JP2014078401A - 管状ヒータおよび加熱モジュール - Google Patents

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義貴 藤田
Hironori Okamoto
大徳 岡本
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達也 矢野
Tomoyuki Masaoka
智之 正岡
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Abstract

【課題】気中放電の発生を抑制することができる管状ヒータを提供することである。
【解決手段】実施形態に係る管状ヒータは、管状のバルブと;前記バルブの内部に設けられたコイルと;前記バルブの両端側にそれぞれ設けられた封止部と;を具備している。そして、前記バルブの内部には、不活性ガスと、窒素ガスと、臭素と、を含むガスが封入されている。
また、定格電力をWa(w;ワット)、前記封止部間に形成された気密部における中心軸の距離をL(cm;センチメートル)とした場合に、以下の式を満足する。
Wa≧2000
L≦45
また、前記封入されたガスに対する前記窒素ガスの体積濃度をX(vol%)、臭素の添加量をY(mg/cm)とした場合に以下の式を満足する。
Y≧−0.0311X+0.028
【選択図】図2

Description

後述する実施形態は、概ね、管状ヒータおよび加熱モジュールに関する。
石英ガラス管の内部にタングステンコイルを設け、気密に封止した管状ヒータが知られている。管状ヒータにおいては、電圧を印加した瞬間に大電流、いわゆる突入電流が発生する。この突入電流を低減するために、タングステンコイルにレニウムを添加する技術が提案されている。タングステンコイルにレニウムを添加すれば、点灯時(電圧印加時)と、消灯時(電圧印加停止時)とにおける抵抗差を低減し、突入電流を低減することが可能となる。
しかしながら、タングステンコイルにレニウムを添加すると、管状ヒータ内で気中放電が発生しやすくなる。
また、管状ヒータは、放出される熱量を増加させるため、管状ヒータに供給される電力が大きくなりつつある。管状ヒータに供給される電力が大きくなると、管状ヒータに供給される電力が小さい時に比べて管状ヒータ内で気中放電が発生しやすくなる。特に、タングステンコイルの全長が短い管状ヒータでは、供給される電力が同じであっても、タングステンコイルの全長が長い管状ヒータに比べて、更に管状ヒータ内で気中放電が発生しやすくなる。
特開2005−032552号公報
本発明が解決しようとする課題は、気中放電の発生を抑制することができる管状ヒータおよび加熱モジュールを提供することである。
実施形態に係る管状ヒータは、管状のバルブと;前記バルブの内部に設けられたコイルと;前記バルブの両端側にそれぞれ設けられた封止部と;を具備している。そして、前記バルブの内部には、不活性ガスと、窒素ガスと、臭素と、を含むガスが封入されている。 また、定格電力をWa(w;ワット)、前記封止部間に形成された気密部における中心軸の距離をL(cm;センチメートル)とした場合に、以下の式を満足する。

Wa≧2000
L≦45

また、前記封入されたガスに対する前記窒素ガスの体積濃度をX(vol%)、臭素の添加量をY(mg/cm)とした場合に以下の式を満足する。

Y≧−0.0311X+0.028
本発明の実施形態によれば、気中放電の発生を抑制することができる管状ヒータおよび加熱モジュールを提供することができる。
第1の実施形態に係る管状ヒータ1を例示するための模式図である。(a)は管状ヒータ1の模式図、(b)は(a)におけるA部拡大図である。 不活性ガスに窒素ガスと臭素を添加した場合における気中放電の発生を例示するグラフ図である。 第2の実施形態に係る管状ヒータ1aを例示するための模式図である。 第3の実施形態に係る管状ヒータ1bを例示するための模式図である。 第4の実施形態に係る管状ヒータ1cを例示するための模式図である。 第5の実施形態に係る加熱モジュールMを例示するための模式図である。
第1の発明は、管状のバルブと;前記バルブの内部に設けられたコイルと;前記バルブの両端側にそれぞれ設けられた封止部と;を具備している管状ヒータである。そして、前記バルブの内部には、不活性ガスと、窒素ガスと、臭素とを含むガスが封入されている。
また、定格電力をWa(w;ワット)、前記封止部間に形成された気密部における中心軸の距離をL(cm;センチメートル)とした場合に以下の式を満足する管状ヒータである。

Wa≧2000
L≦45

また、前記封入されるガスに対する前記窒素ガスの体積濃度をX(vol%)、臭素の添加量をY(mg/cm)とした場合に以下の式を満足する。

Y≧−0.0311X+0.028

この管状ヒータによれば、気中放電の発生を抑制することができる。その結果、管状ヒータの破損を無くし、寿命を伸ばすことができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度Xは、30vol%以下である管状ヒータである。
この管状ヒータによれば、気中放電とコイルの損傷とバルブの内部が黒化することを抑制することができる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記臭素の添加量Yは、0.05mg/cm以下である管状ヒータである。
この管状ヒータによれば、気中放電とコイル3の損傷とを抑制することができる。
第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記臭素の添加量Yは、0.006mg/cm以上である管状ヒータである。
この管状ヒータによれば、気中放電とコイル3の損傷とを抑制することができ、かつ、バルブの内部が黒化することを抑制することができる。
第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記封止部の内部に設けられた箔部と;一端が前記コイルと電気的に接続され、他端が前記箔部と電気的に接続されたインナーリードと;をさらに具備した管状ヒータである。そして、前記インナーリードの直径寸法は、0.45mm以下とされている。
この管状ヒータによれば、仮に気中放電が発生した場合には、比較的短時間のうちにインナーリードを断線させることができるので、管状ヒータが破損するのを抑制することができる。
第6の発明は、第1〜第5のいずれか1つの管状ヒータを複数具備した加熱モジュールである。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、以下に例示をする管状ヒータは、ペットボトルの成型などにおいて、被照射体に対する加熱などに用いることができる。ただし、管状ヒータの用途はこれに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る管状ヒータ1を例示するための模式図である。
図1(a)は管状ヒータ1の模式図、図1(b)は図1(a)におけるA部拡大図である。
図1(a)、(b)に示すように、管状ヒータ1には、バルブ2、コイル3、アンカー4、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、封止部8、チップ9が設けられている。
バルブ2は、両端側が同じ方向に向けて湾曲している。例えば、バルブ2は、略コの字状を呈したものとすることができる。
バルブ2は、例えば、石英ガラスなどから形成されている。ただし、バルブ2の材料は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
バルブ2は、中空の管状体からなり、コイル3、アンカー4、インナーリード5を内部に収納することができるようになっている。
また、バルブ2の内部には不活性ガス(図示しない)と、窒素ガス(N)(図示しない)と、臭素と、を含むガス(図示しない)が封入されている。
この場合、不活性ガスとしては、例えば、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む混合ガスとすることができる。
また、臭素は、例えば二臭化メタンのガスとして封入することができる。
なお、バルブ2の内部に封入されるガスに関する詳細は後述する。
コイル3は、例えば、タングステンなどからなる線材を巻き回して形成されたものとすることができる。図1(a)に例示をしたものにおいては、コイル3は、バルブ2の内部に一体的に設けられている。なお、コイル3は、例えば、少なくとも1つ設けられていればよい。
なお、コイル3の数、直径寸法、長さ、配置などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
アンカー4は、コイル3を支持する。この場合、アンカー4は、バルブ2の内部の略中央にコイル3を支持するものとすることができる。アンカー4は、コイル3に略等間隔で設けるようにすることができる。また、例えば、アンカー4は、図1(b)に示すように、耐熱性を有する線材を巻回して形成されたものとすることができる。アンカー4は、例えば、タングステンなどからなる線材を巻き回して形成されたものとすることができる。
なお、アンカー4の形態、大きさ、材料、数、配置などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
インナーリード5は、導電性を有する線材から形成されている。インナーリード5は、例えば、コイル3と同じ材料から形成することができる。インナーリード5は、例えば、タングステンなどから形成することができる。
インナーリード5は、バルブ2の両端側にそれぞれ設けられている。インナーリード5の一方の端部は、コイル3と電気的に接続されている。インナーリード5の他方の端部は、箔部6と電気的に接続されている。
ここで、コイル3を箔部6に電気的に接続することもできる。しかしながら、箔部6は管状ヒータ1の端部に設けられるため、箔部6に接続されるコイル3の温度が低下し、封入ガスに含まれるハロゲン(臭素)によりエッチングされるおそれがある。
そのため、コイル3の線材の直径寸法よりも大きな直径寸法Dを有するインナーリード5を設け、エッチングによる断線を抑制するようにしている。
この場合、インナーリード5の直径寸法Dを大きくしすぎると、気中放電が発生した場合に放電持続時間が長くなり管状ヒータ1が破損する確率が高くなる。
本発明者らの得た知見によれば、インナーリード5の直径寸法Dを0.45mm以下とすれば、仮に気中放電が発生した場合には、比較的短時間のうちにインナーリード5を断線させることができるので、管状ヒータ1が破損するのを抑制することができる。
すなわち、インナーリード5の直径寸法Dは、コイル3の線材の直径寸法よりも大きく、0.45mm以下とすることが好ましい。
箔部6は、導電性を有する材料から形成されている。箔部6は、バルブ2の両端側にそれぞれ設けられた封止部8の内部に設けられている。また、箔部6の熱膨張係数は、封止部8(バルブ2)の熱膨張係数と近似したものとなっている。例えば、封止部8が石英ガラスから形成される場合には、箔部6はモリブデン(Mo)から形成されるものとすることができる。箔部6は、例えば、矩形状を呈するものとすることができる。
なお、箔部6の材料、大きさ、形状などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
アウターリード7は、導電性を有する線材から形成されている。図1(a)、(b)に示すように、アウターリード7の箔部6側は封止部8の内部に埋め込まれている。そのため、アウターリード7の熱膨張係数は、封止部8(バルブ2)の熱膨張係数と近似したものとなっている。例えば、封止部8が石英ガラスから形成される場合には、アウターリード7箔部6はモリブデン(Mo)から形成されるものとすることができる。
アウターリード7は、バルブ2の両端側にそれぞれ設けられている。アウターリード7の一方の端部は、箔部6と電気的に接続されている。アウターリード7の他方の端部は、封止部8を貫通し、外部に向けて伸びている。アウターリード7と封止部8との間は密着しており、気密状態が保たれるようになっている。
封止部8は、バルブ2の両端側にそれぞれ設けられている。封止部8は、例えば、ピンチシール法と呼ばれる封止方法を用いて形成することができる。
ピンチシール法による封止部の形成は、例えば、以下のようにして行うことができる。
まず、アウターリード7、箔部6、インナーリード5、コイル3、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、がこの順に直列接続され、所定の位置にアンカー4が設けられたものを作成する。
次に、これをバルブ2の内部に挿入し、バルブ2の両端の開口を図示しない栓で塞ぐ。この際、バルブ2の内部に不活性ガスを封入する。次に、バルブ2の封止部8となる部分をバーナーなどを用いて加熱する。バルブ2の封止部8となる部分は、加熱されることにより軟化し、図示しないピンチャーによってバルブ2の封止部8となる部分が押しつぶされ、箔部6が埋め込まれた封止部8が形成される。
なお、封止部8の形成方法は、ピンチシール法に限らず、例えば、シュリンクシール法(減圧封止法)と呼ばれる封止方法を用いて形成することもできる。
シュリンクシール法による封止部8の形成は、例えば、以下のようにして行うことができる。
まず、アウターリード7、箔部6、インナーリード5、コイル3、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、がこの順に直列接続され、所定の位置にアンカー4が設けられたものを作成する。
次に、これをバルブ2の内部に挿入し、バルブ2の両端の開口を図示しない栓で塞ぐ。この際、バルブ2の内部に不活性ガスを封入するとともに、バルブ2の内部を減圧する。
次に、バルブ2の封止部8となる部分をバーナーなどを用いて加熱する。バルブ2の封止部8となる部分は、加熱されることにより軟化し、負圧によってバルブ2の封止部8となる部分が押しつぶされ、箔部6が埋め込まれた封止部8が形成される。
シュリンクシール法によれば、ピンチシール法のように肉厚が偏ることがない。そのため、封止部8の強度を向上させることができる。
チップ9は、バルブ2の略中央に設けられている。チップ9は、気密に封止されたバルブ2の内部に、不活性ガスや窒素ガスや臭素を封入するために設けられたガラス管(図示しない)を、不活性ガスや窒素ガスや臭素を封入した後に加熱して焼ききった残留分である。チップ9は、例えば、バルブ2と同じように、石英ガラスなどから形成されている。ただし、チップ9の材料は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、管状ヒータ1においては、定格電力をWa(w;ワット)とした場合、Wa≧2000となっている。そして、管状ヒータ1の封止部8間に形成された気密部2aにおける中心軸の距離をL(cm;センチメートル)とした場合、L≦45となっている。
次に、バルブ2の内部に封入されるガスについてさらに説明する。
ここで、管状ヒータにおいては、電圧を印加した瞬間に大電流、いわゆる突入電流が発生する。この突入電流を低減するため、タングステンとレニウムを含む線材を巻き回して形成されたコイルを用いるとバルブ内で気中放電が発生しやすくなる。
すなわち、タングステンにレニウムを添加すると、電子放射性が増し、また、管状ヒータの点灯直後にコイルの抵抗値が増す。そのため、管状ヒータ内で気中放電が発生しやすくなる。
また、コイルが断線すると、断線したコイル間に高電圧が印可されるため、断線したコイル間において気中放電が発生する場合がある。この場合、図1(a)に示したような高負荷で略コの字状の管状ヒータとすれば、管状ヒータを点灯した際、断線状態でないにも係わらず、点灯直後に管状ヒータの内部全域に亘って気中放電が発生しやすくなる。
そして、気中放電が発生すると、管状ヒータが破損するおそれがある。
本発明者らの得た知見によれば、バルブ2の内部に封入されるガスの適正化を図れば、気中放電の発生を抑制することができる。
前述したように、バルブ2の内部に封入されるガスは、不活性ガスと、窒素ガスと、臭素とを含むものとされている。不活性ガスとしては、例えば、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む混合ガスとすることができる。
本発明者らの得た知見によれば、封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度と、臭素の添加量とを適正化すれば、気中放電の発生を抑制することができる。
ここで、不活性ガスに窒素ガスを添加すれば、不活性ガスのみの場合と比べて気中放電を抑制することができる。
気中放電が抑制される理由は必ずしも明らかではないが、例えば、以下のことが考えられる。
窒素ガスが添加された、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む不活性ガスの絶縁破壊電圧は、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む不活性ガスのみで構成された混合ガスの絶縁破壊電圧よりも高くなる。
つまり、不活性ガスに窒素ガスを添加すると、絶縁破壊電圧を高くすることができるので、気中放電の発生を抑制することができる。
また、アルゴン、クリプトン、キセノンは、いずれも、単原子の気体である。一方、窒素ガスは二原子分子である。そのため、窒素分子の外部よりエネルギーが投入されても、窒素分子の振動や収縮、膨張によってエネルギーを吸収しやすい。
以上のことより、不活性ガスのみの場合に比べて、不活性ガスに窒素ガスを添加した場合の方が気中放電が生じにくくなると考えられる。
また、後述する表1に示すように、不活性ガスに臭素を添加すれば、不活性ガスのみの場合と比べて気中放電を抑制することができる。
Figure 2014078401

表1は、不活性ガスに窒素ガスと臭素を添加した場合における気中放電の発生を例示するものである。
なお、表1におけるXは気密部2aに封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度(vol%)であり、Yは臭素の添加量(mg/cm)である。
また、この試験で用いられる管状ヒータの仕様は以下のとおりである。
管状ヒータに投入される電力Waは、3500w(ワット)とした。
中心軸の距離Lは、28cm(センチメートル)とした。
気密部2aに封入されるガスは、アルゴンに窒素ガスを添加したガスとした。
ガス圧は、1.5atm(アトム)とした。
耐圧試験における点灯条件は、3分間点灯(ON)、7分間消灯(OFF)を5セットとした。
耐圧試験における電圧は、ピーク値が672v(ボルト)、実効値が480v(ボルト)とした。
また、表1中の「○」は気中放電が発生しなかった場合、「×」は気中放電が発生した場合である。なお、気中放電が発生したか否かの判定は目視によるものとした。
図2は、不活性ガスに窒素ガスと臭素を添加した場合における気中放電の発生を例示するグラフ図である。
なお、横軸のXは気密部2aに封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度(vol%)であり、縦軸のYは臭素の添加量(mg/cm)である。
この場合、臭素の添加量は、以下のとおり定義する。すなわち、封入した二臭化メタンガスの封入量(cm)を元に、気体の状態方程式で常温(27℃)の場合の物質量(mol)を求める。管状ヒータ内での臭素原子は、例えば、管状ヒータ内の水素原子と反応して臭化水素に変化したり、コイルの成分であるタングステンと反応して臭化タングステンに変化したり、臭素原子同士が反応して臭素ガスになるため、その挙動を一意的に決定することは困難である。そのため、ここでは封入した二臭化メタン一分子当たりから臭素原子が2個生成すると仮定して、二臭化メタンの物質量を二倍することにより、臭素原子の添加量(mg)を求め、管状ヒータの容積で除した(mg/cm)ものを臭素の添加量とした。
また、図2中の「◆」は気中放電が発生しなかった場合、「■」は気中放電が発生した場合である。なお、気中放電が発生したか否かの判定は目視によるものとした。
図2、表1から分かるように、封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度と、臭素の添加量とを適正化すれば、気中放電の発生を抑制することができる。
この場合、Y≧−0.0311X+0.028となるようにすれば、気中放電の発生を抑制することができる。
ただし、臭素の添加量を多くしすぎると、コイル3とインナーリード5の損傷が激しくなる。
また、窒素ガスの添加量を多くしすぎると、窒化タングステンが生成され、コイル3が損傷するという現象が生じる。その結果、バルブ2の内部が黒化したり、コイル3自体が断線する。バルブ2の内部が黒化すると、管状ヒータ1の発光性能が低下するので、管状ヒータ1の品質が低下することになる。また、コイル3自体が断線すると、管状ヒータ1内で気中放電が発生し、管状ヒータ1が破損するおそれがある。
本発明者らの得た知見によれば、気中放電とコイル3の損傷とを抑制するためには、気密部2aに封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度Xを30vol%以下、臭素の添加量Yを0.05mg/cm以下とすることが好ましい。
この場合、臭素の添加量を余り少なくすると、タングステンが蒸発して黒化が生じるおそれがある。そのため、臭素の添加量Yは、0.006mg/cm以上とすることが好ましい。
なお、コイル3は、例えば、少なくとも1つ設けられていればよい。また、コイル3が複数の場合には、コイル3とコイル3の間に接続部3aを設けることができる。この場合、接続部3aは、コイル3の線材と同じものとすることができる。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係る管状ヒータ1aを例示するための模式図である。
図3に示すように、管状ヒータ1aには、バルブ12、コイル3、アンカー4、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、封止部8が設けられている。
バルブ12は、真っ直ぐな管状体(直管)とすることができる。
バルブ12は、例えば、石英ガラスなどから形成されている。ただし、バルブ12の材料は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
バルブ12は、コイル3、アンカー4、インナーリード5を内部に収納することができるようになっている。
また、バルブ12の内部には不活性ガスと、窒素ガスと、臭素とを含むガスが封入されている。
この場合、不活性ガスとしては、例えば、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む混合ガスとすることができる。
なお、封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度と、臭素の添加量は、前述したものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
また、定格電力をWa(w;ワット)とした場合、Wa≧2000となっている。そして、管状ヒータ1aの封止部8間に形成された気密部12aにおける中心軸の距離をL(cm;センチメートル)とした場合、L≦45となっている。
本実施の形態に係る管状ヒータ1aにおいても、前述した管状ヒータ1と同様に気中放電の発生などを抑制することができる。
(第3の実施形態)
図4は、第3の実施形態に係る管状ヒータ1bを例示するための模式図である。
図4に示すように、管状ヒータ1bには、バルブ22、コイル3、アンカー4、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、封止部8が設けられている。
バルブ22は、屈曲した管状体とすることができる。例えば、バルブ22は、略への字状を呈したものとすることができる。
バルブ22は、例えば、石英ガラスなどから形成されている。ただし、バルブ22の材料は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
バルブ22は、コイル3、アンカー4、インナーリード5を内部に収納することができるようになっている。
また、バルブ22の内部には不活性ガスと、窒素ガスと、臭素とを含むガスが封入されている。
この場合、不活性ガスとしては、例えば、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む混合ガスとすることができる。
なお、封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度と、臭素の添加量は、前述したものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
また、定格電力をWa(w;ワット)とした場合、Wa≧2000となっている。そして、管状ヒータ1bの封止部8間に形成された気密部22aにおける中心軸の距離をL(cm;センチメートル)とした場合、L≦45となっている。
本実施の形態に係る管状ヒータ1bにおいても、前述した管状ヒータ1と同様に気中放電の発生などを抑制することができる。
(第4の実施形態)
図5は、第4の実施形態に係る管状ヒータ1cを例示するための模式図である。
図5に示すように、管状ヒータ1cには、バルブ32、コイル3、アンカー4、インナーリード5、箔部6、アウターリード7、封止部8が設けられている。
バルブ32は、湾曲した管状体とすることができる。例えば、バルブ32は、略Uの字状を呈したものとすることができる。
バルブ32は、例えば、石英ガラスなどから形成されている。ただし、バルブ32の材料は例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
バルブ32は、コイル3、アンカー4、インナーリード5を内部に収納することができるようになっている。
また、バルブ32の内部には不活性ガスと、窒素ガスと、臭素とを含むガスが封入されている。
この場合、不活性ガスとしては、例えば、クリプトン、アルゴン、キセノンなどの単体、あるいは、これらのうち少なくとも2種を含む混合ガスとすることができる。
なお、封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度と、臭素の添加量は、前述したものと同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
また、定格電力をWa(w;ワット)とした場合、Wa≧2000となっている。そして、管状ヒータ1cの封止部8間に形成された気密部32aにおける中心軸の距離をL(cm;センチメートル)とした場合、L≦45となっている。
本実施の形態に係る管状ヒータ1cにおいても、前述した管状ヒータ1と同様に気中放電の発生などを抑制することができる。
以上に例示をしたように、封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度と、臭素の添加量を前述のようにすれば、管状ヒータの外観形態に係わらず気中放電の発生などを抑制することができる。
(第5の実施の形態)
図6は、第5の実施形態に係る加熱モジュールMを例示するための模式図である。
図6に示すように、加熱モジュールMには、8灯の管状ヒータ1が設けられている。また、管状ヒータ1の両端の封止部8がモジュールM内部に収容されている。このような構成とすることで、加熱モジュールMが管状ヒータ1の長手方向に複数連結した状態となっても、モジュールの境目の部分で光量が低下することを防ぐことが可能となる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 管状ヒータ、1a〜1c 管状ヒータ、2 バルブ、2a 気密部、3 コイル、3a 接続部、4 アンカー、5 インナーリード、6 箔部、7 アウターリード、8 封止部、12 バルブ、12a 気密部、22 バルブ、22a 気密部、32 バルブ、32a 気密部

Claims (6)

  1. 管状のバルブと;
    前記バルブの内部に設けられたコイルと;
    前記バルブの両端側にそれぞれ設けられた封止部と;
    を具備し、
    前記バルブの内部には、不活性ガスと、窒素ガスと、臭素と、を含むガスが封入され、
    定格電力をWa(w;ワット)、前記封止部間に形成された気密部における中心軸の距離をL(cm;センチメートル)とした場合に、以下の式を満足し、
    Wa≧2000
    L≦45
    前記封入されたガスに対する前記窒素ガスの体積濃度をX(vol%)、臭素の添加量をY(mg/cm)とした場合に、以下の式を満足する管状ヒータ。
    Y≧−0.0311X+0.028
  2. 前記封入されるガスに対する窒素ガスの体積濃度Xは、30vol%以下である請求項1記載の管状ヒータ。
  3. 前記臭素の添加量Yは、0.05mg/cm以下である請求項1または2に記載の管状ヒータ。
  4. 前記臭素の添加量Yは、0.006mg/cm以上である請求項1〜3のいずれか1つに記載の管状ヒータ。
  5. 前記封止部の内部に設けられた箔部と;
    一端が前記コイルと電気的に接続され、他端が前記箔部と電気的に接続されたインナーリードと;
    をさらに具備し、
    前記インナーリードの直径寸法は、0.45mm以下である請求項1〜4のいずれか1つに記載の管状ヒータ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の管状ヒータを複数具備した加熱モジュール。
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