JP2022077851A5 - - Google Patents

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JP2022077851A5
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この発明は電解液分析用試験片に関し、より詳しくは、電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定するための試験片に関する。また、この発明は、そのような電解液分析用試験片を作製する試験片製造方法に関する。また、この発明は、そのような電解液分析用試験片を備えて、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を測定する電解液分析装置に関する。
従来、この種の電解液分析用試験片としては、例えば特許文献1(特許第5809969号公報)に開示されているように、細長い基板(積層基板)の一方の面の先端部に、円形のナトリウムイオン電極と、円形のカリウムイオン電極とが、上記基板の長手方向に沿って一列に並べて配置されているものが知られている。上記ナトリウムイオン電極、上記カリウムイオン電極は、それぞれナトリウムイオン、カリウムイオンに選択的に反応する円形のイオン感応膜と、それらの直下に形成された導電膜とを含んでいる。
また、例えば特許文献2(特許第6127460号公報)に開示されているように、細長い基板の一方の面の先端部に、円形のナトリウムイオン電極と、円形のカリウムイオン電極とが、上記基板の長手方向に対して垂直な方向(幅方向)に並べて配置されているものが知られている。特許文献1におけるのと同様に、上記ナトリウムイオン電極、上記カリウムイオン電極は、それぞれナトリウムイオン、カリウムイオンに選択的に反応する円形のイオン感応膜と、それらの直下に形成された導電膜とを含んでいる。
特許第5809969号公報 特許第6127460号公報
ところで、各イオン感応膜は、上記基板上にインクジェット印刷法などによって材料液(有機溶媒を含む溶液)を塗布し、その材料液を乾燥させて硬化することにより形成されている。このため、特許文献1、2における試験片の態様では、作製中、材料液が塗布された後、有機溶媒が蒸発する前に、異なる材料液同士が広がって接触する、という問題がある。この結果、形成された各イオン感応膜の特性が損なわれる。
この問題を防ぐために、特許文献1(特許第5809969号公報)では、上記基板に、上記ナトリウムイオン感応膜と上記カリウムイオン感応膜との間を仕切る凸壁または凹溝を設ける、という提案がなされている。しかしながら、仮に上記基板にそのような凸壁または凹溝を設けた場合、上記基板のサイズが大きくなって、不利になる。
そこで、この発明の課題は、電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定するための電解液分析用試験片であって、イオン感応膜を形成するための材料液同士が互いに接触することなく、かつ小サイズに作製可能なものを提供することにある。また、この発明の課題は、そのような電解液分析用試験片を作製できる試験片製造方法を提供することにある。また、この発明の課題は、そのような電解液分析用試験片を備えて、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を測定する電解液分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、第1の局面では、この開示の電解液分析用試験片は、
電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定するための電解液分析用試験片であって、
一方向に延在する基板と、
上記基板の一方の主面において、上記一方向に関して一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させる第1のイオン感応膜と、
上記一方の主面において、上記第1のイオン感応膜から、上記一端の側とは反対の他端の側へ延在する第1の引出電極と、
上記基板の上記一方の主面とは反対の他方の主面において、上記一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる第2のイオン感応膜と、
上記他方の主面において、上記第2のイオン感応膜から、上記他端の側へ延在する第2の引出電極と
を備え
上記基板は、互いに重ねて貼り合わされた第1の基板と第2の基板とを含み、
上記一方の主面は、上記第1の基板の2つの主面のうち上記第2の基板から遠い側の主面であり、
上記他方の主面は、上記第2の基板の2つの主面のうち上記第1の基板から遠い側の主面である
ことを特徴とする。
本明細書で、基板の「一方の主面」と「他方の主面」とは、空間的に広がる一対の板面を指し、端面とは異なる。
「一端の側」とは、上記一方向に関して一端と他端のうち上記一端に近い側を指す。また、「他端の側」とは、上記一方向に関して一端と他端のうち上記他端に近い側を指す。
この開示の電解液分析用試験片では、上記基板の一方の主面上に上記第1のイオン感応膜が設けられ、また、上記基板の上記一方の主面とは反対の他方の主面上に上記第2のイオン感応膜が設けられている。つまり、上記第1のイオン感応膜と上記第2のイオン感応膜とは、上記基板の1つの主面上に並べて配置されているわけではなく、互いに反対向きの主面上に配置されている。より具体的には、上記第1の基板の上記第2の基板から遠い側の主面上に上記第1のイオン感応膜が設けられ、また、上記第2の基板の上記第1の基板から遠い側の主面上に上記第2のイオン感応膜が設けられている。この配置に応じて、この電解液分析用試験片の作製段階で、上記一方の主面上での上記第1のイオン感応膜形成のための材料液の塗布および硬化と、上記他方の主面上での上記第2のイオン感応膜形成のための材料液の塗布および硬化とは、並べて行われるのではなく、別の主面上で行われる。より具体的には、上記第1の基板と上記第2の基板とが互いに重ねて貼り合わされる前の段階で、上記第1の基板の上記一方の主面上での上記第1のイオン感応膜形成と、上記第2の基板の上記他方の主面上での上記第2のイオン感応膜形成とは、空間的に完全に分離して行われ得る。したがって、この電解液分析用試験片は、上記第1のイオン感応膜、上記第2のイオン感応膜を形成するための材料液同士が互いに接触することなく、作製され得る。この結果、この電解液分析用試験片では、上記第1のイオン感応膜、上記第2のイオン感応膜の特性が損なわれることがない。また、上記第1の基板の上記一方の主面の上記第1のイオン感応膜、上記第1の引出電極の位置と、上記第2の基板の上記他方の主面の上記第2のイオン感応膜、上記第2の引出電極との位置とが表裏で一致するものとしておけば、上記試験片のサイズは、片側の主面に両者を幅方向に並べて配置する場合に比して、略半分に小さくすることができる。
なお、上記第1の基板の上記一方の主面上での上記第1のイオン感応膜形成と、上記第2の基板の上記他方の主面上での上記第2のイオン感応膜形成とは、例えば、上記第1の基板の上記一方の主面上での上記第1のイオン感応膜形成の後、上記第2の基板の上記他方の主面上での上記第2のイオン感応膜形成を行うというように、時間的にずらして行われ得る。
また、この電解液分析用試験片の使用段階で、例えば、上記基板の上記一端の側(先端部)が電解液に浸漬されれば、上記電解液は上記第1のイオン感応膜と上記第2のイオン感応膜とに接触する。これにより、上記第1のイオン感応膜は上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させ、また、上記第2のイオン感応膜は上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる。上記第1のイオン感応膜が発生した第1の電位、上記第2のイオン感応膜が発生した第2の電位は、それぞれ上記第1の引出電極、上記第2の引出電極を通して、上記基板の上記他端の側へ伝わる。これらの第1の電位と第2の電位との間の電位差に基づいて、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比が算出される。このようにして、上記電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比が測定され得る。
第2の局面では、この開示の試験片製造方法は、上記第1の局面の電解液分析用試験片を作製する試験片製造方法であって、
上記第1の基板と上記第2の基板とを用意し、
上記第1の基板の上記一方の主面としての表面において、上記一方向に関して一端の側の上記特定の領域から、上記一端の側とは反対の他端の側へ延在する上記第1の引出電極を形成し、
上記第2の基板の上記他方の主面としての表面において、上記一端の側の上記特定の領域から、上記他端の側へ延在する上記第2の引出電極を形成した後、
上記第1の基板の上記一方の主面としての上記表面において、上記第1の引出電極のうち上記特定の領域に形成された部分の上に、上記第1のイオン感応膜の材料液を塗布し、塗布した上記材料液を乾燥して硬化させて上記第1のイオン感応膜を形成し、
上記第2の基板の上記他方の主面としての上記表面において、上記第2の引出電極のうち上記特定の領域に形成された部分の上に、上記第2のイオン感応膜の材料液を塗布し、塗布した上記材料液を乾燥して硬化させて上記第2のイオン感応膜を形成し、
続いて、上記第1の基板の上記一方の主面としての上記表面と反対の裏面と、上記第2の基板の上記他方の主面としての上記表面と反対の裏面とを、互いに重ねて貼り合わせる
ことを特徴とする。
この開示の試験片製造方法では、上記第1の基板と上記第2の基板とが互いに重ねて貼り合わされる前の段階で、上記第1のイオン感応膜形成と、上記第2のイオン感応膜形成とが行われる。その場合、上記第1の基板の上記一方の主面上での上記第1のイオン感応膜形成と、上記第2の基板の上記他方の主面上での上記第2のイオン感応膜形成とは、空間的に完全に分離して行われ得る。したがって、上記第1のイオン感応膜、上記第2のイオン感応膜は、それらを形成するための材料液同士が互いに接触することなく、作製され得る。この結果、作製された電解液分析用試験片では、上記第1のイオン感応膜、上記第2のイオン感応膜の特性が損なわれることがない。また、上記第1の基板の上記一方の主面の上記第1のイオン感応膜、上記第1の引出電極の位置と、上記第2の基板の上記他方の主面の上記第2のイオン感応膜、上記第2の引出電極との位置とが表裏で一致するものとしておけば、上記試験片のサイズは、片側の主面に両者を幅方向に並べて配置する場合に比して、略半分に小さくすることができる。
なお、上記第1の基板の上記一方の主面上での上記第1のイオン感応膜形成と、上記第2の基板の上記他方の主面上での上記第2のイオン感応膜形成とは、時間的に並行して、または、時間的にずらして行われ得る。
また、上記第1のイオン感応膜形成と、上記第2のイオン感応膜形成とが行われた後、上記第1の基板の上記一方の主面としての上記表面と反対の裏面つまり、上記第1のイオン感応膜が形成されていない方の残りの主面)と、上記第2の基板の上記他方の主面としての上記表面と反対の裏面つまり、上記第2のイオン感応膜が形成されていない方の残りの主面)とが対向されて、互いに重ねて貼り合わされる。
第3の局面では、この開示の電解液分析用試験片は、
電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定するための電解液分析用試験片であって、
一方向に延在する基板と、
上記基板の一方の主面において、上記一方向に関して一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させる第1のイオン感応膜と、
上記一方の主面において、上記第1のイオン感応膜から、上記一端の側とは反対の他端の側へ延在する第1の引出電極と、
上記基板の上記一方の主面とは反対の他方の主面において、上記一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる第2のイオン感応膜と、
上記他方の主面において、上記第2のイオン感応膜から、上記他端の側へ延在する第2の引出電極と
を備え、
上記基板は、上記一方向に関して上記一端の側で、上記第1および第2のイオン感応膜並びに上記第1および第2の引出電極が占める領域以外の領域に、上記一方の主面から上記他方の主面へ貫通した貫通孔を有する
ことを特徴とする。
この開示の電解液分析用試験片では、使用段階で、ユーザは、例えば上記試験片の上記一端の側(先端部)を斜め下方へ向けた状態で、上記先端部へ上記電解液を振り掛けるものとする。すると、上記電解液は、上面側のイオン感応膜(例えば、第1のイオン感応膜)に接触するとともに、上記貫通孔を通して下面側へ回り込んで、下面側のイオン感応膜(この例では、第2のイオン感応膜)に接触する。したがって、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比が測定され得る。このように、ユーザが上記試験片の先端部へ上記電解液を振り掛けるという簡単な操作によって、上記電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比が測定され得る。この場合、ユーザは、測定対象の電解液を入れるための容器を、わざわざ用意しなくて済む。
第4の局面では、この開示の電解液分析用試験片は、
電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定するための電解液分析用試験片であって、
一方向に延在する基板と、
上記基板の一方の主面において、上記一方向に関して一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させる第1のイオン感応膜と、
上記一方の主面において、上記第1のイオン感応膜から、上記一端の側とは反対の他端の側へ延在する第1の引出電極と、
上記基板の上記一方の主面とは反対の他方の主面において、上記一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる第2のイオン感応膜と、
上記他方の主面において、上記第2のイオン感応膜から、上記他端の側へ延在する第2の引出電極と
を備え、
上記電解液を浸透させる材料からなる浸透性部材を備え、
上記浸透性部材は、上記一方の主面から上記他方の主面へ上記基板の端面をまたがって、上記第1のイオン感応膜と上記第2のイオン感応膜とを空間的に連続して覆っている
ことを特徴とする。
「電解液を浸透させる材料」とは、例えば、巻かれた繊維(糸)、スポンジ、ティッシュペーパー、ガーゼ、脱脂綿などを指す。
この開示の電解液分析用試験片では、使用段階で、ユーザは、例えば上記試験片の上記一端の側(先端部)を斜め下方へ向けた状態で、上記浸透性部材が設けられている上記先端部へ上記電解液を振り掛けるものとする。すると、上記電解液は、上記浸透性部材を厚さ方向に浸透して、上面側のイオン感応膜(例えば、第1のイオン感応膜)に接触するとともに、上記浸透性部材に沿って上面側から下面側へ上記基板の端面をまたがって浸透して、下面側のイオン感応膜(この例では、第2のイオン感応膜)に接触する。したがって、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比が測定され得る。このように、ユーザが上記試験片の先端部(上記浸透性部材が設けられている)へ上記電解液を振り掛けるという簡単な操作によって、上記電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比が測定され得る。この場合、ユーザは、測定対象の電解液を入れるための容器を、わざわざ用意しなくて済む。
一実施形態の電解液分析用試験片では、
上記電解液は尿であり、
上記第1のイオン種はナトリウムイオンであり、
上記第2のイオン種はカリウムイオンである
ことを特徴とする。
この一実施形態の電解液分析用試験片では、尿中のナトリウムイオンとカリウムイオンとの間の濃度比が、ユーザの簡単な操作(上記試験片の上記一端の側(先端部)を尿中に浸漬する操作、または、上記試験片の上記一端の側(先端部)へ尿を振り掛ける操作)によって測定され得る。
一実施形態の電解液分析用試験片では、
上記第1のイオン感応膜の感度と上記第2のイオン感応膜の感度とが揃えられ、かつ、上記第1のイオン感応膜の選択性と上記第2のイオン感応膜の選択性とが揃えられている
ことを特徴とする。
イオン感応膜の「感度」とは、測定対象のイオン濃度の変化に対して、その感応膜が発生する電位の変化量を意味する。例えば、感度は、イオン濃度が1桁変化したときの電位変化量として、mV/dec単位で表される。イオン感応膜の「選択性」とは、感応膜が発生する電位に対する干渉物質による影響量を意味する。例えば、クラウンエーテル系の感応物質で、ナトリウムイオン感応物質Bis(12-crown-4)は、カリウムイオンに対して1/100程度の選択性がある。また、カリウムイオン感応物質Bis(benzo-15-crown-5)は、ナトリウムイオンに対して1/1000以上の選択性がある。
この一実施形態の電解液分析用試験片では、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比が、参照電極無しで、上記第1、第2のイオン感応膜が発生する電位差のみに基づいて、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比が算出され得る。
別の局面では、この開示の電解液分析装置は、
電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定する電解液分析装置であって、
上記電解液分析用試験片と、
本体とを備え、
上記本体は、
上記電解液分析用試験片の上記他端の側が挿入され、上記第1の引出電極、上記第2の引出電極にそれぞれ接触する第1の接触電極、第2の接触電極を有するコネクタと、
上記電解液分析用試験片の上記第1および第2のイオン感応膜と上記電解液とが接触したとき、上記コネクタの上記第1の接触電極、上記第2の接触電極を通して得られた上記第1の電位と上記第2の電位との間の電位差に基づいて、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出する演算部とを
搭載していることを特徴とする。
この開示の電解液分析装置では、上記電解液分析用試験片の使用段階で、上記電解液分析用試験片の上記他端の側が上記コネクタに挿入される。上記コネクタの第1の接触電極、第2の接触電極は、上記第1の引出電極、上記第2の引出電極にそれぞれ接触する。これにより、上記電解液分析用試験片の上記第1および第2のイオン感応膜と上記電解液とが接触したとき、上記第1のイオン感応膜が発生した第1の電位、上記第2のイオン感応膜が発生した第2の電位が、それぞれ上記第1の接触電極、上記第2の接触電極に得られる。演算部は、上記第1の電位と上記第2の電位との間の電位差に基づいて、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出する。このようにして、上記電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比が測定され得る。
以上より明らかなように、この開示の電解液分析用試験片は、電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定するための試験片であって、イオン感応膜を形成するための材料液同士が互いに接触することなく、かつ小サイズに作製され得る。また、この開示の試験片製造方法は、そのような電解液分析用試験片を作製できる。また、この開示の電解液分析装置は、そのような電解液分析用試験片を備えて、上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を測定できる。
図1(A)は、この発明の第1実施形態の電解液分析用試験片の長手方向(X方向)に沿った断面を示す図である。図1(B)は、上記試験片を分解状態で示す斜視図である。 上記試験片を作製する製造プロセスのフローを示す図である。 図3(A1),図3(B1)は、上記製造プロセスに含まれた一部の工程での仕掛かり品の態様を示す斜視図である。図3(A2),図3(B2)は、それぞれ図3(A1),図3(B1)における仕掛かり品の部分的な断面を示す図である。 図4(A1),図4(B1)は、上記製造プロセスに含まれた一部の工程での仕掛かり品の態様を示す斜視図である。図4(A2),図4(B2)は、それぞれ図4(A1),図4(B1)における仕掛かり品の部分的な断面を示す図である。 図5(A1),図5(B1)は、上記製造プロセスに含まれた一部の工程での仕掛かり品の態様を示す斜視図である。図5(A2),図5(B2)は、それぞれ図5(A1),図5(B1)における仕掛かり品の部分的な断面を示す図である。 図6(A1)は、上記製造プロセスによって作製された試験片の態様を示す斜視図である。図6(A2)は、図6(A1)における試験片の先端部の断面を示す図である。図6(B1)は、図6(A1)の試験片に貫通孔が形成された態様を示す斜視図である。図6(B2)は、図6(B1)の試験片の長手方向(X方向)に沿った断面を示す図である。 図7(A1)は、図6(A1)の試験片の先端部が浸透性部材で覆われた態様を示す斜視図である。図7(A2)は、図7(A1)における試験片の先端部の断面を示す図である。 第1のイオン感応電極としてのナトリウムイオン電極と、第2のイオン感応電極としてのカリウムイオン電極との間の感度差について、許容される基準範囲を設定する仕方を説明する図である。 図9(A)は、この発明の一実施形態の電解液分析装置としての電気化学的センサのブロック構成を示す図である。図9(B)は、上記電気化学的センサの本体に上記試験片を接続する仕方を説明する図である。 図10(A)は、ユーザが、容器に入れた尿に上記試験片の先端部を浸漬してナトリウムイオン、カリウムイオン間の濃度比を測定する態様を示す図である。図10(B)は、ユーザが、上記貫通孔が形成された試験片の先端部に尿を降り掛けてナトリウムイオン、カリウムイオン間の濃度比を測定する態様を示す図である。図10(C)は、ユーザが、上記浸透性部材で覆われた試験片の先端部に尿を降り掛けてナトリウムイオン、カリウムイオン間の濃度比を測定する態様を示す図である。 図11(A)は、この発明の第2実施形態の電解液分析用試験片の長手方向(X方向)に沿った断面を示す図である。図11(A)は、上記試験片を分解状態で示す斜視図である。 図11(A)の試験片を作製する製造プロセスのフローを示す図である。 図13(A1),図13(B1)は、上記製造プロセスに含まれた一部の工程での仕掛かり品の態様を示す斜視図である。図13(A2),図13(B2)は、それぞれ図13(A1),図13(B1)における仕掛かり品の部分的な断面を示す図である。 図14(A1),図14(B1)は、上記製造プロセスに含まれた一部の工程での仕掛かり品の態様を示す斜視図である。図14(A2),図14(B2)は、それぞれ図14(A1),図14(B1)における仕掛かり品の部分的な断面を示す図である。 図15(A1),図15(B1)は、上記製造プロセスに含まれた一部の工程での仕掛かり品の態様を示す斜視図である。図15(A2),図15(B2)は、それぞれ図15(A1),図15(B1)における仕掛かり品の部分的な断面を示す図である。 図16(A1)は、上記製造プロセスに含まれた、第1の基板と第2の基板とを背中合わせに接合する工程の態様を示す斜視図である。図16(A2)は、図16(A1)における仕掛かり品の部分的な断面を示す図である。 図17(A1)は、上記製造プロセスによって作製された試験片の態様を示す斜視図である。図17(A2)は、図17(A1)の試験片の先端部の幅方向(Y方向)に沿った断面を示す図である。図17(B1)は、図17(A1)の試験片の先端部が浸透性部材で覆われた態様を示す斜視図である。図17(B2)は、図17(B1)における試験片の先端部の断面を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1(A)は、この発明の第1実施形態の電解液分析用試験片30の長手方向(X方向)に沿った断面を示している。図1(B)は、上記試験片30を分解状態で示している。なお、理解の容易のために、後述の幾つかの図では、適宜XYZ直交座標系が併せて図示されている。この試験片30は、測定対象の電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定するために用いられる。この例では、電解液は尿であり、第1のイオン種はナトリウムイオンであり、また、第2のイオン種はカリウムイオンであるものとする。
図1(A)、図1(B)によって分かるように、試験片30は、一方向としてのX方向に細長く延在する1枚の基板31と、基板31の一方の主面である表面31aに形成された第1の引出電極43と、基板31の表面31aとは反対の他方の主面である裏面31bに形成された第2の引出電極44とを備えている。
第1の引出電極43は、基板31の表面31aにおいてX方向に関して一端31eの側の円形の特定の領域に設けられたベース部43aと、このベース部43aから他端31fの側へ細長く延在するリード部43bと、このリード部43bに連なって他端31fの側に設けられ、リード部43bよりも幅広の電極パッド部43cとを含むパターンを有している。第2の引出電極44は、基板31の裏面31bにおいてX方向に関して一端31eの側の円形の特定の領域に設けられたベース部44aと、このベース部44aから他端31fの側へ細長く延在するリード部44bと、このリード部44bに連なって他端31fの側に設けられ、リード部44bよりも幅広の電極パッド部44cとを含むパターンを有している。第1の引出電極43のパターンと、第2の引出電極44のパターンとは、基板31が広がるXY面内で同じに設定されている。
なお、「一端31eの側」とは、X方向に関して一端31eと他端31fのうち一端31eに近い側を指す。また、「他端31fの側」とは、X方向に関して一端31eと他端31fのうち他端31fに近い側を指す。
基板31の表面31aは、概ね、保護層としての絶縁膜51によって覆われている。絶縁膜51は、X方向に関して、一端31eから、リード部43bと電極パッド部43cとの境界に丁度達するところまでを覆っている。同様に、基板31の裏面31bは、概ね、保護層としての絶縁膜52によって覆われている。絶縁膜52は、X方向に関して、一端31eから、リード部44bと電極パッド部44cとの境界に丁度達するところまでを覆っている。したがって、リード部43b,44bは、それぞれ絶縁膜51,52によって保護されている。一方、電極パッド部43c,44cは、絶縁膜51,52から露出しており、後述の本体のコネクタと電気的に接続されるようになっている。
基板31の表面31a側において、絶縁膜51は、第1の引出電極43のベース部43aに対応する円形の開口51wを有している。この開口51wを通して、ベース部43a上に、第1のイオン感応膜としてのナトリウムイオン感応膜41iが電気的に接触して設けられている。同様に、基板31の裏面31bにおいて、絶縁膜52は、第2の引出電極44のベース部44aに対応する円形の開口52wを有している。この開口52wを通して、ベース部44a上に、第2のイオン感応膜としてのカリウムイオン感応膜42iが電気的に接触して設けられている。以下では、ベース部43aとナトリウムイオン感応膜41iとを併せて、ナトリウムイオン感応電極41と呼ぶ。また、ベース部44aとカリウムイオン感応膜42iとを併せて、カリウムイオン感応電極42と呼ぶ。ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42は、測定対象の電解液(この例では、尿)と接触して、それぞれナトリウムイオンの濃度に応じた第1の電位(これをEとする。)、カリウムイオンの濃度に応じた第2の電位(これをEとする。)を発生させる。ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42の有効な領域(機能する領域)は、それぞれ開口51w,52wのサイズ(この例では、直径約4mm)によって画定されている。
基板31は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ガラス、シリコン、ポリイミドフィルム、ガラスエポキシ、ポリカーボネートまたはアクリルなどの絶縁性材料からなっている。したがって、表面31aと裏面31bも、絶縁性をもつ。基板31のサイズとして、この例では、X方向(長手方向)寸法が50mm程度、Y方向(幅方向)寸法が10~15mm程度、Z方向(厚さ方向)寸法が200μm程度に設定されている。
第1の引出電極43、第2の引出電極44は、いずれも、Pt、Ag、Au、Ir、CまたはIrOなどの導電性材料からなっている。第1の引出電極43、第2の引出電極44の厚さは、いずれも10μm程度になっている。
絶縁膜51,52は、いずれも、光硬化型若しくは熱硬化型の絶縁性レジスト、または、絶縁性を有するシール、シート、テープなどからなっている。絶縁膜51,52の厚さは、いずれも30μm~100μm程度になっている。
ナトリウムイオン感応膜41i形成のための材料液として、この例では、Bis(12-corwn-4)、ポリ塩化ビニル(PVC)、2-ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)、テトラキス(4-クロロフェニル)ほう酸カリウム(K-TCPB)を、テトラヒドロフラン(THF)に溶解してなる溶液が用いられる。カリウムイオン感応膜42i形成のための材料液として、この例では、Bis(benzo-15-crown-5)、PVC、NPOE、K-TCPBをTHFに溶解してなる溶液が用いられる。これらの材料液は、後述の製造工程により乾燥されて硬化される。
上の説明から分かるように、上記試験片30では、基板31の表面31a上にナトリウムイオン感応膜41iが設けられ、また、基板31の表面31aとは反対の裏面31b上にカリウムイオン感応膜42iが設けられている。つまり、ナトリウムイオン感応膜41iとカリウムイオン感応膜42iとは、基板31の1つの主面(表面31aまたは裏面31b)上に並べて配置されているわけではなく、互いに反対向きの主面上に配置されている。
(電解液分析用試験片の作製方法)
図2は、上記試験片30を作製する製造プロセスのフローを示している。また、図3(A1),図3(B1),図4(A1),図4(B1),図5(A1),図5(B1),図6(A1)は、上記製造プロセスに含まれた各工程における仕掛かり品(または作製された試験片30)の態様を、基板31に対して斜めから見たところを示している。図3(A2),図3(B2),図4(A2),図4(B2),図5(A2),図5(B2),図6(A2)は、それぞれ図3(A1),図3(B1),図4(A1),図4(B1),図5(A1),図5(B1),図6(A1)における部分的な断面(詳しくは、例えば図3(A1)においてA2-A2線で矢視するような、作製される試験片30の先端部に相当する部分の断面)を示している。
まず、図2のステップS1に示すように、基板31の表面31aに第1の引出電極43をスクリーン印刷法によって形成する。具体的には、図3(A1)に示すように、XY面に沿って広がる基板31の表面31a上に、第1の引出電極43,43,…をX方向、Y方向に行列状に並べてパターン形成する。個々の第1の引出電極43は、円形のベース部43aとリード部43bと電極パッド部43cとを有し、X方向に細長いパターンとして形成される。図3(A2)に示すように、第1の引出電極43(特に、ベース部43a)は平坦な膜状に形成される。
次に、図2のステップS2に示すように、基板31の表面31aに絶縁膜51をスクリーン印刷法によって形成する。具体的には、図3(B1)に示すように、絶縁膜51は、複数の第1の引出電極43,43,…をまたがってY方向に延在する一方、電極パッド部43c,43c,…を露出させるように、X方向には第1の引出電極43の列(Y方向に並ぶ列)毎に区画されたストライプ状のパターンとして形成される。図3(B2)に示すように、絶縁膜51は、個々の第1の引出電極43のベース部43aにそれぞれ対応する円形の開口51wを有している。
次に、図2のステップS3に示すように、基板31の裏面31bに第2の引出電極44をスクリーン印刷法によって形成する。具体的には、図4(A1)に示すように、基板31の表裏を反転させた状態で、XY面に沿って広がる基板31の裏面31b上に、第2の引出電極44,44,…をX方向、Y方向に行列状に並べてパターン形成する。個々の第2の引出電極44は、円形のベース部44aとリード部44bと電極パッド部44cとを有し、X方向に細長いパターンとして形成される。第2の引出電極44のパターンは、第1の引出電極43のパターンに対して、基板31の表裏で対応する同じ位置に形成される。図4(A2)に示すように、第2の引出電極44(特に、ベース部44a)は平坦な膜状に形成される。なお、理解の容易のために、図4(A2)および後続の断面図では、基板31の表裏が反転されず、元のまま描かれている。
次に、図2のステップS4に示すように、基板31の裏面31bに絶縁膜52をスクリーン印刷法によって形成する。具体的には、図4(B1)に示すように、絶縁膜52は、複数の第2の引出電極44,44,…をまたがってY方向に延在する一方、電極パッド部44c,44c,…を露出させるように、X方向には第2の引出電極44の列(Y方向に並ぶ列)毎に区分されたストライプ状のパターンとして形成される。絶縁膜52のパターンも、絶縁膜51のパターンに対して、基板31の表裏で対応する同じ位置に形成される。図4(B2)に示すように、絶縁膜52は、個々の第2の引出電極44のベース部44aに対応する円形の開口52wを有している。
なお、図2のステップS1,S2の処理と、ステップS3,S4の処理とは、順序を入れ替えて行ってもよいし、並行して行ってもよい。なお、ベース部43aとリード部43bとは、互いに別の材料で、2段階に印刷して形成してもよい。同様に、ベース部44aとリード部44bとは、互いに別の材料で、2段階に印刷して形成してもよい。
次に、図2のステップS5に示すように、基板31の表面31aに、第1のイオン感応膜としてのナトリウムイオン感応膜41i形成のための材料液を、インクジェット印刷法によって塗布する。具体的には、図5(A1)に示すように、基板31の表面31aにおいて、絶縁膜51の円形の開口51w,51w,…(図3(B1)参照)に対応する領域に、それぞれベース部43aと接するように上記材料液を塗布する。そして、塗布した材料液を乾燥して硬化させて、開口51w,51w,…に対応する領域にそれぞれナトリウムイオン感応膜41i,41i,…を形成する。図5(A2)に示すように、形成されたナトリウムイオン感応膜41iは、表面張力によってドーム状の断面を有する。ベース部43aとナトリウムイオン感応膜41iとで、ナトリウムイオン感応電極41が構成される。
次に、図2のステップS6に示すように、基板31の裏面31bに、第2のイオン感応膜としてのカリウムイオン感応膜42i形成のための材料液を、インクジェット印刷法によって塗布する。具体的には、図5(B1)に示すように、基板31の表裏を反転させた状態で、基板31の裏面31bにおいて、絶縁膜52の円形の開口52w,52w,…(図4(B1)参照)に対応する領域に、それぞれベース部44aと接するように上記材料液を塗布する。そして、塗布した材料液を乾燥して硬化させて、開口52w,52w,…に対応する領域にそれぞれカリウムイオン感応膜42i,42i,…を形成する。図5(B2)に示すように、形成されたカリウムイオン感応膜42iは、表面張力によってドーム状の断面を有する。ベース部44aとカリウムイオン感応膜42iとで、カリウムイオン感応電極42が構成される。
なお、図2のステップS5の処理と、ステップS6の処理とは、順序を入れ替えて行ってもよいし、並行して行ってもよい。
次に、図2のステップS7に示すように、基板31の表面31aに形成された第1のイオン感応膜としてのナトリウムイオン感応膜41iの感度(これをSとする。)と、基板31の裏面31bに形成された第2のイオン感応膜としてのカリウムイオン感応膜42iの感度(これをSとする。)とを、それぞれ検査する。ここで、塗布された材料液が同ロットであれば、基板31のXY面内で、ナトリウムイオン感応膜41iの感度S、カリウムイオン感応膜42iの感度Sは、それぞれ一定になることが経験的に分かっている。したがって、ステップS7では、基板31のXY面内で、代表的なナトリウムイオン感応膜41iの感度S、カリウムイオン感応膜42iの感度Sを評価すれば足りる。
続いて、図2のステップS8に示すように、ナトリウムイオン感応膜41iの感度Sとカリウムイオン感応膜42iの感度Sとが揃っているか否か、つまり、両者の間の感度差|S-S|が予め定められた基準範囲内であるか否かを判断する。ここで、上記感度差|S-S|が基準範囲外であれば(ステップS8でNo)、その仕掛かり品を不適切品として処分(例えば、廃棄)する(ステップS9)。ステップS8における感度差の判断基準については、後述する。
ここで、基板31の表面31aに形成されたナトリウムイオン感応膜41iの選択性(これをkとする。)と、基板31の裏面31bに形成されたカリウムイオン感応膜42iの選択性(これをkとする。)とが揃っている必要もある。この条件は、ナトリウムイオン感応膜41i形成のための材料液、カリウムイオン感応膜42i形成のための材料液を、それぞれ既述のように設定することによって、満たされている。したがって、この製造プロセスでは、選択性についての検査工程は省略されている。
一方、上記ステップS8で感度差|S-S|が基準範囲内であれば(ステップS8でYes)、ステップS10に示すように、基板31をカット(または打ち抜き)する。これにより、図6(A1),図6(A2)に示すように、個々の試験片30が得られる。
なお、図2のステップS10における打ち抜きの際に、図6(B1),図6(B2)に示すように、基板31に貫通孔30w,30wを形成してもよい。具体的には、貫通孔30w,30wは、X方向に関して一端31eの側(先端部30e)で、イオン感応電極41,42および第1、第2の引出電極43,44(特に、リード部43b,44b)が占める領域以外の領域に、表面31aから裏面31bへ貫通して形成される。この例では、貫通孔30w,30wは、Y方向に関してリード部43b,44bの両側に形成されている。これを試験片30Aと呼ぶ。
なお、図2のステップS8の処理と、ステップS10の処理とは、順序を入れ替えて行ってもよい。
また、図2のステップS11を追加して、図7(A1),図7(A2)に示すように、試験片30の先端部30e(特に、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42)の周りに、測定対象の電解液(この例では、尿)を浸透させる材料からなる浸透性部材59を取り付けてもよい。これを試験片30Bと呼ぶ。取り付けられた浸透性部材59は、表面31aから裏面31bへ基板31の端面をまたがって、ナトリウムイオン感応膜41iとカリウムイオン感応膜42iとを空間的に連続して覆っている。浸透性部材59としては、例えば、巻かれた繊維(糸)、スポンジ、ティッシュペーパー、ガーゼ、脱脂綿などが用いられる。
このようにして試験片30(または30A,30B)が作製される場合、図2のステップS5~S6で、表面31a上でのナトリウムイオン感応膜41i形成のための材料液の塗布および硬化と、裏面31b上でのカリウムイオン感応膜42i形成のための材料液の塗布および硬化とは、並べて行われるのではなく、別の主面上で行われる。したがって、この試験片30は、ナトリウムイオン感応膜41i、カリウムイオン感応膜42iを形成するための材料液同士が互いに接触することなく、作製され得る。この結果、この試験片30では、ナトリウムイオン感応膜41i、カリウムイオン感応膜42iの特性が損なわれることがない。また、この試験片30では、基板31において、表面31aのナトリウムイオン感応膜41i、第1の引出電極43の位置と、裏面31bのカリウムイオン感応膜42i、第2の引出電極44との位置とが表裏で一致するものとしている。したがって、片側の主面に2つのイオン感応膜をY方向(幅方向)に並べて配置する構成(従来例)に比して、試験片30のサイズを、略半分に小さくすることができる。
(感度差の判断基準)
図2のステップS8における感度差の判断基準(許容される基準範囲)について説明する。電気化学的センサ90によるナトリウムイオン、カリウムイオン間の濃度比Msの測定精度は、測定対象液(この例では、尿)に含まれたナトリウムイオン、カリウムイオンがとり得る濃度範囲にわたって、例えば±10%の範囲内に抑えられなければならない。この要求を満たすために、ナトリウムイオン感応電極41の感度Sとカリウムイオン感応電極42の感度Sとの間の差(感度差)|S-S|を抑える基準が設定される。
一般的に、尿中のナトリウムイオン濃度Cは50~500mmol/Lの範囲内にあり、カリウムイオン濃度Cは10~100mmol/Lの範囲内にあることが知られている。また、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42の感度S,Sは概ね55mV/dec程度であるものとする。
ここで、ナトリウムイオン濃度がC=100mmol/L、カリウムイオン濃度がC=10mmol/Lである尿(これを「低濃度尿」と呼ぶ。)について、ナトリウムイオン、カリウムイオン間の濃度比をMs=(C/C)=10と正確に測定できるものとする。この前提で、ナトリウムイオン濃度がC=500mmol/L、カリウムイオン濃度がC=50mmol/Lである尿(これを「高濃度尿」と呼ぶ。)について、測定精度±10%で測定を行えようにするケースを想定する。
i) まず、測定精度は、感度と電位再現性(同一の液体検体を繰り返し測定したときの電位出力の差)によって定められる。ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42の感度S,Sが約55mV/dec程度であるとき、測定精度±10%を満たす再現電位は±2.3mVである。
ii) 次に、上記低濃度尿について測定により得られる電位差(ナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔE)をEとし、また、上記高濃度尿について測定により得られる電位差をEとする。これらの電位差E,Eは、ナトリウムイオン感応電極41についての検量線Cref1とカリウムイオン感応電極42についての検量線Cref2とを用いて、図8中に示すように図示される。ここで、ナトリウムイオン感応電極41の感度をS=55mV/decに固定し、カリウムイオン感応電極42の感度SをS[mV/dec]として浮遊させて考えると、電位差E,Eは、それぞれ
=55log10(100)-Slog10(10)
=55log10(500)-Slog10(50)
と表される。したがって、両者間の差|E-E|は、
|E-E|=55log10(5)-Slog10(5)
=log10(5)・(55-S) (単位mV)
となる。
iii) 上記差|E-E|が上記i)に示した再現電位(の大きさ)2.3mVよりも小さければ、上記低濃度尿から上記高濃度尿にわたって、つまり、尿に含まれたナトリウムイオン、カリウムイオンがとり得る濃度範囲にわたって、測定精度が±10%の範囲内に抑えられる。具体的には、|E-E|<2.3と設定される。この条件は、
|log10(5)・(55-S)|<2.3
であるから、
|55-S|<3.3
と表される。したがって、この例では、感度差|S-S|の判断基準(許容される基準範囲)は3.3mVとして設定される。
(電気化学的センサの構成)
図9(A)は、この発明の一実施形態の電解液分析装置としての電気化学的センサ90のブロック構成を示している。
この電気化学的センサ90は、大別して、上述の試験片30と、筐体10′を有する本体10とを備えている。本体10は、試験片30が着脱可能に装着されるコネクタ21を備えている。コネクタ21は、筐体10′の壁面を貫通して設けられている。本体10には、制御部11、データ入力部12、操作部13、センサヘッド接続検知部14および表示部20が搭載されて収容されている。
本体10は、この例では、ユーザの手で把持されるべき細長い角柱状の外形(例えば、図10(B)参照)を有している。この結果、この電気化学的センサ90は、ユーザが本体10を手に持って使用する手持ちタイプの装置として構成されている。
図9(A)中のコネクタ21は、図9(B)中に示すように、試験片30の他端31fが挿入されるべきスロット22を有している。スロット22内で、試験片30の電極パッド部43c,44cに対応する位置には、屈曲した板ばねからなる第1の接触電極23、第2の接触電極24が設けられている。ユーザが試験片30の他端31fを矢印X1で示す向きにスロット22内に挿入すると、電極パッド部43c,44cが第1の接触電極23、第2の接触電極24と接触して導通する。この結果、試験片30のナトリウムイオン感応電極41が発生した第1の電位E、カリウムイオン感応電極42が発生した第2の電位Eが、それぞれ第1の接触電極23、第2の接触電極24に伝わり、本体10に入力される。
本体10に搭載されたデータ入力部12は、試験片30のナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔEを入力する。センサヘッド接続検知部14は、コネクタ21の接触電極23,24間がオープンであるか否かに基づいて、試験片30が本体10に装着されているか否かを検出する。操作部13は、この例では押しボタンスイッチからなり、ユーザによる測定対象液についての測定開始の指示を入力するために働く。表示部20は、この例ではLCD(液晶表示素子)からなり、制御部11による演算結果などの各種情報を表示する。制御部11は、ソフトウェアによって動作するCPU(中央演算処理ユニット)を含み、この電気化学的センサ90全体の動作を制御する。特に、制御部11は演算部として働いて、本体10に入力された第1の電位Eと第2の電位Eとの間の電位差ΔEを用いて、測定対象の電解液(この例では、尿)に含まれたナトリウムイオンの濃度とカリウムイオンの濃度との間の濃度比を算出する。また、制御部11は、ナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔEを計時的に記憶するメモリ18を有している。
この電気化学的センサ90では、測定対象液に含まれたナトリウムイオン、カリウムイオン間の濃度比(C/C)が、次のような原理によって求められる。既述のように、ナトリウムイオン感応電極41の感度S、選択性kを、それぞれカリウムイオン感応電極42の感度S、選択性kと揃えたものとする。つまり、S-S≒0であり、かつ、k-k≒0とする。その場合、特許文献2(特許第6127460号公報)に開示されているように、ナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42との間の電位差ΔEは、次式(Eq.1)のように簡略化して表される。
ΔE=E -E +Slog(C/C) …(Eq.1)
ここで、E -E は定数である。ナトリウムイオン、カリウムイオン間の既知の濃度比をもつ電解液(標準液)についてΔEを測定して、定数であるE -E と、感度Sとを予め求めておけば、測定対象の電解液について電位差ΔEを測定することにより、式(Eq.1)に基づいて測定対象の電解液におけるナトリウムイオン、カリウムイオン間の濃度比Ms(=C/C)を算出できる。
(ユーザによる測定)
例えば、図10(A)に示すように、ユーザが、容器98に尿99を入れ、本体10を手に持って、その尿99に試験片30の先端部30eを浸漬するものとする。すると、尿99は基板31の両面に設けられたナトリウムイオン感応電極41とカリウムイオン感応電極42とに接触する。これにより、ナトリウムイオン感応電極41はナトリウムイオン濃度Cに応じた第1の電位Eを発生させ、また、カリウムイオン感応電極42はカリウムイオン濃度Cに応じた第2の電位Eを発生させる。ナトリウムイオン感応電極41が発生した第1の電位E、カリウムイオン感応電極42が発生した第2の電位Eは、それぞれ第1の引出電極43、第2の引出電極44、コネクタ21の第1の接触電極23、第2の接触電極24を通して本体10に入力される。すると、既述のように制御部11によって、尿99中のナトリウムイオンとカリウムイオンとの間の濃度比Ms(=C/C)が算出される。算出された尿99中のナトリウムイオン、カリウムイオン間の濃度比Msは、本体10の外面に設けられた表示部20に表示される。このように、ユーザの簡単な操作によって、ナトリウムイオンとカリウムイオンとの間の濃度比Msが測定され得る。
また、ユーザが、図6(B1)、図6(B2)に示した試験片30A(すなわち、上記試験片30に貫通孔30w,30wが形成された態様のもの)を用いるものとする。この場合、図10(B)に示すように、ユーザは、例えば本体10を手に持ち、試験片30Aの先端部30eを斜め下方へ向けた状態で、先端部30eへ尿99を振り掛けるものとする。すると、尿99は、上面側のイオン感応電極(この例では、ナトリウムイオン感応電極41)に接触するとともに、貫通孔30w,30wを通して下面側へ回り込んで、下面側のイオン感応電極(この例では、カリウムイオン感応電極42)に接触する。したがって、尿99に含まれたナトリウムイオンとカリウムイオンとの間の濃度比Ms(=C/C)が測定され得る。このように、ユーザが試験片30Aの先端部30eへ尿99を振り掛けるという簡単な操作によって、尿99に含まれたナトリウムイオンとカリウムイオンとの間の濃度比Msが測定され得る。この場合、ユーザは、測定対象の尿99を入れるための容器98を、わざわざ用意しなくて済む。
なお、試験片30Aの例では、基板31の幅方向(Y方向)に関して貫通孔30wが第1、第2の引出電極43,44(特に、リード部43b,44b)の両側に設けられているが、これに限られるものではない。基板31の幅方向(Y方向)に関して貫通孔が中央に設けられ、この貫通孔を迂回して第1、第2の引出電極43,44(特に、リード部43b,44b)が設けられていてもよい。
また、ユーザが、図7(A1),図7(A2)に示した試験片30B(すなわち、上記試験片30の先端部30eが浸透性部材59で覆われた態様のもの)を用いるものとする。この場合、図10(C)に示すように、ユーザは、例えば本体10を手に持ち、試験片30Bの先端部30eを斜め下方へ向けた状態で、浸透性部材59へ尿99を振り掛けるものとする。すると、尿99は、浸透性部材59を厚さ方向に浸透して、上面側のイオン感応電極(この例では、ナトリウムイオン感応電極41)に接触するとともに、浸透性部材59に沿って上面側から下面側へ基板31の端面をまたがって浸透して、下面側のイオン感応電極(この例では、カリウムイオン感応電極42)に達して接触する。したがって、尿99に含まれたナトリウムイオンとカリウムイオンとの間の濃度比(C/C)が測定され得る。このように、ユーザが浸透性部材59へ尿99を振り掛けるという簡単な操作によって、尿99に含まれたナトリウムイオンとカリウムイオンとの間の濃度比(C/C)が測定され得る。この場合、ユーザは、測定対象の尿99を入れるための容器98を、わざわざ用意しなくて済む。
なお、試験片30Bの例では、浸透性部材59は試験片30Bの先端部30eのみを覆っているが、これに限られるものではない。浸透性部材59は、試験片30Bの略全域(電極パッド部43c,44c以外の領域)を覆っていてもよい。
当然ながら、ユーザは、試験片30A,30Bを、容器98に入れられた尿99に浸漬する態様によっても、測定を行うことができる。
(第2実施形態)
図11(A)は、この発明の第2実施形態の電解液分析用試験片30Cの長手方向(X方向)に沿った断面を示している。図11(B)は、上記試験片30Cを分解状態で示している。この試験片30Cは、既述の試験片30と同様に、測定対象の尿に含まれた第1のイオン種としてのナトリウムイオンと第2のイオン種としてのカリウムイオンとの間の濃度比を測定するために用いられる。
図11(A)、図11(B)によって分かるように、試験片30Cは、第1実施形態の試験片30における1枚の基板31に代えて、互いに重ねて貼り合わされた2枚の基板(第1の基板31Aと第2の基板31B)を含む点が、主に異なっている。第1の基板31Aと第2の基板31Bとを併せて、基板31′と呼ぶ。図11(A)、図11(B)および後続の図において、図1(A)、図1(B)におけるのと同一の構成要素には同一の符号を付して、適宜重複する説明を省略する。
基板31′の一方の主面である第1の基板31Aの表面31Aaには、第1の引出電極43と、開口51wを有する絶縁膜51と、第1のイオン感応膜としてのナトリウムイオン感応膜41iとが設けられている。第1の引出電極43は、第1の基板31Aの表面31Aaにおいて、X方向に関して一端31eの側の円形の特定の領域に設けられたベース部43aと、このベース部43aから他端31fの側へ細長く延在するリード部43bと、このリード部43bに連なって他端31fの側に設けられ、リード部43bよりも幅広の電極パッド部43cとを含むパターンを有している。絶縁膜51の開口51wを通して、ベース部43a上に、第1のイオン感応膜としてのナトリウムイオン感応膜41iが電気的に接触して設けられている。
基板31′の他方の主面である第2の基板31Bの表面31Baには、第2の引出電極44と、開口52wを有する絶縁膜52と、第2のイオン感応膜としてのカリウムイオン感応膜42iとが設けられている。第2の引出電極44は、第2の基板31Bの表面31Baにおいて、X方向に関して一端31eの側の円形の特定の領域に設けられたベース部44aと、このベース部44aから他端31fの側へ細長く延在するリード部44bと、このリード部44bに連なって他端31fの側に設けられ、リード部44bよりも幅広の電極パッド部44cとを含むパターンを有している。第1の引出電極43のパターンと、第2の引出電極44のパターンとは、基板31′が広がるXY面内で同じに設定されている。絶縁膜52の開口52wを通して、ベース部44a上に、第2のイオン感応膜としてのカリウムイオン感応膜42iが電気的に接触して設けられている。
以下では、第1実施形態におけるのと同様に、ベース部43aとナトリウムイオン感応膜41iとを併せて、ナトリウムイオン感応電極41と呼ぶ。また、ベース部44aとカリウムイオン感応膜42iとを併せて、カリウムイオン感応電極42と呼ぶ。ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42は、測定対象の電解液(この例では、尿)と接触して、それぞれナトリウムイオンの濃度に応じた第1の電位E、カリウムイオンの濃度に応じた第2の電位Eを発生させる。ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42の有効な領域(機能する領域)は、それぞれ開口51w,52wのサイズ(この例では、直径約4mm)によって画定されている。
基板31′をなす第1の基板31Aと第2の基板31Bは、いずれも、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ガラス、シリコン、ポリイミドフィルム、ガラスエポキシ、ポリカーボネートまたはアクリルなどの絶縁性材料からなっている。したがって、第1の基板31Aの表面31Aaと第2の基板31Bの表面31Baも、絶縁性をもつ。第1の基板31Aのサイズと第2の基板31Bのサイズは、互いに同じに設定されている。第1の基板31Aのサイズ、第2の基板31Bのサイズとして、この例では、X方向(長手方向)寸法が50mm程度、Y方向(幅方向)寸法が10~15mm程度、Z方向(厚さ方向)寸法が200μm程度に設定されている。
第1の引出電極43、第2の引出電極44、絶縁膜51,52は、いずれも第1実施形態におけるのと同様の材料からなり、先の例におけるのと同様の寸法に設定されている。
ナトリウムイオン感応膜41i形成のための材料液として、第1実施形態におけるのと同様に、Bis(12-corwn-4)、ポリ塩化ビニル(PVC)、2-ニトロフェニルオクチルエーテル(NPOE)、テトラキス(4-クロロフェニル)ほう酸カリウム(K-TCPB)を、テトラヒドロフラン(THF)に溶解してなる溶液が用いられる。カリウムイオン感応膜42i形成のための材料液として、第1実施形態におけるのと同様に、Bis(benzo-15-crown-5)、PVC、NPOE、K-TCPBをTHFに溶解してなる溶液が用いられる。これらの材料液は、後述の製造工程により乾燥されて硬化される。
上の説明から分かるように、上記試験片30Cでは、第1の基板31Aの表面31Aa上にナトリウムイオン感応膜41iが設けられ、また、第1の基板31Aの表面31Aaとは反対の第2の基板31Bの表面31Ba上にカリウムイオン感応膜42iが設けられている。つまり、ナトリウムイオン感応膜41iとカリウムイオン感応膜42iとは、基板31の1つの主面(第1の基板31Aの表面31Aaまたは第2の基板31Bの表面31Ba)上に並べて配置されているわけではなく、互いに反対向きの主面上に配置されている。
(電解液分析用試験片の作製方法)
図12は、上記試験片30Cを作製する製造プロセスのフローを示している。また、図13(A1),図13(B1),図14(A1),図14(B1),図15(A1),図15(B1),図16(A1),図17(A1)は、上記製造プロセスに含まれた各工程における仕掛かり品(または作製された試験片30C)の態様を、第1の基板31Aまたは第2の基板31Bに対して斜めから見たところを示している。図13(A2),図13(B2),図14(A2),図14(B2),図15(A2),図15(B2),図16(A2),図17(A2)は、それぞれ図13(A1),図13(B1),図14(A1),図14(B1),図15(A1),図15(B1),図16(A1),図17(A1)における部分的な断面(詳しくは、例えば図13(A1)においてA2-A2線で矢視するような、作製される試験片30Cの先端部に相当する部分の断面)を示している。
まず、図12のステップS101に示すように、第1の基板31Aの表面31Aaに第1の引出電極43をスクリーン印刷法によって形成する。具体的には、図13(A1)に示すように、XY面に沿って広がる第1の基板31Aの表面31Aa上に、第1の引出電極43,43,…をX方向、Y方向に行列状に並べてパターン形成する。個々の第1の引出電極43は、円形のベース部43aとリード部43bと電極パッド部43cとを有し、X方向に細長いパターンとして形成される。図13(A2)に示すように、第1の引出電極43(特に、ベース部43a)は平坦な膜状に形成される。
次に、図12のステップS102に示すように、第1の基板31Aの表面31Aaに絶縁膜51をスクリーン印刷法によって形成する。具体的には、図13(B1)に示すように、絶縁膜51は、複数の第1の引出電極43,43,…をまたがってY方向に延在する一方、電極パッド部43c,43c,…を露出させるように、X方向には第1の引出電極43の列(Y方向に並ぶ列)毎に区画されたストライプ状のパターンとして形成される。図13(B2)に示すように、絶縁膜51は、個々の第1の引出電極43のベース部43aにそれぞれ対応する円形の開口51wを有している。
次に、図12のステップS103に示すように、第2の基板31Bの表面31Baに第2の引出電極44をスクリーン印刷法によって形成する。具体的には、図14(A1)に示すように、XY面に沿って広がる第2の基板31Bの表面31Ba上に、第2の引出電極44,44,…をX方向、Y方向に行列状に並べてパターン形成する。個々の第2の引出電極44は、円形のベース部44aとリード部44bと電極パッド部44cとを有し、X方向に細長いパターンとして形成される。第2の基板31Bの表面31Baにおける第2の引出電極44のパターンは、第1の基板31Aの表面31Aaにおける第1の引出電極43のパターンに対して、対応する同じ位置に形成される。図14(A2)に示すように、第2の引出電極44(特に、ベース部44a)は平坦な膜状に形成される。
次に、図12のステップS104に示すように、第2の基板31Bの表面31Baに絶縁膜52をスクリーン印刷法によって形成する。具体的には、図14(B1)に示すように、絶縁膜52は、複数の第2の引出電極44,44,…をまたがってY方向に延在する一方、電極パッド部44c,44c,…を露出させるように、X方向には第2の引出電極44の列(Y方向に並ぶ列)毎に区分されたストライプ状のパターンとして形成される。第2の基板31Bの表面31Baにおける絶縁膜52のパターンも、第1の基板31Aの表面31Aaにおける絶縁膜51のパターンに対して、対応する同じ位置に形成される。図14(B2)に示すように、絶縁膜52は、個々の第2の引出電極44のベース部44aに対応する円形の開口52wを有している。
なお、図12のステップS101,S102の処理と、ステップS103,S104の処理とは、順序を入れ替えて行ってもよいし、並行して行ってもよい。
次に、図12のステップS105に示すように、第1の基板31Aの表面31Aaに、第1のイオン感応膜としてのナトリウムイオン感応膜41i形成のための材料液を、インクジェット印刷法によって塗布する。具体的には、図15(A1)に示すように、第1の基板31Aの表面31Aaにおいて、絶縁膜51の円形の開口51w,51w,…(図13(B1)参照)に対応する領域に、それぞれベース部43aと接するように上記材料液を塗布する。そして、塗布した材料液を乾燥して硬化させて、開口51w,51w,…に対応する領域にそれぞれナトリウムイオン感応膜41i,41i,…を形成する。図15(A2)に示すように、形成されたナトリウムイオン感応膜41iは、表面張力によってドーム状の断面を有する。ベース部43aとナトリウムイオン感応膜41iとで、ナトリウムイオン感応電極41が構成される。
次に、図12のステップS106に示すように、第2の基板31Bの表面31Baに、第2のイオン感応膜としてのカリウムイオン感応膜42i形成のための材料液を、インクジェット印刷法によって塗布する。具体的には、図15(B1)に示すように、第2の基板31Bの表面31Baにおいて、絶縁膜52の円形の開口52w,52w,…(図14(B1)参照)に対応する領域に、それぞれベース部44aと接するように上記材料液を塗布する。そして、塗布した材料液を乾燥して硬化させて、開口52w,52w,…に対応する領域にそれぞれカリウムイオン感応膜42i,42i,…を形成する。図15(B2)に示すように、形成されたカリウムイオン感応膜42iは、表面張力によってドーム状の断面を有する。ベース部44aとカリウムイオン感応膜42iとで、カリウムイオン感応電極42が構成される。
なお、図12のステップS105の処理と、ステップS106の処理とは、順序を入れ替えて行ってもよいし、並行して行ってもよい。
次に、図12のステップS107に示すように、第1の基板31Aにおいて、第1のイオン感応膜としてのナトリウムイオン感応膜41iの感度Sを検査する。それと並行して、ステップS108に示すように、第2の基板31Bにおいて、第2のイオン感応膜としてのカリウムイオン感応膜42iの感度Sを検査する。ここで、塗布された材料液が同ロットであれば、第1の基板31AのXY面内、第2の基板31BのXY面内で、ナトリウムイオン感応膜41iの感度S、カリウムイオン感応膜42iの感度Sは、それぞれ一定になることが経験的に分かっている。したがって、ステップS107,S108では、第1の基板31AのXY面内、第2の基板31BのXY面内で、それぞれ代表的なナトリウムイオン感応膜41iの感度S、カリウムイオン感応膜42iの感度Sを評価すれば足りる。
続いて、図12のステップS109に示すように、第1の基板31Aと第2の基板31Bとの組み合わせを選定する。具体的には、第1の基板31Aに対してステップS107までの処理を施して得られた仕掛かり品と、第2の基板31Bに対してステップS108までの処理を施して得られた仕掛かり品とを、例えばそれぞれ複数枚用意する。それらの仕掛かり品のうち、ナトリウムイオン感応膜41iの感度Sとカリウムイオン感応膜42iの感度Sとが揃っている仕掛かり品の組み合わせ(第1の基板31Aと第2の基板31B)を選定する。ここで、ナトリウムイオン感応膜41iの感度Sとカリウムイオン感応膜42iの感度Sとが揃っているとは、第1実施形態におけるのと同様に、感度差|S-S|が予め定められた基準範囲内であることを意味する。この組み合わせを選定することにより、仕掛かり品を不適切品として処分(例えば、廃棄)するのを避けることができる。
ここで、第1実施形態におけるのと同様に、選定される仕掛かり品の組み合わせ(第1の基板31Aと第2の基板31B)としては、第1の基板31Aの表面31Aaに形成されたナトリウムイオン感応膜41iの選択性kと、第2の基板31Bの表面31Baに形成されたカリウムイオン感応膜42iの選択性kとが揃っている必要もある。この条件は、ナトリウムイオン感応膜41i形成のための材料液、カリウムイオン感応膜42i形成のための材料液を、それぞれ既述のように設定することによって、満たされている。したがって、この製造プロセスでは、選定のための要素として、選択性についての検査工程は省略されている。
次に、図12のステップS110に示すように、選定された仕掛かり品の第1の基板31Aと選定された仕掛かり品の第2の基板31Bとを、背中合わせに接合する。具体的には、図16(A1),図16(A2)に示すように、第1の基板31Aの表面31Aaを上向き(+Z方向)、第2の基板31Bの表面31Baを下向き(-Z方向)にして、何も形成されていない第1の基板31Aの裏面31Abと第2の基板31Bの裏面31Bbとを対向させる。そして、図16(A1)中に矢印Z1で示すように、例えば図示しない接着剤によって、第1の基板31Aの裏面31Abと第2の基板31Bの裏面31Bbとを互いに重ねて貼り合わせる。当然ながら、第1の基板31Aの表面31Aaを下向き(-Z方向)、第2の基板31Bの表面31Baを上向き(+Z方向)にして、第1の基板31Aの裏面31Abと第2の基板31Bの裏面31Bbとを対向させて、貼り合わせてもよい。また、第1の基板31Aと第2の基板31Bとを、例えば両面接着テープを用いて貼り合わせてもよい。
次に、図12のステップS111に示すように、基板31′をカット(または打ち抜き)する。これにより、図17(A1),図17(A2)に示すように、個々の試験片30Cが得られる。
なお、図12のステップS111における打ち抜きの際に、第1実施形態において図6(B1),図6(B2)に示したのと同様に、基板31′に貫通孔30w,30wを形成してもよい。
また、図12のステップS112を追加して、図17(B1),図7(B2)に示すように、試験片30Cの先端部30e(特に、ナトリウムイオン感応電極41、カリウムイオン感応電極42)の周りに、測定対象の電解液(この例では、尿)を浸透させる材料からなる浸透性部材59を取り付けてもよい。これを試験片30Dと呼ぶ。取り付けられた浸透性部材59は、第1の基板31Aの表面31Aaから第2の基板31Bの表面31Baへ基板31の端面をまたがって、ナトリウムイオン感応膜41iとカリウムイオン感応膜42iとを空間的に連続して覆っている。浸透性部材59としては、第1実施形態におけるのと同様に、例えば、巻かれた繊維(糸)、スポンジ、ティッシュペーパー、ガーゼ、脱脂綿などが用いられる。
このようにして試験片30C(または30D)が作製される場合、図12のステップS105~S106で、第1の基板31Aの表面31Aa上でのナトリウムイオン感応膜41i形成のための材料液の塗布および硬化と、第2の基板31Bの表面31Ba上でのカリウムイオン感応膜42i形成のための材料液の塗布および硬化とは、並べて行われるのではなく、空間的に完全に分離して行われる。したがって、この試験片30Cは、ナトリウムイオン感応膜41i、カリウムイオン感応膜42iを形成するための材料液同士が互いに接触することなく、作製され得る。この結果、この試験片30Cでは、ナトリウムイオン感応膜41i、カリウムイオン感応膜42iの特性が損なわれることがない。また、この試験片30Cでは、基板31′において、第1の基板31Aのナトリウムイオン感応膜41i、第1の引出電極43の位置と、第2の基板31Bのカリウムイオン感応膜42i、第2の引出電極44との位置とが表裏で一致するものとしている。したがって、片側の主面に2つのイオン感応膜をY方向(幅方向)に並べて配置する構成(従来例)に比して、試験片30Cのサイズを、略半分に小さくすることができる。
この第2実施形態の試験片30C,30Dによっても、ユーザは、第1実施形態に関して示したような、容器98に入れられた尿99に試験片30C,30Dの先端部30eを浸漬する態様(図10(A)参照)、または、試験片30C,30Dの先端部30eへ尿を振り掛ける態様(図10(C)参照)によって、測定を行うことができる。つまり、簡単な操作によって測定を行うことができる。
上述の実施形態では、第1、第2のイオン種としてナトリウムイオンとカリウムイオンとの間の濃度比を測定する場合について説明したが、それに限られるものではない。この発明の電解液分析用試験片およびそれを備えた電気化学的センサによれば、ナトリウムイオン、カリウムイオン以外に、例えばカルシウムイオン、塩化物イオン、リチウムイオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、ヨウ化物イオン、マグネシウムイオン、臭化物イオン、過塩素酸イオン、水素イオンなどの、様々なイオンの間の濃度比を測定するのに適用できる。ただし、参照電極無しで、上記第1、第2のイオン感応膜が発生する電位差のみに基づいて算出するために、上記第1、第2のイオン種のイオン価数が揃っている必要がある。
以上の実施形態は例示であり、この発明の範囲から離れることなく様々な変形が可能である。上述した複数の実施の形態は、それぞれ単独で成立し得るものであるが、実施の形態同士の組みあわせも可能である。また、異なる実施の形態の中の種々の特徴も、それぞれ単独で成立し得るものであるが、異なる実施の形態の中の特徴同士の組みあわせも可能である。
10 本体
21 コネクタ
30,30A,30B,30C,30D 電解液分析用試験片
30w 貫通孔
41 ナトリウムイオン感応電極
41i ナトリウムイオン感応膜
42 カリウムイオン感応電極
42i カリウムイオン感応膜
43 第1の引出電極
44 第2の引出電極
59 浸透性部材
90 電気化学的センサ

Claims (7)

  1. 電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定するための電解液分析用試験片であって、
    一方向に延在する基板と、
    上記基板の一方の主面において、上記一方向に関して一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させる第1のイオン感応膜と、
    上記一方の主面において、上記第1のイオン感応膜から、上記一端の側とは反対の他端の側へ延在する第1の引出電極と、
    上記基板の上記一方の主面とは反対の他方の主面において、上記一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる第2のイオン感応膜と、
    上記他方の主面において、上記第2のイオン感応膜から、上記他端の側へ延在する第2の引出電極と
    を備え
    上記基板は、互いに重ねて貼り合わされた第1の基板と第2の基板とを含み、
    上記一方の主面は、上記第1の基板の2つの主面のうち上記第2の基板から遠い側の主面であり、
    上記他方の主面は、上記第2の基板の2つの主面のうち上記第1の基板から遠い側の主面である
    ことを特徴とする電解液分析用試験片。
  2. 請求項1に記載の電解液分析用試験片を作製する試験片製造方法であって、
    上記第1の基板と上記第2の基板とを用意し、
    上記第1の基板の上記一方の主面としての表面において、上記一方向に関して一端の側の上記特定の領域から、上記一端の側とは反対の他端の側へ延在する上記第1の引出電極を形成し、
    上記第2の基板の上記他方の主面としての表面において、上記一端の側の上記特定の領域から、上記他端の側へ延在する上記第2の引出電極を形成した後、
    上記第1の基板の上記一方の主面としての上記表面において、上記第1の引出電極のうち上記特定の領域に形成された部分の上に、上記第1のイオン感応膜の材料液を塗布し、塗布した上記材料液を乾燥して硬化させて上記第1のイオン感応膜を形成し、
    上記第2の基板の上記他方の主面としての上記表面において、上記第2の引出電極のうち上記特定の領域に形成された部分の上に、上記第2のイオン感応膜の材料液を塗布し、塗布した上記材料液を乾燥して硬化させて上記第2のイオン感応膜を形成し、
    続いて、上記第1の基板の上記一方の主面としての上記表面と反対の裏面と、上記第2の基板の上記他方の主面としての上記表面と反対の裏面とを、互いに重ねて貼り合わせる
    ことを特徴とする試験片製造方法。
  3. 電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定するための電解液分析用試験片であって、
    一方向に延在する基板と、
    上記基板の一方の主面において、上記一方向に関して一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させる第1のイオン感応膜と、
    上記一方の主面において、上記第1のイオン感応膜から、上記一端の側とは反対の他端の側へ延在する第1の引出電極と、
    上記基板の上記一方の主面とは反対の他方の主面において、上記一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる第2のイオン感応膜と、
    上記他方の主面において、上記第2のイオン感応膜から、上記他端の側へ延在する第2の引出電極と
    を備え、
    上記基板は、上記一方向に関して上記一端の側で、上記第1および第2のイオン感応膜並びに上記第1および第2の引出電極が占める領域以外の領域に、上記一方の主面から上記他方の主面へ貫通した貫通孔を有する
    ことを特徴とする電解液分析用試験片。
  4. 電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定するための電解液分析用試験片であって、
    一方向に延在する基板と、
    上記基板の一方の主面において、上記一方向に関して一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第1のイオン種の濃度に応じた第1の電位を発生させる第1のイオン感応膜と、
    上記一方の主面において、上記第1のイオン感応膜から、上記一端の側とは反対の他端の側へ延在する第1の引出電極と、
    上記基板の上記一方の主面とは反対の他方の主面において、上記一端の側の特定の領域に設けられ、上記電解液と接触して上記第2のイオン種の濃度に応じた第2の電位を発生させる第2のイオン感応膜と、
    上記他方の主面において、上記第2のイオン感応膜から、上記他端の側へ延在する第2の引出電極と
    を備え、
    上記電解液を浸透させる材料からなる浸透性部材を備え、
    上記浸透性部材は、上記一方の主面から上記他方の主面へ上記基板の端面をまたがって、上記第1のイオン感応膜と上記第2のイオン感応膜とを空間的に連続して覆っている
    ことを特徴とする電解液分析用試験片。
  5. 請求項1、3または4に記載の電解液分析用試験片において、
    上記電解液は尿であり、
    上記第1のイオン種はナトリウムイオンであり、
    上記第2のイオン種はカリウムイオンである
    ことを特徴とする電解液分析用試験片。
  6. 請求項1、3または4に記載の電解液分析用試験片において、
    上記第1のイオン感応膜の感度と上記第2のイオン感応膜の感度とが揃えられ、かつ、上記第1のイオン感応膜の選択性と上記第2のイオン感応膜の選択性とが揃えられている
    ことを特徴とする電解液分析用試験片。
  7. 電解液に含まれた第1のイオン種と第2のイオン種との間の濃度比を測定する電解液分析装置であって、
    請求項1、3または4に記載の電解液分析用試験片と、
    本体とを備え、
    上記本体は、
    上記電解液分析用試験片の上記他端の側が挿入され、上記第1の引出電極、上記第2の引出電極にそれぞれ接触する第1の接触電極、第2の接触電極を有するコネクタと、
    上記電解液分析用試験片の上記第1および第2のイオン感応膜と上記電解液とが接触したとき、上記コネクタの上記第1の接触電極、上記第2の接触電極を通して得られた上記第1の電位と上記第2の電位との間の電位差に基づいて、上記電解液に含まれた上記第1のイオン種と上記第2のイオン種との間の濃度比を算出する演算部とを
    搭載していることを特徴とする電解液分析装置。
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