JP2014074772A - 感放射線性重合体組成物、絶縁膜および有機el素子、 - Google Patents

感放射線性重合体組成物、絶縁膜および有機el素子、 Download PDF

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Abstract

【課題】NMPを用いずに調製され、特性の良好な有機EL素子の絶縁膜を形成できる感放射線性重合体組成物を提供し、絶縁膜および有機EL素子を提供する。
【解決手段】感放射線性重合体組成物は、(A)テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸及び該ポリアミック酸を脱水閉環してなるポリイミドよりなる群から選択される少なくとも一種の重合体、(B)キノンジアジド化合物、
(C)溶剤を含有する感放射線性重合体組成物であって、
前記テトラカルボン酸二無水物が下記式(1)で示される構造を有することを特徴とする感放射線性重合体組成物に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、感放射線性重合体組成物、絶縁膜および有機EL(Electro Luminescence)素子に関する。
有機化合物による電界発光を利用した有機EL素子は、ディスプレイ等表示素子の他、次世代の照明技術としても期待されている。
有機EL素子を用いた表示素子である有機EL表示素子は、自発光型であってバックライトを必要とせず、広視角で高速応答の画像表示が可能である。そして、低消費電力であり、薄型、軽量等の優れた特徴を有する。そのため、有機EL表示素子は、近年盛んに開発が進められている。
このような有機EL表示素子は、一般的に次のような方法によって製造される。まず、基板上にITO(Indium Tin Oxide:インジウムドープ酸化錫)等からなる陽極(ホール注入電極)およびホール輸送層のパターンを形成する。次いで、パッシブ型有機EL表示素子にあっては、絶縁膜のパターンおよび陰極隔壁のパターンを形成した後、有機発光層、電子輸送層および陰極(電子注入電極)を、例えば、蒸着によりパターニングする。また、アクティブ型有機EL表示素子では、ITOパターン、有機発光層の隔壁ともなる絶縁膜のパターンを形成した後、有機発光層のパターンをマスキング法やインクジェット法等により形成し、次いで電子輸送層および陰極(電子注入電極)を形成する。ここで、隔壁となる絶縁膜は、フォトリソグラフィ法によるパターニングが可能な重合体を用いて構成することができる(例えば、特許文献1および2を参照。)。そして、有機発光層としては、例えば、Alq、BeBq等の基材母体にキナクリドンやクマリンをドープした材料を用いることができる。
近年、表示素子は高精細化が求められており、有機EL表示素子においても開口率を高める検討がなされている。
例えば、アクティブ型有機EL表示素子では、より高い開口率を実現できるように、隔壁をなす絶縁膜の他に、特許文献1および特許文献2に記載されるような、平坦化機能を備えた絶縁膜の導入が検討されている。このようなアクティブ型有機EL表示素子は、例えば、次のような方法によって製造される。まず、ガラス等の基板上にマトリクス状に設けられた複数の画素毎に、アクティブ素子である薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)を形成する。そのTFTの上に平坦化膜を兼ねた第一の絶縁膜を形成する。次いで、その上に陽極のパターンを形成する。このときのパターン形成は、通常、ウェット・エッチング法を用いている。さらにその上に、マスキング法によりホール輸送層のパターンを形成する。続いて、陽極および有機発光層の隔壁となる第二の絶縁膜のパターン、並びに有機発光層のパターンをマスキング法やインクジェット法等により形成し、次いで、電子輸送層および陰極を順次形成する。このとき、陽極とTFTとを接続させるため、第一の絶縁膜に1μm〜15μm程度のスルーホールを形成する必要がある。
以上の構造と製造方法による有機EL表示素子であるが、有機発光層の隔壁やTFT上の平坦化膜として機能する絶縁膜は、所望とするパターニングが容易な重合体を用いることが好ましい。その場合、絶縁膜を構成する重合体は、耐熱性や機械的強度等の各種特性が良好であることが求められる。さらに、絶縁膜の形成においては、簡便な被膜形成と、例えば、フォトリソグラフィ法を利用した簡便なパターニングが可能となるように、液状の感放射線性の重合体組成物を使用できることが好ましい。こうした観点から、特許文献3では、有機EL素子の絶縁膜にポリイミドを使用する技術が開示されている。
ポリイミドは、耐熱性や機械的強度等の各種特性が良好であり、その膜形成には、液状の重合体組成物を使用することができる。そして、感放射線性を有する重合体組成物を用いた形成が可能である。その場合、その重合体成分としては、ポリイミド前駆体であるポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、およびポリイミド等を用いることができる。
ポリイミド形成のための重合体組成物の成分にポリイミド前駆体やポリイミド等を用いる場合、まず、そのポリイミド前駆体やポリイミド等の合成を行うことが通常である。
ポリイミド前駆体やポリイミド等の合成を行う場合、ポリアミック酸やポリイミド等の溶解性が低いことから、合成に使用される重合溶剤としては、N−メチルピロリドン(NMP)等の非プロトン性の溶剤が多用されることになる。そして、ポリアミック酸やポリイミド等は合成された後、そのNMP溶液の状態で、重合体組成物として、絶縁膜の形成に使用されることが好ましい。
特開2011−107476号公報 特開2010−237310号公報 特開2009−9934号公報 特開2012−72118号公報
しかしながら、有機EL素子において、有機発光層の隔壁やTFT上の平坦化膜として機能する絶縁膜の形成を行う場合、N−メチルピロリドン(NMP)については吸湿性の高さが問題となることがある。
有機EL表示素子等の有機EL素子においては、有機発光層が低分子系材料を用いた低分子−有機発光層であっても、高分子系材料を用いた高分子−有機発光層であっても、水分と接触すると速やかに劣化し、その発光状態が阻害されることが知られている。このような水分は、外部環境から浸入する場合と、吸着水等の形態で絶縁膜形成材料に含まれる微量の水分が徐々に有機発光層に浸入する場合があると考えられている。
したがって、N−メチルピロリドン(NMP)については、その吸湿性の高さによって、低分子−有機発光層であっても、高分子−有機発光層であっても、有機EL素子の有機発光層を劣化させることがある。その結果、NMPは有機EL素子の発光状態を阻害することがあり、有機EL素子の絶縁膜の形成に用いることは好ましくない。すなわち、有機EL素子の絶縁膜を形成する重合体組成物の溶剤等として、NMPを含有させることは好ましくない。有機EL素子の絶縁膜を形成する重合体組成物は溶剤等として、NMP以外の溶剤を含有させることが好ましい。
そのため、ポリイミドは、耐熱性や機械的強度等の各種特性が良好であって好ましいものの、有機EL素子への適用が製造工程を煩雑にする場合があった。すなわち、有機EL素子の絶縁膜にポリイミドを用いる場合、その形成用の重合体組成物にポリアミック酸やポリイミドが成分として含有される。その場合、NMPを重合溶剤として所望のポリアミック酸やポリイミドを合成した後、それらを沈殿させて、ポリアミック酸やポリイミドを単離する必要があった。そして、単離されたポリアミック酸やポリイミドを精製してNMPを除去し、その後再び、有機発光層を劣化させる懸念の無い溶剤に溶解させ、成分を調整し、絶縁膜形成用の感放射線性の重合体組成物を調製していた。
以上のように、有機EL素子の絶縁膜を耐熱性等特性の良好なものとするため、ポリイミドを使用する場合、ポリアミック酸やポリイミド等を合成した後に単離をし、別の溶剤に再溶解させるプロセスを経ることが必須となっていた。そのため、有機EL素子の製造における工程数が増加し、生産性を低下させることが懸念されていた。
そこで、NMPを用いること無く重合体組成物から形成されて、所望とするパターニングが可能であり、耐熱性や機械的強度等の各種特性が良好な絶縁膜が求められており、その形成に好適な感放射線性重合体組成物が求められている。そして、その絶縁膜を有する有機EL素子が求められている。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、NMPを用いること無く調製され、特性の良好な有機EL素子の絶縁膜の形成に用いることができる感放射線性重合体組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、NMPを用いること無く調製された感放射線性重合体組成物を用いて形成されて、特性の良好な有機EL素子の絶縁膜を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、NMPを用いること無く調製された感放射線性重合体組成物を用いて形成されて特性の良好な絶縁膜を有する有機EL素子を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
(A)テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸及び該ポリアミック酸を脱水閉環してなるポリイミドよりなる群から選択される少なくとも一種の重合体、
(B)キノンジアジド化合物、
(C)溶剤を含有する感放射線性重合体組成物であって、
前記テトラカルボン酸二無水物が下記式(1)で示される構造を有することを特徴とする感放射線性重合体組成物に関する。
Figure 2014074772
(式(1)中、Arは2価の芳香族基である。「*」は結合手を示す。)
本発明の第1の態様において、前記式(1)のArは、下記式(2−1)または式(2−2)で表される構造を含有することが好ましい。
Figure 2014074772
Figure 2014074772
(式(2−1)中、Rは、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基若しくはフルオロアルキル基であり、mは0〜4の整数である。但し、mが2以上の場合、複数のRはそれぞれ独立して上記定義を有する。「*」は窒素原子に結合する結合手を示す。)
本発明の第1の態様において、テトラカルボン酸二無水物が下記式(3―1)または式(3−2)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2014074772

Figure 2014074772
本発明の第1の態様において、前記ジアミン成分が、下記式(4)のいずれか1つで示される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2014074772
本発明の第1の態様において、前記(C)溶剤がジエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、γ―ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明の第1の態様において、(C)溶剤は、γ−ブチロラクトンを50質量%〜90質量%含むことが好ましい。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の感放射線性重合体組成物を用いて形成され、有機EL素子に用いられることを特徴とする絶縁膜に関する。
本発明の第3の態様は、本発明の第2の態様の絶縁膜を有することを特徴とする有機EL素子に関する。
本発明の第1の態様によれば、NMPを用いること無く調製され、特性の良好な有機EL素子の絶縁膜の形成に用いることができる感放射線性重合体組成物が得られる。
本発明の第2の態様によれば、NMPを用いること無く調製された感放射線性重合体組成物を用いて形成されて、特性の良好な有機EL素子の絶縁膜が得られる。
本発明の第3の態様によれば、NMPを用いること無く調製された感放射線性重合体組成物を用いて形成されて特性の良好な絶縁膜を有する有機EL素子が得られる。
本実施形態の有機EL表示素子の主要部の構造を模式的に説明する断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
尚、本発明において、露光に際して照射される「放射線」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等を含む概念である。
<感放射線性重合体組成物>
本実施形態の感放射線性重合体組成物は、有機EL素子の絶縁膜の形成に用いられる感放射線性の重合体組成物であり、(A)重合体、(B)キノンジアジド化合物、および(C)溶剤を含有するものである。以下、各成分の詳細について説明する。
[(A)重合体]
本実施形態の感放射線性重合体組成物に含有される(A)重合体は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸及び該ポリアミック酸を脱水閉環してなるポリイミドよりなる群から選択される少なくとも一種の重合体であれば特に限定されない。(A)重合体は、アルカリ可溶性の重合体であることが好ましい。尚、ここに言うポリイミド前駆体には、ポリアミック酸が含まれる。
<ポリアミック酸>
[テトラカルボン酸二無水物]
《特定テトラカルボン酸二無水物)》
本発明におけるポリアミック酸の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物としては、少なくともその一部に、下記式(1)で表される構造を有する特定テトラカルボン酸二無水物が含まれる。
Figure 2014074772
(式(1)中、Arは2価の芳香族基である。「*」は結合手を示す。)
上記式(1)のArは、芳香環が有する2つの水素原子を除いた2価の基であり、具体的には、芳香環として、例えばベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、フラン環、ピロール環、チオフェン環などの単環;ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、インデン環、ピレン環、キノリン環、ジフェニルスルホニル基等の多環;などを1つ又は複数有する2価の基を挙げることができる。
このような2価の芳香族基の具体例としては、例えば1,3−フェニレン基、1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基、2,4−ピリジレン基、2,5−ピリジレン基、2,5−ピラジニレン基、2,5−ピリミジニレン基、4,4’−ビフェニレン基、トリフェニレン基、3,3‘−ジフェニルスルホニル基等が挙げられる。
また、Arにおいて、これらの芳香環には置換基が結合されていてもよく、その置換基としては、例えばアルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子などを挙げることができる。
Arとしては、形成される塗膜の液晶配向性が良好になる点や入手容易な点において、フェニレン基又は置換フェニレン基、ジフェニルスルホニル基が好ましく、その具体例としては、下記式(2−1)または式(2−2)で表される構造が好ましい。
Figure 2014074772
Figure 2014074772
(式(2−1)中、Rは、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基若しくはフルオロアルキル基であり、mは0〜4の整数である。但し、mが2以上の場合、複数のRはそれぞれ独立して上記定義を有する。「*」は窒素原子に結合する結合手を示す。)
上記式(2−1)のRにおいて、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、上記炭素数1〜6のアルキル基として挙げた基が酸素原子に結合したものを挙げることができ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
炭素数1〜6のフルオロアルキル基としては、上記炭素数1〜6のアルキル基として挙げた基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された基を挙げることができ、具体的には、例えばトリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル基等が挙げられる。 mは0〜2が好ましく、0がより好ましい。
式(2−1)中の「フェニレン基」部分としては、1,3−フェニレン基又は1,4−フェニレン基が好ましく、1,4−フェニレン基がより好ましい。
特定テトラカルボン酸二無水物は、上記式(2−1)または式(2−2)で表される構造を有する限り、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物及び芳香族テトラカルボン酸二無水物のうちいずれであってもよい。
これらの具体例としては、例えば、上記式(2−1)または式(2−2)における2つの結合手のそれぞれが、例えば炭素数1〜3の鎖状構造;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式構造;ベンゼン環等の芳香環構造;などを介して酸無水物基(−CO−O−CO−)に結合した化合物等を挙げることができる。
式(2−1)で示される構造を有するテトラカルボン酸二無水物としては、脂環式テトラカルボン酸二無水物、より具体的には、上記式(2−1)における2つの結合手のそれぞれが、脂肪族環を有する構造(脂環式構造)を介して酸無水物基に結合したものが好ましく、特に、下記式(t−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2014074772
(式(t−1)中、Rは、上記式(2−1)におけるRと同義である。)
上記式(t−1)で表される構造を有するテトラカルボン酸二無水物の具体例としては、例えば下記式(t−1−1)〜(t−1−8)のそれぞれで表される化合物等を挙げることができ、中でも下記式(t−1−1)で表される化合物(式(3−1)で示される化合物と同じ)が好ましい。なお、特定テトラカルボン酸二無水物としては、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
Figure 2014074772
式(2−2)で示される構造を有するテトラカルボン酸二無水物としては、
下記式(3−2)で示される化合物が好ましい。
Figure 2014074772
本発明におけるポリアミック酸の合成に用いるテトラカルボン酸二無水物としては、得られるポリアミック酸のアルカリ現像液に対する溶解性等の観点から、特定テトラカルボン酸二無水物の比率が、合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の全量に対して5モル%以上であることが好ましい。当該比率について、より好ましくは10〜100モル%であり、更に好ましくは20〜100モル%である。
《他のテトラカルボン酸二無水物》
上記ポリアミック酸を合成するためのテトラカルボン酸二無水物としては、特定テトラカルボン酸二無水物のみを使用してもよいが、特定テトラカルボン酸二無水物とともにその他のテトラカルボン酸二無水物を併用してもよい。
ここで使用することのできるその他のテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらの具体例としては、
脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
なお、他のテトラカルボン酸二無水物は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸の合成に際しては、他のテトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸(PMDA)などといった、酸無水物基が芳香環に結合しているテトラカルボン酸二無水物(芳香族テトラカルボン酸二無水物)を含有させてもよい。この場合の芳香族テトラカルボン酸二無水物の含有割合としては、合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の全量に対して0.5〜50モル%であることが好ましい。芳香族テトラカルボン酸二無水物の含有量を0.5モル%以上とすることにより、絶縁膜としての耐熱性、耐溶剤性等の所残像特性を改善する効果を好適に発揮することができ、50モル%以下とすることにより、表示素子の信頼性(電気特性に対する信頼性)が低下するのを抑制することができる。より好ましくは1〜40モル%以下であり、更に好ましくは1〜20モル%以下である。
[ジアミン]
本発明におけるポリアミック酸を合成するために使用するジアミンとしては、下記式(4)のいずれか1つで示される構造を有するジアミン化合物が好ましい。このようなジアミン成分を用いることにより、得られるポリアミック酸のアルカリ現像液に対する現像性を向上刷ることが可能となる。
Figure 2014074772
その他のジアミン成分としては、例えば、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えば1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを;
脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;
芳香族ジアミンとして、例えばp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4−アミノフェニル−4’−アミノベンゾエート、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、1−(4−アミノフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−1H−インデン−5−アミン、1−(4−アミノフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−1H−インデン−6−アミン、3,5−ジアミノ安息香酸、テトラデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキサン、2,4−ジアミノ−N,N―ジアリルアニリン、4−アミノベンジルアミン、3−アミノベンジルアミン、4,4’−[4,4’−プロパン−1,3−ジイルビス(ピペリジン−1,4−ジイル)]ジアニリン、N,N−ビス(4−アミノフェニル)−p−メチルフェニルアミン等を挙げることができる。
なお、上記ポリアミック酸の合成に使用するジアミンとしては、上記の化合物を1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
[分子量調節剤]
ポリアミック酸を合成するに際して、上記の如きテトラカルボン酸二無水物及びジアミンとともに、適当な分子量調節剤を用いて末端修飾型の重合体を合成することとしてもよい。かかる末端修飾型の重合体とすることにより、本発明の効果を損なうことなく感放射線性重合体組成物の塗布性を良好にすることができる。
分子量調節剤としては、例えば酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを挙げることができる。これらの具体例としては、酸一無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを;
モノアミン化合物として、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミンなどを;
モノイソシアネート化合物として、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを、それぞれ挙げることができる。
分子量調節剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることがより好ましい。
<ポリアミック酸の合成>
本発明におけるポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度はマイナス20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。また、反応時間は0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
ここで、有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール及びその誘導体、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。
これら有機溶媒の具体例としては、上記非プロトン性極性溶媒として、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどを;
上記フェノール誘導体として、例えば、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノールなどを;
上記アルコールとして、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどを;
上記ケトンとして、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどを;
上記エステルとして、例えば、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチルなどを;
上記エーテルとして、例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフランなどを;
上記ハロゲン化炭化水素として、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼンなどを;
上記炭化水素として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを、それぞれ挙げることができる。
これらの溶剤のとして特に、ジエチレングリコールジアルキルエーテルとして、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等;エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとして、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート;ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとして、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート;プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとして、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等;プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネートとして、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート等;ケトン類として、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチルイソアミルケトン、メチル−3−メトキシプロピオネート等が好ましい。
これらのうちで、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略称することがある。)、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(以下、EDMと略称することがある。)、γ−ブチロラクトン(以下、BLと略称することがある。)等が特に好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液はそのまま感放射線性重合体組成物の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで感放射線性重合体組成物の調製に供してもよく、又は単離したポリアミック酸を精製したうえで感放射線性重合体組成物の調製に供してもよい。ポリアミック酸を脱水閉環してポリイミドとする場合には、上記反応溶液をそのまま脱水閉環反応に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで脱水閉環反応に供してもよく、又は単離したポリアミック酸を精製したうえで脱水閉環反応に供してもよい。ポリアミック酸の単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
<ポリイミド及びポリイミドの合成>
本発明の感放射線性重合体組成物に含有されるポリイミドは、上記の如くして合成されたポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
上記ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造が併存する部分イミド化物であってもよい。本発明におけるポリイミドは、そのイミド化率が30%以上であることが好ましく、50〜99%であることがより好ましく、65〜99%であることが更に好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸の脱水閉環は、好ましくはポリアミック酸を加熱する方法により、又はポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。このうち、後者の方法によることが好ましい。
上記ポリアミック酸の溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は、好ましくは1.0〜120時間であり、より好ましくは2.0〜30時間である。
このようにしてポリイミドを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、そのまま感放射線性重合体組成物の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで感放射線性重合体組成物の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで感放射線性重合体組成物の調製に供してもよく、又は単離したポリイミドを精製したうえで感放射線性重合体組成物の調製に供してもよい。これらの精製操作は公知の方法に従って行うことができる。
<重合体の溶液粘度>
以上のようにして得られるポリアミック酸及びポリイミドは、これを濃度10重量%の溶液としたときに、10〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
[その他の重合体]
本実施形態の感放射線性重合体組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上述の(A)重合体以外のその他の重合体を更に含有させることができる。含有させることのできる「その他の重合体」は、特に限定されないが、アルカリ可溶性のものが好ましく、さらには、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性重合体(以下、フェノール重合体とも言う。)を含有させることが、解像性が良好となるためにより好ましい。
含有させることのできるフェノール重合体としては、ノボラック重合体、ポリヒドロキシスチレンおよびその共重合体、フェノール−キシリレングリコールジメチルエーテル縮合重合体、クレゾール−キシリレングリコールジメチルエーテル縮合重合体、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合重合体等を挙げることができる。
ノボラック重合体としては、具体的には、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック重合体、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック重合体、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック重合体等を挙げることができる。
ノボラック重合体は、フェノール類とアルデヒド類を、触媒の存在下で縮合させることにより得ることができる。この際に使用されるフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、α−ナフトール、β−ナフトール等を挙げることができる。また、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等を挙げることができる。
ポリヒドロキシスチレンの共重合体を構成するヒドロキシスチレン以外のモノマーは、特に限定されないが、具体的には、スチレン、インデン、p−メトキシスチレン、p−ブトキシスチレン、p−アセトキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン等のスチレン誘導体;(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体等;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物誘導体を挙げることができる。
フェノール重合体の含有割合は、(A)重合体とフェノール重合体の合計100質量部に対して、0質量部〜90質量部とすることが好ましく、5質量部〜80質量部とすることがより好ましく、10質量部〜70質量部とすることがさらに好ましい。5質量部未満であると、このフェノール重合体を含有させることの効果が発揮され難くなる傾向にある。一方、90質量部超であると、膜の機械的強度が低下する傾向にある。
さらに、本実施形態の感放射線性重合体組成物には、上述のフェノール重合体のほかに、フェノール性低分子化合物を含有させることができる。含有させることのできるフェノール性低分子化合物の具体例としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、4,6−ビス[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等を挙げることができる。
フェノール性低分子化合物の含有割合は、(A)重合体100質量部(但し、(A)重合体以外のその他の重合体をさらに含有させる場合には、(A)重合体とその他の重合体の合計100質量部)に対して、0質量部〜100質量部とすることが好ましく、1質量部〜60質量部とすることがより好ましく、5質量部〜40質量部とすることがさらに好ましい。1質量部未満であると、このフェノール性低分子化合物を含有させることの効果が発揮され難くなる傾向にある。一方、100質量部超であると、膜の機械的強度が低下する傾向にある。
[(B)キノンジアジド化合物]
本実施形態の感放射線性重合体組成物は、上述した(A)重合体とともに、(B)キノンジアジド化合物を必須の成分として含有する。これにより、本実施形態の感放射線性重合体組成物は、ポジ型の感放射線性重合体組成物として使用することが可能である。
(B)キノンジアジド化合物は、放射線の照射によってカルボン酸を発生するキノンジアジド化合物である。(B)キノンジアジド化合物としては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物(以下、「母核」と称する。)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物を用いることができる。
上述の母核としては、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、(ポリヒドロキシフェニル)アルカン、その他の母核等が挙げられる。
トリヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
テトラヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ペンタヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ヘキサヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
(ポリヒドロキシフェニル)アルカンとしては、例えば、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン等が挙げられる。
その他の母核としては、例えば、2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、1−〔1−{3−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)−4,6−ジヒドロキシフェニル}−1−メチルエチル〕−3−〔1−{3−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)−4,6−ジヒドロキシフェニル}−1−メチルエチル〕ベンゼン、4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
これらの母核のうち、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノールが好ましく用いられる。
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましい。1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドとしては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド等が挙げられる。これらのうち、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドがより好ましい。
フェノール性化合物またはアルコール性化合物(母核)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30モル%〜85モル%、より好ましくは50モル%〜70モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。縮合反応は、公知の方法によって実施することができる。
また、キノンジアジド化合物としては、上記に例示した母核のエステル結合をアミド結合に変更した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド類、例えば、2,3,4−トリアミノベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等も好適に使用される。
これらのキノンジアジド化合物は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。本実施形態の感放射線性重合体組成物におけるキノンジアジド化合物の使用割合は、重合体100質量部に対して、5質量部〜100質量部が好ましく、10質量部〜50質量部がより好ましい。キノンジアジド化合物の使用割合を上述の範囲とすることで、現像液となるアルカリ水溶液に対する放射線の照射部分と未照射部分との溶解度の差を大きくして、パターニング性能を向上させることができる。また、この感放射性重合体組成物を用いて得られる保護膜の耐溶媒性を良好なものとすることもできる。
[(C)溶剤]
本実施形態の感放射線性重合体組成物は、上述した(A)重合体および(B)キノンジアジド化合物とともに、(C)溶剤を含有する。(C)溶剤を含有することにより、本実施形態の感放射線性重合体組成物を液状の重合体組成物とすることができる。
(C)溶剤としては、上述した(A)重合体を得るための重合溶剤として挙げたものを用いることができる。すなわち、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネートからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。そして、γ−ブチロラクトンを用いることができる。それらの化合物は、(C)溶剤として単独で使用することができ、2種以上を混合して用いることも可能である。
(C)溶剤としてγ−ブチロラクトンを用いる場合、(C)溶剤は、γ−ブチロラクトンを50質量%〜90質量%含むことが好ましい。γ−ブチロラクトンの含有量をこうした範囲にすることで、本実施形態の感放射線性重合体組成物における(A)重合体の溶解状態を好適に維持し、塗布性の向上を図ることができる。
ここで(C)溶剤として、上述した化合物が用いられた場合、それらはNMPに比べて低吸湿性である。したがって、本実施形態の感放射線性重合体組成物は、吸湿性の高いNMPを用いること無く、低吸湿性の溶剤を用いた調製が可能となる。その結果、本実施形態の感放射線性重合体組成物は、低吸湿性を示すことができる。また、上述の(C)溶剤は、安全性が高く、安全性の高い本実施形態の感放射線性重合体組成物を提供することができる。
そして、上述した重合溶剤と同じ(C)溶剤に用いる場合、(A)重合体を合成した後、それらを沈殿させる等して(A)重合体を単離することなく、本実施形態の感放射線性重合体組成物の調製に用いることが可能となる。すなわち、(C)溶剤として、上記のものを使用する場合、(A)重合体を合成した後に単離をして、別の溶剤に再溶解させるプロセスを不要とすることができる。その結果、有機EL素子の製造における工程数の増加と、それに伴う生産性の低下の懸念が低減されることになる。
[その他の添加剤]
本実施形態の感放射線性重合体組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、密着助剤および界面活性剤等のその他の添加剤を含有させることができる。
(密着助剤)
本実施形態の感放射線性重合体組成物には、基板との密着性を向上させるために密着助剤を含有させることもできる。密着助剤としては、官能性シランカップリング剤が有効である。ここで、官能性シランカップリング剤とは、カルボニル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤をいう。具体例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。密着助剤の含有量は、(A)重合体100質量部に対して、10質量部以下とすることが好ましい。
(界面活性剤)
本実施形態の感放射線性重合体組成物には、塗布性、消泡性、レベリング性等の諸特性を向上させる目的で、界面活性剤を含有させることもできる。界面活性剤としては、例えば、BM−1000、BM−1100(以上、BMケミー社製)、メガファック(登録商標)F142D、同F172、同F173、同F183(以上、DIC社製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム社製)、サーフロン(登録商標)S−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145(以上、AGCセイミケミカル社製)、SH−28PA、同−190、同−193、SZ−6032、SF−8428(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)等の商品名で市販されているフッ素系界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の含有量は、(A)重合体100質量部に対して、5質量部以下とすることが好ましい。
本実施形態の感放射線性重合体組成物は、以上の各成分を含有するが、(C)溶剤以外の成分(すなわち、(A)重合体および(B)キノンジアジド化合物、並びにその他の添加剤の合計量)の割合は、使用目的や所望の膜厚等に応じて任意に設定することができるが、好ましくは5質量%〜50質量%、より好ましくは10質量%〜40質量%、さらに好ましくは15質量〜35質量%である。このようにして調製された感放射線性重合体組成物は、孔径0.2μm程度のミリポアフィルタ等を用いて濾過した後、使用に供することもできる。
<絶縁膜の形成>
次に、上述した本実施形態の感放射線性重合体組成物を用いて、本実施形態の絶縁膜を形成する方法について述べる。本実施形態の絶縁膜を形成する方法は、以下の工程を主要な工程とし、次の順で含んで構成することができる。
(1)本実施形態の感放射線性重合体組成物の塗膜を基板上に形成する工程(以下、単に、塗膜形成工程と言うことがある。)、
(2)工程(1)で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程(以下、単に、放射線照射工程と言うことがある。)、
(3)工程(2)で放射線を照射された塗膜を現像する工程(以下、単に、現像工程と言うことがある。)、および
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する工程(以下、単に、加熱工程と言うことがある。)。
以下(1)〜(4)の各工程についてより詳細に説明する。
(1)塗膜形成工程
上述の(1)塗膜形成工程において、本実施形態の感放射線重合体組成物を基板表面に塗布し、好ましくはプレベークを行うことにより溶剤として使用された成分を除去して、感放射線性重合体組成物の塗膜を形成する。使用できる基板の種類としては、例えば、重合体基板およびガラス基板や、シリコンウエハを挙げることができる。そして、有機EL表示素子の形成に用いられる、例えば、TFTやその配線が形成された基板を挙げることができる。
本実施形態の感放射線重合体組成物の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法とも言う。)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法等の適宜の方法を採用することができる。これらの塗布方法の中でも特に、スピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。プレベークの条件としては、各成分の種類、使用割合等によっても異なるが、例えば、加熱温度が60℃〜110℃で加熱時間を30秒間〜15分間程度とすることができる。形成される塗膜の膜厚としては、プレベーク後の値として1μm〜10μmとすることができる。
(2)放射線照射工程
上述の(2)放射線照射工程では、形成された塗膜に所定のパターンを有するマスクを介して、放射線を照射する。このとき用いられる放射線としては、例えば、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等が挙げられる。
上述の紫外線としては、例えば、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)等が挙げられる。遠紫外線としては、例えば、KrFエキシマレーザ等が挙げられる。X線としては、例えば、シンクロトロン放射線等が挙げられる。荷電粒子線としては、例えば電子線等を挙げることができる。これらの放射線のうち、紫外線が好ましく、紫外線の中でもg線および/またはi線を含む放射線が特に好ましい。露光量としては、50J/m〜1500J/mとすることが好ましい。
(3)現像工程
(3)現像工程において、上述の(2)放射線照射工程で放射線を照射された塗膜に対して現像を行って、放射線の照射部分を除去し、所望のパターンを形成することができる。現像処理に用いられる現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕−5−ノナン等のアルカリ(塩基性化合物)の水溶液を用いることができる。また、上述のアルカリの水溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液、または本実施形態の感放射線重合体組成物を溶解する各種有機溶剤を少量含むアルカリ水溶液を、現像液として使用することができる。その有機溶剤としては、上述した(A)重合体を得るための重合溶剤として挙げたものを用いることができる。
さらに、現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の適宜の方法を利用することができる。現像時間は、感放射線重合体組成物の組成によって異なるが、例えば30秒間〜120秒間とすることができる。
(4)加熱工程
(4)加熱工程において、上述の(3)現像工程後に、パターニングされた塗膜に対して、好ましくは流水洗浄によるリンス処理を行うことができる。また、上述した(A)重合体を得るための重合溶剤として挙げた低吸湿性の溶剤を用い、塗膜を洗浄するリンス処理を行うことも可能である。
続いて、好ましくは高圧水銀灯等による放射線を全面に照射(後露光)することにより、塗膜中に残存する1,2−キノンジアジド化合物の分解処理を行う。次いで、ホットプレート、オーブン等の加熱装置を用いて、この塗膜を加熱処理(ポストベーク処理)することによって、塗膜の硬化処理を行い、本実施形態の絶縁膜を得る。上述の後露光における露光量は、好ましくは2000J/m〜5000J/m程度である。また、この硬化処理における加熱温度は、例えば、120℃〜250℃である。加熱時間は、加熱機器の種類により異なるが、例えば、ホットプレート上で加熱処理を行う場合には5分間〜30分間、オーブン中で加熱処理を行う場合には30分間〜90分間とすることができる。この際に、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法等を用いることもできる。このようにして、目的とするパターンの絶縁膜を基板上に形成することができる。
上記のようにして形成された絶縁膜は、構成材料が低吸水構造を備えて低吸水性であり、製造工程においても、低吸湿性の化合物を用いた処理が可能であって、好ましい吸湿特性(吸水性)を有する。加えて、PGMEA溶剤を用いた洗浄を可能にするPGMEA洗浄性、透過性、耐熱性、パターニング性、パターニング形状特性、現像マージン特性、耐溶剤性、放射線感度、解像度等の点において、良好な特性を示し、有機EL素子の隔壁をなす絶縁膜の他に、上述した平坦化機能を備えた絶縁膜として好適に用いることができる。
<有機EL素子>
本実施形態の有機EL素子として、本実施形態の有機EL表示素子の例を用い、それについて図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態の有機EL表示素子の主要部の構造を模式的に説明する断面図である。
本実施形態の有機EL表示素子1は、マトリクス状に形成された複数の画素を有するアクティブマトリクス型の有機EL表示素子である。有機EL表示素子1は、トップエミッション型、ボトムエミッション型のいずれでもよい。有機EL表示素子1は、基板2上の各画素部分において、アクティブ素子である薄膜トランジスタ(以下、TFTとも称する。)3を配置して有する。
有機EL表示素子1の基板2については、有機EL表示素子1がボトムエミッション型である場合、基板2は透明であることが求められるため、基板2の材料の例として、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)等の透明重合体や無アルカリガラス等のガラス等が用いられる。一方、有機EL表示素子1がトップエミッション型の場合には、基板2は透明である必要はないので、基板2の材料として任意の絶縁体を用いることができる。ボトムエミッション型と同様、無アルカリガラス等、ガラス材料を用いることも可能である。
TFT3は、基板2上に、走査信号線(図示されない)の一部をなすゲート電極4と、ゲート電極4を被覆するゲート絶縁膜5と、ゲート電極4上にゲート絶縁膜5を介して配置された半導体層6と、映像信号線(図示されない)の一部をなして半導体層6に接続する第1のソース−ドレイン電極7と、半導体層6に接続する第2のソース−ドレイン電極8とを有して構成されている。
ゲート電極4は、基板2上に、蒸着法やスパッタ法等により金属薄膜を形成し、エッチングプロセスを利用したパターニングを行って形成することができる。また、金属酸化物導電膜、または、有機導電膜をパターニングして用いることも可能である。
ゲート電極4を構成する金属薄膜の材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、金(Au)、タングステン(W)および銀(Ag)等の金属、それら金属の合金、およびAl−NdおよびAPC合金(銀、パラジウム、銅の合金)等の合金を挙げることができる。そして、金属薄膜としては、AlとMoとの積層膜等、異なる材料の層からなる積層膜を用いることも可能である。
ゲート電極4を構成する金属酸化物導電膜の材料としては、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウムドープ酸化錫)および酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜を挙げることができる。
また、有機導電膜の材料としては、ポリアニリン、ポリチオフェンおよびポリピロ−ル等の導電性の有機化合物、またはこれらの混合物を挙げることができる。
ゲート電極4の厚みは、10nm〜1000nmとすることが好ましい。
ゲート電極4を覆うように配置されたゲート絶縁膜5は、スパッタ法やCVD法、蒸着法等により酸化膜や窒化膜を成膜して形成することができる。ゲート絶縁膜5は、例えば、SiO等の金属酸化物やSiN等の金属窒化物を用い、それらを単独でまたは積層して形成することができる。また、高分子材料等の有機材料から構成することも可能である。ゲート絶縁膜5の膜厚としては10nm〜10μmが好ましく、特に、金属酸化物等の無機材料を用いた場合は、10nm〜1000nmが好ましく、有機材料を用いた場合は50nm〜10μmが好ましい。
半導体層6と接続する第1のソース−ドレイン電極7および第2のソース−ドレイン電極8は、それら電極を構成する導電膜を、印刷法やコーティング法の他、スパッタ法やCVD法、蒸着法等の方法を用いて形成した後、フォトリソグラフィ法等を利用したパターニングを施して形成することができる。第1のソース−ドレイン電極7および第2のソース−ドレイン電極8の構成材料としては、例えば、Al、Cu、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、WおよびAg等の金属、それら金属の合金、並びにAl−NdおよびAPC等の合金を挙げることができる。また、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、ITO、酸化インジウム亜鉛(IZO)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)およびGZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)等の導電性の金属酸化物や、ポリアニリン、ポリチオフェンおよびポリピロ−ル等の導電性の有機化合物を挙げることができる。そして、それら電極を構成する導電膜としては、TiとAlとの積層膜等の異なる材料の層からなる積層膜を用いることも可能である。
第1のソース−ドレイン電極7および第2のソース−ドレイン電極8の厚みは、10nm〜1000nmとすることが好ましい。
半導体層6は、例えば、非晶質状態のa−Si(アモルファス−シリコン)、またはa−Siをエキシマレーザまたは固相成長等により結晶化して得られるp−Si(ポリシリコン)等、シリコン(Si)材料を用いることによって形成することができる。
また、TFT3の半導体層6は、酸化物を用いて形成することができる。その半導体層6に適用可能な酸化物としては、単結晶酸化物、多結晶酸化物、およびアモルファス酸化物、並びにこれらの混合物が挙げられる。多結晶酸化物としては、例えば、酸化亜鉛(ZnO)等を挙げることができる。
半導体層6に適用可能なアモルファス酸化物としては、インジウム(In)、亜鉛(Zn)および錫(Sn)の少なくとも1種類の元素を含み構成されるアモルファス酸化物を挙げることができる。
半導体層6に適用可能なアモルファス酸化物の具体的例としては、Sn−In−Zn酸化物、In−Ga−Zn酸化物(IGZO:酸化インジウムガリウム亜鉛)、In−Zn−Ga−Mg酸化物、Zn−Sn酸化物(ZTO:酸化亜鉛錫)、In酸化物、Ga酸化物、In−Sn酸化物、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物(IZO:酸化インジウム亜鉛)、Zn−Ga酸化物、Sn−In−Zn酸化物等を挙げることができる。尚、以上の場合、構成材料の組成比は必ずしも1:1である必要は無く、所望の特性を実現する組成比の選択が可能である。
アモルファス酸化物を用いた半導体層6は、例えば、それがIGZOやZTOを用いて形成される場合、IGZOターゲットやZTOターゲットを用いてスパッタ法や蒸着法により半導体層形成し、フォトリソグラフィ法等を利用して、レジストプロセスとエッチングプロセスによるパターニングを行って形成される。アモルファス酸化物を用いた半導体層6の厚みは、1nm〜1000nmとすることが好ましい。
TFT3の半導体層6に、上述の酸化物を用いる場合、半導体層6の上部面の第1のソース−ドレイン電極7および第2のソース−ドレイン電極8の形成されない領域に、例えば、5nm〜80nmの厚みのSiOからなる保護層(図示されない)を設けることが好ましい。この保護層はエッチング停止層、または、ストップ層等と称されることもある。
以上で例示した酸化物を用いることにより、移動度の高い半導体層6を低温で形成することができ、優れた性能のTFT3を提供することができる。
そして、本実施形態の半導体素子1の半導体層2を形成するのに特に好ましい酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、酸化亜鉛錫(ZTO)および酸化インジウム亜鉛(ZIO)を挙げることができる。
これら酸化物を用いることによりTFT3は、移動度に優れた半導体層6をより低温で形成して有し、高ON/OFF比を示すことが可能となる。
TFT3の上には、TFT3を被覆するように、無機絶縁膜19を設けることができる。無機絶縁膜19は、例えば、SiO等の金属酸化物やSiN等の金属窒化物を用い、それらを単独でまたは積層して形成することができる。無機絶縁膜19は、半導体層6を保護し、例えば、湿度によって影響されるのを防ぐために設けられる。尚、本実施形態の有機EL表示素子1では、無機絶縁膜19を設けず、TFT3の上に、後述する有機材料からなる絶縁膜である第1の絶縁膜10を配置する構造とすることも可能である。
次に、有機EL表示素子1においては、基板2上のTFT3の上方を被覆するよう、無機絶縁膜19の上に第1の絶縁膜10が配置されている。この第1の絶縁膜10は、基板2上に形成されたTFT3による凹凸を平坦化する機能を備える。第1の絶縁膜10は、上述した本実施形態の感放射線性重合体組成物を用いて形成された絶縁性の硬化膜であり、有機材料を用いて形成された有機絶縁膜である。第1の絶縁膜10は、平坦化膜としての優れた機能を有することが好ましく、この観点から厚く形成されることが好ましい。例えば、第1の絶縁膜10は、1μm〜6μmの膜厚で形成することができる。第1の絶縁膜10は、上述した絶縁膜の形成の方法に従い形成される。
第1の絶縁膜10上には、画素電極をなす陽極11配置される。陽極11は、導電性の材料からなる。陽極11の材料は、有機EL表示素子1が、ボトムエミッション型かトップエミッション型かによって異なる特性のものを選択することが好ましい。ボトムエミッション型の場合には、陽極11が透明であることが求められるので、陽極11の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)、酸化スズなどが選択される。一方、有機EL表示素子1がトップエミッション型の場合には、陽極11に光反射性が求められ、陽極11の材料としては、APC合金(銀、パラジウム、銅の合金)やARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)等が選択される。陽極11の厚さは、100nm〜500nmとすることが好ましい。
第1の絶縁膜10上に配置された陽極11が第2のソース−ドレイン電極8と接続するため、第1の絶縁膜10には、第1の絶縁膜10を貫通するスルーホール12が形成されている。スルーホール12は第1の絶縁膜10の下層にある無機絶縁膜19も貫通するように形成される。第1の絶縁膜10は、上述した本実施形態の感放射線性重合体組成物を用いて形成することができる。したがって、上述した絶縁膜の形成の方法に従い、感放射線性重合体組成物の塗膜に放射線を照射して所望形状の貫通孔を有する第1の絶縁膜10を形成した後、この第1の絶縁膜10をマスクとして無機絶縁膜19に対してドライエッチングを行うことにより、スルーホール12を完成することができる。尚、TFT3上に無機絶縁膜19が配置されていない構造の場合、第1の絶縁膜10に放射線を照射して形成される貫通孔がスルーホール12を構成する。その結果、陽極11は、第1の絶縁膜10の少なくとも一部を覆うとともに、第1の絶縁膜10を貫通するよう第1の絶縁膜10に設けられたスルーホール12を介して、TFT3に接続する第2のソース−ドレイン電極8と接続することができる。
有機EL表示素子1において、第1の絶縁膜10上の陽極11の上には、有機発光層14の配置領域を規定する隔壁となる第2の絶縁膜13が形成されている。第2の絶縁膜13は、上述した本実施形態の感放射線性重合体組成物を用い、上述した絶縁膜の形成の方法に従って塗膜をパターニングして硬化膜として製造することができ、例えば、平面視で格子状の形状を有することができる。この第2の絶縁膜13に規定される領域内には、電界発光する有機発光層14が配置されている。有機EL表示素子1において、第2の絶縁膜13は、有機発光層14の周囲を包囲する障壁となって、互いに隣接する複数画素のそれぞれを区画する。
有機EL表示素子1において、第2の絶縁膜13の高さ(第2の絶縁膜13の上面と有機発光層14の配置領域での陽極11の上面との距離)は、0.1μm〜2μmであることが好ましく、0.8μm〜1.2μmであることがより好ましい。第2の絶縁膜13の高さが2μm以上であった場合、第2の絶縁膜13の上方で封止基板20とぶつかる恐れがある。また、第2の絶縁膜13の高さが0.1μm以下であった場合、第2の絶縁膜13によって規定された領域内に、インクジェット法によってインク状の発光材料組成物を塗布しようとするときに、発光材料組成物が第2の絶縁膜13から漏れ出すおそれがある。
有機EL表示素子1の第2の絶縁膜13は、上述した本実施形態の感放射線性重合体組成物を用い、上述した絶縁膜の形成の方法に従って、その塗膜にパターニング等を施すことによって硬化膜として形成することができる。すなわち、第2の絶縁膜13は、重合体を含んで構成することができる。第2の絶縁膜13は、インクジェット法によってインク状の発光材料組成物を塗布する場合には、有機発光材料を含むインク状の発光材料組成物が塗布される領域を規定することから、濡れ性が低いことが好ましい。第2の絶縁膜13の濡れ性を特に低く制御する場合には、第2の絶縁膜13をフッ素ガスでプラズマ処理することが可能であり、また、第2の絶縁膜13を形成する本実施形態の感放射線性重合体組成物に撥液剤を含有させてもよい。プラズマ処理は有機EL表示素子1の他の構成部材に悪影響を与えることがあるので、第2の絶縁膜13を形成する本実施形態の感放射線性重合体組成物に撥液剤を含有させるほうが好ましい場合がある。
第2の絶縁膜13に規定される領域内には、電界を印加されて発光する有機発光層14が配置されている。有機発光層14は、電界発光する有機発光材料を含む層である。
有機発光層14に含まれる有機発光材料は低分子有機発光材料であっても、高分子有機発光材料であってもよい。例えば、Alq、BeBq等の基材母体にキナクリドンやクマリンをドープした材料を用いることができる。また、インクジェット法による有機発光材料の塗布法を用いる場合には、それに好適な高分子有機発光材料であることが好ましい。高分子有機発光材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリアセチレン(Poly acetylene)およびその誘導体、ポリフェニレン(Poly phenylene)およびその誘導体、ポリパラフェニレンエチレン(Poly para phenylene ethylene)およびその誘導体、ポリ3−ヘキシルチオフェン(Poly 3−hexyl thiophene(P3HT))およびその誘導体、ポリフルオレン(Poly fluorene (PF))およびその誘導体等を選択して用いることができる。
有機発光層14は、第2の絶縁膜13によって規定された領域内で陽極11上に配置される。有機発光層14の厚さは50nm〜100nmであることが好ましい。ここで有機発光層14の厚さとは陽極11上の有機発光層14の底面から、陽極11上の有機発光層14の上面までの距離を意味する。
尚、陽極11と有機発光層14との間には、正孔注入層および/または中間層が配置されていてもよい。陽極11と有機発光層14との間に、正孔注入層および中間層が配置される場合、陽極11上に正孔注入層が配置され、正孔注入層上に中間層が配置され、そして中間層上に有機発光層14が配置される。また、陽極11から有機発光層14へ効率的に正孔を輸送できる限り、正孔注入層および中間層は省略されてもよい。
有機EL表示素子1では、有機発光層14を覆い、画素区画のための第2の絶縁膜13を覆って陰極15が形成されている。陰極15は、複数の画素を共通に覆って形成され、有機EL表示素子1の共通電極をなす。
本実施形態の有機EL表示素子1は、有機発光層14上に陰極15を有し、陰極15は、導電性部材からなる。陰極15の形成に用いる材料は、有機EL表示素子1がボトムエミッション型か、トップエミッション型かによって異なる。トップエミッション型の場合には、陰極15は、可視光透過性の電極を構成するITO電極やIZO電極等であることが好ましい。一方、有機EL表示素子1がボトムエミッション型の場合には陰極15が可視光透過性である必要はない。その場合、陰極15の構成材料は、導電性であれば特に限定されないが、例えば、バリウム(Ba)、酸化バリウム(BaO)、アルミニウム(Al)およびAlを含む合金等を選択することも可能である。
尚、陰極15と有機発光層14との間には、例えば、バリウム(Ba)、フッ化リチウム(LiF)等からなる電子注入層が配置されていてもよい。
陰極15の上には、パッシベーション膜16を設けることができる。パッシベーション膜16は、SiNや窒化アルミニウム(AlN)等の金属窒化物等を用い、それらを単独でまたは積層して形成することができる。パッシベーション膜16の作用により、有機EL表示素子1内への水分や酸素の浸入を抑制することができる。
このように構成された基板2の、有機発光層14が配置された主面は、外周端部付近に塗布されたシール剤(図示されない)を用い、封止層17を介して、封止基板20により封止することが好ましい。封止層17は、乾燥された窒素ガス等の不活性なガスの層とするか、または、接着剤等の充填材料の層とすることができる。また、封止基板20としては、無アルカリガラス等のガラス基板を用いることができる。
以上の構造を有する本実施形態の有機EL表示素子1は、構成要素である第1の絶縁膜10と第2の絶縁膜13とが、低吸湿性の本実施形態の感放射線性重合体組成物を用いて形成され、低吸水構造を有する。また、その形成工程において、低吸湿性の材料を用いた洗浄等の処理が可能である。そのため、吸着水等の形態で絶縁膜形成材料に含まれる微量の水分が徐々に有機発光層に浸入することを低減し、有機発光層の劣化と発光状態の阻害を低減することができる。
以下、実施例に基づき本発明の実施形態を詳述するが、この実施例によって本発明が限定的に解釈されるものではない。
合成例における各重合体溶液の溶液粘度およびポリイミド重合体のイミド化率は以下の方法により測定した。
[重合体溶液の溶液粘度]
重合体溶液の溶液粘度(mPa・s)は、その重合体の良溶媒を用い、重合体濃度10質量%に調整した溶液について、E型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
[ポリイミドのイミド化率]
ポリイミドの溶液を純水に投入し、得られた沈殿物を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH−NMRを測定した。得られたH−NMRスペクトルから、下記数式(1)で示される式によりイミド化率を求めた。
イミド化率(%)=(1−A/A×α)×100 ・・・(1)
(数式(1)中、Aは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Aはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αはポリイミドの前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
<重合体の合成>
[合成例1〜4、比較合成例1]
重合溶剤としてガンマブチロラクトン(BL)を加えた後、下記表1に示す量のジアミン化合物及びテトラカルボン酸二無水物をこの順で加えて、モノマー濃度20重量%の溶液とした。その後、60℃において3時間反応を行った。
次いで、ピリジン及び無水酢酸を、テトラカルボン酸二無水物の全体量100モル部に対し、表1に示すモル部数添加し、110℃で4時間脱水閉環させた。イミド化反応後、エバポレーターにより、イミド化反応に使用したピリジン、無水酢酸を系外に除去した。これにより、固形分濃度30重量%、下記表1に示す溶液粘度、イミド化率のポリイミド含有溶液約100gを得た。
Figure 2014074772
表1中、各化合物の略称は、それぞれ以下のとおりである。
[テトラカルボン酸二無水物]
t−1:下記式(1)で表される化合物
t−2:下記式(2)で表される化合物
Figure 2014074772
t−3::2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
[ジアミン]
d−1:2,2‘−ビス(3−アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
d−2:1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン

<感放射線性樹脂組成物の調製>
[実施例1]
[A−1]成分として合成例1の重合体[A−1]を含有する溶液を、重合体80質量部(固形分)に相当する量、及び重合体[A−2]を含有する溶液を、重合体20質量部(固形分)に相当する量、[A−1]を含有する溶液を、重合体80質量部(固形分)に相当する量、及び[B]成分として4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.0モル)の縮合物(B−1)20質量部、及び[C]成分としてトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(C−1)5質量部及び[D]成分として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5質量部及び[E]成分として東レダウコーニング製SH8400 0.01質量部を混合し、固形分濃度が28質量%となるようにガンマブチロラクトンに溶解させた後、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物の溶液(S−1)を調製した。
[実施例2、比較例1]
[A]、[B]及び[C]成分として、表1に記載のとおりの種類、量を使用した他は、実施例1と同様に感放射線性樹脂組成物の溶液(S−2)〜(S−11)を調製した。
<絶縁膜としての性能評価>
上記のように調製した感放射線性樹脂組成物を使用し、以下のように絶縁膜としての各種の特性を評価した。
〔パターニング性評価〕
スピンナー若しくはスリットダイコーターを用いて、シリコン基板上に表2に記載の組成物を塗布した後、120℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に対し、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、所定のパターンを有するパターンマスクを介して露光時間を変化させて露光を行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、80秒間液盛り法で現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、乾燥させてウエハー上にパターンを形成した。20.0μmのライン・アンド・スペース(10対1)のスペース・パターンが完全に溶解するか確認した。現像残膜率が60%以上であり、かつパターンが剥がれることなく形成されたものを「良好」、現像後残膜率が60%未満、またはパターンが剥がれてしまい形成されないものを「不良」とした。
〔放射線感度の評価〕
スピンナー若しくはスリットダイコーターを用いて、シリコン基板上に表2に記載の組成物を塗布した後、120℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に対し、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、所定のパターンを有するパターンマスクを介して露光時間を変化させて露光を行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、80秒間液盛り法で現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、乾燥させてウエハー上にパターンを形成した。20.0μmのライン・アンド・スペース(10対1)のスペース・パターンが完全に溶解するために必要な露光量を測定した。この値を放射線感度(露光感度)として、表2に示した。この値が300J/m以下の場合に感度が良好であると言える。
〔解像度の評価〕
スピンナー若しくはスリットダイコーターを用いて、シリコン基板上に表2に記載の組成物を塗布した後、120℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に対し、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、所定のパターンを有するパターンマスクを介して露光時間を変化させて露光を行った後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、80秒間液盛り法で現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、乾燥させてウエハー上にパターンを形成した。形成したパターン幅の下限について記入した。
〔パターン形状評価〕
20μmラインアンドスペースパターン(1対1)のマスクを用いた他は、上記パターニング性評価と同様にして基板上にパターンを形成した。得られたパターンをクリーンオーブン中にて250℃で45分間加熱し硬化させ、膜厚3μmの絶縁膜を得た。このようにして得られた絶縁膜において、20μmラインパターンのラインと直交する方向の垂直断面形状をSEMで観察し、該断面においてその底辺が最大ライン幅となっている場合、すなわち順テーパー形状が形成されている場合は「良好」、そうでない場合は「不良」とした。
〔現像マージンの評価〕
上記〔放射線感度の評価〕と同様に、シリコン基板上に塗膜を形成した。キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を使用し、3.0μmのライン・アンド・スペース(10対1)のパターンを有するマスクを介して、得られた塗膜に、上記〔放射線感度の評価〕にて測定した放射線感度の値に相当する露光量で露光を行い、表2に記載した濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、現像時間を変化させて液盛り法で現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、乾燥させてウエハー上にパターンを形成した。このとき、ライン線幅が3.0μmとなるのに必要な現像時間を最適現像時間として表2に示した。また、最適現像時間からさらに現像を続けた際に3.0μmのライン・パターンが剥がれるまでの時間を測定し、現像マージン(現像時間の許容範囲)として表2に示した。この値が30秒以上のとき、現像マージンは良好であると言える。
〔吸水性の評価〕
樹脂組成物についてスピンナー若しくはスリットダイコーターを用いて、シリコン基板上に表2に記載の組成物を塗布した後、120℃にて2分間ホットプレート上でプレベーク後、クリーンオーブンにて250℃にて45分間ポストベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。形成した硬化膜に対してTDS (Thermal Desorption Spectroscopy)を用いて常温から200℃に昇温した際の、試料表面および試料から脱離するガスを質量分析計で検出し、水のピークM/z=18の検出値を測定し、吸水性を評価した。トータルのピーク強度が7.0×10−9以下の場合、吸水性良好とした。
〔透過性の評価〕
シリコン基板の代わりにガラス基板「コーニング7059(コーニング社製)」を用いた以外は、上記〔耐溶剤性の評価〕と同様にガラス基板上に硬化膜を形成した。分光光度計「150−20型ダブルビーム((株)日立製作所製)」を用いて、この硬化膜を有するガラス基板の全光線透過率を380〜780nmの範囲の波長で測定した。全400nm透過率のが50%以上のとき、透過性は良好であると言える。
〔耐熱性の評価〕
上記の吸水性の評価と同様にして硬化膜を形成し、得られた硬化膜について熱重量測定装置(TAインスツルメント製TGA2950)を用いて、TGA測定(空気下、昇温速度10℃/分)を行った。10℃から300℃における重量減少が5%以内である場合は「良好」、それを超える場合は「不良」とした。
〔耐溶剤性の評価〕
上記〔放射線感度の評価〕と同様に、シリコン基板上に塗膜を形成した。得られた塗膜をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して硬化膜を得た。得られた硬化膜の膜厚(T1)を測定した。そして、この硬化膜が形成されたシリコン基板を、70℃に温度制御されたジメチルスルホキシド中に20分間浸漬させた後、当該硬化膜の膜厚(t1)を測定し、浸漬による膜厚変化率{|t1−T1|/T1}×100〔%〕を算出した。膜厚変化率の結果を表2に示した。この値が4%以下のとき、耐溶剤性は良好であると言
える。なお、耐溶剤性の評価においては形成する膜のパターニングは不要のため、放射線照射工程及び現像工程は省略し、塗膜形成工程及び加熱工程のみ行い評価に供した。
Figure 2014074772
上記した表2に示すように、実施例1〜実施例2の感放射線性重合体組成物((S−1)〜(S−2))を用いて形成された絶縁膜は、良好な吸水性を有する。加えて、PGMEA洗浄性、透過性、耐熱性、パターニング性、パターニング形状特性、現像マージン特性、耐溶剤性、放射線感度、解像度等の点において、良好な特性を示し、有機EL素子の隔壁をなす絶縁膜、および、平坦化機能を備えた絶縁膜として好適に用いることができることがわかった。
1 有機EL表示素子
2 基板
3 TFT
4 ゲート電極
5 ゲート絶縁膜
6 半導体層
7 第1のソース−ドレイン電極
8 第2のソース−ドレイン電極
10 第1の絶縁膜
11 陽極
12 スルーホール
13 第2の絶縁膜
14 有機発光層
15 陰極
16 パッシベーション膜
17 封止層
19 無機絶縁膜
20 封止基板

Claims (8)

  1. (A)テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸及び該ポリアミック酸を脱水閉環してなるポリイミドよりなる群から選択される少なくとも一種の重合体、
    (B)キノンジアジド化合物、
    (C)溶剤を含有する感放射線性重合体組成物であって、
    前記テトラカルボン酸二無水物が下記式(1)で示される構造を有することを特徴とする感放射線性重合体組成物。
    Figure 2014074772

    (式(1)中、Arは2価の芳香族基である。「*」は結合手を示す。)
  2. 前記式(1)のArは、下記式(2−1)または式(2−2)で表される請求項1に記載の重合体を含む請求項1記載の感放射線性重合体組成物。
    Figure 2014074772


    Figure 2014074772

    (式(2−1)中、Rは、ハロゲン原子、水酸基又は炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基若しくはフルオロアルキル基であり、mは0〜4の整数である。但し、mが2以上の場合、複数のRはそれぞれ独立して上記定義を有する。「*」は窒素原子に結合する結合手を示す。)
  3. 請求項2記載のテトラカルボン酸二無水物が下記式(3―1)または式(3−2)で示される請求項1または請求項2記載の感放射線性重合体組成物
    Figure 2014074772


    Figure 2014074772
  4. 前記ジアミン成分が、下記式(4)のいずれか1つで示される構造を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の感放射線性重合体組成物。
    Figure 2014074772
  5. 前記(C)溶剤がジエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、γ―ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性重合体組成物。
  6. (C)溶剤が、γ−ブチロラクトンを50質量%〜90質量%含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の感放射線性重合体組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の感放射線性重合体組成物を用いて形成された、有機EL素子に用いられることを特徴とする絶縁膜。
  8. 請求項7に記載の絶縁膜を有することを特徴とする有機EL素子。
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