JP2014091716A - グリコシド化合物の製造方法 - Google Patents

グリコシド化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014091716A
JP2014091716A JP2012243475A JP2012243475A JP2014091716A JP 2014091716 A JP2014091716 A JP 2014091716A JP 2012243475 A JP2012243475 A JP 2012243475A JP 2012243475 A JP2012243475 A JP 2012243475A JP 2014091716 A JP2014091716 A JP 2014091716A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
glycoside compound
producing
aliphatic polyol
saccharide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012243475A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukiko Tabuchi
友季子 田渕
Natsuko Higashinishida
奈都子 東西田
Hisato Fukuda
久人 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2012243475A priority Critical patent/JP2014091716A/ja
Publication of JP2014091716A publication Critical patent/JP2014091716A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】糖の縮合による副生物の生成を抑制でき、しかも生産効率に優れたグリコシド化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】酸触媒の存在下、糖類と、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールとを反応させるグリコシド化合物の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明はグリコシド化合物の製造方法に関する。
非イオン性界面活性剤は、多くの化粧品、洗浄剤及び化学品など多岐に使用される汎用素材である。この非イオン性界面活性剤は、親水基の構造からエチレンオキサイド系、ポリグリセリン系及び糖系などに分類される。これらの中でも、糖系界面活性剤は、皮膚に対する刺激性が低く、かつ泡の生成が安定である点及び泡の安定化の点で優れており、また、糖系界面活性剤は、バイオマス由来の糖を原料としているため、生分解性にも優れるといった特徴を持つ。
糖系界面活性剤として代表的なアルキルグリコシドは、糖と高級アルコールとのグリコシル化反応から得られ、洗浄剤、湿潤剤、ゲル化剤、潤滑剤及び乳化剤などに広く利用されている。また、アルキルグリセリルエーテルや、アルカンジオールといったポリオールを用いて得られるグリコシド化合物もアルキルグリコシドと同様に界面活性能に優れている。
しかしながら、グリコシド化合物の製造方法においては、糖とアルコールとの反応性が低く、糖の縮合反応により糖縮合物が副生するといた問題があり、これを解決する方法として例えば特許文献1〜4が提案されている。
特許文献1に開示のアルキルポリグルコシドの製造方法では、糖とモノヒドロキシアルコールとの反応を、立体障害の大きいスルホン酸の酸触媒の存在下で行うことにより、糖の縮合を抑制している。
特許文献2及び3に開示のグリコシド化合物の製造例では、保護基を有する糖や脱離基を導入したアルカンジオールを用いることにより、糖の縮合を抑制している。
特許文献4記載のグリコシド化合物の製造例では、糖とアルキルグリセリルエーテルとを固体酸触媒の存在下で直接反応させることにより、糖の縮合を抑制している。
特開平6−298787号公報 特開平5−17495号公報 特開平8−269077号公報 特開平8−188587号公報
しかしながら、特許文献1に開示された実施例では反応時間が約7時間と長く、また特許文献2及び3に開示の製造方法では、糖に保護基を付けたりアルコールに脱離基を導入したりするといった工程を含むことで製造工程が煩雑であり、さらに反応時間が長いといった問題がある。特許文献4に開示された製造方法は、糖に対して過剰量のアルキルグリセリルエーテルを用いる必要があり、また反応時間が長いといった問題がある。上記のとおり上記特許文献1〜4に開示されたような従来のグリコシド化合物の製造方法では、生産効率に優れるとはいい難い。
そこで、本発明は、糖の縮合を抑制でき、しかも生産効率に優れたグリコシド化合物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、糖類と中〜長鎖の多価アルコールとを反応させることにより、反応速度及び反応選択性が向上して糖の縮合を抑制でき、生産効率に優れたグリコシド化合物の製造方法を実現できることを見出した。
すなわち、本発明は、酸触媒の存在下、糖類と、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールとを反応させるグリコシド化合物の製造方法に関する。
本発明によれば、糖の縮合を抑制でき、しかも簡便で反応時間が短くかつ高収率で生産効率に優れたグリコシド化合物の製造方法を提供することができる。
本発明に係るグリコシド化合物の製造方法は、酸触媒の存在下、糖類と、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールとを反応させるものである。
本発明の製造方法により、糖の縮合が抑制され、簡便かつ短い反応時間でグリコシド化合物を高収率で得られる理由は明らかではないが、以下のように推察される。炭素数6〜22の脂肪族ポリオールは、比較的高極性であることから、糖類との相溶性が良好となる。これにより、脂肪族ポリオールと糖類との反応速度及び反応選択性が向上するので、糖類同士の縮合反応などの副反応が抑制されることによるものと推察される。
<脂肪族ポリオール>
本発明に係るグリコシド化合物の製造方法においては、グリコシド化合物の生産効率の向上及び糖縮合物の副生を抑制する観点から、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールを用いる。
ここで本発明においてアルキル(ポリ)グリセリルエーテルとは、グリセロール残基を1又は2以上有するグリセリルエーテルを意味する。また、グリセロール残基とは、−CH2−CH(OH)−CH2O−で表される基及び/又は−CH2−CH(CH2OH)−O−で表される基をいう。
また、脂肪族ポリオールとしては、その構造中にエーテル結合を有さないものが好ましい。構造中にエーテル結合を有する脂肪族ポリオールは、水酸基の求核性が低下し、反応性及び反応選択性が低下する。一方、脂肪族ポリオールがエーテル結合を有しない場合には、エーテル結合による水酸基の求核性の低下を防ぐことができるので、反応性及び反応選択性を向上させることができる。この結果、ポリグルコースなどの副生が抑制され、生産効率が向上すると考えられる。
また、脂肪族ポリオールとしては、糖の縮合の抑制及びグリコシド化合物の生産効率の向上の観点から、下記一般式(1)で表される脂肪族ポリオールが好ましい。
Figure 2014091716
上記一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、又は水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。R1及びR2は、反応性及び反応選択性の観点から、好ましくは水素原子、又は水酸基を有していてもよい炭素数6〜18の1価の炭化水素基であり、より好ましくは水素原子、又は水酸基を有していてもよい炭素数8〜16の1価の炭化水素基であり、さらに好ましくは水素原子、又は炭素数8〜16の1価の炭化水素基である。
3は、単結合、又は水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。R3は、反応性及び反応選択性の観点から、好ましくは単結合、又は水酸基を有していてもよい炭素数6〜18の2価の炭化水素基であり、より好ましくは単結合、又は水酸基を有していてもよい炭素数8〜16の2価の炭化水素基であり、さらに好ましくは単結合、又は炭素数8〜16の2価の炭化水素基である。
また、R1〜R3の合計炭素数は4〜20である。
1〜R3の水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基は、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基のいずれであってもよい。
1又はR2の水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びイコシル基、並びに、これらの炭化水素基に1以上の水酸基が置換した置換基が挙げられる。
3の水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基として、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オクタデシレン基、ノナデシレン基及びイコシレン基、並びに、これらの炭化水素基に1以上の水酸基が置換した置換基が挙げられる。
本発明において脂肪族ポリオールの炭素数は6〜22であることから、上記一般式(1)で表される脂肪族ポリオールにおいて、R1〜R3の合計炭素数は4〜20である。
脂肪族ポリオールの炭素数が6〜22であれば、脂肪族ポリオールの分子量が適度な範囲となるので、糖類と脂肪族ポリオールとの相溶性が向上し、糖類と脂肪族ポリオールとの反応速度及び反応選択性が一層向上する。R1〜R3の合計炭素数は、反応性及び反応選択性の観点から、好ましくは6〜18であり、より好ましくは8〜16である。また、脂肪族ポリオールの合計炭素数は、上記と同様の観点から、好ましくは8〜20、より好ましくは10〜18である。
1〜R3としては、グリコシド化合物の生産効率の向上及び糖の縮合の抑制の観点から、R3が炭素数6〜18の炭化水素基であって、R1及びR2が水素原子であることが好ましい。また、R3が単結合であって、R1又はR2の一方が水素原子であり、他方が炭素数6〜18の炭化水素基であることが好ましい。
さらに、上記一般式(1)で表される脂肪族ポリオールとしては、グリコシド化合物の生産効率の向上及び糖の縮合の抑制の観点から、1級水酸基を1つ以上有するものが好ましい。上記脂肪族ポリオールが1級水酸基を1つ以上有することにより、1級水酸基は求核性が高いので、グリコシド化反応の反応速度及び反応選択性が向上し、糖の縮合をさらに抑制でき、生産効率が一層向上する。
上述したアルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールとしては、例えば、1,2−ジオール及びα,ω‐ジオールが挙げられる。
1,2−ジオールとしては、例えば、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオールなどが挙げられる。
α,ω‐ジオールとしては、例えば、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオールなどが挙げられる。
本発明においてアルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールとしては、グリコシド化合物の生産効率の向上及び糖の縮合の抑制の観点から、1,2−ジオール又はα,ω−ジオールであることが好ましく、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1.16−ヘキサデカンジオールがより好ましく、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,12−ドデカンジオールがさらに好ましい。
<糖類>
本発明に係るグリコシド化合物の製造方法において、糖類としては、例えば、単糖、オリゴ糖、多糖及びこれらのアルキル化糖などが挙げられる。
単糖としては、例えば、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、リボース、アラビノース、キシロース、フルクトース及びリキソースなどのアルドース類などが挙げられる。オリゴ糖としては、例えば、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース及びマルトトリオースなどが挙げられる。多糖としては、例えば、ヘミセルロース、イヌリン、デキストリン、デキストラン、キシラン、デンプン及び加水分解デンプンなどが挙げられる。
アルキル化糖は、上述した各種糖類と低級アルコールとを酸触媒存在下で反応させ、糖類の一位水酸基、すなわちアノメリック水酸基を低級アルキル基で修飾することにより得られる。低級アルコールとしては、炭素数1〜6のアルコールが好ましく、炭素数1〜5のアルコールがより好ましく、炭素数1〜3のアルコールがさらに好ましく、炭素数1〜2のアルコールが特に好ましい。低級アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、各種ブタノール、各種ペンタノール及び各種ヘキサノールなどの直鎖又は分岐鎖の飽和アルコール、並びに、アリルアルコール及びクロチルアルコールなどの直鎖又は分岐鎖の不飽和アルコールを挙げることができる。
また、糖類としては、含水でも無水でもよいが、反応時間の短縮、糖の縮合の抑制の観点から、無水の固体糖又は1水和物の固体糖を用いることが好ましい。無水の固体糖とは、結晶構造内に水を含まない固体の糖であり、水分量が通常0.5質量%以下、好ましくは0.2質量%以下のものをいう。また、固体の糖とは、常温(25℃)で固体状態の糖をいう。
上述した糖類の中でも、反応性向上の観点から、単糖又はオリゴ糖が好ましく、単糖がより好ましく、炭素数5又は6の単糖がさらに好ましく、グルコースが特に好ましく、無水グルコースが最も好ましい。
<酸触媒>
酸触媒としては、脱水反応に用いられる従来公知の酸触媒を用いることができる。酸触媒としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸及びスチレン−ジビニルベンゼン共重合体などを母体とする強酸性イオン交換樹脂などが挙げられ、酸触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記酸触媒の中でも、酸触媒の脂肪族ポリオールへの溶解性を向上する観点から、パラトルエンスルホン酸が好ましい。
<反応条件>
本発明に係るグリコシド化合物の製造方法において、生産効率の向上及び糖の縮合の抑制の観点から、糖類に対する脂肪族ポリオールの配合割合は、モル比で1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましい。また、脂肪族ポリオールの使用量の低減及び生産効率向上の観点から、上記配合割合は、モル比で8以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましく、4以下であることが特に好ましく、3以下であることが最も好ましい。また、脂肪族ポリオールの使用量の低減、生産効率の向上及び糖の縮合を抑制する観点から、上記配合割合は、モル比で1〜8であることが好ましく、1.2〜6であることがより好ましく、1.2〜5であることがさらに好ましく、1.5〜4であることが特に好ましく、1.5〜3であることが最も好ましい。
また酸触媒の配合量としては、反応速度の向上及び得られるグリコシド化合物の着色低減の観点から、糖類に対する酸触媒の配合割合が、モル比で0.001以上であることが好ましく、0.002以上であることがより好ましく、0.003以上であることがさらに好ましく、0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましく、0.08以下であることがさらに好ましい。また、反応速度の向上及び得られるグリコシド化合物の着色低減の観点から、糖類に対する酸触媒の配合割合は、モル比で0.001〜0.2が好ましく、0.002〜0.1がより好ましく、0.003〜0.08がさらに好ましい。
本発明に係るグリコシド化合物の製造方法は、例えば、以下に示すとおりである。
まず、脂肪族ポリオールと糖類とを混合し、適宜攪拌しながら減圧下、加熱する。ここでは、必要に応じて窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下としてもよく、また減圧などの脱水操作を行ってもよい。次いで、酸触媒を添加し、副生する水を除去しつつ、脱水反応させることにより、グリコシド化合物を得ることができる。
脂肪族ポリオールと糖類との反応温度は、生産効率の向上及び糖の縮合を抑制する観点から、80〜150℃が好ましく、90〜130℃がより好ましく、95〜120℃がさらに好ましい。
また、反応時の圧力は、脱水反応により副生する水の除去効率及び原料の脂肪族ポリオールの蒸発抑制の観点から、1.8〜14kPaが好ましく、3.0〜10kPaがより好ましい。
本発明において脂肪族ポリオールと糖類との反応時間は、生産効率向上及び糖の縮合を抑制する観点から、5分〜10時間が好ましく、より好ましくは10分〜8時間、さらに好ましくは15分〜6時間、さらに好ましくは15分〜4時間、さらに好ましくは15分〜3時間、さらに好ましくは15分〜2時間、さらに好ましくは15分〜1時間である。
<グリコシド化合物>
本発明に係るグリコシド化合物の製造方法によれば、例えば前記一般式(1)で表される脂肪族ポリオールを用いることにより、例えば、下記一般式(2)で表されるグリコシド化合物を得ることができる。なお、本発明においてグリコシド化合物は、下記一般式(2)で表されるグリコシド化合物に限定されない。
Figure 2014091716
上記一般式(2)中、R1〜R3は、前記一般式(1)と同義であり、nは、糖骨格の平均縮合度を示し、通常1〜6程度の数である。
上記一般式(2)において、nは、浄剤として用いた場合の洗浄力、起泡性、泡安定性向上の観点から、1〜4の数であることが好ましく、1〜3の数であることがより好ましく、1〜2の数であることがさらに好ましく、1〜1.5の数であることが特に好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下のグリコシド化合物の製造方法を開示する。
<1> 酸触媒の存在下、糖類と、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールとを反応させるグリコシド化合物の製造方法。
<2> 前記脂肪族ポリオールが、その構造中にエーテル結合を有さない、前記<1>に記載のグリコシド化合物の製造方法。
<3> 前記脂肪族ポリオールが、下記一般式(1)で表される、前記<1>又は<2>に記載のグリコシド化合物の製造方法。
Figure 2014091716
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、又は水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R3は、単結合、又は水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R1〜R3の合計炭素数が4〜20である。)
<4> 前記一般式(1)において、R1及びR2が水素原子であり、R3が炭素数6〜18の炭化水素基である、前記<1>〜<3>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<5> R3が、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、又はヘキサデシレン基である、前記<3>又は<4>に記載のグリコシド化合物の製造方法。
<6> 前記一般式(1)において、R3が単結合であって、R1又はR2の一方が水素原子であり、他方が炭素数6〜18の炭化水素基である、前記<1>〜<3>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<7> R1又はR2の一方が水素原子であり、他方がオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、又はヘキサデシル基である、前記<3>又は<6>に記載のグリコシド化合物の製造方法。
<8> 前記脂肪族ポリオールが、1,2−ジオール又はα,ω−ジオールである、前記<1>〜<7>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<9> 前記脂肪族ポリオールが、1級水酸基を1つ以上有する、前記<1>〜<8>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<10> 前記糖類に対する前記脂肪族ポリオールの配合割合がモル比で1〜8であることが好ましく、1.2〜6であることがより好ましく、1.2〜5であることがさらに好ましく、1.5〜4であることが特に好ましく、1.5〜3であることが最も好ましい、前記<1>〜<9>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<11> 前記糖類が、無水の固体糖である、前記<1>〜<10>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<12> 前記糖類が、単糖又はオリゴ糖である、前記<1>〜<11>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<13> 前記酸触媒が、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸及び強酸性イオン交換樹脂から選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>〜<12>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<14> 前記糖類に対する前記酸触媒の配合割合がモル比で0.001〜0.2が好ましく、0.002〜0.1がより好ましく、0.003〜0.08がさらに好ましい、前記<1>〜<13>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
以下の実施例及び比較例において、反応後の分析は以下の方法により行った。
<グルコース転化率、グリコシド化合物濃度、ポリグルコース濃度の測定方法>
反応終了後のグリコシド化合物を含む反応液を用いて調製した水溶液(5質量%)2mLを固相抽出キット(ジーエルサイエンス株式会社製)にチャージし、3質量%のアセトニトリル水溶液25mLで高極性画分の抽出を行い、メタノール25mLで低極性画分の抽出を行った。
各画分から溶媒を除去したものをサンプルとし、下記の条件でガスクロマトグラフィー(GC)分析を行い、反応液中のグリコシド化合物、ポリグルコース(副生物の糖縮合物)及びグルコースの質量比並びにグルコース転化率を求めた。
反応液中のグリコシド化合物及びポリグルコースの濃度は、下記式(1)及び下記式(2)に従い算出した。
(1) グリコシド化合物濃度(質量%)=グリコシド化合物質量÷(グリコシド化合物質量+ポリグルコース質量+グルコース質量)×100
(2) ポリグルコース濃度(質量%)=ポリグルコース質量÷(グリコシド化合物質量+ポリグルコース質量+グルコース質量)×100
<ガスクロマトグラフィー(GC)の測定条件>
上記サンプル50mgに、トリメチルシリル化剤(ジーエルサイエンス株式会社製)を加え、2分間超音波処理した。5分間静置した後、生じたピリジン塩をろ過操作により取り除いた。この反応液を以下の条件で測定した。
・カラム:DB−1(アジレント社製、サイズ:15m×250μm×0.10μm)
・昇温条件:初期温度100℃(2分間保持)
:昇温速度10℃/分
:最終温度350℃(10分間保持)
・内部標準:テトラデカン(和光純薬工業株式会社製)
[実施例1]
1,2−テトラデカンジオール(東京化成工業株式会社製)21.8g(0.095モル)、無水グルコース(和光純薬工業株式会社製)8.56g(0.048モル)を100mL4つ口ナス型フラスコに入れ、窒素導入下、攪拌しながら105℃まで昇温した。次いで、酸触媒としてパラトルエンスルホン酸(和光純薬工業株式会社製)0.032g(0.19ミリモル)を加え、圧力4.7〜5.3kPaに減圧し、1時間攪拌して脱水反応を行い、グリコシド化合物を得た。反応後の反応液について、上記の方法により分析を行い、結果を表1に示した。
[実施例2〜4、比較例1〜3]
表1に示した脂肪族アルコールを用い、表1に示したグルコース転化率に至るまで反応させた以外は、実施例1と同様の操作にて反応を行い、グリコシド化合物を得た。反応後の反応液について、上記の方法により分析を行い、結果を表1に示した。
Figure 2014091716
表1に示すように、実施例1〜4は、比較例1〜3に比べて、グルコースの高い転化率及びグリコシド化合物の高収率を短時間で得られ、かつ糖の縮合による副生物の生成が抑制できることが分かる。
本発明は、糖の縮合を抑制でき、しかも生産効率に優れたグリコシド化合物の製造方法を実現できるという効果を有し、特に、糖系界面活性剤として用いられるグリコシド化合物の製造方法として好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 酸触媒の存在下、糖類と、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールとを反応させるグリコシド化合物の製造方法。
  2. 前記脂肪族ポリオールが、その構造中にエーテル結合を有さない、請求項1に記載のグリコシド化合物の製造方法。
  3. 前記脂肪族ポリオールが、下記一般式(1)で表される、請求項1又は2に記載のグリコシド化合物の製造方法。
    Figure 2014091716
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、又は水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R3は、単結合、又は水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R1〜R3の合計炭素数が4〜20である。)
  4. 前記脂肪族ポリオールが、1級水酸基を1つ以上有する、請求項1〜3のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
  5. 前記糖類に対する前記脂肪族ポリオールの配合割合がモル比で1〜8である、請求項1〜4のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
  6. 前記糖類が、無水の固体糖である、請求項1〜5のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
  7. 前記糖類が、単糖又はオリゴ糖である、請求項1〜6のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
JP2012243475A 2012-11-05 2012-11-05 グリコシド化合物の製造方法 Pending JP2014091716A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012243475A JP2014091716A (ja) 2012-11-05 2012-11-05 グリコシド化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012243475A JP2014091716A (ja) 2012-11-05 2012-11-05 グリコシド化合物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014091716A true JP2014091716A (ja) 2014-05-19

Family

ID=50936060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012243475A Pending JP2014091716A (ja) 2012-11-05 2012-11-05 グリコシド化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014091716A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105713052A (zh) * 2016-01-19 2016-06-29 威尔(福建)生物有限公司 一种聚醚糖苷磺酸盐及其制备方法、应用和一种除草剂

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53142543A (en) * 1977-05-18 1978-12-12 Oreal Removing composition of eye makeup and production of hydroxyalkyl polyglycoside used in said composition
JPH08500350A (ja) * 1992-08-21 1996-01-16 ビーエーエスエフ アクチエンゲゼルシャフト アルキルグリコシドの製法
JP2005514340A (ja) * 2001-10-25 2005-05-19 ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック 無機フィラーまたは顔料を含む水中油型エマルジョンの調製のための乳化剤としてのアルキルポリグリコシドの使用、およびそのようなアルキルポリグリコシドを含む水中油型エマルジョン

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53142543A (en) * 1977-05-18 1978-12-12 Oreal Removing composition of eye makeup and production of hydroxyalkyl polyglycoside used in said composition
JPH08500350A (ja) * 1992-08-21 1996-01-16 ビーエーエスエフ アクチエンゲゼルシャフト アルキルグリコシドの製法
JP2005514340A (ja) * 2001-10-25 2005-05-19 ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック 無機フィラーまたは顔料を含む水中油型エマルジョンの調製のための乳化剤としてのアルキルポリグリコシドの使用、およびそのようなアルキルポリグリコシドを含む水中油型エマルジョン

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105713052A (zh) * 2016-01-19 2016-06-29 威尔(福建)生物有限公司 一种聚醚糖苷磺酸盐及其制备方法、应用和一种除草剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107406477B (zh) 包含长烷基链的糖单醚的合成和其作为表面活性剂的用途
JPH07165784A (ja) グリコシドの色の安定化
JP2002003497A (ja) 新規なポリキシロサイド誘導体、それらを製造する方法および界面活性剤としての用途
JP2014091716A (ja) グリコシド化合物の製造方法
JP2014125474A (ja) アルキルグリコシドの製造方法
CN102492147B (zh) 一种含烷基和糖苷基的聚硅氧烷的制备方法
JP3142049B2 (ja) アルキルグリコシドの製造方法
JP6484757B2 (ja) 分岐アルコール系糖界面活性剤
JP2009102267A (ja) アルキルポリグリコシド及びアルキルポリグリコシドの製造方法
JP2001151789A (ja) アルキルグリコシドの製造方法
JP2013139406A (ja) アルキルグリコシドの製造方法
JPH05140213A (ja) 糖基を有する重合体及びその製造方法
US20110077434A1 (en) Process for producing polyoxyalkylene alkyl ethers
JP2939643B2 (ja) 新規糖誘導体及びその製造方法並びにこれを含有する界面活性剤
JP5164328B2 (ja) アルキルガラクトシドの製造方法
EP2960246A1 (en) Di(alkyl-glycoside) sulfomethylsuccinate surfactants
JPH04124196A (ja) アルキルグリコシドの製造方法
JP5467838B2 (ja) グリコシドの製造方法
JP5207570B2 (ja) 界面活性剤
KR102443754B1 (ko) 이소소르비드 모노올레에이트를 포함하는 조성물
JP2007153843A (ja) アルキルグリコシドの製造方法
JPH1072480A (ja) 界面活性を有するグリコシド化合物の製造方法
JP2013181010A (ja) アルキルグリコシドの製造方法
JP2001328996A (ja) アルキルグリコシドおよびアルキルグリコシドの製造方法
JP2011079773A (ja) グリコシドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160913

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170210

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170228