JP2014078660A - ワイドギャップ半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

ワイドギャップ半導体装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サージ電流などの高い電流が順方向に流れる場合に対する熱破壊耐性を向上可能なワイドギャップ半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ワイドギャップ半導体装置1は、基板10と、電極4とを有している。基板10は、ワイドギャップ半導体材料からなり、かつ第1導電型領域14および第2導電型領域15とを含む。電極4は、基板10上に接して配置され、かつ単一の材料からなる。電極4は、第1導電型領域14とショットキー接合する第1の領域3と、第2導電型領域15とオーミック接合する第2の領域2とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワイドギャップ半導体装置およびその製造方法に関するものであり、より特定的には、熱破壊耐性を向上可能なワイドギャップ半導体装置およびその製造方法に関するものである。
ショットキーバリアダイオード(SBD:Schottky Barrier Diode)やジャンクションバリアショットキーダイオード(JBS:Junction Barrier Schottky Diode)などの半導体装置は、基板上にショットキー電極が形成された構造を有している。
たとえば特開2001−85704号公報(特許文献1)には、ショットキー電極の周縁部と接触する基板部分にp+ガードリング領域が形成され、基板の主表面に接してpn接合が形成された炭化珪素ショットキーダイオードが開示されている。また特開2009−16603号公報(特許文献2)には、ショットキー電極と接する基板に設けられたp型層が同心円状に複数設けられたジャンクションバリアショットキーダイオードが開示されている。
特開2001−85704号公報 特開2009−16603号公報
しかしながら、特開2001−85704号公報および特開2009−16603号公報に記載のショットキーダイオードにおいては、サージ電流などの高い電流が順方向に流れる場合における熱破壊耐性が十分高くなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、サージ電流などの高い電流が順方向に流れる場合における熱破壊耐性を向上可能なワイドギャップ半導体装置およびその製造方法を提供することである。
本発明に係るワイドギャップ半導体装置は、基板と、電極とを備える。基板は、ワイドギャップ半導体材料からなり、かつ第1導電型領域および第2導電型領域とを含む。電極は、基板上に接して配置され、かつ単一の材料からなる。電極は、第1導電型領域とショットキー接合する第1の領域と、第2導電型領域とオーミック接合する第2の領域とを含む。なお、ワイドギャップ半導体材料とは、シリコンよりもバンドギャップの大きい半導体材料のことを意味する。
本発明に係るワイドギャップ半導体装置は、第2導電型領域とオーミック接合する第2の領域を含む。これにより、第2導電型領域と第2の領域との接触抵抗が小さくなる。それゆえ、サージ電流などの高い電流が順方向に流れる場合における熱破壊耐性が向上する。また電流が順方向に流れる場合における接触抵抗による損失を低減することができる。
上記に係るワイドギャップ半導体装置において好ましくは、ワイドギャップ半導体材料は炭化珪素である。これにより、高い熱破壊耐性を有する炭化珪素半導体装置が得られる。
上記に係るワイドギャップ半導体装置において好ましくは、第2の領域と第2導電型領域との接触面積は、電極と基板との接触面積の25%以上60%以下である。第2の領域と第2導電型領域との接触面積が電極と基板との接触面積の25%よりも小さい場合、電圧を印加した場合における電流の立ち上がりの傾きが十分に大きくならない。また第2の領域と第2導電型領域との接触面積が電極と基板との接触面積の60%よりも大きい場合、同一チップ面積における定格電流が小さくなる。それゆえ、第2の領域と第2導電型領域との接触面積を、電極と基板との接触面積の25%以上60%以下にすることにより、電圧を印加した場合における電流の立ち上がりの傾きが十分に大きくなりかつ同一チップ面積における定格電流が大きくなる。
上記に係るワイドギャップ半導体装置において好ましくは、基板は、電極の外周部と接する第2の第2導電型領域を含む。これにより、電極の外周部における電界集中を緩和することができる。
本発明に係るワイドギャップ半導体装置の製造方法は以下の工程を備えている。ワイドギャップ半導体材料からなり、かつ第1導電型領域および第2導電型領域を有する基板が準備される。基板に接し、単一の材料からなりかつ第1の領域および第2の領域を有する電極が形成される。電極を形成する工程は、第1導電型領域と第1の領域とをショットキー接合させる工程と、第2の領域を局所的に加熱することにより第2導電型領域と第2の領域とをオーミック接合させる工程とを含む。
本発明に係るワイドギャップ半導体装置の製造方法は、第2の領域を局所的に加熱することにより第2導電型領域と第2の領域とをオーミック接合させる工程を含む。これにより、第2導電型領域と第2の領域との接触抵抗が小さくなる。それゆえ、サージ電流などの高い電流が順方向に流れる場合における熱破壊耐性が向上するワイドギャップ半導体装置が得られる。また電流が順方向に流れる場合における接触抵抗による損失が低減するワイドギャップ半導体装置が得られる。
上記に係るワイドギャップ半導体装置の製造方法において好ましくは、第2の領域を局所的に加熱することにより第2導電型領域と第2の領域とをオーミック接合させる工程は、第2の領域をレーザーアニールすることにより行われる。これにより、第2の領域以外の領域の面荒れを抑制しながら、第2導電型領域と第2の領域との接触抵抗を低減することができる。
上記に係るワイドギャップ半導体装置の製造方法において好ましくは、第1導電型領域と第1の領域とをショットキー接合させる工程は、第2導電型領域と第2の領域とをオーミック接合させる工程の前に、電極全体を加熱する工程を含む。これにより、第1導電型領域と第1の領域とのバリアハイトを適切な値に調整することができる。
上記に係るワイドギャップ半導体装置の製造方法において好ましくは、電極全体を加熱する工程は、レーザーアニールにより行われる。これにより、電極以外の領域の面荒れを抑制しながら電極を加熱することができる。
本発明によれば、サージ電流などの高い電流が順方向に流れる場合における熱破壊耐性を向上可能なワイドギャップ半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るワイドギャップ半導体装置の構造を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係るワイドギャップ半導体装置の一の例(a)および他の例(b)におけるp型領域とJTE領域との位置関係を概略的に示す一部平面模式図である。 本発明の一実施の形態に係るワイドギャップ半導体装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。 本発明の一実施の形態に係るワイドギャップ半導体装置の製造方法を概略的に示すフロー図である。 本発明の一実施の形態に係るワイドギャップ半導体装置の製造方法の第1の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係るワイドギャップ半導体装置の製造方法の第2の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係るワイドギャップ半導体装置の製造方法の第3の工程を概略的に示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係るワイドギャップ半導体装置の製造方法の第4の工程を概略的に示す断面模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
まず、本発明の一実施の形態に係るワイドギャップ半導体装置であるショットキーバリアダイオード1の構造について、図1を参照して説明する。図1に示すように本実施の形態のショットキーバリアダイオード1は、基板10と、電極4とを主に有している。基板10は、ワイドギャップ半導体材料からなる。ワイドギャップ半導体材料とは、シリコンよりもバンドギャップの大きい半導体材料のことであり、具体的には炭化珪素、窒化ガリウムおよびダイヤモンドなどが挙げられる。
基板10は、n+基板11と、電界停止層12と、n型領域14(第1導電型領域)と、p型領域15(第2導電型領域)と、JTE(Junction Termination Extension)領域16とを有している。n+基板11には、単結晶炭化珪素からなる基板にたとえば窒素(N)などの不純物が含まれている。n+基板に含まれる不純物濃度は、たとえば5×1018cm-3程度である。電界停止層12に含まれる窒素などの不純物濃度はたとえば5×1017cm-3程度以上1×1018cm-3程度以下である。n型領域14における不純物濃度はたとえば1×1016cm-3である。p型領域15におけるアルミニウムなどの不純物濃度はたとえば1×1019cm-3程度である。
JTE領域16は、たとえばアルミニウム(Al)やホウ素(B)などの不純物がイオン注入されたp型領域である。当該p型領域の不純物濃度は、たとえば2×1017cm-3程度である。JTE領域16は、電極4の外周部4aと接触するp型領域16aと、当該p型領域16aの外周側に配置され、電極4と接触しないp型領域16bとを含んでいる。電極4と接触するp型領域16aを貫通するように、p型領域16aよりも不純物濃度の高いp型領域15が形成されていてもよい。また基板10は、JTE領域16を取り囲むようにフィールドストップ領域(図示せず)を有していても構わない。フィールドストップ領域は、たとえばリン(P)などがイオン注入されたn+型領域である。
電極4は、基板10の一方の主面10a上に設けられており、たとえばチタン(Ti)からなる。電極4として、チタン以外にもたとえばニッケル(Ni)、窒化チタン(TiN)、金(Au)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)などを用いても構わない。電極4は単一の材料からなる。単一の材料とは、同じ元素からなる単体から成っている場合および同じ化合物から成っている場合を含む。また、当該材料をたとえばスパッタリングやメッキで形成した後に、当該材料の一部を加熱することにより当該材料の一部における結合状態が変化した場合であっても、結合状態が変化した部分と結合状態が変化していない部分とは単一の材料である。
電極4は、n型領域14とショットキー接合する第1の領域3と、p型領域15とオーミック接合する第2の領域2とを含む。断面視(図1の視野)において第2の領域2は間隔をあけて複数配置されていてもよい。また断面視において第1の領域3と第2の領域2とが交互に配置されていてもよい。p型領域15は基板10の主面10aからオーミック電極30に向かって伸長して形成されている。第1の領域3および第2の領域2は単一の材料からなる。たとえば第1の領域3と第2の領域2は同じ金属または同じ合金から形成されている。
図2(a)を参照して、基板10の法線方向から観察すると(言いかれば平面視において)、電極4はほぼ正方形の形状を有している。JTE領域16のp型領域16aは、ほぼ正方形状の電極4の外周部4aに沿って形成されている。またp型領域15は電極4の外周部4aに囲まれて配置されている。p型領域15は、たとえば柵状を有している。p型領域15の縦方向に延びる部分は、隙間L3を隔てて配置されている。p型領域15の縦方向に延びる部分の幅L2はたとえば2μm以上4μm以下程度であり、隙間L3はたとえば4μm以上8μm以下程度である。p型領域15上に接して配置される電極4の第2の領域2の幅はp型領域15の縦方向に延びる部分の幅L2よりも小さい。電極4の第2の領域2の幅はたとえば1μm以上3μm以下程度である。
図2(b)を参照して、平面視においてp型領域15の形状はたとえば円形であっても構わない。平面視においてp型領域15の形状は四角形や六角形などの多角形形状であっても構わない。p型領域15の幅L2はたとえば2μm以上6μm以下程度である。JTE領域16のp型領域16aは電極4の外周部4aに沿って配置されている。円形のp型領域15は電極の外周部4aに囲まれて配置されている。また電極の外周部4aを囲うようにJTE領域のp型領域16bが配置されている。
電極4の第2の領域2はp型領域15に接して配置されている。つまり、電極4の第2の領域2の形状は、平面視において柵状であってもよいし、円形状であってもよい。平面視において電極4の形状はほぼ正方形状であり、電極4の一辺の長さはたとえば1mmである。電極4の一辺L1の長さはたとえば5mmや7mmであっても構わない。好ましくは、第2の領域2とp型領域15との接触面積は、電極4と基板10との接触面積の25%以上60%以下である。
図1を参照して、電極4の第1の領域3および第2の領域2に接してパッド電極60が形成されている。パッド電極60はたとえばアルミニウムからなる。パッド電極60、第1の領域3および基板10の主面10aに接して保護膜70が形成されている。また、n+基板11と接してオーミック電極30が配置されている。オーミック電極30はたとえばニッケルからなる。さらに、オーミック電極30に接してたとえばチタン、ニッケル、銀やそれらからなる合金からなるパッド電極40が配置されている。
次に、本発明の一実施の形態に係るワイドギャップ半導体装置であるショットキーバリアダイオードの製造方法について、図3〜図8を参照して説明する。
図5を参照して、まず、工程(S10:図3)として、基板準備工程が実施される。この工程(S10)では、たとえばポリタイプが4Hである単結晶炭化珪素からなるインゴット(図示しない)をスライスすることにより、導電型がn型(第1導電型)のn+基板11が準備される。n+基板には、たとえば窒素などの不純物が含まれている。n+基板に含まれる不純物濃度は、たとえば5×1018cm-3程度である。
次に、n+基板11上に電界停止層12が形成される。電界停止層12はn型を有する炭化珪素層である。電界停止層12に含まれるリンなどの不純物濃度はたとえば5×1017cm-3程度以上1×1018cm-3程度以下である。その後、電界停止層12上に導電型がn型(第1導電型)であるn型領域14がエピタキシャル成長により形成される。n型領域14の不純物濃度はたとえば1×1016cm-3である。これにより、ワイドギャップ半導体材料からなり、第1導電型を有する基板10が準備される。
次に、工程(S20:図3)として、イオン注入工程が実施される。この工程(S20)では、たとえばJTE領域16が形成される領域に開口を有する二酸化珪素からなるマスクが基板10上に形成される。その後、たとえばAl(アルミニウム)イオンが、n型領域14内に注入されることにより、導電型がp型(第2導電型)のJTE領域16が形成される。JTE領域16の不純物濃度は、たとえば2×1017cm-3程度である。同様に、たとえば、電極4の第2の領域2とオーミック接合するp型領域15が形成される領域に開口を有する二酸化珪素からなるマスクが基板10上に形成される。その後、たとえばAl(アルミニウム)イオンが、n型領域14内に注入されることにより、導電型がp型(第2導電型)のp型領域15(第2導電型領域)が形成される。p型領域15の不純物濃度は、たとえば1×1019cm-3程度である。これにより、ワイドギャップ半導体材料からなり、かつn型領域14(第1導電型領域)およびp型領域15(第2導電型領域)を有する基板10が準備される。
次に、工程(S30:図3)として、活性化アニール工程が実施される。この工程(S30)では、たとえばアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中、1800℃程度の温度で基板10が加熱されることにより、JTE領域16およびp型領域15がアニールされ、上記工程(S20)にて導入された不純物が活性化される。これにより、不純物が導入された領域において所望のキャリアが生成する。
次に、工程(S40:図3)として、電極形成工程が実施される。電極形成工程は、好ましくは、金属膜形成工程(S41:図4)、ショットキー接合工程(S42:図4)およびオーミック接合工程(S43:図4)を含んでいる。まず、金属膜形成工程(S41)では、単一の材料からなる電極4が基板10に接して形成される。電極4は、たとえばチタン(Ti)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)などの金属膜である。具体的には、図7を参照して、電極4は、基板10の主面10aにおいてn型領域14と接し、かつ基板10の主面10aにおいてp型領域16aおよびp型領域15と接するように形成される。また、ショットキー電極の外周部4aは基板10の主面10aにおいて、p型領域16aと接するように形成される。
次に、ショットキー接合工程(S42)が実施される。この工程(S42)では、基板10の主面10aに形成された電極4の全体が加熱される。電極4全体の加熱はたとえばレーザーアニールを用いて行われる。電極4が形成された基板10を加熱炉配置して、不活性ガス雰囲気中において電極4全体が加熱されても構わない。電極4は、たとえば500℃程度にまで加熱される。これにより、基板10のn型領域14と電極4の第1の領域3とのショットキー接合におけるバリアハイトを調整する。なお、電極4の第1の領域3を局所的に加熱することにより、n型領域14と第1の領域3とがショットキー接合されても構わない。
次に、オーミック接合工程(S43)が実施される。この工程(S43)では、図8を参照して、p型領域15と接触する電極4の第2の領域2を局所的に加熱することにより、p型領域15と第2の領域2とがオーミック接合される。第2の領域2を局所的に加熱することによりp型領域15と第2の領域2とをオーミック接合させる工程は、好ましくは第2の領域2をレーザーアニールすることにより行われる。第2の領域2の局所加熱は電子ビーム(Electron Beam)によって行われても構わない。また第2の領域2は、たとえば1000℃程度まで加熱される。オーミック接合工程(S43)における電極4の加熱温度は、ショットキー工程(S42)における電極4の加熱温度よりも高い。
以上により、基板10に接し、単一の材料からなりかつ第1の領域3および第2の領域2を有する電極4が形成される。ショットキー接合工程(S42)により、n型領域14(第1導電型領域)と第1の領域3とがショットキー接合され、電極4の第2の領域2を局所的に加熱することによりp型領域15(第2導電型領域)と第2の領域2とがオーミック接合される。好ましくは、n型領域14と第1の領域3とをショットキー接合させる工程は、p型領域15と第2の領域2とをオーミック接合させる工程の前に、電極4全体が加熱されることにより行われる。
レーザーアニールには、たとえばYAGレーザーが用いられ、より具体的には波長が355nm(3倍波)のYVO4の固体レーザーが用いられる。レーザーの照射ビームスポットの直径はたとえば200μm以上300μm以下である。照射ビームスポットの電極4表面における面積は0.03mm2以上であることが好ましい。照射ビームスポットは前の照射ビームスポットと重なるように移動する。たとえば、20kHzのパルスレーザーを毎秒1000mmで走査する場合、照射ビームスポットの走査ステップは50μmである。照射ビームスポットは互いに重なり合いながら、電極4上をある一定の方向(走査方向)へ走査される。p型領域15と第2の領域2とがオーミック接合される場合におけるレーザーのエネルギー密度は、たとえば2.0J/cm2である。
次に、パッド電極および保護膜形成工程が実施される。具体的には、電極4上に接して、たとえばアルミニウムからなるパッド電極60が形成される。その後、パッド電極60、電極4の第2の領域2および基板10の主面10aと接して保護膜70が形成される。
次に、オーミック電極形成工程が実施される。具体的には、基板10の主面10aとは反対の面(裏面)の研削が行われ、裏面と接触してたとえばニッケルからなるオーミック電極30が形成される。その後、オーミック電極30と接してたとえばチタン、ニッケル、銀やそれらからなる合金からなるパッド電極40が形成される。これにより、図1に示すワイドギャップ半導体装置としてのショットキーバリアダイオード1が完成する。
なお、本実施の形態において、第1導電型をn型とし、かつ第2導電型をp型として説明したが、第1導電型がp型であってかつ第2導電型がn型であっても構わない。また、本実施の形態においては、ワイドギャップ半導体装置としてショットキーバリアダイオードを例に挙げて説明したが本発明はこれに限定されない。ワイドギャップ半導体装置はショットキー接合を有するトランジスタであってもよく、たとえばMESFET(Metal Semiconductor Field Effect Transistor)やHEMT(High Electron Mobility Transistor)などであってもよい。
次に、本実施の形態に係るショットキーバリアダイオード1およびその製造方法の作用効果について説明する。
本実施の形態に係るショットキーバリアダイオード1は、p型領域15とオーミック接合する第2の領域2を含む。これにより、p型領域15と第2の領域2との接触抵抗が小さくなる。それゆえ、サージ電流などの高い電流が順方向に流れる場合における熱破壊耐性が向上する。また電流が順方向に流れる場合における接触抵抗による損失を低減することができる。
また本実施の形態に係るショットキーバリアダイオード1によれば、ワイドギャップ半導体材料は炭化珪素である。これにより、高い熱破壊耐性を有する炭化珪素半導体装置が得られる。
さらに本実施の形態に係るショットキーバリアダイオード1によれば、第2の領域2とp型領域15との接触面積は、電極4と基板10との接触面積の25%以上60%以下である。第2の領域2とp型領域15との接触面積が電極4と基板10との接触面積の25%よりも小さい場合、電圧を印加した場合における電流の立ち上がりの傾きが十分に大きくならない。また第2の領域2とp型領域15との接触面積が電極4と基板10との接触面積の60%よりも大きい場合、同一チップ面積における定格電流が小さくなる。それゆえ、第2の領域2とp型領域15との接触面積を、電極4と基板10との接触面積の25%以上60%以下にすることにより、電圧を印加した場合における電流の立ち上がりの傾きが十分に大きくなりかつ同一チップ面積における定格電流が大きくなる。
さらに本実施の形態に係るショットキーバリアダイオード1によれば、基板10は、電極4の外周部4aと接するp型領域16aを含む。これにより、電極4の外周部4aにおける電界集中を緩和することができる。
本実施の形態に係るショットキーバリアダイオード1の製造方法は、第2の領域2を局所的に加熱することによりp型領域15と第2の領域2とをオーミック接合させる工程を含む。これにより、p型領域15と第2の領域2との接触抵抗が小さくなる。それゆえ、サージ電流などの高い電流が順方向に流れる場合における熱破壊耐性が向上するワイドギャップ半導体装置が得られる。また電流が順方向に流れる場合における接触抵抗による損失が低減するワイドギャップ半導体装置が得られる。
また本実施の形態に係るショットキーバリアダイオード1の製造方法によれば、第2の領域2を局所的に加熱することによりp型領域15と第2の領域2とをオーミック接合させる工程は、第2の領域2をレーザーアニールすることにより行われる。これにより、第2の領域2以外の領域の面荒れを抑制しながら、p型領域15と第2の領域2との接触抵抗を低減することができる。
さらに本実施の形態に係るショットキーバリアダイオード1の製造方法によればn型領域14と第1の領域3とをショットキー接合させる工程は、p型領域15と第2の領域2とをオーミック接合させる工程の前に、電極4全体を加熱する工程を含む。これにより、n型領域14と第1の領域3とのバリアハイトを適切な値に調整することができる。
さらに本実施の形態に係るショットキーバリアダイオード1の製造方法によれば電極4全体を加熱する工程は、レーザーアニールにより行われる。これにより、電極4以外の領域の面荒れを抑制しながら電極を加熱することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ショットキーバリアダイオード、2 第2の領域、3 第1の領域、4 電極、4a 外周部、10 基板、10a 主面、11 n+基板、12 電界停止層、14 n型領域、15 p型領域、16 JTE領域、16a,16b p型領域、30 オーミック電極、40,60 パッド電極、70 保護膜。

Claims (8)

  1. ワイドギャップ半導体材料からなり、かつ第1導電型領域および第2導電型領域とを含む基板と、
    前記基板上に接して配置され、かつ単一の材料からなる電極とを備え、
    前記電極は、前記第1導電型領域とショットキー接合する第1の領域と、前記第2導電型領域とオーミック接合する第2の領域とを含む、ワイドギャップ半導体装置。
  2. 前記ワイドギャップ半導体材料は炭化珪素である、請求項1に記載のワイドギャップ半導体装置。
  3. 前記第2の領域と前記第2導電型領域との接触面積は、前記電極と前記基板との接触面積の25%以上60%以下である、請求項1または2に記載のワイドギャップ半導体装置。
  4. 前記基板は、前記電極の外周部と接する第2の第2導電型領域を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイドギャップ半導体装置。
  5. ワイドギャップ半導体材料からなり、かつ第1導電型領域および第2導電型領域を有する基板を準備する工程と、
    前記基板に接し、単一の材料からなりかつ第1の領域および第2の領域を有する電極を形成する工程とを備え、
    前記電極を形成する工程は、前記第1導電型領域と前記第1の領域とをショットキー接合させる工程と、前記第2の領域を局所的に加熱することにより前記第2導電型領域と前記第2の領域とをオーミック接合させる工程とを含む、ワイドギャップ半導体装置の製造方法。
  6. 前記第2の領域を局所的に加熱することにより前記第2導電型領域と前記第2の領域とをオーミック接合させる工程は、前記第2の領域をレーザーアニールすることにより行われる、請求項5に記載のワイドギャップ半導体装置の製造方法。
  7. 前記第1導電型領域と前記第1の領域とをショットキー接合させる工程は、前記第2導電型領域と前記第2の領域とをオーミック接合させる工程の前に、前記電極全体を加熱する工程を含む、請求項5または6に記載のワイドギャップ半導体装置の製造方法。
  8. 前記電極全体を加熱する工程は、レーザーアニールにより行われる、請求項7に記載のワイドギャップ半導体装置の製造方法。
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