JP2014089495A - フィードバック制御方法、フィードバック制御装置、およびフィードバック制御プログラム - Google Patents

フィードバック制御方法、フィードバック制御装置、およびフィードバック制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】操作量の飽和を回避して、目標値に対する追従性を高めることのできるフィードバック制御方法、フィードバック制御装置、およびフィードバック制御プログラムを提供する。
【解決手段】制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御方法が提供される。フィードバック制御方法は、ローパス特定を持つフィルタを用いて目標値をフィルタリングするステップ150と、フィルタリング後の目標値と観測量との偏差に応じて操作量を決定するステップ160と、目標値が変更されたこと、および、決定された操作量が予め定められた許容範囲を逸脱もしくは当該許容範囲に接近したこと、の少なくとも一方に応じて、フィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせるステップ190とを含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御方法、フィードバック制御装置、およびフィードバック制御プログラムに関する。
現在、PID制御系をはじめとするフィードバック制御系は、温度制御、速度制御、位置制御といった様々な用途で利用されている。このようなフィードバック制御系は、制御対象から取得される観測量が設定された目標値に追従するように、制御対象に対する操作量が連続的に算出される。
このようなフィードバック制御系では、目標値特性とフィードバック特性とを独立に制御できる2自由度制御系が知られている(例えば、非特許文献1のpp.69−106)。このような2自由度制御系の一例として、目標値フィルタ型2自由度PID制御系がある。この目標値フィルタ型2自由度PID制御系では、目標値は目標値フィルタへ入力され、そのフィルタリング後の値と観測量との間で算出される偏差に対して、PID制御が実行される。このような目標値フィルタ型2自由度PID制御系では、目標値フィルタの時定数と、後段に配置されるPID制御系の積分時定数とは同一の値に設定される。
「システム制御情報ライブラリー 6 PID制御」、システム制御情報学会、朝倉書店、1992年07月20日
一般的に、PID制御系の時定数は、制御対象の時定数などを考慮して決定される。しかしながら、新たに設定された目標値と制御対象の観測量との差が大きいような場合には、制御対象へ出力される操作量が飽和してしまう。一例として、工業炉の温度制御を考えると、工業炉が常温まで冷めているような状態において、目標値として通常の運転温度(例えば、1000°)を設定した場合には、目標値と現在の観測量との差が大きいので、目標値まで昇温されるのに要する時間は、目標値フィルタの時定数より長くなり得る。そのため、制御対象の観測量が目標値に近付く前に、目標値フィルタから出力される値が入力された目標値に到達してしまい、PID制御系の積分要素での積分値が過大になる。その結果、制御対象(例えば、ヒータ)に対する操作量が飽和してしまう。このように操作量が一旦飽和してしまうと、制御対象の観測量が目標値に近付いたとしても、過大な操作量が出力され続けてしまう。その結果、制御対象の観測量には、いわゆるオーバシュートが生じてしまう。
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、その目的は、操作量の飽和を回避して、目標値に対する追従性を高めることのできるフィードバック制御方法、フィードバック制御装置、およびフィードバック制御プログラムを提供することである。
本発明のある局面によれば、制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御方法が提供される。フィードバック制御方法は、ローパス特性を持つフィルタを用いて目標値をフィルタリングするステップと、フィルタリング後の目標値と観測量との偏差に応じて操作量を決定するステップと、目標値が変更されたこと、および、決定された操作量が予め定められた許容範囲を逸脱もしくは当該許容範囲に接近したこと、の少なくとも一方に応じて、フィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせるステップとを含む。
好ましくは、遅らせるステップは、目標値が変更されると、当該目標値の変更幅の大きさに応じて、フィルタの時定数をより長くする。
さらに好ましくは、フィードバック制御方法は、フィルタの時定数の設定・変更を受け付けるステップをさらに含む。
さらに好ましくは、フィードバック制御方法は、設定されているフィルタの時定数の値を表示するステップをさらに含む。
好ましくは、遅らせるステップは、目標値が変更された場合であっても、当該目標値の変更幅が予め定められた値より小さいときには、フィルタの時定数を維持する。
好ましくは、遅らせるステップは、決定された操作量が許容範囲を逸脱している間、フィルタリング後の目標値の変化速度を抑制するステップを含む。
好ましくは、遅らせるステップは、決定された操作量が許容範囲を逸脱している間、フィルタリング後の目標値を逸脱前の値に維持するステップを含む。
好ましくは、遅らせるステップは、決定された操作量の変化速度と、許容範囲に対する余裕量とに基づいて、許容範囲への接近を検出するステップを含む。
本発明の別の局面によれば、制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御方法が提供される。フィードバック制御方法は、ローパス特性を持つフィルタを用いて目標値をフィルタリングするステップと、フィルタリング後の目標値と観測量との偏差に応じて操作量を決定するステップと、操作量を決定するための積分要素を含む制御系の積分時定数Tおよび係数kに関連付けて、フィルタの時定数であるフィルタ時定数を、フィルタ時定数=積分時定数T×係数kに従って算出するステップとを含む。
好ましくは、フィードバック制御方法は、係数kの設定・変更を受け付けるステップをさらに含む。
好ましくは、フィードバック制御方法は、設定されている係数kの値を表示するステップをさらに含む。
本発明のさらに別の局面によれば、制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御装置が提供される。フィードバック制御装置は、目標値をフィルタリングする、ローパス特性を持つフィルタと、フィルタリング後の目標値と観測量との偏差に応じて操作量を決定する制御部と、目標値が変更されたこと、および、決定された操作量が予め定められた許容範囲を逸脱もしくは当該許容範囲に接近したこと、の少なくとも一方に応じて、フィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる調整部とを含む。
好ましくは、調整部は、目標値が変更されると、当該目標値の変更幅の大きさに応じて、フィルタの時定数をより長くするように構成される。
さらに好ましくは、フィルタの時定数の設定・変更を受け付ける設定手段をさらに備える。
さらに好ましくは、設定されているフィルタの時定数の値を表示する設定手段をさらに備える。
好ましくは、調整部は、目標値が変更された場合であっても、当該目標値の変更幅が予め定められた値より小さいときには、フィルタの時定数を維持するように構成される。
好ましくは、調整部は、決定された操作量が許容範囲を逸脱している間、フィルタリング後の目標値の変化速度を抑制するように構成される。
好ましくは、調整部は、決定された操作量が許容範囲を逸脱している間、フィルタリング後の目標値を逸脱前の値に維持するように構成される。
好ましくは、調整部は、決定された操作量の変化速度と、許容範囲に対する余裕量とに基づいて、許容範囲への接近を検出するように構成される。
本発明のさらに別の局面によれば、制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御装置が提供される。フィードバック制御装置は、目標値をフィルタリングする、ローパス特性を持つフィルタと、フィルタリング後の目標値と観測量との偏差に応じて操作量を決定する制御部と、操作量を決定するための積分要素を含む制御系の積分時定数Tおよび係数kに関連付けて、フィルタの時定数であるフィルタ時定数をフィルタ時定数=積分時定数T×係数kに従って算出する設定手段とを含む。
好ましくは、設定手段は、係数kの設定・変更を受け付ける。
好ましくは、設定手段は、設定されている係数kの値を表示する。
本発明のさらに別の局面によれば、制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御プログラムが提供される。フィードバック制御プログラムは、コンピュータに、ローパス特性を持つフィルタを用いて目標値をフィルタリングするステップと、フィルタリング後の目標値と観測量との偏差に応じて操作量を決定するステップと、目標値が変更されたこと、および、決定された操作量が予め定められた許容範囲を逸脱もしくは当該許容範囲に接近したこと、の少なくとも一方に応じて、フィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせるステップとを実行させる。
本発明によれば、操作量の飽和を回避して、目標値に対する追従性を高めることができる。
本実施の形態に係る制御装置を含むフィードバック制御系の全体構成を示す模式図である。 本実施の形態に係る制御装置の装置構成を示す模式図である。 本実施の形態の関連技術に従う制御装置を含むフィードバック制御系の全体構成を示す模式図である。 本実施の形態の関連技術に従う制御装置を含むフィードバック制御系を要素別に表現した制御ブロック図である。 一般的な目標値フィルタ型2自由度PID制御系におけるシミュレーション結果の一例を示す図である。 本実施の形態に従う制御装置を含むフィードバック制御系の全体構成を示す模式図である。 本実施の形態に従う制御装置を含むフィードバック制御系の全体構成を示す模式図である。 実施の形態1に従う制御装置における目標値フィルタの時定数Tfの変更処理を説明するための概念図である。 実施の形態1に従う制御装置における目標値フィルタの時定数Tfの変更処理に係る設定例を示す図である。 実施の形態1に従う目標値フィルタ型2自由度PID制御系におけるシミュレーション結果の一例を示す図である。 実施の形態1に従う制御装置における目標値フィルタの時定数Tfの変更処理に係る別の設定例を示す図である。 実施の形態1に従う制御装置において実行される処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態2に従う制御装置における目標値フィルタにおけるフィルタリングの変更処理を説明するための概念図である。 実施の形態2に従う目標値フィルタ型2自由度PID制御系におけるシミュレーション結果の一例を示す図である。 実施の形態2に従う制御装置における操作量の予測処理を説明するための概念図である。 実施の形態2に従う制御装置において実行される処理手順を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
[A.フィードバック制御系]
まず、本実施の形態に係る制御装置10を含むフィードバック制御系1の全体について説明する。図1は、本実施の形態に係る制御装置10を含むフィードバック制御系1の全体構成を示す模式図である。図1に示すフィードバック制御系1は、PID制御系を含む。本明細書において、「PID制御系」は、比例動作(Proportional Operation:P動作)を行なう比例要素、積分動作(Integral Operation:I動作)を行なう積分要素、および微分動作(Derivative Operation:D動作)を行なう微分要素のうち、少なくとも一つの要素を含む制御系を総称する用語である。すなわち、本明細書において、PID制御系は、比例要素、積分要素および微分要素のいずれをも含む制御系に加えて、一部の制御要素、例えば比例要素および積分要素のみを含む制御系(PI制御系)なども包含する概念である。
一例として、図1には、加熱炉2の温度調整に係るフィードバック制御系1を示す。このフィードバック制御系1において、制御装置10は、加熱炉2から測定された温度(観測量:Process Value;以下「PV」とも記す。)が、入力された目標値(設定値:Setting Value;以下「SV」とも記す。)と一致するように、操作量(Manipulated Value;以下「MV」とも記す。)を出力する。すなわち、制御装置10は、制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、制御対象へ出力する操作量を決定する。
制御工学の分野において、「観測量」は「制御量」に何らかの誤差を含む値として定義されるが、この誤差を無視すれば、「観測量」は制御対象の「制御量」とみなすことができる。そのため、以下の説明において、「観測量」は「制御量」と読み替えてもよい。
フィードバック制御系1において、制御装置10が調節部に相当し、加熱炉2と、ソリッドステートリレー(Solid State Relay:SSR)4を介して電源5から電力を供給されるヒータ3と、加熱炉2内に設けられた温度センサ6とが制御対象に相当する。ヒータ3は、典型的には抵抗体であり、供給される電力を熱エネルギーに変換する。温度センサ6は、加熱炉2内の温度を測定する検出部であり、熱電対や抵抗測温体(白金抵抗温度計)からなる。
制御装置10は、後述するようなPID制御系に係る処理を実行することで算出された操作量をソリッドステートリレー4に対して出力する。フィードバック制御系1において、原則として、操作量は0〜100[%]の範囲の値をとり、ソリッドステートリレー4は、電源5からヒータ3までの回路を操作量に応じたデューティー比(duty ratio)でオン/オフ制御する。例えば、操作量が50[%]であれば、予め定められた制御周期の50[%]の期間がオン(通電状態)にされ、残りの50[%]の期間がオフ(非通電状態)にされる。この場合、十分に長い時間でみれば、ヒータ3からの単位時間あたりの発熱量は、ヒータ3を常時通電した場合の50[%]になる。
このように、制御装置10は、操作量を調整することで、加熱炉2の温度(実際には、温度センサ6による測定値)を目標値と一致させる。但し、ヒータ3の発熱量は、デューティー比に依存することになり、原理的に0〜100[%]の範囲でしか発熱量を調整できない。そのため、PID制御系において算出された操作量が100%を超える場合や、0%を下回る場合などには、制御対象はその操作量に沿った動作を行なうことができない。本明細書において、このような状態(MV≧100[%]および/またはMV≦0[%])を操作量が「飽和」していると表現する。
[B.制御装置]
次に、本実施の形態に係る制御装置10の装置構成について説明する。図2は、本実施の形態に係る制御装置10の装置構成を示す模式図である。図2を参照して、制御装置10は、入力回路110と、アナログ・デジタル変換部112(以下、「A/D変換部112」とも記す。)と、表示部120と、操作部122と、通信インターフェイス124と、処理部100と、デジタル・アナログ変換部114(以下、「D/A変換部114」とも記す。)と、出力回路116とを含む。
入力回路110は、温度センサ6からの測定信号を受信し、予め定められた範囲の電圧/電流信号を出力する。温度センサ6が熱電対である場合には、入力回路110は、その両端に発生する熱起電力を検出する回路を含む。あるいは、温度センサ6が抵抗測温体である場合には、入力回路110は、当該抵抗測温体に生じる抵抗値を検出する回路を含む。さらに、入力回路110は、高周波成分を除去するためのフィルタ回路を含んでいてもよい。
A/D変換部112は、入力回路110からのアナログ信号をデジタル信号へ変換し、処理部100へ出力する。
操作部122は、図1に示す操作パネルに設けられたボタンやスイッチなどを含み、ユーザの操作を受け付け、その受け付けたユーザ操作を示す情報を処理部100へ出力する。典型的には、操作部122は、ユーザから目標値(SV)を受け付ける。
通信インターフェイス124は、外部の装置(典型的には、PLC(Programmable Logic Controller))との間で各種情報を遣り取りする。システム構成例として、上位に配置されたPLCから制御装置10に対して目標値が入力される場合があり、このような場合に、PLCからの情報(例えば、SV)は通信インターフェイス124を介して、処理部100へ入力される。
表示部120は、図1に示す操作パネルに設けられたディスプレイやインジケータなどを含み、処理部100における処理の状態を示す情報をユーザへ通知する。
処理部100は、後述するような、本実施の形態に係る制御を実現するための演算主体であり、プロセッサ102と、メモリ104と、プログラムモジュール106とを含む。プロセッサ102は、プログラムモジュール106を実行することで、後述するような処理を実現する。この際、読み出されたプログラムモジュール106および処理に必要なデータ(PVおよびSVなど)は、メモリ104に一次的に格納される。プロセッサ102としては、汎用のCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)を用いてもよいし、デジタル信号処理に向けられたDSP(Digital Signal Processor)を用いてもよい。プログラムモジュール106は、フラッシュメモリなどの不揮発性記憶媒体に格納される。プログラムモジュール106については、各種の記録媒体を介して、アップデータできるように構成されてよい。そのため、プログラムモジュール106自体も本発明の技術的範囲に含まれ得る。処理部100については、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いて構成してもよい。
D/A変換部114は、処理部100で算出された操作量を示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、出力回路116へ出力する。
出力回路116は、D/A変換部114からのアナログ信号を制御対象(図1に示す例では、ソリッドステートリレー4)に応じた信号に成形して出力する。例えば、操作量の0〜100[%]が0〜10[V]の電圧信号に対応する場合には、出力回路116は、この電圧範囲の信号が出力されるように調整する。あるいは、出力回路116は、操作量の値に応じたデューティー比を有するPWM信号を発生する。なお、操作量(MV)に応じた動作を行なう部位(図1に示す例では、ソリッドステートリレー4)をアクチュエータとも記す。
[C.2自由度制御系]
本実施の形態に係る制御装置10は、フィードバック制御系として2自由度制御系を実装している。この2自由度制御系の典型例として、以下では、目標値フィルタ型2自由度PID制御系について説明する。この目標値フィルタ型2自由度PID制御系について、その概要および生じ得る課題について説明する。
図3は、本実施の形態の関連技術に従う制御装置10#を含むフィードバック制御系1#の全体構成を示す模式図である。制御装置10#は、フィードバック制御系として、一般的な目標値フィルタ型2自由度PID制御系が実装されているとする。図3を参照して、制御装置10#は、PID制御系に関する機能構成として、目標値フィルタ150と、フィードバック補償要素である制御部160とを含む。目標値フィルタ150は、フィードバック制御系1#における目標値特性を決定し、制御部160は、フィードバック制御系1#におけるフィードバック特性を決定する。目標値フィルタ150は、目標値の変更に対する応答特性を改善することが目的とされている。
図4は、本実施の形態の関連技術に従う制御装置10#を含むフィードバック制御系1#を要素別に表現した制御ブロック図である。説明の便宜上、図4には、目標値フィルタ150および制御部160として、単純化されたPID制御系を示すが、それぞれの目的を達成する限り、より複雑な、すなわちより多くの制御要素の組合せで構成された制御系を採用してもよい。
図4には、目標値フィルタ150として1次遅れフィルタを採用する例を示す。すなわち、目標値フィルタ150の伝達関数F(s)=(1+αTs)/(1+Ts)とする。ここで、Tは、時定数であり、後段の制御部160における積分時定数と同じ値に設定される。αは予め定められた係数である。目標値フィルタ150は、ローパス特性(低域通過特性)を持ち、入力される目標値(SV)に対して時間的なフィルタリングを行なうことで、フィルタリング後の目標値(SV’)を算出する。そのため、何らかの目標値(SV)が変更されると、フィルタリング後の目標値(SV’)は、目標値フィルタ150に固有の時定数に応じた時間の遅れをもって変更後の目標値に追従する。
また、制御部160として、PI制御系を採用する例を示す。もちろん、微分要素を加えて、PID制御系を採用してもよい。より具体的には、制御部160では、差分要素162において、目標値フィルタ150からフィルタリング後の目標値(SV’)と観測量(PV)との差分を算出し、その差分がPI要素164に入力されることで、操作量(MV)が算出される。PI要素164は、一種の1次遅れフィルタであり、その伝達関数C(s)=K(1+1/Ts)とする。ここで、Kは、比例ゲインである。すなわち、制御部160は、フィルタリング後の目標値と観測量との偏差に応じて操作量を決定する。
積分要素は、比例動作のみでは定常偏差(オフセット)が残留することを解消するために用いられ、対応する積分時定数の逆数に応じた変化速度で積分値を増減させる。図4に示すように、制御部160(PI要素164)は、積分要素(伝達関数において、1/s,1/s,…の部分)を含む。目標値フィルタ150は、一次遅れ伝達関数によって実現されるローパス特性を有しており、このローパス特性により目標値をフィルタリングする。
図3および図4に示す目標値フィルタ型2自由度PID制御系では、制御対象の伝達関数P(s)に応じて、制御部160の伝達関数C(s)が決定される。すなわち、制御対象の応答特性に応じて、PI要素164の比例ゲインKおよび積分時定数Tがチューニングされる。その上で、目標値フィルタ150による目標値特性(伝達関数F(s))が決定される。
目標値(SV)が変更されると、このようにチューニングされた目標値フィルタ150は、その伝達関数P(s)に従ってフィルタリング後の目標値(SV’)を算出する。このようなフィルタリングによって、差分要素162に入力される目標値が急激に変化することが妨げられ、目標値フィルタ150の時定数に応じて徐々に変化する。そのため、PI要素164に入力される差分も急激に変化することなく、制御対象の応答特性に応じた変化速度で徐々に増減する。これによって、PI要素164の積分要素に蓄積される偏差に応じた値が過大になることを防止する。概念的に表現すれば、目標値が変更されると、目標値フィルタ150は、PI要素164および制御対象を含む系全体の応答特性に適合した変化率で、目標値を現在値から変更後の値まで徐々に変化させる。これにより、制御部160の操作量の飽和を防止する。
[D.2自由度制御系における課題および解決手段]
上述のような目標値フィルタ150を採用することで、目標値が変更された場合であっても、制御対象を安定的に制御できる。しかしながら、目標値の変更幅が過大になった場合には、制御対象がその変更後の目標値に追従する前に、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値が変更後の目標値に到達してしまう。そのため、制御部160においてPI要素164に入力される偏差が過大になり、そのため、PI要素164の積分要素に蓄積される値(積分値)も過大になる。その結果、制御部160から出力される操作量が飽和する。操作量が飽和すると、観測量の変化速度が制限されてしまい、操作量に飽和がない場合と比較して、観測量が目標値に到達するまでに要する時間が長くなる傾向がある。
図5は、一般的な目標値フィルタ型2自由度PID制御系におけるシミュレーション結果の一例を示す図である。図5に示すシミュレーション例においては、目標値(SV)および観測量(PV)がいずれも0[%]で定常状態となっているときに、基準時間(時間=0)において、目標値(SV)が100[%]に変更された場合の時間的な挙動を示す。図5に示すように、目標値(SV)が0[%]から100[%]に変更されると、フィルタリング後の目標値(SV’)も比較的短時間で100[%]まで到達し、その結果、制御部160から出力される操作量(MV)についても比較的短時間の間に飽和していることがわかる。言い換えれば、このような操作量が飽和してしまうと、観測量が目標値に到達する前に、目標値フィルタ150の出力値(フィルタリング後の目標値)が立ち上がってしまうので、フィルタ効果が無くなってしまう。フィルタ効果が無くなることで、PI要素164の積分要素に蓄積される値(積分値)が過大になる。その結果、観測量が目標値に到達しても、操作量が飽和した状態を維持することになり、制御対象にオーバシュートや揺れが発生する。
本願発明者らは、このような目標値フィルタ型2自由度PID制御系における新規な課題を見出すとともに、目標値フィルタ150でのフィルタ効果の低減/消滅がその原因であることを見出した。その上で、本願発明者らは、一般的な目標値フィルタ型2自由度PID制御系において、目標値フィルタ150の時定数、すなわち目標値フィルタ150のローパス特性が、操作量が飽和したか否かにかかわらず一定であることに着目した。
そして、本願発明者らは、操作量が飽和しそうな状況や、操作量が飽和した状況において、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせることで、操作量の飽和を防止または低減し、それによって、フィードバック制御系の応答特性を改善することができるという新規な技術思想に想到した。
このような目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせるための実現手段としては、典型的には、目標値フィルタ150のローパス特性に係る時定数Tfをより長い方向に変更するといった方法や、目標値フィルタ150での出力更新動作を停止する方法がある。なお、後者の方法は、ローパス特性に係る時定数Tfを無限大にすることと等価である。さらに、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせることができれば、いずれの方法を採用してもよい。
図6および図7は、本実施の形態に従う制御装置10を含むフィードバック制御系の全体構成を示す模式図である。説明の便宜上、制御装置10の後に、各実施の形態を識別するための符号「A」、「B」、「C」を付加している。いずれの制御装置10についても、上述した構成などは基本的には同一である。
図6(a)には、目標値の変更幅に応じて、目標値フィルタ150のローパス特性を変更するための構成(オフラインで時定数を補正する方式)を示し、図6(b)には、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値に応じて、目標値フィルタ150のローパス特性を変更するための構成(オンラインで時定数を補正する方式)を示す。すなわち、図6(a)には、操作量が飽和する可能性がある場合に、予め目標値フィルタ150のローパス特性を適正化する方法を採用した場合の構成を示し、図6(b)には、操作量が飽和した場合、または、飽和しそうな場合に、目標値フィルタ150のローパス特性を適正化する方法を採用した場合の構成を示す。
より具体的には、図6(a)に示すフィードバック制御系1Aでは、制御装置10Aは、目標値フィルタ150および制御部160に加えて、目標値フィルタ調整部170を含む。目標値フィルタ調整部170は、目標値が変更されたことに応じて、目標値フィルタ150の時定数Tfをより長くなる方向に変更する。すなわち、目標値フィルタ調整部170は、目標値フィルタ150のローパス特性に係る時定数Tfを変更することで、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる。このとき、目標値フィルタ調整部170は、目標値が変更されると、当該目標値の変更幅(絶対値)の大きさに応じて、時定数Tfをより長くなる方向に変更する。
また、図6(b)に示すフィードバック制御系1Bでは、制御装置10Bは、目標値フィルタ150および制御部160に加えて、目標値フィルタ調整部180を含む。目標値フィルタ調整部180は、決定された操作量が予め定められた許容範囲を逸脱、もしくは、決定された操作量が予め定められた許容範囲に接近したことに応じて、目標値フィルタ150の時定数Tfをより長くなる方向に変更する。すなわち、目標値フィルタ調整部180は、決定された操作量が許容範囲を逸脱している間、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせることで、フィルタリング後の目標値の変化速度を抑制する。目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる手段として、目標値フィルタ150に係る時定数Tfをより長くする方向に変更する方法や、目標値フィルタ150での出力更新動作自体を停止する方法がある。
さらに、図7に示す制御装置10Cのように、図6(a)に示す目標値フィルタ調整部170、および、図6(b)に示す目標値フィルタ調整部180の両方の機能を搭載した目標値フィルタ調整部190を採用してもよい。
以下、各制御装置における動作および処理の詳細について説明する。
[E.実施の形態1]
次に、実施の形態1として、図6(a)に示す制御装置10Aについて説明する。上述したように、実施の形態1に従う制御装置10Aは、目標値の変更幅に応じて、目標値フィルタ150による出力更新動作(時定数Tf)を変更する。このとき、目標値の変更幅の大きさに応じて、時定数Tfの長さを決定する。すなわち、目標値の変更幅が大きいほど、目標値フィルタ150の時定数Tfをより長い方向に変更する。
(e1:目標値フィルタの時定数変更処理の概要)
図8は、実施の形態1に従う制御装置10Aにおける目標値フィルタ150の時定数Tfの変更処理を説明するための概念図である。図8(a)は、目標値SVがSV0からSV1へ変更された場合(変更幅ΔSV1)の例を示し、図8(b)は、目標値SVがSV0からSV2(>SV1)へ変更された場合(変更幅ΔSV2>ΔSV1)の例を示す。
図8(a)を参照して、時刻t1において、目標値SVがSV0からSV1へ変更されると、制御装置10A(目標値フィルタ調整部170)は、目標値フィルタ150の時定数TfをTf0からTf1(>Tf0)へ変更する。目標値の変更に伴って、目標値フィルタ150の出力が増加(または、減少)することになるが、変更幅ΔSV1が大きければ出力の変化速度も大きくなり、目標値フィルタ150のフィルタ効果の持続時間が短くなる。そこで、時定数Tfをより長い方向に変更することで、目標値フィルタ150の出力の変化速度を抑制し、フィルタ効果の持続時間を長くする。
また、図8(b)を参照して、時刻t1において、目標値SVがSV0からSV2へ変更されると、制御装置10Aは、目標値フィルタ150の時定数TfをTf0からTf2(>Tf1)へ変更する。すなわち、制御装置10Aは、目標値の変更幅(絶対値)が大きいほど、時定数Tfをより長くなる方向に変更する。これにより、目標値SVの変更幅ΔSVに影響されることなく、出力の変化速度をほぼ一定に保つことができる。
(e2:目標値フィルタの時定数の決定方法(その1))
次に、このような目標値の変更幅に応じた目標値フィルタ150の時定数の決定方法の一例について説明する。
対象のフィードバック制御系において、目標値の変更幅が過大であるか否かは、フィードバック補償要素である制御部160におけるフィードバック特性(伝達関数)に応じて定まることになる。そこで、制御部160のPI要素164(伝達関数C(s)=K(1+1/Ts))の比例帯PbとΔSVとの大きさの関係に応じて、目標値フィルタ150の時定数Tfを決定する。ここで、比例帯Pbは、Kが規格化された比例ゲインであるとすると、比例帯Pbは比例ゲインの逆数、すなわち、比例帯Pb=1/Kとなる。より具体的には、目標値の変更幅ΔSVが比例帯Pbよりも大きい場合には、以下の(1)式に従って算出される目標値フィルタ時定数補正係数βを用いて、(2)式に従って目標値フィルタ150の標準時定数Tf0を補正することで、目標値フィルタの時定数Tfを算出する。
目標値フィルタ時定数補正係数β=変更幅ΔSV/比例帯Pb…(1)
(但し、目標値フィルタ時定数補正係数β≧1.0)
時定数Tf=標準時定数Tf0×目標値フィルタ時定数補正係数β…(2)
なお、目標値フィルタ150の標準時定数Tf0は、制御部160のPI要素164の伝達関数に応じて決定される。典型的には、標準時定数Tf0は、PI要素164の積分時定数Tと同じ値に設定される。
図9は、実施の形態1に従う制御装置10Aにおける目標値フィルタ150の時定数Tfの変更処理に係る設定例を示す図である。図9(a)は、上述の(1)式に従って算出される目標値フィルタ時定数補正係数βをプロットした図である。図9(a)に示すように、目標値SVの変更幅ΔSVが比例帯Pbより大きい場合には、目標値フィルタ時定数補正係数βは、変更幅ΔSVに比例して増加する。
但し、変更幅ΔSVが比例帯Pb以下である場合には、操作量が飽和することなく、制御対象を制御できることが予測されるので、目標値フィルタ150の時定数としては、標準時定数が採用される。すなわち、目標値フィルタ時定数補正係数βは、1に維持される。言い換えれば、制御装置10Aの目標値フィルタ調整部180は、目標値が変更された場合であっても、目標値の変更幅ΔSVが予め定められた値(比例帯Pb)より小さいときには、目標値フィルタ150の時定数Tfを維持する。この場合には、目標値フィルタ型2自由度PID制御系による本来の制御動作を実現できると予想されるからである。
(e3:シミュレーション例(改善効果))
次に、実施の形態1に従う目標値フィルタ型2自由度PID制御系における改善効果について説明する。
図10は、実施の形態1に従う目標値フィルタ型2自由度PID制御系におけるシミュレーション結果の一例を示す図である。図10に示すシミュレーションに用いたパラメータや条件は、目標値フィルタ150の時定数の変更を除いて、図5に示すシミュレーションと同一である。
図10に示すシミュレーション例においては、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値(SV’)は緩やかに立ち上がっている。これにより、操作量(MV)の飽和もなく、かつ、制御対象にオーバシュートや揺れも生じていない。別の見方をすると、制御対象の応答速度に応じて、フィルタリング後の目標値(SV’)の変化速度が抑制される。
このように、実施の形態1に従う目標値フィルタ150の時定数の変更処理を採用することで、目標値が大きく変更されたとしても、フィードバック制御系の安定性および応答性を維持できる。
(e4:目標値フィルタの時定数の決定方法(その2))
目標値フィルタ150の時定数Tfの決定方法としては、上述した方法に限られず、各種の方法を採用してもよい。図9では、目標値フィルタ時定数補正係数βをPI要素164の比例帯Pbに対するΔSVの比の一次関数として決定する例を示したが、高次関数を用いてもよい。
図11は、実施の形態1に従う制御装置10Aにおける目標値フィルタ150の時定数Tfの変更処理に係る別の設定例を示す図である。図11に示すように、目標値の変更幅ΔSVについて、目標値フィルタ150の時定数Tfを非線形に変化させてもよい。このような時定数Tfを非線形に変化させる場合には、図11に示すような特性を予めテーブルに格納しておき、このテーブルを参照して、時定数Tfを決定してもよい。
但し、目標値の変更幅ΔSVが大きいほど、目標値フィルタ150の時定数Tfをより長い方向に変更することが好ましい。
(e5:処理手順)
次に、実施の形態1に従う制御装置10Aにおいて実行される処理手順について説明する。図12は、実施の形態1に従う制御装置10Aにおいて実行される処理手順を示すフローチャートである。図12には、制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御の方法を示す。図12に示す各ステップは、典型的には、処理部100のプロセッサ102がプログラムモジュール106に含まれる命令コードを実行することで実現される。図12に示す処理手順は、予め定められた演算周期(例えば、100msec毎)に繰返し実行される。
図12を参照して、プロセッサ102は、今回の演算周期における目標値を取得する(ステップS100)とともに、前回の演算周期における目標値との差分に基づいて、目標値が変更されたか否かを判断する(ステップS102)。目標値が変更されていない場合(ステップS102においてNOの場合)には、後述のステップS104およびS106の処理がスキップされる。
目標値が変更された場合(ステップS102においてYESの場合)には、プロセッサ102は、前回の演算周期における目標値と今回の演算周期における目標値との差分から目標値の変更幅を算出する(ステップS104)。そして、プロセッサ102は、算出した目標値の変更幅に応じて、新たな目標値フィルタの時定数を決定する(ステップS106)。すなわち、ステップS102およびS104において、プロセッサ102は、目標値が変更されたことに応じて、目標値フィルタから出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる。このフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる処理として、プロセッサ102は、目標値フィルタのローパス特定に係る時定数を変更する。このローパス特定に係る時定数を決定する際、プロセッサ102は、目標値が変更されると、当該目標値の変更幅の大きさに応じて時定数をより長くする。
なお、図9および図11を用いて説明したように、目標値が変更された場合であっても、当該目標値の変更幅が予め定められた値より小さいときには、目標値フィルタの時定数を維持することが好ましい。
続いて、プロセッサ102は、今回の演算周期における目標値を格納し(ステップS108)、今回の演算周期における目標値と、前回の演算周期におけるフィルタリング後の目標値とから、今回の演算周期におけるフィルタリング後の目標値を算出する(ステップS110)。すなわち、プロセッサ102は、ローパス特性を持つフィルタを用いて目標値をフィルタリングする。プロセッサ102は、算出した今回の演算周期におけるフィルタリング後の目標値を格納する(ステップS112)。
続いて、プロセッサ102は、今回の演算周期における観測量を取得する(ステップS114)とともに、今回の演算周期におけるフィルタリング後の目標値と今回の演算周期における観測量との差分から偏差を算出する(ステップS116)。そして、プロセッサ102は、今回の演算周期における偏差と、前回の演算周期における操作量とから、今回の演算周期における操作量を算出する(ステップS118)。
続いて、プロセッサ102は、算出した操作量を制御対象(ソリッドステートリレー4)へ出力する(ステップS120)とともに、その操作量を格納する(ステップS122)。なお、ステップS118においては、積分要素に蓄積されている値(積分値)が利用されるため、ステップS122においては、PI要素164に蓄積されている積分値も格納される。そして、ステップS100以下の処理が繰返される。
(e6:まとめ)
上述したように、操作量(調節部に相当する制御装置10の出力)が飽和特性を有するフィードバック制御系(典型的には、PI制御系またはPID制御系)では、目標値の変更幅が過大になると、その操作量が飽和してしまい、安定性および応答性が低下する。そこで、本実施の形態に係る制御装置10Aは、制御対象の応答性の遅れに合せる方向に目標値フィルタの時定数を変更する。
このとき、目標値の変更幅(絶対値)が大きいほど、目標値フィルタの時定数をより長くなる方向に変更することが好ましい。本実施の形態に係る制御装置10は、このように目標値フィルタの時定数を目標値の変更幅に応じて自動的に最適設定する。この目標値フィルタの時定数の設定方法としては、制御部(PI要素またはPID要素)に比例帯を基準として、目標温度の変更幅(絶対値)の比に比例して大きくなるように、目標値フィルタの時定数が決定される。但し、目標温度の変更幅(絶対値)が比例帯Pb以下である場合には、目標値フィルタ型2自由度PID制御系の本来の制御特性が得られるので、目標値フィルタの時定数は予め定められた下限値(標準時定数)に制限される。
[F.実施の形態2]
次に、実施の形態2として、図6(b)に示す制御装置10Bについて説明する。上述したように、実施の形態2に従う制御装置10Bは、決定された操作量が予め定められた許容範囲を逸脱もしくは許容範囲に接近したことに応じて、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる。
(f1:目標値フィルタから出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる処理の概要)
図13は、実施の形態2に従う制御装置10Bにおける目標値フィルタ150におけるフィルタリングの変更処理を説明するための概念図である。図13(a)に示すように、操作量(MV)が予め定められた許容範囲(典型的には、0[%]〜100[%])から逸脱したか否かが判断される。操作量が許容範囲から逸脱した場合に、制御装置10B(目標値フィルタ調整部180)は、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる。
典型的には、図13(b)に示すように、操作量が許容範囲から逸脱すると、目標値フィルタ調整部180は、目標値フィルタ150の時定数Tfをより長くなる方向に変更する。図13(b)に示す例では、目標値フィルタ150の時定数Tfは、Tf0からTfA(>Tf0)へ変更される。これによって、図13(c)に示すように、目標値フィルタ150の出力の変化速度が抑制される。すなわち、制御装置10B(目標値フィルタ調整部180)は、決定された操作量が許容範囲を逸脱している間、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を抑制する。
あるいは、図13(d)に示すように、目標値フィルタ150における出力更新動作を停止してもよい。すなわち、制御装置10B(目標値フィルタ調整部180)は、決定された操作量が許容範囲を逸脱している間、目標値フィルタ150の出力算出(更新)を停止し、フィルタリング後の目標値を逸脱前の値に維持する。このようにして、制御装置10B(目標値フィルタ調整部180)は、目標値フィルタ150の出力の変化速度、すなわちフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる。
このように、実施の形態2においては、操作量が飽和している期間中は、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる。なお、図13(b)および(c)、あるいは図13(d)に示すように、操作量が許容範囲を逸脱(飽和)している期間中のみ、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせるようにすると、操作量が許容範囲の境界ぎりぎりにあるような場合において、ハンチングが発生する可能性がある。すなわち、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせた状態とそれ以外の状態とが短期間内に繰返される可能性がある。そこで、操作量と許容範囲とを比較し、操作量が許容範囲に対して上側しきい値Th1以上上回ったときに、操作量が許容範囲を逸脱(飽和)していると判断し、また、操作量が許容範囲に対して下側しきい値Th2より大きく下回ったときに、操作量が許容範囲を逸脱(飽和)していると判断する。このように、操作量が許容範囲を逸脱しているか否かの判断において、上述のようなデッドバンド(不感帯)を設けることで、ハンチングの発生を抑制して、制御系を安定化できる。
(f2:シミュレーション例(改善効果))
次に、実施の形態2に従う目標値フィルタ型2自由度PID制御系における改善効果について説明する。
図14は、実施の形態2に従う目標値フィルタ型2自由度PID制御系におけるシミュレーション結果の一例を示す図である。図14に示すシミュレーションに用いたパラメータや条件は、目標値フィルタ150の時定数の変更を除いて、図5に示すシミュレーションと同一である。
図14に示すシミュレーション例においては、入力される目標値(SV)が大きく変化し、それに伴って操作量(MV)は比較的短時間で飽和に至っている。このような操作量(MV)が飽和している期間において、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる。すなわち、操作量(MV)が飽和している期間において、フィルタリング後の目標値(SV’)の変化速度が抑制される。その後、操作量(MV)の飽和が解消されると、目標値フィルタ150によるフィルタリング動作は本来の状態に復帰し、フィルタリング後の目標値(SV’)は再度立ち上がる。このように、目標値フィルタ150におけるローパス特性を制御することで、操作量(MV)が飽和したとしても、制御対象にオーバシュートや揺れの発生を回避できる。
このように、実施の形態2に従う目標値フィルタ150におけるローパス特性を変更する処理を採用することで、目標値が大きく変更されたとしても、フィードバック制御系の安定性および応答性を維持できる。
(f3:逸脱予測)
上述の説明においては、操作量が許容範囲を逸脱してから目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる処理を開始する例について説明したが、操作量が許容範囲を逸脱することを予測して、フィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせるようにしてもよい。すなわち、制御部160によって決定された操作量が予め定められた許容範囲に接近したことに応じて、フィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせるようにしてもよい。
このような操作量が許容範囲を逸脱することを予測する方法としては、各種の方法を採用できる。例えば、制御部160のPI要素164での演算値に基づいて判断してもよいし、オブザーバなどの制御ロジックを利用してもよい。あるいは、以下に説明するように、操作量の時間的変化の傾向に基づいて、許容範囲を逸脱するか否かを予測してもよい。
図15は、実施の形態2に従う制御装置10Bにおける操作量の予測処理を説明するための概念図である。図15に示すように、時刻tAにおいて、目標値フィルタ調整部180は、それ以前に現れた操作量の時間的変化に応じて、それ以降に生じ得る操作量の時間的変化を推定する。
例えば、時刻tA以前の操作量の時間的変化から操作量の変化速度を算出し、時刻tAにおける許容範囲までの余裕量に基づいて、操作量が許容範囲を逸脱するかを判断できる。すなわち、フィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせるステップは、決定された操作量の変化速度と、許容範囲に対する余裕量とに基づいて、許容範囲への接近を検出する。
あるいは、時刻tA以前の操作量の時間的変化からフィッティング処理などによって変化特性を示す関数を決定する。そして、この決定した関数に基づいて、将来的な操作量の挙動を推定する。この推定の結果、予め定められた時間内に、操作量が許容範囲を逸脱することが予測される場合には、その時点で、フィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせるようにしてもよい。
(f4:処理手順)
次に、実施の形態2に従う制御装置10Bにおいて実行される処理手順について説明する。図16は、実施の形態2に従う制御装置10Bにおいて実行される処理手順を示すフローチャートである。図16には、制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御の方法を示す。図16に示す各ステップは、典型的には、処理部100のプロセッサ102がプログラムモジュール106に含まれる命令コードを実行することで実現される。図16に示す処理手順は、予め定められた演算周期(例えば、100msec毎)に繰返し実行される。
図16を参照して、プロセッサ102は、今回の演算周期における目標値を取得し(ステップS200)、取得した今回の演算周期における目標値を格納する(ステップS202)。続いて、プロセッサ102は、前回の演算周期における操作量を取得し(ステップS204)、取得した前回の演算周期における操作量が許容範囲を逸脱しているか否かを判断する(ステップS206)。
取得した前回の演算周期における操作量が許容範囲を逸脱していない場合(ステップS206においてNOの場合)には、目標値フィルタにおいて通常のフィルタリング処理が実行される。すなわち、プロセッサ102は、目標値フィルタの標準時定数を用いて、今回の演算周期における目標値と、前回の演算周期におけるフィルタリング後の目標値とから、今回の演算周期におけるフィルタリング後の目標値を算出する(ステップS208)。すなわち、プロセッサ102は、ローパス特性を持つ目標値フィルタを用いて目標値をフィルタリングする。
これに対して、取得した前回の演算周期における操作量が許容範囲を逸脱している場合(ステップS206においてYESの場合)には、目標値フィルタから出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせられる。すなわち、プロセッサ102は、より長い時定数を用いて、今回の演算周期における目標値と、前回の演算周期におけるフィルタリング後の目標値とから、今回の演算周期におけるフィルタリング後の目標値を算出する(ステップS210)。すなわち、ステップS210において、プロセッサ102は、操作量が予め定められた許容範囲を逸脱したことに応じて、目標値フィルタから出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる。このフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる処理として、プロセッサ102は、目標値フィルタのローパス特性に係る時定数を変更する。
なお、ステップS206に加えて、あるいは、それに代えて、前回の演算周期における操作量が許容範囲に接近しているか否かを判断してもよい。すなわち、決定された操作量の変化速度と、許容範囲に対する余裕量とに基づいて、許容範囲への接近を検出するようにしてもよい。
そして、プロセッサ102は、ステップS208またはS210において算出した今回の演算周期におけるフィルタリング後の目標値を格納する(ステップS212)。続いて、プロセッサ102は、今回の演算周期における観測量を取得する(ステップS214)とともに、今回の演算周期におけるフィルタリング後の目標値と今回の演算周期における観測量との差分から偏差を算出する(ステップS216)。そして、プロセッサ102は、今回の演算周期における偏差と、前回の演算周期における操作量とから、今回の演算周期における操作量を算出する(ステップS218)。
続いて、プロセッサ102は、算出した操作量を制御対象(ソリッドステートリレー4)へ出力する(ステップS220)とともに、その操作量を格納する(ステップS222)。なお、ステップS218においては、積分要素に蓄積されている値(積分値)が利用されるため、ステップS222においては、PI要素164に蓄積されている積分値も格納される。そして、ステップS200以下の処理が繰返される。
(f5:まとめ)
上述したように、操作量(調節部に相当する制御装置10の出力)が飽和特性を有するフィードバック制御系(典型的には、PI制御系またはPID制御系)では、その操作量が飽和してしまうと、安定性および応答性が低下する。そこで、本実施の形態に係る制御装置10Bは、操作量が飽和している期間、または飽和しそうな期間には、目標値フィルタの時定数を一時的により長くなる方向に変更することによって、操作量の変化速度を抑制する。そして、操作量が飽和していない期間は、目標値フィルタの時定数を元に戻す。このように、操作量が飽和中に、目標値フィルタから出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を抑制することで、目標値に対する追従性を高める。
[G.実施の形態3]
上述したように、一般的には、目標値フィルタ150の時定数は、後段に配置されるPID制御系の積分時定数と同一の値に設定される。上述の実施の形態1および2においては、目標値フィルタ150の時定数を動的に変更する構成について例示した。実施の形態3においては、2自由度制御系の目標値フィルタ150の時定数を、PID制御系の積分時定数とは独立して設定できる構成について説明する。
制御装置10Dの構成および主たる動作については、上述したものと同様であるので詳細な説明は繰返さない。
実施の形態3に係る制御装置10Dは、目標値フィルタ150の時定数であるフィルタの時定数TfをPID制御系の積分時定数Tとは独立して決定する。より具体的には、予め設定された係数kを用いて、「積分時定数T×係数k」に従って、目標値フィルタ150の時定数Tfを自動的に算出する。すなわち、制御装置10Dの処理部100は、操作量を決定するための積分要素を含むPID制御系の積分時定数Tおよび係数kに関連付けて、目標値フィルタ150の時定数である時定数Tfを「時定数Tf=積分時定数T×係数k」に従って算出する。
この係数kは、ユーザが任意に設定・変更することが可能である。この係数kの設定・変更の操作は、操作部122を介して行なわれる。すなわち、制御装置10Dの処理部100は、ユーザから係数kの設定・変更を受け付ける。また、設定されている係数kは、ユーザが確認することができる。この操作は、ユーザが操作部122を操作することで、その値が表示部120に表示される。すなわち、制御装置10Dの処理部100は、設定されている係数kの値を表示する。
本実施の形態に従う制御装置10Dは、従来は、PID制御系の積分時定数Tに固定であった目標値フィルタ150の時定数(フィルタ時定数)を、積分時定数Tの値に縛られずに、ユーザが自由に設定できる。これによって、制御対象に応じてより適切なフィードバック制御を実現できる。
[H.その他の実施形態]
実施の形態1として、目標値の変更幅に応じて、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる構成について説明し、実施の形態2として、決定された操作量が予め定められた許容範囲を逸脱もしくは許容範囲に接近したことに応じて、目標値フィルタ150から出力されるフィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる構成について説明した。これに加えて、図7に示すような目標値フィルタ調整部190を採用して、実施の形態1および実施の形態2のいずれをも実施可能な構成を採用してもよい。
上述の実施の形態1〜3において、目標値フィルタ150の時定数Tfをユーザ(あるいは、外部の設定手段)が任意に設定・変更するようにしてもよい。この時定数Tfの設定・変更の操作は、操作部122を介して行なわれる。すなわち、制御装置10は、目標値フィルタ150の時定数Tfの設定・変更を受け付ける設定手段を含んでもよい。また、ユーザが設定されている目標値フィルタ150の時定数Tfを確認できるようにしてもよい。この確認操作は、ユーザが操作部122を操作することで、その値が表示部120に表示される。すなわち、制御装置10は、設定されている時定数Tfの値を表示する表示手段を含んでもよい。
また、上述の説明では、説明の便宜上、温度調整に係るフィードバック制御系について例示したが、本実施の形態に係るフィードバック制御系は、操作量が飽和し得るものであれば、加熱炉に限らず各種の制御対象へ適用が可能である。例えば、圧力制御、流量制御、レベル制御、速度制御、位置制御などへ適用できる。
また、上述の説明では、プロセッサがプログラムを実行することで、上述のような処理を実現する構成例について説明したが、制御装置10の処理部100およびその周辺回路を含めて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用集積回路を用いて実現してもよい。本発明は、制御装置10の実装形態について何ら限定するものではない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B フィードバック制御系、2 加熱炉、3 ヒータ、4 ソリッドステートリレー、5 電源、6 温度センサ、10,10A,10B,10C,10D 制御装置、100 処理部、102 プロセッサ、104 メモリ、106 プログラムモジュール、110 入力回路、112 アナログ・デジタル変換部(A/D変換部)、114 デジタル・アナログ変換部(D/A変換部)、116 出力回路、120 表示部、122 操作部、124 通信インターフェイス、150 目標値フィルタ、160 制御部、162 差分要素、164 PI要素、170,180,190 目標値フィルタ調整部。

Claims (23)

  1. 制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、前記制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御方法であって、
    ローパス特性を持つフィルタを用いて前記目標値をフィルタリングするステップと、
    前記フィルタリング後の目標値と前記観測量との偏差に応じて前記操作量を決定するステップと、
    前記目標値が変更されたこと、および、前記決定された操作量が予め定められた許容範囲を逸脱もしくは当該許容範囲に接近したこと、の少なくとも一方に応じて、前記フィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせるステップとを備える、フィードバック制御方法。
  2. 前記遅らせるステップは、前記目標値が変更されると、当該目標値の変更幅の大きさに応じて、前記フィルタの時定数をより長くする、請求項1に記載のフィードバック制御方法。
  3. 前記フィルタの時定数の設定・変更を受け付けるステップをさらに備える、請求項2に記載のフィードバック制御方法。
  4. 設定されている前記フィルタの時定数の値を表示するステップをさらに備える、請求項3に記載のフィードバック制御方法。
  5. 前記遅らせるステップは、前記目標値が変更された場合であっても、当該目標値の変更幅が予め定められた値より小さいときには、前記フィルタの時定数を維持する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィードバック制御方法。
  6. 前記遅らせるステップは、前記決定された操作量が前記許容範囲を逸脱している間、前記フィルタリング後の目標値の変化速度を抑制するステップを含む、請求項1に記載のフィードバック制御方法。
  7. 前記遅らせるステップは、前記決定された操作量が前記許容範囲を逸脱している間、前記フィルタリング後の目標値を逸脱前の値に維持するステップを含む、請求項1または6に記載のフィードバック制御方法。
  8. 前記遅らせるステップは、前記決定された操作量の変化速度と、前記許容範囲に対する余裕量とに基づいて、前記許容範囲への接近を検出するステップを含む、請求項1に記載のフィードバック制御方法。
  9. 制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、前記制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御方法であって、
    ローパス特性を持つフィルタを用いて前記目標値をフィルタリングするステップと、
    前記フィルタリング後の目標値と前記観測量との偏差に応じて前記操作量を決定するステップと、
    前記操作量を決定するための積分要素を含む制御系の積分時定数Tおよび係数kに関連付けて、前記フィルタの時定数であるフィルタ時定数を
    フィルタ時定数=積分時定数T×係数k
    に従って算出するステップとを備える、フィードバック制御方法。
  10. 前記係数kの設定・変更を受け付けるステップをさらに備える、請求項9に記載のフィードバック制御方法。
  11. 設定されている係数kの値を表示するステップをさらに備える、請求項9または10に記載のフィードバック制御方法。
  12. 制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、前記制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御装置であって、
    前記目標値をフィルタリングする、ローパス特性を持つフィルタと、
    前記フィルタリング後の目標値と前記観測量との偏差に応じて前記操作量を決定する制御部と、
    前記目標値が変更されたこと、および、前記決定された操作量が予め定められた許容範囲を逸脱もしくは当該許容範囲に接近したこと、の少なくとも一方に応じて、前記フィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせる調整部とを備える、フィードバック制御装置。
  13. 前記調整部は、前記目標値が変更されると、当該目標値の変更幅の大きさに応じて、前記フィルタの時定数をより長くするように構成される、請求項12に記載のフィードバック制御装置。
  14. 前記フィルタの時定数の設定・変更を受け付ける設定手段をさらに備える、請求項13に記載のフィードバック制御装置。
  15. 設定されている前記フィルタの時定数の値を表示する表示手段をさらに備える、請求項14に記載のフィードバック制御装置。
  16. 前記調整部は、前記目標値が変更された場合であっても、当該目標値の変更幅が予め定められた値より小さいときには、前記フィルタの時定数を維持するように構成される、請求項12〜15のいずれか1項に記載のフィードバック制御装置。
  17. 前記調整部は、前記決定された操作量が前記許容範囲を逸脱している間、前記フィルタリング後の目標値の変化速度を抑制するように構成される、請求項12に記載のフィードバック制御装置。
  18. 前記調整部は、前記決定された操作量が前記許容範囲を逸脱している間、前記フィルタリング後の目標値を逸脱前の値に維持するように構成される、請求項12または17に記載のフィードバック制御装置。
  19. 前記調整部は、前記決定された操作量の変化速度と、前記許容範囲に対する余裕量とに基づいて、前記許容範囲への接近を検出するように構成される、請求項12に記載のフィードバック制御装置。
  20. 制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、前記制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御装置であって、
    前記目標値をフィルタリングする、ローパス特性を持つフィルタと、
    前記フィルタリング後の目標値と前記観測量との偏差に応じて前記操作量を決定する制御部と、
    前記操作量を決定するための積分要素を含む制御系の積分時定数Tおよび係数kに関連付けて、前記フィルタの時定数であるフィルタ時定数を
    フィルタ時定数=積分時定数T×係数k
    に従って算出する設定手段とを備える、フィードバック制御装置。
  21. 前記設定手段は、前記係数kの設定・変更を受け付ける、請求項20に記載のフィードバック制御装置。
  22. 前記設定手段は、設定されている係数kの値を表示する、請求項20または21に記載のフィードバック制御装置。
  23. 制御対象から取得される観測量が目標値と一致するように、前記制御対象へ出力する操作量を決定するフィードバック制御プログラムであって、前記フィードバック制御プログラムはコンピュータに、
    ローパス特性を持つフィルタを用いて前記目標値をフィルタリングするステップと、
    前記フィルタリング後の目標値と前記観測量との偏差に応じて前記操作量を決定するステップと、
    前記目標値が変更されたこと、および、前記決定された操作量が予め定められた許容範囲を逸脱もしくは当該許容範囲に接近したこと、の少なくとも一方に応じて、前記フィルタリング後の目標値の変化速度を遅らせるステップとを実行させる、フィードバック制御プログラム。
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