JP2014091716A - グリコシド化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸触媒の存在下、糖類と、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールとを反応させるグリコシド化合物の製造方法である。
【選択図】なし
Description
糖系界面活性剤として代表的なアルキルグリコシドは、糖と高級アルコールとのグリコシル化反応から得られ、洗浄剤、湿潤剤、ゲル化剤、潤滑剤及び乳化剤などに広く利用されている。また、アルキルグリセリルエーテルや、アルカンジオールといったポリオールを用いて得られるグリコシド化合物もアルキルグリコシドと同様に界面活性能に優れている。
特許文献1に開示のアルキルポリグルコシドの製造方法では、糖とモノヒドロキシアルコールとの反応を、立体障害の大きいスルホン酸の酸触媒の存在下で行うことにより、糖の縮合を抑制している。
特許文献2及び3に開示のグリコシド化合物の製造例では、保護基を有する糖や脱離基を導入したアルカンジオールを用いることにより、糖の縮合を抑制している。
特許文献4記載のグリコシド化合物の製造例では、糖とアルキルグリセリルエーテルとを固体酸触媒の存在下で直接反応させることにより、糖の縮合を抑制している。
すなわち、本発明は、酸触媒の存在下、糖類と、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールとを反応させるグリコシド化合物の製造方法に関する。
本発明の製造方法により、糖の縮合が抑制され、簡便かつ短い反応時間でグリコシド化合物を高収率で得られる理由は明らかではないが、以下のように推察される。炭素数6〜22の脂肪族ポリオールは、比較的高極性であることから、糖類との相溶性が良好となる。これにより、脂肪族ポリオールと糖類との反応速度及び反応選択性が向上するので、糖類同士の縮合反応などの副反応が抑制されることによるものと推察される。
本発明に係るグリコシド化合物の製造方法においては、グリコシド化合物の生産効率の向上及び糖縮合物の副生を抑制する観点から、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールを用いる。
ここで本発明においてアルキル(ポリ)グリセリルエーテルとは、グリセロール残基を1又は2以上有するグリセリルエーテルを意味する。また、グリセロール残基とは、−CH2−CH(OH)−CH2O−で表される基及び/又は−CH2−CH(CH2OH)−O−で表される基をいう。
R3は、単結合、又は水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。R3は、反応性及び反応選択性の観点から、好ましくは単結合、又は水酸基を有していてもよい炭素数6〜18の2価の炭化水素基であり、より好ましくは単結合、又は水酸基を有していてもよい炭素数8〜16の2価の炭化水素基であり、さらに好ましくは単結合、又は炭素数8〜16の2価の炭化水素基である。
また、R1〜R3の合計炭素数は4〜20である。
R1又はR2の水酸基を有していてもよい炭素数1〜20の1価の炭化水素基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基及びイコシル基、並びに、これらの炭化水素基に1以上の水酸基が置換した置換基が挙げられる。
脂肪族ポリオールの炭素数が6〜22であれば、脂肪族ポリオールの分子量が適度な範囲となるので、糖類と脂肪族ポリオールとの相溶性が向上し、糖類と脂肪族ポリオールとの反応速度及び反応選択性が一層向上する。R1〜R3の合計炭素数は、反応性及び反応選択性の観点から、好ましくは6〜18であり、より好ましくは8〜16である。また、脂肪族ポリオールの合計炭素数は、上記と同様の観点から、好ましくは8〜20、より好ましくは10〜18である。
1,2−ジオールとしては、例えば、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,2−オクタデカンジオールなどが挙げられる。
α,ω‐ジオールとしては、例えば、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,18−オクタデカンジオールなどが挙げられる。
本発明に係るグリコシド化合物の製造方法において、糖類としては、例えば、単糖、オリゴ糖、多糖及びこれらのアルキル化糖などが挙げられる。
酸触媒としては、脱水反応に用いられる従来公知の酸触媒を用いることができる。酸触媒としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸及びスチレン−ジビニルベンゼン共重合体などを母体とする強酸性イオン交換樹脂などが挙げられ、酸触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記酸触媒の中でも、酸触媒の脂肪族ポリオールへの溶解性を向上する観点から、パラトルエンスルホン酸が好ましい。
本発明に係るグリコシド化合物の製造方法において、生産効率の向上及び糖の縮合の抑制の観点から、糖類に対する脂肪族ポリオールの配合割合は、モル比で1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましい。また、脂肪族ポリオールの使用量の低減及び生産効率向上の観点から、上記配合割合は、モル比で8以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましく、4以下であることが特に好ましく、3以下であることが最も好ましい。また、脂肪族ポリオールの使用量の低減、生産効率の向上及び糖の縮合を抑制する観点から、上記配合割合は、モル比で1〜8であることが好ましく、1.2〜6であることがより好ましく、1.2〜5であることがさらに好ましく、1.5〜4であることが特に好ましく、1.5〜3であることが最も好ましい。
まず、脂肪族ポリオールと糖類とを混合し、適宜攪拌しながら減圧下、加熱する。ここでは、必要に応じて窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下としてもよく、また減圧などの脱水操作を行ってもよい。次いで、酸触媒を添加し、副生する水を除去しつつ、脱水反応させることにより、グリコシド化合物を得ることができる。
本発明に係るグリコシド化合物の製造方法によれば、例えば前記一般式(1)で表される脂肪族ポリオールを用いることにより、例えば、下記一般式(2)で表されるグリコシド化合物を得ることができる。なお、本発明においてグリコシド化合物は、下記一般式(2)で表されるグリコシド化合物に限定されない。
<1> 酸触媒の存在下、糖類と、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールとを反応させるグリコシド化合物の製造方法。
<2> 前記脂肪族ポリオールが、その構造中にエーテル結合を有さない、前記<1>に記載のグリコシド化合物の製造方法。
<3> 前記脂肪族ポリオールが、下記一般式(1)で表される、前記<1>又は<2>に記載のグリコシド化合物の製造方法。
<5> R3が、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシレン基、トリデシレン基、テトラデシレン基、ペンタデシレン基、又はヘキサデシレン基である、前記<3>又は<4>に記載のグリコシド化合物の製造方法。
<7> R1又はR2の一方が水素原子であり、他方がオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、又はヘキサデシル基である、前記<3>又は<6>に記載のグリコシド化合物の製造方法。
<9> 前記脂肪族ポリオールが、1級水酸基を1つ以上有する、前記<1>〜<8>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<11> 前記糖類が、無水の固体糖である、前記<1>〜<10>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<12> 前記糖類が、単糖又はオリゴ糖である、前記<1>〜<11>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<14> 前記糖類に対する前記酸触媒の配合割合がモル比で0.001〜0.2が好ましく、0.002〜0.1がより好ましく、0.003〜0.08がさらに好ましい、前記<1>〜<13>のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
<グルコース転化率、グリコシド化合物濃度、ポリグルコース濃度の測定方法>
反応終了後のグリコシド化合物を含む反応液を用いて調製した水溶液(5質量%)2mLを固相抽出キット(ジーエルサイエンス株式会社製)にチャージし、3質量%のアセトニトリル水溶液25mLで高極性画分の抽出を行い、メタノール25mLで低極性画分の抽出を行った。
各画分から溶媒を除去したものをサンプルとし、下記の条件でガスクロマトグラフィー(GC)分析を行い、反応液中のグリコシド化合物、ポリグルコース(副生物の糖縮合物)及びグルコースの質量比並びにグルコース転化率を求めた。
反応液中のグリコシド化合物及びポリグルコースの濃度は、下記式(1)及び下記式(2)に従い算出した。
(1) グリコシド化合物濃度(質量%)=グリコシド化合物質量÷(グリコシド化合物質量+ポリグルコース質量+グルコース質量)×100
(2) ポリグルコース濃度(質量%)=ポリグルコース質量÷(グリコシド化合物質量+ポリグルコース質量+グルコース質量)×100
上記サンプル50mgに、トリメチルシリル化剤(ジーエルサイエンス株式会社製)を加え、2分間超音波処理した。5分間静置した後、生じたピリジン塩をろ過操作により取り除いた。この反応液を以下の条件で測定した。
・カラム:DB−1(アジレント社製、サイズ:15m×250μm×0.10μm)
・昇温条件:初期温度100℃(2分間保持)
:昇温速度10℃/分
:最終温度350℃(10分間保持)
・内部標準:テトラデカン(和光純薬工業株式会社製)
1,2−テトラデカンジオール(東京化成工業株式会社製)21.8g(0.095モル)、無水グルコース(和光純薬工業株式会社製)8.56g(0.048モル)を100mL4つ口ナス型フラスコに入れ、窒素導入下、攪拌しながら105℃まで昇温した。次いで、酸触媒としてパラトルエンスルホン酸(和光純薬工業株式会社製)0.032g(0.19ミリモル)を加え、圧力4.7〜5.3kPaに減圧し、1時間攪拌して脱水反応を行い、グリコシド化合物を得た。反応後の反応液について、上記の方法により分析を行い、結果を表1に示した。
表1に示した脂肪族アルコールを用い、表1に示したグルコース転化率に至るまで反応させた以外は、実施例1と同様の操作にて反応を行い、グリコシド化合物を得た。反応後の反応液について、上記の方法により分析を行い、結果を表1に示した。
Claims (7)
- 酸触媒の存在下、糖類と、アルキル(ポリ)グリセリルエーテルを除く炭素数6〜22の脂肪族ポリオールとを反応させるグリコシド化合物の製造方法。
- 前記脂肪族ポリオールが、その構造中にエーテル結合を有さない、請求項1に記載のグリコシド化合物の製造方法。
- 前記脂肪族ポリオールが、1級水酸基を1つ以上有する、請求項1〜3のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
- 前記糖類に対する前記脂肪族ポリオールの配合割合がモル比で1〜8である、請求項1〜4のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
- 前記糖類が、無水の固体糖である、請求項1〜5のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
- 前記糖類が、単糖又はオリゴ糖である、請求項1〜6のいずれかに記載のグリコシド化合物の製造方法。
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CN105713052A (zh) * | 2016-01-19 | 2016-06-29 | 威尔(福建)生物有限公司 | 一种聚醚糖苷磺酸盐及其制备方法、应用和一种除草剂 |
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