JP3166522U - 除菌消臭用噴霧器 - Google Patents
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Abstract
【課題】調理道具や食器などの調理や食事に際して用いられる物品に対するウイルス不活化及び除菌消臭効果を有する除菌消臭用エアゾールを提供する。【解決手段】次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈した後に、希塩酸を添加してpHを弱酸性に調整して得られた、次亜塩素酸の濃度が50〜100ppmの次亜塩素酸水が充填される。また、次亜塩素酸水と共に、不燃性ガスが充填された除菌消臭用エアゾールとすることも好ましい。【選択図】図1
Description
本考案は、調理道具や食器、調理機器、その他食品の加工、調理及び食事に際して使用される物品に除菌消臭効果等を付与する噴霧器に関する。
近年、ノロウイルスや食中毒菌などのウイルスや菌による感染対策が重要性を増している。1996年には、腸管出血性大腸菌O157による食中毒の集団感染が発生し、その後も多数の感染が報告されている。また、最近では、鳥インフルエンザウイルスが遺伝子変異により人体で増殖可能となり、毒性の強い新型インフルエンザに変化するなど、ウイルスや菌によるパンデミック(感染症の大流行)の発生が懸念されている。
したがって、このような事態が生じることのないように、企業や家庭、その他公衆が集合する場所等において、事前に十分な対策を講じておくことが重要となっている。
したがって、このような事態が生じることのないように、企業や家庭、その他公衆が集合する場所等において、事前に十分な対策を講じておくことが重要となっている。
ここで、ウイルスや菌などを除去する技術については、従来から様々なものが提案されており、例えば特許文献1に記載の除菌消臭方法や、特許文献2に記載のエアゾール製品などを挙げることができる。
特許文献1には、次亜塩素酸塩を含む水溶液をpH9〜12に調整し、粒径10μm以下のミスト状態で噴霧する技術が開示されている。
また、特許文献2には、水を電気分解して得られる酸性水を、噴射剤と共にポリエステル樹脂からなる容器に充填したエアゾール製品が開示されている。
特許文献1には、次亜塩素酸塩を含む水溶液をpH9〜12に調整し、粒径10μm以下のミスト状態で噴霧する技術が開示されている。
また、特許文献2には、水を電気分解して得られる酸性水を、噴射剤と共にポリエステル樹脂からなる容器に充填したエアゾール製品が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の除菌消臭方法によれば、強い除菌効果が得られるものの、pHが9〜12のアルカリ性溶液を噴霧するものであるため、使用に際して十分な注意が必要であり、誰もが気軽に使用可能なものではなかった。
また、特許文献2に記載のエアゾール製品は、水を電気分解して得られた酸性水を用いるものであるが、pHが2.5の強酸性水を使用しており、金属に噴霧すると腐食してしまうため、取り扱いにやや注意が必要なものであった。
また、特許文献2に記載のエアゾール製品は、水を電気分解して得られた酸性水を用いるものであるが、pHが2.5の強酸性水を使用しており、金属に噴霧すると腐食してしまうため、取り扱いにやや注意が必要なものであった。
さらに、一般的に、除菌効果のある成分としてアルコールを用いた除菌剤なども知られている。
しかしながら、アルコールは揮発性が高いため、十分な除菌効果が得られる前に蒸発してしまう場合があった。また、除菌と同時に油分も除去するため、肌荒れの原因となることがあり、使用しづらいという問題があった。さらに、アルコールは、水が多いところの除菌には不向きであると言われており、柔軟に利用可能なものではなかった。
しかしながら、アルコールは揮発性が高いため、十分な除菌効果が得られる前に蒸発してしまう場合があった。また、除菌と同時に油分も除去するため、肌荒れの原因となることがあり、使用しづらいという問題があった。さらに、アルコールは、水が多いところの除菌には不向きであると言われており、柔軟に利用可能なものではなかった。
また、食堂や厨房などの料理関連施設や、農業、漁業、酪農などにおいては、ノロウイルスや食中毒菌対策として、調理道具や食器、調理機器、その他食品の加工、調理及び食事に際して使用される物品を、アルコールで除菌することが広く行われている。
しかしながら、このように食品関連物品をアルコールで除菌する方法は、食品や食器等にアルコール臭が付く問題があった。このため、より一層食品に適した除菌方法が求められていた。
しかしながら、このように食品関連物品をアルコールで除菌する方法は、食品や食器等にアルコール臭が付く問題があった。このため、より一層食品に適した除菌方法が求められていた。
ここで、上記次亜塩素酸塩の一種である「次亜塩素酸ナトリウム」は、水で希釈し、さらに「希塩酸」でpHを調整することで、人体に安全・無害な「次亜塩素酸水」とすることができる。「次亜塩素酸ナトリウム」「塩酸」「次亜塩素酸水」は、いずれも厚生労働省により食品添加物として定められている成分であり、特に「次亜塩素酸水」は、除菌後にすぐに水に戻る環境に優しい成分である。また、このように「希塩酸」を用いて、次亜塩素酸水を皮膚に近いpHに調整することで、次亜塩素酸による高い除菌効果を備えつつ、安全性に使用できるものとすることができる。
また、次亜塩素酸水における次亜塩素酸の濃度を一定の濃度にすることにより、上述した調理道具や調理機器等の殺菌を行うことが可能である。また、次亜塩素酸水による除菌によれば、アルコールを用いる除菌方法のような、食品や食器等にアルコール臭が付くという問題も生じない。
また、次亜塩素酸水における次亜塩素酸の濃度を一定の濃度にすることにより、上述した調理道具や調理機器等の殺菌を行うことが可能である。また、次亜塩素酸水による除菌によれば、アルコールを用いる除菌方法のような、食品や食器等にアルコール臭が付くという問題も生じない。
そこで、本考案者は鋭意研究し、このような「次亜塩素酸水」をエアゾール製品に特定の濃度で適用することにより、調理道具や食器等に直接噴霧しても安全で臭いがなく、かつ除菌効果に優れた製品を提供できることに想到し、本考案を完成させた。
本考案は、上記事情に鑑みなされたものであり、次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈した後に、希塩酸を添加してpHを弱酸性に調整して得られた、次亜塩素酸の濃度が50〜100ppmの次亜塩素酸水が充填され、調理道具や食器等の除菌に有効な除菌消臭用噴霧器の提供を目的とする。
なお、本考案における噴霧器とは、エアゾール式、スプレー式、手動ポンプ式、及び電動ポンプ式などのものを含む概念である。
本考案は、上記事情に鑑みなされたものであり、次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈した後に、希塩酸を添加してpHを弱酸性に調整して得られた、次亜塩素酸の濃度が50〜100ppmの次亜塩素酸水が充填され、調理道具や食器等の除菌に有効な除菌消臭用噴霧器の提供を目的とする。
なお、本考案における噴霧器とは、エアゾール式、スプレー式、手動ポンプ式、及び電動ポンプ式などのものを含む概念である。
上記目的を達成するため、本考案の除菌消臭用噴霧器は、次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈した後に、希塩酸を添加してpHを弱酸性に調整して得られた、次亜塩素酸の濃度が50〜100ppmの次亜塩素酸水が充填された構成としてある。
また、本考案の除菌消臭用噴霧器は、次亜塩素酸水が、調理道具、食器、調理機器、その他食品の加工、調理及び食事に際して使用される物品に噴霧され、ウイルス不活化及び除菌消臭を行うために用いることが好ましい。
また、本考案の除菌消臭用噴霧器は、上記次亜塩素酸水と共に、不燃性ガスが充填された除菌消臭用エアゾール式とすることが好ましい。
また、本考案の除菌消臭用噴霧器は、次亜塩素酸水が、調理道具、食器、調理機器、その他食品の加工、調理及び食事に際して使用される物品に噴霧され、ウイルス不活化及び除菌消臭を行うために用いることが好ましい。
また、本考案の除菌消臭用噴霧器は、上記次亜塩素酸水と共に、不燃性ガスが充填された除菌消臭用エアゾール式とすることが好ましい。
また、本考案の除菌消臭用噴霧器は、上記次亜塩素酸水が充填される容器本体と、上記次亜塩素酸水を容器本体の内部から外部へ噴射させる噴射部とを備え、容器本体及び噴射部が樹脂からなるものとすることが好ましい。
さらに、本考案の除菌消臭用噴霧器は、次亜塩素酸水と不燃性ガスとが、耐酸性及び耐紫外線を備えたエアゾール用容器に充填されたものとすることが好ましい。
さらに、本考案の除菌消臭用噴霧器は、次亜塩素酸水と不燃性ガスとが、耐酸性及び耐紫外線を備えたエアゾール用容器に充填されたものとすることが好ましい。
本考案によれば、調理道具、食器、調理機器、その他食品の加工、調理及び食事に際して使用される物品に対するウイルス不活化、除菌消臭効果を有する除菌消臭用噴霧器を提供することが可能となる。
本考案の除菌消臭用噴霧器は、次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈した後に、希塩酸を添加してpHを微酸性に調整して得られた、次亜塩素酸の濃度が50〜100ppmの次亜塩素酸水が充填されたことを特徴とする。
以下、本考案の除菌消臭用噴霧器としてエアゾール式の実施形態について詳細に説明するが、本考案は上記特徴を備えるものであれば良く、エアゾール式の実施形態の構成に限定されるものではない。
以下、本考案の除菌消臭用噴霧器としてエアゾール式の実施形態について詳細に説明するが、本考案は上記特徴を備えるものであれば良く、エアゾール式の実施形態の構成に限定されるものではない。
本考案の一実施形態の除菌消臭用エアゾールは、図1に示すように、容器本体1、噴射部2を有しており、容器蓋3を備えることも好ましい。そして、容器本体1には、内容物10が充填されている。
(容器本体1)
本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおけるエアゾール用容器の容器本体1の材料は、次亜塩素酸水の安定保存に適し、また噴射剤を充填する場合に容器本体1を耐圧容器として使用できるものであることが好ましい。このため、この容器本体1の材料としては、樹脂素材を用いることが好ましく、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂を好適に用いることができる。また、容器本体の材料の材料として、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、エンジニアリング・プラスチック、スーパーエンジニアリング・プラスチックなどの熱可塑性樹脂や、熱硬化性ポリイミド、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂等を用いることもできる。さらに、複数の樹脂からなるものや、ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチックなどの繊維強化プラスチックを用いることもできる。
なお、例えばPETなどの通気性のある樹脂を容器本体1の材料として単独で用いることは可能であるが、充填した内容物が変質しないように、容器本体1の内面にフッ素樹脂などのコーティング剤をコーティングすることがより好ましい。
本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおけるエアゾール用容器の容器本体1の材料は、次亜塩素酸水の安定保存に適し、また噴射剤を充填する場合に容器本体1を耐圧容器として使用できるものであることが好ましい。このため、この容器本体1の材料としては、樹脂素材を用いることが好ましく、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂を好適に用いることができる。また、容器本体の材料の材料として、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、エンジニアリング・プラスチック、スーパーエンジニアリング・プラスチックなどの熱可塑性樹脂や、熱硬化性ポリイミド、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂等を用いることもできる。さらに、複数の樹脂からなるものや、ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチックなどの繊維強化プラスチックを用いることもできる。
なお、例えばPETなどの通気性のある樹脂を容器本体1の材料として単独で用いることは可能であるが、充填した内容物が変質しないように、容器本体1の内面にフッ素樹脂などのコーティング剤をコーティングすることがより好ましい。
また、次亜塩素酸水には、紫外線に接すると成分が変化して水に戻る性質がある。このため、容器本体1は、耐紫外線材料からなるものとすることが好ましい。例えば、ポリエステル樹脂に酸化チタンや遮光剤等を配合させたものなどを用いることが好ましい。ただし、次亜塩素酸水は酸化チタンにより分解され得るため、酸化チタンは容器本体1の内層には配合させないことが好ましい。
なお、次亜塩素酸水が分解しても、有害な分解物が生じることはなく、水とごく僅かな塩分が生じる。
なお、次亜塩素酸水が分解しても、有害な分解物が生じることはなく、水とごく僅かな塩分が生じる。
[容器上部1−1]
容器本体1における容器上部1−1には、噴射部2が取り付けられる。この容器上部1−1は、容器本体1と一体的に形成することができ、また別部品として構成することもできる。別部品として構成された容器上部1−1は、マウンテンカップと呼ばれる場合があり、エアゾール容器に内容物を充填後、開口部を密閉するために取り付けられる。
この容器上部1−1も、容器本体1と同様に耐酸性及び耐紫外線を備えたものとすることが好ましい。容器上部1−1を容器本体1と別部品で構成する場合、容器上部1−1を例えばアルミニウムなどを用いて形成することも可能であるが、容器本体1と同様の材料を用いることがより好ましい。
容器本体1における容器上部1−1には、噴射部2が取り付けられる。この容器上部1−1は、容器本体1と一体的に形成することができ、また別部品として構成することもできる。別部品として構成された容器上部1−1は、マウンテンカップと呼ばれる場合があり、エアゾール容器に内容物を充填後、開口部を密閉するために取り付けられる。
この容器上部1−1も、容器本体1と同様に耐酸性及び耐紫外線を備えたものとすることが好ましい。容器上部1−1を容器本体1と別部品で構成する場合、容器上部1−1を例えばアルミニウムなどを用いて形成することも可能であるが、容器本体1と同様の材料を用いることがより好ましい。
(噴射部2)
噴射部2は、噴射ボタン2−1、バルブ2−2、及びディップチューブ2−3を備えている。
噴射ボタン2−1を押してバルブ2−2を開くと容器本体1に充填された圧縮ガスにより次亜塩素酸水が押され、ディップチューブ2−3を介して外部に放出される。このとき、次亜塩素酸水はディップチューブ2−3から噴射ボタン2−1におけるノズルを介して、ミスト状態で噴射される。これによって、本考案のエアゾール製品によれば、次亜塩素酸水をドライミストシャワーとして噴射することができるようになっている。
噴射部2は、噴射ボタン2−1、バルブ2−2、及びディップチューブ2−3を備えている。
噴射ボタン2−1を押してバルブ2−2を開くと容器本体1に充填された圧縮ガスにより次亜塩素酸水が押され、ディップチューブ2−3を介して外部に放出される。このとき、次亜塩素酸水はディップチューブ2−3から噴射ボタン2−1におけるノズルを介して、ミスト状態で噴射される。これによって、本考案のエアゾール製品によれば、次亜塩素酸水をドライミストシャワーとして噴射することができるようになっている。
この噴射部2の材料も耐酸性及び耐紫外線を備えたものとすることが好ましく、例えば高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、エンジニアリング・プラスチック、スーパーエンジニアリング・プラスチックなどの熱可塑性樹脂や、熱硬化性ポリイミド、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂等を用いることができる。
さらに、本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおける噴射ボタン2−1に細長いノズルを備えて、この細長いノズルの先端から次亜塩素酸水を噴霧する構成にすることも好ましい。このようにすれば、例えば複雑な形状の調理道具や調理機器の隙間などにも次亜塩素酸水を適切に噴霧することができ、十分に除菌消臭を行うことが可能となる。
なお、本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおいて、容器本体1に噴射剤を充填することなく、スプレー方式を用いて、次亜塩素酸水を噴射する構成とすることもできる。この場合は、噴射部2を省略することができる。
なお、本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおいて、容器本体1に噴射剤を充填することなく、スプレー方式を用いて、次亜塩素酸水を噴射する構成とすることもできる。この場合は、噴射部2を省略することができる。
(容器蓋3)
本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおける容器蓋3は、噴射部2を保護するために、容器上部1−1に嵌合又は螺合される。この容器蓋3の材料は、特に限定されないが、上述した容器本体1と同様の材料などを用いることができる。
本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおける容器蓋3は、噴射部2を保護するために、容器上部1−1に嵌合又は螺合される。この容器蓋3の材料は、特に限定されないが、上述した容器本体1と同様の材料などを用いることができる。
(内容物10)
本実施形態の除菌消臭用エアゾールには、次亜塩素酸水が充填される。また、次亜塩素酸水と共に、噴射剤を充填することも好ましい。噴射剤を充填する場合、同図において容器本体1の内部の気相部分には噴射剤が充填され、液層部分には次亜塩素酸水が充填されている。なお、本考案では、噴射剤を充填する場合、噴射剤として窒素ガスや炭酸ガスなどの不燃性の圧縮ガスを用いるため、ガスが液層に溶解してガス圧がさがらないように、振らずに使用することが好ましい。なお、上述したように、容器本体1に噴射剤を充填することなく、スプレー方式を用いて、次亜塩素酸水を噴射するエアゾールも、本考案の除菌消臭用エアゾールに含まれる。
本実施形態の除菌消臭用エアゾールには、次亜塩素酸水が充填される。また、次亜塩素酸水と共に、噴射剤を充填することも好ましい。噴射剤を充填する場合、同図において容器本体1の内部の気相部分には噴射剤が充填され、液層部分には次亜塩素酸水が充填されている。なお、本考案では、噴射剤を充填する場合、噴射剤として窒素ガスや炭酸ガスなどの不燃性の圧縮ガスを用いるため、ガスが液層に溶解してガス圧がさがらないように、振らずに使用することが好ましい。なお、上述したように、容器本体1に噴射剤を充填することなく、スプレー方式を用いて、次亜塩素酸水を噴射するエアゾールも、本考案の除菌消臭用エアゾールに含まれる。
[次亜塩素酸水]
本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおける次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈し、希塩酸を添加してpHを微酸性に調整して得ることができる。その反応式を以下に示す。
NaClO+H2O→HOCl+NaOH
HOCl+NaOH+HCl→HOCl+NaCl+H2O
本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおける次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈し、希塩酸を添加してpHを微酸性に調整して得ることができる。その反応式を以下に示す。
NaClO+H2O→HOCl+NaOH
HOCl+NaOH+HCl→HOCl+NaCl+H2O
次亜塩素酸ナトリウムは、食品の除菌に使用される食品添加物であり、一般的なものを用いることができる。また、次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈して得られる次亜塩素酸水も食品の除菌に使用される食品添加物である。塩酸も食品添加物であり、一般的なものを用いることができる。
次亜塩素酸ナトリウムを単に水で希釈して得られる次亜塩素酸水は、pHが7〜8程度であるが、本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおける次亜塩素酸水は、希塩酸を添加することで、pHが5〜6.5程度の微酸性として製造される。次亜塩素酸水のpHをこのようにすれば、次亜塩素酸(HOCl)による高い除菌効果を得ることができる。
次亜塩素酸ナトリウムを単に水で希釈して得られる次亜塩素酸水は、pHが7〜8程度であるが、本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおける次亜塩素酸水は、希塩酸を添加することで、pHが5〜6.5程度の微酸性として製造される。次亜塩素酸水のpHをこのようにすれば、次亜塩素酸(HOCl)による高い除菌効果を得ることができる。
なお、pHをさらに低減すると塩素ガスが発生するため好ましくなく、またpHを6.5以上にすると、次亜塩素酸(HOCl)の存在率が低下し、有効塩素存在率が低下する。一般に、次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈しただけの状態では、病原菌の細胞膜は破れにくく、十分な除菌効果を得ることができない。一方、pHが5〜6.5程度の微酸性次亜塩素酸水によれば、細胞膜が破れて、次亜塩素酸(HOCl)が病原菌の脂質二重膜を透過することができ、細胞を死滅させることが可能である。
次亜塩素酸水は、2007年1月の食品安全委員会による審議結果において、「使用後、最終食品の完成前に除去される場合、安全性に懸念がないと考えられる」と報告されており、調理道具、食器、調理機器等の除菌に使用する場合においても安全性に問題はないと考えられる。
本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水における次亜塩素酸の濃度は、調理道具、食器、調理機器、その他食品の加工、調理及び食事に際して使用される物品に対する除菌効果の観点から、50〜100ppmとすることが好ましい。濃度が50ppmであれば大腸菌や食中毒菌などの多くの細菌やウイルスを、芽胞菌を除き1分以内に除菌できる(芽胞菌についても2分以内に除菌することができる)ためであり、濃度を100ppmより大きくしなくても十分な除菌効果が得られるためである。
同様の観点から次亜塩素酸水における次亜塩素酸の濃度を、50〜80ppmとすることがさらに好ましい。
同様の観点から次亜塩素酸水における次亜塩素酸の濃度を、50〜80ppmとすることがさらに好ましい。
また、次亜塩素酸水は比較的高温の場合により高い殺菌効果を示し、40℃の殺菌効果は20℃の殺菌効果の6倍になるとの報告がある。
なお、本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水として、食塩水や海水などを電気分解して得られたものを用いても良い。
なお、本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水として、食塩水や海水などを電気分解して得られたものを用いても良い。
次に、本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水の効果と安全性についてさらに詳細に説明する。
まず、ウイルスの不活化効果について説明する。本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水について、財団法人日本食品分析センターによりウイルス不活化試験を行った。試験方法は、以下の通りである。
まず、ウイルスの不活化効果について説明する。本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水について、財団法人日本食品分析センターによりウイルス不活化試験を行った。試験方法は、以下の通りである。
1.検体
本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水(クリアスイ(登録商標)II(ナナイロ株式会社製))
2.試験ウイルス
インフルエンザウイルスA型(H1N1)
3.使用細胞
MDCK(NBL−2)細胞 ATCC CCL−34株[大日本製薬株式会社]
本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水(クリアスイ(登録商標)II(ナナイロ株式会社製))
2.試験ウイルス
インフルエンザウイルスA型(H1N1)
3.使用細胞
MDCK(NBL−2)細胞 ATCC CCL−34株[大日本製薬株式会社]
4.使用培地
(1)細胞増殖培地
イーグルMEM培地「ニッスイ」[日水製薬株式会社]に牛胎仔血清を10%加えたものを使用した。
(2)細胞維持培地
以下の組成の培地を使用した。
イーグルMEM培地「ニッスイ」 1000ml
10%NaHCO3 14ml
L−グルタミン(30g/L) 9.8ml
l00×MEM用ビタミン液 30ml
10%アルブミン 20ml
0.25%トリプシン 20ml
(1)細胞増殖培地
イーグルMEM培地「ニッスイ」[日水製薬株式会社]に牛胎仔血清を10%加えたものを使用した。
(2)細胞維持培地
以下の組成の培地を使用した。
イーグルMEM培地「ニッスイ」 1000ml
10%NaHCO3 14ml
L−グルタミン(30g/L) 9.8ml
l00×MEM用ビタミン液 30ml
10%アルブミン 20ml
0.25%トリプシン 20ml
5.ウイルス浮遊液の調整
(1)細胞の培養
細胞増殖培地を用い、使用細胞を組織培養用フラスコ内に単層培養した。
(2)ウイルスの接種
単層培養後にフラスコ内から細胞増殖培地を除き、試験ウイルスを接種した。次に、細胞維持培地を加えて37℃±1℃の炭酸ガスインキュベーター(CO2濃度:5%)内で、1〜5日間培養した。
(3)ウイルス浮遊液の調整
培養後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態を観察し、細胞に形態変化(細胞変性効果)が起こっていることを確認した。次に、培養液を遠心分離(3000r/min,10分間)し、得られた上澄み液を精製水で10倍に希釈し、ウイルス浮遊液とした。
(1)細胞の培養
細胞増殖培地を用い、使用細胞を組織培養用フラスコ内に単層培養した。
(2)ウイルスの接種
単層培養後にフラスコ内から細胞増殖培地を除き、試験ウイルスを接種した。次に、細胞維持培地を加えて37℃±1℃の炭酸ガスインキュベーター(CO2濃度:5%)内で、1〜5日間培養した。
(3)ウイルス浮遊液の調整
培養後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態を観察し、細胞に形態変化(細胞変性効果)が起こっていることを確認した。次に、培養液を遠心分離(3000r/min,10分間)し、得られた上澄み液を精製水で10倍に希釈し、ウイルス浮遊液とした。
6.試験操作
検体1mlにウイルス浮遊液0.1mlを添加、混合し、作用液とした。室温で作用させ、30,60,90及び120秒後に細胞維持培地を用いて10倍に希釈した。なお,精製水を対照として同様に試験し、開始時及び120秒後に測定を行った。
検体1mlにウイルス浮遊液0.1mlを添加、混合し、作用液とした。室温で作用させ、30,60,90及び120秒後に細胞維持培地を用いて10倍に希釈した。なお,精製水を対照として同様に試験し、開始時及び120秒後に測定を行った。
7.ウイルス感染価の測定
細胞増殖培地を用い、使用細胞を組織培養用マイクロプレート(96穴)内で単層培養した後、細胞増殖培地を除き細胞維持培地を0.1mlずつ加えた。次に、作用液の希釈液0.1mlを4穴ずつに接種し、37℃±1℃の炭酸ガスインキユベーター(CO2濃度:5%)内で4〜7日間培養した。培養後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態変化(細胞変性効果)の有無を観察し、Reed−Muench法により50%組織培養感染量(TCID50)を算出して作用液1ml当たりのウイルス感染価に換算した。
細胞増殖培地を用い、使用細胞を組織培養用マイクロプレート(96穴)内で単層培養した後、細胞増殖培地を除き細胞維持培地を0.1mlずつ加えた。次に、作用液の希釈液0.1mlを4穴ずつに接種し、37℃±1℃の炭酸ガスインキユベーター(CO2濃度:5%)内で4〜7日間培養した。培養後、倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態変化(細胞変性効果)の有無を観察し、Reed−Muench法により50%組織培養感染量(TCID50)を算出して作用液1ml当たりのウイルス感染価に換算した。
その結果を図2に示す。同図において、TCID50(median tissue culture infectious dose,50%組織培養感染量)は、作用液1ml当りのTCID50の対数値である。開始時は、作用開始直後の対照のTCID50を測定し、開始時とした。また、<50は検出しないことを示し、−は試験を実施しなかったことを示す。
同図に示すように、対照では120秒後にウイルスが増殖しているのに対し、検体では30秒後にはウイルスが不活化していることがわかる。
これにより、本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水は、ウイルス不活化効果を有していることが確認された。
同図に示すように、対照では120秒後にウイルスが増殖しているのに対し、検体では30秒後にはウイルスが不活化していることがわかる。
これにより、本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水は、ウイルス不活化効果を有していることが確認された。
次に、本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水の除菌効果について説明する。本試験も、財団法人日本食品分析センターにより行った。試験方法は、以下の通りである。
1.検体
本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水(クリアスイ(登録商標,ナナイロ株式会社製,50ppm))
2.試験菌株
Escherichia coli NBRC 3972(大腸菌)
Escherichia coli ATCC 43895(大腸菌,血清型O157:H7,ベロ毒素I及II型産生株)
Staphylococcus aureus subsp. aureus NBRC l2732(黄色ブドウ球菌)
Staphylococcus aureus IID 1677(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌:MRSA)
本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水(クリアスイ(登録商標,ナナイロ株式会社製,50ppm))
2.試験菌株
Escherichia coli NBRC 3972(大腸菌)
Escherichia coli ATCC 43895(大腸菌,血清型O157:H7,ベロ毒素I及II型産生株)
Staphylococcus aureus subsp. aureus NBRC l2732(黄色ブドウ球菌)
Staphylococcus aureus IID 1677(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌:MRSA)
3.菌数測定用培地及び培養条件
SCDLP寒天培地[日本製薬株式会社],混釈平板培養法,35℃±1℃,2日間
4.菌液の調整
試験菌株を普通寒天培地[栄研化学株式会社]で35℃±1℃、18〜24時間培養した後、生理食塩水に浮遊させ、菌数が107〜108/mlとなるように調製し、菌液とした。
SCDLP寒天培地[日本製薬株式会社],混釈平板培養法,35℃±1℃,2日間
4.菌液の調整
試験菌株を普通寒天培地[栄研化学株式会社]で35℃±1℃、18〜24時間培養した後、生理食塩水に浮遊させ、菌数が107〜108/mlとなるように調製し、菌液とした。
5.試験操作
検体10mlに菌液を0.1ml接種し、試験液とした。室温で保存し、15,30及び45秒後に試験液をSCDLP培地[日本製薬株式会社]で直ちに10倍に希釈し、試験液中の生菌数を、菌数測定用培地を用いて測定した。
なお、対照として、精製水(黄色ブドウ球菌及びMRSAは生理食塩水)を用いて同様に試験し、開始時及び45秒後に生菌数を測定した。
検体10mlに菌液を0.1ml接種し、試験液とした。室温で保存し、15,30及び45秒後に試験液をSCDLP培地[日本製薬株式会社]で直ちに10倍に希釈し、試験液中の生菌数を、菌数測定用培地を用いて測定した。
なお、対照として、精製水(黄色ブドウ球菌及びMRSAは生理食塩水)を用いて同様に試験し、開始時及び45秒後に生菌数を測定した。
その結果を図3に示す。同図において、<10は検出しなかったことを、−は試験を実施しなかったことを示す。菌液接種直後の対照の生菌数を測定し、開示時とした。
同図に示すように、対照ではいずれも45秒後に生菌が存在又は増殖しているのに対し、検体ではいずれも15秒後には生菌が存在していないことがわかる。
以上の結果から、本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水は、除菌効果を有していることが確認された。また、これにより消臭効果も期待できることが明らかとなった。
同図に示すように、対照ではいずれも45秒後に生菌が存在又は増殖しているのに対し、検体ではいずれも15秒後には生菌が存在していないことがわかる。
以上の結果から、本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水は、除菌効果を有していることが確認された。また、これにより消臭効果も期待できることが明らかとなった。
次に、本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水の安全性に関する急性経口毒性試験について説明する。本試験も、財団法人日本食品分析センターにより行った。試験方法等は、以下の通りである。
1.試験目的
検体について、雌マウスにおける急性経口毒性を調べる。
2.検体
本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される微酸性次亜塩素酸水 200ppm
性状:無色透明液体
3.試験液の調整
検体を注射用水で希釈し、100mg/mLの試験液を調製した。
検体について、雌マウスにおける急性経口毒性を調べる。
2.検体
本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される微酸性次亜塩素酸水 200ppm
性状:無色透明液体
3.試験液の調整
検体を注射用水で希釈し、100mg/mLの試験液を調製した。
4.試験動物
5週齢のICR系雌マウスを日本エスエルシー株式会社から購入し、約1週間の予備飼育を行って一般状態に異常のないことを確認した後、試験に使用した。試験動物はポリカーボネート製ケージに各5匹収容し、室温23℃±2℃、照明時間12時間/日に設定した飼育室において飼育した。飼料[マウス,ラット用固型飼料:ラボMRストック,日本農産工業株式会社]及び飲料水(水道水)は自由に摂取させた。
5週齢のICR系雌マウスを日本エスエルシー株式会社から購入し、約1週間の予備飼育を行って一般状態に異常のないことを確認した後、試験に使用した。試験動物はポリカーボネート製ケージに各5匹収容し、室温23℃±2℃、照明時間12時間/日に設定した飼育室において飼育した。飼料[マウス,ラット用固型飼料:ラボMRストック,日本農産工業株式会社]及び飲料水(水道水)は自由に摂取させた。
5.試験方法
検体投与用量として2000mg/kgを投与する試験群及び溶媒対照として注射用水を投与する対照群を設定し、各群につきそれぞれ5匹を用いた。
投与前に約4時間試験動物を絶食させた。体重を測定した後、試験群には試験液、対照群には注射用水をそれぞれ20mL/kgの投与容量で胃ゾンデを用いて強制単回経口投与した。
観察期間は14日間とし、投与日は頻回、翌日から1日1回の観察を行った。投与後7及び14日に体重を測定し、t−検定により有意水準5%で群間の比較を行った。観察期間終了時に動物すべてを剖検した。
検体投与用量として2000mg/kgを投与する試験群及び溶媒対照として注射用水を投与する対照群を設定し、各群につきそれぞれ5匹を用いた。
投与前に約4時間試験動物を絶食させた。体重を測定した後、試験群には試験液、対照群には注射用水をそれぞれ20mL/kgの投与容量で胃ゾンデを用いて強制単回経口投与した。
観察期間は14日間とし、投与日は頻回、翌日から1日1回の観察を行った。投与後7及び14日に体重を測定し、t−検定により有意水準5%で群間の比較を行った。観察期間終了時に動物すべてを剖検した。
その結果を図4に示す。同図において、体重は、平均値±標準偏差(単位:g)を示している。また、括弧内に動物数を示している。
同図に示すように、いずれの投与群においても、観察期間中に死亡例は認められず、また異常も認められなかった。また、投与後7日及び14日の体重測定において、試験群は対照群と比べ、体重値に差は見られなかった。
これにより、本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水は、安全性が高いものであることが確認された。
同図に示すように、いずれの投与群においても、観察期間中に死亡例は認められず、また異常も認められなかった。また、投与後7日及び14日の体重測定において、試験群は対照群と比べ、体重値に差は見られなかった。
これにより、本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される次亜塩素酸水は、安全性が高いものであることが確認された。
[噴射剤]
本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される噴射剤は、窒素ガス、二酸化炭素ガスなど、酸素を含まない不燃性の圧縮ガスを用いることが好ましい。このように噴射剤として不燃性ガスなどの不活性な圧縮ガスを用いることで、次亜塩素酸水の保存安定性を高めることが可能となる。
本実施形態の除菌消臭用エアゾールに充填される噴射剤は、窒素ガス、二酸化炭素ガスなど、酸素を含まない不燃性の圧縮ガスを用いることが好ましい。このように噴射剤として不燃性ガスなどの不活性な圧縮ガスを用いることで、次亜塩素酸水の保存安定性を高めることが可能となる。
また、本実施形態の除菌消臭用エアゾールは、調理道具、食器、調理機器、その他食品の加工、調理及び食事に際して使用される物品に対して用いるものであるため、噴射剤として、液化石油ガス類の圧縮ガスなどを用いることは好ましくない。
本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおける次亜塩素酸水と噴射剤の充填割合は、次亜塩素酸水の量や不燃性ガスの種類に応じて、一般的な範囲のものとすることができる。
本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおける次亜塩素酸水と噴射剤の充填割合は、次亜塩素酸水の量や不燃性ガスの種類に応じて、一般的な範囲のものとすることができる。
(除菌消臭用エアゾールの使用方法)
次に、本実施形態の除菌消臭用エアゾールの使用方法について説明する。
本実施形態の除菌消臭用エアゾールは、次亜塩素酸水を、例えば厨房における俎板などの調理道具、食器、調理機器、その他食品の加工、調理及び食事に際して使用される物品に噴霧することで、これらの物品の除菌消臭、及びウイルス不活化を行うことができる。
次に、本実施形態の除菌消臭用エアゾールの使用方法について説明する。
本実施形態の除菌消臭用エアゾールは、次亜塩素酸水を、例えば厨房における俎板などの調理道具、食器、調理機器、その他食品の加工、調理及び食事に際して使用される物品に噴霧することで、これらの物品の除菌消臭、及びウイルス不活化を行うことができる。
また、本実施形態の除菌消臭用エアゾールにおける次亜塩素酸水の濃度は、上述したように、調理道具、食器、調理機器等の除菌消臭を十分に行えるように、50〜100ppmとすることが好ましく、50〜80ppmとすることがさらに好ましい。なお、濃度200ppmの場合でも、本実施形態における次亜塩素酸水の急性経口毒性試験による安全性は確認されている。
なお、上述したように、本実施形態の除菌消臭用エアゾールには、除菌消臭用スプレーが含まれる。すなわち、容器本体1に噴射剤を充填させることなく、次亜塩素酸水を内容物(充填成分)として含む除菌消臭用スプレーも、本考案の範囲に含まれる。
本実施形態の除菌消臭用エアゾールは、次亜塩素酸ナトリウムを用いた除菌消臭剤に比べて、塩素臭が残留するといった問題がなく、すすぎも不要である。また、肌荒れの心配がなく、安全性が高いため口や目などに入らないように留意する必要もなく、大変使用しやすいものである。
さらに、本実施形態の除菌消臭用エアゾールは、比較的弱い菌(サルモネラ菌、大腸菌(O157を含む)等)から、ノロウイルスやインフルエンザウイルスなど一般のアルコールでは除去できない強力なウイルスに対しても、除去効果を得ることができる。
このように、本実施形態の除菌消臭用エアゾールは、業務用途、家庭用途などあらゆるシーンで力を発揮することが可能なものとなっている。
さらに、本実施形態の除菌消臭用エアゾールは、比較的弱い菌(サルモネラ菌、大腸菌(O157を含む)等)から、ノロウイルスやインフルエンザウイルスなど一般のアルコールでは除去できない強力なウイルスに対しても、除去効果を得ることができる。
このように、本実施形態の除菌消臭用エアゾールは、業務用途、家庭用途などあらゆるシーンで力を発揮することが可能なものとなっている。
本考案は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本考案の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、厨房や食品加工工場等において利用し易いものにするために、除菌消臭用噴霧器の容器本体を握りやすいものとしたり、あるいは滑り止めを備えたものとするなど適宜変更することが可能である。
例えば、厨房や食品加工工場等において利用し易いものにするために、除菌消臭用噴霧器の容器本体を握りやすいものとしたり、あるいは滑り止めを備えたものとするなど適宜変更することが可能である。
本考案は、食堂や厨房などの料理関連施設や、農業、漁業、酪農などにおいて、調理道具、食器、調理機器、その他食品の加工、調理及び食事に際して使用される物品の除菌消臭、ウイルス不活性化のために好適に利用することが可能である。
1 容器本体
1−1 容器上部
2 噴射部
2−1 噴射ボタン
2−2 バルブ
2−3 ディップチューブ
3 容器蓋
10 内容物
1−1 容器上部
2 噴射部
2−1 噴射ボタン
2−2 バルブ
2−3 ディップチューブ
3 容器蓋
10 内容物
Claims (5)
- 次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈した後に、希塩酸を添加してpHを微酸性に調整して得られた、次亜塩素酸の濃度が50〜100ppmの次亜塩素酸水がエアゾール用容器に充填されたことを特徴とする除菌消臭用噴霧器。
- 前記次亜塩素酸水が、調理道具、食器、調理機器、その他食品の加工、調理及び食事に際して使用される物品に噴霧され、ウイルス不活化及び除菌消臭を行うために用いられることを特徴とする請求項1記載の除菌消臭用噴霧器。
- 前記次亜塩素酸水とともに、不燃性ガスが充填されたエアゾール式としたことを特徴とする請求項1又は2記載の除菌消臭用噴霧器。
- 前記次亜塩素酸水が充填される容器本体と、前記次亜塩素酸水を前記容器本体の内部から外部へ噴射させる噴射部とを備え、前記容器本体及び前記噴射部が樹脂からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の除菌消臭用噴霧器。
- 前記次亜塩素酸水と不燃性ガスとが、耐酸性及び耐紫外線を備えたエアゾール用容器に充填されたことを特徴とする請求項3に記載の除菌消臭用噴霧器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010008388U JP3166522U (ja) | 2010-12-24 | 2010-12-24 | 除菌消臭用噴霧器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014080393A (ja) * | 2012-10-17 | 2014-05-08 | Yunifiido Engineering:Kk | 次亜塩素酸カルシウム含有水溶液 |
JP2014518844A (ja) * | 2011-03-18 | 2014-08-07 | プリコア,インコーポレイテッド | 安定化次亜ハロゲン酸溶液 |
US9925217B2 (en) | 2011-03-18 | 2018-03-27 | Realm Therapeutics, Inc. | Methods for treating inflammation associated with allergic reaction |
CN114728189A (zh) * | 2019-11-11 | 2022-07-08 | 日本先端株式会社 | 抗癌剂暴露防止方法 |
-
2010
- 2010-12-24 JP JP2010008388U patent/JP3166522U/ja not_active Expired - Fee Related
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US10576152B2 (en) | 2011-03-18 | 2020-03-03 | Urgo Us, Inc. | Stabilized hypohalous acid solutions |
US10702549B2 (en) | 2011-03-18 | 2020-07-07 | Urgo Us, Inc. | Methods for treating skin irritation |
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