JP2014095446A - 緩衝装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒により形成されたアウターチューブ30、インナーチューブ51、シートパイプ41を備え、インナーチューブ51とアウターチューブ30とがそれぞれ筒の中心軸線3Aに沿った方向に移動可能に構成され、アウターチューブ30の内側にオイル(フォークオイル48)が封入され、シートパイプ41は、インナーチューブ51の一端開口52から当該インナーチューブ51の内側に挿入された筒の一端側が拡径部1を備えるとともに、筒の他端がアウターチューブ30の閉塞された他端筒底39に取付けられ、拡径部1の外周とインナーチューブ51の内周面59との間の隙間により、インナーチューブ51及びアウターチューブ30の動きを減衰させるための減衰力を生じさせるオイルの流路(絞り流路B)が形成された。
【選択図】図1
Description
本発明は、ピストン部のコストダウンを図ることが可能な緩衝装置を提供する。
また、筒により形成されたカラーが前記インナーチューブの一端開口側の内周面に当該インナーチューブと同軸状に固定され、前記シートパイプの筒の外周面と前記カラーの内周面との間の隙間により、前記インナーチューブ及び前記アウターチューブの動きを減衰させるための減衰力を生じさせるオイルの流路が形成されたので、当該オイルの流路により減衰力を得ることができるようになる。
また、前記シートパイプは、当該シートパイプが前記アウターチューブの筒の中心軸線と交差する方向に移動可能となるように筒の他端が前記アウターチューブの閉塞された他端筒底に取付けられたので、シートパイプの倒れや走行入力によるフロントフォークの撓みが生じた場合に、シートパイプの他端がアウターチューブの筒の中心軸線と交差する方向に移動でき、オイルの流路を形成する部材に加わる摩擦力を低減できる。
図1に示すように、フロントフォーク50は、例えば金属製の筒により形成されたアウターチューブ30、インナーチューブ51、シートパイプ41を備え、インナーチューブ51が筒の一端開口52側よりアウターチューブ30の筒の一端開口32及び軸受8A;軸受8Bを経由してアウターチューブ30の内側に挿入されて、インナーチューブ51とアウターチューブ30とがそれぞれ筒の中心軸線3Aに沿った方向に移動可能に構成される。即ち、インナーチューブ51及びアウターチューブ30は、筒の中心軸線3Aが一致するように同軸状に配置され、中心軸線3Aに沿った方向に移動可能に構成される。
尚、図1における上の軸受8Aはアウターチューブ30の一端開口32近傍におけるアウターチューブ30の内周面31に固定され、図1における下の軸受8Bはフロントフォーク50の最大伸長時におけるインナーチューブ51の一端開口52側の一端(下端)の位置よりもアウターチューブ30の一端開口32側に位置するアウターチューブ30の内周面31に固定される。言い換えれば、上の軸受8A及び下の軸受8Bは、フロントフォーク50の最伸長時において、インナーチューブ51とオーバーラップする位置に設けられている。
シートパイプ41は、一端側がインナーチューブ51の一端開口52を経由してインナーチューブ51の内側に挿入され、当該シートパイプ41がアウターチューブ30の筒の中心軸線3Aと交差する方向に移動可能となるように筒の他端が取付装置10を介してアウターチューブ30の閉塞された他端筒底39に取付けられた筒体により形成される。
嵌合凹部15は、取付装置10の断面多角形又は断面円形等の筒状の嵌合部13が嵌合する中心軸線3Aを中心軸線とした断面(当該中心軸線と直交する断面)が多角形又は円形等の凹部に形成される。嵌合凹部15は、中心軸線に沿った方向の一端がアウターチューブ30の他端筒底39に開口し、かつ、中心軸線に沿った方向の他端に底部を備えた凹部に形成され、当該他端の底部に貫通孔37の一端が開口した構成である。
例えば、拡径部1は、シートパイプ41の原形を構成する筒の一端部をプレス成形等で圧潰して形成された環状に構成され、一例として図2に示すような円環状に形成される。
例えば、係合部2は、シートパイプ41の原形を構成する筒の他端部をプレス成形等で筒の内側に折り曲げて形成された環状に構成され、一例として図2に示すように筒の他端部が筒の内側に折り返されて形成された円環状、又は、筒の他端部が筒の中心軸線に近づく方向に折り曲げられて形成された円環状に形成される。
シートパイプ41の筒の中央部の外径寸法a1<シートパイプ41の一端の拡径部1の外径寸法a2<インナーチューブ51の筒の内径寸法a3である。
シートパイプ41の係合部2の内径寸法b1<シートパイプ41の筒の中央部の内径寸法b2≦シートパイプ41の一端の拡径部1の内径寸法b3である。
取付装置10の係合凹部14の溝底を外周面とする円柱部の径寸法c1<取付装置10の嵌合部13の径寸法c2<取付装置10のシートパイプ支持部12を形成する円筒の径寸法c3である。
取付装置10のシートパイプ支持部12を形成する円筒の径寸法c3>シートパイプ41の係合部2の内径寸法b1≧取付装置10の嵌合部13の径寸法c2である。
シートパイプ41の係合部2の中心軸線に沿った方向の長さd1<取付装置10の係合凹部14の中心軸線に沿った方向の長さd2である。
尚、カラー49の内径寸法<シートパイプ41の一端の拡径部1の外径寸法a2という寸法関係を満たすよう構成されるので、カラー49は、フロントフォーク50の伸長時においてシートパイプ41がインナーチューブ51内から抜けるのを防止する抜止めとして機能する。
アウターチューブ30の一端開口32側の内面にはオイルシール60が取付けられ、かつ、外部からアウターチューブ30の筒内への埃等の侵入を防止するためのダストシール61が設けられる。
従って、インナーチューブ51とアウターチューブ30とがそれぞれ筒の中心軸線3Aに沿った方向に移動する場合(フロントフォーク50の伸縮時)において、フォークオイル48が絞り流路A;Bを流通する際の抵抗により減衰力が得られる。
フロントフォーク50の圧縮時には、フォークオイル48が下油室62からカラー49の内周面とシートパイプ41の外周面との間の隙間により形成された絞り流路Aを経由して上油室63に移動する際の抵抗により減衰力が得られるとともに、フォークオイル48がリザーバ室64からシートパイプ41の拡径部1の外周面とインナーチューブ51の内周面59との間の隙間により形成された絞り流路Bを経由して上油室63に移動する際の抵抗により減衰力が得られる。
フロントフォーク50の伸長時には、フォークオイル48が上油室63から絞り流路Aを経由して下油室62に移動する際の抵抗により減衰力が得られるとともに、フォークオイル48が上油室63から絞り流路Bを経由してリザーバ室64に移動する際の抵抗により減衰力が得られる。
また、シートパイプ41の筒壁に、インナーチューブ51及びアウターチューブ30の動きを減衰させるための減衰力を生じさせるオイルの流路としてのオイル流通孔を形成せずとも、絞り流路Bにより減衰力を得ることができるようになるので、シートパイプ41の筒壁にオイル流通孔を形成する加工手間を削減することが可能となり、コストダウンを図ることが可能となる。
また、筒により形成されたカラー49がインナーチューブ51の一端開口52側の内周面に当該インナーチューブ51と同軸状に固定され、シートパイプ41の筒の外周面とカラー49の内周面との間の隙間により形成された、前記インナーチューブ51及び前記アウターチューブ30の動きを減衰させるための減衰力を生じさせるオイルの流路としての絞り流路Aを備えたので、絞り流路Bと絞り流路Aとにより減衰力を得ることができるようになる。従って、シートパイプ41の筒壁にオイル流通孔を形成する加工手間を削減することが可能となり、さらにコストダウンを図ることが可能となる。
また、絞り流路Bと絞り流路Aを設けるようにした構成においては、絞り流路Bを形成する隙間や絞り流路Aを形成する隙間を小さくする必要があり、この構成において、シートパイプ41の倒れや走行入力によるフロントフォーク50の撓みが生じた場合には、絞り流路Bを形成するシートパイプ41の拡径部1の外周面とインナーチューブ51の内周面59とに強い摩擦力を受けたり、絞り流路Aを形成するカラー49の内周面とシートパイプ41の外周面とに強い摩擦力を受ける可能性がある。そこで、実施形態では、シートパイプ41がアウターチューブ30の筒の中心軸線3Aと交差する方向に移動可能となるように筒の他端がアウターチューブ30の他端筒底39に取付装置10を介して取付けられた構成としたので、シートパイプ41の倒れや走行入力によるフロントフォーク50の撓みが生じた場合に、シートパイプ41の他端がアウターチューブ30の筒の中心軸線3Aと交差する方向に移動できるので、シートパイプ41とインナーチューブ51との接触により両者に加わる摩擦力を低減できる。即ち、絞り流路Bを構成するシートパイプ41の一端側の拡径部1の外周面とインナーチューブ51の内周面との接触による摩擦力、及び、シートパイプ41の筒の外周面とカラー49の内周面との接触による摩擦力を低減できる。
また、シートパイプ41がアウターチューブ30の筒の中心軸線3Aと交差する方向に移動可能となるように筒の他端がアウターチューブ30の他端筒底39に取付装置10を介して取付けられたので、シートパイプ41の倒れや走行入力によるフロントフォーク50の撓みが生じた場合に、シートパイプ41の中心軸線とインナーチューブ51の中心軸線とが一致するように復帰する調芯作用が働いて、シートパイプ41の中心軸線とインナーチューブ51の中心軸線とを中心とした円環状の絞り流路A;Bが維持されるように調整されるので、絞り流路A;Bにより得られる減衰力のばらつきを抑制できる。
尚、図1;図2に示すように、アウターチューブ30の閉塞された他端筒底39と対向するシートパイプ41の係合部2の他端面を、他端筒底39方向に突出して湾曲する湾曲面に形成すれば、シートパイプ41は当該湾曲面を支点として回転しやすくなるので、シートパイプ41は倒れた状態でもアウターチューブ30の筒の径方向に移動できるようになり、シートパイプ41とインナーチューブ51との接触により両者に加わる摩擦力をより低減できる。
例えば、図1に示すように、シートパイプ41の他端側の筒壁に、筒の内外にフォークオイル48を流通させるためのオイル流通孔45を形成して、当該オイル流通孔45をインナーチューブ51及びアウターチューブ30の動きを減衰させるための減衰力を生じさせるオイルの流路として機能させるとともに、カラー49を当該オイル流通孔45を塞ぐロックカラーとして機能させてもよい。この場合、フロントフォーク50の圧縮時には、ロックカラーがシートパイプ41の他端側のオイル流通孔45を塞ぐことでインナーチューブ51の一端とアウターチューブ30の他端筒底39との衝突が防止される。
また、シートパイプ41の一端側及び他端側の筒壁に、それぞれ、筒の内外にフォークオイル48を流通させるためのオイル流通孔を形成し、カラー49をこれらオイル流通孔を塞ぐロックカラーとして機能させてもよい。この場合、フロントフォーク50の圧縮時には、ロックカラーがシートパイプ41の他端側のオイル流通孔45を塞ぐことでインナーチューブ51の一端とアウターチューブ30の他端筒底39との衝突が防止され、フロントフォーク50の伸長時には、ロックカラーがシートパイプ41の一端側の図外のオイル流通孔を塞ぐことでロックカラーとシートパイプ41の拡径部1との衝突が防止される。
30 アウターチューブ、31 アウターチューブの内周面、
32 アウターチューブの一端開口、39 アウターチューブの他端筒底、
41 シートパイプ、48 フォークオイル(オイル)、49 カラー、
51 インナーチューブ、52 インナーチューブの一端開口、
59 インナーチューブの内周面、A:B 絞り流路(オイルの流路)。
Claims (3)
- 筒により形成されたアウターチューブ、インナーチューブ、シートパイプを備え、
前記インナーチューブが一端開口側より前記アウターチューブの一端開口を経由して前記アウターチューブの内側に挿入されて前記インナーチューブと前記アウターチューブとがそれぞれ筒の中心軸線に沿った方向に移動可能に構成され、
前記アウターチューブの内側にオイルが封入され、
前記シートパイプは、前記インナーチューブの一端開口から当該インナーチューブの内側に挿入された筒の一端側が拡径部を備えるとともに、筒の他端が前記アウターチューブの閉塞された他端筒底に取付けられ、
前記拡径部の外周と前記インナーチューブの内周面との間の隙間により、前記インナーチューブ及び前記アウターチューブの動きを減衰させるための減衰力を生じさせるオイルの流路が形成されたことを特徴とする緩衝装置。 - 筒により形成されたカラーが前記インナーチューブの一端開口側の内周面に当該インナーチューブと同軸状に固定され、前記シートパイプの筒の外周面と前記カラーの内周面との間の隙間により、前記インナーチューブ及び前記アウターチューブの動きを減衰させるための減衰力を生じさせるオイルの流路が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝装置。
- 前記シートパイプは、当該シートパイプが前記アウターチューブの筒の中心軸線と交差する方向に移動可能となるように筒の他端が前記アウターチューブの閉塞された他端筒底に取付けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の緩衝装置。
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Citations (4)
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JP2000074122A (ja) * | 1998-08-31 | 2000-03-07 | Showa Corp | 車両用緩衝器 |
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2012
- 2012-11-09 JP JP2012247911A patent/JP5653405B2/ja active Active
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