JP2014080496A - ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の構成単位からなるポリカーボネートブロックと、特定の構成単位からなるポリジオルガノシロキサンブロックからなる、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体であり、共重合体中のポリジオルガノシロキサンブロックの分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体およびその製造方法。
【選択図】なし
Description
また、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の低温衝撃性はポリジオルガノシロキサンコモノマーの末端基構造や置換基、ポリジオルガノシロキサン重合度などの分子骨格に大きく左右されることが分かっているが、ポリジオルガノシロキサンの精製の程度と低アウトガス性および低温衝撃性について言及したものはない。
下記一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックと、下記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックからなる、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体であり、共重合体中のポリジオルガノシロキサンブロックの分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
一般式[4]で表わされるモノマーと、一般式[6]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンとから重縮合反応によって構成されるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体であり、一般式[6]で表されるモノマーの分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
共重合体の全重量を基準にして一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが0.1〜50重量%である、前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成4)
p+qが30〜200である、前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成5)
一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが(2−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサン、もしくは(2−メトキシ−4−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサンより誘導された、前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成6)
R3、R4、R5、R6、R7、R8がメチル基である、前項1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成7)
一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックが2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導された、前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成8)
粘度平均分子量が10,000〜50,000である、前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成9)
前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体からなる成型品。
(構成10)
あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中における一般式[4]で表わされる二価フェノール(I)とエステル形成性化合物の反応により末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを含む混合溶液を調製し、次いで、該混合溶液を攪拌しながら分子量分布が3以下まで精製された一般式[6]で表わされるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を二価フェノール(I)に加え、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーを界面重縮合させることを特徴とする、前記1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
(I)ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体
(1)ポリカーボネート
本発明の一般式[4]で表される二価フェノール(I)としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエ−テル、4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、2,2’−ジフェニル−4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルフィド、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,8−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,4’−(1,3−アダマンタンジイル)ジフェノール、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等が挙げられる。
一般式[6]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)としては、例えば次に示すような化合物が用いられる。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は10,000〜50,000の範囲が適切である。かかる粘度平均分子量は好ましくは12,000〜40000、更に好ましくは15000〜35000である。ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量が10,000未満では、多くの分野において実用上の機械的強度が得られにくく、50000を超えると、溶融粘度が高く、概して高い成形加工温度を必要とするため、アウトガス発生量が多くなる傾向がある。
(1)ポリジオルガノシロキサンの精製方法
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)の分子量分布(Mw/Mn)を3以下とするために、高温・高真空下での低分子量成分脱気精製を行う。その際、分子量分布(Mw/Mn)3以下を満たすまで低沸点POS成分を除去するためには温度・真空度・時間の管理が重要である。脱気精製温度は210〜250℃の範囲が適当であり、真空度は2×102Pa以下が望ましい。また、時間は処理量にもよるので一概には規定できないが、1時間〜4時間の範囲で処理することが適当である。脱気精製温度および時間については、それぞれかかる好適な範囲の下限未満では低沸点POS成分の除去が充分でなく、分子量分布(Mw/Mn)3以下を満たすことが困難であるため、得られるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の高温成形時の低アウトガス性が悪く、低温衝撃性も劣る。また、かかる好適な範囲の上限を超えるとヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)の熱分解・酸化反応が進行し着色や重合反応不良を引き起こすため望ましくない。一方、分取型のクロマトグラフィーを用いることによって、熱劣化の心配なく、低沸点POS成分が少なく分子量分布(Mw/Mn)の狭いヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を得ることが可能であるが、脱気精製法と比較して処理量が著しく少なく、生産効率が悪いため、適当ではない。
本発明の方法において、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
また、本発明の方法の妨げにならない範囲で、上記二価フェノール(I)、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)以外の他のコモノマーを共重合体の全重量に対して10重量%以下の範囲で併用することもできる。
二価フェノール(I)のオリゴマーを生成するにあたり、本発明の方法に用いられる二価フェノール(I)の全量を一度にオリゴマーにしてもよく、又は、その一部を後添加モノマーとして後段の界面重縮合反応に反応原料として添加してもよい。後添加モノマーとは、後段の重縮合反応を速やかに進行させるために加えるものであり、必要のない場合には敢えて加える必要はない。
炭酸エステル形成性化合物の使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。また、ホスゲン等のガス状の炭酸エステル形成性化合物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。
酸結合剤の使用割合も、上記同様に、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、オリゴマーの形成に使用する二価フェノール(I)のモル数(通常1モルは2当量に相当)に対して2当量若しくはこれより若干過剰量の酸結合剤を用いることが好ましい。
オリゴマー生成反応のpH範囲は、公知の界面反応条件と同様であり、pHは常に10以上に調製される。
かかる重合反応においては、末端停止剤或いは分子量調節剤が通常使用される。末端停止剤としては一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、トリブロモフェノールなどの他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、ヒドロキシフェニルアルキル酸エステル、アルキルエーテルフェノールなどが例示される。その使用量は用いる全ての二価フェノール系化合物100モルに対して、100〜0.5モル、好ましくは50〜2モルの範囲であり、二種以上の化合物を併用することも当然に可能である。
かかる重合反応の反応時間は、透明性を向上させるためには比較的長くする必要がある。好ましくは30分以上、更に好ましくは50分以上である。
所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。
得られた反応生成物(粗生成物)は公知の分離精製法等の各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体として回収することができる。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、単軸押出機、二軸押出機の如き押出機を用いて、溶融混練することによりペレット化することができる。かかるペレットを作製するにあたり、上記各種難燃剤、強化充填剤、添加剤を配合することもできる。
次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2 c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4 Mv0.83
c=0.7
日本電子株式会社製 JNM−AL400を用い、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の1H−NMRスペクトルを測定し、二価フェノール(I)由来のピークの積分比とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)由来のピークの積分比を比較することにより算出した。
ISO179に準拠して−30℃に冷却した試験片のノッチ付シャルピー衝撃強度を測定した。試験片厚み4mm、−30℃でのノッチ付シャルピー衝撃強度が40kJ/m2未満の場合を△、40以上60kJ/m2未満の場合を○、60kJ/m2以上の場合を◎とした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することにより評価可能である。詳細な分析手法は以下である。ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン16mgをクロロホルム20mLに溶解し、溶離液にクロロホルムを用い、GPC(島津製作所製HPLC−10Aシリーズ、検出器 RID−10A、カラム 昭和電工(株)製 Shodex K−801、K−802、K−806 3本連結)にて分析する。
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体をアルカリで加水分解し、さらにその溶液を水に不溶性の有機溶媒で有機相抽出した後、得られたオイル状成分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することにより評価可能である。詳細な分析手法は以下である。水酸化ナトリウム0.034gにメタノール1mlを加えて溶解し、これに亜硫酸水素ナトリウム0.02g、トルエン1.5mlを加える。この溶液にポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂1.27gを加えて完全に溶解させ、60℃で60分間過熱攪拌する。分解液をナスフラスコに移し、純水10mLを加え、減圧濃縮する。濃縮液に塩化メチレンを加えて振り混ぜた後、静置し、塩化メチレン相を分取する。これを濃縮して得られるオイル状液分を溶離液にクロロホルムを用い、GPC(島津製作所製HPLC−10Aシリーズ、検出器 RID−10A、カラム 昭和電工(株)製 Shodex K−801、K−802、K−806 3本連結)にて分析する。
パウダー3mgを、ダブルショット・パイロライザー(フロンティア・ラボ製、PY−2020iD)の試料管に採取し、300℃×3分間の加熱条件にて発生したガスを、ガスクロマトグラフィー(Agilent Technologies製 6890N、カラム フロンティア・ラボ製UltraALLOY+−5)に導入し、キャリヤーガスにHeを用い、40℃〜300℃まで、10℃/分で昇温し、質量分析計(Agilent Technologies製、5975 inert MSD)にて検出した。マスクロマトグラフにおいて検出した総アウトガス成分ピーク面積に対するシロキサン含有成分のピーク面積について比をとり評価した。総アウトガス成分ピーク面積に対するシロキサン成分含有ガス成分の比(Si含有ガス発生量/総アウトガス発生量)が0.05以下の場合を◎、0.05より大きく0.1以下の場合を○、0.1より大きい場合を×とした。
射出成形機(日本製鋼所(株)製,JSW J−75EIII)を用いて、成形温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル50秒にて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3.0mm(長さ20mm)、2.0mm(長さ45mm)、1.0mm(長さ25mm)である3段型プレートを成形し、500ショット連続成形後の金型外観を目視観察し、金型付着物被覆面積が3割以上認められる場合を×、金型付着物被覆面積が3割以下の場合を○とした。
実施例および比較例では、ポリジオルガノシロキサン構造を有する二価フェノール(II)として下記構造のポリジオルガノシロキサン化合物を使用した。
(II)−1:信越化学工業(株)製 X−22−1821
(II)−2:信越化学工業(株)製 X−22−1822E
1H−NMR測定およびGPC測定によれば、X−22−1821のジメチルシロキサン単位の繰返し数は37であり、分子量分布(Mw/Mn)は3.39であった。これをPDMS−1とする。また、X−22−1822Eのジメチルシロキサン単位の繰返し数は97であり、分子量分布(Mw/Mn)は3.38であった。これをPDMS−3とする。
実施例1
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21592部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液3675部を入れ、一般式[4]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3897部(17.07モル)、およびハイドロサルファイト7.6部を溶解した後、塩化メチレン14565部(二価フェノール(I)に対して10モル当量)を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。塩化メチレン5826部(二価フェノール(I)に対して4モル当量)を加え48.5%水酸化ナトリウム水溶液1131部、p−tert−ブチルフェノール108部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−2]205部(0.067モル)を塩化メチレン800部に溶解した溶液を二価フェノール(II)が二価フェノール(I)に対して0.0004モル当量/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.3部を加えて温度26〜31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。
得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量、ポリジオルガノシロキサン成分含有量、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体中のポリジオルガノシロキサンブロックの分子量分布(Mw/Mn)、ならびにポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体成型品の−30℃でのノッチ付シャルピー衝撃値、330℃におけるアウトガス性、成形時の金型汚れ性を評価した。評価結果を表1に示す。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを3880部用い、一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−2]430部を塩化メチレン1600部に溶解した溶液を加えた以外は、実施例1と同様にした。評価結果を表1に併記する。
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを3880部用い、一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−2]430部を塩化メチレン1600部に溶解した溶液を加え、p−tert−ブチルフェノール63部を塩化メチレン500部に溶解した溶液を加えた以外は、実施例1と同様にした。評価結果を表1に併記する。
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21226部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液3595部を入れ、一般式[4]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3897部(17.09モル)、およびハイドロサルファイト7.6部を溶解した後、塩化メチレン14565部(二価フェノール(I)に対して10モル当量)を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。48.5%水酸化ナトリウム水溶液1112部、p−tert−ブチルフェノール106部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−4]205部(0.029モル)を塩化メチレン800部に溶解した溶液を二価フェノール(II)が二価フェノール(I)に対して0.0004モル当量/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.2部を加えて温度26〜31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。得られた共重合体を実施例1と同様に分析した。評価結果を表1に併記する。
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21592部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液3675部を入れ、一般式[4]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3897部(17.07モル)、およびハイドロサルファイト7.6部を溶解した後、塩化メチレン14565部(二価フェノール(I)に対して10モル当量)を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。塩化メチレン5826部(二価フェノール(I)に対して4モル当量)を加え48.5%水酸化ナトリウム水溶液1131部、p−tert−ブチルフェノール108部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−1]を205部(0.067モル)を塩化メチレン800部に溶解した溶液を二価フェノール(II)が二価フェノール(I)に対して0.0004モル当量/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.3部を加えて温度26〜31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。得られた共重合体を実施例1と同様に分析した。評価結果を表1に併記する。
一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−1]を使用した以外は実施例2と同様にした。評価結果を表1に併記する。
一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−1]を使用した以外は実施例3と同様にした。評価結果を表1に併記する。
一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−3]を使用した以外は実施例4と同様にした。評価結果を表1に併記する。
Claims (10)
- 下記一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックと、下記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックからなる、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体であり、共重合体中のポリジオルガノシロキサンブロックの分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
- 一般式[4]で表わされるモノマーと、一般式[6]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンとから重縮合反応によって構成されるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体であり、一般式[6]で表されるモノマーの分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
- 共重合体の全重量を基準にして一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが0.1〜50重量%である、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
- p+qが30〜200である、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
- 一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが(2−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサン、もしくは(2−メトキシ−4−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサンより誘導された、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
- R3、R4、R5、R6、R7、R8がメチル基である、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
- 一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックが2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導された、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
- 粘度平均分子量が10,000〜50,000である、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
- 請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体からなる成型品。
- あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中における一般式[4]で表わされる二価フェノール(I)とエステル形成性化合物の反応により末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを含む混合溶液を調製し、次いで、該混合溶液を攪拌しながら分子量分布(Mw/Mn)が3以下まで精製された一般式[6]で表わされるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を二価フェノール(I)に加え、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーを界面重縮合させることを特徴とする、請求項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
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