JP2022187860A - ディスプレイ材料用樹脂組成物およびディスプレイ材料用樹脂部品 - Google Patents

ディスプレイ材料用樹脂組成物およびディスプレイ材料用樹脂部品 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、透明性、耐衝撃性、流動性、耐熱性、および芳香剤に対する耐薬品性を高度に両立したポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合を含むディスプレイ材料用樹脂部品を提供することにある。【解決手段】ポリカーボネートブロック(A-1)とポリオルガノシロキサンブロック(A-2)を含むポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)を含むディスプレイ材料用樹脂組成物であり、前記樹脂組成物中のポリオルガノシロキサンブロックの含有量が10.0~16.0重量%であり、かつ粘度平均分子量が14,500~19,000であるディスプレイ材料用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ディスプレイ材料用樹脂組成物およびディスプレイ材料用樹脂部品に関するものである。
ポリカーボネートは、高い透明性と優れた耐熱性を有するので、光学部品、電気・電子機器分野、自動車分野において幅広く使用されている。更に、昨今の用途分野拡大に対応するため、ビスフェノールA(以下BPAと略称)などの一般的なモノマー原料に各種の共重合モノマー単位を導入した共重合ポリカーボネートの開発が進められている。中でも、BPAとポリオルガノシロキサンコモノマーからなるポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体は透明性と耐熱性と耐衝撃性が高度に両立できることが知られており、多くの文献が開示されている(特許文献1~9)。一方で、ディスプレイ材料用樹脂部品には、上記物性に加えて、高い流動性や耐薬品性も求められている。近年、カーナビに代表される車載ディスプレイの大型化が進んでいる為、各機器を構成する大型の前面板やスクリーンなどのディスプレイ材料用樹脂部品には、大型成形を可能にする高い流動性が必要とされている。また、市販の車用芳香剤は、ディスプレイ上部のレジスターやダッシュボードに設置されることが多く、樹脂を腐食させる成分が含まれている場合もある。その為、液だれの発生によりディスプレイ材料と芳香剤が接触した場合でも、ディスプレイ材料の外観を損なわないような芳香剤に対する高い耐薬品性が必要とされている。一般的に、流動性や耐薬品性を上げる為には樹脂改質剤の添加が効果的であるが、透明性や耐衝撃性が大きく低下してしまう為、すべての要求される特性を満たすのは困難である。以上の理由から、この用途へ共重合ポリカーボネートを適用するのは困難だった。さらに、日焼け止め剤との接触や、高温下での芳香剤との接触も想定されるため、より高い耐薬品性も要求され、いまだこれらの要件をすべて満たすディスプレイ用樹脂部品は提供されていなかった。
特開2021-031500号公報 特開2020-122073号公報 特開2016-102219号公報 特開2015-137308号公報 特開2015-137307号公報 特開2015-034191号公報 特開2014-105276号公報 特開2012-246390号公報 特開2012-153824号公報
本発明の目的は、透明性、耐衝撃性、流動性、耐熱性、および芳香剤に対する耐薬品性を高度に両立したポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合を含むディスプレイ材料用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らはこの目的を達成せんとして鋭意研究を重ねた結果、下記構成によって、上記課題を解決することができることを見出し本発明に到達した。
(構成1)
ポリカーボネートブロック(A-1)とポリオルガノシロキサンブロック(A-2)を含むポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)を含むディスプレイ材料用樹脂組成物であり、前記樹脂組成物中のポリオルガノシロキサンブロックの含有量が10.0~16.0重量%であり、かつ粘度平均分子量が14,500~19,000であるディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成2)
前記ポリカーボネートブロック(A-1)が、下記一般式[1]で表される、構成1に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
Figure 2022187860000001
[(上記一般式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~18のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素原子数6~14のアリール基、炭素原子数6~14のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1~4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。)
Figure 2022187860000002
(上記一般式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数6~14のアリール基及び炭素原子数7~20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素
原子数6~14のアリール基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1~10の整数、hは4~7の整数である。)]
(構成3)
前記ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)が、下記一般式[3]で表される、構成1または2に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
Figure 2022187860000003
(上記一般式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、夫々独立に水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、平均鎖長p+qは30~100の自然数である。Xは炭素原子数2~8の二価脂肪族基である。)
(構成4)
一般式[3]における平均鎖長p+qが30~70である構成3に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成5)
一般式[3]で表されるポリオルガノシロキサンブロックが(2-アリルフェノール)末端ポリオルガノシロキサン、もしくは(2-メトキシ-4-アリルフェノール)末端ポリオルガノシロキサンより誘導された、構成3または4に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成6)
一般式[3]中、R、R、R、R、R及びRがメチル基である、構成3~5のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成7)
一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックが2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導された、構成2に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成8)
前記樹脂組成物の粘度平均分子量が14,500~18,000である構成1~7のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成9)
前記樹脂組成物中のポリオルガノシロキサンブロックの含有量が11.0~15.0重量%である構成1~8のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成10)
前記樹脂組成物を用いて、射出成形で得られた幅10mm、長さ80mm、全長150mm、厚み4mmのISOダンベル形引張試験片を100℃で90分間熱処理した後、3点曲げ治具に固定し、成形片中心部に任意の歪を印加し、印加部にさらし小片を被せ、芳香剤0.5mLを塗布し、60℃に保温した恒温槽内で10分間保持する耐薬品性試験において、薬液暴露部に3mm以上のクラックが発生しない歪の限界値が0.3%以上である構成1~9のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成11)
前記樹脂組成物を用いて、射出成形で得られた厚み2mmの成形片におけるヘイズの値が、2.0以下である構成1~10のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成12)
前記樹脂組成物を用いて、射出成形で得られた厚み2mmの成形片のISO6603に準拠して測定された高速面衝撃試験における最大衝撃エネルギーが15J以上で、かつ破壊形態が延性破壊である構成1~11のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成13)
前記樹脂組成物を用いて、溶融混練することにより得られたペレットを100℃で5時間熱風乾燥した後、ISO11443(JIS K 7199)に準拠し、キャピラリー型レオメーター(東洋精機製作所(株)製 キャピログラフ1D)を使用し、キャピラリーとして東洋精機製作所(株)製 キャピラリー型式EF(径:1.0mm、長さ:10.0mm、L/D:10)を用いて、炉体温度300℃で、剪断速度が1220 sec-1の際の剪断粘度の値が280Pa・S以下である構成1~12のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成14)
前記樹脂組成物を用いて、ISO178に準拠して測定された荷重たわみ温度の値が100℃以上である構成1~13のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
(構成15)
構成1~14のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物を成形して得られるディスプレイ材料用樹脂部品。
(構成16)
自動車に搭載されている構成15に記載のディスプレイ材料用樹脂部品。
本発明のディスプレイ材料用樹脂組成物は、透明性、耐衝撃性、流動性、耐熱性、および芳香剤に対する耐薬品性を高度に両立するためその奏する産業上の効果は格別である。
3点曲げ耐薬品性評価治具の図である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明のディスプレイ材料用樹脂組成物は、ポリカーボネートブロック(A-1)とポリオルガノシロキサンブロック(A-2)を含むポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)を含み、前記樹脂組成物中のポリオルガノシロキサンブロックの含有量が10.0~16.0重量%であり、かつ粘度平均分子量が14,500~19,000である。
<<ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)>>
本発明において、ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(以下PC-P
OS共重合体と略することがある)(A)は、ポリカーボネートブロック(A-1)と、ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)とを含み、好ましくはポリカーボネートブロック(A-1)が下記式[1]で表され、ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)が下記式[3]で表される。
<ポリカーボネートブロック(A-1)>
本発明において、ポリカーボネートブロック(A-1)は、PC-POS共重合体において含まれるポリカーボネート系の部分であり、特にその種類は限定されない。例えば、そのようなポリカーボネート系の部分は、芳香族ポリカーボネート系の部分であってもよい。
例えば、ポリカーボネートブロック(A-1)は、下記式[1]で表される。
Figure 2022187860000004
上記式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~18のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素原子数6~14のアリール基、炭素原子数6~14のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表す。RおよびRが夫々複数ある場合は、それらは同一でも異なっていても良い。
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素原子数1~18のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基である。
炭素原子数1~18のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキトキシ基、オクトキシ基、等が挙げられる。炭素原子数1~6のアルコキシ基が好ましい。
炭素原子数6~20のシクロアルキル基として、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素原子数6~12のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基として、好ましくはシクロヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基等が挙げられる。炭素原子数6~12のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数2~10のアルケニル基として、メテニル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。炭素原子数1~6のアルキル基が好ましい。
炭素原子数6~14のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等挙げられる。炭素原子数6~14のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
炭素原子数7~20のアラルキル基として、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基として、ベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ基等が挙げられる。
eおよびfは夫々独立に1~4の整数である。
Wは、単結合もしくは下記式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。
Figure 2022187860000005
上記式[2]においてR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は夫々独立して、水素原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数6~14のアリール基および炭素原子数7~20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表わす。
炭素原子数1~18のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基である。
炭素原子数6~14のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。これらは置換されていてもよい。置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素原子数1~6のアルキル基が挙げられる。
炭素原子数7~20のアラルキル基として、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
19およびR20は夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素原子数6~14のアリール基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基およびカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表す。複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良い。
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素原子数1~18のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基である。
炭素原子数1~10のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等が挙げられる。炭素原子数1~6のアルキル基が好ましい。
炭素原子数6~20のシクロアルキル基として、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素原子数6~12のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基として、シクロヘキシルオキシ基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素原子数6~12のシクロアルキル基が好ましい。
炭素原子数2~10のアルケニル基として、メテニル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられる。炭素原子数1~6のアルキル基が好ましい。
炭素原子数6~14のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等挙げられる。
炭素原子数6~14のアリールオキシ基として、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
炭素原子数7~20のアラルキル基として、ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。
炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基として、ベンジルオキシ基、フェニルエチルオキシ基等が挙げられる。
gは1~10の整数、好ましくは1~6の整数である。hは4~7の整数、好ましくは4~5の整数である。
上記式[1]で表されるポリカーボネートブロックは、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アリル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、4,4-ビフェノール、4,4’-スルホニルジフェノール、2,2’-ジメチル-4,4’-スルホニルジフェノール、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、1,3-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン等が好ましく、より好ましくは2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、4,4-ビフェノール、4,4’-スルホニルジフェノール、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンであり、特に好ましくは2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導されたブロックである。
ポリカーボネートブロック(A-1)の長さは、式[1]の繰り返し単位の平均数で、好ましくは10~100、より好ましくは30~100、さらに好ましくは50~70である。
ポリカーボネートブロック(A-1)の含有量、特に式[1]で表されるポリカーボネートブロックの含有量は、共重合体の全重量を基準にして、好ましくは84.0~90.0重量%、より好ましくは85.0~89.0重量%、さらに好ましくは85.0~88.0重量%である。
<ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)>
本発明において、ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)は、PC-POS共重合体において含まれるポリオルガノシロキサン系の部分であり、特にその種類は限定されない。例えば、ポリオルガノシロキサンブロックは、下記式[3]で表される。
Figure 2022187860000006
上記式[3]において、R、R、R、R、RおよびRは夫々独立に、水素原子、炭素数1~12のアルキル基または炭素数6~12の置換若しくは無置換のアリール基である。
炭素数1~12のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基である。
炭素数6~12の置換若しくは無置換のアリール基として、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。置換基としてメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭素数1~12のアルキル基が挙げられる。
、R、R、R、R、Rはフェニル基、プロピル基、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
およびR10は夫々独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基である。
ハロゲン原子として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
炭素原子数1~10のアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルキル基である。
炭素原子数1~10のアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、ヘプトキシ基、オクトキシ基、等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1~6のアルコキシ基である。
およびR10は水素原子、メトキシ基、エトキシ基が好ましく、水素原子、メトキシ基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
pは自然数であり、好ましくは20~100、より好ましくは30~90であり、さらに好ましくは35~70である。
qは0または自然数であり、好ましくは0~80、より好ましくは0~50である。
平均鎖長p+qは、30~100であり、好ましくは30~90であり、より好ましくは30~70である。上記範囲内であれば、耐衝撃性と耐薬品性が十分に得られ、さらに、外観(色ムラ、剥離不良)も良くなる。
Xは、炭素数2~8の二価脂肪族基である。二価脂肪族基として、炭素数2~8のアルキレン基が挙げられる。アルキレン基としてエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等が挙げられ、トリメチレン基が好ましい。
上記式[3]で表されるポリオルガノシロキサンブロックがアルケニルフェノール末端ポリオルガノシロキサンより誘導されたブロックであることが好ましく、アリルフェノール末端ポリオルガノシロキサンより誘導されたブロックであることがより好ましく、(2-アリルフェノール)末端ポリオルガノシロキサン、もしくは(2-メトキシ-4-アリルフェノール)末端ポリオルガノシロキサンより誘導されたブロックであることがさらに好ましい。即ち、式[3]においてXがトリメチレン基でRおよびR10が水素原子であるか、もしくはXがトリメチレン基でRおよびR10がメトキシ基であることが好ましい。
本発明において使用するPC-POS共重合体(A)中のポリオルガノシロキサンブロックの含有量は、PC-POS共重合体の全重量を基準にして、好ましくは10.0~16.0重量%、より好ましくは11.0~15.0重量%、さらに好ましくは12.0~15.0重量%である。上記範囲内であれば、耐衝撃性、耐熱性、および耐薬品性が十分に得られ、さらに、外観(色ムラ、剥離不良)も良くなる。
本発明において使用するPC-POS共重合体(A)の粘度平均分子量は、好ましくは14,500~19,000、より好ましくは14,500~18,000、さらに好ましくは14,500~17,000である。上記範囲内であれば、実用上の機械的強度と流動性が十分に得られる。また、高い温度での成形が不要な為、樹脂の熱劣化をはじめとした熱による不具合が減少する。さらに、水洗工程における分離能が大きく、高い生産性を達成できる。
<<ディスプレイ材料用樹脂組成物>>
本発明のディスプレイ材料用樹脂組成物は、ポリカーボネートブロック(A-1)とポリオルガノシロキサンブロック(A-2)を含むポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)を含む。
本発明のディスプレイ材料用樹脂組成物中のポリオルガノシロキサンブロックの含有量は、樹脂組成物の全重量を基準として、10.0~16.0重量%、より好ましくは11.0~15.0重量%、さらに好ましくは12.0~15.0重量%がより好ましい。上記範囲内であれば、耐衝撃性、耐熱性、および耐薬品性が十分に得られ、さらに、外観(色ムラ、剥離不良)も良くなる。
本発明のディスプレイ材料用樹脂組成物の粘度平均分子量は、14,500~19,000、より好ましくは14,500~18,000、さらに好ましくは14,500~17,000がより好ましい。上記範囲内であれば、耐衝撃性と耐薬品性と流動性が十分に得られる。上記範囲内であれば、耐衝撃性と耐薬品性と流動性が十分に得られる。
<ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)の原料>
(ポリカーボネートブロック(A-1)のジヒドロキシ化合物成分)
ポリカーボネートブロック(A-1)の原料となるジヒドロキシ化合物は、主として下記一般式[4]で表される二価フェノール(I)から誘導されてもよい。
Figure 2022187860000007
(式中、R、R、e、fおよびWは上記式[1]と同じである。)
該二価フェノールとして、例えば、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,3’-ビフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-イソプロピルフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2-ビス(3-ブロモ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエ-テル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエ-テル、4,4’-スルホニルジフェノール、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2’-ジメチル-4,4’-スルホニルジフェノール、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド、2,2’-ジフェニル-4,4’-スルホニルジフェノール、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジフェニルジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジフェニルジフェニルスルフィド、1,3-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,8-ビス(4-ヒドロキシフェニル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、4,4’-(1,3-アダマンタンジイル)ジフェノール、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-5,7-ジメチルアダマンタン等が挙げられる。
なかでも、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1
-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、4,4’-スルホニルジフェノール、2,2’-ジメチル-4,4’-スルホニルジフェノール、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、1,3-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼン、1,4-ビス{2-(4-ヒドロキシフェニル)プロピル}ベンゼンが好ましく、殊に2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(BPZ)、4,4’-スルホニルジフェノール、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレンが好ましい。中でも強度に優れ、良好な耐久性を有する2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンが最も好適である。また、これらは単独または二種以上組み合わせて用いてもよい。
(ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)のジヒドロキシ化合物成分)
ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)の原料となるジヒドロキシ化合物は、特定の平均鎖長のポリオルガノシロキサンを原料として用いる。具体的には、下記一般式[5]で表されるヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)で表される原料を用いる。
Figure 2022187860000008
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R10、p、qおよびXは上記一般式[3]と同じである。)
上記一般式[5]において、平均鎖長p+qは、30~100が好ましく、30~90が好ましく、30~70がより好ましい。30より小さい場合は、十分な耐衝撃性が発現せず、また、上限値より大きい場合は、外観が悪化する(色ムラ、剥離不良)。また、かかる特定の鎖長範囲を満足するために異なる2種類またはそれ以上の、平均鎖長p+qを有するヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)原料を混合して調製しても良い。その場合、平均鎖長p+qが1以上60未満のポリオルガノシロキサン(B-1)かつ、平均鎖長p+qが60以上200以下のポリオルガノシロキサン(B-2)とを原料として用いる。ポリオルガノシロキサン原料の混合調製の方法としては、末端をヒドロキシアリール変性させた適当なポリオルガノシロキサン原料同士を混合する方法でも、末端をヒドロキシアリール変性させる前の適当な平均鎖長を有するポリオルガノシロキサン前駆体同士を予め混合した後に、末端をヒドロキシアリール変性させる方法のどちらでも良い。該ポリオルガノシロキサン原料と、二価フェノール及びポリカーボネート前駆体とを反応させて得られるPC-POS共重合体におけるポリオルガノシロキサンブロックの平均鎖長p+qは、上記した通り好ましくは30~100、より好ましくは30~90、さらに好ましくは30~70となる。該平均鎖長p+qは核磁気共鳴(NMR)測定により算出される。
上記ポリオルガノシロキサン(B-1)とポリオルガノシロキサン(B-2)と混合する場合は、(B-1):(B-2)重量比=1:99~99:1の割合で用いることが好ましく、より好ましくは10:90~90:10の割合で用いる。
ポリオルガノシロキサン原料として、上記ポリオルガノシロキサン(B-1)と(B-
2)とを予め配合して得られるポリオルガノシロキサン(C)を用いることがより好ましく、この配合比は、上述した(B-1):(B-2)重量比と同様に、好ましくは重量比1:99~99:1であり、より好ましくは10:90~90:10である。
予め配合する場合は、上記ポリオルガノシロキサン(B-1)の平均鎖長p+qの下限は、好ましくは1以上であり、より好ましくは20以上であり、さらに好ましくは30以上であり、上限は、好ましくは60未満であり、より好ましくは50未満であり、さらに好ましくは45未満である。上記ポリオルガノシロキサン(B-2)の平均鎖長p+qの下限は、好ましくは60以上であり、より好ましくは70以上であり、さらに好ましくは90以上であり、上限は、好ましくは200以下であり、より好ましくは100以下である。一般式[5]で表されるヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)としては、例えば次に示すような化合物が好適に用いられる。
Figure 2022187860000009
ヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)は、オレフィン性の不飽和炭素-炭素結合を有するフェノール類であり、好適にはビニルフェノール、2-アリルフェノール、イソプロペニルフェノール、2-メトキシ-4-アリルフェノールを所定の重合度を有するポリオルガノシロキサン鎖の末端に、ハイドロシリレーション反応させることにより容易に製造される。なかでも、(2-アリルフェノール)末端ポリオルガノシロキサン、(2-メトキシ-4-アリルフェノール)末端ポリオルガノシロキサンが好ましく、殊に(2-アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサン、(2-メトキシ-4-アリルフェノール)末端ポリジメチルシロキサンが好ましい。
<ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造方法>
本発明におけるポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体は、下記の工程により製造することができる。
(PC-POS共重合体の製造工程)
工程は、水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中において、上記式[4]で表わされる二価フェノール(I)とホスゲンとを反応させ、末端クロロホーメート基を有するカーボネートオリゴマーを含有する溶液を調製する工程である。
本発明に用いるPC-POS共重合体の製造方法としては、上述した通り、特定の平均鎖長のポリオルガノシロキサンを原料として用い、ヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)は1種のみを用いてもよく、また、2種以上を用いてもよい。具体的には、一般式[5]で表されるヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)で表され、かつ、平均鎖長p+qが30~100となる原料を用いる。また、かかる特定の鎖長範囲を満足するために異なる2種類またはそれ以上の、平均鎖長p+qを有するヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)原料を混合して使用しても良い。その場合には、平均鎖長p+qが1以上60未満のポリオルガノシロキサン(B-1)と、平均鎖長p+qが60以上200以下のポリオルガノシロキサン(B-2)とを原料として用い、調製すること、あるいは、末端をヒドロキシアリール変性させる前の適当な平均鎖長を有するポリオルガノシロキサン前駆体同士を予め混合した後に、末端をヒドロキシアリール変性させて得られた原料を用いても良い。さらに、カーボネート前駆体及び二価フェノールと反応させる前に、前記ポリオルガノシロキサン(B-1)と前記ポリオルガノシロキサン(B-2)とを予め配合しても良く、あらかじめ配合せずに並行して反応溶液へ投入、または(B-1)および(B-2)を分割して逐次的に反応溶液へ投入してカーボネート前駆体及び二価フェノールと反応させても良い。より好ましくは、前記ポリオルガノシロキサン(B-1)を反応溶液へ投入した後、前記ポリオルガノシロキサン(B-2)を反応溶液へ投入して、カーボネート前駆体及び二価フェノールと反応させることが、製造工程設備簡略化による効率化・コスト効果の点で望ましい。原料として用いるポリオルガノシロキサン(B-1)と(B-2)との重量比は上述した通りであり、カーボネート前駆体及び二価フェノールについては後述する。
本発明に用いるPC-POS共重合体を得る界面重縮合法において、一般式[4]および一般式[5]で表される二価フェノールの総量1モル当たり水に不溶性の有機溶媒は、8モル以上16モル未満が好ましい。
ここで、該二価フェノールの総量とは、ボリカーボネートの原料であるビスフェノールとポリオルガノシロキサンモノマーとの合計量を意味する。
また、該不溶性の有機溶媒量とは、触媒を添加して重縮合反応を開始した時点までに用いた合計量であり、ポリカーボネートオリゴマーの製造時に使用した量、ポリオルガノシロキサンモノマーおよび末端停止剤の溶解に使用した量、界面重縮合反応時の乳化状態を調整するため追加する量の合計量である。
本発明に用いるPC-POS共重合体を得る界面重縮合法において、一般式[4]および一般式[5]で表される二価フェノールの総量1モル当たり水に不溶性の有機溶媒が、下限未満の場合は重合時の乳化状態悪化によりポリマー品質が低下し、また溶液粘度が高過ぎるため生産性も低下、上限超えた場合は、乳化状態が悪いために共重合体中へのポリオルガノシロキサンブロックの導入が困難となり、外観不良が起きやすい。さらに、かかるカーボネート前駆体及び二価フェノールとポリオルガノシロキサンの反応進行後、すぐに水に不溶性の有機溶媒を添加してもよい。具体的には用いたポリオルガノシロキサンのうち、反応溶液中の未反応のポリオルガノシロキサンの比率が10%以下となったところで、水に不溶性の有機溶媒を一般式[4]および一般式[5]で表される二価フェノールの総量1モル当たり2モル以上添加することが望ましい。これにより、十分な反応進行度を確保しつつ、高濃度化によるポリマー成分の析出リスクも抑えることが可能である。
また、本発明の製造方法の妨げにならない範囲で、上記二価フェノール(I)、ヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)以外の他のコモノマーを共重合体の全重量に対して10重量%以下の範囲で併用することもできる。
本発明の製造方法においては、あらかじめ水に不溶性の有機溶媒とアルカリ水溶液との混合液中における二価フェノール(I)と炭酸エステル形成性化合物の反応により末端クロロホルメート基を有するオリゴマーを含む混合溶液を調製する。
二価フェノール(I)のオリゴマーを生成するにあたり、本発明の方法に用いられる二価フェノール(I)の全量を一度にオリゴマーにしてもよく、又は、その一部を後添加モノマーとして後段の界面重縮合反応に反応原料として添加してもよい。後添加モノマーとは、後段の重縮合反応を速やかに進行させるために加えるものであり、必要のない場合には敢えて加える必要はない。
このオリゴマー生成反応の方式は特に限定はされないが、通常、酸結合剤の存在下、溶媒中で行う方式が好適である。
炭酸エステル形成性化合物の使用割合は、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜調整すればよい。また、ホスゲン等のガス状の炭酸エステル形成性化合物を使用する場合、これを反応系に吹き込む方法が好適に採用できる。
前記酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン等の有機塩基あるいはこれらの混合物などが用いられる。
酸結合剤の使用割合も、上記同様に、反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜定めればよい。具体的には、オリゴマーの形成に使用する二価フェノール(I)のモル数(通常1モルは2当量に相当)に対して2当量若しくはこれより若干過剰量の酸結合剤を用いることが好ましい。
前記溶媒としては、公知のポリカーボネートの製造に使用されるものなど各種の反応に不活性な溶媒を1種単独であるいは混合溶媒として使用すればよい。代表的な例としては、例えば、キシレン等の炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロベンゼンをはじめとするハロゲン化炭化水素溶媒などが挙げられる。特に塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素溶媒が好適に用いられる。
オリゴマー生成の反応圧力は特に制限はなく、常圧、加圧、減圧のいずれでもよいが、通常常圧下で反応を行うことが有利である。反応温度は-20~50℃の範囲から選ばれ、多くの場合、重合に伴い発熱するので、水冷又は氷冷することが望ましい。反応時間は他の条件に左右され一概に規定できないが、通常、0.2~10時間で行われる。
オリゴマー生成反応のpH範囲は、公知の界面反応条件と同様であり、pHは常に10以上に調製される。
本発明はこのようにして、末端クロロホルメート基を有する二価フェノール(I)のオリゴマーを含む混合溶液を得た後、該混合溶液を攪拌しながら前記ヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)を二価フェノール(I)に加え、該ヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)と該オリゴマーを界面重縮合させることによりポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体を得る。
界面重縮合反応を行うにあたり、酸結合剤を反応の化学量論比(当量)を考慮して適宜追加してもよい。酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、ピリジン等の有機塩基あるいはこれらの混合物などが用いられる。具体的には、使用するヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)、又は上記の如く二価フェノール(I)の一部を後添加モノマーとしてこの反応段階に添加する場合には、後添加分の二価フェノール(I)とヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)との合計モル数(通常1モルは2当量に相当)に対して2当量若しくはこれより過剰量のアルカリを用いることが好ましい。
二価フェノール(I)のオリゴマーとヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)との界面重縮合反応による重縮合は、上記混合液を激しく攪拌することにより行われる。
かかる重合反応においては、末端停止剤或いは分子量調節剤が通常使用される。末端停止剤としては一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-クミルフェノール、トリブロモフェノールなどの他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、ヒドロキシフェニルアルキル酸エステル、アルキルエーテルフェノールなどが例示される。その使用量は用いる全ての二価フェノール系化合物100モルに対して、100~0.5モル、好ましくは50~2モルの範囲であり、二種以上の化合物を併用することも当然に可能である。
重縮合反応を促進するために、トリエチルアミンのような第三級アミン又は第四級アンモニウム塩などの触媒を添加してもよい。
かかる重合反応の反応時間は、未反応ポリオルガノシロキサンブロックのを低減するためには比較的長くする必要がある。好ましくは30分以上、更に好ましくは50分以上である。一方、長時間の反応溶液の撹拌によってポリマーの析出が発生し得るため、好ましくは180分以下、更に好ましくは90分以下である。
所望に応じ、亜硫酸ナトリウム、ハイドロサルファイドなどの酸化防止剤を少量添加してもよい。
また、本発明に用いるポリカーボネート樹脂組成物は、分岐化剤を上記の二価フェノール系化合物と併用して分岐化ポリカーボネートとすることができる。かかる分岐ポリカーボネート樹脂に使用される三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、フロログルシド、または4,6-ジメチル-2,4,6-トリス(4-ヒドロキジフェニル)ヘプテン-2、2,4,6-トリメチル-2,4,6-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5-トリス(4-ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,6-ビス(2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェノール、4-{4-[1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン}-α,α-ジメチルベンジルフェノール等のトリスフェノール、テトラ(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4-ビス(4,4-ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、またはトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびこれらの酸クロライド等が挙げられ、中でも1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1-トリス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)エタンが好ましく、特に1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
反応圧力は、減圧、常圧、加圧のいずれでも可能であるが、通常は、常圧若しくは反応系の自圧程度で好適に行い得る。反応温度は-20~50℃の範囲から選ばれ、多くの場合、重合に伴い発熱するので、水冷又は氷冷することが望ましい。反応時間は反応温度等の他の条件によって異なるので一概に規定はできないが、通常、0.5~10時間で行われる。
場合により、得られたポリカーボネート共重合体に適宜物理的処理(混合、分画など)及び/又は化学的処理(ポリマー反応、架橋処理、部分分解処理など)を施して所望の還元粘度[ηSP/c]のポリカーボネート共重合体として取得することもできる。
得られた反応生成物(粗生成物)は公知の分離精製法等の各種の後処理を施して、所望の純度(精製度)のポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体として回収することができる。
また、本発明に用いるポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で通常ポリカーボネート樹脂に配合される各種の難燃剤、強化充填材、添加剤を配合することができる。
本発明におけるポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体は、単軸押出機、二軸押出機の如き押出機を用いて、溶融混練することによりペレット化することができる。
また、本発明の樹脂組成物には、更に本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂(例えば、ポリアリレート樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂等)、酸化防止剤(例えば、ヒンダ-ドフェノ-ル系化合物等)、衝撃改良剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、着色剤、無機充填剤(タルク、マイカ、ウォラストナイト、カオリンなど)等を配合することができる。
本発明におけるディスプレイ材料用樹脂部品は、通常前記の如く製造されたペレットを射出成形して各種製品を製造することができる。更にペレットを経由することなく、押出機で溶融混練された樹脂を直接シート、フィルム、異型押出成形品、ダイレクトブロー成形品、および射出成形品して製造することも可能である。
かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形などの射出成形法を用いてディスプレイ材料用樹脂部品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
また本発明におけるディスプレイ材料用樹脂部品は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、およびフィルムなどの形で利用されても良い。またシート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。さらに特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明のディスプレイ材料用樹脂部品は回転成形やブロー成形などにより得ることも可能である。
更に本発明において、ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体からなる成形品には、各種の表面処理を行うことが可能である。ここでいう表面処理とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着など)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキなど)、塗装、コーティング、印刷などの樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させるものであり、通常のポリカーボネート樹脂に用いられる方法が適用できる。表面処理としては、具体的には、ハードコート、撥水・撥油コート、紫外線吸収コート、赤外線吸収コート、並びにメタライジング(蒸着など)などの各種の表面処理が例示される。
本発明のディスプレイ材料用樹脂部品は、自動車に搭載されているディスプレイ材料用樹脂部品であることが好ましい。
<<PC-POS共重合体を含むディスプレイ材料用樹脂組成物の特性値>>
(透明性)
本発明に用いる樹脂組成物は、射出成形で得られた厚み2mmの成形片におけるヘイズの値が、好ましくは2.0以下であり、より好ましくは1.5以下であり、さらに好ましくは1.0以下である。透明性が上記範囲内であれば、ディスプレイの視認性や加飾性が高くなる為、ディスプレイ材料用樹脂部品への適用が可能である。
(耐衝撃性)
本発明に用いる樹脂組成物は、射出成形で得られた厚み2mmの成形片のISO6603に準拠して測定された高速面衝撃試験における最大衝撃エネルギーが好ましくは15J以上、より好ましくは17J以上であり、かつ破壊形態が延性破壊である。耐衝撃性が上記範囲内であれば、落下の衝撃によって破損しにくい為、ディスプレイ材料用樹脂部品への適用が可能である。
(流動性)
本発明に用いる樹脂組成物は、溶融混練することにより得られたペレットを100℃で5時間熱風乾燥した後、ISO11443(JIS K 7199)に準拠し、キャピラリー型レオメーター(東洋精機製作所(株)製 キャピログラフ1D)を使用し、キャピラリーとして東洋精機製作所(株)製 キャピラリー型式EF(径:1.0mm、長さ:10.0mm、L/D:10)を用いて、炉体温度300℃で、剪断速度が1220 sec-1の際の剪断粘度の値が、好ましくは280Pa・S以下であり、より好ましくは250Pa・S以下であり、さらに好ましくは200Pa・S以下であり、特に好ましくは160Pa・S以下ある。流動性が上記範囲内であれば、薄肉部品の成型が可能である為、ディスプレイ材料用樹脂部品へ適用が可能である。
(耐熱性)
本発明に用いる樹脂組成物は、ISO178に準拠して測定された荷重たわみ温度の値が、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは102℃以上であり、さらに好ましくは104℃以上である。耐熱性が上記範囲内であれば、高温環境下でも使用可能である為、ディスプレイ材料用樹脂部品へ適用が可能である。
(耐薬品性)
本発明に用いる樹脂組成物は、射出成形で得られた幅10mm、長さ80mm、全長150mm、厚み4mmのISOダンベル形引張試験片を100℃で90分間熱処理した後、3点曲げ治具に固定し、成形片中心部に任意の歪を印加し、印加部にさらし小片を被せ、芳香剤0.5mLを塗布し、60℃に保温した恒温槽内で10分間保持する耐薬品性試験において、薬液暴露部に3mm以上のクラックが発生しない歪の限界値が0.3%以上であることが好ましく、0.4%以上であることがより好ましく、0.5%以上であることがさらに好ましい。
耐薬品性試験における任意の歪は、0.1%、0.2%、0.3%と、0.1%刻みで印加し、例えば、0.3%の印加において、3mm以上のクラックが存在せず、0.4%の印加において、3mm以上のクラックが存在した場合、上記3mm以上のクラックが存在しない歪の限界値は0.3%となる。上記範囲内であれば、芳香剤との接触が想定される用途でも使用可能である為、ディスプレイ材料用樹脂部品へ適用が可能である。
芳香剤としては、クリアフォレスト クルマ エアコンルーバー用[エステー(株)製]、ファブリーズ クルマ プレミアムクリップ ウッディコンチェルト[P&G製]等が挙げられる。
以下に本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。特記しない限り、実施例中の部は重量部であり、%は重量%である。なお、評価は下記の方法に従った。
(1)粘度平均分子量(Mv)
次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネートペレット樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t-t)/t
[tは塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)から次の数式により粘度平均分子量Mvを算出する。
ηSP/c=[η]+0.45×[η] c (但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-4Mv0.83
c=0.7
(2)ポリオルガノシロキサンブロックの含有量およびポリオルガノシロキサン平均繰返し数(p+q)
日本電子株式会社製NMR JNM-AL400を用い、ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の1H-NMRスペクトルを測定し、二価フェノール(I)由来のピークの積分比とヒドロキシアリール末端ポリオルガノシロキサン(II)由来のピークの積分比を比較することにより算出した。同様に、ヒドロキシアリール末端由来のピークの積分比とポリオルガノシロキサン由来のピークの積分比を比較することにより平均鎖長p+qを算出した。
(3)透明性評価(ヘイズ測定)
得られたペレットを100℃で5時間熱風乾燥した後、射出成形後(日本製鋼所(株)製、 JSW J-75EIII)を用いて、成形温度290℃、金型温度80℃、成形サイクル40秒にて3段型プレートを作成した。ISO17482n準拠して3段プレートの厚み2.0mm部におけるヘイズを、日本電色工業株式会社性のヘイズメーターNDH-2000を用いて測定した。
(4)耐衝撃性評価(高速面衝撃試験)
得られたペレットを100℃で5時間熱風乾燥した後、射出成形後(日本製鋼所(株)製、 JSW J-75EIII)を用いて、成形温度290℃、金型温度80℃、成形サイクル40秒にて3段型プレートを作成した。ISO6603に準拠して試験片厚み2.0mm部にて、破壊形態と最大衝撃エネルギーを評価した。
(5)流動性評価(剪断粘度測定)
得られたペレットを100℃で5時間熱風乾燥した後、ISO11443(JIS K 7199)に準拠し、キャピラリー型レオメーター(東洋精機製作所(株)製 キャピログラフ1D)を使用し、キャピラリーとして東洋精機製作所(株)製 キャピラリー型式EF(径:1.0mm、長さ:10.0mm、L/D:10)を用いて、炉体温度300℃で、剪断速度が1220 sec-1の際の剪断粘度を測定した。
(6)耐熱性評価(荷重たわみ温度測定)
得られたペレットを100℃で5時間熱風乾燥した後、射出成形後(日本製鋼所(株)製、 JSW J-75EIII)を用いて、成形温度290℃、金型温度80℃、成形サイクル40秒にて、長さ80mm、幅10mm、厚み4mmの試験片を作成した。ISO178に準拠して、荷重1.80MPaにて荷重たわみ温度を測定した。
(7)耐薬品性評価(3点曲げ試験)
得られたペレットを100℃で5時間熱風乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所(株)製,JSW J-75EIII)を用いて、成形温度290℃、金型温度80℃、成形サイクル50秒にて中央部の幅10mm、長さ80mm、全長150mm、厚み4mmのISOダンベル形引張試験片(タイプA)を成形した。得られた成形片を100℃で90分間熱処理したのち、図1記載の3点曲げ治具に固定し、成形片中心部に任意の歪を印加した。印加部にさらし小片を被せ、芳香剤0.5mLを塗布したのち、60℃に保温した恒温槽内で10分間保持した。取出した成形片の薬液暴露部の外観を観察し、3mm以上のクラックが存在しない歪の限界値を測定した。任意の歪は、0.1%、0.2%、0.3%と、0.1%刻みで印加し、例えば、0.3%の印加において、3mm以上のクラックが存在せず、0.4%の印加において、3mm以上のクラックが存在した場合、上記3mm以上のクラックが存在しない歪の限界値は0.3%となる。
(芳香剤:クリアフォレスト クルマ エアコンルーバー用[エステー(株)製])
[両末端フェノール変性ポリオルガノシロキサン]
実施例および比較例では、ポリオルガノシロキサン構造を有する二価フェノール(II)として下記構造のポリオルガノシロキサン化合物を使用した。
(II):p+q=37(信越化学工業(株)製 KF-2201)
上記、ジメチルシロキサン単位の平均繰返し数p+qの値は1H-NMR測定にて評価した。
[ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の製造]
(PC-POS-1の製造法)
温度計、撹拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水17890部、25%水酸化ナトリウム水溶液7003部を入れ、一般式[4]で表される二価フェノール(I)として2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)3812部、およびハイドロサルファイト7.5部を溶解した後、塩化メチレン14310部を加え、撹拌下22~30℃でホスゲン1900部を70分要して吹き込んだ。塩化メチレン7150部を加え25%水酸化ナトリウム水溶液1347部、p-tert-ブチルフェノール149部を塩化メチレン850部に溶解した溶液を加え、攪拌しながら一般式[5]で表される二価フェノール(II)として上記KF-2201 428部を塩化メチレン800部(二価フェノール総量に対して0.55モル当量)に溶解した溶液を二価フェノール(II)が二価フェノール(I)に対して0.0008モル当量/minとなる速度で加えて乳化状態とした後、再度激しく撹拌した。かかる攪拌下、反応液が26℃の状態でトリエチルアミン4.3部を加えて温度26~31℃において1時間撹拌を続けて反応を終了した。反応終了後有機相を分離し、塩化メチレンで希釈して水洗した後塩酸酸性にして水洗し、水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになったところで温水を張ったニーダーに投入して、攪拌しながら塩化メチレンを蒸発し、ポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体のパウダーを得た。脱水後、熱風循環式乾燥機により100℃で12時間乾燥した。得られたポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は16,000、ポリオルガノシロキサンブロックの含有量は8.4重量%であった。
(PC-POS-2の製造法)
p-tert-ブチルフェノールの量を109部へ変更した以外は、PC-POS-1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は20,000、ポリオルガノシロキサンブロックの含有量は8.4重量%であった。
(PC-POS-3の製造法)
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)の量を3796部、p-tert-ブチルフェノールの量を149部、KF-2201の量を648部へ変更した以外は、PC-POS-1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は15,500、ポリオルガノシロキサンブロックの含有量は12.0重量%であった。
(PC-POS-4の製造法)
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)の量を3796部、p-tert-ブチルフェノールの量を121部、KF-2201の量を648部へ変更した以外は、PC-POS-1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は18,000、ポリオルガノシロキサンブロックの含有量は12.0重量%であった。
(PC-POS-5の製造法)
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)の量を3786部、p-tert-ブチルフェノールの量を149部、KF-2201の量を776部へ変更した以外は、PC-POS-1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は15,500、ポリオルガノシロキサンブロックの含有量は14.0重量%であった。
(PC-POS-6の製造法)
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)の量を3786部、p-tert-ブチルフェノールの量を121部、KF-2201の量を776部へ変更した以外は、PC-POS-1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は18,000、ポリオルガノシロキサンブロックの含有量は14.0重量%であった。
(PC-POS-7の製造法)
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)の量を3774部、p-tert-ブチルフェノールの量を149部、KF-2201の量を945部へ変更した以外は、PC-POS-1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は15,500、ポリオルガノシロキサンブロックの含有量は17.0重量%であった。
(PC-POS-8の製造法)
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)の量を3774部、p-tert-ブチルフェノールの量を121部、KF-2201の量を945部へ変更した以外は、PC-POS-1の製造法と同様にした。得られたポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体の粘度平均分子量は18,000、ポリオルガノシロキサンブロックの含有量は17.0重量%であった。
(PC-1)
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンを繰返し骨格とする溶液粘度分子量17,000の直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人(株)製パンライト)
(安定剤-1)
イルガノックス1076(BASF(株)製)
(安定剤-2)
ホスタノックスP-EPQ(オー・ジー(株)製)
(UV吸収剤)
チヌビン234(BASF(株)製)
(離型剤)
ロキシオールVPG861(BASF(株)製)
(防錆剤)
マープルーフG-0250SP(日油(株)製)
[PC-POS共重合体を含むポリカーボネート樹脂組成物の製造]
[実施例1~5および比較例1~5]
上記製造例で得られたPC-POS、PC、安定剤、UV吸収剤、離型剤、および防錆剤を表に示す割合でブレンドした後、ベント式二軸押出機(テクノベル(株)製,KZW15-25MG)を用いて、吐出量2.5kg/h、スクリュー回転数200rpmであり、押出温度は第1供給口からダイス部分まで270℃で溶融混練してペレット化した。そして、得られたペレットを100℃で5時間熱風乾燥した後、射出成形機(日本製鋼所(株)製、JSW J-75EIII)、を用いて、各種評価用成形片を得た。該試験片のポリオルガノシロキサンブロックの含有量、粘度平均分子量Mv、ヘイズ、高速面衝撃試験の最大衝撃エネルギー・破壊挙動、剪断粘度、荷重たわみ温度、3点曲げ試験による限界歪を評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2022187860000010
本発明の樹脂組成物を用いることにより、透明性、耐衝撃性、流動性、および耐熱性を高度に両立しつつ、ディスプレイ材料用樹脂部品との接触が想定される芳香剤に対しても高い耐薬品性を示していることが認められる。
本発明のディスプレイ材料用樹脂組成物は、透明性、耐衝撃性、流動性、耐熱性、および芳香剤に対する耐薬品性を高度に両立するため、ディスプレイ材料用樹脂部品としての実用性が高い。
1 y:たわみ量(mm)
2 h:試験片厚み(4mm)
3 L:測定幅(150mm)

Claims (16)

  1. ポリカーボネートブロック(A-1)とポリオルガノシロキサンブロック(A-2)を含むポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A)を含むディスプレイ材料用樹脂組成物であり、前記樹脂組成物中のポリオルガノシロキサンブロックの含有量が10.0~16.0重量%であり、かつ粘度平均分子量が14,500~19,000であるディスプレイ材料用樹脂組成物。
  2. 前記ポリカーボネートブロック(A-1)が、下記一般式[1]で表される、請求項1に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
    Figure 2022187860000011
    [(上記一般式[1]において、R及びRは夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~18のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素原子数6~14のアリール基、炭素原子数6~14のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、それぞれ複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、e及びfは夫々1~4の整数であり、Wは単結合もしくは下記一般式[2]で表される基からなる群より選ばれる少なくとも一つの基である。)
    Figure 2022187860000012
    (上記一般式[2]においてR11,R12,R13,R14,R15,R16,R17及びR18は夫々独立して水素原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数6~14のアリール基及び炭素原子数7~20のアラルキル基からなる群から選ばれる基を表し、R19及びR20は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~18のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~20のシクロアルキル基、炭素原子数6~20のシクロアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニル基、炭素原子数6~14のアリール基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、炭素原子数7~20のアラルキル基、炭素原子数7~20のアラルキルオキシ基、ニトロ基、アルデヒド基、シアノ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる基を表し、複数ある場合はそれらは同一でも異なっていても良く、gは1~10の整数、hは4~7の整数である。)]
  3. 前記ポリオルガノシロキサンブロック(A-2)が、下記一般式[3]で表される、請求項1または2に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
    Figure 2022187860000013
    (上記一般式[3]において、R、R、R、R、R及びRは、夫々独立に水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~12の置換若しくは無置換のアリール基であり、R及びR10は夫々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~10のアルコキシ基であり、pは自然数であり、qは0又は自然数であり、平均鎖長p+qは30~100の自然数である。Xは炭素原子数2~8の二価脂肪族基である。)
  4. 一般式[3]における平均鎖長p+qが30~70である請求項3に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
  5. 一般式[3]で表されるポリオルガノシロキサンブロックが(2-アリルフェノール)末端ポリオルガノシロキサン、もしくは(2-メトキシ-4-アリルフェノール)末端ポリオルガノシロキサンより誘導された、請求項3または4に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
  6. 一般式[3]中、R、R、R、R、R及びRがメチル基である、請求項3~5のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
  7. 一般式[1]で表されるポリカーボネートブロックが2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンより誘導された、請求項2に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
  8. 前記樹脂組成物の粘度平均分子量が14,500~18,000である請求項1~7のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
  9. 前記樹脂組成物中のポリオルガノシロキサンブロックの含有量が11.0~15.0重量%である請求項1~8のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
  10. 前記樹脂組成物を用いて、射出成形で得られた幅10mm、長さ80mm、全長150mm、厚み4mmのISOダンベル形引張試験片を100℃で90分間熱処理した後、3点曲げ治具に固定し、成形片中心部に任意の歪を印加し、印加部にさらし小片を被せ、芳香剤0.5mLを塗布し、60℃に保温した恒温槽内で10分間保持する耐薬品性試験において、薬液暴露部に3mm以上のクラックが発生しない歪の限界値が0.3%以上である請求項1~9のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
  11. 前記樹脂組成物を用いて、射出成形で得られた厚み2mmの成形片におけるヘイズの値が、2.0以下である請求項1~10のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
  12. 前記樹脂組成物を用いて、射出成形で得られた厚み2mmの成形片のISO6603に
    準拠して測定された高速面衝撃試験における最大衝撃エネルギーが15J以上で、かつ破壊形態が延性破壊である請求項1~11のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
  13. 前記樹脂組成物を用いて、溶融混練することにより得られたペレットを100℃で5時間熱風乾燥した後、ISO11443(JIS K 7199)に準拠し、キャピラリー型レオメーター(東洋精機製作所(株)製 キャピログラフ1D)を使用し、キャピラリーとして東洋精機製作所(株)製 キャピラリー型式EF(径:1.0mm、長さ:10.0mm、L/D:10)を用いて、炉体温度300℃で、剪断速度が1220 sec-1の際の剪断粘度の値が280Pa・S以下である請求項1~12のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
  14. 前記樹脂組成物を用いて、ISO178に準拠して測定された荷重たわみ温度の値が100℃以上である請求項1~13のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載のディスプレイ材料用樹脂組成物を成形して得られるディスプレイ材料用樹脂部品。
  16. 自動車に搭載されている請求項15に記載のディスプレイ材料用樹脂部品。
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