JP2014086765A - 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のような溝部を有さずに、同等のCI値を具備し、且つ効率良く製造することが可能な圧電振動片を提供すること。
【解決手段】隙間22をあけて平行に並んで配設された第1〜第4振動腕部10、11、12、13と、第1振動腕部の先端部と第2振動腕部の先端部とを連結する第1連結部14と、第3振動腕部の先端部と第4振動腕部の先端部とを連結する第2連結部15と、第1振動腕部の基端部に接続された第1基部16と、第4振動腕部の基端部に接続された第2基部17と、第2、第3振動腕部の基端部にそれぞれ接続され、両者を連結する中間基部18と、第1、第2振動腕部と、第3、第4振動腕部と振動させる励振電極30、31と、を備え、励振電極は、第1〜第4振動腕部の側面上にそれぞれ形成されると共に各振動腕部のそれぞれにおいて幅方向に対向し合う側面間で極性が異なるように形成されている圧電振動片1を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】隙間22をあけて平行に並んで配設された第1〜第4振動腕部10、11、12、13と、第1振動腕部の先端部と第2振動腕部の先端部とを連結する第1連結部14と、第3振動腕部の先端部と第4振動腕部の先端部とを連結する第2連結部15と、第1振動腕部の基端部に接続された第1基部16と、第4振動腕部の基端部に接続された第2基部17と、第2、第3振動腕部の基端部にそれぞれ接続され、両者を連結する中間基部18と、第1、第2振動腕部と、第3、第4振動腕部と振動させる励振電極30、31と、を備え、励振電極は、第1〜第4振動腕部の側面上にそれぞれ形成されると共に各振動腕部のそれぞれにおいて幅方向に対向し合う側面間で極性が異なるように形成されている圧電振動片1を提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計に関するものである。
携帯電話や携帯情報端末機器等には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として、水晶等を利用した圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動子は、様々なものが提供されているが、その一つとして、いわゆる音叉型の圧電振動片を有する圧電振動子が知られている。
ここで、従来における音叉型の圧電振動片について間単に説明する。
図20及び図21に示すように、圧電振動片200は、幅方向に並んで配置された一対の振動腕部210、211と、これら一対の振動腕部210、211の長さ方向に沿う基端部同士を連結する基部212と、を備えている。圧電振動片200の外表面には電極膜213が形成され、この電極膜213に電圧が印加されることで、一対の振動腕部210、211を互いに接近又は離間する方向(幅方向)に所定の共振周波数で振動させることが可能とされる。
図20及び図21に示すように、圧電振動片200は、幅方向に並んで配置された一対の振動腕部210、211と、これら一対の振動腕部210、211の長さ方向に沿う基端部同士を連結する基部212と、を備えている。圧電振動片200の外表面には電極膜213が形成され、この電極膜213に電圧が印加されることで、一対の振動腕部210、211を互いに接近又は離間する方向(幅方向)に所定の共振周波数で振動させることが可能とされる。
ところで、近年、パッケージが搭載される機器の小型化に伴い、圧電振動片200のさらなる小型化が望まれている。しかし、圧電振動片200の小型化にあたって、振動腕部210、211の幅を狭く形成すると、電極膜213の形成幅も狭くなるので、振動に寄与する電界を印加し難くなり、等価直列抵抗値(Crystal Impedance:CI値)が上昇して出力信号の品質が悪化してしまう。従って、圧電振動片200の小型化を図るためには、CI値の上昇を抑えつつ行う必要がある。
そこで、例えば特許文献1に示されるように、振動腕部210、211の両主面上にエッチング加工により溝部214を形成する構成が知られている。
この構成によれば、振動腕部210、211の側面と溝部214の内面とで、対となる電極膜213同士が対向するので、その対向方向に電界を効率良く作用させることができる。これにより、振動腕部210、211の幅を狭くしても、電界効率を高めることができ、CI値の上昇を抑えつつ圧電振動片の小型化を図ることが可能とされている。
この構成によれば、振動腕部210、211の側面と溝部214の内面とで、対となる電極膜213同士が対向するので、その対向方向に電界を効率良く作用させることができる。これにより、振動腕部210、211の幅を狭くしても、電界効率を高めることができ、CI値の上昇を抑えつつ圧電振動片の小型化を図ることが可能とされている。
ところで、振動腕部210、211に溝部214を形成するには、ウエハを圧電振動片200の外形形状にエッチング加工した後、さらに、振動腕部210、211における溝部形成領域に対してエッチング加工により溝部214を形成する必要がある。
そのため、溝部形成に費やす工程が余計にかかり、製造工数の増加や、製造工程の複雑化に繋がり、製造効率が低下するという問題がある。
そのため、溝部形成に費やす工程が余計にかかり、製造工数の増加や、製造工程の複雑化に繋がり、製造効率が低下するという問題がある。
また、溝部214のエッチングは、圧電振動片200を外形形成した後に行うので、溝部形成用のマスクを振動腕部210、211に対して精度良くアライメントさせる必要がある。この際、上記アライメント精度が悪く、溝部214が振動腕部210、211の幅方向にずれてしまった場合には、各振動腕部210、211を幅方向で二等分する軸線を中心とした両側で形状が異なり、重量バランスが不均衡になる。その結果、振動腕部210、211の振動バランスの不均衡を招き、ドライブレベル特性(圧電振動片200に印加する電圧に対する共振周波数の挙動)の変化や、振動漏れによるCI値の増加等に繋がる恐れがある。
更に、電極膜213は、溝部214の内面に位置する部分と、振動腕部210、211の側面に位置する部分と、が振動腕部210、211の主面上において、溝部214と振動腕部210、211の側面との間に位置する部分で分割されるようにパターニングされる必要がある(例えば、図21に示すF部参照)。
そのため、上述したように振動腕部210、211に対して溝部214が幅方向にずれてしまうと、振動腕部210、211の主面上において、溝部214と振動腕部210、211の側面との間に位置する部分の電極膜213が除去されず、溝部214の内面側と、振動腕部210、211の側面側とで、分極が不十分になる恐れがあった。
そのため、上述したように振動腕部210、211に対して溝部214が幅方向にずれてしまうと、振動腕部210、211の主面上において、溝部214と振動腕部210、211の側面との間に位置する部分の電極膜213が除去されず、溝部214の内面側と、振動腕部210、211の側面側とで、分極が不十分になる恐れがあった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、従来のような溝部を有さずに、同等のCI値を具備し、且つ効率良く製造することが可能な圧電振動片を提供することである。
また、この圧電振動片を具備する、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計の提供することである。
また、この圧電振動片を具備する、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計の提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係る圧電振動片は、基端部から先端部に向かって一方向に延在すると共に、その延在する長さ方向及び厚み方向に直交する幅方向に、隙間をあけて平行に並んで配設された第1〜第4振動腕部と、前記第1〜第4振動腕部のうち、第1振動腕部の先端部と、該第1振動腕部に対して幅方向に隣り合う第2振動腕部の先端部と、を連結する第1連結部と、前記第1〜第4振動腕部のうち、前記第2振動腕部に対して幅方向に隣り合う第3振動腕部の先端部と、該第3振動腕部に対して幅方向に隣り合う第4振動腕部の先端部と、を連結する第2連結部と、前記第1振動腕部の基端部に接続された第1基部と、前記第4振動腕部の基端部に接続された第2基部と、前記第1基部及び前記第2基部の間に配設され、前記第2振動腕部の基端部及び前記第3振動腕部の基端部にそれぞれ接続され、両者を連結する中間基部と、電圧が印加されたときに、前記第1連結部を介して連結された第1振動腕部及び前記第2振動腕部と、前記第2連結部を介して連結された前記第3振動腕部及び前記第4振動腕部と、を前記幅方向に沿って振動させる励振電極と、を備え、前記励振電極は、前記第1〜第4振動腕部の側面上にそれぞれ形成されると共に、各振動腕部のそれぞれにおいて前記幅方向に対向し合う側面間で極性が異なるように形成されていることを特徴とする。
(1)本発明に係る圧電振動片は、基端部から先端部に向かって一方向に延在すると共に、その延在する長さ方向及び厚み方向に直交する幅方向に、隙間をあけて平行に並んで配設された第1〜第4振動腕部と、前記第1〜第4振動腕部のうち、第1振動腕部の先端部と、該第1振動腕部に対して幅方向に隣り合う第2振動腕部の先端部と、を連結する第1連結部と、前記第1〜第4振動腕部のうち、前記第2振動腕部に対して幅方向に隣り合う第3振動腕部の先端部と、該第3振動腕部に対して幅方向に隣り合う第4振動腕部の先端部と、を連結する第2連結部と、前記第1振動腕部の基端部に接続された第1基部と、前記第4振動腕部の基端部に接続された第2基部と、前記第1基部及び前記第2基部の間に配設され、前記第2振動腕部の基端部及び前記第3振動腕部の基端部にそれぞれ接続され、両者を連結する中間基部と、電圧が印加されたときに、前記第1連結部を介して連結された第1振動腕部及び前記第2振動腕部と、前記第2連結部を介して連結された前記第3振動腕部及び前記第4振動腕部と、を前記幅方向に沿って振動させる励振電極と、を備え、前記励振電極は、前記第1〜第4振動腕部の側面上にそれぞれ形成されると共に、各振動腕部のそれぞれにおいて前記幅方向に対向し合う側面間で極性が異なるように形成されていることを特徴とする。
本発明に係る圧電振動片によれば、第1連結部を介して互いに連結された第1振動腕部及び第2振動腕部を、一方の振動腕として機能させ、第2連結部を介して互いに連結された第3振動腕部及び第4振動腕部を、他方の振動腕として機能させることができ、これら一方の振動腕及び他方の振動腕の基端側を、幅方向に離間して配設された第1基部、中間基部及び第2基部の3つの基部で片持ち支持する構成とされている。
そして、励振電極に電圧を印加することで、上述した一方の振動腕及び他方の振動腕を幅方向に沿って互いに接近・離間するように所定の周波数で振動させることができる。
そして、励振電極に電圧を印加することで、上述した一方の振動腕及び他方の振動腕を幅方向に沿って互いに接近・離間するように所定の周波数で振動させることができる。
特に、一方の振動腕として機能する第1振動腕部及び第2振動腕部の間には、隙間があいており、この隙間は第1基部と中間基部との間にも延びている。つまり、第1基部及び第1振動腕部と、第2振動腕部及び中間基部と、の間にはスリット状の隙間が形成されている。同様に、他方の振動腕として機能する第3振動腕部及び第4振動腕部の間にも隙間があいており、この隙間は第2基部と中間基部との間にも延びているので、第2基部及び第4振動腕部と、第3振動腕部及び中間基部と、の間にもスリット状の隙間が形成されている。
従って、上記した2つのスリット状の隙間によって、圧電振動片は平面視M字状とされ、上記スリット状の隙間に従来の溝部と同様の働きをさせることができる。
従って、上記した2つのスリット状の隙間によって、圧電振動片は平面視M字状とされ、上記スリット状の隙間に従来の溝部と同様の働きをさせることができる。
そして、上記スリット状の隙間を利用して、各振動腕部のそれぞれにおいて、幅方向に対向し合う側面間で極性が異なるように励振電極を形成しているので、幅方向に電界を効率良く作用させることができ、電界効率を高めてCI値の上昇を効果的に抑制することができる。
このように、従来のような溝部を具備しなくてもCI値の上昇を効果的に抑制でき、同等のCI値を有する振動特性に優れた圧電振動片とすることができる。また、製造時、圧電振動片の外形形成後に、従来のように溝部を形成する工程が不要である。従って、効率良く製造することができるうえ、圧電振動片を高精度に形成することができ、例えば上記した一方の振動腕及び他方の振動腕の重量バランスのバラツキ等を抑制できる。この点においても、優れた振動特性を得ることができる。
更に、外形形成後、圧電振動片の全体に導電膜を形成した後、第1〜第4振動腕部の主面上に形成されている導電膜を除去するだけで側面上に励振電極を形成できるので、従来のような高精度なマスクのアライメント作業が不要となる。従って、露光時における分解能に余裕を持たせることができ、この点においても効率の良い製造を行うことができる。
更に、外形形成後、圧電振動片の全体に導電膜を形成した後、第1〜第4振動腕部の主面上に形成されている導電膜を除去するだけで側面上に励振電極を形成できるので、従来のような高精度なマスクのアライメント作業が不要となる。従って、露光時における分解能に余裕を持たせることができ、この点においても効率の良い製造を行うことができる。
更には、2つのスリット状の隙間によって、溝部を有する従来の一対の振動腕部の重量に比べて、第1〜第4振動腕部の重量を大幅に減少させることができるので、周波数を効果的に下げることが可能である。従って、第1〜第4振動腕部の長さを短くすることが可能になり、小型化を図り易い。
(2)上記本発明に係る圧電振動片において、前記第1基部、前記第2基部及び前記中間基部のうち少なくともいずれか1つの基部の主面上に形成され、前記励振電極に接続されたマウント電極を備えていることが好ましい。
この場合には、圧電振動片のマウントに伴って、マウント電極を介して励振電極に対して確実に電圧を印加することができ、作動信頼性を向上することができる。
(3)上記本発明に係る圧電振動片において、前記第1基部、前記第2基部及び前記中間基部は、実装面に対して各別にマウントされることが好ましい。
この場合には、幅方向に離間して配設された第1基部、中間基部及び第2基部の3つの基部を、実装面に対してそれぞれマウントさせるので、第1〜第4振動腕部の基端部を確実に固定でき、一方の振動腕として機能する第1振動腕部及び第2振動腕部と、他方の振動腕として機能する第3振動腕部及び第4振動腕部と、を安定して振動させることができる。従って、所望する周波数で安定して振動させることができ、より安定した振動特性を有する圧電振動片とすることができる。
(4)本発明に係る圧電振動子は、上記本発明に係る圧電振動片と、互いに接合されたベース部材とリッド部材とを有し、両部材の間に形成されたキャビティ内に前記圧電振動片を収容するパッケージと、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る圧電振動子によれば、安定した振動特性を有する高品質で小型化可能な圧電振動片を備えているので、作動の信頼性に優れた高品質な圧電振動子とすることができる。
(5)本発明に係る発振器は、上記本発明に係る圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
(6)本発明に係る電子機器は、上記本発明に係る圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
(7)本発明に係る電波時計は、上記本発明に係る圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
(6)本発明に係る電子機器は、上記本発明に係る圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
(7)本発明に係る電波時計は、上記本発明に係る圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明に係る発振器、電子機器及び電波時計によれば、上記圧電振動子を具備しているので、同様に作動の信頼性に優れた高品質な製品とすることができる。
本発明によれば、従来のような溝部を有さずに、同等のCI値を具備し、且つ効率良く製造することが可能な圧電振動片を得ることができる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
(圧電振動片の構成)
図1〜図3に示すように、本実施形態の圧電振動片1は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された振動片であって、平面視M字状に形成された圧電板2と、該圧電板2の外表面上に形成された電極膜3と、を備えている。
(圧電振動片の構成)
図1〜図3に示すように、本実施形態の圧電振動片1は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された振動片であって、平面視M字状に形成された圧電板2と、該圧電板2の外表面上に形成された電極膜3と、を備えている。
なお、本実施形態の圧電板2は、水晶のランバート原石を、水晶結晶軸として互いに直交するX軸、Y軸、Z軸に対して所定の角度でスライスしてウエハ40(図5参照)とし、このウエハ40に対してウェットエッチング等のエッチング加工を施すことで形成された基板である。そして、本実施形態の圧電板2では、水晶結晶軸のZ軸が圧電板2の厚さ方向にほぼ一致し、Y軸が圧電板2(一対の振動腕20、21)の長さ方向に一致し、X軸が圧電板2の幅方向(一対の振動腕20、21の配列方向)に一致している。
圧電板2は、基端部から先端部に向かって上記Y軸方向に沿って延在すると共に、上記X軸方向に、間隔をあけて平行に並んで配設された第1振動腕部10、第2振動腕部11、第3振動腕部12及び第4振動腕部13と、第1振動腕部10の先端部と第2振動腕部11の先端部とを連結する第1連結部14と、第3振動腕部12の先端部と第4振動腕部13の先端部とを連結する第2連結部15と、第1振動腕部10の基端部に接続された第1基部16と、第4振動腕部13の基端部に接続された第2基部17と、第1基部16及び第2基部17の間に配設され、第2振動腕部11の基端部及び第3振動腕部12の基端部に接続され、両者を連結する中間基部18と、を備えている。
上記した4つの振動腕部10〜13のうち、第1連結部14を介して連結された第1振動腕部10及び第2振動腕部11は、一方の振動腕20として機能する。この際、第1振動腕部10及び第2振動腕部11のそれぞれにおいてX軸方向に面する2つの側面のうち、互いに向かい合った面が内側面10a、11aとされ、残りの面が外側面10b、11bとされる。
また、4つの振動腕部10〜13のうち、第2連結部15を介して連結された第3振動腕部12及び第4振動腕部13は、他方の振動腕21として機能する。この際、第3振動腕部12及び第4振動腕部13のそれぞれにおいてX軸方向に面する2つの側面のうち、互いに向かい合った面が内側面12a、13aとされ、残りの面が外側面12b、13bとされる。
このように、本実施形態の圧電振動片1は、上記した一方の振動腕20及び他方の振動腕21の基端側を、X軸方向に離間して配設された第1基部16、中間基部18及び第2基部17の3つの基部で片持ち支持する構成とされている。つまり、一方の振動腕20及び他方の振動腕21を具備する音叉型の振動片とされている。
そして、後述する第1及び第2励振電極30、31に電圧を印加することで、一方の振動腕20及び他方の振動腕21をX軸方向に沿って互いに接近・離間するように所定の周波数で振動させることが可能とされている。
そして、後述する第1及び第2励振電極30、31に電圧を印加することで、一方の振動腕20及び他方の振動腕21をX軸方向に沿って互いに接近・離間するように所定の周波数で振動させることが可能とされている。
特に、一方の振動腕20として機能する第1振動腕部10と第2振動腕部11との間には、隙間22があいており、この隙間22は第1基部16と中間基部18との間にも延びている。つまり、第1基部16及び第1振動腕部10と、第2振動腕部11及び中間基部18と、の間にはスリット状の隙間22が形成されている。
同様に、他方の振動腕21として機能する第3振動腕部12と第4振動腕部13との間にも隙間22があいており、この隙間22も第2基部17と中間基部18との間に延びている。つまり、第2基部17及び第4振動腕部13と、第3振動腕部12及び中間基部18と、の間にはスリット状の隙間22が形成されている。
従って、上述した2つのスリット状の隙間22によって圧電振動片1は平面視M字状とされる。また、スリット状の隙間22に従来の溝部と同様の働きをさせることができる。
同様に、他方の振動腕21として機能する第3振動腕部12と第4振動腕部13との間にも隙間22があいており、この隙間22も第2基部17と中間基部18との間に延びている。つまり、第2基部17及び第4振動腕部13と、第3振動腕部12及び中間基部18と、の間にはスリット状の隙間22が形成されている。
従って、上述した2つのスリット状の隙間22によって圧電振動片1は平面視M字状とされる。また、スリット状の隙間22に従来の溝部と同様の働きをさせることができる。
上記電極膜3は、各振動腕部10〜13に形成されて、一方の振動腕20及び他方の振動腕21をX軸方向に振動させる第1励振電極30及び第2励振電極31と、これら第1励振電極30及び第2励振電極31にそれぞれに電気的に接続された第1マウント電極32及び第2マウント電極33と、を備えている。
なお、これら電極膜3は、例えば、クロム(Cr)と金(Au)の積層膜等により形成される。
なお、これら電極膜3は、例えば、クロム(Cr)と金(Au)の積層膜等により形成される。
第1及び第2励振電極30、31は、一方の振動腕20及び他方の振動腕21をX−Y平面に沿って所定の共振周波数で逆位相に振動させる電極であり、各振動腕部10〜13のそれぞれに形成されると共に、各振動腕部10〜13のそれぞれにおいてX軸方向に対向し合う側面(例えば、内側面10aと外側面10bの間)で極性が異なるように形成されている。
具体的に第1励振電極30は、一方の振動腕20側については、第1振動腕部10の外側面10bに形成されていると共に第1連結部14の側面を回りこんで第2振動腕部11の外側面11bに形成され、他方の振動腕21側については、第3振動腕部12の内側面12aに形成されていると共に第2連結部15の側面を回りこんで第4振動腕部13の内側面13aに形成されている。
第2励振電極31は、一方の振動腕20側については、第1振動腕部10の内側面10aに形成されていると共に第1連結部14の側面を回りこんで第2振動腕部11の内側11aに形成され、他方の振動腕21側については、第3振動腕部12の外側面12bに形成されていると共に第2連結部15の側面を回りこんで第4振動腕部13の外側面13bに形成されている。
これにより、第1励振電極30及び第2励振電極31は、各振動腕部10〜13のそれぞれにおいてX軸方向に対向し合う側面間で極性が異なるように形成されている。
これにより、第1励振電極30及び第2励振電極31は、各振動腕部10〜13のそれぞれにおいてX軸方向に対向し合う側面間で極性が異なるように形成されている。
また、第1マウント電極32は、第1基部16、中間基部18及び第2基部17の3つの基部のうち、第1基部16及び中間基部18の両主面上及び側面の一部に形成されている。
そして、第1基部16に形成された第1マウント電極32と、第1振動腕部10の外側面10bに形成された第1励振電極30と、が電気的に接続されている。また、中間基部18に形成された第1マウント電極32と、第2振動腕部11の外側面11bに形成された第1励振電極30と、が中間基部18の他方の主面上に形成された第1接続電極35を介して電気的に接続されている。更に、中間基部18に形成された第1マウント電極32と、第3振動腕部12の内側面12aに形成された第1励振電極30と、が電気的に接続されている。
そして、第1基部16に形成された第1マウント電極32と、第1振動腕部10の外側面10bに形成された第1励振電極30と、が電気的に接続されている。また、中間基部18に形成された第1マウント電極32と、第2振動腕部11の外側面11bに形成された第1励振電極30と、が中間基部18の他方の主面上に形成された第1接続電極35を介して電気的に接続されている。更に、中間基部18に形成された第1マウント電極32と、第3振動腕部12の内側面12aに形成された第1励振電極30と、が電気的に接続されている。
これにより、第1振動腕部10及び第2振動腕部11の外側面10b、11bに形成された第1励振電極30、第3振動腕部12及び第4振動腕部13の内側面12a、13aに形成された第1励振電極30、及び第1基部16及び中間基部18に形成された第1マウント電極32は、全て導通している。
また、第2マウント電極33は、第1基部16、中間基部18及び第2基部17の3つの基部のうち、第2基部17の両主面上及び側面の一部に形成されている。
そして、第2基部17に形成された第2マウント電極33と、第4振動腕部13の外側面13bに形成された第2励振電極31と、が電気的に接続されている。また、第3振動腕部12の外側面12bに形成された第2励振電極31と、第2振動腕部11の内側面11aに形成された第2励振電極31とが、中間基部18の一方の主面上に形成された第2接続電極36を介して電気的に接続されている。
そして、第2基部17に形成された第2マウント電極33と、第4振動腕部13の外側面13bに形成された第2励振電極31と、が電気的に接続されている。また、第3振動腕部12の外側面12bに形成された第2励振電極31と、第2振動腕部11の内側面11aに形成された第2励振電極31とが、中間基部18の一方の主面上に形成された第2接続電極36を介して電気的に接続されている。
これにより、第3振動腕部12及び第4振動腕部13の外側面12b、13bに形成された第2励振電極31、第1振動腕部10及び第2振動腕部11の内側面10a、11aに形成された第2励振電極31、及び第2基部17に形成された第2マウント電極33は、全て導通している。
(圧電振動片の作用)
上記のように構成された圧電振動片1においては、第1マウント電極32及び第2マウント電極33間に所定の駆動電圧を印加する。これにより、第1励振電極30及び第2励振電極31間に電流を流すことができ、一方の振動腕20と他方の振動腕21とをX軸方向に沿って互いに接近・離間するように振動させることができる。(いわゆる、X−Y屈曲振動モード)。
そして、この振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
上記のように構成された圧電振動片1においては、第1マウント電極32及び第2マウント電極33間に所定の駆動電圧を印加する。これにより、第1励振電極30及び第2励振電極31間に電流を流すことができ、一方の振動腕20と他方の振動腕21とをX軸方向に沿って互いに接近・離間するように振動させることができる。(いわゆる、X−Y屈曲振動モード)。
そして、この振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
特に、スリット状の隙間22を利用して、各振動腕部10〜13のそれぞれにおいて、X方向に対向し合う側面間で極性が異なるように第1励振電極30及び第2励振電極31を形成しているので、X方向に電界を効率良く作用させることができ、電界効率を高めてCI値の上昇を効果的に抑制することができる。
(圧電振動片の製造方法)
次に、上述した圧電振動片1の製造方法について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
はじめに、図4及び図5に示すように、水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚さのウエハ40とする(S10)。このとき、Z軸が圧電振動片1の厚さ方向にほぼ一致し、Y軸が圧電振動片1(各振動腕部10〜13)の長さ方向に一致し、X軸が圧電振動片1の幅方向(各振動腕部10〜13の配列方向)に一致するように、ウエハ40をスライスする。
そして、ウエハ40をラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、この後、ポリッシュ等の鏡面加工を行なって所定の厚さとする。
次に、上述した圧電振動片1の製造方法について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。
はじめに、図4及び図5に示すように、水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚さのウエハ40とする(S10)。このとき、Z軸が圧電振動片1の厚さ方向にほぼ一致し、Y軸が圧電振動片1(各振動腕部10〜13)の長さ方向に一致し、X軸が圧電振動片1の幅方向(各振動腕部10〜13の配列方向)に一致するように、ウエハ40をスライスする。
そして、ウエハ40をラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、この後、ポリッシュ等の鏡面加工を行なって所定の厚さとする。
次いで、ウエハ40に圧電板2の外形形状を形成する外形形状形成工程(S20)を行う。具体的には、まずウエハ40の両面にクロム(Cr)等からなる金属膜を形成し、この金属膜を各振動腕部10〜13、第1基部16、中間基部18及び第2基部17の平面視M字状の外形形状に倣わせてパターニングすることにより外形パターン41を形成する。この際、ウエハ40に形成する複数の圧電振動片1の数だけ、一括してパターニングを行う。
次いで、パターニングされた外形パターン41をマスクとして、ウエハ40の両面からそれぞれエッチング加工を行う。これにより、外形パターン41でマスクされていない領域が選択的に除去され、ウエハ40に複数の圧電板2の外形形状を形成できる。なお、複数の圧電板2は、後に行う切断工程を行うまで、図示しない連結部を介してウエハ40に連結された状態となっている。
次いで、複数の圧電板2上に電極膜3を形成する電極膜形成工程(S30)を行う。まず複数の圧電板2の全面に、例えばスパッタリング等により導電膜(例えば、クロムと金との積層膜等)を成膜する。次いで、エッチング加工の際のマスクとなるフォトレジスト膜を、金属膜上にスプレーコート等により成膜した後、フォトリソ技術でパターニングする。
具体的には、各振動腕部10〜13の主面が開口すると共に、第1基部16、中間基部18及び第2基部17のうち、第1マウント電極32、第2マウント電極33、第1接続電極35及び第2接続電極36の形成領域以外の領域が開口するように、フォトレジスト膜を露光によってパターニングする。そして、このパターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして、上記導電膜をエッチング加工する。これにより、上述した電極膜3が一体的に形成される。
次に、ウエハ40と各圧電板2とを連結している連結部を切断して、複数の圧電板2をウエハ40から切り離して個片化する切断工程(S40)を行う。その結果、1枚のウエハ40から、図1〜図3に示す圧電振動片1を一度に複数製造することができる。
上述したように、本実施形態の圧電振動片1によれば、スリット状の隙間22を利用して、各振動腕部10〜13のそれぞれにおいて、X方向に対向し合う側面間で極性が異なるように第1励振電極30及び第2励振電極31を形成しているので、従来のような溝部を具備しなくてもCI値の上昇を効果的に抑制でき、溝部を形成した場合と同等のCI値を有する振動特性に優れた圧電振動片1とすることができる。
また、製造時、圧電振動片1の外形を平面視M字状に形成するだけで済むので、外形形成後に、従来のように溝部を形成する工程が不要である。従って、効率良く製造することができるうえ、圧電振動片1を高精度に形成することができ、例えば一方の振動腕20及び他方の振動腕21の重量バランスのバラツキ等を抑制できる。この点においても、優れた振動特性を得ることができる。
更に、外形形成後、各振動腕部10〜13の主面上に形成されている導電膜を除去するだけで、側面上に第1励振電極30及び第2励振電極31を形成できるので、従来のような高精度なマスクのアライメント作業が不要となる。従って、露光時における分解能に余裕を持たせることができ、この点においても効率の良い製造を行うことができる。
更には、2つのスリット状の隙間22によって、溝部を有する従来の一対の振動腕部の重量に比べて、各振動腕部10〜13の合計の重量を大幅に減少させることができるので、周波数を効果的に下げることが可能である。従って、各振動腕部10〜13の長さを短くすることが可能となり、小型化を図り易い。
また、従来の溝部を有する圧電振動片の場合には、微細な溝部をエッチングで形成する必要があるので、振動腕部の基端部側に位置する溝部の端部にエッチング残りが生じ易い。そのため、その部分に集中応力が作用したり、振動が阻害されて振動漏れやドライブレベルの低下等を引き起こしたりする恐れがある。
この点、本実施形態の圧電振動片1によれば、溝部が不要であるので、上記した問題が生じることがない。また、スリット状の隙間22が形成されているので、各振動腕部10〜13の実質的な腕長さを延ばすことに繋がり、この点においても周波数を下げることができる。
この点、本実施形態の圧電振動片1によれば、溝部が不要であるので、上記した問題が生じることがない。また、スリット状の隙間22が形成されているので、各振動腕部10〜13の実質的な腕長さを延ばすことに繋がり、この点においても周波数を下げることができる。
(変形例)
なお、上記圧電振動片1において、第1基部16及び中間基部18に第1マウント電極32を形成し、第2基部17に第2マウント電極33を形成したが、この場合に限定されるものではない。例えば、中間基部18に第1マウント電極32を形成しなくても良いし、第1マウント電極32に代えて第2マウント電極33を中間基部18に形成しても構わない。
また、第1基部16及び第2基部17のいずれにも第1マウント電極32及び第2マウント電極33を形成せず、これら第1マウント電極32及び第2マウント電極33を中間基部18にだけ形成しても構わない。
なお、上記圧電振動片1において、第1基部16及び中間基部18に第1マウント電極32を形成し、第2基部17に第2マウント電極33を形成したが、この場合に限定されるものではない。例えば、中間基部18に第1マウント電極32を形成しなくても良いし、第1マウント電極32に代えて第2マウント電極33を中間基部18に形成しても構わない。
また、第1基部16及び第2基部17のいずれにも第1マウント電極32及び第2マウント電極33を形成せず、これら第1マウント電極32及び第2マウント電極33を中間基部18にだけ形成しても構わない。
また、圧電振動片1の外形形状は、上記実施形態の形状に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
例えば、図6に示すように、各振動腕部10〜13の腕幅を基端部から先端部に向かうにしたがって漸次幅狭となるように形成(テーパー状に形成)しても構わない。このようにすることで、振動特性を低下させることなく、各振動腕部10〜13における基端部の剛性を高めることができるので、耐衝撃性を向上することができる。
なお、図6では電極膜3の図示は省略している。
例えば、図6に示すように、各振動腕部10〜13の腕幅を基端部から先端部に向かうにしたがって漸次幅狭となるように形成(テーパー状に形成)しても構わない。このようにすることで、振動特性を低下させることなく、各振動腕部10〜13における基端部の剛性を高めることができるので、耐衝撃性を向上することができる。
なお、図6では電極膜3の図示は省略している。
また、図7に示すように、第1基部16及び第2基部17の両側に、Y方向に沿って延在する一対のサイドアーム37を一体的に形成した、いわゆるサイドアームタイプの圧電振動片1としても構わない。
この場合には、サイドアーム37の先端部をマウント部37aとして機能させることができ、このマウント部37aを介して圧電振動片1を実装することが可能となる。特に、第1基部16、中間基部18及び第2基部17の長さを効果的に短くできるので、さらなる小型化を図ることができる。
なお、図7では電極膜3の図示は省略している。
この場合には、サイドアーム37の先端部をマウント部37aとして機能させることができ、このマウント部37aを介して圧電振動片1を実装することが可能となる。特に、第1基部16、中間基部18及び第2基部17の長さを効果的に短くできるので、さらなる小型化を図ることができる。
なお、図7では電極膜3の図示は省略している。
(圧電振動子)
次に、上述した圧電振動片1を具備する圧電振動子50について説明する。なお、以下の説明では、上述した構成と共通する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、図中では圧電振動片1の外形形状のみを示し、電極膜3等は上述した実施形態と同様の構成であるため、図示を省略する。
図8〜図11に示すように、本実施形態の圧電振動子50は、内部に気密封止されたキャビティCを有するパッケージ51と、キャビティC内に収容された上述した圧電振動片1と、を備えたセラミックパッケージタイプの表面実装型振動子とされている。
次に、上述した圧電振動片1を具備する圧電振動子50について説明する。なお、以下の説明では、上述した構成と共通する構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、図中では圧電振動片1の外形形状のみを示し、電極膜3等は上述した実施形態と同様の構成であるため、図示を省略する。
図8〜図11に示すように、本実施形態の圧電振動子50は、内部に気密封止されたキャビティCを有するパッケージ51と、キャビティC内に収容された上述した圧電振動片1と、を備えたセラミックパッケージタイプの表面実装型振動子とされている。
この圧電振動子50は、概略直方体状に形成されており、本実施形態では平面視において圧電振動子50の長手方向を長さ方向といい、短手方向を幅方向といい、これら長さ方向及び幅方向に対して直交する方向を厚さ方向という。
パッケージ51は、パッケージ本体(ベース部材)53と、このパッケージ本体53に対して接合されるとともに、パッケージ本体53との間にキャビティCを形成する封口板(リッド部材)54と、を備えている。
パッケージ本体53は、互いに重ね合わされた状態で接合された第1ベース基板55及び第2ベース基板56と、第2ベース基板56上に接合されたシールリング57と、を備えている。
第1ベース基板55は、平面視略長方形状に形成されたセラミックス製の基板とされている。第2ベース基板56は、第1ベース基板55と同じ外形形状である平面視略長方形状に形成されたセラミックス製の基板とされており、第1ベース基板55上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。
第1ベース基板55は、平面視略長方形状に形成されたセラミックス製の基板とされている。第2ベース基板56は、第1ベース基板55と同じ外形形状である平面視略長方形状に形成されたセラミックス製の基板とされており、第1ベース基板55上に重ねられた状態で焼結等によって一体的に接合されている。
第1ベース基板55及び第2ベース基板56の四隅には、平面視1/4円弧状の切欠部58が、両基板55、56の厚さ方向の全体に亘って形成されている。これら第1ベース基板55及び第2ベース基板56は、例えばウエハ状のセラミック基板を2枚重ねて接合した後、両セラミック基板を貫通する複数のスルーホールを行列状に形成し、その後、各スルーホールを基準としながら両セラミック基板を格子状に切断することで作製される。その際、スルーホールが4分割されることで、上述した切欠部58となる。
また、第2ベース基板56の上面は、圧電振動片1がマウントされる実装面56aとされている。
また、第2ベース基板56の上面は、圧電振動片1がマウントされる実装面56aとされている。
なお、第1ベース基板55及び第2ベース基板56はセラミックス製としたが、その具体的なセラミックス材料としては、例えばアルミナ製のHTCC(High Temperature Co−Fired Ceramic)や、ガラスセラミックス製のLTCC(Low Temperature Co−Fired Ceramic)等が挙げられる。
シールリング57は、第1ベース基板55及び第2ベース基板56の外形よりも一回り小さい導電性の枠状部材であり、第2ベース基板56の実装面56aに接合されている。具体的には、シールリング57は、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付けによって実装面56a上に接合、或いは、実装面56a上に形成(例えば、電解メッキや無電解メッキの他、蒸着やスパッタ等により)された金属接合層に対する溶着等によって接合されている。
なお、シールリング57の材料としては、例えばニッケル基合金等が挙げられ、具体的にはコバール、エリンバー、インバー、42−アロイ等から選択すれば良い。特に、シールリング57の材料としては、セラミック製とされている第1ベース基板55及び第2ベース基板56に対して熱膨張係数が近いものを選択することが好ましい。例えば、第1ベース基板55及び第2ベース基板56として、熱膨張係数6.8×10-6/℃のアルミナを用いる場合には、シールリング57としては、熱膨張係数5.2×10-6/℃のコバールや、熱膨張係数4.5〜6.5×10-6/℃の42−アロイを用いることが好ましい。
封口板54は、シールリング57上に重ねられた導電性基板であり、シールリング57に対する接合によってパッケージ本体53に対して気密に接合されている。そして、この封口板54とシールリング57と第2ベース基板56の実装面56aとで画成された空間が、気密に封止された上述したキャビティCとして機能する。
なお、封口板54の溶接方法としては、例えばローラ電極を接触させることによるシーム溶接や、レーザ溶接、超音波溶接等が挙げられる。また、封口板54とシールリング57との溶接をより確実なものとするため、互いになじみの良いニッケルや金等の接合層を、少なくとも封口板54の下面と、シールリング57の上面とにそれぞれ形成することが好ましい。
なお、封口板54の溶接方法としては、例えばローラ電極を接触させることによるシーム溶接や、レーザ溶接、超音波溶接等が挙げられる。また、封口板54とシールリング57との溶接をより確実なものとするため、互いになじみの良いニッケルや金等の接合層を、少なくとも封口板54の下面と、シールリング57の上面とにそれぞれ形成することが好ましい。
ところで、第2ベース基板56の実装面56aには、圧電振動片1との接続電極である一対の電極パッド61A、61Bが幅方向に間隔をあけて形成されているとともに、第1ベース基板55の下面には、一対の外部電極62A、62Bが長さ方向に間隔をあけて形成されている。
これら電極パッド61A、61B及び外部電極62A、62Bは、例えば蒸着やスパッタ等で形成された単一金属による単層膜、または異なる金属が積層された積層膜であり、互いにそれぞれ導通している。
これら電極パッド61A、61B及び外部電極62A、62Bは、例えば蒸着やスパッタ等で形成された単一金属による単層膜、または異なる金属が積層された積層膜であり、互いにそれぞれ導通している。
この点詳細に説明する。
第1ベース基板55には一方の外部電極62Aに導通し、第1ベース基板55を厚さ方向に貫通する一方の第1貫通電極63Aが形成されているとともに、第2ベース基板56には一方の電極パッド61Aに導通し、第2ベース基板56を厚さ方向に貫通する一方の第2貫通電極64Aが形成されている。そして、第1ベース基板55と第2ベース基板56との間には、一方の第1貫通電極63Aと一方の第2貫通電極64Aとを接続する一方の接続電極65Aが形成されている。これにより、一方の電極パッド61Aと一方の外部電極62Aとは、互いに導通している。
第1ベース基板55には一方の外部電極62Aに導通し、第1ベース基板55を厚さ方向に貫通する一方の第1貫通電極63Aが形成されているとともに、第2ベース基板56には一方の電極パッド61Aに導通し、第2ベース基板56を厚さ方向に貫通する一方の第2貫通電極64Aが形成されている。そして、第1ベース基板55と第2ベース基板56との間には、一方の第1貫通電極63Aと一方の第2貫通電極64Aとを接続する一方の接続電極65Aが形成されている。これにより、一方の電極パッド61Aと一方の外部電極62Aとは、互いに導通している。
また、第1ベース基板55には他方の外部電極62Bに導通し、第1ベース基板55を厚さ方向に貫通する他方の第1貫通電極63Bが形成されているとともに、第2ベース基板56には他方の電極パッド61Bに導通し、第2ベース基板56を厚さ方向に貫通する他方の第2貫通電極64Bが形成されている。そして、第1ベース基板55と第2ベース基板56との間には、他方の第1貫通電極63Bと他方の第2貫通電極64Bとを接続する他方の接続電極65Bが形成されている。これにより、他方の電極パッド61Bと他方の外部電極62Bとは、互いに導通している。
なお、他方の接続電極65Bは、後述する凹部66を回避するように、例えばシールリング57の下方をシールリング57に沿って延在するようにパターニングされている。
なお、他方の接続電極65Bは、後述する凹部66を回避するように、例えばシールリング57の下方をシールリング57に沿って延在するようにパターニングされている。
第2ベース基板56の実装面56aには、各振動腕部10〜13の先端部に対向する部分に、落下等による衝撃の影響によってこれら各振動腕部10〜13が厚さ方向に変位(撓み変形)した際に、各振動腕部10〜13との接触を回避する凹部66が形成されている。この凹部66は、第2ベース基板56を貫通する貫通孔とされているとともに、シールリング57の内側において四隅が丸み帯びた平面視正方形状に形成されている。
そして、圧電振動片1は、図示しない金属バンプや導電性接着剤等を介して、第1マウント電極32が一方の電極パッド61Aに接触し、且つ第2マウント電極33が他方の電極パッド61Bに接触するようにマウントされる。これにより、圧電振動片1は、第2ベース基板56の実装面56a上から浮いた状態で支持されると共に、一対の電極パッド61A、61Bにそれぞれ電気的に接続された状態とされている。
特に、圧電振動片1における第1基部16、中間基部18及び第2基部17は、実装面56aに対して各別にマウントされた状態とされている。
特に、圧電振動片1における第1基部16、中間基部18及び第2基部17は、実装面56aに対して各別にマウントされた状態とされている。
なお、本実施形態の場合、一方の電極パッド61Aを、第1基部16及び中間基部18に形成された第1マウント電極32と導通させる必要があるため、他方の電極パッド61Bよりもサイズが大きく形成されている。
このように構成された圧電振動子50を作動させる場合には、外部電極62A、62Bに対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片1の第1励振電極30及び第2励振電極31に電流を流すことができ、一方の振動腕20と他方の振動腕21とをX−Y平面に沿って所定の周波数で振動させることができる。そして、この振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として圧電振動子50を利用することができる。
本実施形態の圧電振動子50によれば、安定した振動特性を有する高品質で小型化可能な圧電振動片1を備えているので、作動の信頼性に優れた高品質な圧電振動子50とすることができる。
また、圧電振動片1における第1基部16、中間基部18及び第2基部17の3つの基部を実装面56aに対してそれぞれマウントしているので、各振動腕部10〜13の基端部を確実に固定でき、一方の振動腕20として機能する第1振動腕部10及び第2振動腕部11と、他方の振動腕21として機能する第3振動腕部12及び第4振動腕部13と、を安定して振動させることができる。従って、安定した振動特性を得ることができる。
また、圧電振動片1における第1基部16、中間基部18及び第2基部17の3つの基部を実装面56aに対してそれぞれマウントしているので、各振動腕部10〜13の基端部を確実に固定でき、一方の振動腕20として機能する第1振動腕部10及び第2振動腕部11と、他方の振動腕21として機能する第3振動腕部12及び第4振動腕部13と、を安定して振動させることができる。従って、安定した振動特性を得ることができる。
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図12を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図12に示すように、圧電振動子50を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上述した集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子50が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子50は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図12を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図12に示すように、圧電振動子50を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上述した集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子50が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子50は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
このように構成された発振器100において、圧電振動子50に電圧を印加すると、この圧電振動子50内の圧電振動片1が振動する。この振動は、圧電振動片1が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。これにより、圧電振動子50が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
上述したように、本実施形態の発振器100によれば、優れた振動特性を有する高品質な圧電振動子50を備えているので、信頼性に優れた高品質、かつ長期にわたって安定した高精度な周波数信号を得ることができる発振器100を提供できる。
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図13を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子50を有する携帯情報機器110を例にして説明する。
はじめに本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図13を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子50を有する携帯情報機器110を例にして説明する。
はじめに本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。この携帯情報機器110は、図13に示すように、圧電振動子50と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、このROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、このCPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子50とを備えている。圧電振動子50に電圧を印加すると圧電振動片1が振動し、この振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。更に、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
即ち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
上述したように、本実施形態の携帯情報機器110によれば、優れた振動特性を有する高品質な圧電振動子50を備えているので、信頼性に優れた高品質、かつ長期にわたって安定した高精度な時計情報を表示できる携帯情報機器110を提供できる。
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図14を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図14に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子50を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図14を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図14に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子50を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子50を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子50は、上述した搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子50を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子50は、上述した搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子50を必要とする。
上述したように、本実施形態の電波時計130によれば、優れた振動特性を有する高品質な圧電振動子50を備えているので、信頼性に優れた高品質、かつ、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントできる電波時計130を提供できる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、セラミックパッケージタイプの圧電振動子50を例に挙げたが、これに限らず、例えばガラスパッケージタイプの圧電振動子でも構わない。
また、第1ベース基板55及び第2ベース基板56の2枚の基板でベース基板を構成したが、1枚の基板でベース基板を構成し、実装面56aに凹部66を形成しても構わない。但し、上述したように、第1ベース基板55及び第2ベース基板56の2枚基板構成とすることが好ましい。この場合には、第2ベース基板56に貫通孔を形成した後、両ベース基板55、56を接合することで凹部66を容易に形成できるので、凹部形成に費やす工程及び時間を低減できる。
また、シリンダパッケージタイプの圧電振動子や、シリンダパッケージタイプの圧電振動子をさらにモールド樹脂部で固めて表面実装型の圧電振動子としても構わない。
また、第1ベース基板55及び第2ベース基板56の2枚の基板でベース基板を構成したが、1枚の基板でベース基板を構成し、実装面56aに凹部66を形成しても構わない。但し、上述したように、第1ベース基板55及び第2ベース基板56の2枚基板構成とすることが好ましい。この場合には、第2ベース基板56に貫通孔を形成した後、両ベース基板55、56を接合することで凹部66を容易に形成できるので、凹部形成に費やす工程及び時間を低減できる。
また、シリンダパッケージタイプの圧電振動子や、シリンダパッケージタイプの圧電振動子をさらにモールド樹脂部で固めて表面実装型の圧電振動子としても構わない。
(実施例)
ここで、実施例として上記実施形態の圧電振動片と、比較例として従来の溝部を有する溝付きの圧電振動片と、で周波数及びCI値を比較した解析(有限要素解析)についての実施例について説明する。
ここで、実施例として上記実施形態の圧電振動片と、比較例として従来の溝部を有する溝付きの圧電振動片と、で周波数及びCI値を比較した解析(有限要素解析)についての実施例について説明する。
図15に示すように、実施例としての圧電振動片1では、各振動腕部10〜13の基端部から第1連結部14及び第2連結部15までの全長をL1とし、スリット状の隙間22のうち従来の溝部に相当する部分の長さをL2とした。
一方、図16に示すように、比較例としての圧電振動片150では、一対の振動腕部151、152の全長をL1とし、溝部153の長さをL2とした。なお、この圧電振動片150では、第1励振電極154が、一方の振動腕部151の両側面上と、他方の振動腕部152の溝部153上とに主に形成され、第2励振電極155が、一方の振動腕部151の溝部153上と他方の振動腕部152の両側面上とに主に形成されている。
上記のように構成された圧電振動片1、150について解析を行い、それぞれ共振周波数及びCI値がどの程度であるかを算出した結果を図17〜図19に示す。
この結果から明らかなように、全長L1が同じ1000μmの場合には、実施例における圧電振動片1の方が、比較例における圧電振動片150に比べて共振周波数及びCI値が低いことが確認できた。
この結果から明らかなように、全長L1が同じ1000μmの場合には、実施例における圧電振動片1の方が、比較例における圧電振動片150に比べて共振周波数及びCI値が低いことが確認できた。
特に、比較例における圧電振動片150において、実施例における圧電振動片1の共振周波数(32kHz帯)と同等の共振周波数とする場合には、全長L1を1380μm程度にする必要がある。
つまり、実施例における圧電振動片1によれば、32kHz帯の共振周波数において、従来の比較例における圧電振動片1よりも全長を略38%小さくできるうえ、CI値も略27%改善することが確認できた。
つまり、実施例における圧電振動片1によれば、32kHz帯の共振周波数において、従来の比較例における圧電振動片1よりも全長を略38%小さくできるうえ、CI値も略27%改善することが確認できた。
C…キャビティ
1…圧電振動片
10…第1振動腕部
11…第2振動腕部
12…第3振動腕部
13…第4振動腕部
14…第1連結部
15…第2連結部
16…第1基部
17…第2基部
18…第中間基部
22…隙間
30…第1励振電極(励振電極)
31…第2励振電極(励振電極)
32…第1マウント電極(マウント電極)
33…第2マウント電極(マウント電極)
50…圧電振動子
51…パッケージ
53…パッケージ本体(ベース部材)
54…封口板(リッド部材)
56a…実装面
100…発振器
101…発振器の集積回路
110…携帯情報機器(電子機器)
113…電子機器の計時部
130…電波時計
131…電波時計のフィルタ部
1…圧電振動片
10…第1振動腕部
11…第2振動腕部
12…第3振動腕部
13…第4振動腕部
14…第1連結部
15…第2連結部
16…第1基部
17…第2基部
18…第中間基部
22…隙間
30…第1励振電極(励振電極)
31…第2励振電極(励振電極)
32…第1マウント電極(マウント電極)
33…第2マウント電極(マウント電極)
50…圧電振動子
51…パッケージ
53…パッケージ本体(ベース部材)
54…封口板(リッド部材)
56a…実装面
100…発振器
101…発振器の集積回路
110…携帯情報機器(電子機器)
113…電子機器の計時部
130…電波時計
131…電波時計のフィルタ部
Claims (7)
- 基端部から先端部に向かって一方向に延在すると共に、その延在する長さ方向及び厚み方向に直交する幅方向に、隙間をあけて平行に並んで配設された第1〜第4振動腕部と、
前記第1〜第4振動腕部のうち、第1振動腕部の先端部と、該第1振動腕部に対して幅方向に隣り合う第2振動腕部の先端部と、を連結する第1連結部と、
前記第1〜第4振動腕部のうち、前記第2振動腕部に対して幅方向に隣り合う第3振動腕部の先端部と、該第3振動腕部に対して幅方向に隣り合う第4振動腕部の先端部と、を連結する第2連結部と、
前記第1振動腕部の基端部に接続された第1基部と、
前記第4振動腕部の基端部に接続された第2基部と、
前記第1基部及び前記第2基部の間に配設され、前記第2振動腕部の基端部及び前記第3振動腕部の基端部にそれぞれ接続され、両者を連結する中間基部と、
電圧が印加されたときに、前記第1連結部を介して連結された第1振動腕部及び前記第2振動腕部と、前記第2連結部を介して連結された前記第3振動腕部及び前記第4振動腕部と、を前記幅方向に沿って振動させる励振電極と、を備え、
前記励振電極は、
前記第1〜第4振動腕部の側面上にそれぞれ形成されると共に、各振動腕部のそれぞれにおいて前記幅方向に対向し合う側面間で極性が異なるように形成されていることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1に記載の圧電振動片において、
前記第1基部、前記第2基部及び前記中間基部のうち少なくともいずれか1つの基部の主面上に形成され、前記励振電極に接続されたマウント電極を備えていることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1又は2に記載の圧電振動片において、
前記第1基部、前記第2基部及び前記中間基部は、実装面に対して各別にマウントされることを特徴とする圧電振動片。 - 請求項1記載の圧電振動片と、
互いに接合されたベース部材とリッド部材とを有し、両部材の間に形成されたキャビティ内に前記圧電振動片を収容するパッケージと、を備えていることを特徴とする圧電振動子。 - 請求項4記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
- 請求項4記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
- 請求項4記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012231874A JP2014086765A (ja) | 2012-10-19 | 2012-10-19 | 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 |
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JP2012231874A Pending JP2014086765A (ja) | 2012-10-19 | 2012-10-19 | 圧電振動片、圧電振動子、発振器、電子機器及び電波時計 |
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- 2012-10-19 JP JP2012231874A patent/JP2014086765A/ja active Pending
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