JP7195136B2 - 繰出式筆記具 - Google Patents
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Description
なお、少ない回転量で筆記先端部が突出するものとは、筆記具の軸径を鑑みると、軸筒に対して回転操作部を相対的に約360度の範囲、つまり最大でもおよそ一回転させることで筆記先端部が軸筒から突出して筆記可能状態になるものをいう。この範囲内の回転量で筆記先端部が突出した状態に維持できる構造とすることにより、筆記具を握り替えるような動作を必要とせずに、回転操作を完了することができる。
「1.軸筒に装着した回転操作部が回転されることにより該軸筒の前方部から筆記体の筆記先端部が突出される繰出式筆記具であって、
前記回転操作部の内方に該回転操作部の内部を前後動する内軸を配し、
前記内軸と前記軸筒との間に、該内軸の回転方向への動きを当該内軸の前後方向への動きに変換する変換機構が設けられ、
前記内軸の前方に螺旋状のカム溝を有するカム体が該内軸に対して回転不能に配置され、
前記カム体の内方に、該カム体のカム溝と前記軸筒に設けられた軸芯に沿った方向に延びるスリットとに係合するカム突起を有した摺動体が収容され、
前記摺動体の前方に前記筆記体が連設され、
前記回転操作部が回転された際、前記変換機構によりカム体が前進すると共に、カム体が回転することで前記摺動体が前進して軸筒の前方から筆記体の筆記先端部が突出される、
ことを特徴とする繰出式筆記具。
2.前記変換機構が、前記内軸に設けられた雄螺子部と、前記軸筒に設けられた雌螺子部とで構成され、
前記内軸の外面に突部が設けられ、
前記回転操作部に前記内軸の突部と係合して該内軸の回転を規制すると共に当該内軸の前後動を誘導する縦溝が設けられ、
前記回転操作部を回転した際、
前記内軸が回転して該内軸の雄螺子部が前記軸筒の雌螺子部の内部を前進し、
前記カム体が前記内軸の回転に伴い回転することで、
前記摺動体のカム突起が前記スリットで回転が規制された状態で前記カム溝により前進され、
前記摺動体に連設された筆記体が前進して前記軸筒の前方部から筆記体の筆記先端部が突出される、
ことを特徴とする前記1項に記載の繰出式筆記具。
3.前記筆記体が前記軸筒内に配設されたコイルスプリングにより後方へ弾発され、前記軸筒の前方部から前記筆記体の筆記先端部が突出された状態で前記回転操作部を逆回転させることにより、前記コイルスプリングの弾発力で前記筆記先端部が後退して軸筒内に没入される、
ことを特徴とする前記1項又は2項に記載の繰出式筆記具」である。
以下、図面を参照して本実施形態の万年筆について説明をする。本実施例においては、筆記先端部がある方を前方と表現し、その反対側を後方と表現する。説明を分かり易くするために、図面中の同様の部材、同様の部分については同じ符号を付してある。
前方軸筒3の前方部には、捻りコイルバネ5の弾発力によって閉塞するようになっている蓋体6が配設されている。捻りコイルバネ5のコイル部は、軸棒7によって挿通されており、蓋体6は当該軸棒7を支点として開閉可能となっている。また、捻りコイルバネ5は、蓋体6を常に前方軸筒3に形成された段部3aに当接させ閉塞状態に付勢するようになっている。
また、筆記体本体8aの中間部に形成された段部8dと前方軸筒3の前記段部3aとの間に、コイルスプリング9が配設されている。コイルスプリング9は、筆記体8を常時後方へ弾発する機能を有している。また、筆記体本体8aに設けられたガイド突起8eが、前方軸筒3の内面に形成されたスライド溝3bへ遊嵌されている。これにより、筆記体8は、回転することなく前後動できるようになっている。
前方軸筒3の前端部には、筆記先端部8bを出没可能にする先端開口10aを有する先口10が嵌着されている。
回転操作体11の前端部には外鍔11aが形成されており、後方軸筒4に螺合した尾冠12に形成された内鍔12aにて回転操作体11が回転可能且つ前後動不能に固定される。後方軸筒4の雄螺子部4aは、接着剤を塗布した上で尾冠12の雌螺子部12bに螺合することで固着される。
カム体15の後方には小径部15bが形成されており、小径部15bに接着剤を塗布した上で内軸13の内方に挿着させ、内軸13の内面に形成した円環状の凹部13cに小径部15bの外面に形成された円環状の凸部15cを嵌合させている。これによりカム体15は、内軸13に対して一体で回動及び前後動するようになっている。
摺動体16の前方には、コイルスプリング9で常時後方へ弾発されている筆記体8の後端部が当接される。
本実施形態の万年筆1は、後方軸筒4に対し回転操作体11が後方から見て時計回りに相対回転されると、次のようにして先口10の先端開口10aから筆記体8の筆記先端部8bが突出される。すなわち、後方軸筒4に対し回転操作体11が後方から見て時計回りに相対回転すると、回転操作体11の縦溝14aに突部13aが係合された内軸13が同方向に回転し、内軸13の雄螺子部13bが後方軸筒4の雌螺子部4bに対して回転することで前進し、これにより内軸13と一体になったカム体15が前進する。
また、カム体15が前進することで、カム溝15aにカム突起17aが係合された摺動体16が前進することとなり、結果、摺動体16に当接した筆記体8がコイルスプリング9の弾発力に抗して前進する。
このとき、同時に、内軸13の回転に伴うカム体15の回転により、螺旋状のカム溝15aにカム突起17aを摺動させながら、スリット4cにカム突起17dが係合していることで回転することなく摺動体16が前進することとなり、結果、摺動体16に当接した筆記体8がコイルスプリング9の弾発力に抗して前進する。
したがって、本実施形態の万年筆1は、回転操作体11が後方から見て時計回りに相対回転されると、変換機構Hである内軸13の雄螺子部13bと後方軸筒4の雌螺子部4bにより摺動体16が前進されると共に、カム体15の螺旋状のカム溝15aにより摺動体16が前進されることから、回転操作体11を少ない角度で回転させた場合でも、軸筒2の先端開口10aから筆記先端部8bを大きく突出させることができる。
これにより、筆記先端部8bにサイズが大きいペン体を使用することが可能となる。
また前述の通り、筆記体8がコイルスプリング9の弾発力に抗して前進することから、軸筒2に対して回転操作体11を相対的に360度の範囲、つまり最大でも一回転させる前に止めてしまった場合には、筆記体8が再びコイルスプリング9の弾発力で後退してしまう誤作動が生じるが、本実施形態の万年筆1は軸筒2を握り替えることなく回転操作を完了できることから、その誤作動が生じ難くなっている。
2…軸筒、
3…前方軸筒、3a…段部、3b…スライド溝、
4…後方軸筒、4a…雄螺子部、4b…雌螺子部、4c…スリット、
H…変換機構、
5…捻りコイルバネ、
6…蓋体、
7…軸棒、
8…筆記体、8a…筆記体本体、8b…筆記先端部、8c…インキカートリッジ、8d…段部、8e…ガイド突起、
9…コイルスプリング、
10…先口、10a…先端開口、
11…回転操作体、11a…外鍔、11b…雌螺子部、
12…尾冠、12a…内鍔、12b…雌螺子部、
13…内軸、13a…突部、13b…雄螺子部、13c…凹部、
14…内筒、14a…縦溝、14b…雄螺子部、
15…カム体、15a…カム溝、15b…小径部、15c…凸部、15d…折返部、
16…摺動体、16a…貫通孔、
17…ピン、17a…カム突起。
Claims (3)
- 軸筒に装着した回転操作部が回転されることにより該軸筒の前方部から筆記体の筆記先端部が突出される繰出式筆記具であって、
前記回転操作部の内方に該回転操作部の内部を前後動する内軸を配し、
前記内軸と前記軸筒との間に、該内軸の回転方向への動きを当該内軸の前後方向への動きに変換する変換機構が設けられ、
前記内軸の前方に螺旋状のカム溝を有するカム体が該内軸に対して回転不能に配置され、
前記カム体の内方に、該カム体のカム溝と前記軸筒に設けられた軸芯に沿った方向に延びるスリットとに係合するカム突起を有した摺動体が収容され、
前記摺動体の前方に前記筆記体が連設され、
前記回転操作部が回転された際、前記変換機構によりカム体が前進すると共に、カム体が回転することで前記摺動体が前進して軸筒の前方から筆記体の筆記先端部が突出される、
ことを特徴とする繰出式筆記具。 - 前記変換機構が、前記内軸に設けられた雄螺子部と、前記軸筒に設けられた雌螺子部とで構成され、
前記内軸の外面に突部が設けられ、
前記回転操作部に前記内軸の突部と係合して該内軸の回転を規制すると共に当該内軸の前後動を誘導する縦溝が設けられ、
前記回転操作部を回転した際、
前記内軸が回転して該内軸の雄螺子部が前記軸筒の雌螺子部の内部を前進し、
前記カム体が前記内軸の回転に伴い回転することで、
前記摺動体のカム突起が前記スリットで回転が規制された状態で前記カム溝により前進され、
前記摺動体に連設された筆記体が前進して前記軸筒の前方部から筆記体の筆記先端部が突出される、
ことを特徴とする請求項1に記載の繰出式筆記具。
- 前記筆記体が前記軸筒内に配設されたコイルスプリングにより後方へ弾発され、前記軸筒の前方部から前記筆記体の筆記先端部が突出された状態で前記回転操作部を逆回転させることにより、前記コイルスプリングの弾発力で前記筆記先端部が後退して軸筒内に没入される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の繰出式筆記具。
Priority Applications (1)
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JP2018245219A JP7195136B2 (ja) | 2018-12-27 | 2018-12-27 | 繰出式筆記具 |
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JP2018245219A JP7195136B2 (ja) | 2018-12-27 | 2018-12-27 | 繰出式筆記具 |
Publications (2)
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JP2020104391A JP2020104391A (ja) | 2020-07-09 |
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007320209A (ja) | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Pilot Corporation | 開閉蓋付の筆記具 |
JP2008162066A (ja) | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Pentel Corp | 回転繰り出し式筆記具 |
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