JP2014080537A - 粘度指数向上剤及び潤滑油組成物 - Google Patents

粘度指数向上剤及び潤滑油組成物 Download PDF

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繁邦 中田
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Abstract

【課題】粘度指数向上効果が高く、潤滑油組成物の低温粘度を上昇させにくい粘度指数向上剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される重合性不飽和基含有マクロ単量体(Y)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(Y)と(A)の溶解性パラメーターの差の絶対値が0.5〜1.2である粘度指数向上剤。
Figure 2014080537

【選択図】なし

Description

本発明は、粘度指数向上剤及び粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物に関する。
自動車等に使用される潤滑油や作動油等は、高温になるほど粘度が低下するが、実用上は低温から高温までの広範囲にわたり、粘度ができるだけ変化しないことが望ましい。そこで潤滑油に粘度指数向上剤を添加して粘度の温度依存性を改善する方法が広く行われている。そのような粘度指数向上剤としては、メタクリル酸エステル共重合体(特許文献1〜3)及びオレフィン共重合体(特許文献4)等が知られている。
しかしながら、上記の粘度指数向上剤は、粘度指数向上効果が未だ十分ではなく、また、潤滑油組成物に添加した場合に潤滑油組成物の低温での粘度が上昇するという問題があった。
特許第2732187号公報 特開平8−53683号公報 特開2004−307551号公報 特開2005−200454号公報
本発明の目的は、粘度指数向上効果が高く、潤滑油組成物の低温粘度を上昇させにくい粘度指数向上剤を提供することである。
本発明者等は、鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち本発明は、下記一般式(1)で表される重合性不飽和基含有マクロ単量体(Y)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(Y)と(A)の溶解性パラメーターの差の絶対値が0.1〜1.2である粘度指数向上剤;前記粘度指数向上剤及び基油を含有してなる潤滑油組成物;である。
Figure 2014080537
[R、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基;Rは−COO−又は−CONH−で表される基;Rは炭素数2〜4のアルキレン基;Rは、−O−、−NH−、−S−、−OOCCH(CH)S−又は−COOCHCHOCO−で表される基;R6は炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基;pは1〜1,000の数である。]
本発明の粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物は、粘度指数向上効果が高く、潤滑油組成物の低温粘度を上昇させにくいという効果を奏する。
本発明の粘度指数向上剤は、重合性不飽和基含有マクロ単量体(Y)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなり、(Y)が一般式(1)で表される単量体である。
一般式(1)におけるR、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、メチル基である。
一般式(1)におけるRは、−COO−又は−CONH−で表される基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは−COO−で表される基である。
一般式(1)におけるRは、炭素数2〜4のアルキレン基である。炭素数2〜4の
アルキレン基としては、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、及び1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基が挙げられる。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、エチレン基及び1,2−プロピレン基である。
一般式(1)におけるRは、−O−、−NH−、−S−、−OOCCH(CH)S−又は−COOCHHCOCO−で表される基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、−NH−、−S−及び−OOCCH(CH)S−で表される基である。
一般式(1)におけるRは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基である。炭素数1〜10の直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基,n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基が挙げられる。炭素数3〜10の分岐アルキル鎖としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、イソヘキシル基、t−ヘキシル基、イソヘプチル基、t−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基等が挙げられる。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、炭素数1〜8の直鎖又は分岐アルキル基である。
一般式(1)におけるpは1〜1,000の数であり、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは5〜500の数、更に好ましくは10〜300の数である。
(Y)としては、末端に活性水素基含有ポリ(メタ)アクリレート(X)と、少なくとも1個以上の活性水素基と反応しうる官能基を有する重合性不飽和化合物(q)からなる反応生成物が挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」はアクリレート又はメタクリレートを意味する。
活性水素基含有ポリ(メタ)アクリレート(X)としては、水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート(X1)、アミノ基含有ポリ(メタ)アクリレート(X2)、カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレート(X3)等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、(X1)及び(X3)である。
活性水素基含有ポリ(メタ)アクリレート(X)としては、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基を有する(メタ)アクリレート単量体(r)を連鎖移動剤法、アニオン又はカチオン系リビング重合法等により、活性水素基を付与した重合体である。
連鎖移動法としては、単量体(r)と2個以上の異なるラジカル連鎖移動性の官能基を有する連鎖移動剤(s)を溶剤中で重合触媒存在下に溶液重合することにより得る方法が挙げられる。
2個以上の異なるラジカル連鎖移動性の官能基を有する連鎖移動剤(s)としては、チオール基含有連鎖移動剤(s1)及びアミノ基含有連鎖移動剤(s2)等が挙げられる。
チオール基含有連鎖移動剤(s1)としては、(X1)を誘導する2−メルカプトエタノール及び3−メルカプトプロパノール等;(X2)を誘導する2−アミノエタンチオール及びその鉱酸塩等;並びに(X3)を誘導するチオグリコール酸及び3−メルカプトプロピオン酸等;等が挙げられる。
アミノ基含有連鎖移動剤(s2)としては、(X1)又は(X2)を誘導する2−アミノエタノール及び3−アミノプロパノール等が挙げられる。
連鎖移動剤(s)の使用量としては、粘度指数及び低温粘度の観点から、単量体(r)の重量に対して、好ましくは0.1〜20重量%であり、更に好ましくは0.5〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。
アニオン又はカチオン系リビング重合法としては、単量体(r)をアニオン又はカチオン系重合開始剤存在下に溶液重合したのち、炭素数2〜4のアルキレンオキサイド等の環状エポキシ化合物、炭素数2〜4のアルキレンイミン等の環状イミン化合物でアニオン又はカチオン重合末端と結合させることで水酸基含有(メタ)アクリレート(X1)、アミノ基含有(メタ)アクリレート(X2)を得る方法が挙げられる。
少なくとも1個以上の活性水素基と反応し得る官能基を有する重合性不飽和化合物(q)は、1個の活性水素基と少なくとも1個の重合性不飽和基を有する化合物である。
(q)が有する活性水素基としては、水酸基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基及びチオール基等が挙げられる。
(q)としては、水酸基含有重合性不飽和化合物(q1)、アミノ基含有重合性不飽和化合物(q2)、カルボキシル基含有重合性不飽和化合物(q3)及びチオール基含有重合性不飽和化合物(q4)等が挙げられる。
(q1)としては、モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素(q1−1)、不飽和モノカルボン酸と飽和2価アルコールとのモノエステル(q1−2)、不飽和2価アルコールと飽和モノカルボン酸とのモノエステル(q1−3)、アルケニル基を有するフェノール(q1−4)及び不飽和ポリエーテルモノオール(q1−5)等が挙げられる。
モノヒドロキシ置換不飽和炭化水素(q1−1)としては、炭素数3〜6のアルケノール[例えば(メタ)アリルアルコール、2−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール及び3−ブテン−1−オール等];及び炭素数3〜6のアルキノール(例えばプロパギルアルコール等)等が挙げられる。なお、「(メタ)アリル」は、アリル又はメタリルを意味する。
不飽和モノカルボン酸と飽和2価アルコールとのモノエステル(q1−2)としては、炭素数3〜8の不飽和モノカルボン酸(例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びイタコン酸等)と、炭素数2〜12の飽和2価アルコール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール及びブチレングリコール等)とのモノエステル等が挙げられる。
(q1−2)の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
不飽和2価アルコールと飽和モノカルボン酸のモノエステル(q1−3)としては、炭素数3〜8の不飽和2価アルコールと、炭素数2〜12の飽和モノカルボン酸とのモノエステル(例えばブテンジオールの酢酸モノエステル等)等が挙げられる。
アルケニル基を有するフェノール(q1−4)としては、炭素数が2〜8のアルケニル基を有するフェノール等が挙げられる。
(q1−4)の具体例としては、ヒドロキシスチレン及びヒドロキシ−α−メチルスチレン等が挙げられる。
不飽和ポリエーテルモノオール(q1−5)としては、前記(q1−1)又は(q1−4)のアルキレンオキサイド(炭素数2〜8)1〜50モル付加物[例えばポリオキシエチレン(重合度2〜10)モノアリルエーテル]等が挙げられる。
アミノ基含有重合性不飽和化合物(q2)としては、重合性不飽和基含有アミン[モノ−又はジ−(メタ)アリルアミン等]、アミノアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレート等]及びモノアルキル(炭素数1〜12)アミノアルキル(炭素数2〜4)(メタ)アクリレート(モノメチルアミノエチルメタクリレート等)等が挙げられる。
カルボキシル基含有重合性不飽和化合物(q3)としては、カルボキシル基と重合性二重結合を有する化合物等が挙げられる。
(q3)の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びイタコン酸等が挙げられる。
チオール基含有重合性不飽和化合物(q4)としては、前記(q1)が有する水酸基を、チオール基に置換したもの等が挙げられる。
(q)としては、重合性不飽和結合を2個以上有するものも挙げられる。そのような(q)の例としては、3〜8価又はそれ以上の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル又は不飽和カルボン酸とのポリエステル[例えばトリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びグリセリンジ(メタ)アクリレート等]が挙げられる。
(q)が有する重合性不飽和基としては、重合性二重結合及び重合性三重結合が挙げられるが、これらのうち好ましいのは重合性二重結合である。また(q)1分子中の重合性不飽和基の数は、好ましくは1〜3個であり、更に好ましくは1個である。
(q)のうち好ましいのは、(q1)及び(q3)であり、更に好ましいのは(q1)であり、特に好ましいのは、(q1−1)、(q1−2)及び(q1−4)であり、とりわけ特に好ましいのは、(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール又はブチレングリコールとのモノエステル、アリルアルコール及びヒドロキシ−α−メチルスチレンであり、最も好ましいのは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。なお、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
(q)のMnは、好ましくは58〜500であり、更に好ましくは58〜300である。
(Y)が、(X)と(q)が結合されてなる重合体の(Y)の製造方法は特に限定されないが、好ましい製造方法としては、以下のものが挙げられる。
(1)カルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレート(X3)と、水酸基含有重合性不飽和化合物(q1)、アミノ基含有重合性不飽和化合物(q2)又はチオール基含有重合性不飽和化合物(q4)とを、エステル化反応、エステル交換反応、アミド化反応又はチオエステル化反応する方法。
(2)水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート(X1)、アミノ基含有重合性不飽和化合物(X2)又はカルボキシル基含有ポリ(メタ)アクリレート(X3)と、カルボキシル基含有重合性不飽和化合物(q3)とを、エステル化反応、エステル交換反応又はアミド化反応する方法。
(3)(X)と(q)の混合物にポリイソシアネートを加えて、必要により触媒の存在下に反応させる方法。
(1)〜(3)のうち、副生成物の少ない(Y)が得られるという観点から好ましいのは、(1)及び(2)である。
(Y)の数平均分子量(以下Mnと略記する)は、粘度指数向上効果の観点から好ましくは500〜100,000であり、更に好ましくは450〜50,000である。
(Y)のMn及び後述する(共)重合体(A)の重量平均分子量(以下Mwと略記する)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により以下の条件で測定することができる。
<GPCの測定条件>
装置 :「HLC−802A」[東ソー(株)製]
カラム :「TSK gel GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:200μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
(Y)は、潤滑油への溶解性の観点から、特定の溶解性パラメーター(以下SP値と略記する)を有するものが好ましい。(Y)のSP値は、好ましくは7.4〜10.7(cal/cm1/2であり、更に好ましくは8.4〜10.6(cal/cm1/2である。
なお、本発明におけるSP値は、Fedors法(Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14、No.2 P.147〜154)に記載の方法で算出される値である。
(Y)のSP値は、(Y)を構成する単量体それぞれのSP値を前記の方法で算出し、それぞれの単量体のSP値を、構成単量体単位のモル分率に基づいて平均した値である。
(Y)のSP値は、使用する単量体のSP値、モル分率を適宜調整することにより所望の範囲にすることができる。
(Y)と(A)のSP値の差の絶対値は、0.1〜1.2であり、粘度指数向上の観点から、好ましくは0.6〜1.1であり、更に好ましくは0.7〜1.0である。
(Y)の結晶化温度は、潤滑油組成物の低温粘度の観点から好ましくは−40℃以下であり、更に好ましくは−50℃以下、特に好ましくは−55℃以下、最も好ましくは−60℃以下である。
なお、(Y)の結晶化温度は、示差走査熱量計「ユニックスDSC7」(PERKIN−ELMER社製)を使用し、(Y)5mgを試料とし、10℃/分の等温速度で100℃から−80℃まで冷却したときに観測される結晶化温度である。
(Y)は、粘度指数向上の観点から、重合性不飽和基数が0.5〜1.5のものが好ましく、0.8〜1.2のものが更に好ましい。なお、(Y)の重合性不飽和基数とは、(Y)一分子が有する重合性不飽和基の数のことであり、下記式で算出することができる。

[(Y)の重合性不飽和基数]=[(Y)のMn]/[(Y)のよう素価]/(2.54×10
なお、(Y)のよう素価は、JIS−K0070記載の方法に従って測定することができる。
本発明における(共)重合体(A)は、(Y)に加え、下記一般式(2)で表される単量体(a)を構成単量体とする共重合体であることが、粘度指数向上効果の観点から好ましい。
Figure 2014080537
一般式(2)におけるRは、水素原子又はメチル基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、メチル基である。
一般式(2)におけるRは、−O−又は−NH−で表される基である。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは−O−で表される基である。
一般式(2)におけるRは、炭素数2〜4のアルキレン基である。炭素数2〜4のア
ルキレン基としては、エチレン基、1,2−又は1,3−プロピレン基、及び1,2−、1,3−又は1,4−ブチレン基等が挙げられる。これらのうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、エチレン基及び1,2−プロピレン基である。
一般式(2)におけるnは0〜20の数であり、粘度指数向上効果及び低温粘度の観点から、好ましくは0〜5の数であり、更に好ましくは0〜2の数である。
nが2以上の場合のRは同一でも異なっていてもよく、(RO)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。
一般式(2)におけるR10は、炭素数16〜60の分岐アルキル基である。
炭素数16〜60の分岐アルキル基としては、イソヘキサデシル基、2−オクチルノニル基、2−ヘキシルウンデシル基、2−エチルペンタデシル基、2−(3−メチルヘキシル)−7−メチル−ノニル基、イソオクタデシル基、1−ヘキシルトリデシル基、2−エチルヘプタデシル基、2−オクチルウンデシル基、イソイコシル基、1−ウンデシルドデシル基、1−オクチルペンタデシル基、2−デシルトリデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−(1,4,4−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−ヘプチル基、2−ドデシルペンタデシル基、イソトリコンチル基、2−テトラデシルヘプタデシル基、2−ヘキサデシルヘプタデシル基、1−ヘプチルトリコンチル基、2−ヘプタデシルイコシル基、1−オクタデシルイコシル基、2−ヘキサデシルドコシル基、2−(1,4,4−トリメチルブチル)−5,7,7−トリメチル−トリコンチル基、2−イコシルドコシル基、1−イコシルテトラコシル基、2−エチル−4−ブチル−テトラコンチル基、2−テトラコシルヘキサコシル基、2−メチルペンタコンチル基、2−テトラデシルテトラコンチル基、2−ドデシルヘキサテトラコンチル基、2−(3−メチルヘキシル)−7−エチル−ペンタコンチル基、1−オクタコシルトリコンチル基、1−イコシルテトラコンチル基、2−デシルペンタコンチル基及びオレフィン[例えばプロピレンオリゴマー(13〜20量体)、エチレン/プロピレンオリゴマー(18〜28量体、モル比16/1〜1/11)及びイソブテンオリゴマー(10〜15量体)等]から得られるオキソアルコールから水酸基を除いた残基等が挙げられる。
炭素数16〜60の分岐アルキル基のうち、粘度指数向上効果の観点から好ましいのは、炭素数16〜50の分岐アルキル基であり、更に好ましいのは炭素数16〜44の分岐アルキル基、特に好ましいのは炭素数20〜40の分岐アルキル基である。
単量体(a)の具体例としては、(メタ)アクリル酸イソヘキサデシル、(メタ)アクリル酸2−オクチルノニル、エチレングリコールモノ−2−エチルペンタデシルエーテルと(メタ)アクリル酸とのエステル、(メタ)アクリル酸イソオクタデシル、(メタ)アクリル酸1−ヘキシルトリデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘプタデシル、(メタ)アクリル酸イソイコシル、(メタ)アクリル酸1−オクチルペンタデシル、(メタ)アクリル酸2−デシルテトラデシル、(メタ)アクリル酸2−ドデシルペンタデシル、(メタ)アクリル酸イソトリコンチル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルヘプタデシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキサデシルヘプタデシル、(メタ)アクリル酸2−ヘプタデシルイコシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキサデシルドコシル、(メタ)アクリル酸2−イコシルドコシル、(メタ)アクリル酸2−テトラコシルヘキサコシル、(メタ)アクリル酸2−メチルペンタコンチル、(メタ)アクリル酸2−テトラデシルテトラコンチル、(メタ)アクリル酸2−ドデシルヘキサテトラコンチル、(メタ)アクリル酸1−オクタコシルトリコンチル、及びプロピレンオリゴマー(13〜20量体)から得られるオキソアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル等が挙げられる。
(A)は、単量体(a)に加え、炭素数1〜4の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)及び/又は炭素数8〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)を構成単量体とする共重合体であることが、粘度指数向上効果の観点から好ましい。
炭素数1〜4の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(b)としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、及び(メタ)アクリル酸n−ブチル等が挙げられる。
(b)のうち好ましいのは、炭素数1〜3の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであり、更に好ましいのは(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸エチルであり、特に好ましいのは(メタ)アクリル酸メチルである。
炭素数8〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)としては、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸n−トリデシル、(メタ)アクリル酸n−テトラデシル、(メタ)アクリル酸n−ペンタデシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n−オクタデシル、(メタ)アクリル酸n−イコシル、(メタ)アクリル酸n−テトラコシル、(メタ)アクリル酸n−トリアコンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキサトリアコンチル等が挙げられる。
(c)のうち好ましいのは、炭素数12〜32の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、更に好ましいのは炭素数16〜30の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、特に好ましいのは炭素数18〜28の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。
(A)は、更に窒素原子含有ビニル単量体(d)、水酸基含有ビニル単量体(e)及びリン酸エステル基含有ビニル単量体(f)からなる群から選ばれる少なくとも1種を構成単量体とする共重合体であることが、粘度指数向上効果の観点から好ましい。
窒素原子含有ビニル単量体(d)としては、以下の単量体(d1)〜(d4)が挙げられる。
アミド基含有ビニル単量体(d1):
(メタ)アクリルアミド、モノアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したもの;例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はイソブチル(メタ)アクリルアミド等]、モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN−メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド及びN−n−又はイソブチルアミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、ジアルキルアミノ(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したもの;例えばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジイソプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド等]、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド[窒素原子に炭素数1〜4のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジ−n−ブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド等]、N−ビニルカルボン酸アミド[N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−n−又はイソプロピオニルアミド及びN−ビニルヒドロキシアセトアミド等]等のアミド基のみに窒素原子を有するものが挙げられる。
ニトロ基含有単量体(d2):
4−ニトロスチレン等が挙げられる。
1〜3級アミノ基含有ビニル単量体(d3):
1級アミノ基含有ビニル単量体{炭素数3〜6のアルケニルアミン[(メタ)アリルアミン及びクロチルアミン等]、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレート等]};2級アミノ基含有ビニル単量体{モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が1つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、炭素数6〜12のジアルケニルアミン[ジ(メタ)アリルアミン等]};3級アミノ基含有ビニル単量体{ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート[窒素原子に炭素数1〜6のアルキル基が2つ結合したアミノアルキル基(炭素数2〜6)を有するもの;例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、窒素原子を有する脂環式(メタ)アクリレート[モルホリノエチル(メタ)アクリレート等]、芳香族ビニル系単量体[ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルチオピロリドン等]}、及びこれらの塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩又は低級アルキル(炭素数1〜8)モノカルボン酸(酢酸及びプロピオン酸等)塩等が挙げられる。
ニトリル基含有ビニル単量体(d4):
(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。
(d)のうち好ましいのは、(d1)及び(d3)であり、更に好ましいのは、ジフェニルアミン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートである。
水酸基含有ビニル単量体(e)としては、以下の単量体(e1)〜(e2)が挙げられる。
ヒドロキシル基含有ビニル単量体(e1);
ヒドロキシル基含有芳香族ビニル単量体(p−ヒドロキシスチレン等)、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及び2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等]、モノ−又はジ−ヒドロキシアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[N,N−ジヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ−2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等]、ビニルアルコール、炭素数3〜12のアルケノール[(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−オクテノール及び1−ウンデセノール等]、炭素数4〜12のアルケンモノオール又はアルケンジオール[1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール及び2−ブテン−1,4−ジオール等]、ヒドロキシアルキル(炭素数1〜6)アルケニル(炭素数3〜10)エーテル(2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル等)、多価(3〜8価)アルコール(グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ジグリセリン、糖類及び蔗糖等)のアルケニル(炭素数3〜10)エーテル又は(メタ)アクリレート[蔗糖(メタ)アリルエーテル等]等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン鎖含有ビニル単量体(e2);
ポリオキシアルキレングリコール(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜50)、ポリオキシアルキレンポリオール[上記3〜8価のアルコールのポリオキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2〜4、重合度2〜100)]、ポリオキシアルキレングリコール又はポリオキシアルキレンポリオールのアルキル(炭素数1〜4)エーテルのモノ(メタ)アクリレート[ポリエチレングリコール(Mn:100〜300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn:130〜500)モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(Mn:110〜310)(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド付加物(2〜30モル)(メタ)アクリレート及びモノ(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン(Mn:150〜230)ソルビタン等]等が挙げられる。
(e)のうち好ましいのは(e1)であり、更に好ましいのは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−又は3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド及びビニルアルコールである。
リン酸エステル基含有ビニル単量体(f)としては、以下の単量体(f1)〜(f2)が挙げられる。
リン酸エステル基含有単量体(f1):
(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸エステル[(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート及び(メタ)アクリロイロキシイソプロピルホスフェート]及びリン酸アルケニルエステル[リン酸ビニル、リン酸アリル、リン酸プロペニル、リン酸イソプロペニル、リン酸ブテニル、リン酸ペンテニル、リン酸オクテニル、リン酸デセニル及びリン酸ドデセニル等]等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイロキシ」は、アクリロイロキシ又はメタクリロイロキシを意味する。
ホスホノ基含有単量体(f2):
(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)ホスホン酸[(メタ)アクリロイロキシエチルホスホン酸等]及びアルケニル(炭素数2〜12)ホスホン酸[ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸及びオクテニルホスホン酸等]等が挙げられる。
(f)のうち好ましいのは(f1)であり、更に好ましいのは(メタ)アクリロイロキシアルキル(炭素数2〜4)リン酸エステルであり、特に好ましいのは(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェートである。
(A)は、単量体(a)〜(f)に加え、以下の単量体(g)〜(m)を構成単量体としてもよい。
脂肪族炭化水素系ビニル単量体(g):
炭素数2〜20のアルケン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等)及び炭素数4〜12のアルカジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘプタジエン及び1,7−オクタジエン等)等が挙げられる。
脂環式炭化水素系ビニル単量体(h):
シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ピネン、リモネン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等が挙げられる。
芳香族炭化水素系ビニル単量体(i):
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、4−エチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−ブチルスチレン、4−フェニルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ベンジルスチレン、4−クロチルベンゼン、インデン及び2−ビニルナフタレン等が挙げられる。
ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン類(j):
炭素数2〜12の飽和脂肪酸のビニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びオクタン酸ビニル等)、炭素数1〜12のアルキル、アリール又はアルコキシアルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル及びビニル−2−ブトキシエチルエーテル等)及び炭素数1〜8のアルキル又はアリールビニルケトン(メチルビニルケトン、エチルビニルケトン及びフェニルビニルケトン等)等が挙げられる。
エポキシ基含有ビニル単量体(k):
グリシジル(メタ)アクリレート及びグリシジル(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
ハロゲン元素含有ビニル単量体(l):
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、塩化(メタ)アリル及びハロゲン化スチレン(ジクロロスチレン等)等が挙げられる。
不飽和ポリカルボン酸のエステル(m):
不飽和ポリカルボン酸のアルキル、シクロアルキル又はアラルキルエステル[不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸及びイタコン酸等)の炭素数1〜8のアルキルジエステル(ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルマレエート及びジオクチルマレエート)]等が挙げられる。
(A)を構成する(Y)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは1〜50重量%であり、更に好ましくは5〜45重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。
(A)を構成する(a)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは1〜50重量%であり、更に好ましくは5〜45重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。
(A)を構成する(b)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは5〜50重量%であり、更に好ましくは10〜65重量%、特に好ましくは20〜60重量%である。
(A)を構成する(c)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜70重量%であり、更に好ましくは10〜60重量%、特に好ましくは20〜50重量%である。
(A)を構成する(d)〜(f)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜15重量%であり、更に好ましくは1〜12重量%、特に好ましくは2〜10重量%である。
(A)を構成する(g)〜(m)の割合は、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0〜10重量%であり、更に好ましくは1〜7重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。
(A)のSP値は、7.3〜9.5(cal/cm1/2であり、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、好ましくは9.0〜9.5(cal/cm1/2、更に好ましくは9.1〜9.3(cal/cm1/2である。
(A)のSP値は、(A)を構成する単量体それぞれのSP値を前記の方法で算出し、それぞれの単量体のSP値を、構成単量体単位のモル分率に基づいて平均した値である。
(A)のSP値は、使用する単量体のSP値、モル分率を適宜調整することにより7.3〜9.5(cal/cm1/2にすることができる。
(A)のSP値と基油のSP値の差の絶対値は、0.5〜1.2であり、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、好ましくは0.6〜1.0、更に好ましくは0.7〜0.9である。
(A)のMwは、粘度指数向上効果及び潤滑油組成物の低温粘度の観点から、好ましくは5,000〜2,000,000であり、更に好ましい範囲は、潤滑油組成物の用途によって異なり、表1に記載の範囲である。
Figure 2014080537
* :オートマチックトランスミッション油
** :ベルト−コンティニュアスリーバリュアブルトランスミッション油
*** :マニュアルトランスミッション油
(A)の結晶化温度は、潤滑油組成物の低温粘度の観点から好ましくは−30℃以下であり、更に好ましくは−40℃以下、特に好ましくは−50℃以下である。
なお、(A)の結晶化温度は、前記の(Y)の結晶化温度の測定方法と同様の方法により測定することができる。
(A)は、公知の製造方法によって得ることができ、具体的には前記の単量体を溶剤中で重合触媒存在下に溶液重合することにより得る方法が挙げられる。
溶剤としては、トルエン、キシレン、炭素数9〜10のアルキルベンゼン、メチルエチルケトン及び鉱物油等が挙げられる。
重合触媒としては、アゾ系触媒(アゾビスイソブチロニトリル及びアゾビスバレロニトリル等)、過酸化物系触媒(ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキサイド及びラウリルパーオキサイド等)及びレドックス系触媒(ベンゾイルパーオキサイドと3級アミンの混合物等)が挙げられる。更に必要により、公知の連鎖移動剤(炭素数2〜20のアルキルメルカプタン等)を使用することもできる。
重合温度は、好ましくは25〜140℃であり、更に好ましくは50〜120℃である。また、上記の溶液重合の他に、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合により(A)を得ることができる。
(A)が共重合体である場合の重合形態としては、ランダム付加重合体又は交互共重合体のいずれでもよく、また、グラフト共重合体又はブロック共重合体のいずれでもよい。
本発明の粘度指数向上剤は、(A)と、(A)以外のアルキル(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体(B)を併用してもよい。
(B)としては、(A)以外のアルキル(メタ)アクリル酸エステル(共)重合体であれば特に限定しないが、炭素数1〜18の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体等が挙げられる。
(B)の具体例としては、メタクリル酸n−オクタデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−テトラデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜30/90〜70)共重合体、メタクリル酸n−ヘキサデシル/メタクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸メチル(モル比20〜40/55〜75/0〜10)共重合体及びアクリル酸n−ドデシル/メタクリル酸n−ドデシル(モル比10〜40/90〜60)共重合体等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を併用してもよい。
(A)と(B)を併用する場合の(B)の使用量は、(A)の重量に基づいて、潤滑油組成物の低温粘度の観点から好ましくは0.01〜30重量%であり、更に好ましくは0.01〜20重量%、特に好ましくは0.01〜10重量%である。
本発明の潤滑油組成物は、本発明の粘度指数向上剤及び基油を含有してなる。基油としては、鉱物油(溶剤精製油、パラフィン油、イソパラフィンを含有する高粘度指数油、イソパラフィンの水素化分解による高粘度指数油及びナフテン油等)、合成潤滑油[炭化水素系合成潤滑油(ポリα−オレフィン系合成潤滑油等)及びエステル系合成潤滑油等]及びこれらの混合物が挙げられる。これらのうち好ましいのは鉱物油である。
基油の100℃における動粘度(JIS−K2283で測定したもの)は、粘度指数向上効果の観点から好ましくは1〜15mm/sであり、更に好ましくは2〜5mm/sである。
基油の粘度指数(JIS−K2283で測定したもの)は、粘度指数向上効果の観点から好ましくは90以上であり、更に好ましくは100以上である。
基油の曇り点(JIS−K2269で測定したもの)は、好ましくは−5℃以下であり、更に好ましくは−15℃以下である。基油の曇り点がこの範囲内であると潤滑油組成物の低温粘度が良好である。
本発明の潤滑油組成物における粘度指数向上剤の含有率は、基油の重量に基づいて、粘度指数向上剤中の(A)の重量に換算して、好ましくは1〜30重量%である。
潤滑油組成物がエンジン油として使用される場合には、100℃の動粘度が4〜10mm/sの基油に、(A)を2〜10重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物がギヤ油として使用される場合には、100℃の動粘度が2〜10mm/sの基油に、(A)を3〜30重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物が自動変速機油(ATF及びbelt−CVTF等)として使用される場合には、100℃の動粘度が2〜6mm/sの基油に、(A)を3〜25重量%含有しているものが好ましい。
潤滑油組成物がトラクション油として使用される場合には、100℃の動粘度が1〜5mm/sの基油に、(A)を0.5〜10重量%含有しているものが好ましい。
本発明の潤滑油組成物は、各種添加剤を含有してもよい。添加剤としては、以下のものが挙げられる。
(1)清浄剤:
塩基性、過塩基性又は中性の金属塩[スルフォネート(石油スルフォネート、アルキルベンゼンスルフォネート及びアルキルナフタレンスルフォネート等)の過塩基性又はアルカリ土類金属塩等]、サリシレート類、フェネート類、ナフテネート類、カーボネート類、フォスフォネート類及びこれらの混合物;
(2)分散剤:
コハク酸イミド類(ビス−又はモノ−ポリブテニルコハク酸イミド類)、マンニッヒ縮合物及びボレート類等;
(3)酸化防止剤:
ヒンダードフェノール類及び芳香族2級アミン類等;
(4)油性向上剤:
長鎖脂肪酸及びそれらのエステル(オレイン酸及びオレイン酸エステル等)、長鎖アミン及びそれらのアミド(オレイルアミン及びオレイルアミド等)等;
(5)摩擦摩耗調整剤:
モリブデン系及び亜鉛系化合物(モリブデンジチオフォスフェート、モリブデンジチオカーバメート及びジンクジアルキルジチオフォスフェート等)等;
(6)極圧剤:
硫黄系化合物(モノ又はジスルフィド、スルフォキシド及び硫黄フォスファイド化合物)、フォスファイド化合物及び塩素系化合物(塩素化パラフィン等)等;
(7)消泡剤:
シリコン油、金属石けん、脂肪酸エステル及びフォスフェート化合物等;
(8)抗乳化剤:
4級アンモニウム塩(テトラアルキルアンモニウム塩等)、硫酸化油及びフォスフェート(ポリオキシエチレン含有非イオン性界面活性剤のフォスフェート等)等;
(9)腐食防止剤:
窒素原子含有化合物(ベンゾトリアゾール及び1,3,4−チオジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート等)等。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製造例1>
撹拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器に、キシレン1,000重量部、メタクリル酸n−ブチル1,300重量部、2−メルカプトエタノール[和光純薬(株)製]68重量部及び2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[和光純薬(株)製]2.6重量部を投入し、撹拌下80℃に昇温後、同温度で4時間重合反応を行った。
次に、メタクリル酸50重量部及びパラトルエンスルホン酸1重量部を投入し、撹拌下130℃まで昇温し、同温度で4時間エステル化反応を行い、留出水を分離した。更に25℃まで冷却し、H−NMRにてエステル化反応物を確認(収率98モル%)した。10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液300重量部を投入して撹拌し、パラトルエンスルホン酸を十分に中和した。分液ロートにて上澄み液を回収し、120〜130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の単量体及びキシレンを2時間かけて除去し、重合性不飽和基含有マクロ単量体(Y−1)1,300重量部を得た。(Y−1)のSP値:9.6(cal/cm1/2、Mn:1,700、重合性不飽和基数:0.9、結晶化温度:−80℃以下であった。(Y−1)は、一般式(1)におけるR及びRがメチル基、Rが−COO−で表される基、Rがエチレン基、Rが−S−で表される基、Rがn−ブチル基、p=10.6で表される単量体である。
<製造例2>
撹拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器に、キシレン500重量部、メタクリル酸メチル500重量部、2−メルカプトプロピオン酸[和光純薬(株)製]106重量部及び2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[和光純薬(株)製]2.6重量部を投入し、撹拌下80℃に昇温後、同温度で4時間重合反応を行った。
次に、メタクリル酸(2−ヒドロキシエチル)86.7重量部及びパラトルエンスルホン酸1重量部を投入し、撹拌下130℃まで昇温し、同温度で4時間エステル化反応を行い、留出水を分離した。更に25℃まで冷却し、H−NMRにてエステル化反応物を確認(収率98モル%)した。10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液300重量部を投入して撹拌し、パラトルエンスルホン酸を十分に中和した。分液ロートにて上澄み液を回収し、120〜130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の単量体及びキシレンを2時間かけて除去し、重合性不飽和基含有マクロ単量体(Y−2)650重量部を得た。(Y−2)のSP値:10.4(cal/cm1/2、Mn:700、重合性不飽和基数:0.9、結晶化温度:−80℃以下であった。(Y−2)は、一般式(1)におけるR及びRがメチル基、Rが−COO−で表される基、Rがエチレン基、Rが−OOCCH(CH)S−で表される基、Rがメチル基、p=5.0で表される単量体である。
<製造例3>
撹拌装置、加熱冷却装置及び温度計を備えた耐圧反応容器に、キシレン1,500重量部、メタクリル酸n−オクチル1,700重量部、2−アミノエタノール[和光純薬(株)製]11重量部及び2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)[和光純薬(株)製]3.4重量部を投入し、撹拌下80℃に昇温後、同温度で4時間重合反応を行った。
次に、メタクリル酸5重量部及びパラトルエンスルホン酸1重量部を投入し、撹拌下130℃まで昇温し、同温度で4時間エステル化反応を行い、留出水を分離した。更に25℃まで冷却し、H−NMRにてエステル化反応物を確認(収率98モル%)した。10重量%炭酸水素ナトリウム水溶液300重量部を投入して撹拌し、パラトルエンスルホン酸を十分に中和した。分液ロートにて上澄み液を回収し、120〜130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の単量体及びキシレンを2時間かけて除去し、重合性不飽和基含有マクロ単量体(Y−3)1,650量部を得た。(Y−3)のSP値:9.2(cal/cm1/2、Mn:9,500、重合性不飽和基数:0.9、結晶化温度:−65℃であった。(Y−3)は、一般式(1)におけるR及びRがメチル基、Rが−COO−で表される基、Rがエチレン基、Rが−NH−で表される基、Rがn−オクチル基、p=47.3で表される単量体である。
<実施例1〜6、比較例1〜4>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器に、基油A(SP値:8.3、100℃の動粘度:4.2mm/s、粘度指数:128)400重量部、表2に記載の単量体配合物100重量部、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部及び2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.2重量部を投入し、窒素置換(気相酸素濃度100ppm)を行った後、密閉下、撹拌しながら76℃に昇温し、同温度で4時間重合反応を行った。120〜130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の単量体を2時間かけて除去し、共重合体(A1)〜(A6)、(H1)〜(H4)からなる粘度指数向上剤(R1)〜(R6)、(S1)〜(S4)を得た。得られた共重合体(A1)〜(A6)、(H1)〜(H4)のSP値を上記の方法で計算し、Mw及び結晶化温度を上記の方法で測定した。 また、粘度指数向上剤の基油溶解性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
<実施例7〜8、比較例5〜6>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、滴下ロート、窒素吹き込み管及び減圧装置を備えた反応容器に、基油B(SP値:8.3、100℃の動粘度:2.4mm/s、粘度指数:96)100重量部を投入し、別のガラス製ビーカーに、表2記載の単量体100重量部、連鎖移動剤としてのドデシルメルカプタン1.0重量部、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部及び2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.2重量部を投入し、20℃で撹拌、混合して単量体溶液を調製し、滴下ロートに投入した。反応容器の気相部の窒素置換を行った後、密閉下系内温度を70〜85℃に保ちながら、2時間かけて単量体溶液を滴下し、滴下終了から2時間、85℃で熟成した後、120〜130℃に昇温後、同温度で減圧下(0.027〜0.040MPa)未反応の単量体を2時間かけて除去し、共重合体(A7)〜(A8)、(H5)〜(H6)からなる粘度指数向上剤(R7)〜(R8)、(S5)〜(S6)を得た。得られた共重合体(A7)〜(A8)、(H5)〜(H6)のSP値を上記の方法で計算し、Mw及び結晶化温度を上記の方法で測定した。また、粘度指数向上剤の基油溶解性を以下の方法で評価した。結果を表2に示す。
<粘度指数向上剤の基油溶解性の評価方法>
粘度指数向上剤(R1)〜(R8)、(S1)〜(S6)の外観を目視で観察し、以下の評価基準で基油溶解性を評価した。
[評価基準]
○:外観が均一であり、共重合体の不溶解物がない
×:外観が不均一であり、共重合体の不溶解物が認められる
Figure 2014080537
表2に記載の単量体(a)〜(f)の組成は、以下に記載した通りである。
(a−1):メタクリル酸2−n−デシル−n−テトラデシル
(b−1):メタクリル酸メチル
(c−1):メタクリル酸n−テトラデシル
(c−2):メタクリル酸n−ヘキサデシル
(c−3):メタクリル酸n−オクタデシル
(d−1):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
(e−1):ヒドロキシエチルメタクリレート
(f−1):メタクリロイロキシエチルホスフェート
<実施例9〜14、比較例7〜10(エンジン油用潤滑油組成物の評価)>
撹拌装置を備えたステンレス製容器に、基油A(SP値:8.3、100℃の動粘度:4.2mm/s、粘度指数:128)を投入し、得られる潤滑油組成物の150℃のHTHS粘度が2.60±0.05(mm/s)になるように、それぞれ粘度指数向上剤(R1)〜(R6)、(S1)〜(S4)を添加し、潤滑油組成物(V1)〜(V6)、(W1)〜(W4)を得た。
潤滑油組成物(V1)〜(V6)、(W1)〜(W4)の粘度指数、HTHS粘度(80℃)、低温粘度(−40℃)を以下の方法で測定した。結果を表3に示す。
<実施例15〜16、比較例11〜12(ギア油用潤滑油組成物の評価)>
撹拌装置を備えたステンレス製容器に、基油B(SP値:8.3、100℃の動粘度:2.4mm/s、粘度指数:96)を投入し、得られる潤滑油組成物の100℃動粘度が4.50±0.02(mm/s)になるように、それぞれ粘度指数向上剤(R7)〜(R8)、(S5)〜(S6)を添加し、潤滑油組成物(V7)〜(V8)、(W5)〜(W6)を得た。
潤滑油組成物(V7)〜(V8)、(W5)〜(W6)の粘度指数、40℃動粘度、低温粘度(−40℃)を以下の方法で測定した。結果を表4に示す。
<潤滑油組成物の粘度指数及び40℃動粘度の測定方法>
JIS−K2283の方法で測定した。
<潤滑油組成物のHTHS粘度の測定方法>
ASTM D 5481の方法で80℃で測定した。
<潤滑油組成物の低温粘度の測定方法>
JPI−5S−26−85の方法で−40℃での粘度を測定した。
Figure 2014080537
Figure 2014080537
表3、4の結果から明らかなように、本発明の粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物(実施例9〜16)は、比較例7〜12の潤滑油組成物と比較して、粘度指数向上効果が高く、低温粘度が低い。
本発明の粘度指数向上剤を含有してなる潤滑油組成物は、駆動系潤滑油(MTF、デファレンシャルギヤ油、ATF及びbelt−CVTF等)、作動油(機械の作動油、パワーステアリング油及びショックアブソーバー油等)、エンジン油(ガソリン用及びディーゼル用等)及びトラクション油として好適である。

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表される重合性不飽和基含有マクロ単量体(Y)を必須構成単量体とする(共)重合体(A)を含有してなる粘度指数向上剤であって、(Y)と(A)の溶解性パラメーターの差の絶対値が0.1〜1.2である粘度指数向上剤。
    Figure 2014080537
    [R、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基;Rは−COO−又は−CONH−で表される基;Rは炭素数2〜4のアルキレン基;Rは、−O−、−NH−、−S−、−OOCCH(CH)S−又は−COOCHCHOCO−で表される基;R6は炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基;pは1〜1,000の数である。]
  2. (A)の溶解性パラメーターと基油の溶解性パラメーターの差の絶対値が0.5〜1.2である請求項1記載の粘度指数向上剤。
  3. (Y)の数平均分子量が500〜100,000である請求項1又は2に記載の粘度指数向上剤。
  4. (Y)の結晶化温度が−40℃以下である請求項1〜3のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
  5. (A)が、(A)の構成単量体として更に一般式(2)で表される単量体(a)を構成単量体とする共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
    Figure 2014080537
    [Rは水素原子又はメチル基;Rは−O−又は−NH−で表される基;R9は炭素数2〜4のアルキレン基;R10は炭素数16〜60の分岐アルキル基;nは0〜20の数であり、nが2以上の場合のR9は同一でも異なっていてもよく、(R9O)部分はランダム結合でもブロック結合でもよい。]
  6. (A)が、(A)の構成単量体として更に炭素数1〜4の直鎖アルキル基を有する(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル(b)及び/又は炭素数8〜36の直鎖アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(c)を含有してなる共重合体である請求項1〜5のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
  7. (A)が、(A)の構成単量体として更に窒素原子含有ビニル単量体(d)、水酸基含有ビニル単量体(e)及びリン酸エステル基含有ビニル単量体(f)からなる群から選ばれる少なくとも1種を構成単量体してなる共重合体である請求項1〜6のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
  8. (A)が、構成単量体として(A)の重量に基づいて(Y)を1〜50重量%、(a)
    を1〜50重量%、(b)を5〜50重量%及び(c)を0〜70重量%含有する共重合体である請求項1〜7のいずれかに記載の粘度指数向上剤。
  9. (A)の重量平均分子量が5,000〜2,000,000である請求項1〜8のいず
    れかに記載の粘度指数向上剤。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の粘度指数向上剤及び基油を含有してなる潤滑油組成
    物。
  11. 更に、分散剤、清浄剤、酸化防止剤、油性向上剤、摩擦摩耗調整剤及び極圧剤からなる
    群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含有してなる請求項10に記載の潤滑油組成物。
  12. 基油の100℃の動粘度が1〜15mm/sであり、かつ基油の粘度指数が90以上である請求項10又は11に記載の潤滑油組成物。
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