JP2005505778A - 唾液、汗、及び表面拭い要素の直接的有機薬物分析のためのイオン選択性電極 - Google Patents
唾液、汗、及び表面拭い要素の直接的有機薬物分析のためのイオン選択性電極 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005505778A JP2005505778A JP2003536741A JP2003536741A JP2005505778A JP 2005505778 A JP2005505778 A JP 2005505778A JP 2003536741 A JP2003536741 A JP 2003536741A JP 2003536741 A JP2003536741 A JP 2003536741A JP 2005505778 A JP2005505778 A JP 2005505778A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- cocaine
- ion
- membrane
- ion selective
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N33/00—Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
- G01N33/48—Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
- G01N33/483—Physical analysis of biological material
- G01N33/487—Physical analysis of biological material of liquid biological material
- G01N33/48707—Physical analysis of biological material of liquid biological material by electrical means
- G01N33/48714—Physical analysis of biological material of liquid biological material by electrical means for determining substances foreign to the organism, e.g. drugs or heavy metals
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/28—Electrolytic cell components
- G01N27/30—Electrodes, e.g. test electrodes; Half-cells
- G01N27/333—Ion-selective electrodes or membranes
- G01N27/3335—Ion-selective electrodes or membranes the membrane containing at least one organic component
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Immunology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Pathology (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Hematology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Urology & Nephrology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Electrochemistry (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
Abstract
Description
【0001】
本発明はイオン選択性電極に関し、より詳細には唾液、汗、及び表面拭い要素中の有機薬物を検出するためのイオン選択性電極に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、米国には3百万人を越えるコカイン常用者と百万人を越えるヘロイン常用者がいるものと推定されている。更に2百万人を越える非常習的コカイン使用者と50万人を越える非常習的ヘロイン使用者がいるものと推定されている。これらを合わせると2000年には269メートルトンのコカインと12.9メートルトンのヘロインが消費され、違法薬物に630億ドルが費やされた計算となる(Rhodes,W.,Layne,M.,Johnston,P.,Hozik,L.,What America‘s Users Spend On Illegal Drugs 1988−1998, Office of National Drug Control Policy, December 2000)。著しく過小報告されている薬物使用の実害の一例として薬物影響下での運転がある。40,000件を越える年間交通死亡事故件数、ならびに毎年140万にのぼる逮捕者の約39%がアルコールによるものとされているが、アルコール影響下にある者のかなりの割合が薬物の影響下にもある(Shults, R., Impaired Driving, December 11, 1998, CDC, National Center for Injury Prevention & Control)。ニューヨーク州ナッソー郡及びテキサス州ヒューストンで行われた最近の調査によると、飲酒運転中に逮捕された800人のドライバーの約36%で尿中に薬物の代謝産物が更に検出されている(同様の結果について下記を参照: Hersch,R.K.,Crouch,D.J.,及びCook,R.F.,"Field Test of On−Site Drug Detection Devices,"DOT HS 809−192, October 2000及びBrookoff,D.,Cook,C.S.,Williams,C.,及びMann,C.S."Testing Reckless Drivers for Cocaine and Marijuana", N Engl J Med, 331 (8): 518−522 (1994))。別の調査では、連邦刑務所の囚人の45%が薬物影響下で自動車の運転を行ったことがあるという調査結果が示されている(www.ojp.usdoj.gov/bjs)。したがって、薬物影響下での運転((driving under the influence of drugs)DUID)は公共の安全に関わる極めて重要な懸案である。
【0003】
過去10年間に「飲酒運転に反対する母親の会」などの運動によってアルコールが関係した自動車事故による死亡者数は30%以上減少した。公共利益団体によるDUIDに対する同様な運動を妨げている要因の一つとして、警察官によって携行される、薬物レベルを迅速かつ目立たないように測定する有効なツールがないことが挙げられる。このようなツールが広く普及するならば非常習的な薬物使用に対する有効かつ確実な抑止力となろう。このツールが広く知れ渡ることによってDUIDが減少するとともに違法薬物の使用は公共的にも受け容れられなくなるであろう。
【0004】
日常の交通検問や飲酒運転(DWI)の検問では、ドライバーが薬物影響下にあるか否かを判断するのに警官が使える時間は短い。通常の視覚的な手掛かりの他に、今日用いられている主要なツールは警官の嗅覚であるが、これはアルコール及びマリファナに対してのみ有効でありその効果は限定されている。薬物使用者はその相乗効果からアルコールも摂取していることが多いが、アルコール濃度が法的許容量未満である場合には、警官は逮捕について判断を迫られることになる。他の薬物の濫用では、使用者の思考力が著しく低下していないかぎり明らかな使用の形跡は認められない。したがってこの判断プロセスを助ける迅速かつ携行可能な器具が広く採用されるならばDUIDの検出及び抑止の一助となろう。
【0005】
尿及び血液に試験を行って薬物使用を検出することが可能である。しかしながら採取方法が人目を引きやすいことや、尿中の薬物の検出に長時間を要すること(数日〜数週間)から、プライバシーの侵害であると考える人も多く、運転中の薬物使用の安全に対する実際の危険度を反映したものとならないことが考えられる。
【0006】
唾液や汗などの他の媒体に試験を行って薬物使用を検出することも可能である。図1に示すように、唾液中のコカイン濃度は、使用後最初の数分間で思考障害と密接に関連している血漿中の濃度と平行となる。コカインのカットオフ値が約50ng/mLに設定されているとすると、唾液中のコカインの検出可能領域は4時間に過ぎない。コカインは投与後のこの短い時間枠でのみ検出可能であることから、尿検査で陽性の結果が得られる数日と比較して、運転能力の低下を証明する方が簡単である。場面によっては唾液は行き過ぎである場合がある。その代わりに皮膚綿棒を用いることが可能である。皮膚綿棒では受動的曝露と使用の両方で陽性となるが、特別な状況を除き残留薬物が検出されなければ薬物使用の可能性は除外される。
【0007】
今日用いられている唾液中の薬物の検出法は、イオン移動度質量分析法とイムノアッセイである。イオン移動度質量分析法は、Barringer Ion ScanやBarringer Sabre 2000(www.barringer.com)、あるいはIon Track ItemiserやIon Track VaporTracer−2(www.iontrack.com)を例として、広範な物質の半定量的な高速(1分間)検出が可能であるという利点を有する。しかしながらこうした質量分析装置は、コストが高く(1台2万ドル〜4万2千ドル)、維持に手間がかかり、嵩張る(靴箱〜スーツケースの大きさ)という難点を有する。イムノアッセイ法は、Securetec Drugwipes(www.SECURETEC.net)を例として、操作の簡便性、携帯性、及び低コスト(1個10ドル未満)という利点を有する。米国特許第5,891,649号明細書は汗中の薬物を検出するためのイムノアッセイの利用について開示している。しかしながらイムノアッセイは各薬物または薬物のクラスに対して選択的であることから、疑わしい物質のそれぞれについて別々の試験を行わなければならない。更にこうした装置は再使用できないため、大容量の用途では再三発生するコストが問題となる。更にイムノアッセイでは薬物の存在または非存在が示されるのみであり、特別の機器がなければ定量分析は困難である。更にイムノアッセイは限られた範囲でのみ線形である。
【0008】
薬物を検出する別の方法としてイオン選択性電極がある。この方法はイオン種を測定するものである。イオン選択性電極は、カリウム、リチウム、ナトリウム、及びカルシウムなどのイオン種を測定するために当該分野ではよく知られたものである。しかしながら薬物を検出するためのイオン選択性電極の開発は、医薬製剤中の薬物の検出あるいは尿や血液中の違法薬物の検出を目的としたものに限定されていた。イオン選択性電極の使用に関する情報は以下の参考文献に見られる。Elnemma,E.M.,Hamada,M.A.及びHassan,S.S.M.,"Liquid and Poly(Vinyl Chloride) Matrix Membrane Electrodes for the Selective Determination of Cocaine in Illicit Powders,"Talanta, 39 1329−1335 (1992); Campanella,L.,Colapicchioni,C.,Tomassetti,M.,Bianco,A.およびDezzi,S.,"A New ISFET Device for Cocaine Analysis,"Sensors and Actuators, 24−25 188−193 (1995);Watanabe,K.,Okada,K.,Oda,H.,Furuno,K.,Gomita,Y.及びKatsu,T.,"New Cocaine−Selective Membrane Electrode,"Analytica Chimica Acta, 316 371−375 (1995);K.Watanabe,K.Okada,及びT.Katsu,"Development of an Amphetanine−Selective Electrode,"Jpn.J.Toxicol.Environ.Health, 42,33 (1996);S.S.M.Hassan及びE.M.Elnemma, "Amphetamine Selective Electrodes Based on dibenzo−18−crown−6 and dibenzo−24−crown−8 Liquid Membranes,"Anal.Chem., 61 2189−2192 (1989);K.Watanbe,K.Okada,H.Oda,及びT.Katsu,"Development of a portable cocaine−selective electrode,"Jpn.J.Toxicol.Environ.Health, 43,17 (1997);L.Campanella,L.Aiello,C.Colapicchioni,及びM.Tomassetti,"Lidocane and Benzalkonium Analysis and Titration in Drugs Using New ISFET Devices,"J.Pharm.Biomed.Anal.,18 117−125 (1998);L.Campanella,C.Colapicchioni,M.Tomassetti,及びS.Dezzi,"Comparison of Three Analytical Methods for Cocaine Analysis of Illicit Powders,"J.Pharm.Biomed.Anal., 14 1047−54 (1996);S.S.M.Hassan,E.M.Elnemma,及びE.H.El−Naby,"Solid State Planar Microsensors for Selective Potentiometric Determination of Ethylmorphine,"Anal.Let., 32 271−285 (1999);E.M.Elnemma及びM.A.Hamada,"Plastic Membrane Electrodes for the Potentiometric Determination of Codeine in Pharmaceutical Preparations,"Mikrochim Acta, 126 147−151 (1997);L.Cunningham及びFreiser,"Ion−Selective Electrodes for Basic Drags,"Anal.Chim, Acta., 139 97−103 (1982);C.R.Martin及びH.Freiser,"Ion− Selective Electrodes for the Determination of Phencyclidine,"Anal.Chem., 52 1772−1774 (1980);G.D.Carmack及びH.Freiser,"Assay of Phenobarbital with an Ion−Selective Electrode,"Anal.Chem., 49 1577−1579 (1977);Cosofret,V.V.及びBuck,R.P.,"Recent Advances in Pharmaceutical Analysis with Potentiometric Membrane Sensors,"Critical Reviews in Analytical Chemistry, 24,1−58 (1993);K.Watanbe,K.Okada,H.Oda,およびT.Katsu,"Development of a Portable Cocaine−Selective Electrode,"Bunseki Kagaku, 46 1019−1023 (1997);S.Komorsky−Lovric,I.Galic,及びR.Penovski,"Voltammetric Determination of Cocaine Microparticles,"Electroanalysis, 11 120−123 (1999);T.Yeow,M.R.Haskard,D.E.Mulcahy,H.I.Seo,及びD.H.Kwon,"A Very Large Integrated pH−ISFET Sensor Array Chip Compatible with Standard CMOS Processes,"Sensors Actuators B 44 434−440 (1997); 米国特許第5,522,978号明細書;米国特許第5,914,271号明細書;米国特許第5,180,481号明細書;米国特許第6,212,418号明細書;米国特許第6,087,182号明細書;米国特許第6,165,796号明細書;米国特許第6,033,914号明細書;米国特許第5,531,870号明細書;米国特許第5,554,339号明細書;米国特許第5,753,519号明細書;米国特許第4,713,165号明細書;米国特許第4,454,007号明細書;及び米国特許第4,399,002号明細書。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した従来の技術の課題点は、イオン選択性電極の使用によって唾液、汗、及び表面拭い要素中のコカインならびに他の炭素系濫用薬物の検出及び定量を小型で携行可能な監視システムによって行う本発明によれば解決されるものである。好ましい一実施形態では、イオン選択性電極のアレイを使用して各種濫用薬物の検出ならびに定量を行う。
【0010】
好ましい一実施形態では、本発明のイオン選択性電極は、成形膜参照電極と、疎水性ポリマー、可塑剤、及び試験する有機薬物に対して選択的なイオノフォアを含む半透性のイオン選択性膜を有するセンシング電極とを有する。本発明の別の一側面では、有機薬物を検出するための装置は、イオン選択性電極からの電圧指示値を定量的な薬物濃度レベルに変換するコンバータに接続された少なくとも1個のイオン選択性電極を有する。本発明の更なる別の一側面は、唾液、汗、及び表面拭い要素中の有機薬物を検出するための方法であって、(a)イオン選択性電極を被験者の口中に入れるか、被験者の口中から唾液を採取して該唾液をイオン選択性電極上に置くか、所定表面を湿った表面綿棒で拭った後に、該表面綿棒をイオン選択性電極上に絞るか、または湿った表面綿棒をイオン選択性電極に巻き付けた後に所定表面を拭う工程と、(b)イオン選択性電極の電気的接触を確保する工程と、(c)濃度曲線を用いてイオン選択性電極からの電圧指示値を定量的薬物濃度に変換する工程とを含む方法である。本発明の別の一側面は、イオン選択性電極内の電気的接触を試験するための方法であって、(a)参照電極に電圧パルスを注入する工程と、(b)対応した電圧パルスがセンシング電極にあるか否かを判定する工程とを含む方法である。本発明の更なる別の一側面は、成形膜参照電極の製造方法であって、(a)孔を覆ってイオノフォア性膜を成形する工程と、(b)前記孔の内部を塩溶液で満たす工程と、(c)導線を前記溶液中に挿入する工程と、(d)前記孔を密封する工程とを含む方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明は幾つかの効果を奏する。唾液、汗、または表面拭い要素中の薬物を試験することによって、個人のプライバシーを侵害することがなく、検出に長時間を要さないので被験者の機能障害を容易に判定することが可能である。更に薬物の検出にイオン選択性電極のアレイを使用することにより、低コストで維持が容易な小型の装置によって広範な薬物の定量的かつ迅速な検出が可能である。
【0012】
本システムの期待される用途としては、唾液の直接試験による路上飲酒検知、表面拭い要素または皮膚綿棒を使用した汗中の薬物痕跡の試験、ならびに残留薬物痕跡について試験するうえで表面拭い要素を使用したコカイン含有品目の特定などが挙げられる。可能性のある別の用途として、逆薬物試験がある。時として、抗精神病薬や抗結核薬などのようにある種の薬物を服用していない場合に個人が公共に脅威を与える場合がある。治療中の患者を不定期に訪問して、唾液試料や皮膚綿棒を採取し、試験患者がいるところで検体を試験するケースワーカーを思い浮かべるとよい。適当な薬剤または代謝産物が所定レベルを上回って存在すれば、患者が治療レジメンに従っていることが示されたことになる。こうした薬剤や代謝産物が存在しなければ、患者の監視または入院治療が必要であることが示されたことになる。本発明は、被験者が必要な薬剤を服用しているか否かを判定するための迅速で簡単かつ非侵襲的な方法を提供するものである。
【0013】
本発明のこれら及び他の目的、特徴、効果、ならびに発明それ自体は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、ならびに付属の図面を参照することによって一層理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の好ましい一実施形態に基づく小型かつ携行可能な薬物監視システムでは、唾液、汗、ならびに表面拭い要素中のコカイン及び他の炭素系薬物の存在を検出し、存在する薬物を定量化するための少なくとも1個のイオン選択性電極を使用する。このシステムは1種類の薬物を検出するための1個のイオン選択性電極からなるが、好ましくは複数の薬剤を検出するためのイオン選択性電極のアレイからなる。本発明の監視システムは薬物の他に、pH、カリウム濃度、ナトリウム濃度、またはカルシウム濃度などの調節ならびに干渉除去目的で有用な他のパラメータを測定することも可能である。例えば、イオン選択性電極からの応答に対して検体は帯電している必要がある。コカインのpKaは約8.6である。したがって8.6以下のpHレベルであればコカインの検出が可能である。8.6よりもpHレベルが高ければコカインは検出できない。pHとコカインを同時に測定することによってコカイン検出に適切なpH範囲で検査が行われていることを確認することができる。別の一例として、特定のイオン選択性膜組成ではカリウムイオンによる干渉を受ける場合がある。この干渉作用はカリウム濃度を別個に測定することで補償することが可能である(この用途では、濃度は活性と同等である)。
本発明のイオン選択性電極またはイオン選択性電極のアレイでは、(1)イオン選択性電極またはアレイを被験者の口中に入れる、(2)被験者の口中から唾液を採取し、この唾液をイオン選択性電極上に置く、(3)湿った表面綿棒で所定表面を拭ってからイオン選択性電極またはアレイ上に表面綿棒を押しつける、及び(4)湿った表面綿棒をイオン選択性電極またはアレイに巻き付けてから表面を拭う、など幾つかの方法によって唾液、汗、または表面拭い要素から指示値を得ることが可能である。イオン選択性電極のアレイは、プログラム可能なデジタルマイクロコンバータに接続される。このコンバータは増幅及びノイズ低減機能を有していてもよい。本システムは内部電池またはポケットPCコンピュータを電源とすることが可能であり、データは導線接続、赤外線通信や他のワイアレス接続を介して中継することが可能である。
【0015】
イオン選択性電極は異なるタイプのセンサーを有することが可能である。本発明ではイオン選択性電極なる用語には、液体膜型のイオン選択性電極、ポリマー膜型のイオン選択性電極、固体イオン選択性電極、及びイオン選択性の電界効果トランジスタが含まれるものである。
【0016】
イオン選択性電極は電池に相当するものであり、電子が流出、流入して電気回路を形成する2個の極、センシング電極、ならびに参照電極を有する。液体充填電極やワイア被覆電極などの膜型の電極では、2個の極は半透膜によって隔離される。イオンは選択的輸送分子とともに反応膜を通過して輸送される。これを引き起こすのは膜の両側の濃度勾配である。この輸送分子はイオン対の一部分のみを輸送することから(コカインでは陽イオン)、イオン選択性電極溶液に電荷が蓄積する。この電荷の蓄積によって測定可能な、検体陽イオンの更なる拡散を抑制する電圧が発生する。検体の濃度が高いほど発生する電圧も高くなる。
【0017】
本発明の好ましい一実施形態に基づく薬物監視システムは通常、少なくとも1個であるが好ましくはそれぞれが半透性のイオン選択性膜を有する複数のセンシング電極のアレイとして構成される参照電極と、イオン選択性電極からの電圧指示値を定量的な薬物濃度レベルに変換するコンバータとを有する。図2に示されるように、通常、参照電極及びセンシング電極は好ましくはPVCロッドであるプラスチックロッド10に収容されている。Tygon(登録商標)チューブなどの他の材料を電極本体に使用することも可能である。ロッド10には電極用の複数の孔を穿孔することができる。ロッド10の中心には参照電極12用の1個の孔を穿孔し、ロッドの外縁部には少なくとも1個、好ましくは6〜7個のセンシング電極14用の孔を環状に穿孔する。また、参照電極12及びセンシング電極14用の孔はロッド10の任意の位置に穿孔することが可能であり、必要なセンシング電極14の数に応じてセンシング電極用の孔を任意の数だけ穿孔することが可能である。電極の収容に用いられるこのロッド10は任意の径を有してよく、平面状であってもよい。
【0018】
参照電極
広く異なる媒体で正確な指示値を得るため、多くの場合、参照電極では内部充填液として濃縮塩溶液を使用し、試験溶液との電気的接触を確保するために多孔質の栓を使用する。この多孔質の栓は内部塩溶液を小量ずつ漏出させるものである。一般的な多孔質材料としては、多孔質ガラスフリット、ひび入りガラス、ファイバ、ゲル(乾燥して故障しがちである)や、小孔(参照電極を度々再充填する必要がある)がある。これらの多孔質材料を使用すると栓を製造者の手でしなくてはならなかったり再現可能に孔を形成する必要があることからイオン選択性電極の製造が困難となる。更に、多孔質の栓は目詰まりしてイオン選択性電極の故障につながる。これらの問題を防止して製造を容易にするため、本発明では所定位置に成形可能であることにより容易な組立てを可能とする多孔膜を使用する。更にこの膜の性能は「乾燥」させた場合にも低下しない。保護せずに室温においた後でも本発明のイオン選択性電極は再び水を加えて数分以内に安定した信号を発するようになる。
【0019】
成形可能な参照電極の使用によって、水溶性(親水性)ポリマーがポリ塩化ビニル(PVC)などのホスト(疎水性)ポリマー中で不混和液を形成することが可能となる。この疎水性ポリマーは膜を形成して支持構造となる。親水性ポリマーは、疎水性ポリマーから浸出しながらイオンが通過する孔を形成するか、あるいは疎水性ポリマー中に留まってイオンの担体として機能する。疎水性ポリマーの例としては、異なる分子量のポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールが含まれるが、低分子量のものの方が性能がよい(表1参照)。
【0020】
図3に示されるように、参照電極12を形成するには、好ましくはPVCである疎水性ポリマーと、好ましくは分子量1450のポリエチレングリコールである親水性ポリマーとを、異なる比、好ましくはPVCのポリエチレングリコールに対する比(重量部)が1:2となるように、好ましくはテトラヒドロフランである相溶性溶媒中に含んだ膜溶液を使用する。室温で約5μlのこの膜溶液をPVCロッド10に形成した中心孔の底側に入れると、表面張力によって液体は孔を完全に塞ぐ状態に保持される。ロッド10を溶液が硬化するまで数分間垂直に保持した後、完全に乾燥させて半透膜20を形成する。溶液は室温で一晩かけて乾燥させることが好ましいが、室温で約30分乾燥させた後、60℃で30分乾燥させてもよい。膜20は半透明で孔を完全に覆っていなければならない。膜20がロッド10の端部に近いほど電極の性能は高くなる。膜が若干奥まった位置に形成されるとポケットが形成され、そこにおけるバルク溶液との混合が遅くなることによって電極の性能が低下する。
【0021】
NaNO3、KCl、Na2SO4、NaFまたはLiF、好ましくはNaClなどの塩溶液22で穿孔の上端から電極を充填する。これは空間内部に置かれたゲル充填ピペット先端を用い、液体が分注される際に先端をゆっくり引くことによって行う。気泡の形成は避ける。好ましくはAgClで被覆した銀導線である導線24を充填液の少なくとも半分にまで入るように上部に挿入し、好ましくはエポキシ26で密封する。導線24はスリーブとして機能する熱収縮チューブ28の極短い部分を有していてもよい。このチューブ28はエポキシ26に必要とされる密封距離を短くするとともに銀導線24を参照体の中央に位置決めする。銀導線を電極の上部で鋭角のS字形状30をなすように折曲してエポキシ26による導線24の固定の補助としてもよい。AgClで被覆した銀導線は、KCl溶液中で銀を電気的に酸化するか、より好ましくはGC Thorsen,Inc.(イリノイ州ロックフォード)が販売する、プリント回路基板のエッチングに用いられるFeCl3溶液を使用して製造することができる。
【0022】
センシング電極
センシング電極は参照電極と同様にして製造される。センシング電極用の膜溶液は、PVCなどの疎水性ポリマー、可塑剤、及び試験する薬物に対して選択的な少なくとも1種のイオノフォアからなる。膜溶液は、好ましくはテトラヒドロフラン(THF)溶液に以下の成分の予め混合されたストック溶液を異なる比率で混合することによって調製される。すなわち、
(1)100mg/mLの高分子量PVC;
(2)100mg/mLの下記から選択される可塑剤:ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、オクチル[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エーテル、クロロパラフィン、Santovac5、ビス(2−エチルヘキシル)マレエート、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート、2−ニトロフェニルオクチルエーテル、ビス(2−エチルヘキシル)ハイドロジェンホスフェート、ジオクチルフタレート、及びこれらの物質の混合物;
(3)10mg/mLのイオノフォアとしてのコカインコバルトイソチオシアネートまたはコカインクロムイソチオシアネート(コカインテトラフェニルボレート及びコカインジノニルナフタレンジスルホン酸、及びコカインジノニルナフタレンスルホン酸をコカインについての試験で使用することも可能である。コカイン以外の有機薬物の試験では異なるイオノフォアを膜溶液で使用することが可能である);
(4)必要に応じて10mg/mLの下記から選択されるイオノフォア:テトラキス(4−クロロフェニル)ボレート、トリオクチルホスフィンオキシド、テトラキス[3.5−ビス−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ボレート、テトラキス[3.5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラフェニルボレート、テトラキス[3.5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、他のボレート塩、及びこれらの物質の混合物と各種カウンターイオンとの混合物。
【0023】
一般的なセバケート混合物は、PVC:可塑剤を1:1、1:1.5、及び1:2の比で含み、それぞれ1重量%のコカインイオノフォアを含むものである。一般的なSantavoc5混合物は、PVC:可塑剤を1:1.8及び1:3.5で含み、約0.6%のコカインイオノフォアを含むものである。必要に応じて約0.1%〜5%の更なるイオノフォアを加えて膜を形成してもよい。
【0024】
更に緩衝剤と陰イオンを膜充填溶液で使用することが可能である。緩衝剤は一般に0.05Mの酢酸ナトリウムまたはマグネシウム、pH4.5である。同様のモル濃度で異なるpHのクエン酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、蟻酸塩、プロピオン酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩で緩衝した溶液を使用することもできる。大型の疎水性陰イオンを膜溶液に添加することも可能である。以下の90mMの陰イオンの使用が可能である。すなわち、塩化カリウム、塩化マグネシウム、臭化カリウム、及びヨウ化カリウム。緩衝剤や陰イオンを変えた場合にも大きな影響はないようである。
【0025】
コカインコバルトイソチオシアネートは、塩酸コカインを等モル量のナトリウムコバルトイソチオシアネートとともに水に混合し、生じた青色の沈殿物を濾過、水洗、風乾して調製することができる。コカインクロムイソチオシアネートも同様に調製することが可能である。
【0026】
液体充填電極用の成形膜を形成するには、プラスチックロッドの穿孔にピペットで5μLの膜溶液を注入する。一晩かけて膜を乾燥させる。KCl、NaNO3、NaF、LiClまたはLiF、好ましくはNaClなどの塩溶液で穿孔の上端から電極を充填する。好ましくはAgClで被覆した銀導線である導線を充填液の少なくとも半分にまで入るように上部に挿入し、好ましくはエポキシで密封する。AgClで被覆した銀導線は、KCl溶液中で銀を電気的に酸化するか、より好ましくはGC Thorsen,Inc.(イリノイ州ロックフォード)が販売する、プリント回路基板のエッチングに用いられるFeCl3溶液を使用して製造することができる。
【0027】
1本の被覆導線からなるセンシング電極を作成するには、18ゲージの絶縁導線などの絶縁導線を使用し、導線の一端を磨き、磨いた端部を膜溶液に浸漬してから一晩乾燥する。被覆導線からなる電極のアレイは、好ましくは1/2インチ(1.27cm)径のPVCロッドであるプラスチックロッドに複数の孔を穿孔し、18ゲージの裸線(銅線でも銀線でも結果に影響はない)を挿入し、所定位置に接着し、一端を磨き、この裸線を5〜10μLの異なる膜溶液で被覆して風乾することによって作成することが可能である。PVC膜の接着性を高めるうえでPVCロッドが好ましい。
【0028】
イオン選択性電極のアレイでは、各センシング電極に対して1つの膜溶液を調製する。イオノフォアは試験する薬物に対して選択的であることから異なり得る。各センシング電極は上述のようにして調製することができる。
【0029】
電気的接触の指示
イオン選択性電極は参照電極に対して正の電位または負の電位を有する。これにはすべての相同要素上に2極回路を必要とする。2個の電池、DC−DCコンバータ、または分圧器によって容易に実現可能であるが、更なる複雑化やコストは不必要である。別の構成では、分圧器を利用してイオン選択性電極の参照部分にバイアスをかける(例、MAXIM(www.maxim−ic.com)による演算増幅器であるMAX406、MAX407、MAX409、及びMAX417−MAX419)。または、可変オフセット電圧(D/Aコンバータを用いて発生させる)によってイオン選択性電極を可変的にバイアスさせることによって異なるイオン選択性電極を適合させることも可能である。これによりマイクロプロセッサによってイオン選択性電極が溶液と接触しているかを判定することも可能である。
【0030】
イオン選択性電極は試験溶液と接触していない場合には不安定かつ変動する指示値を生ずる。多くのイオン選択性電極では、イオン選択性電極が溶液中にあって正しく動作しているかを判定する手段がない。本発明は被験者の口中の唾液を試験するために使用される場合があるため、被験者が参照電極とセンシング電極との間に電気的接触が得られるように充分な唾液を分泌しない場合には電圧の指示値が誤ったものとなることが考えられる。
【0031】
開放回路(唾液のない場合)では、電圧の指示値はプリント回路基板上の漏電や空気中の湿度に応じてあらゆる値を取り得る。イオン選択性電極からの信号を観測する観測者は、完全な電気的接触が得られるまで信号レベルにかなりのノイズや散乱を観測するであろう。こうした信号レベルの変動は、機器が正確に動作しているという使用者の信頼を揺らがすものである。
【0032】
可変オフセット電圧により、マイクロプロセッサによって電圧を制御下でステップ変化させてイオン選択性電極の出力を観測することが可能となる。出力がオフセット電圧にしたがう場合にのみ完全回路が成立していることになる。例えば完全回路について試験を行う場合、参照電極に電圧パルス(例、100mV)を印可する。次いで監視を行ってその電圧パルスをセンシング電極で検出する。電圧パルス(すなわち、イオン選択性電極の公称出力を越える電圧上昇)が適当な強度(この場合100mV)で観測される場合、これらの2点間には電気的接続があることになる。電圧パルスが適当な強度で観測されない場合には警告メッセージが操作者に送られるようにすることも可能である。
【0033】
応答データ及び較正曲線の方法論
図4は、10倍単位のコカイン濃度に対するコカインセンサーの典型的な応答例を示したものである。このグラフには3つの大きな領域がある。急傾斜の領域はネルンスト領域と呼ばれる。この領域では帯電したコカイン分子が膜を通過して拡散するにしたがって平衡電圧が速やかに発生する。この内部正電圧によってコカインの更なる拡散は抑制される。傾斜の下部の直線領域は担体分子の錯形成定数によるものである。試験溶液中のコカイン濃度が錯形成定数の値よりも低くなる場合、膜を通過する分子の数は検出回路の取得段階をバイアスするうえで必要とされるレベルよりも低いレベルに減少する。測定回路に求められるこうした電気的な必要条件のために電極は基本的に短絡して電圧が低下する。最後の領域はコカイン濃度が非常に低い部分に当り、干渉する正に帯電したイオンが支配的であり、傾きは0である。この領域は緩衝液や膜可塑剤の選択によってより低いコカインの値にまで延長することができる。
【0034】
電極の検出限界(LOD)を確立するには3つの方法がある。第1はIUPACの定義によるものであり、LODとは測定された電位とネルンスト線の回帰によって予想される電位との間に18mV以上の差がある濃度であるとしている。第2のよく使われるより実用的な定義として、ネルンスト線と、律速電圧すなわち濃度をそれ以上低下させても測定電位が影響されない領域から求められる水平線との交点としてLODを与えるものがある。第3として、検出可能な最低値を、ベースラインに信号対ノイズ比(S/N)の標準偏差の絶対値の3倍を加えた値を電圧が丁度上回る点とするものがある。本発明では後者の2方法が好ましい。
【0035】
センサーの電圧指示値から濃度のデータを得るには、較正曲線を使用することができる。較正曲線を構築するには様々な手法がある。考慮が必要な点としては、線形あるいは非線形関数のいずれを用いるかという点である。図4に示されるように線形及び非線形の関数のいずれを用いても同じデータ群の近似が可能である。2個の線形部分を用いて較正曲線を得ることができる。2本の較正線の交点によってどの線形線を定量に用いるべきかが求められる。また、より高次の多項式を用いて集合的データ群の近似を行うことも可能である。線形的なアプローチの利点としては、1個の点の較正を用いて1検体の濃度を決定できる点である。更に、多くの試料がグラフ上で低い線形濃度にあり、正確な定量は必要とされないような場合には、計算の容易さから線形アプローチが好ましい。しかしながら線形アプローチでは、試料が該当する予想範囲が事前に分かっている必要がある。高次の近似の利点としては、1つの式を用いて系の電圧を濃度に換算できる点、及び、より滑らかな関数の性質のために支配的な輸送機構がシフトする領域の周辺では精度が高くなる点である。しかしながらn次の多項式では、較正を行うためにn+1個のデータポイントが必要であり、これらのデータポイントは異なる支配的輸送機構が発生する領域にまたがったものでなければならない。
【0036】
考慮すべき別の点として、ドリフトを調整するかどうかという点がある。時間とともに殆どすべてのイオン選択性電極で、与えられた溶液濃度に対する電圧指示値が変化する。これはドリフトと呼ばれ、こうしたドリフトを補償する多くの方法がある。第1に、試料の分析に先立って較正曲線を構築することが可能である。これは信頼度の高い方法であるが、高い精度を得るには曲線を得るうえで幾つかのポイントを必要とすることから時間がかかる場合がある。妥協策として2点較正を行うことがある。第2に、較正曲線の線形または非線形近似から、ドリフトが存在する時間にわたり繰り返して平均パラメータを取ることが可能である。これが終わった時点で、平均ベースラインあるいは1点較正の場合には特定の濃度における平均値に対して値を正規化することによって補償を行う。
【実施例1】
【0037】
異なる参照膜組成物の試験
表1は、成形参照電極用の異なる膜溶液を示したものである。図5は、表1の膜Dを用いて作成した参照電極の安定性を示したものである。データポイント100の近傍では各曲線に対して緩衝溶液は50mM KClであった。この参照電極をカバーなしで37℃で保存することにより人工的にエイジングを行った。毎秒約1回データポイントを取った。
【0038】
表1には成形参照電極用の膜溶液を示す。
【表1】
【0039】
ポリエチレングリコール(PEG)とポリプロピレングリコール(PPG)を用いた異なる参照膜について分析を行った。PEGまたはPPGのPVCに対する比は重量比で2:1であった。PEGでは試験した分子量は、600、1460、及び8000であった。PPGでは試験した分子量は、1000及び2000であった。これらの膜組成物を電極のアレイとして成形した。この参照電極は飽和カロメル電極であった。これらの膜組成物を10mLのMg(OAc)2緩衝液中で観測した。NaClまたはMgCl2を添加してイオン活性及び塩素濃度の変化を試験したところ影響はほとんど見られなかった。PEGはPPGと比較して優れており、低分子量の方が高分子量よりも優れていた。構造的な完全性からPEG1460が好ましい。
【実施例2】
【0040】
センシング電極用の膜組成物の影響
表2は、異なる膜組成物について応答と検出限界を示したものである。表3は、異なる膜組成物を使用した複数の液体充填電極について500ng/mL(1.65x10−6Mの遊離塩基)のコカイン濃度における平均mV応答を示したものである。この実験では反復試験のセンサーの数が少ないために相対標準偏差は一般に大きいが、一定の一般的傾向が認められた。まず、コカインコバルトイソチオシアネートでは、最大で1:2のPVC:セバケート比及び1:3.5のPVC:Santovac5/セバケート混合比と可塑剤の量が多い場合に、1:1のPVC:セバケート比の場合と比較して応答電圧がほぼ2倍の電極となった。コカインクロムイソチオシアネートでは、1:1とPVC:セバケート混合比が低い場合にこの比が1:2の電極の2倍の応答を示すという逆の傾向が見られた。与えられた相対標準偏差率(%)ではコカインクロムイソチオシアネートイオノフォアで1:3.5のPVC:Santovac5/セバケート混合比では、どちらが他方よりも優れているかについて確証のある結論は下せなかった。しかしながらいずれのタイプからも1:1のPVC:セバケート混合比と比較して50〜100%優れた応答を生ずる電極が得られた。
【0041】
表2には異なる膜組成物での応答及び検出限界を示す。
【表2】
【0042】
表3には異なる膜組成物に対する電極の応答の比較を示し、500ng/mL(1.65x10−6Mの遊離塩基)のコカイン濃度での平均mV応答を示す。50mMの酢酸ナトリウム緩衝液中で膜を比較した。
【表3】
【0043】
図6は、コカインコバルトイソチオシアネート1:2及びコカインクロムイソチオシアネート1:1の膜から作成された電極の較正曲線での比較を示したものである。コバルトイオノフォア応答の感度はクロム種を上回り、高濃度ではコバルトはクロムよりも26%大きな傾きを有し、低濃度では50%大きな傾きを有している。較正値の完全な組から得られた平均RSDはこれら2種について同等の値であり、コカインコバルトイソチオシアネートとコカインクロムイソチオシアネートでそれぞれ12.3及び12.9%RSDであった。更にコカインコバルトイソチオシアネートはx軸との交点に基づいた場合(ネルンスト曲線とベースライン電圧における水平線との交点に基づいた場合)により低いLODを有し、その値は200であったのに対して、コカインクロムイソチオシアネートではその値は330ng/mLであった。しかしながらそれぞれの場合でデータの下方近似を用いることによって50ng/mLの濃度が検出された。
【0044】
被覆導線電極と液体充填電極との直接比較では、応答に有意差は見られなかった。しかしながら液体充填電極では、膜が固化してチューブ先端の内部に引っ込む傾向があり、撹拌溶液中に入れられた際に小さな滞留領域を生ずる。このため一部の液体充填電極では、こうした撹拌されていない間隙への拡散による輸送の遅れのために応答時間は60秒以上と長くなる。平面状である被覆導線アレイではこの問題は見られない。
【実施例3】
【0045】
コカインコバルトイソチオシアネートとコカインクロムイソチオシアネート担体膜との比較
内部充填液として0.1M KClを用いた液体充填コカイン電極のアレイを、3個の電極で1:2のコカインクロムイソチオシアネート:セバケート比を、残りの3個の電極で1:1のコカインコバルトイソチオシアネート:セバケート比を用いて調製した。市販の飽和カロメル電極を参照電極として使用した。緩衝液は50mMの酢酸ナトリウム(pH4.5)を使用した。図6に3個の電極の平均として較正曲線を示した。コカインコバルトイソチオシアネートの性能上の優位性は明らかである。
【実施例4】
【0046】
他の研究者によって開発されたコカイン電極との比較
本発明のコカイン電極は、他の研究者によって開発されたものと同様の特性を示し、検出限界が低く、応答時間が短いという更なる利点を有する。表4は、コカインコバルトイソチオシアネート電極調製物(1.1.5セバケート)とエルネマ(Elnemma)等、カンパネラ(Campanella)等及び渡辺(Watanabe)等によって開発された最も高感度の電極をまとめ、これらの比較を行ったものである。すべての研究で比較的早い応答時間と、10倍毎に59mVという理論値に近い割合で10倍毎の濃度に対して電圧の傾きが変化するというネルンスト線にしたがう挙動が示された。図7に示されるように本発明は一般に5秒以下の応答時間で最終応答値の97%を得るが、30〜60秒の時間枠の応答を示す電極(液体充填で)が時として見られた。この応答時間の変動は、膜厚の差(被覆導線電極)や非平面的表面(液体充填電極の場合、拡散を制限する)に一部よるものと考えられる。
【0047】
最も大きな相違点は、本発明におけるLODは渡辺によって報告されているものよりも一桁低く、エルネマやカンバネラによって報告されている値よりも二桁低い点である。本発明におけるネルンスト線形曲線は10ng/mL(3.3x10−8M)において下方曲線とほぼ交差するため、本発明の線形最小値は渡辺やカンパネラによって報告されている値よりも二桁ほど低く、エルネマによって報告されている値よりも3桁低い。本発明の非ネルンスト領域における最も低い検出可能レベルは、1ng/mL(1.4x10−8M)で最小検出可能レベルを与えるが、これは渡辺により報告されている同様の値よりも一桁低い値である。表4にはカリウム系緩衝液を用いたエルネマによる結果が示されている。確かではないがカンパネラのグループは酢酸塩緩衝液をナトリウムカウンターイオンとともに使用していると思われる。渡辺の研究でイオン強度を調整するのに用いたMgCl2溶液は、0.5Mと比較的高濃度のものであった。同グループによればNa+カチオンは干渉因子であることが示されていることから、同グループはこうした高濃度のために本発明者等の研究で観察された低い検出限界が達成できなかった可能性が考えられる。最後に、新たなコカインコバルトイソチオシアネート錯担体は向上した結果を説明するものと考えられる。
【0048】
表4は現時点の応答特性と文献の値との比較を示す。
【表4】
++カンパネラ等はおおよその値を報告しているが、この論文で定義したLOD法によると実際の値は一桁低いかもしれない。
【実施例5】
【0049】
唾液の分析
Sarstedt社(ノースカロライナ州、ニュートン)のNo.51.1534.002唾液採取パッドを用いて薬物を使用していない被験者から唾液を採取した。コカインクロムイソチオシアネート:セバケート1:1と成形内部参照電極から作成した電極アレイ上に100μlの唾液を置いた。コカインを加えて電圧の増加を観察した。従来のpH計によって唾液のpHは5.8と測定された。結果を図8に示す。
【実施例6】
【0050】
表面拭い要素の分析
従来の拭い要素としてアルコール綿棒を用いた。アルコールを蒸発させ、綿棒を緩衝液で洗浄した。拭い要素を絞り、ガラス表面に既知量のコカインを付着させてから湿った拭い要素で拭った。定量化の精度を上げるため、液体の量を調節した。表面を拭った後、拭い要素を容器に入れ、緩衝液を加えて緩衝液と拭い要素を合わせて1.2gとした。乾燥状態の拭い要素との比較によればこれはおよそ1mLの緩衝液に相当する。拭い要素から緩衝液を絞ってコカインセンサーアレイに適用した。2回の試行の平均を表5及び図9に示した。
【0051】
表5には表面拭い要素の分析結果のまとめを示す。
【表5】
【0052】
上記の説明は本発明の好ましい一実施形態を説明したものである。上記の教示によれば様々な改変ならびに変更が可能である。したがって特許請求の範囲内において本発明は詳細に説明したもの以外にも実施が可能である点は理解されよう。「a」、「an」、「the」、または「said」の冠詞を用いた単数形で構成要素をクレームする場合、構成要素は単数に限定されるものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】唾液及び血漿中のコカインの経時的濃度変化の比較図。
【図2】イオン選択性電極の頂面図。
【図3】参照電極の断面図。
【図4】同じデータセットに線形及び多項近似法の両方を用いたコカインセンサーの応答を示す図。一方の方法では右側の第2の軸を用いてデータセットをずらして示すことによりこれらの近似方法を区別した。
【図5】実施例1の参照電極の安定性を示す図。
【図6】実施例3のコバルト電極とクロム電極を比較した結果を示す図。
【図7】コカインに対するイオン選択性電極の迅速な応答を示す図。
【図8】実施例5の唾液の分析結果を示す図。
【図9】実施例6の表面拭い要素の分析結果を示す図。
Claims (27)
- 唾液中または表面綿棒から有機薬物を検出するための装置であって、
(a)唾液または表面拭い要素中の有機薬物を検出するための少なくとも1個のイオン選択性電極であって、
(i)成形膜参照電極と、
(ii)疎水性ポリマー、可塑剤、及び試験すべき有機薬物に対して選択的なイオノフォアを含む半透性のイオン選択性膜を有するセンシング電極とからなるとともに、前記参照電極と前記センシング電極との間には電気的接触があるイオン選択性電極と、
(b)前記イオン選択性電極に接続されてイオン選択性電極からの電圧指示値を定量的薬物濃度レベルに変換するコンバータとを有する装置。 - 前記イオン選択性電極のアレイを使用して複数の有機薬物を検出及び定量することを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記成形膜参照電極は、
(a)孔を覆ってイオノフォア性膜を成形することと、
(b)前記孔の内部を塩溶液で充填することと、
(c)前記溶液中に導線を挿入することと、
(d)前記孔を密封することと、を含む方法によって製造されることを特徴とする請求項1に記載の装置。 - 前記成形膜参照電極は親水性ポリマーと疎水性ポリマーとを含む膜を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記参照電極膜中の前記疎水性ポリマーはポリ塩化ビニルであり、前記疎水性ポリマーはポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項4に記載の装置。
- 前記有機薬物はコカインであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記イオノフォアは、コカインコバルトイソチオシアネート、コカインクロムイソチオシアネート、コカインテトラフェニルボレート、コカインジノニルナフタレンジスルホン酸、及びコカインジノニルナフタレンスルホン酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項6に記載の装置。
- 前記イオン選択性膜は大型の疎水性陰イオンを更に含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
- 前記イオン選択性膜は、トリオクチルホスフィンオキシド、または、テトラキス(4−クロロフェニル)ボレート、テトラキス[3.5−ビス−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ボレート、テトラキス[3.5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラフェニルボレート、テトラキス[3.5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるボレート塩を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
- 前記疎水性ポリマーは、ポリ塩化ビニル、ポリ(塩化ビニリデン−アクリロニトリル)共重合体、ポリ(フッ化ビニリデン)及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記可塑剤は、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、オクチル[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エーテル、クロロパラフィン、Santovac5、ビス(2−エチルヘキシル)マレエート、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート、2−ニトロフェニルオクチルエーテル、ビス(2−エチルヘキシル)ハイドロジェンホスフェート、ジオクチルフタレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記電気的接触のインジケータを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記センシング電極と前記参照電極との間の電気的接触は、
(a)参照電極に電圧パルスを印可することと、
(b)対応する電圧パルスがセンシング電極に見られるかを判定することと、を含む方法によって試験されることを特徴とする請求項1に記載の装置。 - 唾液中または表面綿棒から有機薬物を検出するための方法であって、
(a)請求項1に記載のイオン選択性電極を被験者の口中に入れるか、被験者の口中から唾液を採取して該唾液を請求項1に記載のイオン選択性電極上に置くか、所定表面を湿った表面綿棒で拭った後に、該表面綿棒を請求項1に記載のイオン選択性電極上に絞るか、または湿った表面綿棒を請求項1に記載のイオン選択性電極に巻き付けた後に所定表面を拭う工程と、
(b)前記イオン選択性電極の電気的接触を確保する工程と、
(c)前記イオン選択性電極からの電圧指示値を定量的薬物濃度レベルに変換する工程とを含む方法。 - 前記イオン選択性電極のアレイを使用して複数の有機薬物を検出することを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 前記参照膜は親水性ポリマーと疎水性ポリマーとを含む成形膜電極であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 前記参照電極膜中の前記疎水性ポリマーはポリ塩化ビニルであり、前記疎水性ポリマーはポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項16に記載の方法。
- 検出すべき前記有機薬物はコカインであることを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 前記イオノフォアは、コカインコバルトイソチオシアネート、コカインクロムイソチオシアネート、コカインテトラフェニルボレート、コカインジノニルナフタレンジスルホン酸、及びコカインジノニルナフタレンスルホン酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
- 前記イオン選択性膜は大型の疎水性陰イオンを更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
- 前記イオン選択性膜は、トリオクチルホスフィンオキシド、または、テトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸カリウム、テトラキス[3.5−ビス−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル]ボレート、テトラキス[3.5−ビス−(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラフェニルボレート、テトラキス[3.5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるボレート塩を更に含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
- 前記可塑剤は、ビス(2−エチルヘキシル)セバケート、オクチル[2−(トリフルオロメチル)フェニル]エーテル、クロロパラフィン、Santovac5、ビス(2−エチルヘキシル)マレエート、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテート、2−ニトロフェニルオクチルエーテル、ビス(2−エチルヘキシル)ハイドロジェンホスフェート、ジオクチルフタレート、及びこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載の方法。
- 前記電気的接触は、
(a)参照電極に電圧パルスを印可することと、
(b)対応する電圧パルスがセンシング電極に見られるかを判定することと、を含む方法によって試験されることを特徴とする請求項14に記載の方法。 - 前記参照電極は、
(a)孔を覆ってイオノフォア性膜を成形することと、
(b)前記孔の内部を塩溶液で充填することと、
(c)前記溶液中に導線を挿入することと、
(d)前記孔を密封することと、を含む方法によって製造されることを特徴とする請求項14に記載の方法。 - イオン選択性電極における電気的接触を試験するための方法であって、
(a)参照電極に電圧パルスを印可する工程と、
(b)対応する電圧パルスがセンシング電極に見られるかを判定する工程と、を含む方法。 - 成形膜参照電極を製造するための方法であって、
(a)孔を覆ってイオノフォア性膜を成形する工程と、
(b)前記孔の内部を塩溶液で充填する工程と、
(c)前記溶液中に導線を挿入する工程と、
(d)前記孔を密封する工程と、を含む方法。 - 前記イオノフォア性膜は親水性ポリマーと疎水性ポリマーとからなることを特徴とする請求項26に記載の方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US32842301P | 2001-10-12 | 2001-10-12 | |
PCT/US2002/029551 WO2003034056A1 (en) | 2001-10-12 | 2002-09-13 | Ion selective electrodes for direct organic drug analysis in saliva, sweat, and surface wipes |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005505778A true JP2005505778A (ja) | 2005-02-24 |
JP2005505778A5 JP2005505778A5 (ja) | 2005-12-22 |
Family
ID=23280918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003536741A Pending JP2005505778A (ja) | 2001-10-12 | 2002-09-13 | 唾液、汗、及び表面拭い要素の直接的有機薬物分析のためのイオン選択性電極 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (3) | US6780307B2 (ja) |
EP (1) | EP1444508A4 (ja) |
JP (1) | JP2005505778A (ja) |
AU (1) | AU2002341700B2 (ja) |
WO (1) | WO2003034056A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006508349A (ja) * | 2002-12-02 | 2006-03-09 | エポカル インコーポレイティド | 不均一膜を有する電位差計参照電極 |
JP2007139599A (ja) * | 2005-11-18 | 2007-06-07 | Lintec Corp | 血痕採取キット |
Families Citing this family (54)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6780307B2 (en) * | 2001-10-12 | 2004-08-24 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy | Ion selective electrodes for direct organic drug analysis in saliva, sweat, and surface wipes |
US7767068B2 (en) | 2002-12-02 | 2010-08-03 | Epocal Inc. | Heterogeneous membrane electrodes |
US7842234B2 (en) | 2002-12-02 | 2010-11-30 | Epocal Inc. | Diagnostic devices incorporating fluidics and methods of manufacture |
EP1706732A4 (en) * | 2003-12-03 | 2010-07-07 | Us Gov Sec Navy | MULTIPARAMETER SYSTEM FOR ENVIRONMENTAL MONITORING |
US8118740B2 (en) * | 2004-12-20 | 2012-02-21 | Ipventure, Inc. | Moisture sensor for skin |
US8734341B2 (en) * | 2004-12-20 | 2014-05-27 | Ipventure, Inc. | Method and apparatus to sense hydration level of a person |
US10258278B2 (en) | 2004-12-20 | 2019-04-16 | Ipventure, Inc. | Method and apparatus to sense hydration level of a person |
US11013461B2 (en) | 2004-12-20 | 2021-05-25 | Ipventure, Inc. | Method and apparatus for hydration level of a person |
US7628901B2 (en) * | 2005-08-03 | 2009-12-08 | Horiba, Ltd. | Reference electrode, salt bridge and ionic concentration measuring device by the use of reference electrode and salt bridge |
US20070141605A1 (en) * | 2005-11-21 | 2007-06-21 | Applera Corporation | Portable preparation, analysis, and detection apparatus for nucleic acid processing |
GB0612793D0 (en) * | 2006-06-28 | 2006-08-09 | Univ Heriot Watt | A method for the presumptive detection of substances |
US7874995B2 (en) * | 2006-11-01 | 2011-01-25 | Stokely-Van Camp, Inc. | Reducing or avoiding muscle cramps |
US7691329B2 (en) * | 2006-11-16 | 2010-04-06 | General Electric Company | Methods for detecting contaminants in a liquid |
US10914698B2 (en) | 2006-11-16 | 2021-02-09 | General Electric Company | Sensing method and system |
US9589686B2 (en) | 2006-11-16 | 2017-03-07 | General Electric Company | Apparatus for detecting contaminants in a liquid and a system for use thereof |
US9536122B2 (en) | 2014-11-04 | 2017-01-03 | General Electric Company | Disposable multivariable sensing devices having radio frequency based sensors |
US9658178B2 (en) | 2012-09-28 | 2017-05-23 | General Electric Company | Sensor systems for measuring an interface level in a multi-phase fluid composition |
US9538657B2 (en) | 2012-06-29 | 2017-01-03 | General Electric Company | Resonant sensor and an associated sensing method |
GB0725234D0 (en) * | 2007-12-24 | 2008-02-06 | Oxtex Ltd | Electrochemical assays |
EP2075549A1 (en) * | 2007-12-28 | 2009-07-01 | Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk onderzoek TNO | Shape memory sensor |
US8073635B2 (en) * | 2008-02-15 | 2011-12-06 | Dh Technologies Development Pte. Ltd. | Method of quantitation by mass spectrometry |
US11375929B2 (en) | 2008-10-15 | 2022-07-05 | The University Of Tennessee Research Foundation | Method and device for detection of bioavailable drug concentration in a fluid sample |
WO2010045465A1 (en) | 2008-10-15 | 2010-04-22 | The University Of Tennessee Research Foundation | Method and device for detection of bioavailable drug concentration in a fluid sample |
GB0909608D0 (en) * | 2009-06-04 | 2009-07-15 | Oxtox Ltd | Electrochemical assays |
US8542023B2 (en) | 2010-11-09 | 2013-09-24 | General Electric Company | Highly selective chemical and biological sensors |
FR2975019B1 (fr) * | 2011-05-09 | 2013-05-24 | Commissariat Energie Atomique | Membranes nanostructurees et leurs utilisations |
EP2717996B1 (en) * | 2011-06-07 | 2022-01-05 | Imtex Membranes Corp. | Replenishing liquid material to membrane |
KR101404666B1 (ko) * | 2012-02-15 | 2014-06-09 | 서울대학교산학협력단 | 식물공장형 양액재배를 위한 휴대용 양액 분석장치 |
CA2875003C (en) | 2012-06-01 | 2020-09-29 | The University Of Tennessee Research Foundation | Improved method and device for detection of bioavailable drug concentration |
DE112013004129T5 (de) | 2012-08-22 | 2015-05-21 | General Electric Company | Drahtloses System und Verfahren zum Messen einer Betriebsbedingung einer Maschine |
US10598650B2 (en) | 2012-08-22 | 2020-03-24 | General Electric Company | System and method for measuring an operative condition of a machine |
US10684268B2 (en) | 2012-09-28 | 2020-06-16 | Bl Technologies, Inc. | Sensor systems for measuring an interface level in a multi-phase fluid composition |
JP6349635B2 (ja) * | 2013-06-26 | 2018-07-04 | 栗田工業株式会社 | カルシウム硬度測定装置及び測定方法 |
US10234416B2 (en) * | 2013-07-19 | 2019-03-19 | Hitachi High-Technologies Corporation | Anion sensor |
EP3071965A1 (en) | 2013-11-21 | 2016-09-28 | Avails Medical, Inc. | Electrical biosensor for detecting a substance in a bodily fluid, and method and system for same |
JP5895967B2 (ja) * | 2014-04-18 | 2016-03-30 | 栗田工業株式会社 | 濃縮倍数測定装置、濃縮倍数測定方法、及び水質指標値測定方法 |
CN104125153B (zh) * | 2014-08-12 | 2018-04-27 | 华为技术有限公司 | 网络拓扑发现方法和设备 |
US9612221B2 (en) | 2014-10-14 | 2017-04-04 | Chem-Aqua, Inc. + Pyxis Lab, Inc. | Opto-electrochemical sensing system for monitoring and controlling industrial fluids |
US9726594B2 (en) * | 2014-11-18 | 2017-08-08 | Baker Hughes Incorporated | Electrochemical sensor for monitoring under-deposit corrosion |
US9702847B2 (en) | 2014-12-30 | 2017-07-11 | Avails Medical, Inc. | Systems and methods for detecting a substance in bodily fluid |
EP3341464B1 (en) | 2015-08-25 | 2024-05-08 | Avails Medical, Inc. | Devices, systems and methods for detecting viable microorganisms in a fluid sample |
EP3356511B1 (en) | 2016-01-25 | 2022-04-27 | Avails Medical, Inc. | Methods for detecting viable infectious agents in a fluid sample using an electrolyte-insulator-semiconductor sensor |
WO2017209839A1 (en) | 2016-05-31 | 2017-12-07 | Avails Medical, Inc. | Detecting viable infectious agents in a fluid sample and susceptibility of infectious agents to anti-infectives |
US11067527B2 (en) * | 2016-12-16 | 2021-07-20 | Siemens Healthcare Diagnostics Inc. | Sensor assembly having microsensors |
WO2019005296A1 (en) | 2017-06-27 | 2019-01-03 | Avails Medical, Inc. | APPARATUS, SYSTEMS AND METHODS FOR DETERMINING THE SENSITIVITY OF MICROORGANISMS TO ANTI-INFECTIOUS |
EP3668650A4 (en) | 2017-10-03 | 2021-06-02 | Avails Medical, Inc. | APPARATUS, SYSTEMS AND METHODS FOR DETERMINING THE CONCENTRATION OF MICRO-ORGANISMS AND THE SUSCEPTIBILITY OF MICRO-ORGANISMS TO ANTI-INFECTIOUS, BASED ON OXIDOREDUCTION REACTIONS |
US11701036B2 (en) | 2019-07-10 | 2023-07-18 | MX3 Diagnostics, Inc. | Saliva test strip and method |
AU2021212727A1 (en) | 2020-01-30 | 2022-09-22 | MX3 Diagnostics, Inc. | Biological fluid sample assessment |
US11123011B1 (en) | 2020-03-23 | 2021-09-21 | Nix, Inc. | Wearable systems, devices, and methods for measurement and analysis of body fluids |
CN112394098B (zh) * | 2020-11-18 | 2023-02-17 | 华东理工大学 | 一种基于希尔型pH响应罗丹明衍生物的新型金属离子选择性纳米传感器及制备方法和应用 |
US20220228270A1 (en) * | 2021-01-11 | 2022-07-21 | Vivek Pathak | Device and method for large scale harvesting of solar energy through hydrogen production |
CN113640357B (zh) * | 2021-09-01 | 2024-04-12 | 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 | 一种实时连续检测电解质浓度的可穿戴汗液传感器装置 |
WO2023034935A1 (en) * | 2021-09-03 | 2023-03-09 | MX3 Diagnostics, Inc. | Integrated lateral flow bioassay and biosensor |
WO2023215733A2 (en) * | 2022-05-02 | 2023-11-09 | Georgia Tech Research Corporation | Smart bioelectronic pacifier for real-time continuous monitoring of salivary electrolytes |
Family Cites Families (33)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3662745A (en) * | 1969-06-30 | 1972-05-16 | Hoffmann La Roche | Metal-metal salt electrode and method for making the same |
US4189367A (en) * | 1978-10-19 | 1980-02-19 | Leeds & Northrup Company | Method for testing ion selective electrodes in continuous measuring systems |
US4399002A (en) | 1981-02-27 | 1983-08-16 | University Patents, Inc. | Large organic cation-selective electrodes |
US4418035A (en) * | 1981-05-27 | 1983-11-29 | Scandpower, Inc. | Coolant condition monitor for nuclear power reactor |
JPS57199950A (en) * | 1981-06-03 | 1982-12-08 | Toshiba Corp | Deciding device for deterioration of ion selecting electrode |
US4454007A (en) | 1983-01-27 | 1984-06-12 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Ion-selective layered sensor and methods of making and using the same |
US4913793A (en) * | 1985-09-10 | 1990-04-03 | Broadley-James Corporation | Reference electrode and method of making same |
JPS62169044A (ja) | 1986-01-22 | 1987-07-25 | Fuji Photo Film Co Ltd | 塩素イオン選択電極 |
US4713165A (en) | 1986-07-02 | 1987-12-15 | Ilex Corporation | Sensor having ion-selective electrodes |
DE3810186A1 (de) * | 1987-08-01 | 1989-10-05 | Siegert Gmbh | Sensor zur messung der aktivitaet von ionen, sowie verfahren zu dessen herstellung |
JPH01292246A (ja) * | 1988-05-20 | 1989-11-24 | Hitachi Ltd | イオン選択性電極 |
US5200051A (en) | 1988-11-14 | 1993-04-06 | I-Stat Corporation | Wholly microfabricated biosensors and process for the manufacture and use thereof |
US4891125A (en) * | 1989-04-12 | 1990-01-02 | Abbott Laboratories | Reference electrode and method of making it |
US5056521A (en) * | 1989-06-29 | 1991-10-15 | Health Craft International, Inc. | Method for monitoring glucose level |
GB8916633D0 (en) * | 1989-07-20 | 1989-09-06 | Health Lab Service Board | Electrochemical cell and reference electrode |
US5180481A (en) | 1992-03-24 | 1993-01-19 | Clifton Carey | Phosphate selective composition and electrode |
US5330634A (en) * | 1992-08-28 | 1994-07-19 | Via Medical Corporation | Calibration solutions useful for analyses of biological fluids and methods employing same |
US5415746A (en) | 1992-12-21 | 1995-05-16 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Potentiometric ion determinations using enhanced selectivity asymmetric ion-selective membrane |
US5756362A (en) | 1993-10-12 | 1998-05-26 | Cornell Research Foundation, Inc. | Liposome-enhanced immunoaggregation assay and test device |
US5522978A (en) | 1993-11-18 | 1996-06-04 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Monensin amides for sodium-selective electrodes |
KR0151203B1 (ko) * | 1994-12-08 | 1998-12-01 | 이헌조 | 다중전극형 바이오센서 |
US5914271A (en) | 1996-04-19 | 1999-06-22 | Actimed Laboratories, Inc. | Fertility test |
US5891649A (en) | 1996-08-08 | 1999-04-06 | California Institute Of Technology | Real-time biochemical assay telemetering system |
US5916522A (en) | 1997-08-07 | 1999-06-29 | Careside, Inc. | Electrochemical analytical cartridge |
US6212418B1 (en) * | 1997-11-20 | 2001-04-03 | Advanced Monitoring Systems Ltd. | Methods, kits, electrodes and compositions for assessing the level of an analyte of interest in fluid samples |
US6165796A (en) | 1997-11-26 | 2000-12-26 | Beckman Coulter, Inc. | Pipettable ion detector and method |
JPH11295261A (ja) * | 1998-04-14 | 1999-10-29 | Toshiba Corp | イオン選択性電極およびその製造方法 |
US6087182A (en) | 1998-08-27 | 2000-07-11 | Abbott Laboratories | Reagentless analysis of biological samples |
US6694191B2 (en) | 2000-01-21 | 2004-02-17 | Medtronic Minimed, Inc. | Ambulatory medical apparatus and method having telemetry modifiable control software |
US6793789B2 (en) | 2000-09-30 | 2004-09-21 | Geun Sig Cha | Reference electrode with a polymeric reference electrode membrane |
US6623698B2 (en) * | 2001-03-12 | 2003-09-23 | Youti Kuo | Saliva-monitoring biosensor electrical toothbrush |
IL157954A0 (en) | 2001-03-16 | 2004-03-28 | Ewatertek Inc | Water quality monitoring and transmission system and method |
US6780307B2 (en) * | 2001-10-12 | 2004-08-24 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Navy | Ion selective electrodes for direct organic drug analysis in saliva, sweat, and surface wipes |
-
2002
- 2002-09-09 US US10/237,074 patent/US6780307B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2002-09-13 WO PCT/US2002/029551 patent/WO2003034056A1/en active IP Right Grant
- 2002-09-13 EP EP02775850A patent/EP1444508A4/en not_active Withdrawn
- 2002-09-13 AU AU2002341700A patent/AU2002341700B2/en not_active Ceased
- 2002-09-13 JP JP2003536741A patent/JP2005505778A/ja active Pending
-
2004
- 2004-04-26 US US10/833,636 patent/US7618523B2/en not_active Expired - Fee Related
-
2009
- 2009-03-11 US US12/402,271 patent/US8440062B2/en active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006508349A (ja) * | 2002-12-02 | 2006-03-09 | エポカル インコーポレイティド | 不均一膜を有する電位差計参照電極 |
JP2007139599A (ja) * | 2005-11-18 | 2007-06-07 | Lintec Corp | 血痕採取キット |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1444508A4 (en) | 2008-06-25 |
US20040217017A1 (en) | 2004-11-04 |
US8440062B2 (en) | 2013-05-14 |
EP1444508A1 (en) | 2004-08-11 |
US6780307B2 (en) | 2004-08-24 |
US20030121779A1 (en) | 2003-07-03 |
AU2002341700B2 (en) | 2007-02-15 |
US7618523B2 (en) | 2009-11-17 |
US20090173629A1 (en) | 2009-07-09 |
WO2003034056A1 (en) | 2003-04-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2005505778A (ja) | 唾液、汗、及び表面拭い要素の直接的有機薬物分析のためのイオン選択性電極 | |
AU2002341700A1 (en) | Ion selective electrodes for direct organic drug analysis in saliva, sweat and surface wipes | |
US6793789B2 (en) | Reference electrode with a polymeric reference electrode membrane | |
KR100342165B1 (ko) | 자기 진단기능을 갖는 소형 고체상 기준전극 | |
Rouhani et al. | A new selective carbon paste electrode for potentiometric analysis of olanzapine | |
US20210325335A1 (en) | Mixed ionophore ion-selective electrode for the improved dectection of urea in blood | |
Bartoszewicz et al. | Calibration free solid contact electrodes with two PVC based membranes | |
Urbanowicz et al. | A miniaturized solid-contact potentiometric multisensor platform for determination of ionic profiles in human saliva | |
WO2011007384A1 (ja) | イオン選択性電極用感応膜 | |
Kiliç et al. | Firstly electrochemical investigetions and determination of anticoagulant drug edoxaban at single-use pencil graphite electrode: an eco-friendly and cost effective voltammetric method | |
Moschou et al. | Potassium selective CHEMFET based on an ion-partitioning membrane | |
JPH1096710A (ja) | イオン濃度測定方法 | |
Tantawy et al. | Stability indicating potentiometric method for the determination of palonosetron HCl using two different sensors | |
Urbanowicz et al. | The computational methods in the development of a novel multianalyte calibration technique for potentiometric integrated sensors systems | |
US9863908B2 (en) | Low drift ion selective electrode sensors | |
Chang et al. | Healthcare chip based on integrated electrochemical sensors used for clinical diagnostics of BUN | |
US8882988B2 (en) | Potentiometric device and method selective for pioglitazone | |
Rajendraprasad et al. | Fabrication and Validation of Novel Fexofenadine Sensor using Alizarin Red S as Ion Exchanger on PVC Matrix for Assay in Pharmaceuticals and Spiked Human Urine Samples | |
Prasad et al. | A selective PVC matrix assisted potentiometric sensor for the determination of hydroxyzine hydrochloride (HDH) | |
Khater et al. | Single and mixed chemically modified carbon paste ion‐selective electrodes for determination of ketotifen fumarate | |
Wang et al. | Self-Calibrated Ion-Selective Electrodes | |
Abdel-Hafiz Mostafa et al. | Ion selective electrodes for potentiometric determination of tizanidine in its pharmaceutical dosage form | |
Kholoshenko et al. | All-solid-state ion-selective electrodes for determining amiodarone | |
Chikkalingaiah et al. | Selective and low-cost potentiometric sensors to determine fexofenadine and rupatadine in pharmaceuticals using sodium tetraphenyl boron as an ion-exchanger | |
Tsukada et al. | A novel ion sensor without a reference electrode |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050902 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080806 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20081106 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20081113 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20081208 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20081215 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090311 |