JP2014078401A - 管状ヒータおよび加熱モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】実施形態に係る管状ヒータは、管状のバルブと;前記バルブの内部に設けられたコイルと;前記バルブの両端側にそれぞれ設けられた封止部と;を具備している。そして、前記バルブの内部には、不活性ガスと、窒素ガスと、臭素と、を含むガスが封入されている。
また、定格電力をWa(w;ワット)、前記封止部間に形成された気密部における中心軸の距離をL(cm;センチメートル)とした場合に、以下の式を満足する。
Wa≧2000
L≦45
また、前記封入されたガスに対する前記窒素ガスの体積濃度をX(vol%)、臭素の添加量をY(mg/cm3)とした場合に以下の式を満足する。
Y≧−0.0311X+0.028
【選択図】図2
Description
しかしながら、タングステンコイルにレニウムを添加すると、管状ヒータ内で気中放電が発生しやすくなる。
また、管状ヒータは、放出される熱量を増加させるため、管状ヒータに供給される電力が大きくなりつつある。管状ヒータに供給される電力が大きくなると、管状ヒータに供給される電力が小さい時に比べて管状ヒータ内で気中放電が発生しやすくなる。特に、タングステンコイルの全長が短い管状ヒータでは、供給される電力が同じであっても、タングステンコイルの全長が長い管状ヒータに比べて、更に管状ヒータ内で気中放電が発生しやすくなる。
Wa≧2000
L≦45
また、前記封入されたガスに対する前記窒素ガスの体積濃度をX(vol%)、臭素の添加量をY(mg/cm3)とした場合に以下の式を満足する。
Y≧−0.0311X+0.028
また、定格電力をWa(w;ワット)、前記封止部間に形成された気密部における中心軸の距離をL(cm;センチメートル)とした場合に以下の式を満足する管状ヒータである。
Wa≧2000
L≦45
また、前記封入されるガスに対する前記窒素ガスの体積濃度をX(vol%)、臭素の添加量をY(mg/cm3)とした場合に以下の式を満足する。
Y≧−0.0311X+0.028
この管状ヒータによれば、気中放電の発生を抑制することができる。その結果、管状ヒータの破損を無くし、寿命を伸ばすことができる。
この管状ヒータによれば、気中放電とコイルの損傷とバルブの内部が黒化することを抑制することができる。
この管状ヒータによれば、気中放電とコイル3の損傷とを抑制することができる。
この管状ヒータによれば、気中放電とコイル3の損傷とを抑制することができ、かつ、バルブの内部が黒化することを抑制することができる。
この管状ヒータによれば、仮に気中放電が発生した場合には、比較的短時間のうちにインナーリードを断線させることができるので、管状ヒータが破損するのを抑制することができる。
また、以下に例示をする管状ヒータは、ペットボトルの成型などにおいて、被照射体に対する加熱などに用いることができる。ただし、管状ヒータの用途はこれに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る管状ヒータ1を例示するための模式図である。
図1(a)は管状ヒータ1の模式図、図1(b)は図1(a)におけるA部拡大図である。
図1(a)、(b)に示すように、管状ヒータ1には、バルブ2、コイル3、アンカー4、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、封止部8、チップ9が設けられている。
バルブ2は、両端側が同じ方向に向けて湾曲している。例えば、バルブ2は、略コの字状を呈したものとすることができる。
バルブ2は、例えば、石英ガラスなどから形成されている。ただし、バルブ2の材料は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、バルブ2の内部には不活性ガス(図示しない)と、窒素ガス(N2)(図示しない)と、臭素と、を含むガス(図示しない)が封入されている。
この場合、不活性ガスとしては、例えば、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む混合ガスとすることができる。
また、臭素は、例えば二臭化メタンのガスとして封入することができる。
なお、バルブ2の内部に封入されるガスに関する詳細は後述する。
なお、コイル3の数、直径寸法、長さ、配置などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
なお、アンカー4の形態、大きさ、材料、数、配置などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
ここで、コイル3を箔部6に電気的に接続することもできる。しかしながら、箔部6は管状ヒータ1の端部に設けられるため、箔部6に接続されるコイル3の温度が低下し、封入ガスに含まれるハロゲン(臭素)によりエッチングされるおそれがある。
この場合、インナーリード5の直径寸法Dを大きくしすぎると、気中放電が発生した場合に放電持続時間が長くなり管状ヒータ1が破損する確率が高くなる。
すなわち、インナーリード5の直径寸法Dは、コイル3の線材の直径寸法よりも大きく、0.45mm以下とすることが好ましい。
なお、箔部6の材料、大きさ、形状などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
ピンチシール法による封止部の形成は、例えば、以下のようにして行うことができる。
まず、アウターリード7、箔部6、インナーリード5、コイル3、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、がこの順に直列接続され、所定の位置にアンカー4が設けられたものを作成する。
次に、これをバルブ2の内部に挿入し、バルブ2の両端の開口を図示しない栓で塞ぐ。この際、バルブ2の内部に不活性ガスを封入する。次に、バルブ2の封止部8となる部分をバーナーなどを用いて加熱する。バルブ2の封止部8となる部分は、加熱されることにより軟化し、図示しないピンチャーによってバルブ2の封止部8となる部分が押しつぶされ、箔部6が埋め込まれた封止部8が形成される。
なお、封止部8の形成方法は、ピンチシール法に限らず、例えば、シュリンクシール法(減圧封止法)と呼ばれる封止方法を用いて形成することもできる。
シュリンクシール法による封止部8の形成は、例えば、以下のようにして行うことができる。
まず、アウターリード7、箔部6、インナーリード5、コイル3、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、がこの順に直列接続され、所定の位置にアンカー4が設けられたものを作成する。
次に、バルブ2の封止部8となる部分をバーナーなどを用いて加熱する。バルブ2の封止部8となる部分は、加熱されることにより軟化し、負圧によってバルブ2の封止部8となる部分が押しつぶされ、箔部6が埋め込まれた封止部8が形成される。
チップ9は、バルブ2の略中央に設けられている。チップ9は、気密に封止されたバルブ2の内部に、不活性ガスや窒素ガスや臭素を封入するために設けられたガラス管(図示しない)を、不活性ガスや窒素ガスや臭素を封入した後に加熱して焼ききった残留分である。チップ9は、例えば、バルブ2と同じように、石英ガラスなどから形成されている。ただし、チップ9の材料は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
ここで、管状ヒータにおいては、電圧を印加した瞬間に大電流、いわゆる突入電流が発生する。この突入電流を低減するため、タングステンとレニウムを含む線材を巻き回して形成されたコイルを用いるとバルブ内で気中放電が発生しやすくなる。
すなわち、タングステンにレニウムを添加すると、電子放射性が増し、また、管状ヒータの点灯直後にコイルの抵抗値が増す。そのため、管状ヒータ内で気中放電が発生しやすくなる。
そして、気中放電が発生すると、管状ヒータが破損するおそれがある。
前述したように、バルブ2の内部に封入されるガスは、不活性ガスと、窒素ガスと、臭素とを含むものとされている。不活性ガスとしては、例えば、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む混合ガスとすることができる。
ここで、不活性ガスに窒素ガスを添加すれば、不活性ガスのみの場合と比べて気中放電を抑制することができる。
気中放電が抑制される理由は必ずしも明らかではないが、例えば、以下のことが考えられる。
つまり、不活性ガスに窒素ガスを添加すると、絶縁破壊電圧を高くすることができるので、気中放電の発生を抑制することができる。
また、後述する表1に示すように、不活性ガスに臭素を添加すれば、不活性ガスのみの場合と比べて気中放電を抑制することができる。
表1は、不活性ガスに窒素ガスと臭素を添加した場合における気中放電の発生を例示するものである。
なお、表1におけるXは気密部2aに封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度(vol%)であり、Yは臭素の添加量(mg/cm3)である。
また、この試験で用いられる管状ヒータの仕様は以下のとおりである。
管状ヒータに投入される電力Waは、3500w(ワット)とした。
中心軸の距離Lは、28cm(センチメートル)とした。
気密部2aに封入されるガスは、アルゴンに窒素ガスを添加したガスとした。
ガス圧は、1.5atm(アトム)とした。
耐圧試験における点灯条件は、3分間点灯(ON)、7分間消灯(OFF)を5セットとした。
耐圧試験における電圧は、ピーク値が672v(ボルト)、実効値が480v(ボルト)とした。
また、表1中の「○」は気中放電が発生しなかった場合、「×」は気中放電が発生した場合である。なお、気中放電が発生したか否かの判定は目視によるものとした。
なお、横軸のXは気密部2aに封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度(vol%)であり、縦軸のYは臭素の添加量(mg/cm3)である。
この場合、臭素の添加量は、以下のとおり定義する。すなわち、封入した二臭化メタンガスの封入量(cm3)を元に、気体の状態方程式で常温(27℃)の場合の物質量(mol)を求める。管状ヒータ内での臭素原子は、例えば、管状ヒータ内の水素原子と反応して臭化水素に変化したり、コイルの成分であるタングステンと反応して臭化タングステンに変化したり、臭素原子同士が反応して臭素ガスになるため、その挙動を一意的に決定することは困難である。そのため、ここでは封入した二臭化メタン一分子当たりから臭素原子が2個生成すると仮定して、二臭化メタンの物質量を二倍することにより、臭素原子の添加量(mg)を求め、管状ヒータの容積で除した(mg/cm3)ものを臭素の添加量とした。
また、図2中の「◆」は気中放電が発生しなかった場合、「■」は気中放電が発生した場合である。なお、気中放電が発生したか否かの判定は目視によるものとした。
この場合、Y≧−0.0311X+0.028となるようにすれば、気中放電の発生を抑制することができる。
また、窒素ガスの添加量を多くしすぎると、窒化タングステンが生成され、コイル3が損傷するという現象が生じる。その結果、バルブ2の内部が黒化したり、コイル3自体が断線する。バルブ2の内部が黒化すると、管状ヒータ1の発光性能が低下するので、管状ヒータ1の品質が低下することになる。また、コイル3自体が断線すると、管状ヒータ1内で気中放電が発生し、管状ヒータ1が破損するおそれがある。
この場合、臭素の添加量を余り少なくすると、タングステンが蒸発して黒化が生じるおそれがある。そのため、臭素の添加量Yは、0.006mg/cm3以上とすることが好ましい。
なお、コイル3は、例えば、少なくとも1つ設けられていればよい。また、コイル3が複数の場合には、コイル3とコイル3の間に接続部3aを設けることができる。この場合、接続部3aは、コイル3の線材と同じものとすることができる。
図3は、第2の実施形態に係る管状ヒータ1aを例示するための模式図である。
図3に示すように、管状ヒータ1aには、バルブ12、コイル3、アンカー4、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、封止部8が設けられている。
バルブ12は、真っ直ぐな管状体(直管)とすることができる。
バルブ12は、例えば、石英ガラスなどから形成されている。ただし、バルブ12の材料は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、バルブ12の内部には不活性ガスと、窒素ガスと、臭素とを含むガスが封入されている。
この場合、不活性ガスとしては、例えば、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む混合ガスとすることができる。
なお、封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度と、臭素の添加量は、前述したものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態に係る管状ヒータ1bを例示するための模式図である。
図4に示すように、管状ヒータ1bには、バルブ22、コイル3、アンカー4、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、封止部8が設けられている。
バルブ22は、例えば、石英ガラスなどから形成されている。ただし、バルブ22の材料は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、バルブ22の内部には不活性ガスと、窒素ガスと、臭素とを含むガスが封入されている。
この場合、不活性ガスとしては、例えば、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む混合ガスとすることができる。
なお、封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度と、臭素の添加量は、前述したものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
(第4の実施形態)
図5は、第4の実施形態に係る管状ヒータ1cを例示するための模式図である。
図5に示すように、管状ヒータ1cには、バルブ32、コイル3、アンカー4、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、封止部8が設けられている。
バルブ32は、例えば、石英ガラスなどから形成されている。ただし、バルブ32の材料は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、バルブ32の内部には不活性ガスと、窒素ガスと、臭素とを含むガスが封入されている。
この場合、不活性ガスとしては、例えば、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む混合ガスとすることができる。
なお、封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度と、臭素の添加量は、前述したものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
図6は、第5の実施形態に係る加熱モジュールMを例示するための模式図である。
図6に示すように、加熱モジュールMには、8灯の管状ヒータ1が設けられている。また、管状ヒータ1の両端の封止部8がモジュールM内部に収容されている。このような構成とすることで、加熱モジュールMが管状ヒータ1の長手方向に複数連結した状態となっても、モジュールの境目の部分で光量が低下することを防ぐことが可能となる。
Claims (6)
- 管状のバルブと;
前記バルブの内部に設けられたコイルと;
前記バルブの両端側にそれぞれ設けられた封止部と;
を具備し、
前記バルブの内部には、不活性ガスと、窒素ガスと、臭素と、を含むガスが封入され、
定格電力をWa(w;ワット)、前記封止部間に形成された気密部における中心軸の距離をL(cm;センチメートル)とした場合に、以下の式を満足し、
Wa≧2000
L≦45
前記封入されたガスに対する前記窒素ガスの体積濃度をX(vol%)、臭素の添加量をY(mg/cm3)とした場合に、以下の式を満足する管状ヒータ。
Y≧−0.0311X+0.028 - 前記封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度Xは、30vol%以下である請求項1記載の管状ヒータ。
- 前記臭素の添加量Yは、0.05mg/cm3以下である請求項1または2に記載の管状ヒータ。
- 前記臭素の添加量Yは、0.006mg/cm3以上である請求項1〜3のいずれか1つに記載の管状ヒータ。
- 前記封止部の内部に設けられた箔部と;
一端が前記コイルと電気的に接続され、他端が前記箔部と電気的に接続されたインナーリードと;
をさらに具備し、
前記インナーリードの直径寸法は、0.45mm以下である請求項1〜4のいずれか1つに記載の管状ヒータ。 - 請求項1〜5のいずれか1つに記載の管状ヒータを複数具備した加熱モジュール。
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