JP2014078485A - 集電部材及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材の第1導電性セラミックス膜から第2導電性セラミックス膜が剥離することを抑制可能な集電部材及びその集電部材を備える燃料電池を提供する。
【解決手段】集電部材20は、基材210と、第2導電性セラミックス膜220と、を備える。基材210は、Fe及びCrを含む合金部材211と、合金部材211上に形成され、Crによって構成される第1導電性セラミックス膜212と、を有する。第2導電性セラミックス膜220は、第1導電性セラミックス膜212上に形成され、Mn及びCoを含むセラミックス材料によって構成される。第2導電性セラミックス膜220は、外表面を形成する第1緻密層221と、第1緻密層221の内側に配置され、複数の閉気孔222Aを含む多孔質層222と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、集電部材及び集電部材を備える燃料電池に関する。
従来、複数の燃料電池を電気的に直列接続するための集電部材として、鉄(Fe)とクロム(Cr)を含む合金製の基材が用いられている。基材の表面には、Crによって構成される第1導電性セラミックス膜が形成されている。
ここで、高温において基材からクロム含有ガスが発生することを抑制することを目的として、酸化クロム(Cr)と複合酸化物を形成する材料を含む第2導電性セラミックス膜を基材の表面に形成する手法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−196077号公報
しかしながら、燃料電池の運転時には、温度昇降に伴う基材の伸縮によって、基材と第2導電性セラミックス膜の界面に応力が発生する。そのため、第2導電性セラミックス膜が基材から剥離するおそれがある。
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、基材の第1導電性セラミックス膜から第2導電性セラミックス膜が剥離することを抑制可能な集電部材及びその集電部材を備える燃料電池を提供することを目的とする。
本発明に係る集電部材は、Fe及びCrを主成分として含む合金部材と、合金部材上に形成され、Crを主成分として含む第1導電性セラミックス膜と、を有する基材と、第1導電性セラミックス膜上に形成され、Mn及びCoを含む導電性酸化物セラミックス材料によって構成される第2導電性セラミックス膜と、を備える。第2導電性セラミックス膜は、外表面を形成する第1緻密層と、第1緻密層の内側に配置され、複数の閉気孔を含む多孔質層と、を有する。
本発明によれば、基材の第1導電性セラミックス膜から第2導電性セラミックス膜が剥離することを抑制可能な集電部材及びその集電部材を備える燃料電池を提供することができる。
燃料電池の構成を示す断面図 集電部材の拡大断面図 EBSD像の模式図 第1導電性セラミックス膜のEBSD像の模式図 EBSD像の一例
<固体酸化物型燃料電池100の構成>
固体酸化物型燃料電池(以下、「燃料電池」と略称する)100の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、燃料電池100の構成を示す断面図である。
燃料電池100は、発電部10と、集電部材20と、を備える。
(発電部10の構成)
発電部10は、燃料極11、固体電解質層12、空気極13を備える。発電部10は、セラミックス材料によって構成される薄板である。発電部10は、例えば、厚み30μm〜3mm、直径5mm〜50mmとすることができる。
燃料極11は、発電部10のアノードとして機能する。燃料極11は、固体電解質層12及び空気極13を支持する基板(換言すれば「支持体」)としての機能を有してもよい。燃料極11の厚みは、例えば10μm〜3mmとすることができる。燃料極11が基板として機能する場合、燃料極11の厚みは、固体電解質層12及び空気極13の厚みよりも大きくてもよい。また、燃料極11は、燃料極集電層と燃料極活性層とを含んでいる。燃料極集電層は、例えばNiO/Ni‐Y23によって構成することができ、燃料極活性層は、例えばNiO/Ni‐8YSZによって構成することができる。
固体電解質層12は、燃料極11と空気極13との間に配置される。固体電解質層12は、空気極13で生成される酸素イオンを透過させる機能を有している。固体電解質層12は、ジルコニウムを含んでいる。固体電解質層12は、ジルコニウムをジルコニア(ZrO)として含んでもよい。固体電解質層12は、ジルコニアを主成分として含んでいてもよい。固体電解質層12の材料としては、例えば、8YSZ(イットリア安定化ジルコニア)やScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)などを用いることができる。
空気極13は、固体電解質層12上に配置される。空気極13は、発電部10のカソードとして機能する。空気極13は、緻密な固体電解質層12よりも多くの気孔を含む多孔質層である。空気極13は、例えばLSCF(ランタンストロンチウムコバルトフェライト:(LaSr)(CoFe)O)を主成分として含んでいてもよい。空気極13の厚みは、5μm〜50μmとすることができる。
(集電部材20の構成)
集電部材20は、図1に示すように、凹部20Aを有する。凹部20Aは、導電性接着剤21を介して空気極13の表面に接続されている。発電時において、空気は、凹部20Aを通って空気極13に供給される。
ここで、図2は、集電部材20の拡大断面図である。図2に示すように、集電部材20は、基材210と、第2導電性セラミックス膜220と、を備える。
基材210は、合金部材211と、第1導電性セラミックス膜212と、を有する。
合金部材211は、Fe及びCrを含む板状部材である。合金部材211は、例えばフェライト系ステンレス部材によって構成することができる。合金部材211の厚みは、例えば0.3mm〜1mmとすることができる。
第1導電性セラミックス膜212は、合金部材211の表面上に形成される。第1導電性セラミックス膜212は、Crを主成分として含有する。Crには、合金部材211や第2導電性セラミックス膜220を構成する元素が不純物として含有されていてもよい。第1導電性セラミックス膜212は、RF(radio-frequency)マグネトロンスパッタ装置を用いてCrターゲットをArスパッタリングし、反応ガス(例えば、酸素)との反応により酸化物を成膜することによって形成することができる。第1導電性セラミックス膜212の厚みは、例えば1μm〜20μmとすることができる。
第2導電性セラミックス膜220は、第1導電性セラミックス膜212の表面上に形成される。第2導電性セラミックス膜220は、Mn及びCoを含むスピネル型の導電性酸化物セラミックス材料によって構成される。具体的に、第2導電性セラミックス膜220は、(Mn,Co)によって構成されていてもよい。(Mn,Co)には、Mn1.5Co1.5やMnCoなどが含まれる。また、第2導電性セラミックス膜220は、(MnFe1−X)Crを含んでいてもよい。
第2導電性セラミックス膜220は、第1緻密層221と、多孔質層222と、第2緻密層223と、を有する。
第1緻密層221は、第2導電性セラミックス膜220の外表面220Sを形成する。すなわち、第1緻密層221は、第2導電性セラミックス膜220の最外層である。第1緻密層221は、緻密質な構成を有する。第1緻密層221の気孔率は、多孔質層222の気孔率よりも低いことが好ましい。具体的に、第1緻密層221の気孔率は、例えば0.5%〜15%であることが好ましい。第1緻密層221の気孔率とは、第1緻密層221の断面において、単位面積当たりにおける気孔(閉気孔と開気孔を含む)の占有面積である。換言すれば、第1緻密層221の気孔率は、断面の所定範囲(例えば、500μm程度)における気孔の面積占有率である。第1緻密層221の厚みは、例えば0.5μm〜10μmとすることができ、特に、1μm以上であることが好ましい。
多孔質層222は、第1緻密層221の内側、すなわち、第1緻密層221の基材210側に形成される。多孔質層222は、複数の閉気孔222Aを含んでいる。多孔質層222の閉気孔率は、20%以上70%以下であることが好ましい。閉気孔率とは、多孔質層222の断面において、単位面積当たりにおける複数の閉気孔222Aの占有面積である。換言すれば、多孔質層222の閉気孔率は、断面の所定範囲(例えば、500μm程度)における気孔の面積占有率である。複数の閉気孔222Aの平均円相当径は、0.3μm以上3.5μm以下であることが好ましい。
なお、本実施形態において円相当径とは、対象物の断面積と同じ面積を有する円の直径であり、平均円相当径とは、複数の対象物の円相当径の平均値である。
また、多孔質層222は、複数の閉気孔222Aとは別に開気孔を含んでいてもよい。ただし、多孔質層222の開気孔率は、多孔質層222の閉気孔率よりも小さいことが好ましい。開気孔率とは、多孔質層222の断面において、単位面積当たりにおける開気孔の占有面積である。
なお、多孔質層222の厚みは、例えば0.5μm〜10μmとすることができ、特に、1.0μm以上であることが好ましい。
第2緻密層223は、多孔質層222の内側、すなわち、多孔質層222の基材210側に形成される。本実施形態において、第2緻密層223は、第2導電性セラミックス膜220の最内層である。第2緻密層223は、第1緻密層221と同様の緻密質な構成を有する。第2緻密層223の気孔率は、第1緻密層221の気孔率と同等であり、多孔質層222の気孔率よりも低いことが好ましい。第2緻密層223の厚みは、第1緻密層221の厚みよりも薄くてもよい。また、第2緻密層223の厚みは、多孔質層222の厚みよりも薄くてもよい。具体的に、第2緻密層223の厚みは、例えば0.1μm〜5μmとすることができ、特に、0.5μm以上であることが好ましい。
なお、第1緻密層221、多孔質層222及び第2緻密層223それぞれの界面は、各層間の気孔率の違いから認識することができる。
また、図2に示すように、集電部材20は、複数のカーケンダルボイド230を有する。複数のカーケンダルボイド230は、基材210と第2導電性セラミックス膜220との界面P付近に形成される。本実施形態において、界面Pは、基材210の第1導電性セラミックス膜212と第2導電性セラミックス膜220の第2緻密層223との間に形成される。複数のカーケンダルボイド230は、界面Pに沿って並べられている。複数のカーケンダルボイド230の少なくとも一部は、基材210内に形成されていてもよいし、第2導電性セラミックス膜220内に形成されていてもよい。複数のカーケンダルボイド230の平均円相当径は、0.05μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
<第1導電性セラミックス膜212及び第2導電性セラミックス膜220の粒子>
次に、第1導電性セラミックス膜212及び第2導電性セラミックス膜220の粒子について、図面を参照しながら説明する。図3は、電子線後方散乱回折(EBSD;Electron Backscatter Diffraction)法による解析で得られたEBSD像である。EBSD法によれば、結晶方位の不連続性を観測することができ、所定の結晶方位差が観測されたラインを粒界とみなして粒子像を描画することができる。所定の結晶方位差は任意に設定可能であるが、例えば15度程度に設定されていればよい。
図3に示すように、第2導電性セラミックス膜220は、第1導電性セラミックス膜212に比べて粗大な粒子によって構成されている。すなわち、第2導電性セラミックス膜220を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、第1導電性セラミックス膜212を構成するCrの平均円相当径よりも大きい。具体的に、第2導電性セラミックス膜220を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、0.5μm以上2.5μm以下であることが好ましい。また、第1導電性セラミックス膜212を構成するCrの平均円相当径は、0.15μm以上0.8μm以下であることが好ましい。
また、図3に示すように、第1緻密層221を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、多孔質層222を構成するセラミックス粒子の平均円相当径よりも大きい。具体的に、第1緻密層221を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、0.8μm以上3.5μm以下であることが好ましい。また、多孔質層222を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、0.5μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
ここで、図4は、第1導電性セラミックス膜212のEBSD像の模式図である。
図4に示すように、第1導電性セラミックス膜212を構成するCr粒子は、柱状である。Cr粒子は、厚み方向に沿って延びるように配置されている。
Cr粒子の平均長径は、0.5μm以上3.0μm以下である。Cr粒子の平均短径は、0.1μm以上1.0μm以下である。そして、Cr粒子において、平均長径の平均短径に対するアスペクト比(平均長径/平均短径)は、1.5以上10以下である。また、Cr粒子の平均円相当径は、0.15μm以上0.8μm以下である。
<集電部材20の製造方法>
次に、集電部材20の製造方法について説明する。
まず、フェライト系ステンレスによって構成される所定サイズの合金部材211を準備する。
次に、合金部材211の表面にRFスパッタ装置を用いてCrをスパッタリングし、その後大気雰囲気中で熱処理(例えば、850〜1050℃、1−20時間)を行う。これによって、合金部材211の表面にCrの柱状粒子を成長させて、第1導電性セラミックス膜212を形成する。
次に、第1導電性セラミックス膜212の表面に、(Mn,Co)を含むコーティング剤を複数回塗布/乾燥させる。この際、造孔剤を含むコーティング剤を複数回塗布/乾燥させた後に、造孔剤を含まないコーティング剤を複数回塗布/乾燥させる。このように造孔材の有無を調整することによって、後述する焼き付け処理において第1緻密層221と多孔質層222の二層が形成される。また、造孔材の粒径を適宜選択することによって、多孔質層222における閉気孔の平均円相当径を調整可能である。
次に、所定条件で多層のコーティング剤を焼き付ける。以下の3ステップは、コーティング剤の焼き付け条件の一例である。
・ 900〜1100℃、1〜20時間、大気雰囲気での焼成処理
・ 900〜1100℃、1〜20時間、1〜10%加湿還元雰囲気での還元処理
・ 900〜1100℃、1〜10時間、大気雰囲気での再酸化処理
<作用及び効果>
(1)本実施形態に係る第2導電性セラミックス膜220は、外表面220Sを形成する第1緻密層221と、第1緻密層221の内側に形成される多孔質層222と、を有する。多孔質層222は、複数の閉気孔222Aを含む。
従って、燃料電池100の運転時の温度昇降によって基材210が伸縮した場合に、第2導電性セラミックス膜220の内部に発生する応力を多孔質層222によって緩和することができる。これによって、第2導電性セラミックス膜220と基材の界面に剥離が発生することを抑制できる。
また、第2導電性セラミックス膜220内の発生応力が過度に大きい場合には、多孔質層222内の閉気孔222Aを基点とするクラック(特に、膜厚方向に垂直な方向に延びるクラック)を優先的に形成することができる。これによって、第1緻密層221にクラックが発生することを抑制することができるため、バリア膜としての第2導電性セラミックス膜220の機能を維持することができる。
(2)本実施形態に係る集電部材20は、第2導電性セラミックス膜220と第1導電性セラミックス膜212との間に形成される複数のカーケンダルボイド230を備える。
従って、基材210が伸縮した場合に、第2導電性セラミックス膜220と基材210との間に発生する応力をカーケンダルボイド230によって緩和することができる。そのため、基材210と第2導電性セラミックス膜220の間にクラックが発生することや、基材210から第2導電性セラミックス膜220が剥離することを抑制することができる。
(3)本実施形態に係る第2導電性セラミックス膜220は、多孔質層222の内側に形成される第2緻密層223を有する。
従って、第1緻密層221と第2緻密層223によって多孔質層222が挟み込まれるため、第2導電性セラミックス膜220の全体としての強度を向上させることができる。
<その他の実施形態>
(A)上記実施形態において、第2導電性セラミックス膜220は、第2緻密層223を有することとしたが、第2緻密層223を有していなくてもよい。この場合、基材210と第2導電性セラミックス膜220の界面Pは、多孔質層222と第1導電性セラミックス膜212の間に形成される。従って、複数のカーケンダルボイド230は、多孔質層222と第1導電性セラミックス膜212の間に配置されることとなる。
(B)上記実施形態では特に触れていないが、燃料電池100の基本構造としては、燃料極支持型、平板形、円筒形、縦縞型、横縞型、片端保持型、両端保持型などの構造を採用しうる。
(C)上記実施形態では、集電部材の一例として、空気極13に接続される集電部材20の構成について説明したが、これに限られるものではない。本発明に係る集電部材は、2つの燃料電池セルに挟まれるセパレータであってもよい。この場合、セパレータは、一方の燃料電池セルの空気極と、他方の燃料電池セルの燃料極と、に接続される。本発明によれば、このようなセパレータの耐久性を向上させることもできる。
(D)上記実施形態では、発電部10は、燃料極11と固体電解質層12と空気極13とによって構成されることとしたが、これに限られるものではない。例えば、発電部10は、固体電解質層12と空気極13との間におけるカチオン拡散を抑制するためのバリア層を備えていてもよい。
(E)上記実施形態では、合金部材211は、板状部材であることとしたが、これに限られるものではない。合金部材211は、例えば網状部材などであってもよい。
(F)上記実施形態では、RFスパッタ装置を用いてCrをスパッタリングすることでCrの柱状粒子を形成することとしたが、これに限られるものではない。このようなCrの柱状粒子は、合金部材211の表面に高温熱処理を施すことによる酸化処理によっても形成することができる。
(サンプルNo.1〜No.32の作製)
以下のようにして、サンプルNo.1〜32に係る集電部材と燃料電池セルを作製した。
まず、FeとCrを主成分として含有するフェライト系ステンレス板を準備した。
次に、ステンレス板の表面にRFマグネトロンスパッタ装置(日電アネルバ製、SPF−210H)によって金属Crターゲット(純度:99.9%以上)を用いた反応性スパッタリング(反応ガス:Ar+Oの混合ガス(O/Ar比:0.2〜0.6)、スパッタ圧力:2〜10×10−3Torr、基板温度:常温〜200℃)により成膜し、その後に熱処理(温度:600〜700℃、処理時間:1〜5hr)を行った。これにより、ステンレス板の表面に柱状のCr粒子によって構成されるCr膜を形成した。
次に、3μm以上の粗大粒子を気流式分級機にて除去した平均粒径0.8μmの(Mn,Co)粉末を準備した。
次に、溶媒としてのテルピネオール、セルロース系バインダ、分散剤及び造孔剤を(Mn,Co)粉末に添加して多孔質層用スラリーを作製した。また、テルピネオール、セルロース系バインダ及び分散剤を(Mn,Co)粉末に添加して緻密層用スラリーを作製した。
次に、Cr膜の表面に、多孔質層用スラリー及び/又は緻密層用スラリーを複数回塗布/乾燥させた。塗布はスラリーディッピング法(浸漬時間10〜300sec、昇降速度0.1〜10mm/sec)により実施し、乾燥は温風乾燥(120℃、30min)により実施した。温風乾燥機を使うことで成膜表面を積極的に乾燥させ、膜内部に溶媒分を残留させることで、焼成後の膜内部に気孔を残存させることが容易となる。
なお、表1に示すように、水準1では、緻密層のみで第2導電性セラミックス膜を構成するために、緻密層用スラリーのみを複数回塗布/乾燥させた。また、水準2では、多孔質層のみで第2導電性セラミックス膜を構成するために、多孔質層用スラリーのみを複数回塗布/乾燥させた。また、水準3〜10では、多孔質層上に緻密層を形成するために、多孔質層用スラリーを複数回塗布/乾燥させた後に、緻密層用スラリーを複数回塗布/乾燥させた。また、表1乃至表3に示すように、水準11〜32では、第1緻密層と第2緻密層の間に多孔質層を形成するために、緻密層用スラリーと多孔質層用スラリーを順番に複数回塗布/乾燥させた後に、再度、緻密層用スラリーを複数回塗布/乾燥させた。
次に、塗布/乾燥させたスラリーに焼き付け処理を行うことによって第2導電性セラミックス膜を形成した。具体的に、焼き付け処理には、脱脂処理(600℃/2hr)、大気雰囲気での焼成処理(最高温度1000℃/2hr)、水素雰囲気での還元熱処理(最高温度1000℃/10hr、4%加湿)、及び大気雰囲気での再酸化処理(最高温度1000℃/5hr)が含まれる。以上により、サンプルNo.1〜No.32に係る集電部材が完成した。
次に、サンプルNo.1〜No.32に係る集電部材を、別途作製した発電部の空気極に導電性接着剤を介して接続した。以上により、サンプルNo.1〜No.32に係る燃料電池セルが完成した。
(熱サイクル試験)
サンプルNo.1〜32に係る燃料電池セルについて、燃料極側に窒素ガス、空気極側に空気を供給しながら750℃まで昇温し、750℃に達した時点で燃料極に水素ガスを供給しながら還元処理を3時間行った。続いて、各サンプルを常温から750℃まで200℃/hrで昇温させた後に750℃から常温まで100℃/hrで降温させるサイクルを10回繰り返した。
(EBSD測定)
次に、サンプルNo.1〜No.32の断面の5個所をEBSD装置(TSL製 OIM)で測定することによって5枚のEBSD像を得た。EBSD像では、15度以上の結晶方位差が観測されたラインを粒界とみなして粒子を描画した。サンプルNo.11〜No.32に係るEBSD像の一例を図5に示す。
そして、サンプルNo.1〜No.17のEBSD像を観察することによって、表1に示すように、第2導電性セラミックス膜とCr層の界面における剥離の有無を確認した。また、サンプルNo.1〜No.17のEBSD像を解析することによって、表1に示すように、第2導電性セラミックス膜のうち多孔質層における閉気孔率と、閉気孔の平均円相当径とを算出した。なお、閉気孔率として、多孔質層断面の単位面積当たりにおける閉気孔の占有面積を算出した。また、閉気孔の平均円相当径として、各閉気孔の断面積を有する円の直径の平均値を算出した。
また、サンプルNo.18〜No.25の外観を観察することによって、表2に示すように、集電部材の角部(すなわち、集電部材の外周)において第2導電性セラミックス膜がCr層から剥離しているか否かを確認した。また、サンプルNo.18〜No.25のEBSD像を解析することによって、表2に示すように、第2導電性セラミックス膜を構成するセラミックス粒子の平均円相当径と、Cr層おけるCr粒子の平均円相当径と、を算出した。
また、サンプルNo.26〜No.32の燃料電池セルの断面像を観察することによって、表3に示すように、集電部材のうち空気極に接合される部分においてクラックが発生しているか否かを確認した。また、サンプルNo.26〜No.32のEBSD像を解析することによって、第2導電性セラミックス膜のうち第1緻密層を構成するセラミックス粒子の平均円相当径と、第2導電性セラミックス膜のうち多孔質層を構成するセラミックス粒子の平均円相当径と、を算出した。
表1に示すように、サンプルNo.3〜No.17に係る集電部材では、第2導電性セラミックス膜とCr層の界面における剥離を抑制できることが確認された。これは、燃料電池セルの運転時の温度昇降による基材の伸縮で発生する応力を多孔質層によって緩和できたためである。従って、第2導電性セラミックス膜が多孔質層と緻密層の積層構造を有する方が好ましいことがわかった。
また、サンプルNo.4〜No.9及びNo.12〜No.16に係る集電部材では、5枚のEBSD像のいずれにおいても剥離は確認されなかった。従って、多孔質層の閉気孔率は10%以上60%以下が好ましく、また、閉気孔の平均円相当径は0.3μm以上3.5μm以下が好ましいことがわかった。
表2に示すように、サンプルNo.19〜No.24に係る燃料電池セルでは、集電部材の角部において剥離は確認されなかった。従って、第2導電性セラミックス膜を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、Cr層を構成するCr粒子の平均円相当径よりも大きい方が好ましいことがわかった。具体的に、第2導電性セラミックス膜を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は0.5μm以上2.5μm以下が好ましく、また、Cr層を構成するCr粒子の平均円相当径は0.15μm以上0.8μm以下が好ましいことがわかった。
表3に示すように、サンプルNo.27〜No.31に係る燃料電池セルでは、集電部材のうち空気極に接合された部分におけるクラックは確認されなかった。従って、第1緻密層を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、多孔質層を構成するセラミックス粒子の平均円相当径よりも大きい方が好ましいことがわかった。具体的に、第1緻密層を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は0.8μm以上3.5μm以下が好ましく、また、多孔質層を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は0.5μm以上2.0μm以下が好ましいことがわかった。
100 固体酸化物型燃料電池
10 発電部
11 燃料極
12 固体電解質層
13 空気極
20 集電部材
210 基材
211 合金部材
212 第1導電性セラミックス膜
220 第2導電性セラミックス膜
221 第1緻密層
222 多孔質層
223 第2緻密層

Claims (10)

  1. Fe及びCrを主成分として含む合金部材と、前記合金部材上に形成され、Crを主成分として含む第1導電性セラミックス膜と、を有する基材と、
    前記第1導電性セラミックス膜上に形成され、Mn及びCoを含む導電性酸化物セラミックス材料によって構成される第2導電性セラミックス膜と、
    を備え、
    前記第2導電性セラミックス膜は、外表面を形成する第1緻密層と、前記第1緻密層の内側に配置され、複数の閉気孔を含む多孔質層と、を有する、
    集電部材。
  2. 前記多孔質層の閉気孔率は、10%以上60%以下である、
    請求項1に記載の集電部材。
  3. 前記複数の閉気孔の平均円相当径は、0.3μm以上3.5μm以下である、
    請求項1又は2に記載の集電部材。
  4. 前記第2導電性セラミックス膜は、前記多孔質層の内側に配置される第2緻密層を有する、
    請求項1乃至3のいずれかに記載の集電部材。
  5. 電子線後方散乱回折法によって15度以上の結晶方位差が観測されたラインを粒界とした場合、前記第2導電性セラミックス膜を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、前記第1導電性セラミックス膜を構成するCrの平均円相当径よりも大きい、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の集電部材。
  6. 前記第2導電性セラミックス膜を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、0.5μm以上2.5μm以下であり、
    前記第1導電性セラミックス膜を構成するCrの平均円相当径は、0.15μm以上0.8μm以下である、
    請求項5に記載の集電部材。
  7. 電子線後方散乱回折法によって15度以上の結晶方位差が観測されたラインを粒界とした場合、前記第1緻密層を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、前記多孔質層を構成するセラミックス粒子の平均円相当径よりも大きい、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の集電部材。
  8. 前記第1緻密層を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、0.8μm以上3.5μm以下であり、
    前記多孔質層を構成するセラミックス粒子の平均円相当径は、0.5μm以上2.0μm以下である、
    請求項7に記載の集電部材。
  9. 前記第2導電性セラミックス膜を構成する導電性酸化物セラミックス材料は、(Mn,Co)である、
    請求項1乃至8のいずれかに記載の集電部材。
  10. 請求項1に記載の集電部材と、
    燃料極と空気極と固体電解質層とをそれぞれ有する第1及び第2発電部と、
    を備え、
    前記集電部材は、前記第1発電部の前記空気極と前記第2発電部の前記燃料極とに電気的に接続されている、
    燃料電池。
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