れるとともに、Vとして、測定対象液について得られたV′3の値を入れる。標準液の濃度比Mref、感度Sについては既知の値が入る。これにより、測定対象液における第1イオン、第2イオン間の濃度比Mを求めることができる。
xiii) 最後に、図9のステップS13に示すように、制御部11が算出結果として、測定対象液中の第1イオン、第2イオン間の濃度比Mを表す情報を、表示部20に表示させる。
このようにして、ユーザは簡単な操作で測定を行うことができる。
このように、この電気化学的センサ90によれば、時刻t2と時刻t3との間に生じたドリフト量を解消するように補正が行われる。したがって、測定対象液に含まれた第1、第2のイオン種の間の濃度比Mについて、測定精度を高めることができる。
特に、ドリフト速度ΔV/Δtを算出するために、第1、第2の期間d1,d2における電位差の平均値V1,V2を用いており、また、測定対象液について第3の期間d3における補正された電位差の平均値V′3を用いているので、測定対象液に含まれた第1、第2のイオン種の間の濃度比Mについて、さらに測定精度を高めることができる。
図8(A),(B)は、測定対象液としてのヒトの尿(第1イオンをNaとし、第2イオンをKとする。)についての、上述のドリフト補正有無による測定精度の検証結果を示している。図8(A),(B)の横軸は、様々なヒトの尿についてのNa濃度とK濃度との比(Na/K測定値)を、臨床検査センタで測定した信頼できる値を示している(図中の◆印がそれぞれ1つの尿についてのNa/K比を示している。)。図8(A)の縦軸は、それらの尿についてのNa/K測定値を、上述のセンサヘッド30Aを用いて図9および図10のフローによって測定したドリフト補正前のNa/K測定値を示している。図8(B)の縦軸は、それらの尿についてのNa/K測定値を、上述のセンサヘッド30Aを用いて図9および図10のフローによって測定したドリフト補正後のNa/K測定値を示している。図8(A)では、臨床検査センタによる測定値(横軸x)とドリフト補正前のNa/K測定値(縦軸y)とは、y=1.04xと表され、相関係数がR=0.88であった。それに対して図8(B)では、臨床検査センタによる測定値(横軸x)とドリフト補正後のNa/K測定値(縦軸y)とは、y=1.04xと表され、相関係数がR=0.93であった。つまり、ドリフト補正前の測定値よりもドリフト補正後の測定値の方が高い相関係数を示した。
このように、ドリフト補正を行うことによって、測定精度を高められることが確認された。
また、そのようにドリフトが解消されるので、上の例のように、第1、第2のイオン選択電極41,42としては、内部液を省略して、それぞれイオン選択膜41i,42iに内部電極41m,42mが直接接したものを用いることができる。したがって、この電気化学的センサ90は、小型かつ低価格で構成され得る。
また、測定対象液について電気化学的測定データが得られた後は、コネクタ21からセンサヘッド30Aを容易に取り外すことができる。したがって、センサヘッド30Aは、小型かつ低価格で構成できることと相俟って、使い捨てが容易である。よって、このセンサヘッド30Aは、汚染された測定対象物や環境などのデータを取得するのに適する(使用後に使い捨てすれば良いからである。)。
なお、図6(A),(B)から図7(A),(B)までの電位差の経時変化の波形は、図11に示す測定系によって得られたものである。この測定系は、実施例のセンサヘッド30Aに接続された市販のポテンショスタット(北斗電工製:HZ−5000)111と、このポテンショスタット111の出力を受けるパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という。)112と、パソコン112に接続されたモニタ113とを含んでいる。ポテンショスタット111は、センサヘッド30Aの第1電極41、第2電極42間の電位差を検出して、検出した電位差(検出電位差)を表す信号を出力する。パソコン112は、測定電位差記録部112aを備え、この測定電位差記録部112aにポテンショスタット111が出力する検出電位差を記憶するとともに、検出電位差を表す信号をリアルタイムでモニタ113へ出力する。モニタ113は、測定電位表示部113aを備え、この測定電位表示部113aによって検出電位差をリアルタイムで表示する。また、パソコン112は、式(12)に従うドリフト補正を行うことができ、ドリフト補正後の電位差の経時変化の波形をモニタ113に表示させることができる。
上の例では、第1、第2のイオン選択電極41,42に対して標準液、測定対象液を振り掛けたが、これに限られるものではない。第1、第2のイオン選択電極41,42に対して標準液、測定対象液を「接触」させればよく、例えば第1、第2のイオン選択電極41,42を標準液、測定対象液に浸漬してもよい。
(第2実施形態)
第1、第2のイオン選択電極41,42における第1、第2のイオン選択膜41i,42iは、その膜に配合されイオノフォア(特定のイオンの透過性を増加させる物質)の種類、可塑剤、ポリ塩化ビニルや漆などの多孔性の熱可塑性樹脂、アニオン、カチオン排除剤などの添加物の割合を調整することで、感度や選択性を変更できる。
図3を再び参照して、センサヘッド30Aを、第1、第2のイオン選択電極41,42の感度や選択性を揃えた状態に作製する方法について具体的に説明する。
i) 例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる基板31の一方の主面である搭載面31a上に、スクリーン印刷法にてAgペーストを塗布して、Agからなる第1芯材下層41m′およびそれに連なって+X方向に延在する帯状の第1引出電極43と、Agからなる第2芯材下層42m′およびそれに連なって+X方向に延在する帯状の第2引出電極44とを同時に形成する。
この例では、基板31の寸法は、X方向50mm×Y方向20mmに設定され、厚さは200μm程度に設定されている。
また、基板31の材料としては、PETに代えて、ガラス、シリコン、ポリイミドフィルム、ガラスエポキシ、ポリカーボネートまたはアクリルなどの絶縁性材料を用いてもよい。
第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′は、基板31の1つの辺31cに沿った位置に互いに離間して形成されている。第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′の形状は、いずれも直径7mm程度の円形パターンになっている。第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′の厚さは、いずれも10μm程度になっている。
また、第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′の材料としては、Agに代えて、Pt、Au、Ir、CまたはIrOなどの導電性材料を用いてもよい。
ii) 次に、第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′上に丁度重なるように、スクリーン印刷法にてAgClペーストを塗布して、AgClからなる第1芯材上層41m″および第2芯材上層42m″を同時に形成する。
この例では、第1芯材上層41m″、第2芯材上層42m″の形状は、いずれも直径7mm程度の円形パターンになっており、第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′の形状と一致している。
このようにして、第1芯材下層41m′と第1芯材上層41m″からなる円板状の第1の内部電極41m、および、第2芯材下層42m′と第2芯材上層42m″からなる円板状の第2の内部電極42mを形成する。
iii) 次に、第1の内部電極41m、第2の内部電極42mが形成された基板31上に、スクリーン印刷法にて光硬化型若しくは熱硬化型の絶縁性レジストを塗布して、絶縁性基材(厚さ30μm〜100μm程度)50を形成する。
この例では、絶縁性基材50は、第1の内部電極41m、第2の内部電極42mの直上に同心で、直径4mm程度の円形の開口51,52を有している。これにより、第1の内部電極41m、第2の内部電極42mの有効な領域(内部電極として機能する領域)を画定している。
また、絶縁性基材50の3つの辺50c,50d,50fは、基板31の3つの辺31c,31d,31fと一致した位置にあり、絶縁性基材50の残りの1つの辺50eは、基板31の残りの1つの辺31dから−X方向に後退した位置にある。これにより、電極パッド部30xで、第1引出電極43、第2引出電極44を露出させている。
この絶縁性基材50の材料としては、光硬化型若しくは熱硬化型のレジストに代えて、絶縁性を有するシール、シート、テープなどを用いてもよい。
iv) 次に、絶縁性基材50の開口51,52を通して、それぞれ第1の内部電極41m、第2の内部電極42m上に直接接するように、第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iを形成する。
具体的には、第1のイオン選択膜41iの材料として、Bis(12−corwn−4)、ポリ塩化ビニル(PVC)、2−ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)、テトラキス(4−クロロフェニル)ほう酸カリウム(K−TCPB)を、テトラヒドロフラン(THF)に溶解してなる溶液を用意する。ピペットを用いて、この溶液を、絶縁性基材50の開口51を通して、第1の内部電極41m上に滴下し、自然乾燥させる。これにより、第1のイオン選択膜41iを、Naを選択するイオン選択膜として形成する。
これにより、第1のイオン選択電極41は、第1の内部電極41m上に直接接して第1のイオン選択膜41iが設けられている構造をもつ状態に形成される。
一方、第2のイオン選択膜42iの材料として、Bis(benzo−15−crown−5)、PVC、NPOE、K−TCPBをTHFに溶解してなる溶液を用意する。ピペットを用いて、この溶液を、絶縁性基材50の開口52を通して、第2の内部電極42m上に滴下し、自然乾燥させる。これにより、第2のイオン選択膜42iを、Kを選択するイオン選択膜として形成する。
これにより、第2のイオン選択電極42は、第2の内部電極42m上に直接接して第2のイオン選択膜42iが設けられている構造をもつ状態に形成される。
v) このようにして、センサヘッド30Aを作製する。この後、センサヘッド30Aを保管する場合は、センサヘッド30Aを密封部材(密封パック72など)によって覆う。
このようにして作製されたセンサヘッド30Aでは、第1のイオン選択膜41iがBis(12−corwn−4)を含み、また、第2のイオン選択膜42iがBis(benzo−15−crown−5)を含んでいる。つまり、第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iがそれぞれクラウンエーテルの構造をもつ成分を含んでいる。したがって、第1のイオン選択膜41iの感度S、選択性kを、それぞれ第2のイオン選択膜42iの感度S、選択性kと実質的に揃えることができる。
したがって、第1、第2のイオン選択膜41i,42iは、測定対象液中の干渉物質(第1イオンとしてのNa、第2イオンとしてのK以外の物質)に対して実質的に同じ応答を示す。この結果、上記測定対象液に含まれた第1イオン、第2イオンの間の濃度比について、さらに測定精度を高めることができる。
(第3実施形態)
電気化学的センサ90のセンサヘッド30として、上述のセンサヘッド30Aに代えて、図12(A),(B)および図13に示すような内部液を有するタイプのセンサヘッド30Bを用いることができる。
図12(A)は、センサヘッド30B(完成状態のもの)を板面に対して垂直な方向から見たところを示している。図12(B)は、図12(A)におけるV−V線断面を示している。また、図13は、センサヘッド30Bを分解状態で示している。
図12(A)および図13によって分かるように、このセンサヘッド30Bは、所定のサイズを持つ矩形状の基板31と、この基板31の一方の主面である搭載面31a上に、1つの辺31cに沿って互いに離間して配置された第1のイオン選択電極41′および第2のイオン選択電極42′と、これらの第1のイオン選択電極41′、第2のイオン選択電極42′からそれぞれ基板31の反対側の辺(縁部)31eへ向かってX方向に互いに平行に延在する第1引出電極43および第2引出電極44を備えている。
基板31は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ガラス、シリコン、ポリイミドフィルム、ガラスエポキシ、ポリカーボネートまたはアクリルなどの絶縁性材料からなっている。したがって、搭載面31aも、絶縁性をもつ。
第1引出電極43、第2引出電極44は、Pt、Ag、Au、Ir、CまたはIrOなどの導電性材料からなっている。
図12(B)および図13によって分かるように、第1のイオン選択電極41′は、第1引出電極43と同じ材料からなる導電性をもつ第1芯材下層41m′と、この第1芯材下層41m′に直接接して設けられたAgClからなる第1芯材上層41m″とを、第1の内部電極41mとして有している。これとともに、第1のイオン選択電極41′は、第1の内部電極41m(より正確には、第1芯材上層41m″)に直接接して設けられた第1の内部液41sと、この第1の内部液41sに直接接して設けられた第1のイオン選択膜41iとを有している。
同様に、第2のイオン選択電極42′は、第2引出電極44と同じ材料からなる導電性を持つ第2芯材下層42m′と、この第2芯材下層42m′に直接接して設けられたAgClからなる第2芯材上層42m″とを、第2の内部電極42mとして有している。これとともに、第2のイオン選択電極42′は、第2の内部電極42m(より正確には、第2芯材上層42m″)に直接接して設けられた第2の内部液42sと、この第2の内部液42sに直接接して設けられた第2のイオン選択膜42iとを有している。
第1の内部液41sと、第1の内部電極41m、第1のイオン選択膜41iとが接する領域は、絶縁性基材(光硬化型若しくは熱硬化型のレジスト、または絶縁性を有するシール、シート、テープなどからなる。)50,60に設けられた開口51,61のサイズ(この例では、直径約4mm)によって画定されている。第1の内部液41sは、第1の内部電極41m、第1のイオン選択膜41iと、絶縁性基材50,60とによって封じられている。
同様に、第2の内部液42sと、第2の内部電極42m、第2のイオン選択膜42iとが接する領域は、それぞれ、絶縁性基材50,60に設けられた開口52,62のサイズ(この例では、直径約4mm)によって画定されている。第2の内部液42sは、第2の内部電極42m、第2のイオン選択膜42iと、絶縁性基材50,60とによって封じられている。
この例では、第1の内部液41sと第2の内部液42sとは同一の組成からなり、標準液として用いられる。
第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iは、それぞれ測定対象液に含まれた互いに異なるイオン種(これらを適宜「第1イオン」、「第2イオン」と呼ぶ。)を選択的に透過する性質を有している。この例では、第1のイオン選択膜41iは、第1イオンとしてのNaを選択的に透過する性質を有している。第2のイオン選択膜42iは、第2イオンとしてのKを選択的に透過する性質を有している。
また、最上層をなすカバーシート70が設けられている。このカバーシート70は、第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iに対応する位置に、それぞれ開口(この例では、直径約4mm)71,72を有している。このカバーシート70によって、第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iの周縁が固定されている。標準液または測定対象液に含まれた第1イオン、第2イオンは、それぞれカバーシート70の開口71,72、第1、第2のイオン選択膜41i,42iを通して第1、第2の内部液41s,42s中に浸透する。
図12(A)によって良く分かるように、センサヘッド30Bのうち絶縁性基材50,60およびカバーシート70によって覆われていない部分(これを「電極パッド部」と呼ぶ。)30xでは、第1引出電極43、第2引出電極44が露出している。
上述のセンサヘッド30Bは、比較的構成要素が少なく、内部液を有するけれども略矩形の平板状に形成されている。また、測定対象液に接触すべき電極は、第1、第2のイオン選択電極41′,42′のみである。したがって、このセンサヘッド30Bは、小型かつ低価格で構成され得る。
センサヘッド30Bを保管する場合は、センサヘッド30Bは密封部材(図5に示した密封パック72など)によって覆われる。
図13を再び参照して、センサヘッド30Bを、第1、第2のイオン選択電極41′,42の感度や選択性を揃えた状態に作製する方法について具体的に説明する。
i) 例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)からなる基板31の一方の主面である搭載面31a上に、スクリーン印刷法にてAgペーストを塗布して、Agからなる第1芯材下層41m′およびそれに連なって+X方向に延在する帯状の第1引出電極43と、Agからなる第2芯材下層42m′およびそれに連なって+X方向に延在する帯状の第2引出電極44とを同時に形成する。
この例では、基板31の寸法は、X方向50mm×Y方向20mmに設定され、厚さは200μm程度に設定されている。
また、基板31の材料としては、PETに代えて、ガラス、シリコン、ポリイミドフィルム、ガラスエポキシ、ポリカーボネートまたはアクリルなどの絶縁性材料を用いてもよい。
第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′は、基板31の1つの辺31cに沿った位置に互いに離間して形成されている。第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′の形状は、いずれも直径7mm程度の円形パターンになっている。第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′の厚さは、いずれも10μm程度になっている。
また、第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′の材料としては、Agに代えて、Pt、Au、Ir、CまたはIrOなどの導電性材料を用いてもよい。
ii) 次に、第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′上に丁度重なるように、スクリーン印刷法にてAgClペーストを塗布して、AgClからなる第1芯材上層41m″および第2芯材上層42m″を同時に形成する。
この例では、第1芯材上層41m″、第2芯材上層42m″の形状は、いずれも直径7mm程度の円形パターンになっており、第1芯材下層41m′、第2芯材下層42m′の形状と一致している。
このようにして、第1芯材下層41m′と第1芯材上層41m″からなる円板状の第1の内部電極41m、および、第2芯材下層42m′と第2芯材上層42m″からなる円板状の第2の内部電極42mを形成する。
iii) 次に、第1の内部電極41m、第2の内部電極42mが形成された基板31上に、スクリーン印刷法にて光硬化型若しくは熱硬化型の絶縁性レジストを塗布して、絶縁性基材下層(厚さ30μm〜100μm程度)50を形成する。さらに、絶縁性基材50上に、アクリル系の強力両面テープを貼り付けて絶縁性基材下層(厚さ1mm程度)60を形成する。
これらの、絶縁性基材50,60は、第1の内部電極41mの直上に同心で、直径4mm程度の円形の開口51,61を有するとともに、第2の内部電極42mの直上に同心で、直径4mm程度の円形の開口52,62を有している。これにより、第1の内部電極41m、第2の内部電極42mの有効な領域(内部電極として機能する領域)を画定している。
また、絶縁性基材50,60の3つの辺50c,60c;50d,60d;50f,60fは、基板31の3つの辺31c,31d,31fと一致した位置にあり、絶縁性基材50,60の残りの1つの辺50e,60eは、基板31の残りの1つの辺31dから−X方向に後退した位置にある。
iv)一方、作成中のセンサヘッド30Bとは別の、例えば図示しない2つのシャーレ内に、それぞれ第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iの材料を形成しておく。
1つのシャーレには、第1のイオン選択膜41iの材料として、Bis(12−corwn−4)、ポリ塩化ビニル(PVC)、2−ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)、テトラキス(4−クロロフェニル)ほう酸カリウム(K−TCPB)を、テトラヒドロフラン(THF)に溶解してなる溶液を入れる。そして、この溶液を自然乾燥させて、第1のイオン選択膜41iの材料となる膜を形成する。
もう1つのシャーレには、第2のイオン選択膜42iの材料として、Bis(benzo−15−crown−5)、PVC、NPOE、K−TCPBをTHFに溶解してなる溶液を入れる。そして、この溶液を自然乾燥させて第2のイオン選択膜42iの材料となる膜を形成する。
v) 次に、作成中のセンサヘッド30Bの絶縁性基材50,60の開口51,61;52,62内に、それぞれ第1の内部液41s、第2の内部液42sとして、それぞれ濃度3000ppmのNaCl水溶液と濃度1000ppmのKCl水溶液とを混合してなる同じ水溶液を標準液として入れる。この標準液における第1イオンとしてのNaと第2イオンとしてのKとの間の濃度比Mrefは既知である。
vi) 続いて、上記iv)で形成した1つのシャーレ内の第1のイオン選択膜41iの材料をコルクボーラー等を用いて直径6mmの円形にくり抜いて、絶縁性基材50,60の開口51,61を塞ぐように、絶縁性基材上層60に貼り付ける。
同様に、上記iv)で形成したもう1つのシャーレ内の第2のイオン選択膜42iの材料を、それぞれコルクボーラー等を用いて直径6mmの円形にくり抜いて、絶縁性基材50,60の開口52,62を塞ぐように、絶縁性基材上層60に貼り付ける。
これにより、第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iを形成する。
vii) 最後に、この上から、第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iに対応する位置にそれぞれ開口71,72を有するカバーシート70を貼り付ける。これにより、このカバーシート70によって、第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iの周縁を固定する。
カバーシート70の材料は、例えばPETフィルム(厚さ50μm程度)とする。
絶縁性基材50,60におけるのと同様に、カバーシート70の3つの辺70c,70d,70fは、基板31の3つの辺31c,31d,31fと一致した位置にあり、カバーシート70の残りの1つの辺70eは、基板31の残りの1つの辺31dから−X方向に後退した位置にある。これにより、電極パッド部30xで、第1引出電極43、第2引出電極44を露出させている。
v) このようにして、センサヘッド30Bを作製する。この後、センサヘッド30Bを保管する場合は、センサヘッド30Bを密封部材(図5に示した密封パック72など)によって覆う。
このようにして作製されたセンサヘッド30Bでは、第1のイオン選択膜41iがBis(12−corwn−4)を含み、また、第2のイオン選択膜42iがBis(benzo−15−crown−5)を含んでいる。つまり、第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iがそれぞれクラウンエーテルの構造をもつ成分を含んでいる。したがって、第1のイオン選択膜41iの感度S、選択性kを、それぞれ第2のイオン選択膜42iの感度S、選択性kと実質的に揃えることができる。
したがって、第1、第2のイオン選択膜41i,42iは、測定対象液中の干渉物質(第1イオンとしてのNa、第2イオンとしてのK以外の物質)に対して実質的に同じ応答を示す。この結果、上記測定対象液に含まれた第1イオン、第2イオンの間の濃度比について、さらに測定精度を高めることができる。
図15は、ユーザが上述のセンサヘッド30Bを用いて電気化学的センサ90を使用する場合のフローを示している。このフローは、既述の図9、図10のフローに対して、第1の内部液41s、第2の内部液42sを標準液として用いる点と、測定される電位差についてドリフト補正を行って点とが異なっている。
i) まず、図15のステップS101に示すように、ユーザはセンサヘッド30Bを覆っている密封部材(図5に示した密封パック72など)を除去する。
ii) 続いて、図15のステップS102に示すように、ユーザはセンサヘッド30Bをセンサ本体10に装着する。具体的には、センサヘッド30Bの電極パッド部30xをコネクタ21に装着する。
iii) これに応じて、図15のステップS103に示すように、本体10内のセンサヘッド接続検知部14は、センサヘッド30Bが本体10に装着されたことを検出する。
iv) すると、制御部11が電位差検出部として働いて、図15のステップS104に示すように、標準液についての電位差Vrefを検出する。具体的には、センサヘッド30Bの第1イオン選択電極4′1と第2イオン選択電極42′との間の電位差Vrefを、図1中のコネクタ21を介して、データ入力部12が入力し、制御部11が有するメモリ18に経時的に記憶する。さらに制御部11は、標準液についての電位差Vrefを用いて、測定対象液についての電位差Vを校正するために、式(9)に基づいて基準電位Vを算出する演算を行う。これにより、ユーザが校正のための操作を意識的に行わなくても、校正が可能となる。
この演算が完了すると、制御部11は表示部20に測定対象液についての測定準備が完了した旨(例えば「測定準備ができました」という文字列)を表示して、ユーザに報知する。この報知により、ユーザは、センサヘッド30B(特に、第1のイオン選択電極41′および第2のイオン選択電極42′)に対して測定対象液を接触させることを促される。この結果、測定が円滑に行われる。
次に、図15のステップS105に示すように、ユーザは、センサヘッド30Bに測定対象液を振り掛けるか、またはセンサヘッド30Bを測定対象液に浸漬する。測定対象液の振り掛けまたは測定対象液への浸漬を20〜30秒間継続すれば、測定対象液が第1のイオン選択膜41i、第2のイオン選択膜42iを通して第1の内部液41s、第2の内部液42s(標準液)中に浸透して、標準液が測定対象液によって置換された状態になる。したがって、測定対象液が第1の内部電極41mおよび第2の内部電極42mに接触する状態になる。
この状態で、図15のステップS106に示すように、ユーザは、本体10の操作部13を操作して、測定対象液についての測定開始の指示を入力する。
すると、制御部11が電位差検出部として働いて、図15のステップS107に示すように、測定対象液について電位差Vを検出する。具体的には、センサヘッド30Bの第1電極41と第2電極42との間の電位差Vを、図1中のコネクタ21を介して、データ入力部12が入力し、制御部11が有するメモリ18に経時的に記憶する。
続いて、制御部11が、図15のステップS108に示すように、標準液についての電位差Vrefを用いて測定対象液についての電位差Vを校正し、測定対象液中の第1イオン、第2イオン間の濃度比Mを算出する。具体的には、制御部11が、式(10)に基づいて、測定対象液中の第1イオン、第2イオン間の濃度比Mを算出する。
最後に、図15のステップS109に示すように、制御部11が演算結果として、測定対象液中の第1イオン、第2イオン間の濃度比Mを表す情報を、表示部20に表示させる。
このようにして、ユーザは簡単な操作で測定を行うことができる。
図14は、測定対象液として、第1イオンとしてのNaと第2イオンとしてのKとの間の濃度比を様々に変えて調整したサンプル溶液について、上述のセンサヘッド30Bを用いて図15のフローによって電位差を測定したときの測定結果を示している。
サンプル溶液としては、ビーカ内の純水(50mL)に対して、Na濃度50000ppmの水溶液とK濃度50000ppmの水溶液とを分量を様々に変えながら混合して、Na濃度とK濃度との比(Na/K)が0.1から30までの既知のものを多数用意した。
図14の横軸は、サンプル溶液における既知のNa濃度とK濃度との比(Na/K)を示している。図14の縦軸は、それらのサンプル溶液について、上述のセンサヘッド30Bを用いて図15のフローによって測定された電位差V(mV)を示している。図14中の◆印がそれぞれ1つのサンプル溶液について測定された電位差Vを示している。
この測定結果では、濃度比Na/K(横軸x)と測定された電位差V(縦軸y)との関係は、y=59.95log(x)+55.35と表され、相関係数がR=0.998であった。つまり、非常に高い相関係数を示した。
このように、上述のセンサヘッド30Bのおかげで、精度の良い測定を行えることを確認できた。
当然ながら、このセンサヘッド30Bを用いる場合であっても、図15のフローに代えて、既述の図9、図10のフローに従って測定を行い、ドリフト補正を行ってもよい。そのようにした場合、さらに測定精度を高めることができる。
既述のように、センサヘッド30Bは、小型かつ低価格で構成され得る。したがって、このセンサヘッド30Bを備えた電気化学的センサ90も、小型かつ低価格で構成され得る。
また、既述のセンサヘッド30Aにおけるのと同様に、測定対象液について電気化学的測定データが得られた後は、コネクタ21からセンサヘッド30Bを容易に取り外すことができる。したがって、センサヘッド30Bは、小型かつ低価格で構成できることと相俟って、使い捨てが容易である。よって、このセンサヘッド30Bは、汚染された測定対象物や環境などのデータを取得するのに適する(使用後に使い捨てすれば良いからである。)。
以上、幾つかの実施形態について、主にナトリウムイオン、カリウムイオンの間の濃度比を測定する場合について説明したが、それに限られるものではない。この発明のセンサヘッドおよびそれを備えた電気化学的センサによれば、ナトリウムイオン、カリウムイオン以外に、例えばカルシウムイオン、塩化物イオン、 リチウムイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、ヨウ化物イオン、マグネシウムイオン、臭化物イオン、過塩素酸イオン、水素イオンなどの、様々なイオンの間の濃度比を測定するのに適用できる。
以上の実施形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。
10 本体
21 コネクタ
30,30A,30B センサヘッド
41,41′ 第1のイオン選択電極
42,42′ 第2のイオン選択電極
90 電気化学的センサ

Claims (11)

  1. 測定対象液に含まれた2つのイオン種の間の濃度比を測定する電気化学的センサであって、
    第1のイオン種を選択して、その第1のイオン種の濃度に応じた電位を発生させる第1のイオン選択電極と、
    第2のイオン種を選択して、その第2のイオン種の濃度に応じた電位を発生させる第2のイオン選択電極と、
    上記第1のイオン選択電極と上記第2のイオン選択電極との間の電位差を検出する電位差検出部と、
    上記2つのイオン種の間の予め定められた濃度比を有する標準液について、上記電位差検出部が第1の時刻に検出した第1の電位差と、上記電位差検出部が上記第1の時刻よりも後の第2の時刻に検出した第2の電位差との間の、時間経過に伴うずれを表すドリフト量に基づいて、単位時間当たりのドリフト量を表すドリフト速度を算出するドリフト速度算出部と、
    上記測定対象液について、上記電位差検出部が上記第2の時刻よりも後の第3の時刻に検出した第3の電位差に対して、上記第2の時刻と第3の時刻との間に生じたドリフト量を解消するように上記ドリフト速度に応じた補正を行って、補正された第3の電位差を求める電位差補正部と、
    上記標準液についての上記第2の電位差と上記測定対象液についての上記補正された第3の電位差との差に応じて、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を求める濃度比算出部とを備えた電気化学的センサ。
  2. 請求項1に記載の電気化学的センサにおいて、
    上記電位差補正部による上記ドリフト速度に応じた補正は、上記ドリフト速度と上記第2の時刻からの経過時間との積を表す項目を含む補正式によることを特徴とする電気化学的センサ。
  3. 請求項1または2に記載の電気化学的センサにおいて、
    上記第1の電位差は、或る長さをもつ第1の期間の電位差を表す平均値であり、
    上記第2の電位差は、或る長さをもつ第2の期間の電位差を表す平均値であることを特徴とする電気化学的センサ。
  4. 請求項1から3までのいずれか一つに記載の電気化学的センサにおいて、
    上記ドリフト速度算出部による上記ドリフト速度の算出が完了した時、上記測定対象液についての上記電位差検出部による測定が開始可能である旨を報知する報知部を備えたことを特徴とする電気化学的センサ。
  5. 請求項1から4までのいずれか一つに記載の電気化学的センサにおいて、
    上記第1のイオン選択電極は、上記第1のイオン種を選択して透過させる第1のイオン選択膜と、上記第1のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第1の内部電極とを含み、
    上記第2のイオン選択電極は、上記第2のイオン種を選択して透過させる第2のイオン選択膜と、上記第2のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第2の内部電極とを含み、
    上記第1のイオン選択膜の感度、選択性は、それぞれ上記第2のイオン選択膜の感度、選択性と実質的に揃えられていることを特徴とする電気化学的センサ。
  6. 請求項5に記載の電気化学的センサにおいて、
    上記第1のイオン選択膜、上記第2のイオン選択膜がそれぞれクラウンエーテルの構造を持つ材料を含むことを特徴とする電気化学的センサ。
  7. 請求項1から6までのいずれか一つに記載の電気化学的センサにおいて、
    上記第1のイオン選択電極は、上記第1のイオン種を選択して透過させる第1のイオン選択膜と、上記第1のイオン選択膜に直接接して配置され、上記第1のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第1の内部電極とを含み、
    上記第2のイオン選択電極は、上記第2のイオン種を選択して透過させる第2のイオン選択膜と、上記第2のイオン選択膜に直接接して配置され、上記第2のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第2の内部電極とを含んでいることを特徴とする電気化学的センサ。
  8. 測定対象液に含まれた2つのイオン種の間の濃度比を測定するために、測定対象液が接触されるセンサヘッドであって、
    上記測定対象液に接触すべき電極として、上記2つのイオン種のうちの第1のイオン種を選択するための第1のイオン選択電極と第2のイオン種を選択するための第2のイオン選択電極とのみを備え、
    上記第1のイオン選択電極は、上記第1のイオン種を選択して透過させる第1のイオン選択膜と、上記第1のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第1の内部電極とを含み、
    上記第2のイオン選択電極は、上記第2のイオン種を選択して透過させる第2のイオン選択膜と、上記第2のイオン選択膜を透過したイオン種によって電位が変化する第2の内部電極とを含み、
    上記第1のイオン選択膜の感度、選択性は、それぞれ上記第2のイオン選択膜の感度、選択性と実質的に揃えられていることを特徴とするセンサヘッド。
  9. 請求項8に記載のセンサヘッドにおいて、
    上記第1のイオン選択膜、上記第2のイオン選択膜がそれぞれクラウンエーテルの構造を持つ材料を含むことを特徴とするセンサヘッド。
  10. 請求項8または9に記載のセンサヘッドにおいて、
    絶縁性をもつ搭載面を備え、この搭載面上に一体に、上記第1のイオン選択電極と上記第2のイオン選択電極とが互いに離間して形成され、
    上記第1のイオン選択電極では、上記搭載面上に上記第1の内部電極が配置され、上記第1の内部電極上に上記第1のイオン選択膜が直接接して配置され、
    上記第2のイオン選択電極では、上記搭載面上に上記第2の内部電極が配置され、上記第2の内部電極上に上記第2のイオン選択膜が直接接して配置されていることを特徴とするセンサヘッド。
  11. 請求項8から10までのいずれか一つに記載のセンサヘッドと、
    上記第1のイオン選択電極の上記第1の内部電極と上記第2のイオン選択電極の上記第2の内部電極との間の電位差を検出する電位差検出部とを備えたことを特徴とする電気化学的センサ。
JP2012248704A 2012-11-12 2012-11-12 電気化学的センサ Active JP6127460B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012248704A JP6127460B2 (ja) 2012-11-12 2012-11-12 電気化学的センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012248704A JP6127460B2 (ja) 2012-11-12 2012-11-12 電気化学的センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014095675A true JP2014095675A (ja) 2014-05-22
JP6127460B2 JP6127460B2 (ja) 2017-05-17

Family

ID=50938844

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012248704A Active JP6127460B2 (ja) 2012-11-12 2012-11-12 電気化学的センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6127460B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022102649A1 (ja) * 2020-11-12 2022-05-19 オムロンヘルスケア株式会社 電解液分析用試験片および電解液分析装置
WO2023084980A1 (ja) * 2021-11-10 2023-05-19 オムロンヘルスケア株式会社 電気化学的センサ及び測定装置
WO2023105583A1 (ja) * 2021-12-06 2023-06-15 オムロンヘルスケア株式会社 電解液分析用試験片、電解液分析装置および電解液分析方法
WO2023157677A1 (ja) * 2022-02-18 2023-08-24 オムロンヘルスケア株式会社 電解液分析装置および電解液分析方法
JP7478812B2 (ja) 2019-09-16 2024-05-07 バイオイニシャルズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ブラシヘッド、歯ブラシ、その操作のための分析システムおよび方法
WO2024105944A1 (ja) * 2022-11-16 2024-05-23 オムロンヘルスケア株式会社 電解液分析用試験片および電解液分析装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115176149A (zh) * 2020-03-03 2022-10-11 株式会社堀场先进技术 离子选择性电极

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52142584A (en) * 1976-05-19 1977-11-28 Eastman Kodak Co Ion selective electrode
JPS57147047A (en) * 1981-03-07 1982-09-10 Olympus Optical Co Ltd Measuring method for concentration using ion electrode
JPS63158448A (ja) * 1986-12-23 1988-07-01 Matsushita Electric Works Ltd 液中成分測定装置
JPS63181749A (ja) * 1987-01-22 1988-07-26 株式会社堀場製作所 生物用イオン濃度相関値測定装置
JPS63277962A (ja) * 1986-10-01 1988-11-15 ウイリ メーラー リチウム・ナトリウムイオン濃度比の測定方法及び測定装置
JPH02266258A (ja) * 1989-02-21 1990-10-31 Fisher Scient Co pHと比イオン濃度の測定
JPH0484750A (ja) * 1990-07-27 1992-03-18 Shimadzu Corp イオンメータの検出装置
JPH06265512A (ja) * 1993-03-13 1994-09-22 Horiba Ltd 電解質分析計の校正方法
US5401377A (en) * 1993-08-06 1995-03-28 Biomedix, Inc. Ion-selective sensor with polymeric membrane having phospholipid dispersed therein
JP2005501252A (ja) * 2001-08-22 2005-01-13 インストゥルメンテイション ラボラトリー カンパニー 電気化学センサーを較正するための方法および装置
JP2009103518A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Toshiba Corp 機能性膜の製造方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52142584A (en) * 1976-05-19 1977-11-28 Eastman Kodak Co Ion selective electrode
JPS57147047A (en) * 1981-03-07 1982-09-10 Olympus Optical Co Ltd Measuring method for concentration using ion electrode
JPS63277962A (ja) * 1986-10-01 1988-11-15 ウイリ メーラー リチウム・ナトリウムイオン濃度比の測定方法及び測定装置
JPS63158448A (ja) * 1986-12-23 1988-07-01 Matsushita Electric Works Ltd 液中成分測定装置
JPS63181749A (ja) * 1987-01-22 1988-07-26 株式会社堀場製作所 生物用イオン濃度相関値測定装置
JPH02266258A (ja) * 1989-02-21 1990-10-31 Fisher Scient Co pHと比イオン濃度の測定
JPH0484750A (ja) * 1990-07-27 1992-03-18 Shimadzu Corp イオンメータの検出装置
JPH06265512A (ja) * 1993-03-13 1994-09-22 Horiba Ltd 電解質分析計の校正方法
US5401377A (en) * 1993-08-06 1995-03-28 Biomedix, Inc. Ion-selective sensor with polymeric membrane having phospholipid dispersed therein
JP2005501252A (ja) * 2001-08-22 2005-01-13 インストゥルメンテイション ラボラトリー カンパニー 電気化学センサーを較正するための方法および装置
JP2009103518A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Toshiba Corp 機能性膜の製造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7478812B2 (ja) 2019-09-16 2024-05-07 バイオイニシャルズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ブラシヘッド、歯ブラシ、その操作のための分析システムおよび方法
WO2022102649A1 (ja) * 2020-11-12 2022-05-19 オムロンヘルスケア株式会社 電解液分析用試験片および電解液分析装置
WO2023084980A1 (ja) * 2021-11-10 2023-05-19 オムロンヘルスケア株式会社 電気化学的センサ及び測定装置
WO2023105583A1 (ja) * 2021-12-06 2023-06-15 オムロンヘルスケア株式会社 電解液分析用試験片、電解液分析装置および電解液分析方法
WO2023157677A1 (ja) * 2022-02-18 2023-08-24 オムロンヘルスケア株式会社 電解液分析装置および電解液分析方法
WO2024105944A1 (ja) * 2022-11-16 2024-05-23 オムロンヘルスケア株式会社 電解液分析用試験片および電解液分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6127460B2 (ja) 2017-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6127460B2 (ja) 電気化学的センサ
JP5834599B2 (ja) センサヘッド、電気化学的センサおよび電気化学的センサの使用方法
US7189314B1 (en) Method and apparatus for quantitative analysis
JP2726755B2 (ja) 分析質・▲pH▼測定用センサー組立体装置
JP2005505778A (ja) 唾液、汗、及び表面拭い要素の直接的有機薬物分析のためのイオン選択性電極
JP7508611B2 (ja) 血液中尿素の検出を改善するための混合したイオノフォアイオン選択性電極
EP3054290B1 (en) Ion-selective electrode
JP5809968B2 (ja) 校正液
JPH06508432A (ja) 液体の電気的分析とそれに使用する検出素子
JPH04269651A (ja) ソリッドコンタクトとこれを用いた電位差センサ装置およびセンサ装置による方法
JP4370406B2 (ja) pHスタットおよびpH変化測定方法
JP2015114153A (ja) 測定装置、および測定方法
US20150107994A1 (en) Biosensor
Lemke et al. Multisensor array for pH, K+, Na+ and Ca2+ measurements based on coated-film electrodes
JP2019020258A (ja) イオン選択性電極、電解質測定装置、及び電解質測定システム
Marple et al. Potentiometry: pH and Ion-Selective Electrodes
WO2023084980A1 (ja) 電気化学的センサ及び測定装置
JP7512855B2 (ja) 電解液分析用試験片、試験片製造方法および電解液分析装置
Guagneli Novel design of a flow-through potentiometric sensing device
US12038404B2 (en) Mixed ionophore ion-selective electrode for the improved dectection of urea in blood
Jadhav et al. Acetic Acid Release from Polymeric Membrane pH Electrodes for Generating Local pH Gradients at Ion‐Selective Membranes
Khater et al. Single and mixed chemically modified carbon paste ion‐selective electrodes for determination of ketotifen fumarate
JPS63281041A (ja) 測定用電極
JP2022077851A5 (ja)
Issa et al. Solid contact sensors for determination of the antihistaminic drug ketotifen fumarate

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6127460

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150