JP2004011780A - チェーンガイドの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】チェーンケースの振動騒音を効果的に低減する。
【解決手段】チェーンガイド27を、その取付方向、取付方向に直交する方向の振動を抑制する弾性部材28を介してリアチェーンケース2に取り付ける。これにより、チェーン17がチェーンガイド27と衝突するエネルギを遮断すると共に、リアチェーンケース2、チェーンガイド27の振動を抑制する。また、弾性部材28はその形状や材質によって、その弾性特性を適宜設定できるので、弾性部材28のβ方向(チェーンガイド27の取付方向)の弾性特性に基づいて決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数fβを、チェーンケース1の共振周波数と一致させるようにし、ダイナミックダンパとして機能させる。
【選択図】図3
【解決手段】チェーンガイド27を、その取付方向、取付方向に直交する方向の振動を抑制する弾性部材28を介してリアチェーンケース2に取り付ける。これにより、チェーン17がチェーンガイド27と衝突するエネルギを遮断すると共に、リアチェーンケース2、チェーンガイド27の振動を抑制する。また、弾性部材28はその形状や材質によって、その弾性特性を適宜設定できるので、弾性部材28のβ方向(チェーンガイド27の取付方向)の弾性特性に基づいて決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数fβを、チェーンケース1の共振周波数と一致させるようにし、ダイナミックダンパとして機能させる。
【選択図】図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するチェーンの振れを抑制するチェーンガイドをチェーンケースに取り付けるチェーンガイドの取付構造に関し、詳しくは、発生する振動騒音を効果的に低減できるチェーンガイドの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
チェーンケースの振動騒音を低減させるものとしては、特開平7−71268号公報に開示されたものがある。このものは、カムスプロケットの外周に沿ってチェーン室内側に向かって突出する補強リブをチェーンケースに形成することでチェーンケースにおける前記カムスプロケットまわり剛性を高め、これにより、燃焼に伴うエンジンからの振動やチェーンがチェーンガイドに衝突することで生じる振動によって、チェーンケースのカムスプロケットに対峙する部分の膜振動の発生を防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、更なる騒音低減の要求が高まりつつある中にあって、燃費改善の要求等からいわゆる直噴エンジンを採用すると、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するチェーンによって燃料噴射ポンプ等の補機も駆動するようになるため、チェーン張力が増大してチェーンガイドへと入力する高周波加振力も増大することになる。
【0004】
すると、上記従来技術のように、単にチェーンケースの高剛性化によってその共振周波数を高周波側へとシフトさせただけでは、その騒音低減の効果が減少してしまい、振動騒音が大きくなるという問題がある。
また、V型エンジンにあっては、両バンクの中央部でチェーンガイドをチェーンケースに取り付けることが一般的であるが、このような場合、チェーンがチェーンガイドに衝突することによって生じる振動が、チェーンケースのシリンダヘッドやシリンダブロックに固定されていない部分に入力されるため、チェーンケースの振動モードの比較的腹に近い部分を加振してしまい、更に騒音が悪化するおそれがある。
【0005】
これに対して、チェーンケースをフロントチェーンケースとリアチェーンケースとに分割して構成し、その間にゴムガスケット等を介在させて防振構造とすることで、リアチェーンケース側からフロントチェーンケース側へと伝達される振動を減衰させることも考えられる。
しかしながら、このような防振構造とすると、従来のようにフロントチェーンケースとリアチェーンケースとが固定され、いわゆる一体構造であった場合には、フロントチェーンケースとリアチェーンケースとが閉断面構造としてチェーンケース全体として高剛性であったものが、リアチェーンケースが開断面となってしまいチェーンケース全体として低剛性化するため、リアチェーンケース側の振動を増大させてしまうことになる。
【0006】
特に、前記チェーンガイドは、リアチェーンケース側に取り付けられることが多いことから、ますます振動が悪化(騒音が悪化)する傾向にある。
そこで、本発明は、このような従来の問題に着目してなされたものであり、チェーンガイドからチェーンケースへ入力する振動を低減させると共に、チェーンケースの振動騒音を効果的に低減できるようにしたチェーンガイド取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るチェーンの取付構造は、エンジンのクランクシャフトとカムシャフトとを同期回転させるチェーンと、該チェーンを包囲するチェーンケースと、該チェーンケースに弾性部材を介して取り付けられ、前記チェーンを案内するチェーンガイドと、を備え、前記弾性部材は、前記チェーンガイドの前記チェーンケースへの取付方向又はこの取付方向に直交する方向の少なくとも一方の振動を抑制するものとした。
【0008】
また、前記弾性部材が前記取付方向及び前記取付方向に直交する方向の双方の振動を抑制するものであって、前記取付方向の弾性特性と前記取付方向に直交する方向の弾性特性とが異なるように構成した。
更にまた、前記取付方向の弾性特性に基づいて決定される前記チェーンガイドと前記弾性部材の固有振動数(取付方向における固有振動数)を、前記チェーンケースの有する共振周波数と一致させるように設定した。
【0009】
【発明の効果】
本発明に係るチェーンガイドの取付構造によれば、チェーンガイドは、弾性部材を介してチェーンケースに取り付けられ、この弾性部材は、前記チェーンガイドのチェーンケースへの取付方向又は/及びこの取付方向に直交する方向の振動を抑制するので、かかる弾性部材によって、チェーンがチェーンガイドと衝突するエネルギーが遮断され、チェーンケースに伝達されることを防止(抑制)できると共に、チェーンケース又は/及びチェーンガイド自身の振動も抑制できる。これにより、チェーンケースからの振動騒音を低減できるという効果がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のチェーンガイドの取付構造を適用した第1実施形態に係るV型エンジンのチェーン伝達装置の全体斜視図である。図1に示すように、チェーン室を画成するチェーンケース1は、エンジンの前後方向に2分割されており、エンジン側のリアチェーンケース2とこのリアチェーンケース2に固定されるフロントチェーンケース3とで構成される。
【0011】
前記リアチェーンケース2は、前記エンジンのシリンダブロック4にボルト等によって取り付けられ、固定される。
前記フロントチェーンケース3は、その外周に設けられたフランジ部3aで、例えば、液状ガスケット等を用いて前記リアチェーンケース2(のフランジ部2a)にボルト固定される。
【0012】
なお、本実施形態における前記チェーンケース1は、上記のようにリアチェーンケース2とフロントチェーンケース3とに2分割されてはいるが、一体的に固定されるものである。
また、前記フロントチェーンケース3には、包囲したチェーン等を整備するための整備口5、6が設けられており、チェーンケース1の下方には、チェーン室内で供給される潤滑油の余剰分等を回収するオイルパン7が設けられている。
【0013】
図2は、前記チェーンケース1の内部構造を示すもので、チェーン室内をエンジン正面側から見たものである。図2に示すように、エンジンの前側には、クランクシャフト11に取り付けられたクランクスプロケット12と、右バンクの吸気弁(図示省略)を駆動する吸気カムシャフト13に取り付けられた右側吸気カムスプロケット14と、左バンクの吸気弁(図示省略)を駆動する吸気カムシャフト15に取り付けられた左側吸気カムスプロケット16と、が配設され、これらのスプロケット(11、14、16)には、同期回転させるための第1のチェーン17が巻き掛けられている。
【0014】
また、右バンクの排気弁(図示省略)を駆動する排気カムシャフト18に取り付けられた右側排気カムスプロケット19と、前記右側吸気カムスプロケット14と、には、第2のチェーン20が巻き掛けられており、左バンクの排気弁(図示省略)を駆動する排気カムシャフト21に取り付けられた左側排気カムスプロケット22と、前記左側吸気カムスプロケット16と、には、第3のチェーン23が巻き掛けられている。
【0015】
更に、前記クランクスプロケット12の図で見て右上方には、エンジン冷却水を送るウォーターポンプユニット24が配設されており、このウォーターポンプユニット24の駆動軸に取り付けられたウォーターポンプスプロケット25を前記第1のチェーン17と噛み合わせてある。
そして、前記クランクシャフト11の回転により前記クランクスプロケット12が矢印B方向に回転すると、前記各カムスプロケット(14、16、19、22)及び前記ウォーターポンプスプロケット25は、それぞれ図中矢印で示す方向に回転する。
【0016】
なお、前記第1のチェーン17の緩み側(すなわち、図で見て左側)には、チェーンテンショナー26が設けられており、油圧により適切な張力を前記第1のチェーン17に付与している。
また、前記右バンク側吸気スプロケット14と前記左バンク側吸気スプロケット16との間の位置には、前記第1のチェーン17の振れを抑制するためのチェーンガイド27が前記リアチェーンケース2にボルトにより取り付けられ、固定されている。
【0017】
ここで、前記チェーンガイド27の前記リアチェーンケース2への取付構造について図3〜図5を用いて詳細に説明する。
図3は、前記図2におけるA−A断面図であり、図4は、前記チェーンガイド27の正面図である。図3、4に示すように、前記チェーンガイド27は、前記第1のチェーン17を収容して振れを抑制するチェーン収容部27aと、このチェーン収容部27aの下方に設けられた2つの取付孔27b(軸方向寸法Lh)と、を有する。
【0018】
そして、本実施形態においては、図3に示すように、前記取付孔27bに、エンジンの前側、後側からそれぞれ弾性部材28が嵌挿された状態で、前記リアチェーンケース2の所定位置にボルト29により固定されるようになっている。
前記弾性部材28は、図5に示すように、段付ゴム部材30と、金属ワッシャ31と、で構成されている。
【0019】
前記段付ゴム部材30は、その配合物(すなわち、ゴム材自体、カーボン、配合剤等)の特性によって減衰性能を高めたいわゆる高減衰ゴムで形成され、小径部30a、大径部30b及びボルト用貫通孔30cとを備えて構成される。
前記小径部30aは、前記チェーンガイド27の取付時に、チェーンガイド27の取付孔27bに嵌挿される部分であり、図に示すように、外径d1、軸方向寸法L1(≒Lh/2)となっている。
【0020】
前記大径部30bは、前記チェーンガイド27の取付時に、前記ボルト29と前記チェーンガイド27との間に挟持され、又は、前記チェーンガイド27と前記リアチェーンケース2との間に挟持される部分であり、図に示すようように、外径d2、軸方向寸法L2となっている。
前記ボルト用貫通孔30cは、孔径d3で前記小径部30a及び大径部30bの断面中心を貫通している。なお、図に示すように、前記小径部30aの肉厚をt1(=d1−d3)/2とする。
【0021】
前記金属ワッシャ31は、図に示すように、前記段付ゴム部材30の大径部30b側の端部に取り付けられるもので、例えば、金属プレートをプレス加工により深さh1を有するキャップ状に形成される。なお、図に示すように、金属ワッシャ31の深さh1は、前記段付ゴム部材30の大径部30bの軸方向寸法L2よりも小さく設定されており、前記段付ゴム部材30と同様にボルト用貫通孔31aを有している。
【0022】
次に、上記チェーンガイド27の取付構造の作用について説明する。
上述したように、V型エンジンにおいては、前記チェーンガイド27は両バンクの間の位置(前記右バンク側吸気スプロケット14と前記左バンク側吸気スプロケット16との間の位置)、すなわち、その背面側には何らエンジン本体構造がない位置で、リアチェーンケース2に取り付けられるのが一般的である。
【0023】
このような場合、前記チェーンケース1には、チェーンガイド27側から入力される振動やエンジン側から入力される振動によって、前記チェーン伝達装置の上面図である図6に示すように、その中央部がエンジン前後方向(矢印A)に揺れる振動モード(図中の太線ア)が発生すると共に、各バンクのカムシャフト(13、15、18、21)に対応する位置においては、図7に示すように、各部の振動によりフロントチェーンケース3が膜となって振動する膜振動(図中のイ)が発生し、チェーンケース1から発生する振動騒音が悪化する傾向にある。
【0024】
しかし、本実施形態においては、上述したように、チェーンガイド27が前記弾性部材28を介してリアチェーンケース2に取り付けられているので、この弾性部材28によって、前記第1のチェーン17がチェーンガイド27に衝突するエネルギーを遮断して、チェーンガイド27で発生した振動のリアチェーンケース2への入力を抑制できる。
【0025】
また、前記弾性部材28を構成する段付ゴム部材30の大径部30bが介在することによりチェーンガイド27、リアチェーンケース2それぞれの取付方向(図3の矢印βで示す。以下単にβ方向という)の振動自体も抑制できることになり、前記弾性部材28を構成する段付ゴム部材30の小径部30aが介在することによりチェーンガイド27、リアチェーンケース2それぞれの前記取付方向と直交する方向(図3の矢印αで示す方向をその代表とし、以下単にα方向という)の振動も抑制できることになる。これにより、チェーンケース1全体としての振動騒音を効果的に抑制(低減)できる。
【0026】
なお、前記弾性部材28(を構成する前記段付ゴム部材30)の前記α方向における弾性特性(すなわち、段付ゴム部材30のバネ定数、減衰係数等)と、前記β方向における弾性特性と、は、前記段付ゴム部材30の材質自体、小径部30aの肉厚t1又は大径部30bの軸方向寸法L2を変更することで異なるものに設定できるので、それぞれの方向で適切な弾性特性を選択することができる。
【0027】
このため、前記チェーンガイド27と前記弾性部材28の固有振動数(すなわち、共振周波数)を適宜設定することも可能となり、更なる振動騒音の低減を図ることが可能となる。
以下、前記チェーンガイド27と前記弾性部材28の固有振動数を適切に設定することによる前記α方向、β方向の振動騒音の低減について、図8を参照しつつ説明する。
【0028】
図8は、入力する振動(振動周波数)に対するリアチェーンケースの振動レベルを示すものである。図8において、従来のチェーンガイド取付構造のものを一点鎖線で示し、前記α方向(取付方向に直交する方向)の振動のみを抑制した場合のものを破線で、前記α方向及びβ方向の振動を抑制した場合のものを実線で示してある。
【0029】
なお、以下の説明においては、チェーンガイド27の質量mと、段付ゴム部材30のα方向の弾性特性(すなわち、前記段付ゴム部材30の材質やその小径部30aの肉厚t1によって調整されるバネ定数k、減数係数C等の弾性特性)と、によって決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数をα方向における固有振動数fαとし、チェーンガイド27の質量mと、段付ゴム部材30のβ方向の弾性特性(すなわち、前記段付ゴム部材30の材質やその大径部30bの軸方向寸法L2によって調整される弾性特性)と、によって決定される固有振動数をβ方向における固有振動数fβとする。
【0030】
まず、前記α方向(取付方向と直交する方向)の振動低減について説明する。上述したように、前記チェーンガイド27と弾性部材28は、前記段付ゴム部材30のα方向の弾性特性によって決定されるα方向における固有振動数fαを有するので、この固有振動数fαと一致する振動周波数では、前記チェーンガイド27(と前記弾性部材28)が共振し、この共振振動がリアチェーンケース2に入力されることになるため、前記固有振動数fαと一致する振動周波数に対しては、従来のチェーンガイド取付構造よりもリアチェーンケース2の振動レベルが悪化することになる(図8中の振動ピークa)。
【0031】
しかし、かかる共振点(すなわち、固有振動数fα)を、例えば、その振動が入力された際のチェーンケース1の放射音がほとんど問題とならない周波数域である例えば600(Hz)以下になるように設定したり、又は、前記チェーンケース1が有する主要な共振周波数と一致させないように設定したりすることで、前記共振振動に伴う騒音をほとんど問題のないレベルとすることができる。
【0032】
また、前記共振点(固有振動数fα)の√2倍(約1.4倍)以上の振動周波数に対しては、防振(制振)効果が発揮されることになるので、図8に示すように、高周波になればなるほど振動騒音の低減を図ることができ、全体として見れば、前記α方向における振動騒音を低減できることになり、効果的に防振(制振)効果を発揮できる。
【0033】
更に、前記共振点(固有振動数fα)を、前記第1チェーン17の有する弦共振周波数とも一致させないように設定すれば、チェーンガイド27の共振に伴って前記第1チェーン17が弦共振してしまうことを防止でき、弦共振による張力変動の悪化(すなわち、張力が低くなってしまい前記第1チェーン17の振動周波数が低周波化すること)を防止でき、高周波側になればなるほど得られる防振(制振)効果を十分に発揮することができる。
【0034】
次に、前記β方向(取付方向)の振動低減について説明する。
上述したように、前記チェーンガイド27と弾性部材28は、前記段付ゴム部材30のβ方向の弾性特性によって決定されるβ方向における固有振動数fβを有するので、この固有振動数fβを前記チェーンケース1の有する主要な共振周波数に合わせるように(一致させるようにすれば)設定すれば、このチェーンガイド27と弾性部材28を、前記チェーンケース1に対するダイナミックダンパとして機能させることが可能となる。
【0035】
これにより、チェーンケース1の振動騒音を更に効果的に抑えることができる(図8中のピーク振動b)。なお、この場合において、前記固有振動数fβは、チェーンケース1の有する共振周波数のうちチェーンケース振動が最も放射音となり易いものと一致させるようにし、ケース共振振動(前記図6中のア、図7中のイ)の腹にできるだけ近い位置に、前記チェーンガイド27を取り付けるようにするのが効果的である。
【0036】
なお、上記のように、チェーンガイド27と弾性部材28をダイナミックダンパにとして機能させて防振(制振)効果を発揮させるために考慮すべき点を、図9を参照しつつ説明する。
図9は、上記したチェーンケース1、チェーンガイド27及び弾性部材28の関係を模式的に示したものである。図9においては、チェーンケース1の質量をM、チェーンガイド27の質量をm、弾性部材28(段付ゴム部材30)のβ方向のバネ定数をk1、減衰係数をC1とする。
【0037】
ダイナミックダンパとしての機能を効果的に発揮させるためには、(a)質量比(m/M)が0.2〜0.4となるように設定すること、(b)図10に示すように、減衰比ζ(=減衰係数C1/限界減衰係数Cc)が小さいと十分な制振効果を得られないこと、が必要であり、この点を考慮しつつ、前記チェーンガイド27の質量m、前記段付ゴム部材30の前記β方向のバネ定数k1及び減衰係数C1を設定するようにする。ここで、前記限界減衰係数Cc=2×√(m・k1)であり、前記バネ定数k1及び減衰係数C1は、上述したように、前記段付ゴム部材30の材質、形状(特に前記段付ゴム部材30の大径部30bの軸方向寸法L2)を変更することで適宜設定できる。
【0038】
なお、以上の説明では、前記弾性部材28によって前記α方向及びβ方向の双方の振動低減を行うようにしているが、これに限られるものではなく、前記α方向又は前記β方向の振動抑制をそれぞれ単独で行うようにしてもよい。例えば、前記α方向のみの振動低減を行う場合には、前記弾性部材28を前記段付ゴム部材30の小径部30aのみで構成すればよいし、前記β方向のみの振動低減を行う場合には、前記弾性部材28を前記段付ゴム部材30の大径部30bのみ(又は、これと金属ワッシャ31のみ)で構成すればよい。
【0039】
本実施形態(第1実施形態)は、以上のように構成されるので、以下に記すような効果を有する。
(1)前記弾性部材28は、チェーンガイド27のチェーンケースへの取付方向の弾性特性と前記取付方向に直交する方向の弾性特性とが異なるので、それぞれの方向に適切な弾性特性を設定することができる。また、前記弾性部材28を構成する段付ゴム部材30の材質や形状(小径部30aの肉厚t1、大径部30bの軸方向寸法L2)を変更することで、前記取付方向及びこれに直交する方向の弾性特性を適宜設定できるので、それぞれの方向において適切な弾性特性とすることができる。
【0040】
(2)前記弾性部材28は、前記チェーンガイド27に形成された取付孔27aに嵌挿されるので、比較的簡単な構成で前記弾性部材28に異方性を持たせることができ、前記取付方向に直交する方向(前記α方向を含む)の振動を効果的に低減できる。
(3)前記弾性部材28は、その配合物の特性で高減衰構造とした高減衰ゴムで形成される段付ゴム部材30を含んで構成されるので、防振(制振)効果を充分に発揮できる。
【0041】
(4)前記取付方向(前記β方向)の弾性特性(とチェーンガイド27の質量M)に基づいて決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数fβを、前記チェーンケース1の有する共振周波数に一致させるように設定するので、チェーンガイド27と弾性部材28をチェーンケース1に対するダイナミックダンパとして機能させることができ、チェーンケース1の振動をさらに効果的に抑制できる。
【0042】
(5)前記取付方向に直交する方向(前記α方向をその代表とする)の弾性特性(とチェーンガイド27の質量M)に基づいて決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数fαを前記チェーンケース1の有する共振周波数と一致させないように設定するので、チェーンガイド27の共振振動に伴うチェーンケース1の振動騒音の悪化を抑制できる。
【0043】
(6)前記取付方向に直交する方向の弾性特性(とチェーンガイド27の質量M)に基づいて決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数fαを、前記チェーンケース1に入力された際のチェーンケース発生音が騒音とならない(問題とならない)周波数域に設定するので、チェーンガイド27の共振振動に伴うチェーンケース1の騒音悪化を最小限に抑制できる。
【0044】
(7)前記取付方向に直交する方向の弾性特性(とチェーンガイド27の質量M)に基づいて決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数fαを、前記第1のチェーン17の有する弦共振周波数と一致させないように設定するので、チェーンの張力変動を悪化させずに、防振(制振)効果を発揮できる。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
【0045】
本実施形態は、図11に示すように、リアチェーンケース2とフロントチェーンケース3との間に防振ゴム31を介在させた点が前記第1実施形態と異なる。このような構成においては、リアチェーンケース2の振動が、フロントチェーンケース3に伝達されるのを遮断する効果を有するものの、低剛性部材である防振ゴム3が介在しているので、リアチェーンケース2が振動的に浮いた状態となっている。
【0046】
このため、リアチェーンケース2とフロントチェーンケース3とが連続的に繋がっていわゆる閉断面構造となってチェーンケース1全体として高剛性を有している前記第1実施形態のもののように、リアチェーンケース2の共振振動が発生する振動数(周波数域)では、防振効果を得ることができない。
そこで、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、チェーンガイド27と弾性部材28をダイナミックダンパとして機能させることで、リアチェーンケース2の振動(ひいては、チェーンケース1全体の振動騒音)を効果的に低減できる。
【0047】
なお、本実施形態においては、リアチェーンケース2の振動がローカル振動となるので、これを模式的に表すと図12に示すようになる。なお、図12において、リアチェーンケース2の質量をMrとしている。
ここで、チェーンガイド27の質量m、前記段付ゴム部材29のバネ定数k2及び減衰係数C2の設定については、前記第1実施形態と同様に行うのであるが、本実施形態においては、リアチェーンケース2が振動的に浮いているため、質量比を考えた場合に、チェーンケース1全体の質量M(すなわち、m/M)ではなく、リアチェーンケース2の質量Mr(すなわち、m/Mr)を考慮すればよいことになる(Mr<M)。
【0048】
従って、本実施形態(第2実施形態)では、前記第1実施形態よりもチェーンガイド27の質量mをより軽量化することが可能である。これにより、チェーンケース1がリジット構造である前記第1実施形態においては、アルミ製等のチェーンガイド27を使用する必要がある場合でも、本実施形態(第2実施形態)では、樹脂製等のより軽量化したチェーンガイド27を使用すれば良いことになり、低コスト化を図りつつ、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができるという効果がある。
【0049】
なお、以上の説明では、チェーンケース1が防振ゴム31を介して2分割され、チェーンガイド27を取り付けるリアチェーンケース2が振動的に浮いた構成としたものを用いているが、これに限るものではなく、チェーンケース1が3分割以上された部分によって構成されるものであってもよい。かかる場合は、前記チェーンガイド27と弾性部材28の取付方向における固有振動数fβを、当該チェーンガイド27が取り付けられる部分が有する共振周波数に一致させるように設定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチェーンガイドの取付構造を適用したチェーン伝達装置の第1実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】チェーン室内(チェーンケース1内部)の正面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】チェーンガイド27の正面図である。
【図5】弾性部材28の断面図である。
【図6】図1に示すチェーン伝達装置の上面図である。
【図7】フロントチェーンケース3の膜振動を説明するための図である。
【図8】リアチェーンケース2の振動レベルを示す図である。
【図9】前記第1実施形態を模式的に表現した図である。
【図10】振動抑制に影響を与える減衰特性(減衰比)を示す図である。
【図11】本発明に係るチェーンガイドの取付構造を適用したチェーン伝達装置の第2実施形態を示す断面図である。
【図12】前記第2実施形態を模式的に表現した図である。
【符号の説明】
1 … チェーンケース
2 … リアチェーンケース
3 … フロントチェーンケース
17 … 第1のチェーン(クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するチェーン)
27 … チェーンガイド
28 … 弾性部材としての弾性部材
30 … 弾性部材28を構成する段付ゴム部材
31 … 弾性部材28を構成する金属ワッシャ
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンのクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するチェーンの振れを抑制するチェーンガイドをチェーンケースに取り付けるチェーンガイドの取付構造に関し、詳しくは、発生する振動騒音を効果的に低減できるチェーンガイドの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
チェーンケースの振動騒音を低減させるものとしては、特開平7−71268号公報に開示されたものがある。このものは、カムスプロケットの外周に沿ってチェーン室内側に向かって突出する補強リブをチェーンケースに形成することでチェーンケースにおける前記カムスプロケットまわり剛性を高め、これにより、燃焼に伴うエンジンからの振動やチェーンがチェーンガイドに衝突することで生じる振動によって、チェーンケースのカムスプロケットに対峙する部分の膜振動の発生を防止するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、更なる騒音低減の要求が高まりつつある中にあって、燃費改善の要求等からいわゆる直噴エンジンを採用すると、クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するチェーンによって燃料噴射ポンプ等の補機も駆動するようになるため、チェーン張力が増大してチェーンガイドへと入力する高周波加振力も増大することになる。
【0004】
すると、上記従来技術のように、単にチェーンケースの高剛性化によってその共振周波数を高周波側へとシフトさせただけでは、その騒音低減の効果が減少してしまい、振動騒音が大きくなるという問題がある。
また、V型エンジンにあっては、両バンクの中央部でチェーンガイドをチェーンケースに取り付けることが一般的であるが、このような場合、チェーンがチェーンガイドに衝突することによって生じる振動が、チェーンケースのシリンダヘッドやシリンダブロックに固定されていない部分に入力されるため、チェーンケースの振動モードの比較的腹に近い部分を加振してしまい、更に騒音が悪化するおそれがある。
【0005】
これに対して、チェーンケースをフロントチェーンケースとリアチェーンケースとに分割して構成し、その間にゴムガスケット等を介在させて防振構造とすることで、リアチェーンケース側からフロントチェーンケース側へと伝達される振動を減衰させることも考えられる。
しかしながら、このような防振構造とすると、従来のようにフロントチェーンケースとリアチェーンケースとが固定され、いわゆる一体構造であった場合には、フロントチェーンケースとリアチェーンケースとが閉断面構造としてチェーンケース全体として高剛性であったものが、リアチェーンケースが開断面となってしまいチェーンケース全体として低剛性化するため、リアチェーンケース側の振動を増大させてしまうことになる。
【0006】
特に、前記チェーンガイドは、リアチェーンケース側に取り付けられることが多いことから、ますます振動が悪化(騒音が悪化)する傾向にある。
そこで、本発明は、このような従来の問題に着目してなされたものであり、チェーンガイドからチェーンケースへ入力する振動を低減させると共に、チェーンケースの振動騒音を効果的に低減できるようにしたチェーンガイド取付構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るチェーンの取付構造は、エンジンのクランクシャフトとカムシャフトとを同期回転させるチェーンと、該チェーンを包囲するチェーンケースと、該チェーンケースに弾性部材を介して取り付けられ、前記チェーンを案内するチェーンガイドと、を備え、前記弾性部材は、前記チェーンガイドの前記チェーンケースへの取付方向又はこの取付方向に直交する方向の少なくとも一方の振動を抑制するものとした。
【0008】
また、前記弾性部材が前記取付方向及び前記取付方向に直交する方向の双方の振動を抑制するものであって、前記取付方向の弾性特性と前記取付方向に直交する方向の弾性特性とが異なるように構成した。
更にまた、前記取付方向の弾性特性に基づいて決定される前記チェーンガイドと前記弾性部材の固有振動数(取付方向における固有振動数)を、前記チェーンケースの有する共振周波数と一致させるように設定した。
【0009】
【発明の効果】
本発明に係るチェーンガイドの取付構造によれば、チェーンガイドは、弾性部材を介してチェーンケースに取り付けられ、この弾性部材は、前記チェーンガイドのチェーンケースへの取付方向又は/及びこの取付方向に直交する方向の振動を抑制するので、かかる弾性部材によって、チェーンがチェーンガイドと衝突するエネルギーが遮断され、チェーンケースに伝達されることを防止(抑制)できると共に、チェーンケース又は/及びチェーンガイド自身の振動も抑制できる。これにより、チェーンケースからの振動騒音を低減できるという効果がある。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のチェーンガイドの取付構造を適用した第1実施形態に係るV型エンジンのチェーン伝達装置の全体斜視図である。図1に示すように、チェーン室を画成するチェーンケース1は、エンジンの前後方向に2分割されており、エンジン側のリアチェーンケース2とこのリアチェーンケース2に固定されるフロントチェーンケース3とで構成される。
【0011】
前記リアチェーンケース2は、前記エンジンのシリンダブロック4にボルト等によって取り付けられ、固定される。
前記フロントチェーンケース3は、その外周に設けられたフランジ部3aで、例えば、液状ガスケット等を用いて前記リアチェーンケース2(のフランジ部2a)にボルト固定される。
【0012】
なお、本実施形態における前記チェーンケース1は、上記のようにリアチェーンケース2とフロントチェーンケース3とに2分割されてはいるが、一体的に固定されるものである。
また、前記フロントチェーンケース3には、包囲したチェーン等を整備するための整備口5、6が設けられており、チェーンケース1の下方には、チェーン室内で供給される潤滑油の余剰分等を回収するオイルパン7が設けられている。
【0013】
図2は、前記チェーンケース1の内部構造を示すもので、チェーン室内をエンジン正面側から見たものである。図2に示すように、エンジンの前側には、クランクシャフト11に取り付けられたクランクスプロケット12と、右バンクの吸気弁(図示省略)を駆動する吸気カムシャフト13に取り付けられた右側吸気カムスプロケット14と、左バンクの吸気弁(図示省略)を駆動する吸気カムシャフト15に取り付けられた左側吸気カムスプロケット16と、が配設され、これらのスプロケット(11、14、16)には、同期回転させるための第1のチェーン17が巻き掛けられている。
【0014】
また、右バンクの排気弁(図示省略)を駆動する排気カムシャフト18に取り付けられた右側排気カムスプロケット19と、前記右側吸気カムスプロケット14と、には、第2のチェーン20が巻き掛けられており、左バンクの排気弁(図示省略)を駆動する排気カムシャフト21に取り付けられた左側排気カムスプロケット22と、前記左側吸気カムスプロケット16と、には、第3のチェーン23が巻き掛けられている。
【0015】
更に、前記クランクスプロケット12の図で見て右上方には、エンジン冷却水を送るウォーターポンプユニット24が配設されており、このウォーターポンプユニット24の駆動軸に取り付けられたウォーターポンプスプロケット25を前記第1のチェーン17と噛み合わせてある。
そして、前記クランクシャフト11の回転により前記クランクスプロケット12が矢印B方向に回転すると、前記各カムスプロケット(14、16、19、22)及び前記ウォーターポンプスプロケット25は、それぞれ図中矢印で示す方向に回転する。
【0016】
なお、前記第1のチェーン17の緩み側(すなわち、図で見て左側)には、チェーンテンショナー26が設けられており、油圧により適切な張力を前記第1のチェーン17に付与している。
また、前記右バンク側吸気スプロケット14と前記左バンク側吸気スプロケット16との間の位置には、前記第1のチェーン17の振れを抑制するためのチェーンガイド27が前記リアチェーンケース2にボルトにより取り付けられ、固定されている。
【0017】
ここで、前記チェーンガイド27の前記リアチェーンケース2への取付構造について図3〜図5を用いて詳細に説明する。
図3は、前記図2におけるA−A断面図であり、図4は、前記チェーンガイド27の正面図である。図3、4に示すように、前記チェーンガイド27は、前記第1のチェーン17を収容して振れを抑制するチェーン収容部27aと、このチェーン収容部27aの下方に設けられた2つの取付孔27b(軸方向寸法Lh)と、を有する。
【0018】
そして、本実施形態においては、図3に示すように、前記取付孔27bに、エンジンの前側、後側からそれぞれ弾性部材28が嵌挿された状態で、前記リアチェーンケース2の所定位置にボルト29により固定されるようになっている。
前記弾性部材28は、図5に示すように、段付ゴム部材30と、金属ワッシャ31と、で構成されている。
【0019】
前記段付ゴム部材30は、その配合物(すなわち、ゴム材自体、カーボン、配合剤等)の特性によって減衰性能を高めたいわゆる高減衰ゴムで形成され、小径部30a、大径部30b及びボルト用貫通孔30cとを備えて構成される。
前記小径部30aは、前記チェーンガイド27の取付時に、チェーンガイド27の取付孔27bに嵌挿される部分であり、図に示すように、外径d1、軸方向寸法L1(≒Lh/2)となっている。
【0020】
前記大径部30bは、前記チェーンガイド27の取付時に、前記ボルト29と前記チェーンガイド27との間に挟持され、又は、前記チェーンガイド27と前記リアチェーンケース2との間に挟持される部分であり、図に示すようように、外径d2、軸方向寸法L2となっている。
前記ボルト用貫通孔30cは、孔径d3で前記小径部30a及び大径部30bの断面中心を貫通している。なお、図に示すように、前記小径部30aの肉厚をt1(=d1−d3)/2とする。
【0021】
前記金属ワッシャ31は、図に示すように、前記段付ゴム部材30の大径部30b側の端部に取り付けられるもので、例えば、金属プレートをプレス加工により深さh1を有するキャップ状に形成される。なお、図に示すように、金属ワッシャ31の深さh1は、前記段付ゴム部材30の大径部30bの軸方向寸法L2よりも小さく設定されており、前記段付ゴム部材30と同様にボルト用貫通孔31aを有している。
【0022】
次に、上記チェーンガイド27の取付構造の作用について説明する。
上述したように、V型エンジンにおいては、前記チェーンガイド27は両バンクの間の位置(前記右バンク側吸気スプロケット14と前記左バンク側吸気スプロケット16との間の位置)、すなわち、その背面側には何らエンジン本体構造がない位置で、リアチェーンケース2に取り付けられるのが一般的である。
【0023】
このような場合、前記チェーンケース1には、チェーンガイド27側から入力される振動やエンジン側から入力される振動によって、前記チェーン伝達装置の上面図である図6に示すように、その中央部がエンジン前後方向(矢印A)に揺れる振動モード(図中の太線ア)が発生すると共に、各バンクのカムシャフト(13、15、18、21)に対応する位置においては、図7に示すように、各部の振動によりフロントチェーンケース3が膜となって振動する膜振動(図中のイ)が発生し、チェーンケース1から発生する振動騒音が悪化する傾向にある。
【0024】
しかし、本実施形態においては、上述したように、チェーンガイド27が前記弾性部材28を介してリアチェーンケース2に取り付けられているので、この弾性部材28によって、前記第1のチェーン17がチェーンガイド27に衝突するエネルギーを遮断して、チェーンガイド27で発生した振動のリアチェーンケース2への入力を抑制できる。
【0025】
また、前記弾性部材28を構成する段付ゴム部材30の大径部30bが介在することによりチェーンガイド27、リアチェーンケース2それぞれの取付方向(図3の矢印βで示す。以下単にβ方向という)の振動自体も抑制できることになり、前記弾性部材28を構成する段付ゴム部材30の小径部30aが介在することによりチェーンガイド27、リアチェーンケース2それぞれの前記取付方向と直交する方向(図3の矢印αで示す方向をその代表とし、以下単にα方向という)の振動も抑制できることになる。これにより、チェーンケース1全体としての振動騒音を効果的に抑制(低減)できる。
【0026】
なお、前記弾性部材28(を構成する前記段付ゴム部材30)の前記α方向における弾性特性(すなわち、段付ゴム部材30のバネ定数、減衰係数等)と、前記β方向における弾性特性と、は、前記段付ゴム部材30の材質自体、小径部30aの肉厚t1又は大径部30bの軸方向寸法L2を変更することで異なるものに設定できるので、それぞれの方向で適切な弾性特性を選択することができる。
【0027】
このため、前記チェーンガイド27と前記弾性部材28の固有振動数(すなわち、共振周波数)を適宜設定することも可能となり、更なる振動騒音の低減を図ることが可能となる。
以下、前記チェーンガイド27と前記弾性部材28の固有振動数を適切に設定することによる前記α方向、β方向の振動騒音の低減について、図8を参照しつつ説明する。
【0028】
図8は、入力する振動(振動周波数)に対するリアチェーンケースの振動レベルを示すものである。図8において、従来のチェーンガイド取付構造のものを一点鎖線で示し、前記α方向(取付方向に直交する方向)の振動のみを抑制した場合のものを破線で、前記α方向及びβ方向の振動を抑制した場合のものを実線で示してある。
【0029】
なお、以下の説明においては、チェーンガイド27の質量mと、段付ゴム部材30のα方向の弾性特性(すなわち、前記段付ゴム部材30の材質やその小径部30aの肉厚t1によって調整されるバネ定数k、減数係数C等の弾性特性)と、によって決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数をα方向における固有振動数fαとし、チェーンガイド27の質量mと、段付ゴム部材30のβ方向の弾性特性(すなわち、前記段付ゴム部材30の材質やその大径部30bの軸方向寸法L2によって調整される弾性特性)と、によって決定される固有振動数をβ方向における固有振動数fβとする。
【0030】
まず、前記α方向(取付方向と直交する方向)の振動低減について説明する。上述したように、前記チェーンガイド27と弾性部材28は、前記段付ゴム部材30のα方向の弾性特性によって決定されるα方向における固有振動数fαを有するので、この固有振動数fαと一致する振動周波数では、前記チェーンガイド27(と前記弾性部材28)が共振し、この共振振動がリアチェーンケース2に入力されることになるため、前記固有振動数fαと一致する振動周波数に対しては、従来のチェーンガイド取付構造よりもリアチェーンケース2の振動レベルが悪化することになる(図8中の振動ピークa)。
【0031】
しかし、かかる共振点(すなわち、固有振動数fα)を、例えば、その振動が入力された際のチェーンケース1の放射音がほとんど問題とならない周波数域である例えば600(Hz)以下になるように設定したり、又は、前記チェーンケース1が有する主要な共振周波数と一致させないように設定したりすることで、前記共振振動に伴う騒音をほとんど問題のないレベルとすることができる。
【0032】
また、前記共振点(固有振動数fα)の√2倍(約1.4倍)以上の振動周波数に対しては、防振(制振)効果が発揮されることになるので、図8に示すように、高周波になればなるほど振動騒音の低減を図ることができ、全体として見れば、前記α方向における振動騒音を低減できることになり、効果的に防振(制振)効果を発揮できる。
【0033】
更に、前記共振点(固有振動数fα)を、前記第1チェーン17の有する弦共振周波数とも一致させないように設定すれば、チェーンガイド27の共振に伴って前記第1チェーン17が弦共振してしまうことを防止でき、弦共振による張力変動の悪化(すなわち、張力が低くなってしまい前記第1チェーン17の振動周波数が低周波化すること)を防止でき、高周波側になればなるほど得られる防振(制振)効果を十分に発揮することができる。
【0034】
次に、前記β方向(取付方向)の振動低減について説明する。
上述したように、前記チェーンガイド27と弾性部材28は、前記段付ゴム部材30のβ方向の弾性特性によって決定されるβ方向における固有振動数fβを有するので、この固有振動数fβを前記チェーンケース1の有する主要な共振周波数に合わせるように(一致させるようにすれば)設定すれば、このチェーンガイド27と弾性部材28を、前記チェーンケース1に対するダイナミックダンパとして機能させることが可能となる。
【0035】
これにより、チェーンケース1の振動騒音を更に効果的に抑えることができる(図8中のピーク振動b)。なお、この場合において、前記固有振動数fβは、チェーンケース1の有する共振周波数のうちチェーンケース振動が最も放射音となり易いものと一致させるようにし、ケース共振振動(前記図6中のア、図7中のイ)の腹にできるだけ近い位置に、前記チェーンガイド27を取り付けるようにするのが効果的である。
【0036】
なお、上記のように、チェーンガイド27と弾性部材28をダイナミックダンパにとして機能させて防振(制振)効果を発揮させるために考慮すべき点を、図9を参照しつつ説明する。
図9は、上記したチェーンケース1、チェーンガイド27及び弾性部材28の関係を模式的に示したものである。図9においては、チェーンケース1の質量をM、チェーンガイド27の質量をm、弾性部材28(段付ゴム部材30)のβ方向のバネ定数をk1、減衰係数をC1とする。
【0037】
ダイナミックダンパとしての機能を効果的に発揮させるためには、(a)質量比(m/M)が0.2〜0.4となるように設定すること、(b)図10に示すように、減衰比ζ(=減衰係数C1/限界減衰係数Cc)が小さいと十分な制振効果を得られないこと、が必要であり、この点を考慮しつつ、前記チェーンガイド27の質量m、前記段付ゴム部材30の前記β方向のバネ定数k1及び減衰係数C1を設定するようにする。ここで、前記限界減衰係数Cc=2×√(m・k1)であり、前記バネ定数k1及び減衰係数C1は、上述したように、前記段付ゴム部材30の材質、形状(特に前記段付ゴム部材30の大径部30bの軸方向寸法L2)を変更することで適宜設定できる。
【0038】
なお、以上の説明では、前記弾性部材28によって前記α方向及びβ方向の双方の振動低減を行うようにしているが、これに限られるものではなく、前記α方向又は前記β方向の振動抑制をそれぞれ単独で行うようにしてもよい。例えば、前記α方向のみの振動低減を行う場合には、前記弾性部材28を前記段付ゴム部材30の小径部30aのみで構成すればよいし、前記β方向のみの振動低減を行う場合には、前記弾性部材28を前記段付ゴム部材30の大径部30bのみ(又は、これと金属ワッシャ31のみ)で構成すればよい。
【0039】
本実施形態(第1実施形態)は、以上のように構成されるので、以下に記すような効果を有する。
(1)前記弾性部材28は、チェーンガイド27のチェーンケースへの取付方向の弾性特性と前記取付方向に直交する方向の弾性特性とが異なるので、それぞれの方向に適切な弾性特性を設定することができる。また、前記弾性部材28を構成する段付ゴム部材30の材質や形状(小径部30aの肉厚t1、大径部30bの軸方向寸法L2)を変更することで、前記取付方向及びこれに直交する方向の弾性特性を適宜設定できるので、それぞれの方向において適切な弾性特性とすることができる。
【0040】
(2)前記弾性部材28は、前記チェーンガイド27に形成された取付孔27aに嵌挿されるので、比較的簡単な構成で前記弾性部材28に異方性を持たせることができ、前記取付方向に直交する方向(前記α方向を含む)の振動を効果的に低減できる。
(3)前記弾性部材28は、その配合物の特性で高減衰構造とした高減衰ゴムで形成される段付ゴム部材30を含んで構成されるので、防振(制振)効果を充分に発揮できる。
【0041】
(4)前記取付方向(前記β方向)の弾性特性(とチェーンガイド27の質量M)に基づいて決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数fβを、前記チェーンケース1の有する共振周波数に一致させるように設定するので、チェーンガイド27と弾性部材28をチェーンケース1に対するダイナミックダンパとして機能させることができ、チェーンケース1の振動をさらに効果的に抑制できる。
【0042】
(5)前記取付方向に直交する方向(前記α方向をその代表とする)の弾性特性(とチェーンガイド27の質量M)に基づいて決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数fαを前記チェーンケース1の有する共振周波数と一致させないように設定するので、チェーンガイド27の共振振動に伴うチェーンケース1の振動騒音の悪化を抑制できる。
【0043】
(6)前記取付方向に直交する方向の弾性特性(とチェーンガイド27の質量M)に基づいて決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数fαを、前記チェーンケース1に入力された際のチェーンケース発生音が騒音とならない(問題とならない)周波数域に設定するので、チェーンガイド27の共振振動に伴うチェーンケース1の騒音悪化を最小限に抑制できる。
【0044】
(7)前記取付方向に直交する方向の弾性特性(とチェーンガイド27の質量M)に基づいて決定されるチェーンガイド27と弾性部材28の固有振動数fαを、前記第1のチェーン17の有する弦共振周波数と一致させないように設定するので、チェーンの張力変動を悪化させずに、防振(制振)効果を発揮できる。
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
【0045】
本実施形態は、図11に示すように、リアチェーンケース2とフロントチェーンケース3との間に防振ゴム31を介在させた点が前記第1実施形態と異なる。このような構成においては、リアチェーンケース2の振動が、フロントチェーンケース3に伝達されるのを遮断する効果を有するものの、低剛性部材である防振ゴム3が介在しているので、リアチェーンケース2が振動的に浮いた状態となっている。
【0046】
このため、リアチェーンケース2とフロントチェーンケース3とが連続的に繋がっていわゆる閉断面構造となってチェーンケース1全体として高剛性を有している前記第1実施形態のもののように、リアチェーンケース2の共振振動が発生する振動数(周波数域)では、防振効果を得ることができない。
そこで、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、チェーンガイド27と弾性部材28をダイナミックダンパとして機能させることで、リアチェーンケース2の振動(ひいては、チェーンケース1全体の振動騒音)を効果的に低減できる。
【0047】
なお、本実施形態においては、リアチェーンケース2の振動がローカル振動となるので、これを模式的に表すと図12に示すようになる。なお、図12において、リアチェーンケース2の質量をMrとしている。
ここで、チェーンガイド27の質量m、前記段付ゴム部材29のバネ定数k2及び減衰係数C2の設定については、前記第1実施形態と同様に行うのであるが、本実施形態においては、リアチェーンケース2が振動的に浮いているため、質量比を考えた場合に、チェーンケース1全体の質量M(すなわち、m/M)ではなく、リアチェーンケース2の質量Mr(すなわち、m/Mr)を考慮すればよいことになる(Mr<M)。
【0048】
従って、本実施形態(第2実施形態)では、前記第1実施形態よりもチェーンガイド27の質量mをより軽量化することが可能である。これにより、チェーンケース1がリジット構造である前記第1実施形態においては、アルミ製等のチェーンガイド27を使用する必要がある場合でも、本実施形態(第2実施形態)では、樹脂製等のより軽量化したチェーンガイド27を使用すれば良いことになり、低コスト化を図りつつ、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができるという効果がある。
【0049】
なお、以上の説明では、チェーンケース1が防振ゴム31を介して2分割され、チェーンガイド27を取り付けるリアチェーンケース2が振動的に浮いた構成としたものを用いているが、これに限るものではなく、チェーンケース1が3分割以上された部分によって構成されるものであってもよい。かかる場合は、前記チェーンガイド27と弾性部材28の取付方向における固有振動数fβを、当該チェーンガイド27が取り付けられる部分が有する共振周波数に一致させるように設定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るチェーンガイドの取付構造を適用したチェーン伝達装置の第1実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】チェーン室内(チェーンケース1内部)の正面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】チェーンガイド27の正面図である。
【図5】弾性部材28の断面図である。
【図6】図1に示すチェーン伝達装置の上面図である。
【図7】フロントチェーンケース3の膜振動を説明するための図である。
【図8】リアチェーンケース2の振動レベルを示す図である。
【図9】前記第1実施形態を模式的に表現した図である。
【図10】振動抑制に影響を与える減衰特性(減衰比)を示す図である。
【図11】本発明に係るチェーンガイドの取付構造を適用したチェーン伝達装置の第2実施形態を示す断面図である。
【図12】前記第2実施形態を模式的に表現した図である。
【符号の説明】
1 … チェーンケース
2 … リアチェーンケース
3 … フロントチェーンケース
17 … 第1のチェーン(クランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するチェーン)
27 … チェーンガイド
28 … 弾性部材としての弾性部材
30 … 弾性部材28を構成する段付ゴム部材
31 … 弾性部材28を構成する金属ワッシャ
Claims (12)
- エンジンのクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝達するチェーンと、
このチェーンを包囲するチェーンケースと、
このチェーンケースに弾性部材を介して取り付けられ、前記チェーンの振れを抑制するチェーンガイドと、を備え、
前記弾性部材は、前記チェーンガイドの前記チェーンケースへの取付方向又はこの取付方向に直交する方向の少なくとも一方の振動を抑制することを特徴とするチェーンガイドの取付構造。 - 前記弾性部材は、前記取付方向及び前記取付方向に直交する方向の双方の振動を抑制するものであって、
前記取付方向の弾性特性と前記取付方向に直交する方向の弾性特性とが異なることを特徴とする請求項1記載のチェーンガイドの取付構造。 - 前記取付方向の弾性特性と前記取付方向に直交する方向の弾性特性とは、前記弾性部材の形状又は材質を変えることによって異ならせたことを特徴とする請求項2記載のチェーンガイドの取付構造。
- 前記弾性部材は、前記チェーンガイドに形成された取付孔に嵌挿されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のチェーンガイドの取付構造。
- 前記弾性部材は、その配合物の特性で高減衰構造としたものを含んで構成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のチェーンガイドの取付構造。
- 前記取付方向の弾性特性に基づいて決定される前記チェーンガイドと前記弾性部材の取付方向における固有振動数を、前記チェーンケースの有する共振周波数と一致させるように設定したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のチェーンガイドの取付構造。
- 前記取付方向に直交する方向の弾性特性に基づいて決定される前記チェーンガイドと前記弾性部材の取付方向に直交する方向における固有振動数を、前記チェーンケースに入力された際のチェーンケース発生音が騒音とならない周波数域に設定したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のチェーンガイドの取付構造。
- 前記取付方向における固有振動数を、前記チェーンケースの共振周波数のうちチェーンケース振動が最も放射音となり易いものと一致させるように設定したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のチェーンガイドの取付構造。
- 前記取付方向に直交する方向における固有振動数を、前記チェーンケースの有する共振周波数と一致させないように設定したことを特徴とする請求項2から請求項8のいずれか1つに記載のチェーンガイドの取付構造。
- 前記取付方向に直交する方向における固有振動数を、前記チェーンの有する弦共振周波数と一致させないように設定したことを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか1つに記載のチェーンガイドの取付構造。
- 前記チェーンケースは、複数に分割可能に構成されるものであって、
前記チェーンガイドを、前記チェーンケースを構成するいずれかの部位に取り付けると共に、この取付方向における前記チェーンガイドと前記弾性部材の固有振動数を、前記チェーンガイドを取り付ける部位の有する共振周波数と一致させるように設定したことを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1つに記載のチェーンガイドの取付構造。 - 前記チェーンケースは、エンジン側と非エンジン側とに分割可能に構成されるものであって、
前記チェーンガイドをエンジン側のチェーンケースに取り付けると共に、この取付方向における前記チェーンガイドと前記弾性部材の固有振動数を、エンジン側のチェーンケースの有する共振周波数と一致させるように設定したことを特徴とする請求項6から請求項11のいずれか1つに記載のチェーンガイドの取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002166539A JP2004011780A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | チェーンガイドの取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002166539A JP2004011780A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | チェーンガイドの取付構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004011780A true JP2004011780A (ja) | 2004-01-15 |
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ID=30434053
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JP2002166539A Pending JP2004011780A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | チェーンガイドの取付構造 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004011780A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015048748A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関 |
JP2016014427A (ja) * | 2014-07-02 | 2016-01-28 | Ntn株式会社 | チェーンレバーの支持装置およびカム軸駆動用チェーン伝動装置 |
-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002166539A patent/JP2004011780A/ja active Pending
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