JP2014091241A - 圧力吸収用ダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクに含まれる気泡を除去した状態でインクヘッドにインクを導出すること。
【解決手段】 この圧力吸収用ダンパ100では、インク入口3とインク出口6との間に隔壁5を形成する。また、ダンパ室2のインク入口3にインク流路4を形成し、インク流路4の下端を前記隔壁5の上側に位置させる。隔壁5の根元上面は湾曲面51となる。インク入口3からインク流路4を通してその下端から隔壁5に沿ってインクを流し、ダンパ室2内でインクを循回させる。この流れの過程でインクに含まれる気泡が上昇して液面で消滅する。インクは、ダンパ室2の下部に設けたインク導入部12から取り出されてインク出口6に流れ、インクヘッド160に導出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットプリンタのインクジェット記録ヘッドとインクタンクとの間に取り付ける圧力吸収用ダンパに関するものである。
従来から、特許文献1に記載のインクジェットプリンタが知られている。図11は、この特許文献1に記載のインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す概略図である。このインクジェットプリンタでは、インクジェット記録ヘッド901に圧力吸収用ダンパ900が連結され、この圧力吸収用ダンパ900はヘッドケース902により支持されている。また、圧力吸収用ダンパ900には、ダンパホール903が形成される。このダンパホール903には、溝状に形成されたインク流路904が接続されており、当該インク流路904の先端にはインク入口908が設けられる。
また、ダンパホール903及びインク流路904の形成されている面には、外部から目視可能なように透明フィルム905が張られている。ダンパホールインク出口906は、ダンパホール903の片側の下方に設けられており、このダンパホールインク出口906にはメッシュ状のフィルタ907が設けられている。このインクジェットプリンタでは、ダンパ内のインク流路904を目視できるようにして多価アルコール等に染料を添加した親インク性保持液の液量管理を行う。
また、上記従来の圧力吸収用ダンパ900の本来の動作としては、インク入口908から導入されたインクはインク流路904を介してダンパホール903に入り、このダンパホール903において、キャリッジの移動に起因した圧力変動が吸収される。ダンパホール903のインクは、ダンパホールインク出口906からフィルタ907を介してインクジェット記録ヘッドに導出される。
特開平5−229136号公報
上記従来のインクジェットプリンタでは、ダンパホール903にインクを導入する際にインクに気泡が混入することがあり、この気泡が前記フィルタ907を通過してインクジェット記録ヘッドに至るという問題点があった。
そこで、この発明の目的は、インクに含まれる気泡を除去した状態でインクヘッドにインクを導出することを目的とする。
本発明に係る圧力吸収用ダンパは、インクジェットプリンタのインクヘッドとインクタンクとの間に設置する圧力吸収用ダンパであって、本体の内部に形成したダンパ室と、前記インクタンクからインクを導入する前記ダンパ室に設けたインク入口と、前記インクヘッドにインクを導出する前記ダンパ室に設けたインク出口と、前記ダンパ室内のインク入口とインク出口との間に形成され、インク入口から導入されたインクのインク出口に向かう流れの間に配設された隔壁とを備えたことを特徴とする。
インク入口から導入されたインクは、インク出口に向かって流れるが、このインク入口とインク出口との間に設けられた隔壁によりインクの流れが規制され、ダンパ室内で所定の流れを形成する。この流れの過程でインクに含まれる気泡が上昇して除去される。また、インク出口にはインク入口から気泡が含まれたインクが直接流れてこない。このため、気泡を除去したインクをインク出口からインクヘッドに導出できる。
また、前記隔壁が前記ダンパ室を形成する側壁から延設され、前記インク入口が隔壁の根元付近の前記側壁に設けられるようにしても良い。
インク入口を隔壁の根元付近の前記側壁に設けることで導入したインクが隔壁に沿って流れ、その流れの過程でインク中の気泡が上昇して除去される。気泡が含まれたインクは、隔壁に阻まれるのでインク出口に直接流れることはない。このため、ダンパ室で気泡が除去されたインクをインク出口から導出できる。
また、前記インク入口が前記本体上方に設けられ、このインク入口からインク流路がダンパ室内に略重力方向に形成されると共に、前記インク出口は前記本体下方に設けられ、前記インク流路の重力方向下端と前記インク出口との間には前記隔壁が配設されるようにしても良い。
インク入口を本体上部に設けることで圧力吸収用ダンパにインク供給チューブを装着しやすくなる。そして、インク流路の重力方向下端からインクをダンパ室に導出することで液面にインクを落下させることがないので、インク導入時の空気の巻き込みを防止できる。また、インクの流れが隔壁で規制され直接インク出口に流れない。このため、気泡を除去したインクをインク出口からインクヘッドに導出できる。なお、以下の実施の形態等において「上(上方、上端など)」,「下(下方、下端など)」の用語は、特記しない限り、重力方向の上下を意味するものとする。
また、前記隔壁は、前記インク流路を形成した側の側壁から延設され、その根元上面には湾曲面が形成されるようにしても良い。
インク流路から導出されたインクは前記隔壁の根元に形成した湾曲面で緩やかにその流れ方向を変えられる。これにより、隔壁に勢いよくインクが衝突して気泡を生じるのを防止できる。
また、前記ダンパ室の下部にインクの循環流路を設け、当該循環流路に設けられ且つインク循環用チューブを接続可能な循環出口を備えても良い。
ダンパ室の下部からインクを循環させることで、ダンパ室の下部でのインク粒子の沈殿を防止できる。
本発明によれば、インク入口とインク出口との間に設けた隔壁によりインクの流れを規制してダンパ室内で形成された流れの過程でインクに含まれる気泡を上昇させるので、インクに含まれる気泡を除去した状態でインクヘッドにインクを導出できる。
この発明の実施の形態1に係るインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す構成図である。 この発明の実施の形態2に係るインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す構成図である。 この発明の実施の形態3に係るインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す構成図である。 この発明の実施の形態4に係るインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す構成図である。 この発明の実施の形態5に係る圧力吸収用ダンパを示す構成図である。 実施の形態5に係る圧力吸収用ダンパの変形例を示す構成図である。 この発明の実施の形態7に係る圧力吸収用ダンパを示す斜視図である。 図7に示した圧力吸収用ダンパの上面図、正面図及び底面図である。 圧力吸収用ダンパをインクヘッドのキャリッジに装着した状態を示す斜視図である。 この発明の実施の形態8に係るインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す構成図である。 この特許文献1に記載のインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す概略図である。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係るインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す構成図である。この圧力吸収用ダンパ100は、インクジェットプリンタのインクヘッド150とインクタンク160との間に設置される。当該圧力吸収用ダンパ100は、射出成形した樹脂製の本体1と、本体1の内部に形成したダンパ室2と、ダンパ室2の上部壁21に設けたインク入口3と、ダンパ室2の片側に形成したインク流路4と、インク流路4の重力方向下側に設けた隔壁5と、隔壁5の重力方向下側に設けたインク出口6と、インク出口6の反対側の下部に設けた循環流路61と、循環流路61の上端であって本体1の上部に設けた循環出口7と、ダンパ室2の正面を覆う透明フィルム8と、透明フィルム8が面方向につぶれるのを防止する板バネ9とを備えている。
前記インク流路4は、本体1のダンパ室2を構成する背面22と、左側壁23と、当該左側壁23に対して平行に形成した流路壁24とに囲まれて形成される。ダンパ室2の正面は、透明フィルム8が側壁に貼り付けられている。インク流路4の上端部には前記インク入口3が位置している。インク入口3には接続ポート31が形成されている。当該接続ポート31には、インクタンク(図示省略)に接続されたインク供給チューブ10が接続される。インク流路4は、インク入口3からダンパ室内に重力方向に形成され、当該インク流路4の重力方向下端からインクをダンパ室2に導出するようになる。インクの流体剥離を防止するため、流路壁24の重力方向下端のインク流路4の外側には斜面24aが形成され、流路壁24の重力方向下端は小径の湾曲面となる。インク流路4は、ダンパ室2の高さの上から3/4前後の位置まで延びている。
インク入口3を本体1の上側に設けることで、圧力吸収用ダンパ100をキャリッジに取り付けた場合にインク供給チューブ10の取り付けを、本体1の上部壁21が重力方向の上方になるように載置されることから当該上部壁21に形成された接続ポート31に上から行うことができ、取り付け作業などを楽に行うことができるようになる。また、インク入口3にインク流路4を設け、インクをダンパ室2の下部から当該ダンパ室2に導出することで、インクがダンパ室2の液面に落下することがなくなるので、空気の巻き込みを防止して気泡の発生を抑止できる。
前記隔壁5は、本体1の左側壁23及び背面22と一体的に形成されており、当該左側壁23から下部壁25と平行に延出している。隔壁5の長さは、下部壁25の25%から50%(L1/L2)の範囲とするのが好ましい。また、隔壁5は、インク入口3とインク出口6との間に位置する。換言すればインク入口3とインク出口6との直線上に位置し、好ましくは同図に示すようにインク入口3とインク出口6とを結ぶ直線に直交する方向に形成する。隔壁5の根元上面であって前記インク流路4の出口付近は、湾曲面51となる。この湾曲面51の半径は、インクが隔壁5に衝突して気泡を発生させないようにする観点から、前記インク流路4の幅よりも大きくするのが好ましい。
当該隔壁5と下部壁25との間にはインク導入部12が形成される。下部壁25の左側壁23の近傍には、インク出口6が設けられている。インク出口6は、インクヘッドに連結してインクを供給する。
右側壁26の重力方向下部であって前記インク出口6の水平方向反対側には、循環流路61が本体1から突出して形成されている。循環流路61を形成する側壁の重力方向上部には循環出口7が設けられている。本体1の循環出口7には接続ポート71が形成されている。接続ポート71には、インク循環チューブ72が接続される。インク循環チューブ72は、前記インク供給チューブ10の途中に連結される。インク循環チューブ72には、ポンプ73が接続される。循環流路61は、前記インク出口6と反対側に設けられる。また、循環流路61の下部壁25が本体1から突出し、ダンパ室2の下部壁25と面一に形成される。このように、循環流路61をダンパ室2の下部に設けることで、ダンパ室2の底(下側壁25の上面)に沈殿するインクの粒子をスムーズに循環できる。また、循環流路61の下部壁25とダンパ室2の下部壁25とを面一にすることでインク粒子の沈殿を防止できる。
この一方で、下部壁25の一部には突起部27が形成される。突起部27は、水平方向で隔壁5の先端と略同じ位置に配設される。インクの沈降は、図中エリア28付近で発生しやすい。このため、突起部27により隔壁5と下部壁25との間隙を小さくなり、突起部27によりインクの粒子のインク出口6への移動が阻止される。このため、インク出口6に沈降した粒子が流れず、隔壁5と下部壁25との間隙が小さくなることから気泡がインク出口から出難くなる。
ダンパ室2の正面には、前記板バネ9が渡されている。板バネ9は金属製の薄板をプレス成形したものであり、幹部91からその直交方向に複数の枝部92を設けた形状であり、当該幹部91の両端部は流路壁24及び右側壁26に取り付けられる。枝部92は透明フィルム8の面方向のつぶれを防止する。透明フィルム8を用いるのはダンパ室2の内部を目視できるようにするためである。
次に、この圧力吸収用ダンパ100の動作について説明する。インク供給チューブ10から流れてきたインクは、インク流路4の重力方向上方に形成されたインク入口3からインク流路4に入る。インクは、図示しないインクタンクからの水頭圧により圧力吸収用ダンパ100に供給される。インク流路4を流れたインクは、インク流路4のインク流路4の重力方向下方に形成された下部からダンパ室2に流れ出る。このとき、インクは、前記隔壁5の根元の湾曲面51に沿って流れ方向を垂直方向から水平方向に変換される。湾曲面51によりインクの流れ方向が変換させられることで、インクが隔壁5に対して垂直方向に勢いよく衝突して気泡が発生するのを抑止できる。特に、湾曲面51が前記インク流路4の出口付近から形成され、湾曲面51の半径がインク流路4の幅以上に形成されることで、インクが緩やかにその流れ方向を変えられる。
隔壁5により流れ方向が変わったインクは、ダンパ室2内において略水平方向に流れる。インクに含まれる気泡は、略水平方向への流れの途中で浮上し、液面に至る。水平方向に流れたインクは、右側壁26に当たり上方への流れ、ダンパ室2内を循回するような流れを形成する。このインクのダンパ室2内での流れの過程において気泡は液面近傍に運ばれ、成長した気泡は液面近傍に残るか或いは消滅する。液面近傍で右側壁26から左側壁23に向かって流れるインクは、流路壁24に当たり下方に移動するが、下方には前記隔壁5が位置しており且つインクの水平方向の流れがあるので、再び左側壁23から右側壁26に向かう略水平方向の流れに乗り、インク室内を循回する。この循回により再び気泡が取り除かれる。
また、隔壁5上の重力方向の上部エリア29付近には、インクの粒子が沈降しやすい。上記のように隔壁5によりインクが略水平方向に流れることで、エリア29のインクの粒子が攪拌され、沈降した粒子がインク出口6に至るのを防止できる。
一方、インク導入部12には、隔壁5と右側壁26との間からインクが流れ込む。このインクは勢いよく当該インク導入部12に流れ込むのではなく、ダンパ室2で循回しているインクから取り出されるような形で流れ込むため、気泡を巻き込みにくい。また、インクに含まれる気泡はダンパ室2で取り除かれているので、インク導入部12に導入されたインクには気泡が殆ど含まれない。更に、インクの沈降した粒子は、突起部27によりインク導入部12に侵入し難い。インク導入部12に導入されたインクは、インク出口6からインクヘッドに供給される。
このように、隔壁5をダンパ室2の左側壁23から延出して当該ダンパ室2内にインクの循回状態を形成することでインクに含まれる気泡が重力方向に上昇して取り除かれる。また、インク流路4によりインクをダンパ室2の重力方向の下部からダンパ室2内に流れ出し、略水平方向の流れと右側壁26における上昇する流れを形成することで気泡を浮上させるので、気泡が循回過程において除去され、インク出口6に運ばれ難い。
次に、インクの循環について説明する。例えばインクジェットプリンタの運転を休止している期間、圧力吸収用ダンパ100のダンパ室2にインクの粒子が沈殿しないように循環制御を行う。この場合、ポンプ73を駆動することでダンパ室2から循環流路61にインクを流し、循環流路61の循環出口7からインクを取り出し、インク循環チューブ71により送出する。送出されたインクは、インク循環チューブ72からインク供給チューブ10に合流し、再びインク入口3からインク流路4を経てダンパ室2に導入される。循環動作は運転休止期間に間欠的に行っても良いし、連続的に行っても良い。
この循環動作によりダンパ室2の重力方向下部からインクを攪拌し、ダンパ室2の重力方向下部でインク粒子が沈殿するのを防止できる。また、循環流路61をダンパ室2の重力方向下部に設けることで、沈殿したインクの粒子を効率的に循環できる。特に、循環流路61の下部壁25と面一に形成することで粒子が滞留することなく循環する。
以上、この発明の圧力吸収用ダンパ100によれば、気泡を除去した状態でインクをインクヘッドに導出できる。また、インクはインク流路4によりダンパ室2の重力方向下部から当該ダンパ室2内に流れ出るようになるので、インク中(インク液面下)にインクを導入することになる。このため、空気を巻き込み難くなるので気泡の発生を防止できる。更に、インク粒子の沈殿をインクの循環により防止できる。
(実施の形態2)
図2は、この発明の実施の形態2に係るインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す構成図である。この圧力吸収用ダンパ200は、実施の形態1の圧力吸収用ダンパ100のインク流路4を省略し、インク入口203を本体1の左側壁23の重力方向下部に設けた点に特徴がある。その他の構成については実施の形態1と同様であるからその説明を省略する。
この圧力吸収用ダンパ200では、本体1の左側壁23の重力方向下部にインク入口203を形成する。インク入口203には、本体1から水平方向に接続ポート204が突出形成される。この接続ポート204には、インク供給チューブ10が接続される。隔壁5の上面5aとインク入口203の下面203aとは流速の早い部分での凹凸をなくすため、直線的に連続した面となる。このため、インク入口203の断面は矩形とするのが好ましい。
次に、この圧力吸収用ダンパ200の動作を説明する。インク供給チューブ10から流れてきたインクは、インク入口203からインク導入部12に入る。インクは、図示しないインクタンクからの水頭圧により圧力吸収用ダンパ200に供給される。インク導入部12から流れたインクはダンパ室2に流れ出て隔壁5に沿って流れ、ダンパ室2内において略水平方向の流れを形成する。インクに含まれる気泡は、略水平方向への流れの途中で浮上し、液面に至る。また、隔壁5上の重力方向の上部エリア29付近には、インクの粒子が沈降しやすい。上記のように隔壁5によりインクが略水平方向に流れることで、エリア29のインクの粒子が攪拌され、沈降した粒子がインク出口6に至るのを防止できる。
水平方向に流れたインクは、右側壁26に当たり重力方向上方への流れを形成する。このとき、重力方向上方に流れるインクはダンパ室2内を循回するような流れを形成する。このインクのダンパ室2内での流れの過程において気泡は液面近傍に運ばれ、成長した気泡は液面近傍に残るか或いは消滅する。また、液面近傍で右側壁26から左側壁23に向かって流れるインクは、流路壁24に当たり重力方向下方に移動するが、重力方向下方には前記隔壁5が位置しており且つインクの速い水平方向の流れがあるので、再び左側壁23から右側壁26に向かう略水平方向の流れに乗り、インク室内を循回する。この循回により再び気泡が取り除かれる。
一方、インク導入部12には、隔壁5と右側壁26との間からインクが流れ込む。このインクは勢いよく当該インク導入部12に流れ込むのではなく、ダンパ室2で循回しているインクから取り出されるような形で流れ込む気泡を巻き込みにくい。また、インクに含まれる気泡は、ダンパ室2で取り除かれているので、インク導入部12に導入されたインクには気泡が殆ど含まれない。更に、インクの沈降した粒子は、突起部27によりインク導入部12に侵入し難い。インク導入部12に導入されたインクは、インク出口6からインクヘッドに供給される。
このように、隔壁5をダンパ室2の左側壁23から延出して当該ダンパ室2内にインクの循回状態を形成することでインクに含まれる気泡が上昇して取り除かれる。また、インク流路4によりインクをダンパ室2の重力方向下部からダンパ室2内に流し出し、略水平方向の流れと右側壁26における重力方向に上昇する流れを形成することで気泡を浮上させる働きを持たせるので、気泡が循回過程において除去され、インク出口6に運ばれ難い。
循環動作は、上記同様、インクジェットプリンタの運転休止期間に間欠的又は連続的に行う。具体的には、ポンプ73を駆動することでダンパ室2から循環流路61にインクを流し、循環流路61の循環出口7からインクを取り出し、循環チューブにより送出する。送出されたインクは、循環チューブからインク供給チューブ10に合流し、再びインク入口203からダンパ室2に導入される。
この循環動作によりダンパ室2の重力方向下部からインクを攪拌し、ダンパ室2の重力方向下部でインク粒子が沈殿するのを防止できる。また、循環流路61をダンパ室2の重力方向下部に設けることで、沈殿したインクの粒子を効率的に循環できる。特に、循環流路61の下部壁25と面一に形成することで粒子が滞留することなく循環する。
この実施の形態2に係る圧力吸収用ダンパ200によれば、インクの気泡を除去できると共にインク粒子の沈殿を防止できる。また、実施の形態1に係る圧力吸収用ダンパ100と同様にインク入口203をダンパ室2の重力方向下部に設けることで、インク中(インクの液面下)にインクを導入するので空気を巻き込み難い。更に、構造が実施の形態1に係る圧力吸収用ダンパ100より簡単である。
(実施の形態3)
図3は、この発明の実施の形態3に係るインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す構成図である。この圧力吸収用ダンパ300は、実施の形態1の循環流路61を本体1の左側壁23の重力方向下部に設けた点に特徴がある。その他の構成については実施の形態1と同様であるからその説明を省略する。
この圧力吸収用ダンパ300は、本体1のインク導入部12を本体1から延出して循環流路306を形成し、その先に循環出口307を設けている。循環流路306の下部壁325とダンパ室2の下部壁25とは面一となる。なお、下部壁25の一部には突起部27が形成される。突起部27は、水平方向で隔壁5の先端と略同じ位置に配設される。循環出口307の重力方向上部には接続ポート301が設けられている。接続ポート301にはインク循環チューブ72が接続される。
この圧力吸収用ダンパ300の動作を説明する。通常のインク供給動作については実施の形態1と同様である。インクの循環動作について、例えばインクジェットプリンタの運転を休止している期間、ダンパ室2にインクの粒子が沈殿しないように循環制御を行う。この場合、ポンプ73を駆動することでダンパ室2からインク導入部12を経由して循環流路306にインクを流し、循環流路306の循環出口307からインクを取り出し、インク循環チューブ72により送出する。送出されたインクは、インク循環チューブ72からインク供給チューブ10に合流し、再びインク入口3からインク流路4を経てダンパ室2に導入される。循環動作は運転休止期間に間欠的に行っても良いし、連続的に行っても良い。
この循環動作によりダンパ室2の重力方向下部からインクを攪拌し、ダンパ室2の重力方向下部でインク粒子が沈殿するのを防止できる。特に、隔壁5上の重力方向の上部エリア29付近には、インクの粒子が沈降しやすい。上記のように隔壁5によりインクが略水平方向に流れることで、エリア29のインクの粒子が攪拌され、沈降した粒子がインク出口6に至るのを防止できる。また、循環流路61をインク導入部12の先に設けたので、沈殿したインクの粒子がインクヘッドに運ばれるのを抑制できる。また、インク導入部12に気泡が侵入しても当該気泡を循環出口307から取り出すことができる。例えば、透明フィルム8からインク導入部12の気泡を見ることができるので、気泡がインク導入部12に侵入した際にポンプ73を駆動してインク導入部12の気泡を循環出口307から取り出すように制御しても良い。また、センサーによりインク導入部12の気泡やインク粒子の沈殿を検出し、自動的に循環動作を行うように制御しても良い。また、インクの沈降した粒子は、突起部27によりインク導入部12に侵入し難い。
(実施の形態4)
図4は、この発明の実施の形態4に係るインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す構成図である。この圧力吸収用ダンパ400は、実施の形態1のダンパ室2に第二隔壁5を設けた点に特徴がある。その他の構成については実施の形態1と同様であるからその説明を省略する。
前記第二隔壁405は、重力方向に設けられている。また、隔壁5の先端と右側壁26との間に形成され、第二隔壁405の重力方向下端は隔壁5よりも下、重力方向上端は流路壁24の重力方向下端より上に位置する。隔壁5の水平方向先端と当該第二隔壁405とは一定距離だけ離れている。第二隔壁405はダンパ室2の背面22に一体成形される。
次に、この圧力吸収用ダンパ400の動作について、主に実施の形態1の場合と異なる点について説明する。インク供給チューブ10から流れてきたインクは、インク入口3からインク流路4に入り、隔壁5によりその流れ方向を略水平方向に変換される。続いて、インクは第二隔壁405に当たり重力方向上方への流れを形成する。これにより、ダンパ室2内を循回するようなインクの流れが形成される。また、重力方向上方に流れたインクは第二隔壁405を乗り越えて右側壁26のほうに移動する。一方、インクの流れの一部は、第二隔壁405に当たって重力方向下方に移動する。
インクに含まれる気泡は、略水平方向への流れの途中でインク内を浮上し、液面に至る。また、ダンパ室2内をインクが旋回する過程で気泡が液面近傍に運ばれ、成長した気泡は液面近傍に残るか或いは消滅する。また、第二隔壁405と右側壁26との空間ではインクが緩やかに移動しているので、気泡が重力方向に上昇しやすい。なお、第二隔壁405の形状は、重力方向上部を左側壁23の方向に僅かに湾曲させても良い。これにより、第二隔壁405に当たったインクをより循回しやすくできる。
(実施の形態5)
図5は、この発明の実施の形態5に係る圧力吸収用ダンパを示す構成図である。この圧力吸収用ダンパ500は、射出成形した樹脂製の本体1と、本体1の内部に形成したダンパ室2と、ダンパ室2の上部壁21に設けたインク入口3と、ダンパ室2の下部壁25に設けたインク出口6と、ダンパ室2の中央より下側であって前記インク入口3とインク出口6との間に水平方向に設けられた隔壁505と、ダンパ室2の正面を覆う透明フィルム8と、透明フィルム8が面方向につぶれるのを防止する板バネ9とを備えている。
インク入口3には接続ポート31が形成されている。当該接続ポート31にはインク供給チューブ10が接続される。インク出口6は、インクヘッドと連結し、当該インクヘッドにインクを供給する。前記隔壁505の水平方向の長さは、下部壁25の25%から50%(L1/L2)の範囲とするのが好ましい。また、隔壁505は、前記インク入口3の重力方向直下に位置させるのが好ましい。これは、落下して勢いが付いたインクが液面から入った際に必ず隔壁505に当たるようにするためである。
ダンパ室2の正面には、前記板バネ9が渡されている。板バネ9は金属製の薄板をプレス成形したものであり、幹部91からその直交方向に複数の枝部92を設けた形状であり、幹部91の両端部は左側壁23及び右側壁26に取り付けられる。枝部92は透明フィルム8の面方向のつぶれを防止する。透明フィルム8を用いるのはダンパ室2の内部を目視できるようにするためである。
この圧力吸収用ダンパ500では、インクがインク入口3からダンパ室2に入り、液面に落下する。液面に対して連続的に落下したインクは、その勢いで液中において落下方向の流れを形成するが、隔壁505がインク入口3の直下に位置しているのでインクの重力方向の流れは隔壁505に当たって左右両側ないし水平方向に流れ方向が変換される。隔壁505により流れ方向が変わったインクは、そのままダンパ室2内において略水平方向に流れを形成する。インクに含まれる気泡は、略水平方向への流れの途中で浮上し、液面に至る。水平方向に流れたインクは、右側壁26及び左側壁23に当たり重力方向上方への流れを形成し、ダンパ室2内を循回するような流れを形成する。
このインクのダンパ室2内での流れにおいて気泡は液面近傍に運ばれ、成長した気泡は液面近傍に残るか或いは消滅する。また、液面近傍で中央に向かって流れるインクは、インクの落下の勢いと共に再び重力方向下方に運ばれ、インク室内を循回する。この循回により再び気泡が取り除かれる。そして、隔壁505よりも重力方向上側で主にインクに含まれる気泡が取り除かれ、気泡が除去されたインクが隔壁505と左側壁23との間及び隔壁505と右側壁26との間から当該隔壁505の重力方向下側に入り、ダンパ室2の下部壁25に設けたインク出口6からインクヘッドに供給される。
このように、インク入口3とインク出口6との間に隔壁505を形成し、この隔壁505にインクの流れを当てることで流れの方向を水平方向に変換すると共にインクが循回し、この循回によりインクの気泡が除去される。そして、循回している下から気泡が除去されたインクを取り込み、インク出口6からインクヘッドに供給する。
この圧力吸収用ダンパ500によれば、上記同様、インク中の気泡をダンパ室2内で除去し、インクヘッドへの気泡の導出を抑止できる。
図6は、実施の形態5に係る圧力吸収用ダンパの変形例を示す構成図である。この圧力吸収用ダンパ600は、図5に示した圧力吸収用ダンパ500のインク入口3に流路を形成した点に特徴がある。流路601は、ダンパ室2の上部壁21のインク入口3に接続する形で設けられ、重力方向下端は隔壁5の近傍まで延出している。流路601は、2つの流路壁624を平行かつ重力方向にダンパ室2の背面22に一体形成することで形成する。
この圧力吸収用ダンパ600では、インクがインク入口3からダンパ室2に入る。ダンパ室2に入ったインクは、流路601内を流れ落ちて液面に達する。なお、インクの液面は流路の重力方向下端よりも上にあるものとする。このため、流路を流れ落ちたインクは流路601内で液面に入ることになる。インクは流路601の流路壁624に沿って流れ落ちるか或いは流路いっぱいに流れて液面に至るので、空気の巻き込みを抑制できる。特に、表面張力により流路601内の流れが緩やかになるように当該流路601の幅を設定することで、ゆっくりと液面にインクが入るようになるから、気泡の発生が抑止される。
液面から流れ込んだインクは、隔壁505がインク入口3の重力方向直下に位置しているので、インクの重力方向の流れは隔壁505に当たって左右両側、水平方向に流れ方向が変換される。隔壁505により流れ方向が変わったインクは、そのままダンパ室2内において略水平方向に流れを形成する。インクに含まれる気泡は、略水平方向への流れの途中で浮上し、液面に至る。水平方向に流れたインクは、右側壁26及び左側壁23に当たり上方への流れを形成する。このとき、上方に流れるインクはダンパ室2内を循回するような流れを形成する。このとき、インク入口3から供給されるインクは、前記流路壁624により遮断されているため、ダンパ室2を循回するインクと合流しない。そして、液面近傍で中央に向かって流れるインクは、流路壁624に当たり再び重力方向下方に移動し、インク室内を循回する。
このインクのダンパ室2内での流れにおいて気泡は液面近傍に運ばれ、成長した気泡は液面近傍に残るか或いは消滅する。そして、隔壁505よりも重力方向上側でインクに含まれる気泡が取り除かれ、気泡が除去されたインクが隔壁505と左側壁23及び右側壁26との間から当該隔壁505の重力方向下側に入り、ダンパ室2の下部壁25に設けたインク出口6からインクヘッドに供給される。
このように、流路601を設けることでインクが液面にスムーズに導入され、気泡の発生が抑止される。また、ダンパ室2でのインクの循回から気泡が含まれているインクとの合流を遮断するので、気泡を分離しやすい。
(実施の形態7)
図7は、この発明の実施の形態7に係る圧力吸収用ダンパを示す斜視図である。図8は、図7に示した圧力吸収用ダンパの上面図、正面図及び底面図である。図9は、圧力吸収用ダンパをインクヘッドのキャリッジに装着した状態を示す斜視図である。この圧力吸収用ダンパ700は、インクジェットプリンタのインクヘッド150とインクタンク160との間に設置される。当該圧力吸収用ダンパ700は、射出成形した樹脂製の本体1と、本体1の内部に形成したダンパ室2と、ダンパ室2の上部壁21の左側に設けたインク入口3と、ダンパ室2の左側に形成したサブダンパ室702と、サブダンパ室702の下部壁725から延出したインク流路4と、インク流路4の下側に形成した隔壁5と、隔壁5の重力方向下側に形成したインク導入部12と、インク導入部12の先端に設けたインク出口6と、インク出口6の水平方向反対側に設けた循環流路61と、循環流路61の上端であって本体1の上部に設けた循環出口7と、ダンパ室2の正面を覆う透明フィルム8と、透明フィルム8が面方向につぶれるのを防止する板バネ9とを備えている。
インク入口3には、インク供給チューブ10を接続する接続ポート31が設けられる。また、循環出口7にもインク循環チューブ72を接続する接続ポート71が設けられる。サブダンパ室702は左側壁23、下部壁725及び流路壁24から構成され、正面が透明フィルム8で覆われている。サブダンパ室702は、インク入口3から導入されたインクをいったん溜めるものであり、このサブダンパ室702で気気泡がある程度除去される。また、サブダンパ室702にインクを一時的に溜めることで、インク流路4に滑らかにインクを流すことができる。
インク流路4は、サブダンパ室702に繋がっており、本体1のダンパ室2を構成する背面22と、左側壁23と、当該左側壁23に対して平行に形成した流路壁24とに囲まれて形成される。インク流路4は、インク入口3からダンパ室内に重力方向に形成され、当該インク流路4の重力方向下端からインクをダンパ室2に導出するようになる。インクの流体剥離を防止するために流路壁24の重力方向下端のインク流路4の外側には斜面24aが形成され、流路壁24の重力方向下端は小径の湾曲面51となる。インク流路4の重力方向下端は、ダンパ室2の高さの上から3/4前後に位置する。
隔壁5は、本体1の左側壁23及び背面22と一体成形されており、左側壁23から下部壁25と平行に延出する。この延出した隔壁5の長さは、ダンパ室2の下部壁25の25%から50%(L1/L2)の範囲とするのが好ましい。また、隔壁5は、インク入口3とインク出口6との間に位置する。換言すればインク入口3とインク出口6との直線上に位置し、好ましくは同図に示すようにインク入口3とインク出口6とを結ぶ直線に直交する方向に形成する。隔壁5の根元であって前記インク流路4の出口付近は、湾曲面51となる。この湾曲面51の半径は、インク流路4の幅の3倍程度とする。このように、湾曲面51の半径を流路の幅の3倍にすることでインク流路4から流れ出るインクの流れ方向を緩やかに変えられる。また、気泡の発生を抑止できる。また、隔壁5の先端上部には斜面5aが形成され、その先端部は小径の湾曲面となる。これにより、インクの隔壁5からの剥離による気泡の発生を抑止する。
当該隔壁5と下部壁25との間にはインク導入部12が形成される。下部壁25の左側壁23の近傍には、インク出口6が設けられている。インク出口6は、インクヘッドに連結してインクを供給する。また、上記インク供給チューブ10は当該本体1の上部で取り合いを行うのが好ましい。このため、本体1上部にインク入口3を設ける必要があるところ、係る構成であればインク入口3を本体1上部に設けてもインク液面の下側にインクを流れ出させることができる。
下部壁25の一部には突起部27が形成される。突起部27は、水平方向で隔壁5の先端と略同じ位置に配設される。インクの沈降は、図中エリア28付近で発生しやすい。このため、突起部27により隔壁5と下部壁25との間隙を小さくなり、突起部27によりインクの粒子のインク出口6への移動が阻止される。このため、インク出口6に沈降した粒子が流れず、隔壁5と下部壁25との間隙が小さくなることから気泡がインク出口から出難くなる。
右側壁26の重力方向下部であって前記インク出口6の水平方向反対側には、循環流路706が形成されている。循環流路706は、L字形状であり、ダンパ室2の下部壁25と面一で連続する水平方向の横溝706aと、ダンパ室2の左側壁23に沿って垂直方向に形成された縦溝706bとからなる。循環流路706の重力方向上端であって本体1の上部には循環出口7が設けられている。本体1の循環出口7には接続ポート71が形成されている。接続ポート71には、インク循環チューブ72が接続される(図示省略)。インク循環チューブ72は、前記インク供給チューブ10(図示省略)の途中に連結される。循環流路706は、前記インク出口6と反対側に設けられる。循環流路706をダンパ室2の下部に設けることで、ダンパ室2の底に沈殿するインクの粒子をスムーズに循環できる。
ダンパ室2の正面には、前記板バネ9が渡されている。板バネ9は金属製の薄板をプレス成形したものであり、幹部91からその直交方向に複数の枝部92を設けた形状であり、幹部91の両端部は流路壁24及び右側壁26に取り付けられる。枝部92は透明フィルム8の面方向のつぶれを防止する。透明フィルム8を用いるのはダンパ室2の内部を目視できるようにするためである。
また、上記ダンパ室2、サブダンパ室702などは本体1の片面に形成されており、反対面にも同様の構造が形成される。即ち、本体1の両側にダンパ機能が搭載される。
図9に示すように、圧力吸収用ダンパ700は、キャリッジ152に対して本体1上下部分においてフック構造151により取り付け固定される。なお、これらの取り付け構造は本実施の形態に限定されるものではない。キャリッジ152に取り付けた状態でインク出口6がインクヘッドのインク導入部12(図示省略)に密接してインクが供給可能な状態になる。また、インク供給チューブ10及びインク循環チューブ72を接続ポート31,71に接続する。接続ポート31,71を全て本体1の上部に設けたのは、この圧力吸収用ダンパ700をキャリッジ152に取り付けた状態でインクタンクとの接続を容易にするためである。なお、図中では説明のため本体1の片面のダンパを機能させるようにインク供給チューブ10及びインク循環チューブ72をそれぞれ1本接続しているが、実際には、両面のダンパを機能させるため全ての接続ポート31,71にインク供給チューブ10及びインク循環チューブ72を接続するものとする。
次に、この圧力吸収用ダンパ700の動作について説明する。インク供給チューブ10から流れてきたインクは、インク入口3からサブダンパ室702に入る。サブダンパ室702では、流れ込んだインクが貯留され、この貯留期間にインクに含まれる気泡が上昇してある程度除去される。そして、貯留されたインクはインク入口3からの勢いが緩和され、インク流路4に流れ込む。
続いて、インクは、インク流路4の重力方向下部からダンパ室2に流れ出る。このとき、インクは、前記隔壁5の根元の湾曲面51に沿って流れ方向を垂直方向から水平方向に変換される。湾曲面51によりインクの流れ方向が変換させられることで、インクが隔壁5に対して垂直方向に衝突して気泡が発生するのを抑止できる。特に、湾曲面51が前記インク流路4の出口付近から形成され、当該湾曲面51の半径がインク流路4の幅の3倍以上になっているので、インクが緩やかにガイドされつつその流れ方向を変えられる。
隔壁5により流れ方向が変えられたインクは、そのままダンパ室2内において略水平方向に流れを形成する。隔壁5上の重力方向の上部エリア29付近には、インクの粒子が沈降しやすい。上記のように隔壁5によりインクが略水平方向に流れることで、エリア29のインクの粒子が攪拌され、沈降した粒子がインク出口6に至るのを防止できる。また、インクに含まれる気泡は、略水平方向への流れの途中で浮上し、液面に至る。水平方向に流れたインクは、右側壁26に当たり重力方向上方への流れを形成する。このとき、重力方向上方に流れるインクはダンパ室2内を循回する。この流れの過程において気泡は液面近傍に運ばれ、成長した気泡は液面近傍に残るか或いは消滅する。液面近傍で右側壁26から左側壁23に向かって流れるインクは、流路壁24に当たり重力方向下方に移動するが、重力方向下方には前記隔壁5が位置しており且つインクの水平方向の流れがあるので、再び左側壁23から右側壁26に向かう略水平方向の流れに乗り、インク室内を循回する。この循回により再び気泡が取り除かれる。
一方、インク導入部12には、隔壁5と右側壁26との間からインクが流れ込む。インクは勢いよく当該インク導入部12に流れ込むのではなく、ダンパ室2で循回しているインクから取り出されるような形で流れ込む。このため、勢いのある流れにより気泡を巻き込みにくい。また、インクに含まれる気泡は、サブダンパ室702及びダンパ室2で取り除かれているので、インク導入部12に導入されたインクには気泡が殆ど含まれない。更に、インクの沈降した粒子は、突起部27によりインク導入部12に侵入し難い。インク導入部12に導入されたインクは、インク出口6からインクヘッドに供給される。
このように、隔壁5をダンパ室2の左側壁23から延出して当該ダンパ室2内にインクの循回状態を形成することでインクに含まれる気泡が浮上して取り除かれる。また、インク流路4によりインクをダンパ室2の重力方向下部から出し、略水平方向の流れと右側壁26における重力方向に上昇する流れを形成することで気泡を浮上させる働きを持たせるので、気泡が循回過程において除去され、インク出口6に運ばれ難い。
次に、例えばインクジェットプリンタの運転を休止している期間、圧力吸収用ダンパ100のダンパ室2にインクの粒子が沈殿しないように循環制御を行う。この場合、ポンプ73を駆動することでダンパ室2から循環流路706にインクを流し、循環流路706の循環出口7からインクを取り出し、インク循環チューブ72により送出する。送出されたインクは、インク循環チューブ72からインク供給チューブ10に合流し、再びインク入口3からインク流路4を経てサブダンパ室702、ダンパ室2に導入される。循環動作は運転休止期間に間欠的に行っても良いし、連続的に行っても良い。
この循環動作によりダンパ室2の重力方向下部からインクを攪拌し、ダンパ室2の重力方向下部でインク粒子が沈殿するのを防止できる。また、循環流路61をダンパ室2の重力方向下部に設けることで、沈殿したインクの粒子を確実に循環できる。特に、循環流路61の下部壁25と面一に形成することで粒子が滞留することなく循環する。
(実施の形態8)
図10は、この発明の実施の形態8に係るインクジェットプリンタの圧力吸収用ダンパを示す構成図である。この圧力吸収用ダンパ800では、上記実施の形態1〜7に開示の構成の他、図10(a)に示す構成を採用することができる。具体的には、射出成形した樹脂製の本体1と、本体1の内部に形成したダンパ室2と、ダンパ室2の上部壁21の水平方向片側に設けたインク入口3と、ダンパ室2の右側壁26の重力方向下方に設けたインク出口6と、下部壁25の略中央付近に重力方向に立設した隔壁805と、ダンパ室2の正面を覆う透明フィルム8とを備えている。また、前記隔壁805は、インク入口3から導入されたインクのインク出口6に向かう流れ(図中矢印で示す)の間に配設される。
インク入口3には接続ポート31が形成されている。当該接続ポート31にはインク供給チューブ(図示省略)が接続される。インク出口6は、インクヘッドと連結し、当該インクヘッドにインクを供給する。この圧力吸収用ダンパ800では、インク入口3から導入されたインクが重力により重力方向の下方に流れ、このインクが下部壁25によりその流れ方向が水平方向に変えられる。そして、隔壁805に当たりそのまま重力方向の上方に流れ、ダンパ室2内を循環する。インクに含まれる気泡は、略水平方向への流れの途中で浮上し、液面に至り、消滅する。循環しているインクのうち、隔壁805を越えたものがインク出口6から導出される。かかる構成においてもインク中の気泡をダンパ室2内で除去し、インクヘッドへの気泡の導出を抑止できる。
この圧力吸収用ダンパ850では、上記実施の形態1〜7に開示の構成の他、図10(b)に示す構成を採用することができる。具体的には、射出成形した樹脂製の本体1と、本体1の内部に形成したダンパ室2と、ダンパ室2の左側壁23の重力方向下方に設けたインク入口3と、ダンパ室2の右側壁26の重力方向下方に設けたインク出口6と、下部壁25の略中央付近に重力方向に立設した隔壁805と、ダンパ室2の正面を覆う透明フィルム8とを備えている。また、前記隔壁805は、インク入口3から導入されたインクのインク出口6に向かう流れ(図中矢印で示す)の間に配設される。
インク入口3には接続ポート31が形成されている。当該接続ポート31にはインク供給チューブ(図示省略)が接続される。インク出口6は、インクヘッドと連結し、当該インクヘッドにインクを供給する。この圧力吸収用ダンパ850では、インク入口3から導入されたインクが水平方向に流れ、このインクが下部壁25によりその流れ方向が水平方向に変えられる。そして、隔壁805に当たりそのまま重力方向の上方に流れ、ダンパ室2内を循環する。インクに含まれる気泡は、略水平方向への流れの途中で浮上し、液面に至り、消滅する。循環しているインクのうち、隔壁805を越えたものがインク出口6から導出される。かかる構成においてもインク中の気泡をダンパ室2内で除去し、インクヘッドへの気泡の導出を抑止できる。
100 圧力吸収用ダンパ
1 本体
2 ダンパ室
3 インク入口
4 インク流路
5 隔壁
6 インク出口
7 循環出口
8 透明フィルム
9 板バネ
23 左側壁
24 流路壁
25 下部壁
26 右側壁

Claims (5)

  1. インクジェットプリンタのインクヘッドとインクタンクとの間に設置する圧力吸収用ダンパであって、
    本体の内部に形成したダンパ室と、
    前記インクタンクからインクを導入する前記ダンパ室に設けたインク入口と、
    前記インクヘッドにインクを導出する前記ダンパ室に設けたインク出口と、
    前記ダンパ室内のインク入口とインク出口との間に形成され、インク入口から導入され たインクのインク出口に向かう流れの間に配設された隔壁と、
    を備えたことを特徴とする圧力吸収用ダンパ。
  2. 前記隔壁が前記ダンパ室を形成する側壁から延設され、前記インク入口が隔壁の根元付近の前記側壁に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧力吸収用ダンパ。
  3. 前記インク入口が前記本体上方に設けられ、このインク入口からインク流路がダンパ室内に略重力方向に形成されると共に、前記インク出口は前記本体下方に設けられ、前記インク流路の重力方向下端と前記インク出口との間には前記隔壁が配設されることを特徴とする請求項1に記載の圧力吸収用ダンパ。
  4. 前記隔壁は、前記インク流路を形成した側の側壁から延設され、その根元上面には湾曲面が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の圧力吸収用ダンパ。
  5. 前記ダンパ室の下部にインクの循環流路を設け、当該循環流路に設けられ且つインク循環用チューブを接続可能な循環出口を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の圧力吸収用ダンパ。
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