JP2006082519A - 液体処理タンクおよびこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の液体処理タンクは、ここに廃棄される液体の組成によって液体保持部材の全域に液体を浸透させることができず、この液体処理タンク内に収容された液体保持部材全体を有効利用することができなくなる場合があった。
【解決手段】 本発明による廃インクタンク42は、インクを含浸保持する多孔質状をなすインク保持部材51と、このインク保持部材51を収容する筺体52と、この筺体52の上端部に開口して筺体52内にインクを導くインク導入口53と、筺体52の上端部に一端部が連通すると共に他端部が大気に連通してインク中の水分を蒸発させるための大気連通部54とを具え、インク保持部材51がインク導入口53の直下から下向きに傾斜する上端面55を有している。
【選択図】 図4

Description

本発明は、液体処理タンクおよびこれを搭載した画像形成装置に関する。
なお、本明細書において記述される「プリント」とは、文字や図形など有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像,模様,パターンなどを形成したり、あるいはエッチングなどのようなプリント媒体の加工を行う場合も包含する。
また「プリント媒体」とは、一般的なプリント装置で用いられる紙片のみならず、布帛,樹脂フィルム,金属板,ガラス,セラミックス,木材,皮革などの液体を受容可能なものであり、シート状物体以外の三次元立体、例えば球体や円筒体なども包含する。
さらに「液体」とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント媒体上に付与されることによって、画像,模様,パターンなどの形成,エッチングなどのプリント媒体の加工,あるいはインクの処理、例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固や不溶化に供され得る液体を指し、プリントに関して用いられるあらゆる液体を包含する。
インクやプリント媒体に対するインクのプリント性を調整するための処理液などの液体(以下、便宜的にこれらをインクと総称する)をプリントヘッドから紙などのプリント媒体に付着させて所望の画像を形成するインクジェット方式のプリンタは、プリント時の発生騒音が極めて小さく、しかも高速プリントが可能であり、あらゆるプリント媒体にプリントを行うことができるため、広範な分野にて広く利用されている。このようなインクジェットプリンタにおいては、プリントヘッドからのインク滴の吐出状態を良好に維持するため、そのプリント作業に先立って予めプリントヘッドの吐出口から一定量のインクを吸引排出させたり、あるいは吐出させたりすることが行われており、実際のプリント作業に与らないこれらのインクは、通常、廃インクタンクに廃棄されている。
かかるノンインクリサイクル方式の廃インクの処理に関し、例えば特許文献1には巻き取り式の吸インクシートに廃インクを吸収させる技術が開示されている。同様に、特許文献2〜特許文献9には廃インクを吸収体に吸収保持させ、廃インク中の水分を蒸発乾燥させるようにした技術がそれぞれ開示されている。特に、吸収体に対する廃インクの効率的な貯留を行うための提案が特許文献2にてなされ、吸収体の形状などに関する種々の提案が特許文献3〜特許文献9にてなされている。
特開2000−033705号公報 特開平06−340092号公報 特開平08−112914号公報 特開平08−318629号公報 特開平08−318630号公報 特開平10−286978号公報 特開2000−127439号公報 特開2001−018420号公報 特開2001−105626号公報
特許文献1〜特許文献9に開示された従来の廃インク処理技術は、一般的な組成のインクに対して有効であるが、耐水性や耐光性に関して対処すべく開発された近時のインクに対しては問題がある。すなわち、耐水性や耐光性に配慮した最近のインクには、インクの特性を安定化させるための成分が多く含まれており、従来からある一般的なインクとはこれらの組成および特性が異なっている。このため、耐水性や耐光性に配慮した最近のインクをインクジェットプリンタ使用した場合、これらに含まれる安定化剤などの影響により、これらのインクを吸収保持する吸収体の吸収力を著しく劣化させる上、吸収体全域に亙ってインクを浸透保持させることができなくなる場合があった。
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは廃棄される液体、特にインクの組成などに影響されず、長期に亙って使用しても液体保持部材の全域に液体を浸透させることが可能であって、液体保持部材の利用効率を最大限に生かすことができる液体処理タンクおよびこの液体処理タンクを用いる画像形成装置を提供することにある。
本発明の第1の形態は、液体を含浸保持する多孔質状をなす液体保持部材と、この液体保持部材を収容する筺体と、この筺体の上端部に開口して当該筺体内に液体を導く液体導入口と、前記筺体の上端部に一端部が連通すると共に他端部が大気に連通して液体中の水分を蒸発させるための大気連通部とを具えた液体処理タンクであって、前記液体保持部材は前記液体導入口の直下から下向きに傾斜する上端面を有することを特徴とするものである。
本発明において、液体導入口から液体処理タンク内に導かれた液体は、この液体処理タンク内に収容された液体保持部材内に浸透しつつ下向きに傾斜する液体保持部材の上端面に沿って流れ落ち、液体保持部材全域に亙って浸透拡散する。このようにして液体保持部材に保持された液体中の水分が経時的に大気連通孔から水蒸気となって蒸発し、その固形分のみが液体保持部材に吸着された状態となる。
本発明の第1の形態による液体処理タンクにおいて、液体保持部材がその上端面から下方に延在する空隙部をさらに有することができる。この場合、空隙部は、穴形状または筺体の内壁に臨む溝形状をなすものであってよく、さらにこれらを液体保持部材の上端面と逆向きに傾斜して形成するようにしてもよい。
液体保持部材を繊維の集合体にて形成することができるが、樹脂,金属,またはセラミックスの連続発泡体にて形成することも可能である。
本発明の第2の形態は、液体吐出ヘッドからプリント媒体に液体を吐出して画像を形成するための画像形成装置であって、前記液体吐出ヘッドからの液体の吐出状態を良好にするため、プリント媒体に対する液体の吐出に先立って前記液体吐出ヘッドから排出された液体を受け入れる液体処理タンクを具え、この液体処理タンクは、液体を含浸保持する多孔質状をなす液体保持部材と、この液体保持部材を収容する筺体と、この筺体の上端部に開口して当該筺体内に液体を導く液体導入口と、前記筺体の上端部に一端部が連通すると共に他端部が大気に連通して液体中の水分を蒸発させるための大気連通部とを有し、前記液体保持部材が前記液体導入口の直下から下向きに傾斜する上端面を有していることを特徴とするものである。
本発明において、プリント媒体に対する液体の吐出に先立って液体吐出ヘッドから排出された液体が液体導入口から液体処理タンク内に導かれ、この液体処理タンク内に収容された液体保持部材内に浸透しつつ下向きに傾斜する液体保持部材の上端面に沿って流れ落ち、液体保持部材全域に亙って浸透拡散する。このようにして液体保持部材に保持された液体中の水分が経時的に大気連通孔から水蒸気となって蒸発し、その固形分のみが液体保持部材に吸着された状態となる。
本発明の液体処理タンクによると、筺体内に収容されて液体を含浸保持する多孔質状の液体保持部材の上端面が液体導入口の直下から下向きに傾斜しているので、液体導入口から液体処理タンク内に導かれた液体をこの液体処理タンク内に収容された液体保持部材内に浸透させつつ下向きに傾斜する液体保持部材の上端面に沿って流下させ、液体保持部材全域に亙って浸透拡散させることができる。
液体保持部材がその上端面から下方に延在する空隙部を有する場合、液体保持部材の表面積が増大した状態となり、液体保持部材の上端面に沿って流下する液体の一部が空隙部に導かれ、この空隙部を形成する壁面部分からも液体保持部材内に液体を効率良く浸透させることができる。
また、本発明の画像形成装置によると、プリント媒体に対する液体の吐出に先立って液体吐出ヘッドから排出される液体を受け入れる液体処理タンクの筺体内に収容されて液体を含浸保持する多孔質状の液体保持部材の上端面が液体導入口の直下から下向きに傾斜しているので、液体保持部材全域に亙って液体を浸透拡散させることができる。このため、液体処理タンクの容量を増加させずとも液体を効率良く液体保持部材の全域に亙って吸収保持させることができ、画像形成装置のコンパクト化を企図することが可能となる。
本発明による画像形成装置をインクジェットプリンタに応用した一実施形態について、図1〜図7を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限らず、これらをさらに組み合わせたり、特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の任意の技術にも当然応用することができる。
本実施形態におけるインクジェットプリンタの外観を図1に模式的に示し、そのインク供給系を図2に模式的に示し、このインクジェットプリンタに搭載されるプリントヘッドの内部構造を図3に模式的に示す。すなわち、本実施形態のインクジェットプリンタは、これがプリントできるプリント媒体10の最大幅に対応した長さを有するいわゆるフルラインタイプのカラープリンタであり、イエロー色インク, マゼンタ色インク, シアン色インク, ブラック色インクをそれぞれ蓄えた4つのインクタンク11Y,11M,11C,11B(以下、これらをまとめてインクタンク11と記述する)と、これらインクタンク11にそれぞれ接続配管12を介して接続する4つのプリントヘッド13Y,13M,13C,13B(以下、これらをまとめてプリントヘッド13と記述する)とを具え、各インクタンク11は、接続配管12に対して交換可能に連結される。各接続配管12は、途中に一対の逆止め弁14とこれら一対の逆止め弁14の間に配される供給ポンプ15とが組み込まれた第1接続配管12aと、途中に開閉弁16が組み込まれた第2接続配管12bとで構成され、これらはそれぞれフィルタ17で仕切られたフィルタチャンバ18を介して各プリントヘッド13に接続している。
インクタンク11内のインク19は、供給ポンプ15の作動によって第1接続配管12aからフィルタチャンバ18内に圧送される。ここで、開閉弁16が第2接続配管12bを開いている場合、プリントヘッド13側の流路抵抗に伴う圧力差によってインク19が第2接続配管12b側に流れ込み、再びインクタンク11に戻る循環流を形成するようになっている。プリント作業中は開閉弁16が第2接続配管12bを開いた状態となっており、吐出口からインクを吐出してプリントヘッド13内が負圧となることにより、フィルタチャンバ18内に介在するインクがプリントヘッド13側に吸込供給される。一方、プリントヘッド13の吐出回復処理を行う場合、開閉弁16が第2接続配管12bを閉じ、これによってフィルタチャンバ18内のインクがプリントヘッド13側に圧送され、プリントヘッド13内に介在する気泡がインク19と共に吐出口から強制的に排出される。
制御装置20に接続するヘッドドライバ21によって各発熱抵抗体22に対する通電のオン/オフがそれぞれ切り換えられるプリントヘッド13は、従来から周知のものと基本的な構造は全く同じであり、無端の媒体搬送ベルト23を挟んでプラテン24と対向するように、媒体搬送ベルト23の搬送方向に沿って所定間隔で配列している。そして、制御装置20によって作動が制御される回復処理のためのヘッド移動手段25により、プラテン24との対向方向に昇降し得るようになっている。本実施形態におけるプリントヘッド13は、インクを沸騰させて気泡を発生させるための熱エネルギを与える上述した発熱抵抗体22が形成された発熱素子基板26と、この発熱素子基板26に接合されるインク路形成部材27とを具え、各インク通路28に連通する共通インク室31と、この共通インク室31にインクを供給するためのインク供給部32とが形成されている。インク供給部32は、インク供給路33を介してフィルタチャンバ18に接続している。各インク通路28の基端側には、インクの沸騰に伴う発泡エネルギを効率よく吐出口29側に向かわせるための弾性変形可能なリード弁34が設けられている。
従って、発熱抵抗体22に電圧を印加してインクを沸騰させ、その発泡エネルギを利用してインク通路28内のインクを吐出口29から吐出させることができるが、発熱抵抗体22に対する電圧の印加を繰り返し行っていると、インク通路28内に残留する微小な気泡が共通インク室31内に溜まり、これが次第に成長して共通インク室31内が気泡で充満してしまう。この結果、インク通路28とインク供給部32とが気泡によって遮断されてしまい、吐出口29からのインクの吐出が行われなくなってしまう不具合が生ずるため、このような不具合が発生する前にインクタンク11側からプリントヘッド13内に強制的にインクを圧送し、共通インク室31内に残留している気泡を吐出口29からインクと共に排出させる必要があり、このような場合に上述した開閉弁16が第2接続配管12bを塞ぐようになっている。
なお、プリント作業時に吐出口29から常に一定量のインクが吐出されるようにするため、本実施形態ではインクタンク11の液面位置35をプリントヘッド13の吐出口面36よりも低く設定してこれらの間に水頭差を与え、さらにインクタンク11にそれぞれ大気連通孔37を形成している。
各プリントヘッド13の側方には、プリント媒体10(図示例では紙)に対するプリント作業に先立ち、プリントヘッド13に形成されたインク通路28内に介在する古いインクを吐出口29から排出してプリントヘッド13の回復処理を行う際に、吐出口29から排出されるインクを一時的に受容するヘッドキャップ38と、このヘッドキャップ38に一体的に取り付けられ、プリントヘッド13の吐出口29が開口する吐出口面36を払拭するための弾性変形可能な払拭ブレード39とがプリントヘッド13の配列間隔に対して半ピッチずらした状態で配置されている。これらヘッドキャップ38および払拭ブレード39は、制御装置20によって作動が制御されるキャップ・ブレード移動手段40により、それぞれプリントヘッド13の直下に移動し、この移動時に払拭ブレード39が吐出口面36を払拭し、ヘッドキャップ38が吐出口29から排出される廃インクを受けるようになっている。各ヘッドキャップ38には廃インク導入管41を介して廃インクタンク42が接続しており、ヘッドキャップ38内に排出された廃インクは廃インク導入管41から廃インクタンク42内に排出されるようになっている。
プリント媒体10を搬送する媒体搬送ベルト23は、ベルト駆動モータ43に連結された駆動ローラ44に巻掛けられ、制御装置20に接続するモータドライバ45によってその作動が切り換えられる。また、媒体搬送ベルト23の上流側には、この媒体搬送ベルト23を帯電することにより、プリント媒体10を媒体搬送ベルト23に密着させるための帯電器46が設けられており、この帯電器46は、制御装置20に接続する帯電器ドライバ47によって、その通電のオン/オフが切り換えられる。媒体搬送ベルト23の上にプリント媒体10を供給するための一対の給紙ローラ48には、これら一対の給紙ローラ48を駆動回転させるための給紙用モータ49が連結され、この給紙用モータ49は、制御装置20に接続するモータドライバ50によって作動が切り換えられる。
従って、プリント媒体10に対するプリント作業に先立ち、プリントヘッド13がプラテン24から離れるように上昇し、次いでヘッドキャップ38がこれらプリントヘッド13の直下に移動してプリントヘッド13の回復処理を行った後、ヘッドキャップ38を元の待機位置へ移動させ、さらにプリントヘッド13をプリント位置までプラテン24側に移動する。そして、帯電器46を作動させると同時に媒体搬送ベルト23を駆動し、さらに給紙ローラ48によってプリント媒体10を媒体搬送ベルト23上に載置し、各プリントヘッド13によって所定の色画像がプリント媒体10にプリントされる。
本発明における液体処理タンクとしての廃インクタンク42の断面構造を図4に示し、この廃インクタンク42に収容されているインク保持部材の外観を図5に示す。すなわち、本実施形態における廃インクタンク42は、廃インクを含浸保持する多孔質状をなすインク保持部材51と、このインク保持部材51を収容する筺体52と、この筺体52の上端部に開口して筺体52内に廃インクを導くインク導入口53と、筺体52の上端部に一端部が連通すると共に他端部が大気に連通してインク中の水分を蒸発させるための大気連通部54とを具えている。上述した廃インク導入管41の末端部が廃インクタンク42の筺体52の上端部を貫通して廃インクタンク42内に導かれており、この廃インク導入管41の末端にインク導入口53が形成された状態となっている。
インク保持部材51は、インク導入口53の直下から下向きに傾斜する上端面55を有し、さらにこの上端面55から下方に延在する複数の空隙部56がインク保持部材51に形成されている。インク保持部材51の上端面55が平面である必要はなく、凸状または凹状に湾曲していてもかまわない。何れにしろ、インク導入口53の直下に位置する部分が一番高く、ここから離れるほど低くなっていさえすれば、どのような傾斜面であってもよい。
本実施形態における空隙部56は、インク保持部材51の上端面55の傾斜方向に沿って所定間隔で配列する角柱状をなす穴であり、これらはインク保持部材51を貫通した状態となっているが、インク保持部材51の下端面57に開口させず、止まり穴としてもよい。この場合、止まり穴の底面とインク保持部材51の下端面57との距離をすべて同じに設定する必要はなく、インク導入口53から各空隙部56までの距離に応じて個々に設定することができる。
従って、廃インク導入管41から廃インクタンク42内に導かれた廃インクは、インク導入口53からその直下に位置するインク保持部材51の上端面55に落下し、その一部がインク保持部材51内に浸透しつつインク保持部材51の上端面55に沿って流下する。この流下の途中で一部が空隙部56から落下し、この落下の途中でインク保持部材51内に浸透しつつ一部が筺体52の底まで到達し、インク保持部材51の下端側からも廃インクの吸収が行われる。このようにして、廃インクはインク保持部材51の全域に亙って速やかに浸透吸収されて行く。
インク保持部材51に吸収保持されたインク中の水分は、大気中の湿度に応じて大気連通部54から廃インクタンク42の筺体52外に蒸発し、インク保持部材51にはインク中の固形分のみが付着堆積することとなる。このため、インク保持部材51がインク中の固形分によって目詰まりするまで、廃インクの吸収保持が可能となる。
上述した実施形態では、インク保持部材51を貫通する角柱状の空隙部56を一直線状に整列状態で形成したが、空隙部56の形状などは任意に変更可能であり、要するにインク保持部材51の表面積を増大させるようなものであれば良い。
このような本発明によるインク保持部材51における他の実施形態を図6および図7にそれぞれ示すが、インク保持部材51や空隙部56がこれら図示のものに限定されるものではないことを申し添えておく。図6に示すインク保持部材51は、円柱状の空隙部56をランダムに形成したものであり、図7に示すインク保持部材51は、その側壁58に開口する矩形の溝状をなす空隙部56を一対の側壁58に交互に形成し、上から見た場合にインク保持部材51が蛇行した状態となるようにしたものである。これらの空隙部56は何れもインク保持部材51の表面積を増大する機能を有し、インク保持部材51の全域に亙ってインクを効率よく吸収保持させることが可能である。
本発明は、液体の吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光など)を具え、この熱エネルギーにより液体の状態変化を生起させるインクジェット方式の画像形成装置において優れた効果をもたらすものであるが、液体吐出ヘッドからの液体の吐出状態を良好にするため、プリント媒体に対する液体の吐出に先立って液体吐出ヘッドから排出された液体を受け入れる液体処理タンクを具えた画像形成装置であれば、圧電素子を利用して液体の吐出を行うインクジェット方式の画像形成装置においても有効であることは言うまでもない。
プリント媒体の搬送と、このプリント媒体の搬送方向と交差する方向へのプリントヘッドの走査移動とを交互に行うシリアルタイプのインクジェットプリンタに対しても本発明を適用することが可能である。この場合、走査移動するキャリッジに対して一体的に固定されたプリントヘッドや、キャリッジに対して交換可能に装着されることでキャリッジとの電気的な接続やプリンタ本体からの液体の供給が可能となる交換自在のチップインタイプのヘッドカートリッジ、あるいはプリントヘッド自体に液体を貯溜したタンクが一体的または交換可能に設けられるヘッドカートリッジを用いることができる。
上述したようなフルラインタイプのインクジェットプリンタに組み込まれるプリントヘッドとして、複数のプリントヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個のプリントヘッドとしての構成の何れでもよい。
本発明における画像形成装置の構成として、液体吐出ヘッドからの液体の吐出状態を適正にするための回復手段や、予備的な補助手段などを付加することは本発明の効果を一層安定できるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、液体吐出ヘッドに対するキャッピング手段,クリーニング手段,加圧あるいは吸引手段,電気熱変換体やこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段,プリント作業とは別に吐出を行う予備吐出手段を挙げることができる。
搭載される液体吐出ヘッドの種類や個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたものの他、色相や濃度(明度)を異にする複数種のインクに対応して複数個設けられるものであってもよい。すなわち、例えば画像形成装置のプリントモードとしては黒色などの主流色のみのプリントモードだけではなく、液体吐出ヘッドを一体的に構成するか、複数個の組み合わせによるか何れでもよいが、異なる色の複色カラーまたは混色によるフルカラーの各プリントモードの少なくとも一つを備えた画像形成装置にも本発明は極めて有効である。この場合、プリント媒体の種類やプリントモードに応じてインクのプリント性を調整するための処理液(プリント性向上液)を専用あるいは共通の液体吐出ヘッドからプリント媒体に吐出することも有効である。
本発明にかかる画像形成装置の形態としては、コンピュータや光ディスク装置などの情報処理機器の出力端末として用いられるものの他、リーダなどと組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置や捺染装置、あるいはエッチング装置の形態を採るものなどであっても良く、プリント媒体としては、シート状あるいは長尺の紙や布帛、あるいは板状をなす木材や皮革,石材,樹脂,ガラス,金属などの他に、3次元立体構造物などを挙げることができる。
本発明による画像形成装置をフルラインタイプのインクジェットプリンタに応用した一実施形態を模式的に表す立体投影図である。 図1に示したインクジェットプリンタにおけるインク供給系を模式的に表す概念図である。 図1および図2に示したインクジェットプリンタにおけるプリントヘッドの内部構造を模式的に表す断面図である。 図2に示した廃インクタンクの内部構造を表す断面図である。 図4に示した廃インクタンク内に収容されるインク保持部材の外観を表す立体投影図である。 本発明による液体保持部材を上述したインク保持部材に応用した他の実施形態の外観を表す立体投影図である。 本発明による液体保持部材を上述したインク保持部材に応用したさらに別な実施形態の外観を表す立体投影図である。
符号の説明
10 プリント媒体
11,11Y,11M,11C,11B インクタンク
12 接続配管
12a 第1接続配管
12b 第2接続配管
13,13Y,13M,13C,13B プリントヘッド
14 逆止め弁
15 供給ポンプ
16 開閉弁
17 フィルタ
18 フィルタチャンバ
19 インク
20 制御装置
21 ヘッドドライバ
22 発熱抵抗体
23 媒体搬送ベルト
24 プラテン
25 ヘッド移動手段
26 発熱素子基板
27 インク路形成部材
28 インク通路
29 吐出口
31 共通インク室
32 インク供給部
33 インク供給路
34 リード弁
35 液面位置
36 吐出口面
37 大気連通孔
38 ヘッドキャップ
39 払拭ブレード
40 キャップ・ブレード移動手段
41 廃インク導入管
42 廃インクタンク
43 ベルト駆動モータ
44 駆動ローラ
45 モータドライバ
46 帯電器
47 帯電器ドライバ
48 給紙ローラ
49 給紙用モータ
50 モータドライバ
51 インク保持部材
52 筺体
53 インク導入口
54 大気連通部
55 上端面
56 空隙部
57 下端面
58 側壁

Claims (4)

  1. 液体を含浸保持する多孔質状をなす液体保持部材と、この液体保持部材を収容する筺体と、この筺体の上端部に開口して当該筺体内に液体を導く液体導入口と、前記筺体の上端部に一端部が連通すると共に他端部が大気に連通して液体中の水分を蒸発させるための大気連通部とを具えた液体処理タンクであって、
    前記液体保持部材は前記液体導入口の直下から下向きに傾斜する上端面を有することを特徴とする液体処理タンク。
  2. 前記液体保持部材は、その上端面から下方に延在する空隙部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の液体処理タンク。
  3. 液体吐出ヘッドからプリント媒体に液体を吐出して画像を形成するための画像形成装置であって、前記液体吐出ヘッドからの液体の吐出状態を良好にするため、プリント媒体に対する液体の吐出に先立って前記液体吐出ヘッドから排出された液体を受け入れる液体処理タンクを具え、この液体処理タンクは、液体を含浸保持する多孔質状をなす液体保持部材と、この液体保持部材を収容する筺体と、この筺体の上端部に開口して当該筺体内に液体を導く液体導入口と、前記筺体の上端部に一端部が連通すると共に他端部が大気に連通して液体中の水分を蒸発させるための大気連通部とを有し、前記液体保持部材が前記液体導入口の直下から下向きに傾斜する上端面を有していることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記液体保持部材は、前記上端面から下方に延在する空隙部をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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