JP2019164103A - 電極、参照電極、イオン電極、イオンセンサー - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的にイオン濃度を測定することができる電極、参照電極およびイオン電極、並びに、これらを備えたイオンセンサーを提供する。【解決手段】ポリイミド基材11と、ポリイミド基材11の一面に設けられ、ポリイミド基材11の一面の長手方向における一端部に加工領域を有し、他端部にコンタクトパッド12Bを有する銀層12と、銀層12のポリイミド基材11と接する面とは反対側の面における加工領域およびコンタクトパッド12B以外の領域に設けられた絶縁層13と、を備え、加工領域が塩化銀を含む銀/塩化銀層である電極10。【選択図】図1
Description
本発明は、電極、参照電極、イオン電極およびイオンセンサーに関する。
微小イオンセンサーとしては、イオン選択性電界効果型トランジスタ(ISFET)が知られている。また、微小イオンセンサーとしては、微細加工により設けられた電極上に、電解質層、イオン感応膜を形成した微小イオン電極も知られている。
従来のイオン電極は、先端部が数mm程度であるため(例えば、非特許文献1参照)、イオン濃度の測定対象物が非常に小さい場合には、適用し難いという課題があった。特に、測定対象物が非常に小さい場合には、その測定対象物において、局所的にイオン濃度を測定することが難いという課題があった。
Xiaowen Wang、Hiroaki Suzuki、Katsuyoshi Hayashi、Takashi Kaneko、Kenji Sunagawa、Microfabricated Needle−Type Sensors for pO2,pCO2,pH、IEEE SENSORS JOURNAL、2005 IEEE、p.1−8
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的にイオン濃度を測定することができる電極、参照電極およびイオン電極、並びに、これらを備えたイオンセンサーを提供することを目的とする。
[1]ポリイミド基材と、前記ポリイミド基材の一面に設けられ、前記ポリイミド基材の一面の長手方向における一端部に加工領域を有し、他端部にコンタクトパッドを有する銀層と、前記銀層の前記ポリイミド基材と接する面とは反対側の面における前記加工領域および前記コンタクトパッド以外の領域に設けられた絶縁層と、を備え、前記加工領域が塩化銀を含む銀/塩化銀層である電極。
[2]前記[1]に記載の電極と、前記電極の一端において、前記銀/塩化銀層に接するように設けられた親水性ゲルと、を備えた参照電極。
[3]前記[1]に記載の電極と、前記電極の一端において、前記銀/塩化銀層に接するように設けられたイオン感応膜と、を備えたイオン電極。
[4]前記[2]に記載の参照電極、前記参照電極における前記銀/塩化銀層および前記銀層の一部を包囲する電解質を含むポリビニルピロリドン層、前記ポリビニルピロリドン層の一部を包囲するポリ塩化ビニル層を有する層状参照電極と、前記[3]に記載のイオン電極、前記イオン電極における前記銀/塩化銀層および前記銀層の一部を包囲する電解質を含むポリビニルピロリドン層、前記ポリビニルピロリドン層の一部を包囲するポリ塩化ビニル層を有する層状イオン電極と、を備え、前記層状参照電極の一端部において前記親水性ゲルが露出し、前記層状イオン電極の一端部において前記イオン感応膜が露出しているイオンセンサー。
[5]前記[2]に記載の参照電極、前記参照電極における前記銀/塩化銀層および前記銀層の一部を挿入する注射針、並びに、前記銀/塩化銀層および前記銀層と前記注射針の間に含浸された電解液を有する針状参照電極と、前記[3]に記載のイオン電極、前記イオン電極における前記銀/塩化銀層および前記銀層の一部を挿入する注射針、並びに、前記銀/塩化銀層および前記銀層と前記注射針の間に含浸された電解液を有する針状イオン電極と、を備え、前記針状参照電極を構成する前記注射針の先端において前記親水性ゲルが露出し、前記針状イオン電極を構成する前記注射針の先端において前記イオン感応膜が露出しているイオンセンサー。
[6]ポリイミド基材と、前記ポリイミド基材の一面に設けられ、前記ポリイミド基材の一面の長手方向における一端部に加工領域を有し、他端部にコンタクトパッドを有する銀層と、前記ポリイミド基材の他面に設けられ、前記ポリイミド基材の他面の長手方向における他端部にコンタクトパッドを有する白金層と、前記銀層の前記ポリイミド基材と接する面とは反対側の面における前記加工領域および前記コンタクトパッド以外の領域に設けられた絶縁層と、前記白金層の前記ポリイミド基材と接する面とは反対側の面における前記加工領域および前記コンタクトパッド以外の領域に設けられた絶縁層と、を備えた電極。
[7]前記[6]に記載の電極と、前記電極の一端において、前記銀層の加工領域および前記白金層のコンタクトパッドに接するように設けられた酸素透過膜と、を備えた酸素電極。
[8]前記[7]に記載の酸素電極、前記酸素電極における前記銀層および前記白金層の一部を包囲する電解質を含むポリビニルピロリドン層、前記ポリビニルピロリドン層の一部を包囲するポリ塩化ビニル層を有する層状酸素電極を備え、前記層状酸素電極の一端部において前記酸素透過膜が露出していることを特徴とする酸素センサー。
[9]前記[7]に記載の酸素電極、前記酸素電極における前記銀層および前記白金層の一部を挿入する注射針、並びに、前記銀層および前記白金層と前記注射針の間に含浸された電解液を有する針状酸素電極を備え、前記針状酸素電極を構成する前記注射針の先端において前記酸素透過膜が露出していることを特徴とする酸素センサー。
本発明によれば、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的にイオン濃度を測定することができる電極、参照電極およびイオン電極、並びに、これらを備えたイオンセンサーを提供することができる。
本発明の電極、参照電極およびイオン電極、並びに、これらを備えたイオンセンサーの実施の形態について説明する。また、本発明の電極、酸素電極、並びに、これらを備えた酸素センサーの実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(1)第1の実施形態
[電極(参照電極、イオン電極)]
以下、図1〜図3を参照しながら、本実施形態の電極を説明する。図1は、本実施形態の電極を示す斜視図である。図2は、図1におけるA−A線に沿う断面図である。図3は、図1におけるB−B線に沿う断面図である。
本実施形態の電極10は、ポリイミド基材11と、ポリイミド基材11の一面11aに設けられ、ポリイミド基材11の一面11aの長手方向における一端部に加工領域12Aを有し、他端部にコンタクトパッド12Bを有する銀層12と、銀層12のポリイミド基材11と接する面とは反対側の面(以下、「一面」と言う。)12aにおける加工領域12Aおよびコンタクトパッド12B以外の領域に設けられた絶縁層13と、を備える。すなわち、本実施形態の電極10は、ポリイミド基材11と、銀層12と、絶縁層13とが順に積層された積層体を備える。また、加工領域12Aが、塩化銀を含む銀/塩化銀層である。
以下、図1において、銀/塩化銀層も符号12Aで示す。
[電極(参照電極、イオン電極)]
以下、図1〜図3を参照しながら、本実施形態の電極を説明する。図1は、本実施形態の電極を示す斜視図である。図2は、図1におけるA−A線に沿う断面図である。図3は、図1におけるB−B線に沿う断面図である。
本実施形態の電極10は、ポリイミド基材11と、ポリイミド基材11の一面11aに設けられ、ポリイミド基材11の一面11aの長手方向における一端部に加工領域12Aを有し、他端部にコンタクトパッド12Bを有する銀層12と、銀層12のポリイミド基材11と接する面とは反対側の面(以下、「一面」と言う。)12aにおける加工領域12Aおよびコンタクトパッド12B以外の領域に設けられた絶縁層13と、を備える。すなわち、本実施形態の電極10は、ポリイミド基材11と、銀層12と、絶縁層13とが順に積層された積層体を備える。また、加工領域12Aが、塩化銀を含む銀/塩化銀層である。
以下、図1において、銀/塩化銀層も符号12Aで示す。
電極10の形状は、特に限定されないが、例えば、幅が細い短冊状や紐状をなしていることが好ましい。
図1および図3に示すように、本実施形態の電極10は、銀/塩化銀層12Aおよび銀層12の一部を包囲するポリビニルピロリドン層14と、ポリビニルピロリドン層14の一部を包囲するポリ塩化ビニル層15とを備えている。
また、図1および図3に示すように、本実施形態の電極10は、その一端において、銀/塩化銀層12Aに接するように親水性ゲル16またはイオン感応膜17が設けられている。
電極10の一端において、銀/塩化銀層12Aに接するように親水性ゲル16が設けられている場合、電極10は参照電極をなしている。以下、図1〜図3において、親水性ゲル16を備えた電極10を、参照電極10Aと示す。参照電極10Aでは、その一端部において、親水性ゲル16が露出している。
電極10の一端において、銀/塩化銀層12Aに接するようにイオン感応膜17が設けられている場合、電極10はイオン電極をなしている。以下、図1において、イオン感応膜17を備えた電極10を、イオン電極10Bと示す。イオン電極10Bでは、その一端部において、イオン感応膜17が露出している。
電極10の一端において、銀/塩化銀層12Aに接するように親水性ゲル16が設けられている場合、電極10は参照電極をなしている。以下、図1〜図3において、親水性ゲル16を備えた電極10を、参照電極10Aと示す。参照電極10Aでは、その一端部において、親水性ゲル16が露出している。
電極10の一端において、銀/塩化銀層12Aに接するようにイオン感応膜17が設けられている場合、電極10はイオン電極をなしている。以下、図1において、イオン感応膜17を備えた電極10を、イオン電極10Bと示す。イオン電極10Bでは、その一端部において、イオン感応膜17が露出している。
電極10の幅(図1においてA−A線に沿う方向の長さ)は、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
電極10の長さ(図1においてB−B線に沿う方向の長さ)は、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。電極10の幅は、例えば、40mm〜60mmである。
ポリイミド基材11の厚さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
銀層12、銀/塩化銀層12Aおよびコンタクトパッド12Bは、厚さが同一である。これらの厚さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
銀/塩化銀層12Aのポリイミド基材11の一面11aの長手方向に沿う長さは、特に限定されず、銀/塩化銀層12Aに接するように設けられる親水性ゲル16またはイオン感応膜17の厚さ等に応じて、適宜調整される。
コンタクトパッド12Bのポリイミド基材11の一面11aの長手方向に沿う長さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
絶縁層13を構成する材料としては、特に限定されず、例えば、ポジ型のフォトレジスト等が挙げられる。
絶縁層13の厚さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
絶縁層13の厚さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
ポリビニルピロリドン層14は、電極10の長手方向において、銀/塩化銀層12A側の部分を完全に包囲し、コンタクトパッド12Bを露出するように設けられている。
ポリビニルピロリドン層14の厚さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
ポリビニルピロリドン層14の厚さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
ポリ塩化ビニル層15は、電極10の長手方向において、銀/塩化銀層12A側の部分を完全に包囲し、コンタクトパッド12Bを露出するように設けられている。
ポリ塩化ビニル層15の厚さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
ポリ塩化ビニル層15の厚さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
親水性ゲル16は、例えば、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート(Poly−HEMA)等のゲル状の高分子化合物からなる。
親水性ゲル16のポリイミド基材11の一面11aの長手方向に沿う厚さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
親水性ゲル16のポリイミド基材11の一面11aの長手方向に沿う厚さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
イオン感応膜17のポリイミド基材11の一面11aの長手方向に沿う厚さは、特に限定されず、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
本実施形態の電極10は、ポリイミド基材11と、銀層12と、絶縁層13とが順に積層された積層体を備え、幅が細い短冊状や紐状をなしているため、測定対象物が非常に小さい場合であっても、その任意の位置に電極10を接触させることができる。従って、本実施形態の電極10によれば、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的にイオン濃度を測定することができるイオン電極を提供することができる。
[イオンセンサー]
以下、図1〜図3を参照しながら、本実施形態のイオンセンサーを説明する。
本実施形態のイオンセンサーは、層状参照電極と、層状イオン電極と、を備える。本実施形態のイオンセンサーは、層状参照電極および層状イオン電極に加えて、エレクトロメータを備える。
層状参照電極は、参照電極10A、参照電極10Aにおける銀/塩化銀層12Aおよび銀層12の一部を包囲する電解質を含むポリビニルピロリドン層14、ポリビニルピロリドン層14の一部を包囲するポリ塩化ビニル層15を有する。
層状イオン電極は、イオン電極10B、イオン電極10Bにおける銀/塩化銀層12Aおよび銀層12の一部を包囲する電解質を含むポリビニルピロリドン層14、ポリビニルピロリドン層14の一部を包囲するポリ塩化ビニル層15を有する。
また、層状参照電極の一端部(参照電極10Aの一端部)において親水性ゲル16が露出し、層状イオン電極の一端部(イオン電極10Bの一端部)においてイオン感応膜17が露出している。
以下、図1〜図3を参照しながら、本実施形態のイオンセンサーを説明する。
本実施形態のイオンセンサーは、層状参照電極と、層状イオン電極と、を備える。本実施形態のイオンセンサーは、層状参照電極および層状イオン電極に加えて、エレクトロメータを備える。
層状参照電極は、参照電極10A、参照電極10Aにおける銀/塩化銀層12Aおよび銀層12の一部を包囲する電解質を含むポリビニルピロリドン層14、ポリビニルピロリドン層14の一部を包囲するポリ塩化ビニル層15を有する。
層状イオン電極は、イオン電極10B、イオン電極10Bにおける銀/塩化銀層12Aおよび銀層12の一部を包囲する電解質を含むポリビニルピロリドン層14、ポリビニルピロリドン層14の一部を包囲するポリ塩化ビニル層15を有する。
また、層状参照電極の一端部(参照電極10Aの一端部)において親水性ゲル16が露出し、層状イオン電極の一端部(イオン電極10Bの一端部)においてイオン感応膜17が露出している。
すなわち、本実施形態のイオンセンサーでは、参照電極10Aを含む層状参照電極と、イオン電極10Bを含む層状イオン電極とが対をなしている。また、層状参照電極と層状イオン電極とが、例えば、それぞれリード線に接続されている。そして、これらのリード線を介して、参照電極10Aとイオン電極10Bとが、例えば、エレクトロメータを介して電気的に接続されている。イオン電極10Bの電位は、測定対象物におけるイオン濃度に依存している。従って、参照電極10Aとイオン電極10Bの電位差を測定することにより、測定対象物におけるイオン濃度を測定することができる。本実施形態では、例えば、測定対象物に含まれる塩分濃度(ナトリウムイオン(Na+)濃度やカリウムイオン(K+)濃度)を測定する。
電解液としては、例えば、ナトリウムイオン用イオン電極には塩化ナトリウム(NaCl)水溶液が用いられ、カリウムイオン用イオン電極には塩化カリウム(KCl)水溶液が用いられる。
電解液は、ポリビニルピロリドン層14中に保持されている。
電解液は、ポリビニルピロリドン層14中に保持されている。
本実施形態のイオンセンサーによれば、参照電極10Aを含む層状参照電極と、イオン電極10Bを含む層状イオン電極とを備えるため、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的にイオン濃度を測定することができる。
[電極(参照電極、イオン電極)の製造方法、イオンセンサーの製造方法]
以下、図4(a)〜図4(f)を参照しながら、本実施形態の電極(参照電極、イオン電極)の製造方法およびイオンセンサーの製造方法を説明する。
以下、図4(a)〜図4(f)を参照しながら、本実施形態の電極(参照電極、イオン電極)の製造方法およびイオンセンサーの製造方法を説明する。
図4(a)に示すように、所定の大きさ(面積)および所定の厚さのシート状またはフィルム状のポリイミド基材11を用意する。
次いで、図4(b)に示すように、ポリイミド基材11の一面11aに、所定の厚さの銀層12を形成する。
銀層12を形成する方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング法等が用いられる。
銀層12を形成する方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング法等が用いられる。
次いで、図4(c)に示すように、銀層12の一面12aに、上述の加工領域12Aおよびコンタクトパッド12Bに相当する領域以外の領域に、所定の厚さの絶縁層13を形成する。
次いで、ポリイミド基材11、銀層12および絶縁層13からなる積層体を、その長手方向に沿って所定の幅となるようにダイシング(切断)する。
なお、ダイシングする際の積層体の幅は、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
なお、ダイシングする際の積層体の幅は、電極10を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
次いで、図4(d)に示すように、ダイシングされた積層体20において、ポリイミド基材11の一面11aの長手方向における一端部の加工領域12Aを、塩化銀を含む銀/塩化銀層12Aとする。
銀/塩化銀層12Aを形成するには、例えば、銀層12を0.1mol/L塩化カリウム溶液中に浸漬し、定電流を流すことにより、銀層12の表面に塩化銀層を形成する方法が用いられる。
これまでの工程により、図1〜図3に示す、上述のポリイミド基材11と、銀層12と、絶縁層13と、を備え、加工領域12Aをなす銀層12が銀/塩化銀層12Aである電極10が得られる。
銀/塩化銀層12Aを形成するには、例えば、銀層12を0.1mol/L塩化カリウム溶液中に浸漬し、定電流を流すことにより、銀層12の表面に塩化銀層を形成する方法が用いられる。
これまでの工程により、図1〜図3に示す、上述のポリイミド基材11と、銀層12と、絶縁層13と、を備え、加工領域12Aをなす銀層12が銀/塩化銀層12Aである電極10が得られる。
次いで、図4(e)に示すように、電極10の長手方向において、銀/塩化銀層12A側の部分を完全に包囲し、コンタクトパッド12Bを露出するように、ポリビニルピロリドン層14を形成する。
ポリビニルピロリドン層14を形成するには、ポリビニルピロリドンを75質量%含む、0.1mol/L塩化ナトリウム水溶液または0.1mol/L塩化カリウム水溶液に、銀/塩化銀層12A側から、電極10を浸漬する。その後、電極10を乾燥することにより、電極10の一部を包囲するポリビニルピロリドン層14が形成される。また、この工程により、ポリビニルピロリドン層14が、塩化ナトリウム水溶液または塩化カリウム水溶液を含む電解液保持層となる。
ポリビニルピロリドン層14を形成するには、ポリビニルピロリドンを75質量%含む、0.1mol/L塩化ナトリウム水溶液または0.1mol/L塩化カリウム水溶液に、銀/塩化銀層12A側から、電極10を浸漬する。その後、電極10を乾燥することにより、電極10の一部を包囲するポリビニルピロリドン層14が形成される。また、この工程により、ポリビニルピロリドン層14が、塩化ナトリウム水溶液または塩化カリウム水溶液を含む電解液保持層となる。
次いで、図4(e)に示すように、電極10の長手方向において、銀/塩化銀層12A側の部分を完全に包囲し、コンタクトパッド12Bを露出するように、ポリ塩化ビニル層15を形成する。
ポリ塩化ビニル層15を形成するには、ポリ塩化ビニルのテトラヒドロフラン溶液に、銀/塩化銀層12A側から、電極10を浸漬する。その後、電極10を乾燥することにより、ポリビニルピロリドン層14の一部を包囲するポリ塩化ビニル層15が形成される。
ポリ塩化ビニル層15を形成するには、ポリ塩化ビニルのテトラヒドロフラン溶液に、銀/塩化銀層12A側から、電極10を浸漬する。その後、電極10を乾燥することにより、ポリビニルピロリドン層14の一部を包囲するポリ塩化ビニル層15が形成される。
次いで、図4(f)に示すように、電極10の一端において、銀/塩化銀層12Aに接するように親水性ゲル16を設けることにより、参照電極10Aを得る。または、電極10の一端において、銀/塩化銀層12Aに接するようにイオン感応膜17を設けることにより、イオン電極10Bを得る。
親水性ゲル16またはイオン感応膜17を設けるには、まず、図4(e)に示す破線21にて、ポリビニルピロリドン層14およびポリ塩化ビニル層15を切断して、除去する。これにより、銀/塩化銀層12Aの一端を露出させる。その後、銀/塩化銀層12Aに接するように親水性ゲル16またはイオン感応膜17を設ける。
親水性ゲル16またはイオン感応膜17を設けるには、まず、図4(e)に示す破線21にて、ポリビニルピロリドン層14およびポリ塩化ビニル層15を切断して、除去する。これにより、銀/塩化銀層12Aの一端を露出させる。その後、銀/塩化銀層12Aに接するように親水性ゲル16またはイオン感応膜17を設ける。
親水性ゲル16を設けるには、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート(Poly−HEMA)等のゲル状の高分子化合物を、電極10の一端に露出している銀/塩化銀層12Aに塗布する。
また、イオン感応膜17を設けるには、イオン感応膜17の材料を含む液体に、電極10の一端に露出している銀/塩化銀層12Aを浸漬し、液体に浸漬した部分を乾燥する。
また、イオン感応膜17を設けるには、イオン感応膜17の材料を含む液体に、電極10の一端に露出している銀/塩化銀層12Aを浸漬し、液体に浸漬した部分を乾燥する。
このようにして得られた参照電極10Aとイオン電極10B中に、ポリビニルピロリドン層14の露出しているところから水を導入し、それぞれの電極を、例えば、リード線に接続し、これらのリード線を介して、参照電極10Aとイオン電極10Bを、エレクトロメータを介して電気的に接続する。これにより、対象物に含まれるイオン濃度を測定することができるイオンセンサーが得られる。
本実施形態の電極の製造方法およびイオンセンサーの製造方法によれば、簡便な工程により、電極およびそれを備えたイオンセンサーを製造することができる。従って、イオンセンサー用電極およびそれを備えたイオンセンサーを低コストで大量に製造することができる。
(2)第2の実施形態
[イオンセンサー]
以下、図5を参照しながら、本実施形態のイオンセンサーを説明する。図5は、本実施形態のイオンセンサーを示す斜視図である。図5において、図1〜図3に示す第1の実施形態の電極の構成と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態のイオンセンサーは、針状参照電極と、針状イオン電極と、を備える。本実施形態のイオンセンサーは、針状参照電極および針状イオン電極に加えて、エレクトロメータを備える。
針状参照電極は、参照電極10A、参照電極10Aにおける銀/塩化銀層12および銀層12の一部を挿入する注射針30、並びに、銀/塩化銀層12Aおよび銀層12と注射針30の間に含浸された電解液(図示略)を有する。
針状イオン電極は、イオン電極10B、イオン電極10Bにおける銀/塩化銀層12Aおよび銀層12の一部を挿入する注射針30、並びに、銀/塩化銀層12Aおよび銀層12と注射針40の間に含浸された電解液(図示略)を有する。
また、針状参照電極を構成する注射針30の先端において親水性ゲル16が露出し、針状イオン電極を構成する注射針30の先端においてイオン感応膜17が露出している。
[イオンセンサー]
以下、図5を参照しながら、本実施形態のイオンセンサーを説明する。図5は、本実施形態のイオンセンサーを示す斜視図である。図5において、図1〜図3に示す第1の実施形態の電極の構成と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態のイオンセンサーは、針状参照電極と、針状イオン電極と、を備える。本実施形態のイオンセンサーは、針状参照電極および針状イオン電極に加えて、エレクトロメータを備える。
針状参照電極は、参照電極10A、参照電極10Aにおける銀/塩化銀層12および銀層12の一部を挿入する注射針30、並びに、銀/塩化銀層12Aおよび銀層12と注射針30の間に含浸された電解液(図示略)を有する。
針状イオン電極は、イオン電極10B、イオン電極10Bにおける銀/塩化銀層12Aおよび銀層12の一部を挿入する注射針30、並びに、銀/塩化銀層12Aおよび銀層12と注射針40の間に含浸された電解液(図示略)を有する。
また、針状参照電極を構成する注射針30の先端において親水性ゲル16が露出し、針状イオン電極を構成する注射針30の先端においてイオン感応膜17が露出している。
すなわち、本実施形態のイオンセンサーでは、参照電極10Aを含む針状参照電極と、イオン電極10Bを含む針状イオン電極とが対をなしている。また、針状参照電極と針状イオン電極とが、例えば、エレクトロメータを介して電気的に接続されている。
電解液としては、第1の実施形態と同様のものが用いられる。
本実施形態のイオンセンサーによれば、参照電極10Aを含む針状参照電極と、イオン電極10Bを含む針状イオン電極とを備えるため、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的にイオン濃度を測定することができる。すなわち、測定対象物が非常に小さい場合であっても、測定対象物に針状参照電極と針状イオン電極とを突き刺すことができるため、局所的にイオン濃度を測定することができる。また、本実施形態のイオンセンサーは、測定対象物に針状参照電極と針状イオン電極とを突き刺すことができるため、植物等のイオン濃度の測定に好適に用いられる。
(3)第3の実施形態
[電極(酸素電極)]
以下、図6および図7を参照しながら、本実施形態の電極を説明する。図6は、本実施形態の電極を示す斜視図である。図7は、図6におけるC−C線に沿う断面図である。図6および図7において、図1〜図3に示す第1の実施形態の電極の構成と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電極40は、ポリイミド基材11と、ポリイミド基材11の一面11aに設けられ、ポリイミド基材11の一面11aの長手方向における一端部に加工領域12Aを有し、他端部にコンタクトパッド12Bを有する銀層12と、ポリイミド基材11の他面11bに設けられ、ポリイミド基材11の他面11bの長手方向における他端部にコンタクトパッド41Aを有する白金層41と、銀層12の一面12aにおける加工領域12Aおよびコンタクトパッド12B以外の領域に設けられた絶縁層13(13A)と、白金層41のポリイミド基材11と接する面とは反対側の面(以下、「一面」と言う。)41aにおける前記加工領域および前記コンタクトパッド以外の領域に設けられた絶縁層13(13B)と、を備える。
[電極(酸素電極)]
以下、図6および図7を参照しながら、本実施形態の電極を説明する。図6は、本実施形態の電極を示す斜視図である。図7は、図6におけるC−C線に沿う断面図である。図6および図7において、図1〜図3に示す第1の実施形態の電極の構成と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の電極40は、ポリイミド基材11と、ポリイミド基材11の一面11aに設けられ、ポリイミド基材11の一面11aの長手方向における一端部に加工領域12Aを有し、他端部にコンタクトパッド12Bを有する銀層12と、ポリイミド基材11の他面11bに設けられ、ポリイミド基材11の他面11bの長手方向における他端部にコンタクトパッド41Aを有する白金層41と、銀層12の一面12aにおける加工領域12Aおよびコンタクトパッド12B以外の領域に設けられた絶縁層13(13A)と、白金層41のポリイミド基材11と接する面とは反対側の面(以下、「一面」と言う。)41aにおける前記加工領域および前記コンタクトパッド以外の領域に設けられた絶縁層13(13B)と、を備える。
電極40の形状は、特に限定されないが、例えば、幅が細い短冊状や紐状をなしていることが好ましい。
図6および図7に示すように、本実施形態の電極40は、銀層12および白金層41の一部を包囲するポリビニルピロリドン層14と、ポリビニルピロリドン層14の一部を包囲するポリ塩化ビニル層15とを備えている。
また、図6および図7に示すように、本実施形態の電極40は、その一端において、銀層12の加工領域12Aおよび白金層41のコンタクトパッド41Aに接するように酸素透過膜42が設けられている。
電極40の一端において、加工領域12Aに接するように酸素透過膜42が設けられている場合、電極40は酸素電極をなしている。以下、図6および図7において、酸素透過膜42を備えた電極40を、酸素電極40Aと示す。電極40では、その一端部において、酸素透過膜42が露出している。
電極40の一端において、加工領域12Aに接するように酸素透過膜42が設けられている場合、電極40は酸素電極をなしている。以下、図6および図7において、酸素透過膜42を備えた電極40を、酸素電極40Aと示す。電極40では、その一端部において、酸素透過膜42が露出している。
電極40の長さ(図6においてC−C線に沿う方向の長さ)は、特に限定されず、電極40を用いた酸素濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
電極40の幅(図6においてC−C線と垂直な方向の長さ)は、特に限定されず、電極40を用いたイオン濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。電極40の幅は、例えば、0.1m〜0.3mmである。
白金層41の厚さは、特に限定されず、電極40を用いた酸素濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
ポリビニルピロリドン層14は、電極40の長手方向において、加工領域12A側の部分を完全に包囲し、コンタクトパッド12Bおよびコンタクトパッド41Aを露出するように設けられている。
ポリ塩化ビニル層15は、電極40の長手方向において、銀/塩化銀層12A側の部分を完全に包囲し、コンタクトパッド12Bおよびコンタクトパッド41Aを露出するように設けられている。
白金層41の厚さは、特に限定されず、電極40を用いた酸素濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
酸素透過膜42としては、例えば、シリコーンゴムが挙げられる。
酸素透過膜42のポリイミド基材11の他面11bの長手方向に沿う厚さは、特に限定されず、電極40を用いた酸素濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
酸素透過膜42のポリイミド基材11の他面11bの長手方向に沿う厚さは、特に限定されず、電極40を用いた酸素濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
本実施形態の電極40によれば、絶縁層13(13B)と、白金層41と、ポリイミド基材11と、銀層12と、絶縁層13(13A)とが順に積層された積層体を備え、幅が細い短冊状や紐状をなしているため、測定対象物が非常に小さい場合であっても、その任意の位置に電極40を接触させることができる。従って、本実施形態の電極40によれば、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的に酸素濃度を測定することができる酸素電極を提供することができる。
[酸素センサー]
以下、図6および図7を参照しながら、本実施形態の酸素センサーを説明する。
本実施形態の酸素センサーは、酸素電極40A、酸素電極40Aにおける銀層12および白金層41の一部を包囲する電解質を含むポリビニルピロリドン層14、ポリビニルピロリドン層14の一部を包囲するポリ塩化ビニル層15を有する層状酸素電極を備える。また、層状酸素電極の一端部(酸素電極40Aの一端部)において酸素透過膜42が露出している。本実施形態の酸素センサーは、層状酸素電極に加えて、ポテンシオスタットを備える。
以下、図6および図7を参照しながら、本実施形態の酸素センサーを説明する。
本実施形態の酸素センサーは、酸素電極40A、酸素電極40Aにおける銀層12および白金層41の一部を包囲する電解質を含むポリビニルピロリドン層14、ポリビニルピロリドン層14の一部を包囲するポリ塩化ビニル層15を有する層状酸素電極を備える。また、層状酸素電極の一端部(酸素電極40Aの一端部)において酸素透過膜42が露出している。本実施形態の酸素センサーは、層状酸素電極に加えて、ポテンシオスタットを備える。
本実施形態の酸素センサーでは、例えば、銀層12のコンタクトパッド12Bに陽極が接続され、白金層41のコンタクトパッド41Aに陰極が接続されている。そして、これらの電極を介して、銀層12と白金層41とが、例えば、ポテンシオスタットに電気的に接続されている。ポテンシオスタットにより、銀層12と白金層41間に一定電圧(例えば、0.8V)を印加した場合に発生する電流値は、測定対象物における酸素濃度に依存している。従って、この電流値を測定することにより、測定対象物における酸素濃度を測定することができる。
電解液としては、例えば、上述の第1の実施形態と同様のものが用いられる。
本実施形態の酸素センサーによれば、酸素電極40Aを備えるため、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的に酸素濃度を測定することができる。
また、従来、酸素電極と参照電極を別々に設けていたため、微小な部位における酸素濃度の測定が難しかった。本実施形態の酸素センサーによれば、銀層12と白金層41がポリイミド基材11を介して一体化されているため、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的に酸素濃度を測定することができる。
また、従来、酸素電極と参照電極を別々に設けていたため、微小な部位における酸素濃度の測定が難しかった。本実施形態の酸素センサーによれば、銀層12と白金層41がポリイミド基材11を介して一体化されているため、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的に酸素濃度を測定することができる。
[電極(酸素電極)の製造方法、酸素センサーの製造方法]
以下、図8〜図12を参照しながら、本実施形態の電極(酸素電極)の製造方法および酸素センサーの製造方法を説明する。
以下、図8〜図12を参照しながら、本実施形態の電極(酸素電極)の製造方法および酸素センサーの製造方法を説明する。
図8(a)に示すように、所定の大きさ(面積)および所定の厚さのシート状またはフィルム状のポリイミド基材11を用意する。
次いで、図8(b)に示すように、ポリイミド基材11の一面11aに、所定の厚さの銀層12を形成する。
銀層12を形成する方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング法等が用いられる。
銀層12を形成する方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング法等が用いられる。
次いで、図8(c)に示すように、ポリイミド基材11の他面11bに、所定の厚さの白金層41を形成する。
白金層41を形成する方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング法等が用いられる。
白金層41を形成する方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング法等が用いられる。
次いで、図8(d)に示すように、銀層12の一面12aに、上述の加工領域12Aおよびコンタクトパッド12Bに相当する領域以外の領域に、所定の厚さの絶縁層13(13A)を形成する。同様に、白金層41の一面41aに、上述の加工領域12Aおよびコンタクトパッド12Bに相当する領域以外の領域に、所定の厚さの絶縁層13(13B)を形成する。
次いで、ポリイミド基材11、銀層12、絶縁層13および白金層41からなる積層体を、その長手方向に沿って所定の幅となるようにダイシング(切断)する。
なお、ダイシングする際の積層体の幅は、電極40を用いた酸素濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
なお、ダイシングする際の積層体の幅は、電極40を用いた酸素濃度の測定対象物の大きさ等に応じて、適宜調整される。
これまでの工程により、図6および図7に示す、上述のポリイミド基材11と、銀層12と、絶縁層13と、白金層41と、を備える電極40が得られる。
次いで、図9に示すように、電極40の長手方向において、加工領域12A側の部分を完全に包囲し、コンタクトパッド12Bおよびコンタクトパッド41Aを露出するように、ポリビニルピロリドン層14を形成する。
ポリビニルピロリドン層14を形成するには、上述の第1の実施形態と同様の方法が用いられる。また、この工程において、上述の第1の実施形態と同様にして、ポリビニルピロリドン層14中に電解液が保持される。
ポリビニルピロリドン層14を形成するには、上述の第1の実施形態と同様の方法が用いられる。また、この工程において、上述の第1の実施形態と同様にして、ポリビニルピロリドン層14中に電解液が保持される。
次いで、図10に示すように、電極40の長手方向において、加工領域12A側の部分を完全に包囲し、コンタクトパッド12Bおよびコンタクトパッド41Aを露出するように、ポリ塩化ビニル層15を形成する。
ポリ塩化ビニル層15を形成するには、上述の第1の実施形態と同様の方法が用いられる。
ポリ塩化ビニル層15を形成するには、上述の第1の実施形態と同様の方法が用いられる。
次いで、図11に示す破線43にて、ポリビニルピロリドン層14およびポリ塩化ビニル層15を切断して、除去する。これにより、加工領域12Aの一端を露出させる。
次いで、図12に示すように、基板50の上面50aに配したシリコーン接着剤44に、露出させた加工領域12Aの一端、ポリイミド基材11の一端、白金層41の一端、ポリビニルピロリドン層14の一端およびポリ塩化ビニル層15の一端を当接させて、これらの一端にシリコーン接着剤44からなる層を形成する。このシリコーン接着剤44からなる層を乾燥することにより、図7に示すように、銀層12の加工領域12Aに、シリコーン接着剤44からなる酸素透過膜42が形成される。
以上の工程により、酸素電極40Aが得られる。
このようにして得られた酸素電極40Aに対して、例えば、銀層12のコンタクトパッド12Bに陽極を接続し、白金層41のコンタクトパッド41Aに陰極を接続し、さらに、これらの電極を介して、銀層12と白金層41とを、例えば、ポテンシオスタットに電気的に接続することにより、対象物に含まれる酸素濃度を測定することができる酸素センサーが得られる。
(4)第4の実施形態
[酸素センサー]
以下、図13を参照しながら、本実施形態の酸素センサーを説明する。図13は、本実施形態の酸素センサーを示す斜視図である。図13において、図1〜図3に示す第1の実施形態の電極の構成および第2の実施形態の酸素センサーの構成と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の酸素センサーは、酸素電極40A、酸素電極40Aにおける銀層12および白金層41の一部を挿入する注射針30、並びに、銀層12および白金層41と注射針30の間に含浸された電解液(図示略)を有する針状酸素電極を備える。また、針状酸素電極を構成する注射針30の先端において酸素透過膜42が露出している。本実施形態の酸素センサーは、針状酸素電極に加えて、ポテンシオスタットを備える。
[酸素センサー]
以下、図13を参照しながら、本実施形態の酸素センサーを説明する。図13は、本実施形態の酸素センサーを示す斜視図である。図13において、図1〜図3に示す第1の実施形態の電極の構成および第2の実施形態の酸素センサーの構成と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態の酸素センサーは、酸素電極40A、酸素電極40Aにおける銀層12および白金層41の一部を挿入する注射針30、並びに、銀層12および白金層41と注射針30の間に含浸された電解液(図示略)を有する針状酸素電極を備える。また、針状酸素電極を構成する注射針30の先端において酸素透過膜42が露出している。本実施形態の酸素センサーは、針状酸素電極に加えて、ポテンシオスタットを備える。
本実施形態の酸素センサーでは、例えば、銀層12のコンタクトパッド12Bに陽極が接続され、白金層41のコンタクトパッド41Aに陰極が接続されている。そして、これらの電極を介して、銀層12と白金層41とが、例えば、ポテンシオスタットに電気的に接続されている。
電解液としては、第1の実施形態と同様のものが用いられる。
本実施形態の酸素センサーによれば、酸素電極40Aを含む針状酸素電極を備えるため、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的に酸素濃度を測定することができる。
本実施形態の酸素センサーによれば、銀層12と白金層41がポリイミド基材11を介して一体化されているため、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的に酸素濃度を測定することができる。また、本実施形態の酸素センサーは、測定対象物に針状酸素電極を突き刺すことができるため、植物等の酸素濃度の測定に好適に用いられる。
本実施形態の酸素センサーによれば、銀層12と白金層41がポリイミド基材11を介して一体化されているため、測定対象物が非常に小さい場合であっても、局所的に酸素濃度を測定することができる。また、本実施形態の酸素センサーは、測定対象物に針状酸素電極を突き刺すことができるため、植物等の酸素濃度の測定に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示す電極を2つ作製した。
一方の電極の一端に、銀/塩化銀層に接するように親水性ゲルを設けて、層状参照電極を得た。
他方の電極の一端に、銀/塩化銀層に接するようにナトリウムイオン感応膜を設けて、層状イオン電極を得た。
ナトリウムイオン感応膜を形成するには、電極の一端において、銀/塩化銀層に接するように、下記のように調製したナトリウムイオン感応膜溶液を塗布し、その塗膜を乾燥した。
101mgのポリ塩化ビニル粉末を、7.6×103μLのテトラヒドロフランに溶解して、溶液Aを調製した。
次いで、溶液Aに、200μLの2−ニトロフェニルオクチルエーテル、10mgのビス(12−クラウン−4)、6mgのテトラフェニルホウ酸ナトリウムを添加した。
その混合液を十分に攪拌して完全に混合し、ナトリウムイオン感応膜溶液を得た。
次に、層状参照電極と層状イオン電極とを、エレクトロメータを介して電気的に接続した。
次に、層状参照電極と層状イオン電極とを、1mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、10mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、100mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、および1000mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液のそれぞれに浸漬して、層状参照電極を基準として、層状イオン電極の電位を測定した。結果を図14および図15に示す。なお、図15は、図14に示す結果を回帰分析した結果を示す図である。
図14および図15の結果から、塩化ナトリウム水溶液における塩化ナトリウムの濃度の増加、すなわち、ナトリウムイオンの濃度の増加に伴って、ポテンシャルが高くなることが確認された。
図1に示す電極を2つ作製した。
一方の電極の一端に、銀/塩化銀層に接するように親水性ゲルを設けて、層状参照電極を得た。
他方の電極の一端に、銀/塩化銀層に接するようにナトリウムイオン感応膜を設けて、層状イオン電極を得た。
ナトリウムイオン感応膜を形成するには、電極の一端において、銀/塩化銀層に接するように、下記のように調製したナトリウムイオン感応膜溶液を塗布し、その塗膜を乾燥した。
101mgのポリ塩化ビニル粉末を、7.6×103μLのテトラヒドロフランに溶解して、溶液Aを調製した。
次いで、溶液Aに、200μLの2−ニトロフェニルオクチルエーテル、10mgのビス(12−クラウン−4)、6mgのテトラフェニルホウ酸ナトリウムを添加した。
その混合液を十分に攪拌して完全に混合し、ナトリウムイオン感応膜溶液を得た。
次に、層状参照電極と層状イオン電極とを、エレクトロメータを介して電気的に接続した。
次に、層状参照電極と層状イオン電極とを、1mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、10mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、100mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、および1000mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液のそれぞれに浸漬して、層状参照電極を基準として、層状イオン電極の電位を測定した。結果を図14および図15に示す。なお、図15は、図14に示す結果を回帰分析した結果を示す図である。
図14および図15の結果から、塩化ナトリウム水溶液における塩化ナトリウムの濃度の増加、すなわち、ナトリウムイオンの濃度の増加に伴って、ポテンシャルが高くなることが確認された。
[実施例2]
図5に示すイオンセンサーを作製した。
一方の電極の一端に、銀/塩化銀層に接するように親水性ゲルを設けて、針状参照電極を得た。
他方の電極の一端に、銀/塩化銀層に接するようにナトリウムイオン感応膜を設けて、針状イオン電極を得た。
実施例1と同様にして、ナトリウムイオン感応膜を形成した。
次に、針状参照電極と針状イオン電極とを、エレクトロメータを介して電気的に接続した。
次に、針状参照電極と針状イオン電極とを、1mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、10mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、100mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、および1000mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液のそれぞれに浸漬して、層状参照電極を基準として、層状イオン電極の電位を測定した。結果を図16および図17に示す。なお、図17は、図16に示す結果を回帰分析した結果を示す図である。
図16および図17の結果から、塩化ナトリウム水溶液における塩化ナトリウムの濃度の増加、すなわち、ナトリウムイオンの濃度の増加に伴って、ポテンシャルが高くなることが確認された。
図5に示すイオンセンサーを作製した。
一方の電極の一端に、銀/塩化銀層に接するように親水性ゲルを設けて、針状参照電極を得た。
他方の電極の一端に、銀/塩化銀層に接するようにナトリウムイオン感応膜を設けて、針状イオン電極を得た。
実施例1と同様にして、ナトリウムイオン感応膜を形成した。
次に、針状参照電極と針状イオン電極とを、エレクトロメータを介して電気的に接続した。
次に、針状参照電極と針状イオン電極とを、1mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、10mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、100mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液、および1000mmol/Lの塩化ナトリウム水溶液のそれぞれに浸漬して、層状参照電極を基準として、層状イオン電極の電位を測定した。結果を図16および図17に示す。なお、図17は、図16に示す結果を回帰分析した結果を示す図である。
図16および図17の結果から、塩化ナトリウム水溶液における塩化ナトリウムの濃度の増加、すなわち、ナトリウムイオンの濃度の増加に伴って、ポテンシャルが高くなることが確認された。
[実施例3]
図6に示す酸素電極を備えた酸素センサーを作製した。
次に、酸素センサーを、空気中および亜硫酸ナトリウムにより溶存酸素を除去した溶液中に配置し、電流値の変化を測定した。結果を図18に示す。
図18の結果から、このデバイスが酸素センサーとして機能していることが確認された。
図6に示す酸素電極を備えた酸素センサーを作製した。
次に、酸素センサーを、空気中および亜硫酸ナトリウムにより溶存酸素を除去した溶液中に配置し、電流値の変化を測定した。結果を図18に示す。
図18の結果から、このデバイスが酸素センサーとして機能していることが確認された。
[実施例4]
図13に示す酸素電極を備えた酸素センサーを作製した。
次に、酸素センサーを用いて、酸素センサーを、空気中および亜硫酸ナトリウムにより溶存酸素を除去した溶液中に配置し、電流値の変化を測定した。結果を図19に示す。
図19の結果から、このデバイスが酸素センサーとして機能していることが確認された。
図13に示す酸素電極を備えた酸素センサーを作製した。
次に、酸素センサーを用いて、酸素センサーを、空気中および亜硫酸ナトリウムにより溶存酸素を除去した溶液中に配置し、電流値の変化を測定した。結果を図19に示す。
図19の結果から、このデバイスが酸素センサーとして機能していることが確認された。
本発明の電極は、ポリイミド基材と、銀層と、絶縁層とが順に積層された積層体を備え、幅が細い短冊状や紐状をなしているため、測定対象物が非常に小さい場合であっても、その任意の位置に電極を接触させることができる。従って、本実施形態の電極は、測定対象物が非常に小さい場合であっても、従来は測定が困難であった部位において、局所的にイオン濃度を測定することができるイオンセンサーを提供することができる。
10,40・・・電極、10A・・・参照電極、10B・・・イオン電極、11・・・ポリイミド基材、12・・・銀層、12A・・・加工領域(銀/塩化銀層)、12B,41A・・・コンタクトパッド、13,13A,13B・・・絶縁層、14・・・ポリビニルピロリドン層、15・・・ポリ塩化ビニル層、16・・・親水性ゲル、17・・・イオン感応膜、20・・・積層体、21,43・・・破線、30・・・注射針、41・・・白金層、42・・・酸素透過膜、44・・・シリコーン接着剤、50・・・基板。
Claims (5)
- ポリイミド基材と、
前記ポリイミド基材の一面に設けられ、前記ポリイミド基材の一面の長手方向における一端部に加工領域を有し、他端部にコンタクトパッドを有する銀層と、
前記銀層の前記ポリイミド基材と接する面とは反対側の面における前記加工領域および前記コンタクトパッド以外の領域に設けられた絶縁層と、を備え、
前記加工領域が塩化銀を含む銀/塩化銀層であることを特徴とする電極。 - 請求項1に記載の電極と、前記電極の一端において、前記銀/塩化銀層に接するように設けられた親水性ゲルと、を備えたことを特徴とする参照電極。
- 請求項1に記載の電極と、前記電極の一端において、前記銀/塩化銀層に接するように設けられたイオン感応膜と、を備えたことを特徴とするイオン電極。
- 請求項2に記載の参照電極、前記参照電極における前記銀/塩化銀層および前記銀層の一部を包囲する電解質を含むポリビニルピロリドン層、前記ポリビニルピロリドン層の一部を包囲するポリ塩化ビニル層を有する層状参照電極と、
請求項3に記載のイオン電極、前記イオン電極における前記銀/塩化銀層および前記銀層の一部を包囲する電解質を含むポリビニルピロリドン層、前記ポリビニルピロリドン層の一部を包囲するポリ塩化ビニル層を有する層状イオン電極と、を備え、
前記層状参照電極の一端部において前記親水性ゲルが露出し、前記層状イオン電極の一端部において前記イオン感応膜が露出していることを特徴とするイオンセンサー。 - 請求項2に記載の参照電極、前記参照電極における前記銀/塩化銀層および前記銀層の一部を挿入する注射針、並びに、前記銀/塩化銀層および前記銀層と前記注射針の間に含浸された電解液を有する針状参照電極と、
請求項3に記載のイオン電極、前記イオン電極における前記銀/塩化銀層および前記銀層の一部を挿入する注射針、並びに、前記銀/塩化銀層および前記銀層と前記注射針の間に含浸された電解液を有する針状イオン電極と、を備え、
前記針状参照電極を構成する前記注射針の先端において前記親水性ゲルが露出し、前記針状イオン電極を構成する前記注射針の先端において前記イオン感応膜が露出していることを特徴とするイオンセンサー。
Priority Applications (1)
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JP2018053502A JP2019164103A (ja) | 2018-03-20 | 2018-03-20 | 電極、参照電極、イオン電極、イオンセンサー |
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