JP2014080883A - ギアシャフト支持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ギアシャフトからギアカバーへ伝達する振動を抑制することにより、ギアカバーからの放射音を低減する。
【解決手段】ギアシャフト支持構造10は、エンジン本体11とエンジン本体11に設けられるギアカバー12との間に両端支持されるギアシャフト13と、ギアシャフト13に装着されるギア14と、ギアシャフト13とギアカバー12との間に介設され、ギアシャフト13からギアカバー12へ伝達する振動を減衰する振動減衰部材15とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン本体(シリンダブロックなど)とエンジン本体に設けられるギアカバーとの間にギアシャフトが両端支持されるギアシャフト支持構造に関する。
エンジン(内燃機関)においては、ギア(又はスプロケット)の耐久性向上を目的として、シャフト(又はスピンドル)を両端支持する場合が多々ある(例えば、特許文献1参照)。
図4に従来例に係るギアシャフト支持構造の一例を示す。なお、図4(a)においては、上半分に側面を示し、下半分に断面を示している。
図4に示すギアシャフト支持構造40においては、エンジン本体(シリンダブロック又はシリンダヘッドなど)41とエンジン本体41に設けられるギアカバー(又はギアケース)42との間に、ギアシャフト43が両端支持され、ギアシャフト43にはギア(アイドラギアなど)44が回転可能に装着される。
また、図4に示すギアシャフト支持構造40においては、ギアカバー42及びギアシャフト43にそれぞれボルト挿通孔45、46が形成されると共に、シリンダブロック41にねじ孔47が形成され、ボルト48を用いて、ギアカバー42とギアシャフト43とシリンダブロック41とが締結される。
特開2010−77956号公報
図4に示すギアシャフト支持構造40の場合、ギアラトルなどによる振動がギアシャフト43を介して、ギアシャフト43の支持部分を有するギアカバー42へ伝達し、ギアカバー42からの放射音が大きくなることがある。ギアカバー42からの放射音がある程度大きくなると問題となることがあるので、ギアカバー42からの放射音を低減する必要がある。
そこで、本発明の目的は、ギアシャフトからギアカバーへ伝達する振動を抑制することにより、ギアカバーからの放射音を低減することにある。
上述の目的を達成するために、本発明に係るギアシャフト支持構造は、エンジン本体と前記エンジン本体に設けられるギアカバーとの間に両端支持されるギアシャフトと、前記ギアシャフトに装着されるギアと、前記ギアシャフトと前記ギアカバーとの間に介設され、前記ギアシャフトから前記ギアカバーへ伝達する振動を減衰する振動減衰部材とを備えるものである。
前記振動減衰部材は、合成樹脂製部品からなるものであっても良い。
前記ギアシャフト支持構造は、前記振動減衰部材と前記ギアシャフトと前記エンジン本体とを締結するシャフト側締結部材と、前記ギアカバーと前記振動減衰部材とを締結するカバー側締結部材とをさらに備えるものであっても良い。
本発明によれば、ギアシャフトからギアカバーへ伝達する振動を抑制することにより、ギアカバーからの放射音を低減することができるという優れた効果を奏する。
(a)は本発明の一実施形態に係るギアシャフト支持構造の概略図であり、(b)は(a)のA−A線矢視図である。 (a)は本発明の他の実施形態に係るギアシャフト支持構造の概略図であり、(b)は(a)のB−B線矢視図である。 (a)は本発明の他の実施形態に係るギアシャフト支持構造の概略図であり、(b)は(a)のC−C線矢視図である。 (a)は従来例に係るギアシャフト支持構造の概略図であり、(b)は(a)のD−D線矢視図である。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に本発明の一実施形態に係るギアシャフト支持構造を示す。なお、図1(a)においては、上半分に側面を示し、下半分に断面を示している。
図1に示すように、本実施形態に係るギアシャフト支持構造10Aにおいては、エンジン(本実施形態では、ディーゼルエンジン)のシリンダブロック(エンジン本体)11とシリンダブロック11に設けられるギアカバー12との間に、ギアシャフト13が両端支持され、ギアシャフト13にはアイドラギア(ギア)14が回転可能に装着されている。アイドラギア14は、クランクシャフトに装着されるクランクギアなどの他のギア(図示せず)と噛み合っており、クランクシャフトの回転を伝達する駆動機構の一部を構成する。
シリンダブロック11は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金などの金属材料により形成される。また、ギアカバー12、ギアシャフト13及びアイドラギア14は、例えば、鋳鉄などの金属材料により形成される。
本実施形態においては、ギアシャフト13とギアカバー12との間に、振動減衰がギアシャフト13及びギアカバー12よりも大きく且つ意図する支持剛性(ギアシャフト13と同程度の支持剛性)が得られる振動減衰部材15を組み込んでいる。
本実施形態の振動減衰部材15は、合成樹脂製部品(プラスチック製部品)からなる。振動減衰部材15は、略円柱状に形成され、ギアシャフト13と同心的に配置されている。また、振動減衰部材15は、ギアシャフト13の一端面とギアカバー12の内側面との間に挟み込まれている。
本実施形態においては、振動減衰部材15の中心部分及びギアシャフト13の中心部分にそれぞれボルト挿通孔16、17を形成すると共に、シリンダブロック11にねじ孔18を形成し、ボルト(シャフト側締結部材)19を用いて、振動減衰部材15とギアシャフト13とシリンダブロック11とを締結している。また、ボルト19の頭部が振動減衰部材15から露出しないように振動減衰部材15に座ぐり穴20を設けている。なお、振動減衰部材15とギアシャフト13とシリンダブロック11とを締結するボルト19は、金属製ボルトであっても良く、合成樹脂製ボルト(プラスチック製ボルト)であっても良い。
また、本実施形態においては、ギアカバー12にボルト挿通孔21を形成すると共に、振動減衰部材15の外周側部分にねじ孔22を形成し、ボルト(カバー側締結部材)23を用いて、ギアカバー12と振動減衰部材15とを締結している。なお、ギアカバー12と振動減衰部材15とを締結するボルト23は、金属製ボルトであっても良く、合成樹脂製ボルトであっても良い。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態においては、図1に示すように、ギアシャフト13とギアカバー12との間に、振動減衰がギアシャフト13及びギアカバー12よりも大きく且つ意図する支持剛性が得られる振動減衰部材15を組み込んでいるので、振動減衰部材15によってギアシャフト13からギアカバー12へ伝達する振動を減衰することができる。そのため、ギアシャフト13からギアカバー12へ伝達する振動を抑制することにより、ギアカバー12からの放射音を低減することが可能となる。
また、振動減衰部材15が合成樹脂製部品からなるので、ギアシャフト13からギアカバー12へ伝達する振動を確実に抑制することができ、ギアカバー12からの放射音を低減することが可能となる。
さらに、ボルト19を用いて振動減衰部材15とギアシャフト13とシリンダブロック11とを締結し、且つ、別のボルト23を用いてギアカバー12と振動減衰部材15とを締結することにより、ギアシャフト13とギアカバー12とで締結に用いるボルト19、23を分けているので、ギアシャフト13からギアカバー12へ伝達する振動を確実に抑制することができ、ギアカバー12からの放射音を低減することが可能となる。
図2及び図3に本発明の他の実施形態に係るギアシャフト支持構造を示す。なお、図1に示すギアシャフト支持構造10Aと同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すギアシャフト支持構造10Bにおいては、図1に示すギアシャフト支持構造10Aとは逆に、振動減衰部材15にボルト挿通孔24が形成されると共に、ギアカバー12にねじ孔25が形成され、ボルト23を用いて、ギアカバー12と振動減衰部材15とが締結される。また、図2に示すギアシャフト支持構造10Bにおいては、振動減衰部材15にボルト挿通孔24が設けられるフランジ部26が形成されると共に、ギアカバー12に振動減衰部材15が挿通される挿通孔27が形成される。
図3に示すギアシャフト支持構造10Cにおいては、ギアカバー12にもボルト挿通孔28が設けられ、ボルト(締結部材)29を用いて、ギアカバー12と振動減衰部材15とギアシャフト13とシリンダブロック11とが締結される。図3に示すギアシャフト支持構造10Cの場合、ボルト29は、振動減衰部材15と同様に、振動減衰がギアシャフト13及びギアカバー12よりも大きく且つ意図する支持剛性(一般的な金属製ボルトと同程度の支持剛性)が得られる部品(合成樹脂製ボルトなど)からなるのが好ましい。ギアラトルなどによる振動がボルト29を介して、ギアシャフト13からギアカバー12へと伝達することを抑制するためである。
図2及び図3に示す実施形態においても、ギアシャフト13とギアカバー12との間に、振動減衰がギアシャフト13及びギアカバー12よりも大きく且つ意図する支持剛性が得られる振動減衰部材15を組み込んでいるので、振動減衰部材15によってギアシャフト13からギアカバー12へ伝達する振動を減衰することができる。そのため、ギアシャフト13からギアカバー12へ伝達する振動を抑制することにより、ギアカバー12からの放射音を低減することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態には限定されず他の様々な実施形態を採ることが可能である。
例えば、振動減衰部材は、振動減衰がギアシャフト及びギアカバーよりも大きく且つ意図する支持剛性が得られるものであれば良く、合成樹脂製部品には限定はされず、金属製部品(制振合金製部品など)であっても良い。
さらに、本発明のギアシャフトは、エンジンのシリンダブロックとシリンダブロックに設けられるギアカバーとの間に両端支持されるものには限定はされず、例えば、エンジンのシリンダヘッドとシリンダヘッドに設けられるギアカバーとの間に両端支持されるものなどであっても良い。また、本発明のエンジンは、ディーゼルエンジンには限定はされず、ガソリンエンジンなどであっても良い。
10 ギアシャフト支持構造
11 シリンダブロック(エンジン本体)
12 ギアカバー
13 ギアシャフト
14 アイドラギア(ギア)
15 振動減衰部材
19 ボルト(シャフト側締結部材)
23 ボルト(カバー側締結部材)

Claims (3)

  1. エンジン本体と前記エンジン本体に設けられるギアカバーとの間に両端支持されるギアシャフトと、前記ギアシャフトに装着されるギアと、前記ギアシャフトと前記ギアカバーとの間に介設され、前記ギアシャフトから前記ギアカバーへ伝達する振動を減衰する振動減衰部材とを備えることを特徴とするギアシャフト支持構造。
  2. 前記振動減衰部材は、合成樹脂製部品からなる請求項1に記載のギアシャフト支持構造。
  3. 前記振動減衰部材と前記ギアシャフトと前記エンジン本体とを締結するシャフト側締結部材と、前記ギアカバーと前記振動減衰部材とを締結するカバー側締結部材とをさらに備える請求項1又は2に記載のギアシャフト支持構造。
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