JP2014080393A - 次亜塩素酸カルシウム含有水溶液 - Google Patents

次亜塩素酸カルシウム含有水溶液 Download PDF

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Abstract

【課題】食品向けに使用可能であり、保存安定性に優れ、長期保存時の不溶物の析出が抑制された次亜塩素酸カルシウム含有水溶液を提供する。
【解決手段】ポリアクリル酸ナトリウムを含有することを特徴とする次亜塩素酸カルシウム含有水溶液である。前記ポリアクリル酸ナトリウムの濃度が0.5〜50ppmであることが好ましい。また、次亜塩素酸カルシウムの濃度が0.1〜30%であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、次亜塩素酸カルシウム含有水溶液に関し、詳しくは、食品向けに使用可能であり、保存安定性に優れ、長期保存時の不溶物の析出が抑制された次亜塩素酸カルシウム含有水溶液に関するものである。
次亜塩素酸カルシウムは、固形品が高度さらし粉として、プールの消毒や、野菜、果実、油脂といった食品の殺菌等、様々な用途における消毒、漂白剤として用いられている。例えば、特許文献1には、ジデシルメチルアンモニウムクロライドと、高度さらし粉などの塩素系化合物とを含有することを特徴とする水溶性洗浄殺菌剤組成物が開示されている。特許文献2には、プール水循環装置における高晒溶解器等に投入して使用される高晒錠剤が開示されている。特許文献3には、2液で構成される歯牙漂白剤の漂白成分として、次亜塩素酸カルシウムが例示されている。特許文献4には、高度さらし粉などの塩素系殺菌剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル並びに有機酸及び/又はその塩の混合溶液に接触させることを特徴とする生鮮食品又は食品用調理機械若しくは器具の殺菌方法が開示されている。
錠剤や顆粒形状の次亜塩素酸カルシウムは、保存安定性に優れ、取扱いが容易で安全性の高い殺菌・消毒・漂白剤として上記のように広範な需要があるが、水への溶解度が比較的低く、不溶物が残ってしまうことが多い。そのため、水に投入した分が100%溶解せず、水溶液の濃度調整が困難であるという側面がある。
一方、次亜塩素酸カルシウムを水に溶解した次亜塩素酸カルシウム含有水溶液は、例えば、殺菌消毒スプレー、食品向けのカビ取り液といった用途での需要が考えられる。
特開平07−277905号公報 特開平9−206792号公報 特開2002−145746号公報 特開2005−323572号公報
しかしながら、次亜塩素酸カルシウムは、水に溶解した状態で長期間に渡って放置しておくと、次亜塩素酸カルシウムの分解、それに伴う塩化カルシウムや水酸化カルシウム結晶の析出、並びに、空気中の炭酸ガスの吸収により生成する不溶性の炭酸カルシウム沈殿物の発生等が見られ、水溶液としての保存安定性に問題があった。
なお、特許文献2に開示されている高晒錠剤は、ポリアクリル酸ソーダを含むものの、ポリアクリル酸ソーダと高晒剤とを混合して打錠してなる錠剤である。また、特許文献2においてポリアクリル酸ソーダは、プール水循環装置内の溶解設備や配管系等に炭酸カルシウムを主成分とするカルシウムスケールが生成付着するのを防止する、スケーリング防止剤として配合されている。
また、特許文献3の歯牙漂白剤は、ポリアクリル酸塩を含有する含水ゲルを含むA剤と、漂白剤成分を含むB剤とが別に用意され、使用直前に両液を混合する2液型の漂白剤であり、漂白剤として実施例で使用されているのは過酸化水素水である。
そこで本発明の目的は、食品向けに使用可能であり、保存安定性に優れ、長期保存時の不溶物の析出が抑制された次亜塩素酸カルシウム含有水溶液を提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑みて鋭意検討し、結晶発生を防ぐためには水溶液中の水分子の自由度を規制することが有効ではないかと考え、増粘剤に着目した。また、次亜塩素酸カルシウムは対食品用途にも用いられることから、食品に添加可能な増粘剤を中心に検討を行った。その結果、次亜塩素酸カルシウム含有水溶液に対して、ポリアクリル酸ナトリウムを添加することにより上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液は、ポリアクリル酸ナトリウムを含有することを特徴とするものである。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液は、前記ポリアクリル酸ナトリウムの濃度が0.5〜500ppmであることが好ましい。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液は、次亜塩素酸カルシウムの濃度が0.1〜30%であることが好ましい。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液は、さらにEDTAを含有することが好ましい。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液は、前記EDTAの濃度が0.5〜200ppmであることが好ましい。
本発明のスプレー剤は、上記いずれかの次亜塩素酸カルシウム含有水溶液を内容物とすることを特徴とするものである。
本発明により、食品向けに使用可能であり、保存安定性に優れ、長期保存時の不溶物の析出が抑制された次亜塩素酸カルシウム含有水溶液を提供することが可能となる。
参考例1の結果を表す写真図である。 参考例1の結果を表すグラフ図である。 実施例1の結果を表す写真図である。 実施例2の結果を表す写真図である。 実施例4の結果を表す写真図である。 実施例4の結果を表す写真図である。 実施例4の結果を表す写真図である。 参考例2の結果を表すチャート図である。 参考例3の結果を表すグラフ図である。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液は、ポリアクリル酸ナトリウムを含有することを特徴とするものである。ポリアクリル酸ナトリウムは、次亜塩素酸やアルカリ分との反応性が低いことから、次亜塩素酸カルシウム含有水溶液の添加剤として好適である。ポリアクリル酸ナトリウムは、非架橋型、架橋型のいずれであってもよく、部分中和物(アクリル酸・アクリル酸ナトリウム共重合体)であってもよい。ポリアクリル酸ナトリウムには、ラテックス系などの接着剤の増粘用途、工業用途、化粧品添加物用途、医薬品添加物用途、食品添加物用途等があり、いずれも使用可能ではあるが、食品添加物グレードであるものが好ましい。食品添加物グレードとしては、食品添加物公定書に記載の、遊離アルカリ、硫酸塩(SOとして0.48%以下)、重金属(Pbとして20μg/g以下)、ヒ素(Asとして4.0μg/g以下)、残存モノマー(1.0%以下)、低重合物(5.0%以下)の各基準を満たすものが好ましい。
ポリアクリル酸ナトリウムの好適な分子量(Mw)は特に限定されない。例えば1000〜1000万の範囲が挙げられる。
ポリアクリル酸ナトリウムの市販品としては、例えば、東亞合成社製アロンA−20P、A−20L、A−7100、レオジック250H、日本触媒社製アクアリックDL、YS、IH、FH、MH、昭和電工社製ビスコメートNP−800、NP−700、NP−600、F−480SS、SL−140Y、等が挙げられる。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液中のポリアクリル酸ナトリウムの濃度は特に限定されないが、好ましくは0.5〜500ppm(w/v)であり、より好ましくは1〜300ppmである。0.5ppmよりも少ないと本発明の効果が得られないおそれがあり、500ppmよりも高い濃度ではフロック(浮遊物の集合体)が大量に発生するおそれがある。なお、沈殿物は例えばスプレー剤として使用する場合にノズルの詰まりを引き起こすため、できるだけ発生を抑制するのが望ましいが、フロックは少量であれば実用上問題ない。また、EDTAの添加によって、フロックの発生を抑制することができる。
低濃度であっても効果が得られることから、本発明において得られる不溶物析出抑制効果は、ポリアクリル酸ナトリウムのカルシウム捕捉作用のみによる効果ではないと考えられる。また、後述するように、キレート剤であるEDTAを単独で用いた場合には沈殿物発生抑制の効果は得られない。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液中の次亜塩素酸カルシウムの濃度は特に限定されないが、好ましくは0.1〜30%(w/v)であり、より好ましくは1〜20%であり、さらに好ましくは3〜15%である。0.1%よりも次亜塩素酸カルシウムが少ないと、殺菌効果や漂白効果が十分でない場合があり、30%よりも多いと結晶が析出するおそれがある。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液のpHは特に限定されないが、好ましくは8〜13であり、より好ましくは11〜13である。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液には、必要に応じて他の添加物を含有することができる。そのような添加物の例としては、例えば、水酸化カルシウム、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属の塩が挙げられる。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液は、さらに、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を含むことが好ましい。EDTAは、通常、ジナトリウム塩(EDTA・2Na)で使用される。EDTAの含有量は特に制限されないが、好ましくは0.5〜200ppm(w/v)であり、より好ましくは1〜100ppmであり、さらに好ましくは3〜60ppmである。
EDTAを併用することで、ポリアクリル酸ナトリウムの、次亜塩素酸カルシウム水溶液における沈殿発生抑制効果を高めることができる。また、ポリアクリル酸ナトリウムの高濃度配合時に見られるフロックの発生を抑制することができる。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液の製造方法は特に限定されず、例えば、公知の方法により、水に次亜塩素酸カルシウム、及び、ポリアクリル酸ナトリウムを溶解させることによって得ることができる。ポリアクリル酸ナトリウムは、粉末状であっても、液状や乳化物であってもよい。
本発明の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液は、殺菌、消毒、漂白といった様々な用途において使用可能である。特に、食品向けのカビ取り剤、殺菌剤、消毒剤として好適であり、水に溶解してから使用するという工程を行う必要がないことから手軽に使用できるという利点がある。使用形態としては、スプレーボトルに充填したスプレー剤形態や、噴霧装置、ベルトコンベアー上に流れる対象物に対してシャワー状に噴射するといった形態が挙げられる。
[参考例1]
まず、次亜塩素酸カルシウム含有水溶液の安定性を調べるために、10(w/v)%次亜塩素酸カルシウム含有水溶液における結晶析出の経時変化を観察した。
次亜塩素酸カルシウム(高度さらし粉)を10%になるように水に溶解し、2Lペットボトル中に導入して密栓したものを4本別々の時期に用意した。即ち、観察予定日から計算して、200日前、152日前、106日、85日前となる日に上記10%次亜塩素酸カルシウム含有水溶液を作製し、室温(25℃)下、暗所において放置した。それぞれの日数経過後の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液の結晶析出の様子を図1に示す。また、それぞれのペットボトルから結晶をろ取し、その重量を測定した。併せて、次亜塩素酸カルシウム濃度と、次亜塩素酸カルシウム水溶液の比重を測定した。結果を下記表1、表2および図2に示す。
図1の写真において、左のペットボトルから順に、200日経過、152日経過、106日経過、85日経過後の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液のサンプルである。図1の写真や図2のグラフから明らかなように、日数を経るに従って結晶析出量が増加していることが分かる。また、図2のグラフから、時間の結果とともに次亜塩素酸カルシウム濃度が低下したことが分かる。
[実施例1]
ポリアクリル酸ナトリウム(アルドリッチ社製、試薬特級、平均Mw=〜5100)を、1.25ppm、2.5ppm、3.75ppm、5.0ppm、6.25ppm、12.5ppm含有する10%次亜塩素酸カルシウム含有水溶液を用意し、2Lペットボトルに導入して、室温下(25℃)、暗所において放置した。また、ポリアクリル酸ナトリウムを添加しなかったものについても同様に放置した。製造後182日経過時点で、結晶析出の様子を観察した。結果を図3に示す。図3において、左のペットボトルから順に、ポリアクリル酸ナトリウム無添加、1.25ppm、2.5ppm、3.75ppm、5.0ppm、6.25ppm、12.5ppmとなっている。
図3から、ポリアクリル酸ナトリウム濃度が、3.75ppm、5.0ppm、6.25ppm、12.5ppmのものについては結晶析出が殆ど見られず、また、フロックの発生も見られなかった。1.25ppm、2.5ppmのものについては、結晶の析出が少々見られたものの、ポリアクリル酸ナトリウム無添加のものに比べると、その析出量は少量であった。
[実施例2]
ポリアクリル酸ナトリウム(アルドリッチ社製、試薬特級、平均Mw=〜5100)を、6.25ppm、12.5ppm、25.0ppm、50.0ppm、100.0ppm含有する10%次亜塩素酸カルシウム含有水溶液を用意し、2Lペットボトルに導入して、室温下(25℃)、暗所において放置した。また、ポリアクリル酸ナトリウムを添加しなかったものについても同様に放置した。製造後235日経過時点で、結晶析出の様子を観察した。結果を図4に示す。図4において、左のペットボトルから順に、ポリアクリル酸無添加、6.25ppm、12.5ppm、25.0ppm、50.0ppm、100.0ppmとなっている。
図4から明らかなように、ポリアクリル酸ナトリウム濃度が12.5ppm、25.0ppm、50.0ppm、100.0ppmのものについては結晶析出が殆ど見られなかった。6.25ppmのものについては、結晶の析出が少々見られたものの、ポリアクリル酸無添加のものに比べると、その析出量はごく少量であった。また、50.0ppm、100.0ppmのものについてはフロックの発生が見られた。
[実施例3]
次亜塩素酸カルシウム水溶液(濃度:13%)に、プロピレングリコール(濃度:12.5ppm)、アルギン酸ナトリウム(濃度:12.5ppm)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(濃度:12.5ppm)、ポリアクリル酸ナトリウム(濃度:12.5ppm)をそれぞれ添加し、添加後10、20、30℃の恒温槽にて保管して外観並びに濃度の経日変化を調べ、下記基準に従って評価した。得られた結果を表3に示す。
(評価基準)
○・・・色調に変化無し
△・・・若干色が薄まる(次亜塩素酸濃度低下の兆候あり)
×・・・色落ち(次亜塩素酸濃度が1%以下である。別途濃度測定により、色落ちが生じたときは次亜塩素酸濃度が1%であることは確認済み)
※表中、カッコ内の数値は次亜塩素酸濃度(有効塩素として)。
上記表3から明らかなように、カルボキシメチルセルロースナトリウムを添加すると次亜塩素酸カルシウムが素早く分解してしまった。また、プロピレングリコールは10℃、20℃保存では次亜塩素酸カルシウムの分解はそれ程起きなかったものの、30℃保存では次亜塩素酸カルシウムが分解してしまった。アルギン酸ナトリウムは10℃、20℃であっても3日以降は分解が見られ、30℃保存では次亜塩素酸カルシウムがほぼ分解してしまった。
それに対して、ポリアクリル酸ナトリウムを添加した場合、各温度において、次亜塩素酸カルシウムの分解は殆ど見られなかった。
[実施例4]
次亜塩素酸カルシウム水溶液(濃度:10%)に、表4記載のように、ポリアクリル酸ナトリウム(表中、PANと表記)、EDTA、または、ポリアクリル酸ナトリウムとEDTAの両方を添加し、20℃の恒温槽で保存して沈殿、フロック発生の様子を容器の底からの目視により観察した。沈殿、フロック発生については下記基準に従い評価した。得られた結果を表4、および、図5〜図7に示す。図5〜図7は54日後のそれぞれの次亜塩素酸カルシウム含有水溶液が入ったペットボトル容器を底部から撮影した写真図である。
(沈殿物発生の評価基準)
◎・・・沈殿物は発生していない。
○・・・沈殿物がわずかに発生している。容器の底から見てかすかに確認できる程度。
△・・・沈殿物が少量発生している。
×・・・沈殿物が発生し、容器底面の半分近くを占めている。
××・・・沈殿物が大量発生し、容器底面の大部分を占めている。
(フロック発生の評価基準)
A・・・フロックは発生していない。
B・・・フロックがわずかに発生している。容器の底から見てかすかに確認できる程度。
C・・・フロックが少量発生している。
D・・・フロックが発生している。
E・・・フロックが大量発生している。
※無添加は、EDTA、ポリアクリル酸ナトリウムともに添加されていない次亜塩素酸カルシウム水溶液。
上記表4から明らかなように、EDTA単独では、50ppm以上添加した場合にはわずかに沈殿発生を抑えられたものの、それ以下の濃度では次亜塩素酸カルシウム水溶液の沈殿発生を殆ど抑制することはできなかった。一方、ポリアクリル酸ナトリウムとEDTAとを併用すると、沈殿発生抑制効果に加えて、ポリアクリル酸ナトリウム添加時に見られるフロックの発生を抑制することができた。
[参考例2]
(1)ポリアクリル酸ナトリウムおよびEDTA無添加、(2)EDTA100ppm添加、(3)ポリアクリル酸ナトリウム30ppm添加、(4)EDTA30ppmおよびポリアクリル酸ナトリウム10ppm添加の、次亜塩素酸カルシウム水溶液(濃度:10%)それぞれについて、各水溶液作製直後の波長200〜400のUVの吸光度を測定した。吸光光度計は、Thermo ELECTRON社製のものを用いた。
得られた結果を図8に示す。
図8に示されているように、(1)ポリアクリル酸ナトリウムおよびEDTA無添加、(2)EDTA100ppm添加では、波長230nm付近の吸光度の低下が見られた。
一方、(3)ポリアクリル酸ナトリウム30ppmの添加時、(4)EDTA30ppmおよびポリアクリル酸ナトリウム10ppmの添加では、230ppm付近の吸光度の低下は見られなかった。
上記現象が起きた詳細なメカニズムは必ずしも明らかではないが、考え得る理由のひとつとして、ポリアクリル酸ナトリウムが周囲の水と水和重合体を形成し、水の自由度を低下させて、次亜塩素酸カルシウムの電離度を小さくすることによる、ということが挙げられる。
[参考例3]
下記表5の記載のように、EDTAとポリアクリル酸ナトリウム(PAN)を添加した次亜塩素酸カルシウム水溶液(濃度:10%)について、20℃で42日間保存し、1週間ごとに次亜塩素酸濃度を測定して、EDTAとポリアクリル酸ナトリウムの添加による、次亜塩素酸の分解への影響を調べた。各数値は、それぞれのロットの初日の次亜塩素酸濃度を100%としたときの次亜塩素酸濃度の相対値である。
得られた結果を表5および図9に示す。図9は、表5の値をグラフに表したものである。
表5および図9から明らかなように、EDTAとポリアクリル酸ナトリウムの添加による、次亜塩素酸分解への有意な影響は見られなかった。

Claims (6)

  1. ポリアクリル酸ナトリウムを含有することを特徴とする次亜塩素酸カルシウム含有水溶液。
  2. 前記ポリアクリル酸ナトリウムの濃度が0.5〜500ppmである請求項1記載の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液。
  3. 次亜塩素酸カルシウムの濃度が0.1〜30%である請求項1または2記載の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液。
  4. さらにEDTAを含有する請求項1〜3のいずれか一項記載の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液。
  5. 前記EDTAの濃度が0.5〜200ppmである請求項4記載の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載の次亜塩素酸カルシウム含有水溶液を内容物とすることを特徴とするスプレー剤。
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