JP2014091268A - 回転操作式筆記具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】後方軸筒(3)を回転操作して後方軸筒内筒(16)を回転させることにより、カム筒(17)のカム溝(17a)及び後方軸筒内筒(16)のスリット(16a)によって、後方軸筒内筒(16)の内部に設けた押圧体(18)のカム突起(18a)が回転しながら前進し、押圧体(18)を介して筆記体(14)が弾性体(15)の付勢力に抗して前進する。
【選択図】図1
Description
万年筆101は、軸筒本体102の後方部に尾冠103を配設して軸筒104を形成している。軸筒本体102は、雄螺子部105aと雌螺子部106aとが螺合することで結合された前方内筒105と後方内筒106とに、前軸部材107と後軸部材108とがそれぞれ被着されている。
軸筒本体102の前方内筒105の前方部には中空パイプ109を装着してあり、中空パイプ109の前方部にはゴム材で形成した弾性先首110が装着されており、弾性先首110の傾斜前端面110aには、捻りコイルバネ111の弾発力によって閉塞する蓋体112が配設されている。
捻りコイルバネ111は、コイル部111aに中空パイプ109へ装着した軸棒113が挿通されており、当該軸棒113は蓋体112の下端においてコイル部111aの両側を挟むように配置された巻返部112aをも挿通して、蓋体112が軸棒113を支点として開閉可能となっている。
そして、軸筒本体102の内部に、万年筆構造である筆記体114が配設されている。筆記体114は、筆記体本体114aの前方に筆記先端部114bとしてのペン体を有しており、筆記体本体114aの後方に万年筆用インキを収容したインキカートリッジ114cを有している。
また、筆記体本体114aの中間部に形成された段部114dと、中空パイプ109の後端部109aとの間には、コイルスプリング115が配設され、筆記体114が常時後方へ弾発される構造としてあり、筆記体本体114aに設けられたガイド突起114eが、前方内筒105の内面に形成されたスライド溝105bへ遊嵌されることで、筆記体114は、回転することなく前後移動できるようになっている。
カム筒117の内部には押圧体118が配設されており、押圧体118の側面にはカム突起118aが突設されている。カム突起118aは、カム溝117aへ遊嵌すると共に、尾冠内筒116の長手方向に形成されたスリット116bにも遊嵌している。図6の例では、カム溝117a及びスリット116bは、軸対称に二つずつ設けられており、カム突起118aもそれらに対応して二カ所に設けられている。
尾冠103が右方向(図中矢印方向)に回転されると、カム筒117も一体に右へ回転され、カム筒117のカム溝117aに遊嵌しているカム突起118aにも右へ回転する力が働く。ここで、カム突起118aは尾冠内筒116のスリット116bにも遊嵌しているため、右へ回転することはできず、当該スリット116bをガイドとしながら回転せずに螺旋状のカム溝117aの前方へと移動していく。
これに伴って、押圧体118がカム突起118aと共に前方へ移動していき、押圧体118に当接している筆記体114がコイルスプリング115を圧縮しながら前進していく。そして、筆記先端部114bが蓋体112を開放し、前軸部材107の先端部に形成された先端開口部107aから筆記先端部114bが突出する。
押圧体118の後退により、コイルスプリング115に弾発された筆記体114も後退して、図6に示すように、筆記先端部114bが軸筒本体102に没入される。この後退時に筆記体114が受ける衝撃は、押圧体118に装着されたOリング119が後方内軸106の鍔部106cに当接することにより緩和される。
しかしながら、尾冠103を右方向に回転させて筆記体114の筆記先端部114bを突出させた状態で、尾冠103を右方向へ更に強く回転させてしまった場合には、カム突起118aが尾冠内筒116のスリット116bの内側面及びカム筒117のカム溝117aの前端に当接していることから、カム突起118aを設けた押圧体118及び尾冠103が更に回転することはなく、尾冠103に加えられた回転力は当該尾冠103に連結されたカム筒117が受け、尾冠103との連結箇所である後端部とカム突起118aが当接したカム溝117aの前端とに捻りの力が働くことにより、カム筒117の全面に渡ってカム溝117aを螺旋状に形成したカム筒117が変形してしまう虞があり、回転操作に問題が生じることが心配されていた。尚、カム筒117の強度を向上させるためにカム筒117の肉厚を厚くすることは、細い軸径の軸筒をデザインする場合や、筆記具の重さを軽く設定する場合に不都合を生じさせることとなる。
「1.後方軸筒を前方軸筒に対して回転操作することによって前方軸筒の前方部から筆記体の筆記先端部が突出する回転操作式筆記具であって、
互いに分離された前方軸筒及び後方軸筒と、
螺旋状に設けられたカム溝を有し、且つ前記前方軸筒の後部に固定されたカム筒と、
長手方向に設けられたスリットを有し、且つ前記後方軸筒に固定された後方軸筒内筒と、
前記カム溝と前記スリットとに遊嵌するカム突起を有し、且つ前記カム突起と一体的に前記カム筒の内部を移動可能な押圧体と、
前記前方軸筒の内部に設けられると共に、前記前方軸筒に対して弾性体によって後方へ付勢された筆記体と、を備え、
前記押圧体も、前記弾性体によって前記筆記体を介して後方へ付勢されており、前記後方軸筒を回転操作して後方軸筒内筒を回転させることにより、
前記カム溝及び前記スリットによって前記カム突起が回転しながら前進し、これに伴って前記押圧体が前進し、当該押圧体を介して前記筆記体が前記弾性体の付勢力に抗して前進することを特徴とした回転操作式筆記具。
2.前記スライド体を前記筆記体に当接する前方部材と、前記カム突起を設けた後方部材とを有し、前記前方部材に対し前記後方部材を回転可能に連結させたことを特徴とした1項に記載の回転操作式筆記具。」である。
図1は、本発明の一実施の形態の回転操作式筆記具の筆記体の収納状態における概略図であり、図2は、図1の要部の拡大図である。図3は、図1の回転操作式筆記具の筆記体の突出状態における概略図である。図4は、図3の要部の拡大図である。尚、本実施の形態における説明では、ペン先がある側を前方と表現し、その反対側を後方と表現する。
万年筆1は、軸筒本体2(前方軸筒)の後方に尾冠3(後方軸筒)を配設して軸筒4を形成している。軸筒本体2は、雄螺子部5aと雌螺子部6aとが螺合することで結合された前方内筒5と後方内筒6とに、前軸部材7と後軸部材8とがそれぞれ被着されている。
軸筒本体2の前方内筒5の前方部には中空パイプ9を装着してあり、中空パイプ9の前方部にはゴム材で形成した弾性先首10が装着されており、弾性先首10の傾斜前端面10aには、捻りコイルバネ11の弾発力によって閉塞する蓋体12が配設されている。
捻りコイルバネ11は、コイル部11aに中空パイプ9へ装着した軸棒13が挿通されており、当該軸棒13は蓋体12の下端においてコイル部11aの両側を挟むように配置された巻返部12aをも挿通して、蓋体12が軸棒13を支点として開閉可能となっている。
そして、軸筒本体2の内部に、万年筆構造である筆記体14が配設されている。筆記体14は、筆記体本体14aの前方に筆記先端部14bとしてのペン体を有しており、筆記体本体14aの後方に万年筆用インキを収容したインキカートリッジ14cを有している。
また、筆記体本体14aの中間部に形成された段部14dと、中空パイプ9の後端部9aとの間には、コイルスプリング15が配設され、筆記体14が常時後方へ弾発される構造としてあり、筆記体本体14aに設けられたガイド突起14eが、前方内筒5の内面に形成されたスライド溝5bへ遊嵌されることで、筆記体14は、回転することなく前後移動できるようになっている。
後方軸筒内筒16の内部には押圧体18が配設されており、押圧体18の側面にはカム突起18aが突設されている。カム突起18aは、後方軸筒内筒16のスリット16aへ遊嵌すると共に、カム筒17のカム溝17aにも遊嵌している。本発明の実施の形態では、スリット16a及びカム溝17aは軸対称に二つずつ設けられており、図5に示すようにピン部材からなるカム突起18aの両端が、押圧体18に形成した貫通孔18bから突出して前記スリット16a及びカム溝17aに摺動できるようにしてある。
尚、本実施の形態では、図5に示すように、押圧体18を、筆記体14に当接する前方部材181とカム突起18aを設けた後方部材182とで構成してあり、前方部材181に形成した後方延出部181aを後方部材182の前方開口部182aに回転可能に挿嵌してあり、カム突起18aと共に回転する後方部材182の回転が筆記体14に伝達されないようにしてある。
尾冠3が右方向(図中矢印方向)に回転されると、後方軸筒内筒16も一体に右へ回転し、後方軸筒内筒16のスリット16aに遊嵌しているカム突起18aが、後軸部材8に螺合されたカム筒17のカム溝17aに摺接しながら前方へと移動していく。
これに伴って、押圧体18がカム突起18aと共に回転しながら前方へ移動していき、押圧体18に当接している筆記体14がコイルスプリング15を圧縮しながら前進していく。そして、筆記先端部14bが蓋体12を開放し、前軸部材7の先端部に形成された先端開口部7aから筆記先端部14bが突出する。
この押圧体18の後退により、コイルスプリング15に弾発された筆記体14も後退して、図1に示すように、筆記先端部14bが軸筒本体2に没入される。この後退時に筆記体14が受ける衝撃は、押圧体18に装着されたOリング19が、後方内軸6の鍔部6cに当接することにより緩和される。
また仮に、図1に示すように筆記体14の先端部14bを没入させた状態において、軸筒本体2を持って尾冠3を左方向へ更に強く回転させてしまった場合には、カム溝17aを設けたカム筒17には捻りの力が掛かり内径が狭くなるように変形される力が働くが、図1に示す状態のカム筒17の内部には後方軸筒内筒16が近接した状態で位置することから、後方軸筒内容16が補強となってカム筒17の変形を防止することができる。
また、本実施例では、後方軸筒内筒16の雄螺子部16bと尾冠3の雌螺子部3aとの螺合時における回転方向を、筆記体14の先端部14bを突出させる際に尾冠3を回転させる方向と一致させてあることから、図3に示す状態から尾冠3を右方向へ更に強く回転させてしまった場合でも螺合状態が締まる方向に力が働くので、後方軸筒内筒16から尾冠3が外れてしまうことがない構造になっている。
尚、筆記体14の先端部14bを没入させる際には、コイルスプリング15の弾発力で筆記体14および押圧体18が後退されるのでカム筒17が変形するような力はかからず、尾冠3と後方軸筒内筒16との螺合が外れることはない。
3…尾冠(後方軸筒)、3a…雌螺子部、4…軸筒、
5…前方内筒、5a…雄螺子部、5b…スライド溝、
6…後方内筒、6a…雌螺子部、6b…雄螺子部、6c…鍔部、
7…前軸部材、7a…先端開口部、
8…後軸部材、8a…雌螺子部、8b…雌螺子部、
9…中空パイプ、9a…後端部、
10…弾性先首、10a…傾斜前端面、
11…捻りコイルバネ、11a…コイル部、11b…返し部、
11c…後方アーム部、
12…蓋体、12a…巻返部、12b…係止部、
13…軸棒、
14…筆記体、14a…筆記体本体、14b…筆記先端部、
14c…インキカートリッジ、14d…段部、14e…ガイド突起、
15…コイルスプリング、
16…後方軸筒内筒、16a…スリット、16b…雄螺子部、
17…カム筒、17a…カム溝、17b…雄螺子部、17c…保持溝、
18…押圧体、18a…カム突起、18b…貫通孔、18c…フランジ、
181…前方部材、181a…後方延出部、
182…後方部材、182a…前方開口部、
19…Oリング。
Claims (2)
- 後方軸筒を前方軸筒に対して回転操作することによって前方軸筒の前方部から筆記体の筆記先端部が突出する回転操作式筆記具であって、
互いに分離された前方軸筒及び後方軸筒と、
螺旋状に設けられたカム溝を有し、且つ前記前方軸筒の後部に固定されたカム筒と、
長手方向に設けられたスリットを有し、且つ前記後方軸筒に固定された後方軸筒内筒と、
前記カム溝と前記スリットとに遊嵌するカム突起を有し、且つ前記カム突起と一体的に前記カム筒の内部を移動可能な押圧体と、
前記前方軸筒の内部に設けられると共に、前記前方軸筒に対して弾性体によって後方へ付勢された筆記体と、を備え、
前記押圧体も、前記弾性体によって前記筆記体を介して後方へ付勢されており、前記後方軸筒を回転操作して後方軸筒内筒を回転させることにより、
前記カム溝及び前記スリットによって前記カム突起が回転しながら前進し、これに伴って前記押圧体が前進し、当該押圧体を介して前記筆記体が前記弾性体の付勢力に抗して前進することを特徴とした回転操作式筆記具。 - 前記スライド体を前記筆記体に当接する前方部材と、前記カム突起を設けた後方部材とを有し、前記前方部材に対し前記後方部材を回転可能に連結させたことを特徴とした請求項1に記載の回転操作式筆記具。
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US11390111B2 (en) | 2017-12-28 | 2022-07-19 | Kabushiki Kaisha Pilot Corporation | Writing implement |
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