JP2014076505A - 刃先交換式切削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】クランプネジ頭部の潰れや固着を防ぎ、丸駒インサートでも安定して固定する。
【解決手段】インサート本体1にはクランプネジ13が挿通される取付孔7が貫通し、取付孔7へのクランプネジ挿通方向後方側の開口部にはクランプネジ13の頭部13Aに当接可能な4つの当接部8が周方向に等間隔に形成され、当接部8は取付孔7の中心線Cに垂直な断面で周方向に隣接する部分に対し内周側にせり出すとともにクランプネジ挿通方向にも内周側にせり出し、4つの当接部8に内接する内接円の最小の内径は頭部13Aの外径より小さく、頭部13Aが少なくとも3つの当接部8に当接してインサート本体1をクランプし、3つの当接部8のうち周方向に隣接する2つの当接部8Aは中心線Cからの半径と中心線C方向の位置が互いに等しく、残りの当接部8Bとは異なる当接位置Xで頭部13Aに当接させられる。
【選択図】図19
【解決手段】インサート本体1にはクランプネジ13が挿通される取付孔7が貫通し、取付孔7へのクランプネジ挿通方向後方側の開口部にはクランプネジ13の頭部13Aに当接可能な4つの当接部8が周方向に等間隔に形成され、当接部8は取付孔7の中心線Cに垂直な断面で周方向に隣接する部分に対し内周側にせり出すとともにクランプネジ挿通方向にも内周側にせり出し、4つの当接部8に内接する内接円の最小の内径は頭部13Aの外径より小さく、頭部13Aが少なくとも3つの当接部8に当接してインサート本体1をクランプし、3つの当接部8のうち周方向に隣接する2つの当接部8Aは中心線Cからの半径と中心線C方向の位置が互いに等しく、残りの当接部8Bとは異なる当接位置Xで頭部13Aに当接させられる。
【選択図】図19
Description
本発明は、切削インサートが着脱可能に取り付けられて被削材の切削加工を行う刃先交換式切削工具に関するものである。
このように切削インサートを刃先交換式切削工具の工具本体に着脱可能に取り付けるのに、切削インサートのインサート本体に該インサート本体を貫通する取付孔を形成し、この取付孔に、頭部と該頭部よりも外径の小さいネジ軸部とを有するクランプネジを挿通して、工具本体のインサート取付座に形成されたネジ孔にねじ込むことによりインサート本体を固定する、スクリューオン式のクランプ機構が知られている。
このようなスクリューオン式のクランプ機構を備えた刃先交換式切削工具としては、例えば特許文献1に記載されているように、取付孔へのクランプネジ挿通方向の後方側における取付孔の開口部をクランプネジ挿通方向に向けて漸次縮径するように形成するとともに、インサート本体をインサート取付座に着座させた状態で取付孔の中心線とネジ孔の中心線とが偏心するようにして、上記開口部にクランプネジの頭部裏面を1点または1本線で接触させてクランプネジのネジ軸部を撓ませることにより、インサート本体をインサート取付座の壁面に押圧して固定するようにしたものが一般的である。
その一方で、特許文献2には、クランプネジの頭部裏面を取付孔の開口部に360度に亙って接触する球面の一部分として形成することにより、クランプネジ頭部が取付孔開口部に全周当たりするようにした刃先交換式切削工具が提案されている。また、この特許文献2には、インサート取付座に着座させられた切削インサートの取付孔の中心線に対して、クランプネジのネジ軸部がねじ込まれるネジ孔の中心線を斜交する方向に形成することも記載されている。
ところが、特許文献1に記載されているように、取付孔の開口部にクランプネジの頭部裏面を1点または1本線で接触させてインサート本体を固定するようにしたものでは、クランプネジによるねじ込み力も上記1点または1本線に集中してしまうため、高硬度のインサート本体よりは柔らかいクランプネジの頭部が潰れたり、取付孔開口部に固着してしまったりするおそれがある。
一方、特許文献2に記載されているように、クランプネジの頭部をインサート本体の取付孔開口部に全周当たりで接触するようにしたものでは、ねじ込み力を分散させてクランプネジ頭部の潰れや固着は防ぐことができるが、このクランプネジ頭部と取付孔開口部との接触が、頭部がなす球面の一部またはこの球面の断面がなす単一の円に沿ったものとなるため、この球面または円に沿って切削インサートがずれ動きやすく、その取付安定性を確保することが困難となる。これは、特に取付孔が開口するインサート本体のクランプネジ挿通方向後方側を向く側面が円形のすくい面とされて、円板状のインサート本体を有する、いわゆる丸駒インサートにおいて顕著である。
本発明は、このような背景の下になされたもので、スクリューオン式のクランプ機構によって固定される切削インサートにおいて、クランプネジ頭部の潰れや固着を防ぐことができるのは勿論、切削インサートが丸駒インサートであっても安定してインサート取付座に固定することが可能な刃先交換式切削工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、工具本体に形成されたインサート取付座に、頭部と該頭部よりも外径の小さいネジ軸部とを備えたクランプネジによって切削インサートが着脱可能に取り付けられた刃先交換式切削工具であって、上記切削インサートは、上記クランプネジが挿通される取付孔が貫通するように形成されたインサート本体を備え、上記取付孔へのクランプネジ挿通方向の後方側における該取付孔の開口部には、上記頭部に当接可能な4つの当接部が上記取付孔の周方向に等間隔に形成されており、これらの当接部は、上記取付孔の中心線である取付孔中心線に垂直な断面において周方向に隣接する部分に対して上記取付孔の内周側にせり出しているとともに、上記クランプネジ挿通方向に向けても上記取付孔の内周側にせり出して、上記断面において上記4つの当接部に内接する内接円の最小の内径が上記頭部の外径よりも小さくされていて、上記クランプネジは、上記頭部が上記4つの当接部のうち少なくとも3つの当接部に当接して上記インサート本体をクランプし、これら少なくとも3つの当接部のうち周方向に隣接する2つの当接部は、上記取付孔中心線からの半径と該取付孔中心線方向の位置が互いに等しく、かつ残りの当接部とは上記取付孔中心線からの半径と該取付孔中心線方向の位置がともに異なる当接位置で上記クランプネジの頭部に当接させられることを特徴としている。
このような構成の刃先交換式切削工具では、上述のように周方向に隣接する部分に対して取付孔の内周側にせり出すとともにクランプネジ挿通方向に向けても内周側にせり出してクランプネジ頭部に当接可能とされた4つの当接部が、この取付孔の開口部に周方向に等間隔に形成されており、このうち少なくとも3つの当接部にクランプネジ頭部が当接して切削インサートがクランプされるため、クランプネジのねじ込み力をこれら少なくとも3つの当接部で分散させて受け止めることができて、クランプネジ頭部が潰れたり、取付孔開口部に固着したりするのを防ぐことができる。
そして、さらに、これら少なくとも3つの当接部のうち周方向に隣接する2つの当接部は、取付孔中心線からの半径と取付孔中心線方向の位置が互いに等しく、かつ残りの当接部とは取付孔中心線からの半径と取付孔中心線方向の位置がともに異なる当接位置でクランプネジ頭部に当接させられるため、上記2つの当接部の当接位置と残りの当接部の当接位置が取付孔中心線を中心とした同一の円周上に位置することはない。従って、これら2つの当接部の当接位置を通る取付孔中心線を中心とした円周回りにインサート本体が回転してずれ動こうとしても、残りの1つまたは2つの当接部にクランプネジ頭部が当接することによってこの回転を阻止することができ、切削インサートが丸駒インサートであってもインサート取付座に安定的に取り付けることが可能となる。
ここで、インサート本体のクランプネジ挿通方向を向く側面がインサート取付座の底面に当接する着座面とされるとともに、この底面にはクランプネジのネジ軸部がねじ込まれるネジ孔が形成されている場合に、上述のように周方向に等間隔に形成された4つの当接部のうち、上記2つの当接部のクランプネジ頭部との当接位置を、取付孔中心線からの半径と取付孔中心線方向の位置が互いに等しく、残りの当接部とは異なるようにするには、上記着座面を上記底面に当接させてインサート本体をインサート取付座に着座させた状態で、上記ネジ孔の中心線であるネジ孔中心線を、上記2つの当接部の当接位置と取付孔中心線とを結ぶ2つの直線がなす角を二等分する平面上において、特許文献1と同じように取付孔中心線と平行としたままこれら2つの当接部側に偏心させてもよいが、同平面上において、クランプネジ挿通方向に向かうに従い取付孔中心線から離れるように取付孔中心線に対して斜交する方向に延びるようにしてもよい。
こうしてネジ孔中心線をクランプネジ挿通方向に向かうに従い取付孔中心線から離れるように取付孔中心線に対して斜交する方向に延びるようにした場合には、ネジ孔の開口部を上記平面上において取付孔中心線に対して特許文献1と同様に2つの当接部側に偏心して開口するようにできるので、クランプネジのネジ軸部をネジ孔にねじ込んでゆくと、クランプネジの頭部は、上記平面から等しい距離にある偏心した側の上記2つの当接部に、取付孔中心線方向に等しい当接位置でまず当接する。そして、さらにクランプネジをねじ込むと、インサート本体よりは硬度の低いクランプネジは、クランプネジの中心線が取付孔中心線と平行となろうとする方向に撓んで、頭部が残りの1つまたは2つの当接部に当接し、インサート本体がクランプされる。また、取付孔中心線とネジ孔中心線とが平行に偏心している場合には、クランプネジの中心線が取付孔中心線に対して傾斜するようにクランプネジが撓み、やはり残りの1つまたは2つの当接部に頭部が当接してインサート本体がクランプされる。
さらに、特に上記切削インサートが、インサート本体のクランプネジ挿通方向の後方側を向く側面が取付孔中心線を中心とした円形のすくい面とされた丸駒インサートである場合には、インサート本体の取付孔中心線に対する径方向の外周面に、取付孔中心線に垂直な断面において、上記4つの当接部と上記内接円との接点と取付孔中心線とを結ぶ直線に直交する方向に延びる4つの拘束面を少なくとも形成し、これら4つの拘束面のうち、上記2つの当接部と上記内接円との接点と取付孔中心線とを結ぶ直線に直交する方向に延びる2つの拘束面を、インサート取付座において上記底面に対し、ネジ孔中心線がクランプネジ挿通方向に向かうに従い取付孔中心線から離れる側に立ち上がるように形成されたインサート取付座の2つの壁面にそれぞれ当接させることにより、インサート本体の回転を一層確実に防止することができる。
なお、上記当接部は、上記取付孔中心線に垂直な断面において該取付孔の内周側に凸となる凸曲線状をなすとともに、上記内接円との接点を通り上記取付孔中心線に沿った断面においても上記クランプネジ挿通方向に向かうに従い凸曲線状をなして上記取付孔の内周側に漸次せり出していることが望ましい。クランプネジの頭部裏面が一般的な円錐台面状であれば、2つの当接部は取付孔中心線からの半径と取付孔中心線方向の位置が互いに等しく、かつ残りの当接部とは取付孔中心線からの半径と取付孔中心線方向の位置がともに異なる当接位置として、少なくとも3つの当接部を確実にクランプネジの頭部に当接させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、クランプネジのねじ込み力が集中することによってクランプネジ頭部の潰れや固着が生じるのを防ぐことができるとともに、切削インサートが丸駒インサートであっても取付安定性を確保して、円滑で高精度の切削加工を行うことができる。
図1ないし図6は、本発明の一実施形態における切削インサートを示すものであり、図7ないし図13は、この切削インサートを取り付けた本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態である刃先交換式フライスおよびその工具本体を示すものであり、図14ないし図19は、上記切削インサートに、頭部と該頭部よりも小径のネジ軸部とを有するクランプネジを挿通して、上記実施形態の刃先交換式フライスのインサート取付座に取り付けた状態の、切削インサートとクランプネジを示すものである。
本実施形態における切削インサートは、そのインサート本体1が超硬合金等の硬質材料により形成されてインサート中心線Cを中心とする概略円板状をなす丸駒インサートであり、このインサート中心線C回りに90°ずつ回転対称な形状に形成されている。インサート本体1の円形をなす一方の側面はインサート中心線Cに垂直な平面状のすくい面2とされるとともに、このすくい面2と反対の他方の側面もインサー中心線Cに垂直な平面状とされて着座面3とされている。さらに、これらすくい面2と着座面3の周りのインサート本体1のインサート中心線Cに対する径方向の外周面には、すくい面2側に逃げ面4が形成されて、この逃げ面4とすくい面2とが交差する円周状の稜線部に切刃5が形成されている。
逃げ面4は、すくい面2から着座面3側に向かうに従い外径が漸次縮径するインサート中心線Cを中心とした円錐面状に形成されており、本実施形態の切削インサートはポジティブタイプのインサートとされている。また、インサート本体1の上記外周面の着座面3側の部分は、上記逃げ面4がインサート中心線Cに対してなす角度よりも小さな角度で着座面3側に向かうに従いインサート中心線C側に傾斜する周方向に等間隔な8つの平面によって切り欠かれており、従って着座面3はその外形が図4に示すように正八角形状を呈しているとともに、これらの平面のうち周方向に1つおきの4つの平面が後述する拘束面6とされる。
そして、インサート本体1には、上記クランプネジが挿通される取付孔7が、インサート中心線Cを中心として該インサート中心線Cに沿って該インサート本体1を貫通するように形成されて、すくい面2と着座面3の中央に開口している。従って、本実施形態のインサート中心線Cは取付孔7の中心線である取付孔中心線と一致する。また、クランプネジは、そのネジ軸部が、この取付孔7にすくい面2側から挿通させられる。従って、すくい面2から着座面3に向かう方向がクランプネジ挿通方向とされる。
この取付孔7は、インサート中心線Cに垂直な断面が、本実施形態では、互いに等しい半径と中心角、長さでインサート中心線C側に向けて凸となる4つの凸円弧と、やはり互いに等しい半径と中心角、長さでインサート中心線Cに対して凹となる4つの凹円弧とが交互に接するように連ねられた概略正方形状とされている。凸円弧の半径は凹円弧の半径よりも大きくされるとともに、凸円弧の中心角は凹円弧の中心角よりも小さくされて、凸円弧の長さは凹円弧よりも短くされている。従って、断面凸円弧をなす部分は、取付孔7の周方向に隣接する凹円弧をなす部分に対して取付孔7内周側にせり出すことになる。なお、この取付孔7の断面がなす凹凸円弧の半径や中心角、長さの大小は上記とは逆でもよく、また互いに等しくてもよい。
また、取付孔7は、このような断面形状のまま略相似形を維持しつつ、すくい面2側と着座面3側からインサート中心線C方向にインサート本体1の中央部側に向かうに従い断面積が小さくなるように形成されている。このうち、すくい面2と着座面3に開口する部分において取付孔7は、インサート中心線C方向にインサート本体1中央部に向かうに従い、一定の割合で断面積が小さくなるようにされて、インサート中心線Cに沿った断面が図5や図6に示すようにインサート中心線Cに対して緩やかに内周側に向かう傾斜直線状をなすようにされている。
これに対して、インサート本体1の中央部において取付孔7は、すくい面2側から着座面3側すなわちクランプネジ挿通方向に向かうに従い、断面積が小さくなる割合が漸次小さくなるようにされて、インサート中心線Cに沿った断面が同じく図5や図6に示すように凸曲線を描きつつ内周側に向かうようにされている。そして、このようにインサート中心線Cに沿った断面が凸曲線をなす取付孔7の内周部のうち、インサート中心線Cに垂直な断面が凸円弧をなす部分が本実施形態における当接部8とされる。従って、この当接部8は、クランプネジ挿通方向に向けても取付孔7の内周側にせり出すことになり、4つの当接部8が取付孔7のすくい面2側の開口部に周方向に等間隔に形成される。
なお、取付孔7のすくい面2への開口縁には、インサート中心線Cに沿った断面が凸曲線をなす面取りが施されている。一方、当接部8のクランプネジ挿通方向側において取付孔7は、インサー中心線C方向に短い幅で一定断面とされた後、インサート中心線Cに沿った断面が凹曲線をなすようにして拡径し、取付孔7の着座面に開口する部分に連なるように形成されている。また、取付孔7のインサート中心線Cに垂直な断面における上記凸円弧は、すくい面2側と着座面3側からインサート中心線C方向に上記一定断面となる部分に向けて弧の長さが僅かに大きくなり、凹円弧は逆に弧の長さが僅かに短くなる。
このような当接部8において取付孔7に内接する内接円の内径、すなわちインサート中心線Cに垂直な断面においてインサート中心線Cを中心として4つの当接部8がなす凸円弧に接する円の内径は、クランプネジ挿通方向に向けて漸次小さくなって上記一定断面の部分で最小となる。この最小の内径は、クランプネジの上記ネジ軸部の外径より大きく、頭部の外径よりは小さくされている。
一方、当接部8のクランプネジ挿通方向後方側すなわちすくい面2側において取付孔7に内接する内接円の内径は、クランプネジの頭部の外径よりも僅かに大きくされて、当接部8からすくい面2に至る部分に頭部が収容可能とされている。なお、インサート本体1の周面の着座面3側を切り欠くように形成された上記8つの平面のうち拘束面6とされる平面は、インサート中心線Cに垂直な断面において、インサート中心線Cから上記4つの当接部8とこれらに内接する内接円との接点を通って延びる直線に直交する周方向に1つおきの4つの平面とされている。
このように構成された切削インサートは、図13に示す本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態である刃先交換式フライスの工具本体11に形成されたインサート取付座12に、図7ないし図12に示すように上述のクランプネジ13によって着脱可能に取り付けられる。工具本体11は鋼材等の金属材料によって形成されて軸線Oを中心とした概略円筒状をなし、後端部(図10および図11における上側部分)が工作機械の主軸に取り付けられて、軸線O回りに工具回転方向Tに回転されつつ該軸線Oに交差する方向に送り出され、インサート取付座12に取り付けられた切削インサートの上記切刃5により被削材の切削加工を行う。
工具本体11の先端部(図10および図11における下側部分)の外周には周方向に間隔をあけて複数(本実施形態では5つ)のチップポケット14が周方向に等間隔に形成されており、これらのチップポケット14の工具回転方向Tを向く壁面に上記インサート取付座12がそれぞれ形成されている。工具本体11は上記後端部を除いて軸線O回りに72°ずつ回転対称に形成されている。
インサート取付座12は、図13に示すようにチップポケット14の上記壁面から工具回転方向Tの後方側に一段凹むように形成されて工具回転方向Tを向く底面12Aと、この底面12Aの工具本体11内周側に位置して外周側を向くように工具回転方向Tに立ち上がる壁面12Bと、底面12Aの軸線O方向後端側に位置して先端側を向くように工具回転方向Tに立ち上がる壁面12Cとを備えている。なお、インサート取付座12のこれら底面12Aと壁面12B、12Cとの間および壁面12B、12C同士の間には、逃げ部12Dがそれぞれ形成されている。
これら底面12Aおよび壁面12B、12Cは平面状とされ、底面12Aは、軸線O方向後端側と工具本体11の内周側とに向かうに従い工具回転方向Tの後方側に向かうように僅かに傾斜させられている。また、壁面12Bは、工具回転方向Tから見て軸線Oに略平行に延びるとともに、工具回転方向Tに向けては僅かに工具本体11内周側に向かうように延び、壁面12Cは、工具回転方向Tから見て軸線Oに略垂直に延びるとともに、軸線O方向後端側に向けては僅かに工具回転方向T側に向かうように延びている。従って、底面12Aに垂直に対向する方向から見て、これらの壁面12B、12Cは直交する方向に延びている。また、壁面12B、12Cが底面12Aに対してなす角度は、インサート本体1の拘束面6が着座面3に対してなす角度と等しくされている。
底面12Aの略中央には、上記クランプネジ13がねじ込まれるネジ孔12Eが形成されている。このネジ孔12Eの中心線であるネジ孔中心線Nは、底面12Aに垂直に対向する方向から見たときの壁面12B、12Cの開き角を二等分する図8および図16に示す平面P上(図12および図17に示す断面上)に位置している。ただし、このネジ孔中心線Nは、図12および図17に示すようにインサート本体1をインサート取付座12に着座させた状態でインサート中心線Cと一致させられる底面12Aに垂直な直線Qに対して僅かに傾斜して底面12Aの上方(工具回転方向T側)で該直線Qと斜交させられており、このネジ孔中心線Nの傾斜の向きは、本実施形態ではネジ孔12Eの孔底側すなわち底面12Aから工具回転方向Tの後方側に向けて、同じく底面12Aに垂直に対向する方向から見たときの壁面12B、12Cの延長線の交点に向かう向きとされている。
このようなインサート取付座12に、上記切削インサートのインサート本体1は、すくい面2を工具回転方向Tに向けるとともに、着座面3を底面12Aに密着させ、さらにインサート本体1の周面を切り欠いた8つの平面のうち1つを間にして周方向に隣接する2つの拘束面6を壁面12B、12Cにそれぞれ当接させて着座させられる。従って、ネジ孔中心線Nが上述のように傾斜させられていることにより、ネジ孔12Eは、こうして着座させられたインサート本体1のインサート中心線C(直線Q)に対して、底面12Aに垂直に対向する方向から見たときに上記平面Pに沿って壁面12B、12Cの延長線の交点に向かう側に偏心して底面12Aに開口させられる。
このとき、インサート本体1は、すくい面2と逃げ面4との稜線部に形成された円周状の切刃5の1/4が、工具本体11の先端部から突出して先端から後端外周側に向けて延びるように配設されて切削に使用される。また、インサート取付座12の底面12Aが工具本体11後端側に向かうに従い工具回転方向T後方側に傾斜しているので、切刃5には正のアキシャルレーキ角が与えられ、さらに切削インサートはポジティブインサートであるので、切刃5には逃げ角が与えられる。
さらに、取付孔7のすくい面2側の開口部に形成された4つの当接部8は、インサート中心線Cに垂直な断面においてインサート中心線Cからこれらの当接部8に内接する内接円との接点を通る直線がインサート取付座12の上記壁面12B、12Cに当接させられた2つの拘束面6に直交する2つの周方向に隣接した当接部8が、上記平面Pを間にして該平面Pから等間隔にこれら壁面12B、12C側に位置させられる。また、残りの2つの当接部8は、やはり平面Pから等間隔に、インサート中心線Cに対して工具本体11先端側と外周側とに配置される。
こうしてインサート本体1がインサート取付座12に着座されたなら、次いですくい面2側から取付孔7にクランプネジ13をクランプネジ挿通方向すなわち工具回転方向T後方側に挿通してネジ孔12Eにねじ込むことによりインサート本体1が固定される。このクランプネジ13は、インサート本体1を形成する超硬合金等の硬質材料よりは低硬度の工具本体11と同じ鋼材等の金属材料により、図17ないし図19に示すように円盤状の頭部13Aと外形円柱状のネジ軸部13Bとが同軸に一体形成されて構成されている。
ネジ軸部13Bの外周には、ネジ孔12Eに螺合する雄ネジ部が形成されている。さらに、頭部13Aのネジ軸部13B側を向く裏面は、クランプネジ13の中心線を中心としてネジ軸部13B側に向かうに従い漸次縮径する円錐台状面とされている。また、頭部13Aのネジ軸部13Bとは反対側の端面には、クランプネジ13を回転させるレンチ等の作業用工具と係合する係合孔13Cが形成されている。
そして、上述したようにネジ軸部13Bの外径は、頭部13Aの外径よりも小径とされているとともに、インサート本体1の当接部8に内接する内接円の最小の内径よりも小径とされている。一方、頭部13Aの外径は、この当接部8に当接する内接円の最小の内径よりも大きく、当接部8からすくい面2にかけての取付孔7の内接円の内径よりは小さくされている。
従って、クランプネジ13を上記クランプネジ挿通方向にネジ軸部13Bから取付孔7に挿通すると、インサート中心線Cに垂直ないずれかの断面において、この断面における上記内接円の内径と頭部13A裏面の外径とが等しくなり、頭部13Aは当接部8に当接する。なお、こうしてネジ軸部13Bを取付孔7に挿通した状態では、クランプネジ13やインサート本体1をどのように傾けても、頭部13Aはクランプネジ挿通方向に向けて相対的に取付孔7からは抜け出ないようにされている。
さらに、上述のようにインサート本体1がインサート取付座12に着座させられた状態で、取付孔7に挿通したクランプネジ13のネジ軸部13Bをネジ孔12Eにねじ込んでゆくと、本実施形態ではネジ孔中心線Nが上述のように上記平面P上で僅かに傾斜していて、ネジ孔12Eがインサート中心線Cに対して該平面Pに沿って壁面12B、12Cの延長線の交点に向かう側に偏心して底面12Aに開口させられているため、頭部13Aはまず最初に図18に示すように、取付孔7の4つの当接部8のうち上記壁面12B、12C側に位置する周方向に隣接した2つの当接部8Aに当接位置Xで当接させられる。従って、上記平面Pはインサート中心線C方向視において図16に示すように、これら2つの当接部8Aの当接位置Xとインサート中心線Cとを結ぶ直線がなす角を二等分する平面となる。
そして、さらにクランプネジ13をねじ込んでゆくと、クランプネジ13はインサート本体1よりも低硬度であるため、特にネジ軸部13Bの頭部13Aに連なる部分が弾性変形することにより、上記2つの当接部8Aとの当接位置Xを支点として頭部13Aの中心線がインサート中心線Cと一致するように傾斜する方向に撓みを生じる。すると、これに伴い、インサート本体1は壁面12B、12Cに当接させられた2つの拘束面6が該壁面12B、12Cに押圧されるとともに、図19に示すように残りの1つまたは2つの当接部8Bに当接位置Yでクランプネジ13の頭部13Aが当接する。4つの当接部8や頭部13Aの成形精度が高ければ図16に示すように頭部13Aは残りの2つの当接部8Bに当接し、そうでなければ残りのいずれか1つの当接部8Bに当接する。
このとき、ネジ孔中心線Nは取付孔7の中心線であるインサート中心線Cに対して偏心しているとともに、本実施形態では斜交させられているので、図16に示すように初めに頭部13Aに当接した2つの当接部8Aの当接位置Xと、後から当接した残りの1つまたは2つの当接部8Bの当接位置Yとは、インサート中心線Cからの半径が異なるものとなる。また、当接部8はクランプネジ挿通方向に向けて内周側にせり出しているので、これら当接位置X、Yのインサート中心線C方向の位置も図19に示すように異なるものとなる。本実施形態では、図16に示すようにインサート中心線Cから当接位置Xまでの半径は当接位置Yまでの半径よりも小さくされ、また図19に示すように当接位置Xは当接位置Yよりもクランプネジ挿通方向側に位置していて、インサート本体1の着座面3から当接位置Xまでの高さaは当接位置Yまでの高さbよりも低くされている。
従って、このように頭部13Aと2つの当接部8Aとの当接位置Xと残りの1つまたは2つの当接部8Bとの当接位置Xのインサート中心線Cからの半径とインサート中心線C方向の位置とが異なるものとなることにより、これらの当接位置X、Yはインサート中心線Cを中心とした同一円周上に配置されず、当接位置X、Yが位置する円の中心線はインサート中心線Cに対して傾いたものとなる。ところが、インサート本体1の着座面3はインサート中心線Cに垂直な平面であるため、この当接位置X、Yの位置する円の中心線回りにインサート本体1が回転しようとしても回転は拘束され、切削インサートが本実施形態のような丸駒インサートであってもインサート取付座12に安定して取り付けることができる。
また、上記構成の刃先交換式切削工具においては、上述のように少なくとも3つの当接部8にクランプネジ13の頭部13Aを当接させることにより、インサート本体1をインサート取付座12に固定して取り付けることができるので、クランプネジ13によるねじ込み力を分散させて個々の当接部8に当接した頭部13A部分への負荷を軽減することができる。このため、低硬度の頭部13Aがねじ込み力の集中によって潰れたり、負荷によって頭部13Aが当接部8に固着したりするのを防ぐことができる。
一方、本実施形態では、上述のように4つの当接部8のうち2つの当接部8Aの当接位置Xと残りの1つまたは2つの当接部8Bの当接位置Yとを、インサート中心線Cからの半径とインサート中心線C方向の位置とを異なるようにするのに、インサート本体1をインサート取付座12に着座させた状態で、インサート取付座12のネジ孔12Eのネジ孔中心線Nを、上記2つの当接部8Aの当接位置Xとインサート中心線Cとを結ぶ直線がなす角を二等分する平面P上において、クランプネジ挿通方向に向かうに従いインサート中心線Cから離れるように該インサート中心線Cに対して斜交する方向に延びるようにしている。
従って、インサート取付座12の底面12Aにおけるネジ孔12Eの開口部を、上記平面P上において上記2つの当接部8A側に偏心した位置に形成することができるので、クランプネジ13をねじ込んでゆくことにより、頭部13Aを最初にこれら2つの当接部8Aに当接位置Xにおいて当接させ、さらにクランプネジ13を撓ませて残りの1つまたは2つの当接部8Bに、当接位置Xとは異なる半径およびインサート中心線C方向の位置の当接位置Yで当接させることができ、上述のようにインサート本体1の回転を確実に拘束することが可能となる。
ただし、本実施形態ではこのようにネジ孔中心線Nをインサート中心線Cに対して斜交する方向に傾斜させているが、ネジ孔中心線Nがインサート中心線Cに平行であっても、上記平面P上において2つの当接部8Aの当接位置X側に偏心していれば、同様にこれらの当接位置Xに頭部13Aを当接させた後に、残りの1つまたは2つの当接部8Bに異なる半径およびインサート中心線C方向の当接位置Yで頭部13Aを当接させて、インサート本体1の回転を拘束することができる。
この場合には、最初に頭部13Aが当接位置Xで2つの当接部8Aに当接した後に、頭部13Aの中心線がインサート中心線C側に傾斜するようにクランプネジ13が撓んで、残りの1つまたは2つの当接部8Bの当接位置Yに頭部13Aが当接する。従って、上記実施形態とは逆に、当接位置Xのインサート中心線Cからの半径は当接位置Yよりも大きく、またインサート中心線C方向には当接位置Yが当接位置Xよりもクランプネジ挿通方向側に位置して、着座面3からの高さは当接位置Xが当接位置Yよりも高くなる。
さらに、本実施形態では、インサート本体1の外周面が周方向に等間隔な8つの平面によって切り欠かれており、これらの平面のうち周方向に1つおきの4つの平面が、インサート中心線Cに垂直な断面において、4つの当接部8とその内接円との接点とインサート中心線Cとを結ぶ直線に直交する方向に延びる拘束面6とされている。そして、これらの拘束面6のうち、上記2つの当接部8との上記接点とインサート中心線Cとを結ぶ直線に垂直な2つの拘束面6が、インサート取付座12の壁面12B、12Cに当接させられてインサート本体1がインサート取付座12に着座され、クランプネジ13をねじ込むことによって壁面12B、12Cに押圧されるので、すくい面2が円形の丸駒インサートであっても一層確実かつ安定的にインサート本体1を取り付けることが可能となる。
また、本実施形態における当接部8は、インサート中心線Cに垂直な断面において凸円弧等の凸曲線状をなして周方向に隣接する部分に対して取付孔7の内周側にせり出しているとともに、インサート中心線Cに沿った断面においても凸曲線状をなしてクランプネジ挿通方向に向かうに従い内周側にせり出しており、クランプネジ13の頭部13Aが一般的な円錐台面状の場合には、一層確実に2つの当接部8Aと残りの当接部8Bとで半径とインサート中心線C方向の位置が異なる当接位置X、Yに頭部13Aを当接させてインサート本体1の回転を防止することができる。
ただし、本実施形態ではこのように当接部8を、インサート中心線Cに垂直な断面においても、インサート中心線Cに沿った断面においても、凸曲線状をなすように形成しているが、例えばクランプネジ13の頭部13Aの裏面が特許文献2に記載されているような凸球面状に形成されている場合などには、このうち少なくとも一方の断面においては当接部8が直線状をなすように形成してもよい。
例えば、当接部8を、インサート中心線Cに沿った断面においては凸曲線状としたままインサート中心線Cに垂直な断面においては直線状とすると、取付孔7はインサート中心線C方向視に正方形状をなし、当接部8はこの正方形の四辺に平行に延びる中心線を有する円筒面等の凸曲面をなしてクランプネジ挿通方向に向かうに従い取付孔7の内周側にせり出すことになる。そして、4つの当接部8は、この正方形の四辺の中点が周方向に隣接する部分に対して内周側にせり出すとともに、これらの中点で上記正方形に接する内接円の内径がクランプネジ挿通方向に向けて小さくなり、当接部8と凸球面状の頭部13Aとは点接触で当接することになる。
また、当接部8を、インサート中心線Cに垂直な断面においては凸曲線状のまま、インサート中心線Cに沿った断面においてはクランプネジ挿通方向に向かうに従い取付孔7の内周側に向かう直線状とすると、各当接部8はインサート中心線Cに斜交する中心線を有する円筒面状、またはインサート中心線Cに斜交する、あるいは平行な中心線を有する円錐面状等の凸曲面となり、インサート中心線Cに沿った断面が凸曲線状となるクランプネジ13の凸球面状の頭部は、同断面において上述のような直線状をなす当接部8の周方向に隣接する部分に対して取付孔7内周側にせり出した部分に当接する。
さらに、当接部8を、インサート中心線Cに垂直な断面においても、インサート中心線Cに沿った断面においても直線状をなすように形成すると、当接部8は、インサート中心線Cを中心にクランプネジ挿通方向に向けて断面が小さくなる凹正四角錐面状に形成されて、周方向に隣接する部分に対してもクランプネジ挿通方向に向けても取付孔7の内周側にせり出すことになり、インサート中心線Cに垂直な断面においてこの凹正四角錐面がなす正方形の各辺の中点に上記内接円が内接する。そして、クランプネジ13の凸球面状の頭部13Aは、この中点において各当接部8に当接する。
ただし、上述したようにクランプネジ13は、超硬合金等の硬質材料よりなるインサート本体1よりも低硬度の鋼材等により形成されて弾性変形可能とされているので、当接部8に当接した頭部13Aの裏面は厳密に点接触していなくてもよく、望ましくは潰れを生じない弾性変形の範囲内で、ある程度の面積をもって当接部8に面接触していてもよい。さらに、当接部8は、インサート中心線Cに垂直な断面における上記内接円との接点を連ねた線上でクランプネジ13の頭部13Aと当接していなくてもよく、4つの当接部8のうちの少なくとも1つ、場合によっては4つの当接部8のすべてが、上記線上から僅かに離れた位置で頭部13Aと当接していてもよい。
なお、本実施形態における切削インサートは、インサート本体1が取付孔7の中心線であるインサート中心線C回りに90°回転対称形状とされており、インサート本体1を90°ずつ回転させてインサート取付座12に取り付け直すことにより、円周状の切刃5を1/4ずつ合計4回の使用が可能である。ただし、本実施形態では、切削インサートがこのような円周状の切刃5を有する円形のすくい面2を備えた円板状の丸駒インサートである場合について説明したが、望ましくは上述のようにインサート中心線C回りに90°ずつ回転対称形状であれば、インサート本体1は正方形等の四角形板状や、正八角形や長辺と短辺が交互に連なる偏八角形等の八角形板状などとされていてもよい。また、本実施形態における切削インサートは、インサート本体1の一方の側面がすくい面2とされてその稜線部に切刃5が形成された片面使用のインサートとされているが、インサート本体が表裏反転対称形状とされてその表裏面に切刃5が形成された両面使用可能な切削インサートを本発明に用いることも可能である。
1 インサート本体
2 すくい面
3 着座面
4 逃げ面
5 切刃
6 拘束面
7 取付孔
8、8A、8B 当接部
11 工具本体
12 インサート取付座
12A 底面
12B、12C 壁面
12E ネジ孔
13 クランプネジ
13A 頭部
13B ネジ軸部
C インサート中心線(取付孔7の中心線)
N ネジ孔12Eの中心線
O 工具本体11の軸線
P 2つの当接部8Aの当接位置Xとインサート中心線Cとを結ぶ2つの直線がなす角を二等分する平面
Q 底面12Aに垂直となる直線
T 工具回転方向
X 2つの当接部8Aへのクランプネジ13の頭部13Aの当接位置
Y 残りの1つまたは2つの当接部8Bへのクランプネジ13の頭部13Aの当接位置
2 すくい面
3 着座面
4 逃げ面
5 切刃
6 拘束面
7 取付孔
8、8A、8B 当接部
11 工具本体
12 インサート取付座
12A 底面
12B、12C 壁面
12E ネジ孔
13 クランプネジ
13A 頭部
13B ネジ軸部
C インサート中心線(取付孔7の中心線)
N ネジ孔12Eの中心線
O 工具本体11の軸線
P 2つの当接部8Aの当接位置Xとインサート中心線Cとを結ぶ2つの直線がなす角を二等分する平面
Q 底面12Aに垂直となる直線
T 工具回転方向
X 2つの当接部8Aへのクランプネジ13の頭部13Aの当接位置
Y 残りの1つまたは2つの当接部8Bへのクランプネジ13の頭部13Aの当接位置
Claims (4)
- 工具本体に形成されたインサート取付座に、頭部と該頭部よりも外径の小さいネジ軸部とを備えたクランプネジによって切削インサートが着脱可能に取り付けられた刃先交換式切削工具であって、上記切削インサートは、上記クランプネジが挿通される取付孔が貫通するように形成されたインサート本体を備え、上記取付孔へのクランプネジ挿通方向の後方側における該取付孔の開口部には、上記頭部に当接可能な4つの当接部が上記取付孔の周方向に等間隔に形成されており、これらの当接部は、上記取付孔の中心線である取付孔中心線に垂直な断面において周方向に隣接する部分に対して上記取付孔の内周側にせり出しているとともに、上記クランプネジ挿通方向に向けても上記取付孔の内周側にせり出して、上記断面において上記4つの当接部に内接する内接円の最小の内径が上記頭部の外径よりも小さくされていて、上記クランプネジは、上記頭部が上記4つの当接部のうち少なくとも3つの当接部に当接して上記インサート本体をクランプし、これら少なくとも3つの当接部のうち周方向に隣接する2つの当接部は、上記取付孔中心線からの半径と該取付孔中心線方向の位置が互いに等しく、かつ残りの当接部とは上記取付孔中心線からの半径と該取付孔中心線方向の位置がともに異なる当接位置で上記クランプネジの頭部に当接させられることを特徴とする刃先交換式切削工具。
- 上記インサート本体の上記クランプネジ挿通方向を向く側面は上記インサート取付座の底面に当接する着座面とされるとともに、この底面には上記クランプネジのネジ軸部がねじ込まれるネジ孔が形成されており、上記着座面を上記底面に当接させて上記インサート本体を上記インサート取付座に着座させた状態で、上記ネジ孔の中心線であるネジ孔中心線は、上記2つの当接部の当接位置と上記取付孔中心線とを結ぶ2つの直線がなす角を二等分する平面上において、上記クランプネジ挿通方向に向かうに従い上記取付孔中心線から離れるように該取付孔中心線に対して斜交する方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載の刃先交換式切削工具。
- 上記インサート本体の上記クランプネジ挿通方向の後方側を向く側面は上記取付孔中心線を中心とした円形のすくい面とされるとともに、該インサート本体の上記取付孔中心線に対する径方向の外周面には、上記取付孔中心線に垂直な断面において、上記4つの当接部と上記内接円との接点と上記取付孔中心線とを結ぶ直線に直交する方向に延びる4つの拘束面が少なくとも形成されており、これら4つの拘束面のうち、上記2つの当接部と上記内接円との接点と上記取付孔中心線とを結ぶ直線に直交する方向に延びる2つの拘束面は、上記インサート取付座において上記底面に対し、上記ネジ孔中心線が上記クランプネジ挿通方向に向かうに従い上記取付孔中心線から離れる側に立ち上がるように形成された該インサート取付座の2つの壁面にそれぞれ当接させられることを特徴とする請求項2に記載の刃先交換式切削工具。
- 上記当接部は、上記取付孔中心線に垂直な断面において該取付孔の内周側に凸となる凸曲線状をなすとともに、上記内接円との接点を通り上記取付孔中心線に沿った断面においても上記クランプネジ挿通方向に向かうに従い凸曲線状をなして上記取付孔の内周側に漸次せり出していることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の刃先交換式切削工具。
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JP2012224969A JP2014076505A (ja) | 2012-10-10 | 2012-10-10 | 刃先交換式切削工具 |
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Publication Number | Publication Date |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 2012-10-10 JP JP2012224969A patent/JP2014076505A/ja active Pending
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