JP2014095274A - 雨水貯留浸透システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地中に埋設されて道路Mの表面から流下した雨水を一時的に貯留するとともに外部に放出し浸透させる雨水貯留浸透槽1を備えた雨水貯留浸透システムAにおいて、前記雨水が所定の方向へ浸透することを防止して前記雨水の浸透方向を規制する遮水部材50を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
上記の雨水貯留浸透システムは、雨水貯留浸透槽を備えている。雨水貯留浸透層は、枠状の部材の内側に、複数の細孔が形成されるとともに水流を形成する勾配をもって傾斜板が配置された組み付け部材を水平方向及び鉛直方向に積載し、大雨時等に雨水を地中で一時的に貯留させる空間を形成したものである。そして、不透水性のアスファルト等で覆われた道路に沿って設けられた側溝や、路肩に設けられた透水性の舗装路面を経由して地中に流入した雨水を前記雨水貯留浸透槽により形成された空間内に貯留し、前記細孔部を通じて雨水を雨水貯留浸透槽の側方及び下方に緩やかに放出し地中に浸透させるようになっている。
雨水貯留浸透システムは、上記のようにして大雨時等に雨水の地中への浸透が間に合わず側溝が溢水して道路が浸水することを防止することができるようになっている。
また、路床の地盤が緩い場合には、薬品により地盤を固める等の地盤改良を行うことで地盤を硬化させることができるが、その場合、地盤の浸透能力を低下させてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、路床の地盤に緩みを生じさせることを防止し、適切に雨水を処理することのできる雨水貯留浸透システムを提供することを課題とする。
本発明によれば、雨水貯留浸透槽から浸透する雨水のうち、浸透させたくない方向へ浸透しようとする雨水を遮水部材によって遮水することができるので、雨水貯留浸透槽によって雨水を浸透させる方向を所望の方向に導くことができる。
本発明によれば、遮水部材の施工性がよい。
本発明によれば、例えば道路を形成する路床の地盤が弱い場合に、この路床側に雨水が浸透することを抑制することができる。
本発明によれば、前記雨水貯留浸透槽の他の面から浸透した雨水が、道路中央側の路床に及ぶことが防止される。
本発明によれば、雨水貯留浸透槽の外周の砕石層によって雨水を保有し地中に浸透させる空間を拡大して効率的に雨水を浸透させることができるとともに、雨水を浸透させる方向を所望の方向に導くことができる。
本発明によれば、砕石層から雨水貯留浸透槽又は遮水シートを保護することができる。
図1は、一実施形態として示した雨水貯留浸透システムAを示している。
雨水貯留浸透システムAは、道路Mの路肩や道路M脇の不図示の側溝の下方に埋設されるものであり、雨水貯留浸透槽1とこの雨水貯留浸透槽1の側面1aに配設される遮水シート(遮水部材)50を備えている。
嵌合継手22は、三角柱状で傾斜板21に対して上方及び下方に向けて突出している。嵌合継手22の上側部分は、雌型嵌合継手22Aをなし、下側部分が雄型嵌合継手22Bをなしている。本実施の形態では雄型嵌合継手22Bが下部組付け部材3の後述する雌型の嵌合継手34に嵌合するようになっている。
なお、図2では、幅方向Wに沿う中央リブ33の一部が見えている。周壁部32および中央リブ33は同じ高さで設けられ、これらの上端を含む平面の四隅の角部において、三角柱状で上方に突出する嵌合継手34が形成されている。嵌合継手34は、上端に凹部が形成された雌型の継手部であり、上部組付け部材2の雄型嵌合継手22Bと嵌合するようになっている。なお、嵌合継手34は、底板31と周壁部32,中央リブ33とからなるブロック体に対して一体でも別体でもよい。
そして、最上段に位置する一の上部組付け部材2には、不図示の側溝から流下した雨水を収集する集水ますTが連結され、この集水ますTから雨水を収集して雨水貯留浸透槽1に流入させるようになっている。
また、雨水貯留浸透槽1の底板31面及び側面の全周面には、透水性を備えた保護シート(保護層)54が敷設され、雨水貯留浸透槽1を保護するとともに内部空間Rに砕石52が侵入することを防止している。また、砕石層52の底面及び側面の全周面には保護シート(保護層)53が敷設され、砕石層52を保持するとともに遮水シート50を路床から保護するようになっている。
遮水シート50の材質は特に限定されないが、塩ビ、ゴム、オレフィン系樹脂によりシート状に形成されていることが好ましい。遮水シート50の厚さは、遮水シート50が可撓性を有するように設定されていれば特に限定されるものではないが、0.5mm〜2mm程度に形成されていることが望ましい。
雨水貯留浸透システムAを地中に設置するにあたっては、図1(c)に示すように、道路Mの不図示の側溝が設けられた路肩等の適切な領域の土砂を採掘し、雨水貯留浸透システムAの設置空間Sを形成する。
そして、前記設置空間Sを形成する壁部S1の全体に透水性を備えた保護シート53を配し、ピン等の固定具によって貼り付ける。
その上で、雨水貯留浸透槽1を組み立て、保護シート54の側面に沿わせる部分を組み立てられた雨水貯留浸透槽1,1・・の側面に沿って巻き上げる。
そして、雨水貯留浸透槽1を覆った保護シート54と設置空間Sを形成する壁S1との間隙に砕石52を詰め、雨水貯留浸透槽1の上方に土砂を埋め戻して雨水貯留浸透システムAの設置が完了する。
特に、道路Mを形成する路床の地盤が弱い場合にこの路床側に雨水が浸透することを抑制することができるという効果が得られる。
また、雨水貯留浸透槽1の外周の砕石層52によって雨水を保有し地中に浸透させる空間を拡大して効率的に雨水を浸透させることができるとともに、雨水を浸透させる方向を所望の方向に導くことができるという効果が得られる。
また更に、砕石層52から雨水貯留浸透槽1又は遮水シート50を保護することができるという効果が得られる。
また、上記の実施形態において、遮水シート50は、道路M下の路床に対向する側面1aに配置された構成とされているが、路床に対向する側面1a以外の面に浸透した雨水が道路下の路床に回り込むことを防止すべく、図4に示すように、遮水シート50を路床に対向する側面1aに連設された面に回り込んで配するとより好ましい。又は、遮水シート50を雨水貯留浸透槽1の側面1aよりも大きく設置して、雨水の所定の方向への回り込みを防止するものであってもよい。
また更に、雨水貯留浸透システムAは、上記した構成を有する雨水貯留浸透槽1に遮水シート50を敷設したもの限定されるものではなく、雨水を集水して漸次その周囲に浸透させるものであれば上記雨水貯留浸透槽1以外の雨水貯留浸透槽が適用されたものであってもよい。
1 雨水貯留浸透槽
1a 路床に対向する面
50 遮水シート
52 砕石層
M 道路
Claims (6)
- 地中に埋設されて道路の表面から流下した雨水を一時的に貯留するとともに外部に放出し浸透させる雨水貯留浸透槽を備えた雨水貯留浸透システムにおいて、
前記雨水が所定の方向へ浸透することを防止して前記雨水の浸透方向を規制する遮水部材を備えていることを特徴とする雨水貯留浸透システム。 - 前記遮水部材は、シート状に形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の雨水貯留浸透システム。
- 前記遮水部材は、前記雨水貯留浸透槽の前記道路の中央に対向する面に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の雨水貯留浸透システム。
- 前記遮水部材は、前記道路の幅方向中央に対向する面からこの面に連設する前記雨水貯留浸透槽の他の面に回り込んで配設されていることを特徴とする請求項3に記載の雨水貯留浸透システム。
- 前記遮水部材は、前記雨水貯留浸透槽の外周部に配された砕石層の外側に配設されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の雨水貯留浸透システム。
- 前記砕石層の内側又は外側の少なくともいずれか一方には、透水性を備えた保護層が配設されていることを特徴とする請求項5に記載の雨水貯留浸透システム。
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