JP2014088047A - 液体収容容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】廃インクを貯留するインク貯留部45を有するインクカートリッジ17は、インク貯留部45を形成する周壁である枠部52に設けられたインク入出口55と、一端53aがインク入出口55に連通され、他端53bがインク貯留部内に配置されて開口されたインク流路53と、インク貯留部45を、連通部58を介して互いに連通した上方の空気室61と下方の貯留室62とに区分けする壁部54と、一端87aが空気室61に連通され、他端87bが空気室61に対して貯留室62よりも離れた位置で外部と連通可能な大気連通路87と、を有する。
【選択図】図6
Description
このような印刷装置に装着されるインクカートリッジとしては、海綿体等の排出インク吸収部材を収納した排出インク回収カートリッジを有し、インク回収路を通して排出インクを排出インク回収カートリッジに回収させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、廃インクを吸収する廃インク吸収材を交換可能としたものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
したがって、上記インクカートリッジでは、使用済みとなると、廃棄処分とするか、あるいはカートリッジを分解し吸収材を新たなものに交換して、新たなインクを詰め替えて再生使用する、いわゆるリサイクルを行う必要がある。リサイクルを行う場合、そのまま再使用する場合と比較してコストが嵩み、環境にも影響を与えることになる。
液体貯留部内に液体が導入されると、その液体によって液体貯留部内の空気が大気連通路へ送り出されて外部に放出されるので、液体貯留部の内圧が上昇しにくい。これにより、液体を内圧によって逆流させることなく、液体貯留部内へ円滑に導くことができる。
また、大気連通路の一端が第1室に連通し、大気連通路の外部への開放端である他端が、第1室に対して第2室よりも離れた位置に配置されているので、液体収容容器が様々な姿勢にされても、液体貯留部内の液体が大気連通路を介して外部に流出することを防止できる。
このように、回収した液体を保持する吸収材を用いることなく廃液を貯留させ、液体収容容器を分解しなくても貯留させた廃液を確実に取り出して容易に再使用可能である。
本発明の液体収容容器において、前記液体流路を形成する形成部は、前記他端の前記第2室側が前記第1室側より短く形成されていることが好ましい。
この構成の液体収容容器によれば、液体収容容器から収容されている液体を抜き取る際に、負圧になっている第2室へ第1室の空気が移動し易いから、第2室の負圧が緩和され易く抜き取り作業を向上させることができる。
本発明の液体収容容器において、前記連通部によって連通されている隔室は、前記連通部を形成する壁の角部を結ぶ断面積が63平方mm以上であることが好ましい。
この構成の液体収容容器によれば、第1室へ移動する気泡を破裂させることができるので、気泡に含まれる液体が第1室へ流入することを防ぐことができる。
本発明の液体収容容器において、前記第1室の前記隔室は、前記連通部によって連通されている隔室が他の隔室より大きいことが好ましい。
この構成の液体収容容器によれば、気泡を消泡させる隔室のみ大きくし他の隔室を小さくすることにより複数の隔室を設けられる。
本発明の液体収容容器において、前記大気連通路が、前記第1室及び前記第2室を囲む、あるいは前記液体収容容器の外周にそって設けられていることは、大気連通路を長くとれるので大気連通路を通って液体収容容器の外へ液体が漏れることが少なくなるので好ましい。
図1は本発明に係る液体収容容器であるインクカートリッジが装着されるインクジェットプリンターの外観斜視図、図2はインクジェットプリンターからプリンターケースを取り外した状態の斜視図、図3はインクカートリッジの斜視図、図4はインクカートリッジの右側から見た分解斜視図、図5はインクカートリッジの左側から見た分解斜視図、図6はインクカートリッジの内部構造を示す断面図、図7は図5におけるA−A断面図及びB−B断面図、図8は液体の抜き取り作業時の姿勢を示すインクカートリッジの断面図である。
図1に示すように、インクジェットプリンター1は、複数種のカラーインクを使用してロール紙の繰り出された一部にカラー印刷するものであり、プリンター本体を覆うプリンターケース2の前面には、ロール紙カバー5及びインクカートリッジカバー7が開閉自在に設けられている。更に、プリンターケース2の前面には、電源スイッチ3と共にフィードスイッチやインジケーター等も配置されている。
また、インクカートリッジカバー7を開くと、カートリッジ装着部15が開放状態になり、カートリッジ装着部15へのインクカートリッジ(液体収容容器)17の着脱が可能になる。
これにより、インクカートリッジ17内の各インクパックのインクは、カートリッジ装着部15のインク供給針から、インク流路31、インク供給チューブ33、各色のインクポンプ部34及び各色の自己封止ユニット36を経て、インクジェットヘッド21の各インクノズルにそれぞれ供給される。
そして、このインクポンプ部34では、キャリッジ23の待機位置への移動により、揺動アーム35が規制板37に当接すると、この揺動アーム35が揺動し、内部のポンプが駆動する。これにより、インクカートリッジ17からインクを引き込むことができる。
図3から図5に示すように、インクカートリッジ17は、箱型形状に形成されたカートリッジケース18を有する。カートリッジケース18は、ケース本体41と蓋体42とから構成されている。本体ケース41には、その内部にインクパックが設けられており、それぞれのインクパックのインク供給口43が、本体ケース41の一側面である装着面44に配列されている。
インク流路53は、平板部51、平板部51に立設された一対の壁部54及びフィルム46によって形成されている。そして、このインク流路53は、その一端53aが、装着面44で開口され、他端53bが、装着面44との対向側における枠部52近傍で開口されている。そして、装着面44で開口されたインク流路53の一端53aは、装着面44に形成されたインク入出口(液体入出口)55に連通されている。なお、このインク入出口55には、インク排出針(図示省略)が挿入されることにより開口するバルブ56が設けられている。また、インク流路53の他端53b位置には、枠部52に、外側へ凹む凹部57が形成されており、インク流路53の他端53bは、凹部57内に配置されて開口されている。
また、上記インク流路53は、装着面44側の一端53aから凹部57側の他端53bへ向かって次第に下方へ傾斜している。つまり、インク流路53は、一端53aから他端53bへ向かって貯留室62側に傾斜している。
隔壁71a,71c,71eは、図7(a)に示すように、フィルム46側に形成した溝部とフィルム46とからなる通気孔81を有し、隔壁71b,71dは、図7(b)に示すように、平板部51側に形成した通気孔82を有している。尚、複数の隔壁71a〜71gは、連通部58における貯留室62から空気室61への廃インクの流れ方向と略平行に立設されている。
なお、蓋体42の平板部51には、その外縁に、ケース本体41側に形成された係合部(図示省略)と係合可能な複数の係合片92が形成されている。これにより、蓋体42をケース本体41に組み付けることにより、係合片92が係合部と係合し、ケース本体41に対して蓋体42が取り付けられる。
このインクカートリッジ17の貯留室62には廃インクが貯留された状態であり、仮に、貯留室62から連通部58を介して空気室61へ廃インクが流れ易い方向(図6に於いて下方向)にインクカートリッジ17が振られたとしても、リブ91が廃インクの流れを阻害するので空気室61へ流れる廃インクの量を少なくすることができる。その際、空気室61の複数の隔壁71a〜71gが、連通部58における貯留室62から空気室61への廃インクの流れと略平行に立設されていることから、空気室61へ流れた廃インクは、隔室72a〜72hへ移動しない。
図8に示すように、このカートリッジ装着部15から取り外したインクカートリッジ17を、インク流路53の他端53bが下方側となるように配置させる。これにより、インク流路53が上下方向に配置され、インク貯留部45内の廃インクがインク流路53の他端53b側に貯留した状態となる。
このようにインク貯留部45から廃インクを抜き取った後は、インクパックにインクを充填することにより、インクカートリッジ17が再使用可能となる。
しかも、空気室61の連通部58側の空間と隔室72aとを区画する隔壁71a、隔室72b〜72eを区画する隔壁71b〜71eに形成された通気孔81,82が、インクカートリッジ17の上下方向及び厚さ方向に千鳥状に配置されているので、隔室72a〜72eにおける廃インクの流れが、あらゆる方向において効果的に抑制される。
これにより、貯留室62内の廃インクの大気連通路87への流れ込み防止効果がより高められ、外部への廃インクの流出がさらに確実に防止される。
図9はインクカートリッジの他の実施形態を示す分解斜視図、図10はフィルム側から見たインク貯留部を備えた蓋体の平面図、図11は図10におけるC−C断面図、図12はインクカートリッジの姿勢を示すインクカートリッジの断面図、図13は図12の姿勢でのインクカートリッジの縦断面図である。
次に、インクカートリッジの第3の実施形態の例について説明する。図や説明については、上述の実施の形態と同じもしくは同一の機能を有する部品等には同符号を付し説明を省略する。
図14は第1実施形態の図6に相当するもので、インクカートリッジ17Cの内部構造を示す断面図である。図15は、第1実施形態の図8に相当するもので、液体の抜き取り作業時の姿勢及びその状態を示すインクカートリッジ17Cの断面図である。
第1実施形態と異なる大きな点は、貯留室(第2室)62の割合を大きくし、空気室(第1室)61の割合を小さくしたことである。それにより、インク流路53の他端53bが位置する凹部57aは、図14に示すように枠部52の上の隅側に形成されている。
また、インク流路53を形成する平板部51に立設された一対の壁部54a、54bは、インク流路53の他端53bにおいて、空気室61側の壁部54aの端部は凹部57a内に配置され、貯留室62側の壁部54bの端部は壁部54aの端部より寸法Lだけ短く形成され、凹部57aの凹み部分の上側に位置している。
上記のインクカートリッジ17Cから廃インクを抜き取り、再使用可能とする場合について説明する。
図15に示すように、このカートリッジ装着部15から取り外したインクカートリッジ17Cを、インク流路53の他端53bが下方側となるように配置させると、インク流路53が上下方向に配置され、インク貯留部45内の廃インクがインク流路53の他端53b側に貯留した状態となる。インクカートリッジ17Cには、大気開放孔89の箇所にバルブ(弁)77を設けており、インクカートリッジ17Cが単体においては大気開放孔89から、廃インクが漏れないように構成されている。本実施形態のバルブ77は、インク入出口55に設けられたバルブ56と同一構成としているが、他の構成の弁構造であってもよい。
カートリッジ17Cにおいては、カートリッジ装着部15に装着した時や、廃インク抜き取り時に適宜そのバルブを開かせるようにして、インク貯留部45への廃インクの導入またはインク貯留部45からの廃インクの抜き取りを円滑に行わせている。
バルブ77を開放した後、実施形態1と同様に、この状態で、インクカートリッジ17Cのインク入出口55に、図示略の吸引用インク針を差し込んで吸引する。これにより、インクカートリッジ17Cのインク貯留部45内の廃インクが、インク流路53の他端53bからインク流路53内へ引き込まれ、吸引用インク針を介して抜き取られる。その際、インクカートリッジ17内は負圧になるが、空気室61から空気が流入することから負圧は大きくならず吸引の障害にならない。
この実施形態の場合、第1の実施形態と大きく異なる点は、貯留室62側の壁部54bの端部が壁部54aの端部より寸法Lだけ短く形成されている構成によるものである。図16の空気室の空気が貯留室へ移動する様子を説明するための空気移動説明図を用いて詳述すると、インク流路53から矢印A方向に吸引されると貯留室62側の廃インクが矢印B方向に移動されて吸収される。
負圧になった貯留室62へ空気室61の空気が連通部58aを通過して気泡bとして矢印C方向のように移動する。この際、寸法Lの段差により、図16のように、空気室61から連通部58aを通過した気泡bがインク流路53側に移動する量が少なくなり、貯留室62内の廃インクが空気へと置換が可能となり、吸引効率を大きく向上させることができる。
本実施形態では、貯留室62側の壁部54bの端部を凹部57aの凹み部分より外れた上側に位置している構成としたが、壁部54bの端部を凹部57aの凹み部分内に位置させてもよい。このポイントは、インク流路53を構成する部分が、貯留室62側の方が空気室61側より短く形成されていれば構わない。
次に、上述の全ての実施形態に共通して設けられている連通部58a側に設けられた空気室61について図17の廃インクがインク貯留部内に送り込まれているときの消泡説明図を用いて説明する。図17は、インク排出針がインク入出口55に挿入され、廃インクが、インク流路53を通りインク貯留部45内に送り込まれているときの様子を模式化して説明する消泡説明図である。
インク流路53に送り込まれた廃インクには、廃インクだけではなく気泡となった空気も含まれている。そのため、インク流路53を廃インクと一緒に流れていった気泡の一部は、連通部58aから空気室61へ移動するが、空気室61のエリアが他の部分より広いため、空気室61へ移動された気泡は、まとまって大きな気泡r1となり、気泡がr2、r3へと成長し、さらに大きな気泡r4になると気泡の外周面の表面張力が弱まり破裂する。これにより廃インクと空気の気泡が、大気開放孔89へとつながる隔室73aに侵入しなく、隔室73aには空気のみが流入する。
尚、空気室61の大きさは、気泡r1がr2、r3へと成長し、その後自然に破裂される気泡r4の大きさ、すなわち、図17において、連通部58aを中心軸として空気室61を形成する一方の壁61aの角部61cと他方の壁61bの角部61dとを含む扇状の空間部が必要である。
本実施の形態では、空気室61を扇状では無く、製作し易い角柱状の空気室61に形成している。実験の結果、発生する気泡の外周の大きさに関係する角部61cと角部61dを結ぶ断面積が63平方ミリメートル以上の場合には全ての気泡は破裂するが、それより少ないと気泡は破裂せず空気室61は気泡で満たされることがある。本実施形態においては、角部61cと角部61dを結ぶ断面積を70平方ミリメートル以上に形成して気泡を消泡させている。
他の隔室72a〜72h、73a等は空気室61より小さく形成すれば、多くの隔室を形成できるので、廃インクが大気連通路87へ流入することを防ぎ易い。
また、大気連通路87が、空気室61及びインク貯留部45を囲む、隔室をも含むインクカートリッジ17、17B、17Cの外周にそって設けられていることは、大気連通路87を長くとれるので大気連通路を通って液体収容容器の外へ液体が漏れることが少なくなるので好ましい。
また、液体の概念にはジェル状のもの、粘性の高いもの、固形物を溶媒に混合させたものも含み、さらにインクの概念には水性インクも油性インクも含む。
液体貯留部内に液体が導入されると、その液体によって液体貯留部内の空気が大気連通路へ送り出されて外部に放出されるので、液体貯留部の内圧が上昇しにくい。これにより、液体を内圧によって逆流させることなく、液体貯留部内へ円滑に導くことができる。
このように、回収した液体を保持する吸収材を用いることなく廃液を貯留させ、液体収容容器を分解しなくても貯留させた廃液を確実に取り出して容易に再使用可能である。
Claims (11)
- 液体を貯留する液体貯留部を有する液体収容容器であって、
前記液体貯留部に前記液体を収容するため若しくは前記液体貯留部に収容されている前記液体を排出するための液体入出口と、
一端が前記液体入出口に連通され、他端が前記液体貯留部内に延びて配置されて開口されている液体流路と、
前記液体貯留部を、連通部を介して互いに連通した第1室と第2室とに区分けする壁部と、
一端が前記第1室に連通され、他端が前記第1室に対して前記第2室よりも離れた位置で外部と連通可能な大気連通路と、を有することを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1に記載の液体収容容器であって、
前記第1室は、互いに連通された複数の隔室に区分けされ、前記連通部側の空間と前記大気連通路とが前記隔室を介して連通されていることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項2に記載の液体収容容器であって、
前記隔室同士を連通させる通気部が千鳥状に配置されていることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の液体収容容器であって、
前記第2室は第1室より広く、前記液体流路は前記一端側から前記他端側へ向かって次第に前記第2室側へ傾斜していることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の液体収容容器であって、
前記壁部に前記液体流路が形成されていることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1から5の何れか一項に記載の液体収容容器であって、
前記第2室には、内圧の上昇によって弾性変形して前記第2室の容積を増加させる弾性変形部が設けられていることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の液体収容容器であって、
前記液体流路を形成する形成部は、前記他端の前記第2室側が前記第1室側より短く形成されていることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項2から7の何れか一項に記載の液体収容容器であって、
前記連通部によって連通されている隔室は、前記連通部を形成する壁の角部を結ぶ断面積が63平方mm以上であることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項2から7の何れか一項に記載の液体収容容器であって、
前記第1室の前記隔室は、前記連通部によって連通されている隔室が他の隔室より大きいことを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1に記載の液体収容容器であって、
前記大気連通路は、前記第1室及び前記第2室を囲むように設けられていることを特徴とする液体収容容器。 - 請求項1に記載の液体収容容器であって、
前記大気連通路は、前記液体収容容器の外周にそって設けられていることを特徴とする液体収容容器。
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