JP2010076033A - ロータリバイト - Google Patents

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太郎 阿部
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Abstract

【課題】切削インサートの円周状をなす切れ刃の中心を工具本体の軸線に一致させるとともに、切削抵抗が作用する切れ刃の直下において切削インサートを確実に支持してインサート取付剛性を確保し、高精度の旋削加工を行う。
【解決手段】工具本体11の首部11Bのインサート取付座12に、円板状をなす切削インサート13がシャンク部11Aの軸線Oと同軸に取り付けられ、インサート取付座12は、切削インサート13の着座面15に対向する底面12Aと、切削インサート13の周面16に当接する壁面12Bとを備え、底面12Aには、底面12Aから凹んで軸線O回りに周回するとともに首部11Bの外周面11Cに周方向において複数の箇所で開口する凹溝20を壁面12Bと間隔をあけて形成し、この凹溝20と壁面12Bとの間に、着座面15の外周側縁部に当接する支持面21を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、円板状の切削インサートが、工具本体の首部に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられてなるロータリバイトに関するものである。
従来このようなロータリバイトにおいては、例えば特許文献1に記載されているように、工具本体に回転自在に装着されたシート部材に円板状の切削インサートを取り付けて、切削時にこの切削インサートに作用する切削抵抗により、シート部材ごと切削インサートを従動回転させて切削を行うものが知られているが、このようなロータリバイトでは、切削インサートの被削材に対する送りの向きによっては切削インサートが回転しなくなってしまう場合がある。
また、このように切削インサートをシート部材ごと回転自在に工具本体に取り付けるには、このシート部材をベアリング等を介して工具本体に装着しなければならず、その耐久性等が問題になる場合もある。なお、この特許文献1には、このような円板状の切削インサートの従来のクランプ機構として、特許文献2に記載されているようなものが挙げられている。
その一方で、最近では、旋盤の工具保持部が回転可能とされてミーリング機能を備えた複合加工機が普及しつつあり、このような複合加工機によれば、上述のような円板状の切削インサートを、被削材に対する送りの向きに関わらず所望の回転速度でその中心軸線回りに回転駆動させながら被削材の旋削加工を行うことが可能となる。また、工具本体に切削インサートを回転させるためのベアリング等を要することもない。
ここで、図10および図11は、このような複合加工機に装着されて回転駆動させられるロータリバイトの一例を示すものである。この例のロータリバイトでは、鋼材等から形成されて軸線Oを中心とした概略円柱状をなす工具本体1の後端部が上記複合加工機に装着されるシャンク部1Aとされるとともに、該工具本体1の先端部は首部1Bとされていて、この首部1Bの突端面(先端面)に形成された凹状のインサート取付座2に、円板状をなす切削インサート3が同軸に取り付けられている。
この切削インサート3は、例えば超硬合金等の硬質材料により形成されていて、この例では、すくい面4とされる一方の円形をなす側面からこれとは反対の着座面5とされる他方の円形をなす側面に向けて、これらすくい面4と着座面5の間に配置されて逃げ面6とされる周面の外径が漸次小さくなるようにされた、円錐台状のポジティブインサートとされている。そして、すくい面4と逃げ面6との交差稜線部には円周状の切れ刃7が形成されるとともに、すくい面4から着座面5にかけては、上記軸線Oと一致させられる切削インサート3の中心軸Cに沿って、当該切削インサート3を工具本体1に取り付けるクランプネジ8が挿通される取付孔9が貫設されている。
このような切削インサート3が取り付けられる工具本体1の上記首部1Bは、この例ではその後端部が上記シャンク部1Aよりも一段小径とされるとともに、先端側に向かうに従い外径が漸次僅かに縮径する先細りの長尺円錐台状に形成されている。そして、このような首部1Bの突端面に形成される上記インサート取付座2は、切削インサート3の上記着座面5側の部分が収容される凹状に形成されている。
すなわち、このインサート取付座2は、図11に示すように上記突端面から一段凹むようにして先端側を向いて上記着座面5が着座させられる軸線Oに垂直な外形円形の底面2Aと、この底面2Aの周縁から先端側に向けて、着座面5に対する逃げ面6の角度に合わせて漸次拡径するように傾斜して延びる軸線Oを中心とした凹円錐面状の壁面2Bとから構成されている。また、底面2Aの中央には上記クランプネジ8がねじ込まれるネジ孔2Cが軸線Oに沿って形成されている。
このように形成されたインサート取付座2に、切削インサート3は、その着座面5を底面2Aに密着させるとともに、逃げ面6の着座面5側の部分を壁面2Bに密着させるようにして着座させられ、上記取付孔9に挿通されたクランプネジ8がネジ孔2Cにねじ込まれることにより、このクランプネジ8の皿ネジ頭状の頭部8Aによって押圧されて工具本体1先端に取り付けられる。さらに、こうして切削インサート3が取り付けられた工具本体1は、シャンク部1Aが上述のような複合加工機の工具保持部に保持されて、軸線O回りに所定の回転速度で回転駆動されつつ、上記切れ刃7が被削材に切り込まれて該被削材を旋削加工してゆく。
特開2002−144112号公報 特許第2846020号公報
ところが、このような構成のロータリバイトでは、切削インサート3が高精度に成形されていなければ、クランプネジ8をねじ込んで該切削インサート3を工具本体1に取り付けた状態で、上述のように着座面5を底面2Aに、逃げ面6の着座面5側の部分を壁面2Bに、同時に正確に密着させるのは困難となる。すなわち、切削インサート3の逃げ面6の外径が壁面2Bの内径よりも小さく成形されていた場合には、切削インサート3がインサート取付座2内において径方向にがたついてしまい、逆に逃げ面6の外径が壁面2Bの内径よりも大きく成形されていた場合には、切削インサート3の着座面5が底面2Aに密着しないので切削インサート3が傾いて取り付けられてしまうおそれがあり、いずれも切れ刃7が偏心回転することになる。
また、上記クランプネジ8のように皿ネジ頭状の頭部8Aによって切削インサート3が押圧されて取り付けられる場合には、切削インサート3の逃げ面6の外径が壁面2Bの内径よりも小さく成形されていても切削インサート3の径方向のがたつきを抑えて極端な偏心が生じるのを防ぐことはできるが、仮に逃げ面6と着座面5とが壁面2Bと底面2Aに密着して切削インサート3がインサート取付座2に取付可能な寸法に成形されていたとしても、切削インサート3は、この頭部8Aによって押圧される取付孔9の中心が軸線Oと一致するように位置決めされるため、例えば切削インサート3の周面が焼結されたままの周面非研磨品(M級品)で、取付孔9と周面(逃げ面6)との同心度すなわち円周状の切れ刃7との同心度が確保されていないと、やはり工具本体1を回転駆動した際に切れ刃7が偏心回転してしまい、高精度の旋削加工を行うことが困難となるおそれがあった。
その一方で、上記特許文献1に記載のように切削インサートの周面の着座面側に切欠を形成したり、あるいは特許文献2に記載のようにインサート取付座の壁面と首部の外周面との間を貫通する切込みを周方向に複数設けたりして、クランプネジをねじ込んで切削インサートをインサート取付座に着座させた際に、このインサート取付座壁面と首部外周面との間の周壁部を弾性変形させることにより、切削インサートの周面の中心が上記軸線と一致するようにした場合には、仮に切削インサートの周面の寸法精度がばらついていても、ばらつきを弾性変形により吸収し、切削インサートの着座面と逃げ面の着座面側の部分とを取付座に常に密着させることができるので、切削インサートが高精度加工されていなくても、切れ刃が偏心回転することを防ぐことができる。また、皿ねじを使う必要もなくなるので、皿ねじの位置決め作用による弊害も起きなくなる。
しかしながら、上記引用文献2に記載のものでは、インサート取付座の底面と壁面とが交差する部分に、切削インサートの着座面と周面との交差稜線部との干渉を防ぐための環状溝が形成されており、上記切込みをこの環状溝内にまで、場合によっては環状溝を越える部位まで加工することにより、ばねセグメントのばね作用が容易になり、すなわち周壁部の弾性変形量を大きくすることができるとされているが、このように環状溝を形成して切込みを加工すると、切れ刃の直下に位置して切削抵抗が直接的に作用する着座面の外周側縁部は、この環状溝の上に位置して何等支持されていない状態となる。また、特許文献1に記載のものでも、切削インサートの周面が切り欠かれた部分においてはインサート取付座壁面との間に隙間があくとともに、切れ刃の直下で切削抵抗を受ける着座面も切り欠かれることになるため、これら特許文献1、2に記載のクランプ機構を適用すると、切削抵抗に対する特に切れ刃部分でのインサート取付剛性を確保することができずに切削インサートの取付が不安定となって、やはり加工精度を損なうおそれがある。また、こうして切削インサートの取付が不安定となるのに伴い、切れ刃にチッピング損傷が発生し易くなるなどの工具損傷を招くおそれもある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、例えば切削インサートが上述のような周面非研磨品であって逃げ面の成形精度が低い場合でも、円周状をなす切れ刃の中心を工具本体の軸線に一致させることが可能であり、しかも切削抵抗が作用するこの切れ刃の直下において切削インサートを確実に支持してインサート取付剛性を確保し、これらによって、安価な周面非研磨品の切削インサートであっても高精度の旋削加工を行うことが可能なロータリバイトを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、工具本体のシャンク部から突設された外形円錐台状または円柱状の首部の突端に形成された凹状のインサート取付座に、円板状をなす切削インサートが上記シャンク部の軸線と同軸となるように着座させられて着脱可能に取り付けられるロータリバイトであって、上記インサート取付座は、上記切削インサートの着座面とされる円形をなす側面に対向する底面と、該切削インサートの周面に当接する壁面とを備え、上記底面には、該底面から凹んで上記軸線回りに周回するとともに、上記首部の外周面に周方向において複数の箇所で開口する凹溝が上記壁面と間隔をあけて形成されており、この凹溝と上記壁面との間には、上記着座面の外周側縁部に当接する支持面が形成されていることを特徴とする。
従って、このようなロータリバイトにおいては、まずインサート取付座の底面に、上記軸線回りに周回するとともにインサート取付座壁面から首部外周面に向けて周方向に複数の箇所で開口する凹溝が形成されていて、これによりこのインサート取付座壁面と首部外周面との間の首部の周壁部が、凹溝部の深さまでで周方向に複数に分割されて弾性変形可能とされる。このため、インサート取付座に切削インサートを取り付けた状態で、このように周壁部が弾性変形して切削インサートの周面にインサート取付座の壁面が密着して当接することにより、この周面の中心を上記シャンク部の軸線と一致させることができるので、たとえ切削インサートが上述のような安価な周面非研磨品であっても、該周面に連なる円周状の切れ刃を正確に、工具本体の回転中心となるシャンク部の軸線を中心に配置することが可能となる。
そして、さらにこのインサート取付座の壁面と上記凹溝との間には、切削インサートの着座面の外周側縁部が当接する支持面が形成されていて、上述のように複数に分割された周壁部が弾性変形しても、切削インサートの切れ刃の直下に位置するこの着座面の外周側縁部をこの支持面によって支持することができる。従って、切削時に切れ刃から作用する切削抵抗をこの支持面によって受け止めてインサート取付剛性を確保することができるので、上記構成のロータリバイトによれば、切削インサートを安定してインサート取付座に保持することができ、上述のように切れ刃の中心がシャンク部の軸線と正確に一致させられることと相俟って、高精度の旋削加工を安定して行うことが可能となるとともに、切削インサートの取付が安定するため、切れ刃のチッピング等の工具損傷が生じるのも防ぐことができる。
ここで、上記支持面は、例えばインサート取付座の上記底面と面一とされて、上記切削インサートが上記インサート取付座に取り付けられていない状態では、上記軸線に垂直な平面状とされていてもよい。このように、支持面がインサート取付座底面と面一とされて切削インサートが取り付けられていない状態では軸線方向に同じ位置にあっても、首部の周壁部が弾性変形することによってこの支持面は僅かに軸線方向に変位して、上記底面よりも突出した位置で切削インサートの着座面に当接することになるので、切削抵抗を確実に受け止めることが可能となる。
また、上述のように首部の外周面に向けて複数箇所で開口する凹溝を形成するには、一つに、この凹溝を、環状に形成するとともに、上記軸線に対して径方向外周に延びる周方向に等間隔な複数のスリットを有するようにして、このスリットが上記首部の外周面に開口するように形成すればよく、例えば図10および図11に示したロータリバイトのインサート取付座に、このようなスリットを有した凹溝を形成することにより、凹溝と壁面との間に弧状の上記支持面が残るように形成することができる。
特に、この場合においては、上記スリットを、上記軸線方向には該軸線に平行に延びるように形成したり、上記凹溝を、上記軸線を中心とした円環状に形成したりすることにより、この凹溝と円錐台状または円柱状をなす首部の外周面との間の周壁部を、周方向の幅が軸線方向に向けて略一定となるようにしたり、径方向の肉厚が周方向に沿って略一定となるようにしたりすることができるので、この周壁部を安定して弾性変形させることが可能となる。
一方、この凹溝は、上記首部の外周面に開口する複数の凹溝部によって構成されていてもよく、この場合には、これら複数の凹溝部が、上記軸線回りに周回するように配置されて、これらの凹溝部と上記壁面との間に支持面が形成される。従って、このような凹溝は、例えば図10および図11に示したロータリバイトのインサート取付座に、各凹溝部を首部の外周面に貫通するように延設するだけで形成可能であり、上述のようなスリットを有した凹溝を形成するのに比べて製造が容易である。
なお、上記切削インサートは、図10および図11に示したロータリバイトに取り付けられる切削インサートのように、その周面が、少なくとも上記着座面側で上記軸線を中心とした円周面状に形成されたものでもよく、この場合に、上記インサート取付座の壁面は該軸線を中心とした円弧面状に形成される。一方、該切削インサートの周面には、少なくとも上記着座面側に、上記軸線を中心とした円の接線方向に延びる切欠面が周方向に複数形成されていてもよく、この場合にも、上記インサート取付座の壁面は該軸線を中心とした円の接線方向に延びる平面状とすることにより、この壁面をインサート周面の切欠面に密着させて当接させることができる。
ここで、こうしてインサート周面には切欠面を形成するとともにインサート取付座壁面は平面状とした場合には、これらを密着させて当接させることにより、切削抵抗によって切削インサートがインサート取付座内で軸線回りに回転しようとするのを拘束することができ、例えば上記クランプネジによって切削インサートが取り付けられている場合でも、このクランプネジが緩んだり、逆にきつくねじ込まれて切削インサートの着脱が困難になるのを防ぐことができる。
ところが、インサート周面が円周面状であるとともにインサート取付座壁面は円弧面状である場合には、このような切削インサートの回転を拘束することはできない。そこで、特にこのような場合には、インサート取付座の底面に、切削インサートの着座面に形成された凹部に収容される突起部を形成して、この突起部によって切削インサートの回転を拘束するのが望ましい。
以上説明したように、本発明のロータリバイトによれば、円板状の切削インサートが安価な周面非研磨品であっても、切れ刃に連なる周面をインサート取付座の壁面に当接させることによって、円周状の切れ刃の中心を工具本体のシャンク部の軸線に一致させることができるとともに、この切れ刃に作用する切削抵抗を、該切れ刃直下の着座面外周側縁部に当接する支持面によって受け止めることができて、切削インサートの取付安定性を向上させることができるので、チッピングなどの工具損傷を生じさせることなく、高精度の旋削加工を図ることが可能となる。
図1ないし図5は、本発明のロータリバイトの第1の実施形態を示すものである。本実施形態においても、工具本体11は鋼材等から形成されて、その後端部が軸線Oを中心とした概略円柱状をなすシャンク部11Aとされるとともに、先端部は、シャンク部11Aより一段小径とされて、先端側に向かうに従い外径が漸次僅かに縮径する先細りの長尺円錐台状または円柱状の首部11Bとされていて、この首部11Bの突端面(先端面)に形成された凹状のインサート取付座12に、中心軸Cを中心とした円板状をなす切削インサート13が同軸配置となるように取り付けられている。なお、首部11Bは概略円錐台状または円柱状であればよく、例えば断面正十二角形などの多角形の断面を有する錐台状または柱状であってもよい。また、首部11Bをシャンク部11Aより一段小径としたり先細りとしたりすることなく、シャンク部11Aと同径のまま、その先端面にインサート取付座12が形成されたものとしてもよい。
また、切削インサート13も、超硬合金等の硬質材料により形成されて、図5に示すようにその一方の円形をなす側面がすくい面14とされるとともに、他方の円形をなす側面は着座面15とされ、またその周りの周面は逃げ面16とされて、この逃げ面16が、着座面15側に向かうに従いその外径が漸次小さくなる凸円錐面状の円周面とされたポジティブインサートとされ、この逃げ面16とすくい面14の交差稜線部に、該切削インサート13の中心軸Cを中心とした円周状をなす切れ刃17が形成されている。なお、上記すくい面14と着座面15とは、中心軸Cに垂直な平面状とされている。
さらに、すくい面14から着座面15にかけては、上記中心軸Cに沿ってクランプネジ18が挿通される取付孔19が形成されている。ただし、このクランプネジ18は、その頭部18Aが、図10および図11に示したロータリバイトのクランプネジ8のように皿ネジ頭状のものではなくて、平坦な円環状の裏面を有するものであり、これに伴い取付孔19にも、この裏面が当接する中心軸Cに垂直な円環状の平坦面19Aがすくい面14側に形成されている。また、取付孔19の着座面15側の開孔部には、中心軸Cに対する直径方向に長円状に延びる一対の凹部19Bが該取付孔19に連通するように形成されている。
このような切削インサート13が取り付けられる上記インサート取付座12も、本実施形態では上記突端面から軸線O方向後端側に一段凹み、工具本体1の先端側を向いて切削インサート13の着座面15と対向することになる軸線Oに垂直な底面12Aと、この底面12Aに対して先端側に向けて延び、かつ先端側に向かうに従い軸線Oからの内径が漸次大きくなる、軸線Oを中心とした凹円錐面状の円周面とされて、切削インサート13の着座面15側の逃げ面16(周面)に当接する壁面12Bとを備えている。
ただし、この凹円錐面状の壁面12Bが軸線Oに対してなす傾斜角は、切削インサート13の凸円錐面状の逃げ面16が中心軸Cに対してなす傾斜角よりも0.1°〜5°の範囲で、望ましくは2°程度小さくされている。また、底面12Aの中央には、軸線Oに沿って上記クランプネジ18がねじ込まれるネジ孔12Cが形成されるとともに、このネジ孔12Cの開孔部周縁の底面12A上には、切削インサート13の上記凹部19Bにそれぞれ収容される一対のキー型の突起部12Dが形成されている。
そして、さらにこのインサート取付座12の底面12Aには、該底面12Aから軸線O方向後端側に凹む凹溝20が、軸線O方向先端側から見て図3に示すように該軸線O回りに周回するとともに、首部11Bの周方向に間隔をあけた複数の箇所において壁面12Bから首部11Bの外周面11Cに向けて開口するように形成されており、この外周面11Cに開口する部分以外では、凹溝20は、インサート取付座12の上記壁面12Bと間隔をあけるようにして形成されている。
従って、この凹溝20と壁面12Bとの間には壁面12Bに連なるように底面12Aの外周部分が残されることになり、この部分が、切削インサート13の着座面15の外周側縁部に当接する支持面21とされる。このため、この支持面21は、切削インサート13が取り付けられていない状態では、底面12Aと同様に軸線Oに垂直な平面とされるとともに、該軸線O方向の位置も底面12Aと等しくされ、すなわち該底面12Aと面一な平面上に配置されることになる。
ここで、本実施形態における凹溝20は、軸線Oを中心とした円環状に形成されて該軸線O回りに周回するとともに、この円環から軸線Oに対する径方向外周に延びる、周方向に等間隔な複数(本実施形態では4つ)のスリット20Aを有しており、これらのスリット20Aが首部11Bの外周面11Cにまで達して貫通することにより、凹溝20は、首部11Bの周方向に等間隔をあけた4箇所において壁面12Bから外周面11Cに向けて開口している。
このため、この凹溝20の外周側には、該凹溝20と外周面11Cとの間に残された首部11Bの円筒状の壁部がスリット20Aによって等分割された4つの円弧板状の周壁部11Dが形成されることになって、これらの周壁部11Dは軸線Oに対する径方向外周側に弾性変形可能とされ、インサート取付座12の壁面12Bと上記支持面21とはこの周壁部11Dの突端部(先端部)に形成される。
また、本実施形態の凹溝20は、その円環状をなす部分の底面12Aに開口した部分における溝幅が、ネジ孔12Cの内周から壁面12Bまでの径方向の幅の概略1/3程度の大きさとされて、これらネジ孔12C内周と壁面12Bとの間の径方向略中央を周回するように配置されている。すなわち、このネジ孔12C内周から壁面12Bまでの間は、図3に示すように上記底面12Aと凹溝20と支持面21とによって同心状に径方向に略3等分割されて、支持面21は概略1/4円弧状に形成され、その外径は切削インサート13の着座面15の外径と略等しくされている。
なお、凹溝20は、その環状をなす部分の軸線Oに沿った断面が、溝幅が溝底側に向けて僅かに小さくなる軸線O方向に細長い等脚台形状とされている。また、スリット20Aは軸線O方向に向けては本実施形態では軸線Oに平行に延設され、その溝幅は、溝底側に向けても、軸線Oに対する径方向に向けても概ね一定とされている。さらに、このスリット20Aを含めた凹溝20の溝深さは、ネジ孔12Cの深さよりは浅く、ただし支持面21から首部11Bの最先端までの上記壁面12Bの高さなどよりは十分に大きくされて、切削インサート13を取り付けたときに壁面12B部分だけが変形するのではなく、周壁部11D全体が上述のように弾性変形するようにされている。なお、凹溝20の環状をなす部分とスリット20Aとは互いに等しい深さとされている。
このように構成されたインサート取付座12に、上記切削インサート13は、その着座面15を底面12Aに向けて対向させるとともに、凹部19Bに突起部12Dを緩く嵌り込むように収容して着座させられ、取付孔19に挿通させられたクランプネジ18をネジ孔12Cにねじ込むことにより、このクランプネジ18の頭部18Aが取付孔19の上記平坦面19Aを押圧して該切削インサート13が工具本体11の首部11Bに取り付けられ、本実施形態のロータリバイトが構成される。さらに、こうして構成されたロータリバイトは、工具本体11のシャンク部11Aが複合加工機の工具保持部に保持されて該シャンク部11Aの軸線O回りに回転駆動されつつ、切削インサート13の切れ刃17により被削材を旋削加工する。
ここで、上記構成のロータリバイトでは、インサート取付座12の壁面12Bの軸線Oに対する傾斜角が、切削インサート13の中心軸Cに対する逃げ面16の傾斜角すなわち逃げ角よりも僅かに小さくされるとともに、壁面12Bの直下に連なる支持面21の外径は切削インサート13の着座面15の外径と略等しくされているので、上述のように切削インサート13を着座させた状態で壁面12Bはその先端縁が逃げ面16に当接し、さらにクランプネジ18の頭部18Aによって平坦面19Aを押圧することにより、壁面12Bが外周側に押圧されて周壁部11Dが押し広げられるように弾性変形する。
そして、さらにクランプネジ18をねじ込んで切削インサート13を押し込むと、着座面15の外周側縁部がインサート取付座12の上記支持面21に当接するとともに壁面12Bが逃げ面16の着座面15側の部分に密着して当接したところで、切削インサート13は固定される。このとき、特に本実施形態ではクランプネジ18の頭部18Aの裏面と上記平坦面19Aとは軸線Oに垂直とされているので、切削インサート13は、この軸線Oに対する径方向の位置が微調整可能であり、弾性変形した周壁部11Dの反力が軸線Oを挟んで径方向に釣り合うように切削インサート13の位置が微調整され、すなわち周壁部11Dの弾性変形量が等しい状態となり、壁面12Bがなす円周面に逃げ面16がなす円周面が全周に亙って密着して当接させられて、これらの円周面が同軸となるように位置決めされる。
従って、このような構成のロータリバイトにおいては、超硬合金等からなる切削インサート13の周面(逃げ面16)が焼結したままの周面非研磨品であって、取付孔19の中心が円周状の切れ刃17の中心となる切削インサート13の中心軸Cと厳密に一致していなかったり、あるいは逃げ面16の外径が所定の径より僅かに大きくなるような成形誤差があったりしても、インサート取付座12の壁面12Bがなす円周面がシャンク部11Aの軸線Oを中心として形成してあれば、こうして逃げ面16と壁面12Bとが同軸となるように位置決めされることにより、この逃げ面16がなす円周面上に位置する切れ刃17を、工具本体11のシャンク部11Aの軸線Oを中心として正確に配設することができる。このため、周面非研磨の低コストの切削インサート13によっても高精度の旋削加工を行うことが可能となる。
そして、さらにこのインサート取付座12の壁面12Bと上記凹溝20との間に支持面21が形成されており、上述のように位置決めされた状態で切削インサート13の着座面15の外周側縁部にこの支持面21が当接させられて切削インサート13が支持されるため、切削時に切れ刃17に作用する切削抵抗、特にそのうち軸線O方向後端側に向けて作用する最も大きい主分力を、この切れ刃17の直下に位置した上記支持面21によって受け止めることが可能となる。このため、上記構成のロータリバイトによれば、切削インサート13のインサート取付座12への取付剛性を確保して切削時でも安定して切削インサート13を保持することができ、チッピングなどの工具損傷を生じさせることなく、上述のような高精度の旋削加工をより確実に、かつ安定的に行うことが可能となる。
また、本実施形態では、この支持面21が、図10および図11に示した例のロータリバイトにおけるインサート取付座2の軸線Oに垂直な底面2Aに凹溝20を延設することによって壁面12Bとの間に残されるように形成されており、従ってこの支持面21は、上述のように周壁部11Dが弾性変形して切削インサート13が取り付けられていない状態では、インサート取付座12のネジ孔12C周辺の底面12Aと軸線O方向に同じ位置にあって該底面12Aと面一な平面上に配設される。
そして、この状態から周壁部11Dが弾性変形して外周側に僅かに拡がることにより、この支持面21は軸線O方向に変位して、特にその凹溝20との交差稜線部分が底面12Aよりも僅かに突出した位置で切削インサート13の着座面15に当接することになる。このため、本実施形態のロータリバイトでは、より確実にこの支持面21によって切削インサート13の着座面15の外周側縁部を支持することができ、例えば支持面21よりもインサート取付座12の底面12Aが軸線O方向に突出して着座面15と当接することにより切れ刃17に作用する切削負荷をその直下で受け止めることができなくなるような事態を防止することが可能となる。また、その一方で、上記支持面21と壁面12Bとの交差稜線部分は、着座面15が当接する凹溝20との上記交差稜線部分に対して軸線O方向に僅かに後退して該着座面15との間に微小な間隔をあけることになるので、この支持面21と壁面12Bとの交差稜線部分が切削インサート13の着座面15と逃げ面16との交差稜線部分と干渉することもない。
ただし、本実施形態では、このように切削インサート13が首部11Bに取り付けられていない状態で底面12Aと支持面21とが軸線Oに垂直な同一平面上に位置するようにされているが、この状態で予め底面12Aが突起部12Dを除いて支持面21よりも僅かに軸線O方向後端側に位置するように形成されていてもよく、また着座面15の外周側縁部が支持面21と当接したところで底面12Aも着座面15の取付孔19周辺に当接して切削インサート13を支持するようにされていてもよい。さらに、支持面21は、周壁部11Dが上述のように弾性変形して外周側に僅かに拡がったところで軸線Oに垂直となるように、首部11Bに切削インサート13が取り付けられていない状態では該首部11Bの内周側に向かうに従い僅かに軸線O方向後端側に向かう傾斜面とされていてもよい。
一方、本実施形態ではこのような支持面21を形成する上記凹溝20が、インサート取付座12の底面12Aに環状に形成されて該軸線O回りに周回するとともに、この軸線Oに対して径方向外周に延びる周方向に等間隔な複数のスリット20Aを有して、このスリット20Aにより首部11Bの外周面11Cに周方向に複数箇所で開口するように形成されている。このため、スリット20Aの数によって凹溝20が外周面11Cに開口する箇所や周方向の間隔、すなわち弾性変形可能とされる周壁部11Dの数や周方向の幅を自由に設定することができ、切削インサート13や首部11Bの径に応じて適正に弾性変形するように周壁部11Dを形成することが可能となる。
また、本実施形態では、この凹溝20の環状をなす部分が軸線Oを中心とした円環状とされていて、同じく軸線Oを中心とした円錐台状あるいは円柱状をなす首部11Bの外周面11Cとの間に形成される周壁部11Dの径方向の厚さを、周方向に向けて均一とすることができる。さらに、スリット20Aは軸線Oに平行に延びていて、周壁部11Dの周方向の幅も軸線O方向に向けて略一定とすることができるので、本実施形態ではこれらにより、該周壁部11Dを安定的かつ均一に弾性変形させて切削インサート13の切れ刃17の中心を確実に工具本体11におけるシャンク部11Aの軸線O上に位置させることができる。
なお、本実施形態における切削インサート13は、インサート取付座12の上記壁面12Bに密着して当接するその逃げ面16が、切れ刃17が形成されたすくい面14から着座面15にかけて漸次外径が小さくなる凸円錐面状に形成されていて、すなわち壁面12Bに密着する着座面15側でも中心軸Cに直交する断面が該中心軸Cを中心とした円周状をなす円周面とされており、これに合わせてインサート取付座12の各壁面12Bも軸線Oに直交する断面が該軸線Oを中心とした円弧をなす円弧面状に形成されている。
このため、上述のようにこのインサート取付座12の壁面12Bが精度良く形成されていれば、切削インサート13の逃げ面16がなす円周面も軸線Oを中心に配置することができて、すなわち切れ刃17も軸線O中心に正確に位置決めすることができるのであるが、その反面このような切削インサート13およびインサート取付座12では、切削時に円板状の切削インサート13の周方向に向けて大きな負荷が作用して切削インサート13が回転すると、その向きによってはクランプネジ18が緩んでしまったり、逆にクランプネジ18がネジ孔12Cに強くねじ込まれ過ぎてしまって切削インサート13を取り外すのが困難となってしまったりするおそれがある。
そこで、本実施形態では、インサート取付座12の底面12Aに突起部12Dを形成して、切削インサート13の着座面15に形成された凹部19Bに緩く嵌り込むように収容しつつ、インサート取付座12に切削インサート13を着座させるようにしており、切削インサート13が周方向に回転しようとしても、突起部12Dに凹部19Bが引っ掛かってこのような切削インサート13の回転が拘束されるため、クランプネジ18の緩みやねじ込まれ過ぎを防止することが可能となる。
ただし、このようにインサート取付座12の底面12Aに突起部12Dを形成するとともに切削インサート13には該突起部12Dを収容する凹部19Bを形成するのに代えて、図8に示すように、円周面状の逃げ面16(周面)の着座面15側に、シャンク部11Aの軸線Oと一致させられる中心軸Cを中心とした円の接線方向に延びる切欠面22が周方向に複数形成された切削インサート23を用いて、かかる切削インサート23を、図6、図7にそれぞれ示す第2、第3の実施形態のロータリバイトのように工具本体11の首部11Bの突端に形成されたインサート取付座12に着脱可能に取り付けるようにしてもよい。なお、これら第2、第3の実施形態を初め、後述する第4の実施形態でも、第1の実施形態と共通する要素には同一の符号を配して説明を省略する。
ここで、上記切削インサート23においては、第1の実施形態と同様にすくい面14から着座面15に向かうに従い漸次外径が小さくなる凸円錐面状の逃げ面16の中心軸C方向略中央から着座面15側に、この凸円錐面の中心軸Cに対する傾斜角よりも大きな傾斜角で傾斜し、かつ上述のように中心軸Cを中心とした円の接線方向に延びる平面状の上記切欠面22が、周方向に等間隔をあけて4つ、中心軸C回りに90°ずつ回転対称となるように形成されている。なお、着座面15に凹部19Bは形成されていない。
このような切削インサート23が取り付けられるインサート取付座12は、第2の実施形態では図6(b)に示すように、第1の実施形態と同様に径方向外周側に延びる複数(4つ)のスリット20Aを備えた円環状の凹溝20が底面12Aに形成されたものであって、この凹溝20とそのスリット20Aおよび首部11Bの外周面11Cとの間に形成される複数の周壁部11Dが弾性変形可能とされている。
ただし、これらの周壁部11Dの先端(突端)に形成されるインサート取付座12の壁面12Bは、上記切欠面22と密着して当接するように、軸線O方向先端側に向けては該切欠面22が中心軸Cに対してなす傾斜角よりも0.1〜5°ほど小さい傾斜角で外周側に向かうように軸線Oに対して傾斜し、かつ周方向には軸線Oを中心とする円の接線方向に延びる傾斜平面状とされる。そして、このような壁面12Bが、上記切欠面22に対応して4つ、軸線O回りに90°ずつ回転対称となるように配置されている。
従って、この第2の実施形態では、個々の周壁部11D突端の上記壁面12Bと凹溝20との間に形成される支持面21は、工具本体11内周側が凹溝20に沿った軸線Oを中心とする凹円弧状とされるとともに、外周側は壁面12Bに沿って軸線Oを中心とする円の接線方向に延びる直線状とされる。このため、この支持面21の軸線Oに対する径方向の幅は該支持面21の周方向の両端部で大きく、中央部で小さくなるようにされる。
一方、第3の実施形態のインサート取付座12は、図7(b)に示すように壁面12Bが傾斜平面状である点では第2の実施形態と共通しているが、凹溝20が、軸線O方向先端側から見て円環状ではなく、軸線Oを中心とする多角形の環状をなすようにして軸線O回りに周回し、かつこの多角形の頂点から軸線Oに対する径方向外周側に延びるスリット20Aを有して、首部11Bの外周面11Cに開口するように形成されている。ここで、この凹溝20がなす多角形は、本実施形態ではその各辺が傾斜平面状をなす壁面12Bと平行に延びる正多角形(正方形)とされている。
従って、この第3の実施形態では、支持面21は、上記多角形の辺に沿って軸線Oを中心とした円の接線方向に延びる扁平した等脚台形状を呈することになって、その幅は周方向に略一定とされる一方、凹溝20の内側に形成されるインサート取付座12の底面12Aは、ネジ孔12Cを除いて凹溝20と同様の多角形状(本実施形態では正方形状)を呈することになる。なお、これら第2、第3の実施形態においては底面12Aに突起部12Dは形成されていない。
このように構成された第2、第3の実施形態のロータリバイトでは、切削インサート23の逃げ面16に形成された中心軸Cを中心とする円の接線方向に延びる傾斜平面状の切欠面22に、インサート取付座12の軸線Oを中心する円の接線方向に延びる同じく傾斜平面状の壁面12Bが密着して当接するので、第1の実施形態と同様にこれら壁面12Bと切欠面22とが精度良く形成されていれば、切れ刃17を正確に軸線Oを中心とした円周上に配置することができる。また、切削インサート23は、着座面15の外周側縁部のうち、切欠面22に交差する部分が支持面21に当接して支持されるので、やはり第1の実施形態と同様に切れ刃17に作用する切削抵抗をその直下で確実に受け止めて、インサート取付剛性を確保することができる。
そして、こうして傾斜平面状の切欠面22と壁面12Bとが密着することにより、これら第2、第3の実施形態によれば、第1の実施形態のような突起部12Dと凹部19Bによらずとも、切削インサート23の軸線O回りの回転を拘束することができて、クランプネジ18の緩みやねじ込み過ぎを防止することが可能となる。ただし、このように構成された第2、第3の実施形態でも、第1の実施形態の突起部12Dと凹部19Bとを併用して、一層確実な切削インサート23の回転防止を図るようにしてもよい。
さらに、図9は本発明の第4の実施形態の工具本体11を示すものであり、上記第1ないし第3の実施形態では、凹溝20が、インサート取付座12の底面12Aに環状をなして周回するように形成されるとともに、この環から径方向外周側に延びるスリット20Aを有して壁面12Bから首部11Bの外周面11Cに開口しているのに対し、この第4の実施形態では、凹溝30が、このようなスリットを有しておらず、それぞれが首部11Bの外周面11Cに開口する複数の凹溝部30Aによって構成されていて、これらの凹溝部30Aが上記軸線O回りに周回するように配置されていることを特徴としている。
ここで、この第4の実施形態のロータリバイトに取り付けられるのは、切欠面を備えない図5に示した切削インサート13であり、従って工具本体11のインサート取付座12の壁面12Bは、第1の実施形態と同様に先端側に向かうに従い漸次内径が大きくなる軸線Oを中心とした凹円錐面状の円弧面とされる。また、インサート取付座12の底面12Aにおいては、そのネジ孔12Cの開孔部の周囲に、円板状をなす一対の突起部12Dが形成されて、切削インサート13の凹部19Bに収容されることにより切削インサート13の回転を拘束する。
そして、このインサート取付座12の底面12Aには、本実施形態では軸線O方向先端側から見て該軸線Oを中心とする円の接線方向に直線状に延びる複数(4つ)の凹溝部30Aが、それぞれ上記円との接点において壁面12Bとの間に間隔をあけるようにして、多角形(正方形)をなすように形成されており、これらの凹溝部30Aによって、軸線O回りに多角形状をなすように周回するとともに首部11Bの外周面11Cに周方向において複数の箇所で開口する凹溝30が構成されている。ただし、隣接する凹溝部30A同士の接線方向の端部は、底面12A上では交差することなく、首部11Bの外周面11Cに抜け出たところで交差しており、これらの端部が抜け出た部分の間には、壁面12Bを有する周壁部11Dが残されないようにさせられている。
従って、この第4の実施形態では、凹溝30の各凹溝部30Aと壁面12Bとの間に、この凹溝部30Aとの交差稜線が円弧の弦をなすとともに壁面12Bとの交差稜線がこの弦の両端を結ぶ弧となるような形状の平坦な支持面21がそれぞれ形成されることになる。また、凹溝30と首部11Bの外周面11Cとの間には、軸線Oに直交する断面が、やはり凹溝部30Aが円弧の弦をなすとともに外周面11Cがこの弦の両端を結ぶ弧となるような形状の周壁部11Dが形成されて弾性変形可能とされる。
このような第4の実施形態のロータリバイトでも、こうして弾性変形可能に形成された周壁部11D上に位置する壁面12Bにより、切削インサート13の切れ刃17を工具本体11のシャンク部11Aの軸線Oを中心として正確に位置決めできるとともに、上記支持面21によって切削インサート13の切れ刃17直下における着座面15の外周側縁部を支持することができ、高精度の旋削加工を安定して行うことが可能となる。
また、この第4の実施形態では、両端部が首部11Bの外周面11Cに開口するように各凹溝部30Aを形成するだけで凹溝30を構成することができるので、底面12A上で周回する環状部分から径方向外周側に延びるスリット20Aを有する第1ないし第3の実施形態の凹溝20を形成するのに比べ、工具本体11の製造が容易であるという利点も得られる。しかも、この第4の実施形態では、この凹溝部30Aを上記接線方向に延びるように真っ直ぐ形成するだけでよいので、工具本体11の製造を一層容易とすることができる。
ただし、この第4の実施形態では、このように凹溝部30Aが軸線Oを中心とした円の接線方向に真っ直ぐ延びるように形成されているが、例えばこの円との接点周辺では凹溝部30Aが径方向外周側に凸状に膨らむように形成して、軸線O方向先端側から見て第1の実施形態と同じような円弧状の支持面21が形成されるようにしてもよい。また、これらの凹溝部30Aをそれぞれ全体的に壁面12Bよりも曲率半径の大きな円弧状に形成して、軸線O方向先端側から見て三日月状の支持面21が形成されるようにしてもよい。
さらに、第4の実施形態では、隣接する凹溝部30A同士の接線方向の端部が首部11Bの外周面11Cに抜け出たところで交差させられているが、これらの凹溝部30A同士が外周面11Cに開口した箇所で交差するように形成されていてもよい。さらにまた、この第4の実施形態において複数の凹溝部30Aにより構成される凹溝30が軸線O方向先端側から見てなす多角形や、あるいは第3の実施形態において凹溝20の環状部分がなす多角形は、上述のような正方形以外の多角形であってもよいが、正多角形であるのが、切削インサート13、23の位置決め精度のためには望ましく、またその角数は、第3の実施形態のように切削インサート23が切欠面22を有するものであれば、その数に応じて設定される。
一方、これら第1ないし第4の実施形態の切削インサート13、23は、切削インサート23の切欠面22を除いて、その逃げ面16となる周面が凸円錐面状をなして一定の傾斜角(逃げ角)ですくい面14から着座面15に至るように形成されているが、この傾斜角が着座面15に至る途中で変化する多段逃げ面とされていてもよい。この場合の第1、第4の実施形態における壁面12Bの傾斜角は、このうち着座面15側の逃げ面16の傾斜角に対して僅かに小さくされていればよい。
さらにまた、これらの実施形態では、切削インサート13、23がこのように逃げ面16が傾斜したポジティブインサートとされていて、壁面12Bがこの逃げ面16の着座面15側に密着して当接するようにされているが、インサート取付座12の壁面12Bが部分的にでも切削インサートの周面(逃げ面)に当接可能であれば、逃げ面とされる周面が切削インサートの中心軸に平行な円周面(円筒面)とされたネガティブインサートに本発明を適用することも可能である。
本発明の第1の実施形態を示す図であって、(a)は軸線O方向先端側から見た平面図、(b)は図1(a)の下側から見た側面図、(c)は図1(a)の右側から見た先端側部分の側面図、(d)は斜視図である。 本発明の第1の実施形態を示す図であって、(a)は図1(b)の縦断面図、(b)は図1(c)の縦断面図である。 本発明の第1の実施形態の工具本体11を示す図であって、(a)は軸線O方向先端側から見た平面図、(b)は図3(a)の下側から見た側面図、(c)は図3(a)の右側から見た先端側部分の側面図、(d)は斜視図である。 本発明の第1の実施形態の工具本体11を示す図であって、(a)は図3(b)の縦断面図、(b)は図3(c)の縦断面図である。 本発明の第1、第4の実施形態の切削インサート13を示す図であって、(a)はすくい面14側から見た平面図、(b)は図5(a)の下側から見た一部破断側面図、(c)は着座面15側から見た底面図、(d)は図5(a)の右側から見た一部破断側面図、(e)はすくい面14側から見た斜視図、(f)は着座面15側から見た斜視図である。 本発明の第2の実施形態を示す図であって、(a)は斜視図、(b)はこの第2の実施形態の工具本体11の斜視図である。 本発明の第3の実施形態を示す図であって、(a)は斜視図、(b)はこの第3の実施形態の工具本体11の斜視図である。 本発明の第2、第3の実施形態の切削インサート23を示す図であって、(a)はすくい面14側から見た平面図、(b)は図8(a)の下側から見た一部破断側面図、(c)は着座面15側から見た底面図、(d)は図8(a)の右側から見た一部破断側面図、(e)はすくい面14側から見た斜視図、(f)は着座面15側から見た斜視図である。 本発明の第4の実施形態を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は第4の実施形態の工具本体11を軸線O方向先端側から見た平面図、(c)は同工具本体11の側面図、(d)は同工具本体11の斜視図である。 複合加工機に装着されて回転駆動させられるロータリバイトの一例を示す図であって、(a)は軸線O方向先端側から見た平面図、(b)は側面図、(c)は斜視図、(d)は図10(b)の縦断面図である。 図10に示す例のロータリバイトの工具本体1を示す図であって、(a)は軸線O方向先端側から見た平面図、(b)は側面図、(c)は斜視図である。
符号の説明
11 工具本体
11A シャンク部
11B 首部
11C 首部11Bの外周面
11D 周壁部
12 インサート取付座
12A インサート取付座12の底面
12B インサート取付座12の壁面
12C ネジ孔
12D 突起部
13、23 切削インサート
14 すくい面
15 着座面
16 逃げ面(切削インサート13、23の周面)
17 切れ刃
18 クランプネジ
19 取付孔
19A 平坦部
19B 凹部
20、30 凹溝
20A スリット
21 支持面
22 切欠面
30A 凹溝部
O 工具本体11のシャンク部11Aの軸線
C 切削インサート13、23の中心軸

Claims (9)

  1. 工具本体のシャンク部から突設された外形円錐台状または円柱状の首部の突端に形成された凹状のインサート取付座に、円板状をなす切削インサートが上記シャンク部の軸線と同軸となるように着座させられて着脱可能に取り付けられるロータリバイトであって、上記インサート取付座は、上記切削インサートの着座面とされる円形をなす側面に対向する底面と、該切削インサートの周面に当接する壁面とを備え、上記底面には、該底面から凹んで上記軸線回りに周回するとともに、上記首部の外周面に周方向において複数の箇所で開口する凹溝が上記壁面との間に間隔をあけて形成されており、この凹溝と上記壁面との間には、上記着座面の外周側縁部に当接する支持面が形成されていることを特徴とするロータリバイト。
  2. 上記支持面は、上記切削インサートが上記インサート取付座に取り付けられていない状態で上記軸線に垂直な平面状とされていることを特徴とする請求項1に記載のロータリバイト。
  3. 上記凹溝は、環状に形成されるとともに、上記軸線に対して径方向外周に延びる周方向に等間隔な複数のスリットを有して、上記首部の外周面に開口していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロータリバイト。
  4. 上記スリットは、上記軸線方向には該軸線に平行に延びていることを特徴とする請求項3に記載のロータリバイト。
  5. 上記凹溝は、上記軸線を中心とした円環状に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のロータリバイト。
  6. 上記凹溝は、上記首部の外周面に開口する複数の凹溝部によって構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のロータリバイト。
  7. 上記切削インサートの周面は、少なくとも上記着座面側が上記軸線を中心とした円周面状に形成されるとともに、上記インサート取付座の壁面は該軸線を中心とした円弧面状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のロータリバイト。
  8. 上記切削インサートの周面には、少なくとも上記着座面側に、上記軸線を中心とした円の接線方向に延びる切欠面が周方向に複数形成されるとともに、上記インサート取付座の壁面は該軸線を中心とした円の接線方向に延びる平面状とされていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のロータリバイト。
  9. 上記インサート取付座の底面には、上記切削インサートの着座面に形成された凹部に収容される突起部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のロータリバイト。
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