JP2014080496A - ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体およびその製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、高温成形時の低アウトガス性および低温衝撃性に優れるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を提供することにある。
【解決手段】特定の構成単位からなるポリカーボネートブロックと、特定の構成単位からなるポリジオルガノシロキサンブロックからなる、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体であり、共重合体中のポリジオルガノシロキサンブロックの分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体およびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体、およびその製造法に関するものである。さらに詳細には、高温成形時の低アウトガス性及び低温衝撃性に優れるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体、およびその製造法に関するものである。
ポリカーボネートは、耐衝撃性に優れ、高い耐熱性を有するので、光学部品、電気・電子機器分野、自動車分野において幅広く使用されている。更に、昨今の用途分野拡大に対応するため、ビスフェノールA(以下BPAと略称)などの一般的なモノマー原料に各種の共重合モノマー単位を導入した共重合ポリカーボネートの開発が進められている。中でも、BPAとポリジオルガノシロキサンコモノマーからなるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は難燃性や耐衝撃性に優れることが知られており、多くの文献が開示されている(特許文献1〜3)。
しかしながら、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の成形品製造において押出や成形などの高温時にポリジオルガノシロキサン由来の分解ガスが発生するという大きな問題がある。ポリジオルガノシロキサン分解ガス発生機構はポリジオルガノシロキサン骨格自体が有する本質的なものであるため、これを充分に改善することは困難であった。
一般に、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造に使用されるポリジオルガノシロキサンコモノマーは水性アルコール洗浄(特許文献3)や脱気除去(特許文献2)などにより精製されたものが使用される。
また、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の低温衝撃性はポリジオルガノシロキサンコモノマーの末端基構造や置換基、ポリジオルガノシロキサン重合度などの分子骨格に大きく左右されることが分かっているが、ポリジオルガノシロキサンの精製の程度と低アウトガス性および低温衝撃性について言及したものはない。
特許文献4には、使用するポリジオルガノシロキサンコモノマーをアルカリ溶液で洗浄することにより、特定の低分子不純物成分を除去、精製し、高温成形時の黄変が抑制されることが開示されているが、高温成形時の低アウトガス性および低温衝撃性との関連についての記載はない。このように、従来技術ではポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造に使用するポリジオルガノシロキサンコモノマーの精製の程度と該共重合体の特性に関する記載はなく、具体的には、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン中の低沸点ポリジオルガノシロキサン成分(以下低沸点POS成分と略称)量と高温成形時の低アウトガス性および低温衝撃性との相関に関する教示はない。
特開平5−186675号公報 特開平5−247195号公報 特許第2662310号公報 特開2011−122048号公報
本発明の目的は、高温成形時の低アウトガス性および低温衝撃性の改善されたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、一定量以下の低沸点POS成分を有する両末端変性ポリジオルガノシロキサンコモノマーを原料として使用したポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体が格段に優れた高温成形時の低アウトガス性と高い低温衝撃性を両立することを見出し、かかる知見に基づき更に検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば、上記課題は下記構成により解決される。
(構成1)
下記一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックと、下記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックからなる、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体であり、共重合体中のポリジオルガノシロキサンブロックの分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
Figure 2014080496
[(上記一般式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数3〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。
Figure 2014080496
(上記一般式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
Figure 2014080496
(上記一般式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは10〜300の自然数である。XはC2〜C8の二価脂肪族基である。)
(構成2)
一般式[4]で表わされるモノマーと、一般式[6]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンとから重縮合反応によって構成されるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体であり、一般式[6]で表されるモノマーの分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
Figure 2014080496
[(上記一般式[4]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数3〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[5]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。)
Figure 2014080496
(上記一般式[5]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
Figure 2014080496
(上記一般式[6]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは10〜300の自然数である。XはC2〜C8の二価脂肪族基である。)
(構成3)
共重合体の全重量を基準にして一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが0.1〜50重量%である、前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成4)
p+qが30〜200である、前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成5)
一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが(2−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサン、もしくは(2−メトキシ−4−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサンより誘導された、前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成6)
、R、R、R、R、Rがメチル基である、前項1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成7)
一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックが2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導された、前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成8)
粘度平均分子量が10,000〜50,000である、前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
(構成9)
前記1または前記2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体からなる成型品。
(構成10)
あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中における一般式[4]で表わされる二価フェノール(I)とエステル形成性化合物の反応により末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを含む混合溶液を調製し、次いで、該混合溶液を攪拌しながら分子量分布が3以下まで精製された一般式[6]で表わされるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を二価フェノール(I)に加え、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーを界面重縮合させることを特徴とする、前記1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
Figure 2014080496
[(上記一般式[4]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数3〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[5]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。)
Figure 2014080496
(上記一般式[5]においてR11,R12,R13,R14,R15,R6,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
Figure 2014080496
(上記一般式[6]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは10〜300の自然数である。XはC2〜C8の二価脂肪族基である。)
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、高温成形時の低アウトガス性を有し且つ、低温衝撃性を両立した成形品を提供することが可能である。
以下、本発明の詳細について説明する。
(I)ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体
(1)ポリカーボネート
本発明の一般式[4]で表される二価フェノール(I)としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,3’−ビフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエ−テル、4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド、2,2’−ジフェニル−4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジフェニルジフェニルスルフィド、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,8−ビス(4−ヒドロキシフェニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,4’−(1,3−アダマンタンジイル)ジフェノール、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン等が挙げられる。
なかでも、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−スルホニルジフェノール、2,2’−ジメチル−4,4’−スルホニルジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,3−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4−ビス{2−(4−ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼンが好ましく、殊に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、4,4’−スルホニルジフェノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが好ましい。中でも強度に優れ、良好な耐久性を有する2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが最も好適である。また、これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
(2)ポリジオルガノシロキサン
一般式[6]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)としては、例えば次に示すような化合物が用いられる。
Figure 2014080496
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は、オレフィン性の不飽和炭素−炭素結合を有するフェノール類であり、好適にはビニルフェノール、2−アリルフェノール、イソプロペニルフェノール、2−メトキシ−4−アリルフェノールを所定の重合度を有するポリシロキサン鎖の末端に、ハイドロシリレーション反応させることにより容易に製造される。なかでも、(2−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサン、(2−メトキシ−4−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサンが好ましく、殊に(2−アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサン、(2−メトキシ−4−アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサンが好ましい。
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は、その分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを要する。さらに優れた高温成形時の低アウトガス性と低温衝撃性を発現させるために、かかる分子量分布(Mw/Mn)は好ましくは2.5以下であり、更に好ましくは2以下である。かかる好適な範囲の上限を超えると高温成形時のアウトガス発生量が多く、また、低温衝撃性に劣る。
また、高度な耐衝撃性を実現するためにヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)のジオルガノシロキサン重合度(p+q)は10〜300が適切である。かかるジオルガノシロキサン重合度(p+q)は好ましくは20〜200、より好ましくは30〜150、更に好ましくは30〜100である。かかる好適な範囲の下限未満では、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の特徴である耐衝撃性が有効に発現せず、かかる好適な範囲の上限を超えると外観不良が現れる上、生産安定性も劣る。共重合体全重量に占めるポリジオルガノシロキサン含有量は0.1〜50重量%が適切である。かかるポリジオルガノシロキサン成分含有量は好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。かかる好適な範囲の下限未満では、耐衝撃性が十分に発揮されず、かかる好適な範囲の上限を超えると高温成形時のアウトガス発生量が多く、また外観不良が現れる上、生産安定性も劣る。かかるジオルガノシロキサン重合度、ポリジオルガノシロキサン含有量は、1H−NMR測定により算出することが可能である。
(3)ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は10,000〜50,000の範囲が適切である。かかる粘度平均分子量は好ましくは12,000〜40000、更に好ましくは15000〜35000である。ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量が10,000未満では、多くの分野において実用上の機械的強度が得られにくく、50000を超えると、溶融粘度が高く、概して高い成形加工温度を必要とするため、アウトガス発生量が多くなる傾向がある。
一般式[4]で表される二価フェノールは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。一般式[4]で表される二価フェノールが2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンである共重合体は、特に耐衝撃性の点から特に好ましく、汎用されている。
(II)ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造
(1)ポリジオルガノシロキサンの精製方法
ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)の分子量分布(Mw/Mn)を3以下とするために、高温・高真空下での低分子量成分脱気精製を行う。その際、分子量分布(Mw/Mn)3以下を満たすまで低沸点POS成分を除去するためには温度・真空度・時間の管理が重要である。脱気精製温度は210〜250℃の範囲が適当であり、真空度は2×10Pa以下が望ましい。また、時間は処理量にもよるので一概には規定できないが、1時間〜4時間の範囲で処理することが適当である。脱気精製温度および時間については、それぞれかかる好適な範囲の下限未満では低沸点POS成分の除去が充分でなく、分子量分布(Mw/Mn)3以下を満たすことが困難であるため、得られるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の高温成形時の低アウトガス性が悪く、低温衝撃性も劣る。また、かかる好適な範囲の上限を超えるとヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)の熱分解・酸化反応が進行し着色や重合反応不良を引き起こすため望ましくない。一方、分取型のクロマトグラフィーを用いることによって、熱劣化の心配なく、低沸点POS成分が少なく分子量分布(Mw/Mn)の狭いヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を得ることが可能であるが、脱気精製法と比較して処理量が著しく少なく、生産効率が悪いため、適当ではない。
(2)ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法
本発明の方法において、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)は1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。
また、本発明の方法の妨げにならない範囲で、上記二価フェノール(I)、ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)以外の他のコモノマーを共重合体の全重量に対して10重量%以下の範囲で併用することもできる。
本発明の方法においては、あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中における二価フェノール(I)と炭酸エステル形成性化合物の反応により末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを含む混合溶液を調製する。
二価フェノール(I)のオリゴマーを生成するにあたり、本発明の方法に用いられる二価フェノール(I)の全量を一度にオリゴマーにしてもよく、又は、その一部を後添加モノマーとして後段の界面重縮合反応に反応原料として添加してもよい。後添加モノマーとは、後段の重縮合反応を速やかに進行させるために加えるものであり、必要のない場合には敢えて加える必要はない。
このオリゴマー生成反応の方式は特に限定はされないが、通常、酸結合剤の存在下、溶媒中で行う方式が好適である。
炭酸エステル形成性化合物の使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。また、ホスゲン等のガス状の炭酸エステル形成性化合物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。
前記酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン等の有機塩基あるいはこれらの混合物などが用いられる。
酸結合剤の使用割合も、上記同様に、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、オリゴマーの形成に使用する二価フェノール(I)のモル数(通常1モルは2当量に相当)に対して2当量若しくはこれより若干過剰量の酸結合剤を用いることが好ましい。
前記溶媒としては、公知のポリカーボネートの製造に使用されるものなど各種の反応に不活性な溶媒を1種単独であるいは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例としては、例えば、キシレン等の炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロベンゼンをはじめとするハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。特に塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒が好適に用いられる。
オリゴマー生成の反応圧力は特に制限はなく、常圧、加圧、減圧のいずれでもよいが、通常常圧下で反応を行うことが有利である。反応温度は−20〜50℃の範囲から選ばれ、多くの場合、重合に伴い発熱するので、水冷又は氷冷することが望ましい。反応時間は他の条件に左右され一概に規定できないが、通常、0.2〜10時間で行われる。
オリゴマー生成反応のpH範囲は、公知の界面反応条件と同様であり、pHは常に10以上に調製される。
本発明はこのようにして、末端クロロホルメート基を有する二価フェノール(I)のオリゴマーを含む混合溶液を得た後、該混合溶液を攪拌しながら分子量分布(Mw/Mn)が3以下まで高度に精製された一般式[6]で表わされるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を二価フェノール(I)に加え、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーを界面重縮合させることによりポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を得る。
界面重縮合反応を行うにあたり、酸結合剤を反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜追加してもよい。酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン等の有機塩基あるいはこれらの混合物などが用いられる。具体的には、使用するヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)、又は上記の如く二価フェノール(I)の一部を後添加モノマーとしてこの反応段階に添加する場合には、後添加分の二価フェノール(I)とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)との合計モル数(通常1モルは2当量に相当)に対して2当量若しくはこれより過剰量のアルカリを用いることが好ましい。
二価フェノール(I)のオリゴマーとヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)との界面重縮合反応による重縮合は、上記混合液を激しく攪拌することにより行われる。
かかる重合反応においては、末端停止剤或いは分子量調節剤が通常使用される。末端停止剤としては一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、トリブロモフェノールなどの他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、ヒドロキシフェニルアルキル酸エステル、アルキルエーテルフェノールなどが例示される。その使用量は用いる全ての二価フェノール系化合物100モルに対して、100〜0.5モル、好ましくは50〜2モルの範囲であり、二種以上の化合物を併用することも当然に可能である。
重縮合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミン又は第四級アンモニウム塩などの触媒を添加してもよい。
かかる重合反応の反応時間は、透明性を向上させるためには比較的長くする必要がある。好ましくは30分以上、更に好ましくは50分以上である。
所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。
分岐化剤を上記の二価フェノール系化合物と併用して分岐化ポリカーボネートとすることができる。かかる分岐ポリカーボネート樹脂に使用される三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキジフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4−{4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}−α,α−ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行い得る。反応温度は−20〜50℃の範囲から選ばれ、多くの場合、重合に伴い発熱するので、水冷又は氷冷することが望ましい。反応時間は反応温度等の他の条件によって異なるので一概に規定はできないが、通常、0.5〜10時間で行われる。
場合により、得られたポリカーボネート共重合体に適宜物理的処理(混合、分画など)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施して所望の還元粘度[ηSP/c]のポリカーボネート共重合体として取得することもできる。
得られた反応生成物(粗生成物)は公知の分離精製法等の各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体として回収することができる。
また、本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は本発明の効果を損なわない範囲で通常ポリカーボネート樹脂に配合される各種の難燃剤、強化充填材、添加剤を配合することができる。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、単軸押出機、二軸押出機の如き押出機を用いて、溶融混練することによりペレット化することができる。かかるペレットを作製するにあたり、上記各種難燃剤、強化充填剤、添加剤を配合することもできる。
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、通常前記の如く製造されたペレットを射出成形して各種製品を製造することができる。更にペレットを経由することなく、押出機で溶融混練された樹脂を直接シート、フィルム、異型押出成形品、ダイレクトブロー成形品、および射出成形品にすることも可能である。
かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
また本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、およびフィルムなどの形で利用することもできる。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を回転成形やブロー成形などにより成形品とすることも可能である。
更に本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体からなる成形品には、各種の表面処理を行うことが可能である。ここでいう表面処理とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着など)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキなど)、塗装、コーティング、印刷などの樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常のポリカーボネート樹脂に用いられる方法が適用できる。表面処理としては、具体的には、ハードコート、撥水・撥油コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、並びにメタライジング(蒸着など)などの各種の表面処理が例示される。
以下に本発明を実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。特記しない限り、実施例中の部は重量部であり、%は重量%である。なお、評価は下記の方法に従った。
(1)粘度平均分子量(Mv)
次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4 Mv0.83
c=0.7
(2)ポリジオルガノシロキサン成分含有量
日本電子株式会社製 JNM−AL400を用い、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のH−NMRスペクトルを測定し、二価フェノール(I)由来のピークの積分比とヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)由来のピークの積分比を比較することにより算出した。
(3)低温衝撃性評価(ノッチ付シャルピー衝撃強度)
ISO179に準拠して−30℃に冷却した試験片のノッチ付シャルピー衝撃強度を測定した。試験片厚み4mm、−30℃でのノッチ付シャルピー衝撃強度が40kJ/m未満の場合を△、40以上60kJ/m未満の場合を○、60kJ/m以上の場合を◎とした。
(4)ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンの分子量分布(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することにより評価可能である。詳細な分析手法は以下である。ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン16mgをクロロホルム20mLに溶解し、溶離液にクロロホルムを用い、GPC(島津製作所製HPLC−10Aシリーズ、検出器 RID−10A、カラム 昭和電工(株)製 Shodex K−801、K−802、K−806 3本連結)にて分析する。
(5)ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体中のポリジオルガノシロキサンブロックの分子量分布(Mw/Mn)
ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体をアルカリで加水分解し、さらにその溶液を水に不溶性の有機溶媒で有機相抽出した後、得られたオイル状成分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することにより評価可能である。詳細な分析手法は以下である。水酸化ナトリウム0.034gにメタノール1mlを加えて溶解し、これに亜硫酸水素ナトリウム0.02g、トルエン1.5mlを加える。この溶液にポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合樹脂1.27gを加えて完全に溶解させ、60℃で60分間過熱攪拌する。分解液をナスフラスコに移し、純水10mLを加え、減圧濃縮する。濃縮液に塩化メチレンを加えて振り混ぜた後、静置し、塩化メチレン相を分取する。これを濃縮して得られるオイル状液分を溶離液にクロロホルムを用い、GPC(島津製作所製HPLC−10Aシリーズ、検出器 RID−10A、カラム 昭和電工(株)製 Shodex K−801、K−802、K−806 3本連結)にて分析する。
(6)高温での低アウトガス性
パウダー3mgを、ダブルショット・パイロライザー(フロンティア・ラボ製、PY−2020iD)の試料管に採取し、300℃×3分間の加熱条件にて発生したガスを、ガスクロマトグラフィー(Agilent Technologies製 6890N、カラム フロンティア・ラボ製UltraALLOY+−5)に導入し、キャリヤーガスにHeを用い、40℃〜300℃まで、10℃/分で昇温し、質量分析計(Agilent Technologies製、5975 inert MSD)にて検出した。マスクロマトグラフにおいて検出した総アウトガス成分ピーク面積に対するシロキサン含有成分のピーク面積について比をとり評価した。総アウトガス成分ピーク面積に対するシロキサン成分含有ガス成分の比(Si含有ガス発生量/総アウトガス発生量)が0.05以下の場合を◎、0.05より大きく0.1以下の場合を○、0.1より大きい場合を×とした。
(7)金型汚れ性
射出成形機(日本製鋼所(株)製,JSW J−75EIII)を用いて、成形温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル50秒にて幅50mm、長さ90mm、厚みがゲート側から3.0mm(長さ20mm)、2.0mm(長さ45mm)、1.0mm(長さ25mm)である3段型プレートを成形し、500ショット連続成形後の金型外観を目視観察し、金型付着物被覆面積が3割以上認められる場合を×、金型付着物被覆面積が3割以下の場合を○とした。
[両末端フェノール変性ポリジオルガノシロキサンの精製]
実施例および比較例では、ポリジオルガノシロキサン構造を有する二価フェノール(II)として下記構造のポリジオルガノシロキサン化合物を使用した。
(II)−1:信越化学工業(株)製 X−22−1821
(II)−2:信越化学工業(株)製 X−22−1822E
H−NMR測定およびGPC測定によれば、X−22−1821のジメチルシロキサン単位の繰返し数は37であり、分子量分布(Mw/Mn)は3.39であった。これをPDMS−1とする。また、X−22−1822Eのジメチルシロキサン単位の繰返し数は97であり、分子量分布(Mw/Mn)は3.38であった。これをPDMS−3とする。
一方、X−22−1821(PDMS−1)、X−22−1822E(PDMS−3)の低沸点POS成分を除去した両末端フェノール変性ポリジメチルシロキサンを調製した。具体的には、X−22−1821(PDMS−1)を240℃、2×10Paで3時間真空蒸留し、残ったオイル状成分を採取した。得られた両末端フェノール変性ポリジメチルシロキサンの分子量分布(Mw/Mn)は1.96であった。これをPDMS−2とする。同様に、X−22−1822E(PDMS−3)を240℃、2×10Paで3時間真空蒸留し、残ったオイル状成分を採取した。得られた両末端フェノール変性ポリジメチルシロキサンの分子量分布(Mw/Mn)は2.34であった。これをPDMS−4とする。
Figure 2014080496
[ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造]
実施例1
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21592部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液3675部を入れ、一般式[4]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3897部(17.07モル)、およびハイドロサルファイト7.6部を溶解した後、塩化メチレン14565部(二価フェノール(I)に対して10モル当量)を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。塩化メチレン5826部(二価フェノール(I)に対して4モル当量)を加え48.5%水酸化ナトリウム水溶液1131部、p−tert−ブチルフェノール108部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−2]205部(0.067モル)を塩化メチレン800部に溶解した溶液を二価フェノール(II)が二価フェノール(I)に対して0.0004モル当量/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.3部を加えて温度26〜31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。
得られたポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量、ポリジオルガノシロキサン成分含有量、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体中のポリジオルガノシロキサンブロックの分子量分布(Mw/Mn)、ならびにポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体成型品の−30℃でのノッチ付シャルピー衝撃値、330℃におけるアウトガス性、成形時の金型汚れ性を評価した。評価結果を表1に示す。
実施例2
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを3880部用い、一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−2]430部を塩化メチレン1600部に溶解した溶液を加えた以外は、実施例1と同様にした。評価結果を表1に併記する。
実施例3
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを3880部用い、一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−2]430部を塩化メチレン1600部に溶解した溶液を加え、p−tert−ブチルフェノール63部を塩化メチレン500部に溶解した溶液を加えた以外は、実施例1と同様にした。評価結果を表1に併記する。
実施例4
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21226部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液3595部を入れ、一般式[4]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3897部(17.09モル)、およびハイドロサルファイト7.6部を溶解した後、塩化メチレン14565部(二価フェノール(I)に対して10モル当量)を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。48.5%水酸化ナトリウム水溶液1112部、p−tert−ブチルフェノール106部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−4]205部(0.029モル)を塩化メチレン800部に溶解した溶液を二価フェノール(II)が二価フェノール(I)に対して0.0004モル当量/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.2部を加えて温度26〜31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。得られた共重合体を実施例1と同様に分析した。評価結果を表1に併記する。
比較例1
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水21592部、48.5%水酸化ナトリウム水溶液3675部を入れ、一般式[4]で表される二価フェノール(I)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3897部(17.07モル)、およびハイドロサルファイト7.6部を溶解した後、塩化メチレン14565部(二価フェノール(I)に対して10モル当量)を加え、撹拌下22〜30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。塩化メチレン5826部(二価フェノール(I)に対して4モル当量)を加え48.5%水酸化ナトリウム水溶液1131部、p−tert−ブチルフェノール108部を塩化メチレン800部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−1]を205部(0.067モル)を塩化メチレン800部に溶解した溶液を二価フェノール(II)が二価フェノール(I)に対して0.0004モル当量/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.3部を加えて温度26〜31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。得られた共重合体を実施例1と同様に分析した。評価結果を表1に併記する。
比較例2
一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−1]を使用した以外は実施例2と同様にした。評価結果を表1に併記する。
比較例3
一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−1]を使用した以外は実施例3と同様にした。評価結果を表1に併記する。
比較例4
一般式[6]で表される二価フェノール(II)として上記[PDMS−3]を使用した以外は実施例4と同様にした。評価結果を表1に併記する。
Figure 2014080496
本発明のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体を用いることにより、高温成形時の低アウトガス性および低金型汚染性を有しつつ、高い低温衝撃性を両立した成形品の提供が可能であることを明らかに実証している。
本発明において得られるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体は、優れた高温成形時の低アウトガス性及び低温衝撃性、さらには、金型汚染防止効果を発揮し、高い生産効率での成形部品製造を望めるため、光学部品、電気・電子機器分野、自動車分野において幅広く使用することができる。中でも、電気・電子機器部品分野で大きな課題となっているシロキサン分解ガスによる接点障害発生に対する優れた抑制効果を有するため、電気・電子機器筐体、電池ハウジングなどの各種ハウジング成形品やコンセントプラグ等の電源プラグ用樹脂部品で実用性が高い。また、特に低アウトガス性が要求されるシリコンウエハーやハードディスク、磁気ヘッド、ICチップ等の精密電気製品や電子機器の部品搬送用容器などが例示される。

Claims (10)

  1. 下記一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックと、下記一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックからなる、ポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体であり、共重合体中のポリジオルガノシロキサンブロックの分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
    Figure 2014080496
    [(上記一般式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数3〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。
    Figure 2014080496
    (上記一般式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
    Figure 2014080496
    (上記一般式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは10〜300の自然数である。XはC2〜C8の二価脂肪族基である。)
  2. 一般式[4]で表わされるモノマーと、一般式[6]で表されるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサンとから重縮合反応によって構成されるポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体であり、一般式[6]で表されるモノマーの分子量分布(Mw/Mn)が3以下であることを特徴とするポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
    Figure 2014080496
    [(上記一般式[4]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数3〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[5]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。)
    Figure 2014080496
    (上記一般式[5]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
    Figure 2014080496
    (上記一般式[6]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは10〜300の自然数である。XはC2〜C8の二価脂肪族基である。)
  3. 共重合体の全重量を基準にして一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが0.1〜50重量%である、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
  4. p+qが30〜200である、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
  5. 一般式[3]で表されるポリジオルガノシロキサンブロックが(2−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサン、もしくは(2−メトキシ−4−アリルフェノール)末端ポリジオルガノシロキサンより誘導された、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
  6. 、R、R、R、R、Rがメチル基である、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
  7. 一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックが2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導された、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
  8. 粘度平均分子量が10,000〜50,000である、請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体。
  9. 請求項1または請求項2記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体からなる成型品。
  10. あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中における一般式[4]で表わされる二価フェノール(I)とエステル形成性化合物の反応により末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを含む混合溶液を調製し、次いで、該混合溶液を攪拌しながら分子量分布(Mw/Mn)が3以下まで精製された一般式[6]で表わされるヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)を二価フェノール(I)に加え、該ヒドロキシアリール末端ポリジオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーを界面重縮合させることを特徴とする、請求項1記載のポリカーボネート−ポリジオルガノシロキサン共重合体の製造方法。
    Figure 2014080496
    [(上記一般式[4]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数3〜14のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1〜4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[5]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。)
    Figure 2014080496
    (上記一般式[5]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数3〜14のアリール基及び炭素原子数7〜20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜20のシクロアルキル基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数3〜14のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1〜10の整数、hは4〜7の整数である。)]
    Figure 2014080496
    (上記一般式[6]において、R、R、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、p+qは10〜300の自然数である。XはC2〜C8の二価脂肪族基である。)
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