以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1を参照して説明する。なお、図1は同画像形成装置の機構部の説明図である。
この画像形成装置は、シリアル型画像形成装置であり、装置本体の内部に画像形成部102、搬送機構部105等を有し、装置本体の下方側に被記録媒体である用紙110を積載可能な給紙トレイ(給紙カセットを含み、給紙部の意味で使用する。)104を備えている。
そして、この給紙トレイ104から給紙される用紙110を取り込み、搬送機構部105によって用紙110を垂直方向(鉛直方向に沿う方向)に間歇的に搬送しながら、画像形成部102によって水平方向に液滴を吐出させて所要の画像を記録する。その後、排紙搬送部106を通じて画像が形成された用紙110を更に上方向に搬送して、装置本体の上方側に設けられた排紙トレイ107に用紙110を排紙する。
また、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、排紙搬送部106から反転部108内に用紙110を取り込み、搬送機構部105によって用紙110を逆方向(下方向)に搬送しながら反転させる。そして、他面(裏面)を印刷可能面として、再度、搬送機構部105に送り込み、他面(裏面)印刷終了後、排紙トレイ107に用紙110を排紙する。
ここで、画像形成部102は、主ガイド部材121及び従ガイド部材122で、記録ヘッド31を搭載したキャリッジ30を移動可能に保持している。そして、図示しないキャリッジ移動機構の主走査モータによって駆動プーリと従動プーリ間に架け渡したタイミングベルトを介して主走査方向(紙面垂直方向)に移動走査する。
キャリッジ30には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド31を搭載している。記録ヘッド31は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を水平方向に向けて装着している。つまり、液滴を吐出するノズルが形成されたノズル面が垂直方向に配置され、水平方向に向けて液滴を吐出する記録ヘッド31を備える水平打ち方式を採用している。
また、キャリッジ30には、記録ヘッド31に対応して各色のインクを供給するためのインクを一時的に貯留するヘッドタンク35が搭載されている。ヘッドタンク35は記録ヘッド31に一体的に接続されている。「一体的」とは、記録ヘッド31とヘッドタンク35がチューブ、管等で接続されることも含んでおり、どちらも一緒にキャリッジ30に搭載されるという意味である。
このヘッドタンク35には、流路形成部材34を介して液体供給チューブ36が接続され、液体供給チューブ36のもう一端は、本体据え置きのインクカートリッジ(メインタンク)37に接続されている。
なお、液体吐出ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰を利用するサーマルアクチュエータなどを備えたものなどを使用できる。また、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどの液体を吐出させる圧力を発生させる圧力発生手段(アクチュエータ手段)を備えたものなども使用できる。
給紙トレイ104の用紙110は、給紙コロ(半月コロ)143と分離パッド144によって1枚ずつ分離されて装置本体内に給紙される。そして、用紙110は、搬送ガイド部材145に沿って、搬送機構部105の搬送ベルト151と押えコロ148との間に送り込まれ、搬送ベルト151に吸着されて搬送される。
搬送機構部105は、駆動ローラである搬送ローラ152と従動ローラ153との間に掛け渡した無端状の搬送ベルト151を備えている。そして、この搬送ベルト151を帯電させるための帯電ローラ154と、画像形成部102に対向する部分で搬送ベルト151の平面性を維持するプラテン部材155となどを有している。搬送ベルト151は、図示しない副走査駆動機構の副走査モータによってタイミングベルト及びタイミングプーリを介して搬送ローラ152が回転駆動されることによって、用紙搬送方向(副走査方向)に周回移動する。
排紙搬送部106は、排紙ガイド部材161と、排紙搬送ローラ162及び拍車163と、搬送ローラ166及び拍車167と、排紙ローラ164及び拍車165とが配置されている。そして、画像が形成された用紙110を、排紙ローラ164及び拍車165間から排紙トレイ107上にフェイスダウンで排紙する。
また、反転部108は、排紙トレイ107に一部を排出した用紙110をスイッチバック方式で反転して搬送ベルト151と押えコロ148との間に送り込むため、排紙経路と反転経路を切り替える切替爪181を供えている。そして、反転ガイド部材182と、反転ローラ183及び反転コロである拍車184と、従動ローラ153に対向する搬送補助ローラ185と、搬送ベルト151の逆搬送部分(用紙送り方向と逆方向に移動する部分)とを備えている。また、この搬送ベルト151の逆搬送部分から分離された用紙110を、帯電ローラ154を迂回させて、搬送ベルト151と押えコロ148との間に案内する迂回ガイド部材186などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ104から用紙110が1枚ずつ分離給紙され、帯電された搬送ベルト151に用紙110が静電吸着され、搬送ベルト151の周回移動によって用紙110が垂直方向に搬送される。
そこで、キャリッジ30を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド31を駆動することにより、停止している用紙110にインク滴を吐出して1行分を記録する。そして、用紙110を所定量搬送後、次の行の記録を行い、記録が終了した用紙110を排紙トレイ107に排紙する。
また、両面印刷を行う場合には、第1面印刷は上述したとおりの動作を行い、用紙110の後端が反転部分岐(切替爪181)を通過すると、排紙ローラ164が反転駆動されて用紙110がスイッチバックされ、反転ガイド部材182側に案内される。そして、反転ローラ183と拍車184の間で搬送され、搬送ベルト151の逆搬送部分と搬送補助ローラ185との間へと用紙110が送り込まれる。
これにより、用紙110は搬送ベルト151に吸着され、搬送ベルト151の周回移動によって搬送され、搬送ローラ152側で搬送ベルト151から分離される。そして、迂回ガイド部材186で案内され(迂回パスを経由し)、再度搬送ベルト151の正搬送部分(用紙搬送方向に移動する部分)とコロ148との間に送り込まれて搬送ベルト151に吸着される。その後、再度、記録ヘッド31による画像形成領域に吸着搬送されることで第2面印刷が行われた後、排紙トレイ107に排紙される。
次に、本発明の第1実施形態について図2ないし図6を参照して説明する。図2は同実施形態における記録ヘッド31、ヘッドタンク35及び流路形成部材34を説明する主走査方向から見た図4のB−B線に沿う正面説明図、図3は平面説明図、図4は図2の右側面説明図、図5は図2の左側面図、図6は図4のC−C線に沿う断面説明図である。なお、図2では断面を示すハッチングは省略している。また、符号中の「K」はKインク用であることを意味する(「C」、「M」、「Y」も同様)が、特に付記しない限り、以下の説明中の符号では省略する。
図2に示すように、記録ヘッド31は、ヘッドホルダ29に固定され、背面(ノズル面と反対の面)にヘッドタンク35が装着されている。
ヘッドタンク35は、図3に示すように、内部にリザーバー14を有し、リザーバー14の底部で記録ヘッド31に通じている。リザーバー14の一部の壁面は変形可能な部材であるフィルム24で形成されている。ヘッドタンク35の一部が変形可能なフィルム24で形成されることにより、印字時のキャリッジ30の動きに伴うインク供給路内の圧力変動を低減できる。
また、リザーバー14は、流路形成部材34とインク供給ポート18及び空気排出ポート19の2つのポートで通じている。インク供給ポート18は、リザーバー14の底面部近傍に設けられ、空気排出ポート19はインク供給ポート18より上部(上方)に設けられる。
そして、本実施形態では、空気排出ポート19は、リザーバー14の天面部よりは低い位置に設けられている。
つまり、リザーバー14内の空気量が多くなり過ぎた場合には、後述するが空気排出ポート19から空気が外部に排出され、インク供給ポート18から供給されるインクで置換されていく。このとき、空気排出ポート19がリザーバー14の天面部より低い位置にあるため、リザーバー14の上部には必ず空気層14Aが残ることになる。この空気層14Aが残ることにより、印字の際のキャリッジ30の動きに伴うインク供給路内の圧力変動をより吸収しやすくなる。
流路形成部材34は、図2及び図5に示すように、溝が掘られた樹脂部材にフィルム23A、23Bを熱で溶着することなどによって、インク供給流路15と排気流路16が形成されたものである。
インク供給流路15は、各ヘッドタンク35のインク供給ポート18を、図1に示す液体供給チューブ36が接続されるインク供給接続部22に通じさせる。
排気流路16は、ヘッドタンク35の空気排出ポート19を、開閉弁通路部17に通じさせる。
ここで、開閉弁通路部17は、図6に示すように、ヘッドホルダ29に設けられた開閉部である開閉弁25にチューブなどの接続流路38を介して通じている。
なお、本実施形態では、ヘッドタンク35の空気排出ポート19、排気流路16、接続流路38で排気経路(気泡排出路)を構成している。
開閉弁25は、図6に示すように、接続流路38に通じる開口部26を有し、開口部26と接続流路38の間のホルダ内流路25aに、弁体としての弁ロッド11と、弁ロッド11と段差面25bとの間に設けられたシール部材12と、弁ロッド11をシール部材12方向に押し付ける弾性部材(加圧部材)としてのばね13とを配置している。
この開閉弁25は、通常は、弁ロッド11がばね13でシール部材12を押し潰す方向に加圧されているので、接続流路38と開口部26との間を遮断しており、接続流路38につながる空気排出ポート19が大気から遮断された状態に保たれる。
ここで、開口部26は、図4及び図6に示すように、ヘッドホルダ29の記録ヘッド31のノズル面45と同一面に形成され、複数のノズル27nを配列したノズル列27のノズル27nと同一方向に開口している。なお、以下では、複数の開口部26を含むヘッドホルダ29の表面領域を「開口面29a」という。
これによって、後述する(図7参照)が、開口部26からの排気動作を行う排気キャップ48をノズルから吸引を行うノズル吸引キャップ44に隣接して設けることができ、吸引装置をコンパクトな構成とすることができる。
また、ヘッドホルダ29の開口面29aにおいて、開口部26は、図4に示すように、ノズル列27には対して主走査方向側方に配置され、更に上下方向に各色のヘッドタンク35に対応した複数の開口部26が配置される。
これによって、キャリッジ部が高さ方向に大きくならないので、高さの低い画像形成装置を実現することができる。
次に、本実施形態におけるキャップ装置について図7ないし図9を参照して説明する。図7は同キャップ装置をキャップ開口側から見た正面説明図、図8は図7のD−D線に沿う断面説明図、図9は図7のE−E線に沿う断面説明図である。
このキャップ装置(キャップユニット)201は、記録ヘッド31のノズルからの吸引及びヘッドホルダ29の開口部26からの吸引排気を行うものである。
キャップホルダ47に、記録ヘッド31のノズル面45をキャッピングするノズル吸引キャップ44と、ヘッドホルダ29の複数の開閉弁25の開口部26をキャッピングする排気キャップ48を保持している。
ノズル吸引キャップ44には、上部に吸引口63が設けられている。
また、排気キャップ48には、上部に吸引口60Hが設けられている。ここで、吸引口60Hは、鉛直方向に並ぶ複数の開閉弁25の開口部26のうち鉛直方向最上部の開口部26(この例では、開口部26K、後述の図10参照)に対向する対向位置よりも高い位置(対向位置でもよい。)に設けられている。
そして、図9に示すように、キャップホルダ47の背面側(キャップ44、48を保持する側と反対側)には、ヘッドホルダ29の開口部26に挿入可能な複数の開閉手段である弁駆動ピン49を有する駆動ピンホルダ249が配置されている。
駆動ピンホルダ249は、弁駆動ピン49が排気キャップ48に設けられた貫通穴48aをキャップ開口方向に進退するように移動可能に配置されている。
ここで、排気キャップ48の貫通穴48aにはグリス54が塗布されている。つまり、弁駆動ピン49は、排気キャップ48がヘッドホルダ29の開口面29aをキャッピングした状態で、貫通穴48a内を進退移動する。このとき、吸引排気を行うためには、排気キャップ48内を密閉空間とする必要がある。そこで、貫通穴48aと弁駆動ピン49との移動を可能としつつ、両者の密封状態をグリス54などで確保し、排気キャップ48内部を外部と遮断した状態に保持するようにしている。
ここで、弁駆動ピン49による開閉弁25の開閉駆動について図10を参照してする。図10は同説明に供する図9と同様な説明図である。
まず、図10(a)に示すように、排気キャップ48をヘッドホルダ29の開口部26が形成された開口面29aに当てて接触させてキャッピングする。このとき、駆動ピンホルダ249は、弁駆動ピン49が開閉弁25に対して接触していない後退位置になる位置にある。
そして、図10(b)に示すように、駆動ピンホルダ249が後述するようなカム機構などによって矢印方向に押されると、弁駆動ピン49が開口部26内に進入し、弁ロッド11がばね13の復元力(加圧力)に抗して加圧方向と逆方向に押し込まれる。
これにより、開閉弁25が開いた状態になり、排気キャップ48内部とリザーバー14との間の通路(流路)が開放される。
次に、本実施形態におけるメンテナンスシステムの全体構成について図11を参照して説明する。図11は同説明に供する説明図である。
記録ヘッド31のノズル面45をキャッピングするノズル吸引キャップ44は、吸引口63が吸引チューブ65、切替弁58を介して吸引手段としての吸引ポンプ43に接続されている。
吸引チューブ65の途中には、吸引経路を大気に開放自在とする大気開放弁52Bが接続される。
吸引ポンプ43としては様々な方式のものを使うことができるが、本実施形態では吸引ポンプ43として、チューブポンプを使用している。この吸引ポンプ43にて吸引されたインクの廃液は、廃液用流路62を通じて廃液回収部42に貯留廃棄される。
また、排気キャップ48は、吸引口60Hが吸引チューブ64、切替弁58を介して吸引ポンプ43に接続される。
吸引チューブ64の途中には、吸引経路を大気に開放自在とする大気開放弁52Aが接続される。
なお、切替弁58は、吸引ポンプ43の接続先を、吸引チューブ65と吸引チューブ64のいずれか一方に通じさせる弁である。
そして、キャップホルダ47の記録ヘッド31方向への進退を行うため、キャップホルダ47の背面側に、軸66を中心に回転するカム67Lを配置している。
また、弁駆動ピン49を保持する駆動ピンホルダ249の進退を行うため、カム67Lと同じく軸66を中心に回転するカム67Sを配置している。
カム67L及びカム67Sの軸66は、図示しないモータによって回転し、記録ヘッド31に対するノズル吸引やヘッドタンク35からの吸引排気を行うときに、所望の位置にノズル吸引キャップ44、排気キャップ48及び弁駆動ピン49を進退させる。
さらに、記録ヘッド31のノズル面45を払拭するワイピング部材53を備えている。
なお、本実施形態では、上記のようにカム機構を用いて弁駆動ピン49を進退させているが、これに限らず、例えば磁石などを利用して磁力で弁駆動ピン49を進退させることもできる。
次に、本実施形態におけるメンテナンスシステムによるノズル吸引による回復処理の動作について図12を参照して説明する。図12は同回復処理の動作説明に供する説明図である。
まず、図12(a)に示すように、カム67Lを回転させて、ノズル吸引キャップ44をノズル面45に当てて接触させる。このとき、同時に、排気キャップ48もヘッドホルダ29の開口面29aに当って接触するが、弁駆動ピン49は退避位置にセットされており、ヘッドタンク35の内部は排気キャップ48内部と遮断された状態のままである。
そして、大気開放弁52A、52Bを閉じ、切替弁58によって吸引ポンプ43を吸引チューブ65側に通じさせた状態にして、吸引ポンプ43を矢印F方向に回転させる。これにより、記録ヘッド31内の気泡や増粘したインクが、ノズル吸引キャップ44内に排出される。
その後、図12(b)に示すように、大気開放弁52Bを開いてノズル吸引キャップ44内を大気に開放し、更に吸引ポンプ43を一定時間駆動して吸引する。
その後、前述した図11に示すように、キャップホルダ47を退避させ、デキャップする。このとき、ノズル吸引キャップ44内にあったインクの廃液は廃液回収部42に流れ落ちる。
最後に、ワイピング部材53を矢印方向に上から下に移動させて、記録ヘッド31のノズル面45を払拭し、再度ノズル面(インク吐出面)45をノズル吸引キャップ44で密閉して回復処理動作は完了する。
次に、本実施形態におけるメンテナンスシステムによる空気排出処理の動作について図13及び図14を参照して説明する。図13及び図14は同空気排出処理の動作説明に供する説明図である。
まず、図13(a)に示すように、記録ヘッド31は、ノズル吸引キャップ44でキャッピングされて保湿維持されている状態にある。このとき、弁駆動ピン49は、前述した図10(a)に示すように、開閉弁25に対して退避した位置にある。
そこで、リザーバー14から空気を排出するときには、図13(b)に示すように、カム67Sを回転させて、弁駆動ピン49を記録ヘッド31側に押出す。これにより、前述した図10(b)に示すように、開閉弁25が開き、排気キャップ48内部とリザーバー14との間の通路(流路)が開放される。
次に、大気開放弁52A、52Bを閉じ、切替弁58によって吸引ポンプ43を吸引チューブ64側に通じさせた状態で、吸引ポンプ43を矢印F方向に回転させる。これにより、ヘッドタンク35のリザーバー14に溜まっていた空気がインクと共に排気キャップ48内に排出される。
その後、図14(a)に示すように、カム67Sを回転させて、弁駆動ピン49をヘッドホルダ29の開口面29aから退避させる。これにより、図10(a)に示すように、開閉弁25が閉じ、排気キャップ48内部とリザーバー14との間の通路(流路)が遮断される。
次いで、図14(b)に示すように、カム67S、67Lを回転させて、キャップホルダ47を退避させてデキャップする。
このとき、排気キャップ48内に排出されたインクの廃液は廃液回収部42に流れ落ちる。
最後に、ワイピング部材53を矢印I方向に移動させてヘッドホルダ29の開口面29aを払拭し、再度キャッピングして、排気処理動作は完了する。
ここで、本実施形態においては、鉛直方向に配列した複数の排気流路(気泡排出路)に対応した複数の開口部26から同時に吸引して排気する構成として、図7、図10に示すように、鉛直方向最上部の開口部26よりも吸引口60Hを上方に設けているので、効率よく排気することができる。
この点について、図15及び図16を参照して、吸引口を下方に設けた比較例1と比較して説明する。
図15に示す比較例1は、吸引口60Iを排気キャップ48の下方(最も下の開口部26よりも下方の位置)に設けている。
この比較例1にあっては、図15(a)に示すように、排気キャップ48で4つの開閉弁25をキャッピングしている状態から、図15(b)に示すように、弁駆動ピン49を駆動して開閉弁25を開き吸引を行う。
この吸引によって、ヘッドタンク35のリザーバー14に空気がなくなると、インク(廃液)300が排気キャップ48内に排出され、図15(c)に示すように、吸引口60Iより上に空気、下にインク300が溜まった状態となる。
この状態では、排気キャップ48内で下側にある排気流路と上側にある排気流路では、排気流路にかかる圧力が大きく異なる。
つまり、ヘッドホルダ29の下側の開口部26(この例では開口部26Y)が通じる下側の排気経路は、吸引口60Iとの間でほとんどはインク300のみが介在した吸引になるため、吸引圧が効率よく作用する。これに対し、上側の排気経路は、吸引口60Iとの間に大量の空気が介在するため、空気層がダンパーとなり、吸引口60Iからの吸引圧が排気経路に効率よく伝わらない。
そのため、上側の排気経路に通じるリザーバー14の空気量が下側の排気経路に通じるリザーバー14の空気量よりも多い場合には、上側のリザーバー14からの空気の排出効率が悪いために、排気を完了するまでに大量のインクを消費してしまう不具合が生じる。
この場合、吸引力を強めたとしても、図15(d)に示すように、排気キャップ48内の空気層が膨張するだけで、上側の排気経路から空気を効率よく吸引できない問題は残ってしまう。
これに対し、本実施形態では、図16にも示すように、最上部の排気経路が通じる開口部26(この例では、開口部26K)よりも上方に吸引口60Hを配置している。この排気キャップ48を使用して吸引を行うことで、排気キャップ48内の上方で吸引が行われるため、図16に示すように、排気キャップ48内がインク300で満たされた状態で吸引を行うことができる。
このように、全ての排気経路がインク300のみを介在して吸引できるようになるので、吸引圧が全ての排気経路に効率よく伝わり、全てのリザーバー14から空気を効率よく排出することができる。
このように、ヘッドタンクの複数のリザーバーの上部に通じる複数の排気経路と、排気経路に通じ、ノズル開口方向と同一方向に開口する開口部を有する開閉部と、複数の開閉部の開口部を覆ってキャッピングするキャップと、キャップに通じて、キャップ内部を吸引する吸引手段と、開閉部を開閉する開閉手段とを備え、複数の開閉部の開口部は、ノズルの側方で鉛直方向の異なる位置に配置され、キャップには、開閉手段と、吸引手段に接続する吸引口とが設けられ、キャップの吸引口は、複数の開口部のうち鉛直方向最上部の開口部に対向する対向位置又は対向位置よりも高い位置に設けられている構成とすることで、水平方向に液滴を吐出して画像を形成する場合に、ヘッドタンクからの空気の排出を効率よく行うことができる。
次に、本発明の第2実施形態について図17を参照して説明する。図17は同実施形態における排気キャップ及び弁駆動ピン部分の説明図である。
前記第1実施形態では、排気キャップ48に形成された貫通穴48a内を弁駆動ピン49がシール状態を保持しながら移動する構成としている。
これに対し、本実施形態では、弁駆動ピン49は、排気キャップ48に固定している。
これにより、図17(a)に示すように、弁駆動ピン49が開閉弁25から退避した位置にある状態から、図17(b)に示すように、弁駆動ピン49が開閉弁25側に進入することで、排気キャップ48が変形する。
次に、本実施形態におけるヘッドタンクのリザーバーからの吸引排気処理の動作について図18及び図19を参照して説明する。図18及び図19は同説明に供するメンテナンスシステム全体の説明図である。
本実施形態においても、ヘッドホルダ29の開口部26を排気キャップ48でキャッピングし、弁駆動ピン49を押出して開閉弁25を開いた状態にし、吸引ポンプ43で吸引するまでの動作は、前記第1実施形態と同様である(図13)ので、詳細な説明は省略する。
そして、吸引終了後、本実施形態では、図18(a)に示すように、大気開放弁52Aを開状態にする。その後に、図18(b)に示すように、大気開放弁52Aを開いたまま、弁駆動ピン49を退避移動させ、図19に示すように、排気キャップ48をデキャップして、ワイピング部材53でワイピングする。
ここで、本実施形態では弁駆動ピン49が排気キャップ48に固定されているため、リザーバー14から排気を行うときには、図17(b)に示すように、排気キャップ48が変形した状態で、排気キャップ48内がインクの廃液で満たされることになる。
この状態のまま弁駆動ピン49を退避位置に移動させようとすると、排気キャップ48が元の形状に復元する必要があり、そのためには、排気流路からインクが供給される必要がある。ところが、ヘッド側はインクカートリッジ37までの供給経路が長いため、排気キャップ48の復元力では短時間にインクが供給されず、開閉弁25が閉じないおそれがある。
そこで、本実施形態では、吸引チューブ64に大気開放弁52Aを備え、大気開放弁52Aを開いた状態で弁駆動ピン49を退避移動させるので、吸引チューブ64から排気キャップ48内にインクが急速に供給されて短時間に開閉弁25を閉じることができる。
このように、本実施形態では、弁駆動ピンが密閉状態で排気キャップを進退可能にするために前記第1実施形態のようにグリス等を設けないで済むため、耐久性が向上し、長期にわたって安定した排気性能を維持することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図20を参照して説明する。図20は同実施形態における排気キャップ及び弁駆動ピン部分の説明図である。
本実施形態では、前記第2実施形態において、排気キャップ48は、ヘッドホルダ29の開口面29aをキャッピングした状態で、吸引口60Hの上部に空気溜まり部68が形成されるキャップ形状としている。
この空気溜まり部68の空気は、吸引口60Hよりも上にあるため排気吸引によっても排出されない。
したがって、排気終了後、図20(b)に示す状態から弁駆動ピン49を退避移動させるとき、空気溜まり部68の空気が膨張することで、排気キャップ48の形状を図20(a)に示すように復元させることができ、大気開放弁がなくても開閉弁25を短時間に閉じることができる。
次に、本発明の第4実施形態について図21を参照して説明する。図21は同実施形態における排気キャップ及び弁駆動ピン部分の説明図である。
本実施形態では、前記第2実施形態において、排気キャップ48の吸引口60Hに接続される吸引チューブ64の途中に空気溜まり部69を設けている。
これにより、排気終了後の図21(b)に示す状態では、空気溜まり部69に空気が蓄えられているので、弁駆動ピン49を退避移動させるとき、空気溜まり部69の空気が、図21(a)の矢印J方向に排気キャップ48内移動し、吸引チューブ64内のインクが排気キャップ48内に逆流することで、排気キャップ48の形状を図21(a)に示すように復元させることができ、大気開放弁がなくても開閉弁25を短時間に閉じることができる。
次に、本発明の第5実施形態について図22を参照して説明する。図22は同実施形態における排気キャップ及び弁駆動ピン部分の説明図である。
本実施形態では、前記第2実施形態において、排気キャップ48には、上側の吸引口60H(ここでは、「第1の吸引口60H」という。)とともに、下側に第2の吸引口60Lを設けている。
次に、本実施形態におけるメンテナンスシステム全体の構成について図23を参照して説明する。図23は同説明に供する説明図である。
ここでは、排気キャップ48の第2の吸引口60Lには、吸引チューブ70が接続され、第2の吸引ポンプ43Bが矢印L方向に回転することで排気キャップ48の下部からインクを吸引可能に構成している。その他の構成は、前記第2実施形態などと同様である
次に、本実施形態におけるヘッドタンクのリザーバーからの吸引排気処理の動作について図24を参照して説明する。図24は同説明に供する説明図である。
まず、図24(a)に示すように、排気キャップ48がヘッドホルダ29の開口面29aに当って接触し、開口部26を密閉している状態にある。
この状態では、弁駆動ピン49は退避位置にあり、開閉弁25は閉じている。そこで、カム67Sを回転させて弁駆動ピン49を押出し、開閉弁25を開いた状態とし、大気開放弁52Aを閉じたまま、吸引ポンプ43Aを矢印K方向に回転して、第1の吸引口60Hから吸引を行う。
これにより、図24(b)、図24(c)に示すように、排気キャップ48内にインク300が順次溜まっていく。そして、図24(d)に示す状態になると、全ての開口部26がインク300に浸かった状態となり、全ての排気経路に効率よく吸引圧が作用して、効率よく排気が行われる。
その後、吸引ポンプ43Aを停止し、図24(e)に示すように、大気開放弁52Aを開いた状態にし、カム67Sを回転させて、弁駆動ピン49を退避移動させる。
このとき、大気開放弁52Aが開いているので、インクが第1の吸引口60Hから排気キャップ48内に供給されながら、排気キャップ48が図22(b)の状態から同図(a)の状態に形状復元し、弁駆動ピン49が退避する。これにより、開閉弁25が閉じる。
その後、図24(f)に示すように、大気開放弁52Aを開いた状態のまま、吸引ポンプ43Bを矢印L方向に回転駆動し、第2の吸引口60Lからインク300を吸引する。
そして、排気キャップ48内からインク300を排出後、カム67Lを回転させて、図24(g)に示すように、排気キャップ48をデキャップする。
このように、排気キャップ48の下部にも第2の吸引口60Lを設け、ヘッドタンク35のリザーバー14からの気泡排出動作の後に、排気キャップ48内に溜まったインク300をキャッピングしたまま吸引排出するので、デキャップ時にインクが大量に流れ落ちることがなくなる。
これにより、装置を廃液で汚れにくくすることができると共に、廃液回収部42の配置に関する制約がなくなり、空いたスペースに容器を設けることができ、結果として小型の画像形成装置を実現することができる。
このように、記録ヘッドに複数の液体を供給する複数のリザーバーを有するヘッドタンクと、ヘッドタンクの複数のリザーバーの上部に通じる複数の排気経路と、排気経路に通じ、ノズルの開口方向と同一方向に開口する開口部を有する複数の開閉部と、複数の開閉部の開口部を覆ってキャッピングするキャップと、キャップに接続された第1の吸引手段及び第2の吸引手段と、キャップ内部を大気に開放可能な大気開放弁と、開閉部を開閉する開閉手段とを備え、複数の開閉部の開口部は、ノズルの側方で鉛直方向の異なる位置に配置され、キャップには、開閉手段と、第1の吸引手段に接続する第1の吸引口と、第2の吸引手段に接続する第2の吸引口とが設けられ、第1の吸引口は、複数の開口部のうち鉛直方向最上部の開口部に対向する対向位置又は対向位置よりも高い位置に設けられ、第2の吸引口は、キャップ内の鉛直方向下部に設けられ、複数の開閉部の開口部をキャッピングし、大気開放弁を閉じた状態で、第1の吸引手段を駆動させてリザーバーから空気を吸引した後に、大気開放弁を開いた状態で第2の吸引手段による吸引動作を行い、その後、複数の開閉部の開口部からキャップを離間させる構成とすることで、水平方向に液滴を吐出して画像を形成する場合に、ヘッドタンクからの空気の排出を効率よく行うことができる。
次に、上述した各実施形態と異なる実施形態以降について説明する。すなわち、上述した各実施形態では、ヘッドタンク35のリザーバー14の上部に溜まった空気を排出するための開閉弁25をノズル列27の主走査方向側方に配置する構成を採用している。
ところで、ヘッドタンク35のリザーバー14の上部に溜まった空気を排出する場合、ノズル(ノズル列27)の上方に開閉弁25を配置する方が自然であり、キャリッジの主走査方向幅を狭くでき、装置全体の幅方向サイズも低減できる。
ところが、ノズルの上方からヘッドタンク35内の空気を吸引排出するとき、排気の際にインクも吸引されることがある。この場合、排気キャップ(吸引キャップ)48を吸引部から離間したときに、インクがキャップから流れ落ち、ノズル面を汚すという不具合が生じる。
このように、ノズル面にインクが流れ落ちると、単に混色の不具合が生じるだけでなく、ノズルに形成されたメニスカスが破壊されてインクの吐出不良も生じるため、排気後にノズルのクリーニングも必要となる。その結果、メンテナンス時間が長くなったり、無駄に消費するインクの量が増えたりするなど様々な不具合をもたらすことになる。
そこで、以下の実施形態では、ノズル面を汚すことなくヘッドタンクからの排気を効率的に行えるようにする。
まず、本発明の第6実施形態について図25ないし図29を参照して説明する。図25は同実施形態における記録ヘッド31、ヘッドタンク35及び流路形成部材34を説明する主走査方向から見た図27のB2−B2線に沿う正面説明図、図26は平面説明図、図27は図25の右側面説明図、図28は図25の左側面図、図29は図27のC2−C2線に沿う断面説明図である。なお、以下では、説明が重複する部分もあるが、第1ないし第5実施形態と対応するする部分には同一符号を付して説明する。
図25に示すように、記録ヘッド31は、ヘッドホルダ29に固定され、背面(ノズル面と反対の面)にヘッドタンク35が装着されている。
ヘッドタンク35は、図26に示すように、内部にリザーバー14を有し、リザーバー14の底部で記録ヘッド31に通じている。リザーバー14の一部の壁面は変形可能な部材であるフィルム24で形成されている。ヘッドタンク35の一部が変形可能なフィルム24で形成されることにより、印字時のキャリッジ30の動きに伴うインク供給路内の圧力変動を低減できる。
また、リザーバー14は、流路形成部材34とインク供給ポート18で通じている。インク供給ポート18は、リザーバー14の底面部近傍に設けられているが、配置場所はこれに限られない。
流路形成部材34は、図25及び図28に示すように、溝が掘られた樹脂部材にフィルム23A、23Bを熱で溶着することなどによって、インク供給流路15が形成されたものである。
インク供給流路15は、各ヘッドタンク35のインク供給ポート18を、図1に示す液体供給チューブ36が接続されるインク供給接続部22に通じさせる。
そして、リザーバー14の上部は、図25、図29に示すように、空気排出ポート19を介して、ヘッドホルダ29に設けられた開閉部である開閉弁25に通じている。
本実施形態では、ヘッドタンク35の空気排出ポート19が排気経路(気泡排出路)を構成している。
開閉弁25は、空気排出ポート19に通じる開口部26を有し、開口部26と空気排出ポート19の間のホルダ内流路25aに、弁体としての弁ロッド11と、弁ロッド11と段差面25bとの間に設けられたシール部材12と、弁ロッド11をシール部材12方向に押し付ける弾性部材(加圧部材)としてのばね13とを配置している。
この開閉弁25は、通常は、弁ロッド11がばね13でシール部材12を押し潰す方向に加圧されているので、空気排出ポート19と開口部26との間を遮断しており、空気排出ポート19が大気から遮断された状態に保たれる。
ここで、開口部26は、図27及び図29に示すように、ヘッドホルダ29の記録ヘッド31のノズル面45と同一面に形成され、複数のノズル27nを配列したノズル列27のノズル27nと同一方向に開口している。
これによって、後述する(図30参照)が、開口部26からの排気動作を行う排気キャップ48をノズルから吸引を行うノズル吸引キャップ44に隣接して設けることができ、吸引装置をコンパクトな構成とすることができる。
また、本実施形態では、開口部26はノズル列27の上方に配置される。
これによって、キャリッジ部が幅方向に大きくならないので、装置本体の主走査方向の幅が増加することを抑制できる。
また、本実施形態でも、空気排出ポート19は、リザーバー14の天面部よりは低い位置に設けられている。
つまり、リザーバー14内の空気量が多くなり過ぎた場合には、後述するが開閉弁25が開かれて空気排出ポート19から空気が外部に排出され、インク供給ポート18から供給されるインクで置換されていく。この空気排出動作後にリザーバー14内に残る空気量は、リザーバー14に設けられる空気排出ポート19の配置位置によって決定される。
そして、このとき、空気排出ポート19がリザーバー14の天面部より低い位置にあるため、リザーバー14の上部には必ず空気層14Aが残ることになる。この空気層14Aが残ることにより、印字の際のキャリッジ30の動きに伴うインク供給路内の圧力変動をより吸収しやすくなる。
次に、本実施形態におけるキャップ装置について図30ないし図32を参照して説明する。図30は同キャップ装置をキャップ開口側から見た正面説明図、図31は図30のD2−D2線に沿う断面説明図、図32は図30のE2−E2線に沿う断面説明図である。
このキャップ装置201は、記録ヘッド31のノズルからの吸引及びヘッドホルダ29の開口部26からの吸引排気を行うものである。
キャップホルダ47に、記録ヘッド31のノズル面45をキャッピングするノズル吸引キャップ44と、ヘッドホルダ29の複数の開閉弁25の開口部26をキャッピングする排気キャップ48を保持している。
ノズル吸引キャップ44には、上部中央部に吸引口63が設けられている。
また、排気キャップ48には、下部一端部に吸引口60Hが設けられている。
そして、図31に示すように、キャップホルダ47の背面側(キャップ44、48を保持する側と反対側)には、ヘッドホルダ29の開口部26に挿入可能な複数の開閉手段である弁駆動ピン49を有する駆動ピンホルダ249が配置されている。
駆動ピンホルダ249は、弁駆動ピン49が排気キャップ48に設けられた貫通穴にシール状態でキャップ開口方向に進退するように移動可能に配置されている。
弁駆動ピン49は排気キャップ48の開口部が塞がれた状態で進退動作するが、常にキャップ48内部は外部と遮断した状態を保持する。
排気キャップ48とノズル吸引キャップ44の間には、液体受け部材であるインク受け部材400が備えられている。
このインク受け部材400は、図31に示すように、排気キャップ48の開口面よりもキャップ開口方向に突出して設けられる。また、インク受け部材400は、図30に示すように主走査方向において、上下方向に傾斜して設けられている。この例では、インク受け部材400は、主走査方向に一端部から他端部に向かって右下がりに傾斜している。
一方、前述した図25及び図27に示すように、ヘッドホルダ29には、開口部26とノズル列27との間に、インク受け部材400が進入する溝416を形成している。
ここで、弁駆動ピン49による開閉弁25の開閉駆動について図33を参照してする。図33は同説明に供する図31と同様な説明図である。
まず、図33(a)に示すように、排気キャップ48をヘッドホルダ29の開口部26が形成された開口面29aに当てて接触させてキャッピングする。このとき、駆動ピンホルダ249は、弁駆動ピン49が開閉弁25に対して接触していない後退位置になる位置にある。
そして、図33(b)に示すように、駆動ピンホルダ249が後述するようなカム機構などによってヘッドホルダ29側に向かって押されると、弁駆動ピン49が開口部26内に進入し、弁ロッド11がばね13の復元力に抗して押し込まれる。
これにより、開閉弁25が開いた状態になり、排気キャップ48内部とリザーバー14との間の排気経路(流路)が開放される。
次に、キャップ装置の駆動機構の一例について図34を参照して説明する。図34は同説明に供する図32と同様な説明図である。
キャップ装置201の背面側にはカム機構が備えられている。そして、キャップホルダ47のヘッドホルダ29方向への進退は、軸66を中心に回転するカム67Lによって行われる。また、弁駆動ピン49の進退は、カム67Lと同じく軸66を中心に回転するカム67Sによって行われる。
ここで、軸66は図示しないモータによって回転し、記録ヘッド31のノズル吸引やヘッドタンク35からの吸引排気を行うとき、所望の位置にノズル吸引キャップ44、排気キャップ48、弁駆動ピン49を動かすことができる。
次に、本実施形態におけるメンテナンスシステムの全体構成及びノズル吸引による回復処理の動作について図35を参照して説明する。図35は同説明に供する説明図である。
まず、図35に示すように、記録ヘッド31のインク吐出面45にノズル吸引キャップ44が当たって接触してキャッピングし、ノズル27nの保湿・保護を行う。
ノズル吸引キャップ44の吸引口63は、吸引チューブ65、切替弁58を介して、吸引ポンプ43に接続される。
吸引チューブ65の途中には吸引経路を大気に開放自在とする大気開放弁52Bが接続されている。
吸引ポンプ43としては様々な方式のものを使用できるが、ここでは、吸引ポンプ43としてチューブポンプを使用している。
吸引ポンプ43にて吸引されたインクは、廃液用流路62を通り、廃液回収部42に貯留・廃棄される。
ノズル吸引キャップ44を保持するキャップホルダ47には、前述したように、排気キャップ48も備えられる。排気キャップ48の吸引口60Hは、吸引チューブ64、切替弁58を介して吸引ポンプ43に接続されている。
吸引チューブ64の途中には、吸引経路を大気に開放自在とする大気開放弁52Aが接続される。
なお、切替弁58は、吸引ポンプ43を吸引チューブ65か吸引チューブ64のいずれか一方に連通させる機能を有する弁である。
そして、図35(a)に示すように、前述したカム67Lを回転させてノズル吸引キャップ44をインク吐出面45に当てて接触させる。このとき、排気キャップ48もヘッドホルダ29の開口面29aに当って接触するが、弁駆動ピン49は退避位置にセットされており、ヘッドタンク35の内部は排気キャップ48内部と遮断された状態のままである。
そして、大気開放弁52A、52Bを閉じ、切替弁58によって吸引ポンプ43を吸引チューブ65側に通じさせた状態にして、吸引ポンプ43を矢印G2方向に回転させる。これにより、記録ヘッド31内の気泡や増粘したインクが、ノズル吸引キャップ44内に排出される。
その後、図35(b)に示すように、大気開放弁52Bを開いて、更に吸引ポンプ43で一定時間吸引した後、キャップホルダ47を退避させ、デキャップする。
このとき、ノズル吸引キャップ44内にあったインクは廃液回収部42に流れ落ちる。
最後に、図示しないワイパブレードでインク吐出面45を払拭し、再度、インク吐出面45をノズル吸引キャップ44で密閉して回復処理動作は完了する。
次に、本実施形態におけるメンテナンスシステムによる空気排出処理の動作について図36及び図37を参照して説明する。図36及び図37は同説明に供する説明図である
まず、図36(a)に示すように、記録ヘッド31は、ノズル吸引キャップ44でキャッピングされて保湿維持されている状態にある。また、排気キャップ48は開口部26を覆っている。この排気キャップ48が開口部26を覆うときに、インク受け部材400はヘッドホルダ29側の溝400内に進入するので、インク受け部材400とヘッドホルダ29とが干渉することはない。
また、このとき、弁駆動ピン49は、前述した図33(a)に示すように、開閉弁25に対して退避した位置にある
そこで、リザーバー14から空気を排出するときには、図36(b)に示すように、カム67sを回転させて、弁駆動ピン49を記録ヘッド31側に押出す。これにより、前述した図33(b)に示すように、開閉弁25が開き、ヘッド側のリザーバー14が排気流路(空気排出ポート19)を介して排気キャップ48内部と通じる
次に、大気開放弁52A、52Bを閉じ、切替弁58によって吸引ポンプ43を吸引チューブ64側に連じさせた状態で、吸引ポンプ43を矢印G2方向に回転させる。これにより、ヘッドタンク35のリザーバー14に溜まっていた空気がインクと共に排気キャップ48内に排出される。
その後、図37(a)に示すように、カム67sを回転させて弁駆動ピン49を記録ヘッド31側から退避させる。これにより、図33(a)に示すように、開閉弁25は閉じる。
その後、図37(b)に示すように、排気キャップ48をデキャップする。このとき、排気キャップ48内に排出されていたインクは、インク受け部材400に流れ落ちる。
最後に、図示しないワイパブレードで開口部26の表面を主走査方向に払拭し、再度キャップ密閉して、排気処理動作は完了する。
ここで、本実施形態においては、複数のヘッドタンクの排気流路に対応した複数の開口部26から同時に吸引して排気するので、リザーバー14内からの空気の排出を効率よく行うことができる(メンテナンス時間を短縮できる)。
また、排気のための開口部26をノズル27nの上方に配置し、ノズル27nの開口方向と同一方向に開口する構成としている。これにより、リザーバー14からの排気経路を簡易に構成することができ、また、キャリッジの幅寸法を小さくでき、装置本体の幅を狭くすることができる。
また、排気キャップをノズル吸引キャップに隣接して設けることができるので、キャップ装置を小型にすることができる。
また、本実施形態では、ヘッドホルダにおいて吸引排気する開口部26とノズルの間に溝416を設けると共に、排気キャップ48の下部にインク受け部材400を備える構成としている。
これにより、リザーバー14から吸引排気したときに、排気キャップ48内にインクが排出されて溜まった場合でも、排気キャップ48を開口部26から離間させたときに、溜まったインクがインク受け部材400に流れ落ちる。
そして、インク受け部材400内は、図30に示すように、主走査方向で、一端部側から他端部に傾斜して下がっているので、インク受け部材400に流れ落ちたインクは、溝416の傾斜に沿って流れる。その後、ノズル吸引キャップ44の側方から下方の廃液回収部42に滴下する。
つまり、排気動作に伴ってノズル上方からインクが流れ落ちても、インクによってノズル面(インク吐出面)が汚れることを防止することができる。これにより、排気動作後に再度ノズル面をクリーニングする必要がなくなり、メンテナンス時間が短縮できると共に不必要にインクを消費しないようにすることができる。
なお、本実施形態では、カム機構を用いて弁駆動ピン49を駆動したが、これに限らず、例えば磁石などを利用して磁力で弁駆動ピン49を進退させることもできる。
このように、リザーバーの上部に通じる排気経路と、排気経路に通じ、ノズル開口方向と同一方向に開口する開口部を有し、ノズルの上方に配置された開閉部と、開閉部の開口部を覆ってキャッピングするキャップと、キャップに通じて、キャップ内部を吸引する吸引手段と、開閉部を開閉する開閉手段とを備え、ノズルと開口部の間に溝が形成され、排気キャップの下方に、キャップの開口部よりも突出した液体受け部が設けられ、キャップが開閉部の開口部を覆うときに、液体受け部が溝に進入する構成とすることで、ノズル面を汚すことなくヘッドタンクからの排気を効率的に行うことができる。
そして、ヘッドタンクのリザーバーに溜まった空気の排出をノズル面と同一平面に開口した開口部から吸引排出できるので、液体排出量を少なく効率的に排気でき、さらに吸引機構をコンパクトにできて小型化を図れる。また、空気の排出口となる開口部がノズルの上方に配置されるので、装置本体の幅寸法を小さくできる。また、複数のヘッドタンクの気泡排出を同時に行えるのでメンテナンス時間を短縮できる。
次に、本発明の第7実施形態について図38及び図39を参照して説明する。図38は同実施形態におけるキャップ装置をキャップ開口側から見た正面説明図、図39は図38のH2−H2線に沿う断面説明図である
本実施形態では、インク受け部材400に、ノズル吸引キャップ44の真上以外の位置に流出口401を設けて、流出口401から受け止めたインクを流す形態としたものである。この場合、流出口401にチューブを接続して廃液回収部42に流すようにしても良い。また、流出口401に接続したチューブをポンプ吸引するような構成にすることもできる。
また、本実施形態のようにインク受け部材400に流出口401を備える場合、インク受け部材400を傾斜させない構成とすることもできる。このようにすれば、省スペースな構成とすることもできる。
次に、本発明の第8実施形態について図40及び図41を参照して説明する。図40は同実施形態におけるキャップ装置をキャップ開口側から見た正面説明図、図41は図40のI2−I2線に沿う断面説明図である
本実施形態では、インク受け部材400の底面を、根元側(取り付け側:キャップホルダ47側)が低くなる向きに傾斜させる構成としている。つまり、インク受け部材400の先端側が高くなるように傾斜させて設けている。
この場合には、インク受け部材400に流れ落ちたインクは傾斜面に沿って根元側に流れるので、例えば図41に示すようにインク受け部材400の側端部に切り欠き部402を設ければ、その切り欠き部402からインクを廃液回収部42に落とすことが可能となる。
次に、本発明の第9実施形態について図42及び図43を参照して説明する。図42は同実施形他における記録ヘッド31、ヘッドタンク35及び流路形成部材34を説明する主走査方向から見た図43のJ2−J2線に沿う正面説明図、図43は図42の右側面説明図である。
本実施形態では、上述した第6実施形態などと同様に、リザーバー14に通じる排気経路の空気排出口となる開口部26を含む開閉弁25は、ノズル27nよりも上方に配置されている。
また、開口部26は、インク吐出方向と同方向に開口している。
そして、本実施形態では、ヘッドホルダ29の開口部26を設ける開口面29aは、段差を設けることで、記録ヘッド31のインク吐出面45側の表面29b(ノズルの形成面)よりもヘッドタンク35側に後退させている(ずらしている)。つまり、開口部26は、ノズル27nの上方で、且つ、ノズルの形成面(表面29a)に対して液滴の吐出方向と逆方向にずれた位置に設けられた面(開口面29a)に配置されている。
このヘッドホルダ29の開口面29aと表面29bとの段差部面を液体受け面として、インク受け部材403を配置している。
次に、本実施形態におけるキャップ装置について図44及び図45を参照して説明する。図44は同実施形態におけるキャップ装置をキャップ開口側から見た正面説明図、図45は図44のK2−K2線に沿う断面説明図である。
キャップホルダ47には、ノズル吸引キャップ44と排気キャップ48が保持されている。ここで、上述したようにヘッドホルダ29の開口面29aと表面29bが段違いに形成されていることから、ノズル吸引キャップ44と排気キャップ48も段違いに配置されている。これにより、キャップホルダ47の進退によってそれぞれのキャップ44、48がインク吐出面45と開口面29aを同時にキャップできる。
次に、本実施形態における空気排出動作について図46及び図47を参照して説明する。図46及び図47は同説明に供する説明図である。
まず、図46(a)に示すように、ノズル吸引キャップ44と排気キャップ48を、ヘッドホルダ29に密着させて、さらに弁駆動ピン49を開口部26に挿入して、開閉弁25を開いてリザーバー14から空気を吸引排気する。
空気排出完了後、図46(b)に示すように、排気キャップ48をキャッピング状態のまま、弁駆動ピン49を後退させることで、開閉弁25が閉じられる。このとき、空気と共にインクが吸引排出されていると、排気キャップ48内には、空気排出後に、リザーバー14から流出したインク300が溜まった状態となる。
そこで、図47に示すように、キャップホルダ47を後退させて、排気キャップ48とヘッドホルダ29の開口面29aとの間に微小ギャップを形成する。これにより、排気キャップ48内のインクが流れ落ちる。
このとき、開口部26の下方の開口面29aと表面29bとの間の段差面をインク受け面とし、このインク受け面を含むインク受け部材403が配置されているので、流れ落ちたインクはインク受け部材403の中に回収され、インク吐出面45を汚すことがなくなる。
なお、インク受け部材403は、前述したインク受け部材400と同様な構成とすることができ、インク吐出面45の側方でインクを廃液回収部42に排出することができる。
このように、リザーバーの上部に通じる排気経路と、排気経路に通じ、前記ノズルの開口方向と同一方向に開口する開口部を有し、前記ノズルの上方で、且つ、ノズルの形成面に対して液滴の吐出方向と逆方向にずれた位置に設けられた面に開口部が配置された開閉部と、ノズルの形成面と開閉部の配置面の間に備えられた液体受け面と、開閉部の開口部を覆ってキャッピングするキャップと、キャップに通じ、キャップ内部を吸引する吸引手段と、開閉部を開閉する開閉手段とを備えている構成とすることで、ノズル面を汚すことなくヘッドタンクからの排気を効率的に行うことができる。
そして、ヘッドタンクのリザーバーに溜まった空気の排出をノズル面と同一平面に開口した開口部から吸引排出できるので、液体排出量を少なく効率的に排気でき、さらに吸引機構をコンパクトにできて小型化を図れる。また、空気の排出口となる開口部がノズルの上方に配置されるので、装置本体の幅寸法を小さくできる。また、複数のヘッドタンクの気泡排出を同時に行えるのでメンテナンス時間を短縮できる。
次に、本発明の第10実施形態について図48及び図49を参照して説明する。図48は同実施形における記録ヘッド31、ヘッドタンク35及び流路形成部材34を説明する主走査方向から見た図49のL2−L2線に沿う正面説明図、図49は図48の右側面説明図である。
本実施形態では、上述した第9実施形態と同様に、ヘッドホルダ29の開口部26を設ける開口面29aは、段差を設けることで、記録ヘッド31のインク吐出面45側の表面29bよりもヘッドタンク35側に後退させている(ずらしている)。
そして、ヘッドホルダ29の開口面29aと表面29bとの間の段差部に、インク受け溝414を形成している。
このインク受け溝414は、表面29b側よりも開口面29a側が高さ方向で下側になるように形成することで、段差面を溝形状にしたものである。つまり、インク受け面は、ノズル27nの形成面(インク吐出面44と同じ高さの表面29b)から開閉部の配置面である開口面29aに向けて下方に傾斜している。
また、インク受け溝414は主走査方向で一端部側から他端部側に向かって傾斜して設けることで、受け止めたインクが自然に流れるようにしている。
このように構成したので、吸引排気後に排気キャップ48を開口面29aから離間させるとき、排気キャップ48内から流れ落ちるインクがインク受け溝414で受け止められて、インク吐出面45の側方に誘導される。これにより、インク吐出面45を汚すことを防止できる。
次に、本発明の第11実施形態について図50を参照して説明する。図50は同実施形態の説明に供する記録ヘッド31、ヘッドタンク35及び流路形成部材34を説明する主走査方向から見た正面説明図である。
本実施形態では、前記第6実施形態における記録ヘッド31を、水平方向に対して所定の角度で斜め上向き方向に液滴を吐出する状態に傾けて配置している。この場合、ヘッドタンク35及び流路形成部材34も記録ヘッド31の傾きに応じて傾斜して配置される。
このとき、ヘッドホルダ29の溝416の底面は表面29b側が高くなるので、吸引排気後に排気キャップ48を退避したとき、インクは矢印M2のように溝416内に流れ落ち、溝416で誘導されてインク吐出面45の側方から廃液回収部42に排出される。
これにより、排気動作を行うときにインク吐出面が汚れることを防止することができる。
次に、本発明の第12実施形態について図51を参照して説明する。図51は同実施形態の説明に供する記録ヘッド31、ヘッドタンク35及び流路形成部材34を説明する主走査方向から見た正面説明図である。
本実施形態では、前記第6実施形態における記録ヘッド31を、水平方向に対して所定の角度で斜め下向き方向に液滴を吐出する状態に傾けて配置している。この場合、ヘッドタンク35及び流路形成部材34も記録ヘッド31の傾きに応じて傾斜して配置される。
この構成では、開口面29aとインク吐出面45との間に形成されている溝416によって仕切られているので、吸引排気後に排気キャップ48を退避したとき、インクは矢印N2のように廃液回収部42に直接排出することができる。
これにより、排気動作を行うときにインク吐出面が汚れることを防止することができる。
次に、これらの第11、第12実施形態におけるキャップ装置について図52及び図53を参照して説明する。図52は同キャップ装置をキャップ開口側から見た正面説明図、図53は図52のP2−P2線に沿う断面説明図である。
第11、第12実施形態ではインクをキャップ装置(キャップユニット)201側で受ける必要がないため、キャップ装置201は、排気キャップ48とノズル吸引キャップ44が隣接して配置されているだけの簡易な構成とすることができる。
このように、リザーバーの上部に通じる排気経路と、排気経路に通じ、ノズル開口方向と同一方向に開口する開口部を有し、ノズルの上方に配置された開閉部と、開閉部を覆ってキャッピングするキャップと、キャップに通じ、キャップ内部を吸引する吸引手段と、開閉部の開口部を開閉する開閉手段とを備え、ノズルと開口部の間に、溝が形成されている構成とすることで、記録ヘッドを傾けて配置することにより、ノズル面を汚すことなくヘッドタンクからの排気を効率的に行うことができる。
そして、ヘッドタンクのリザーバーに溜まった空気の排出をノズル面と同一平面に開口した開口部から吸引排出できるので、液体排出量を少なく効率的に排気でき、さらに吸引機構をコンパクトにできて小型化を図れる。また、空気の排出口をとなる開口部がノズルの上方に配置されるので、装置本体の幅寸法を小さくできる。また、複数のヘッドタンクの気泡排出を同時に行えるのでメンテナンス時間を短縮できる。
次に、本発明の第13実施形態について図54を参照して説明する。図54は同実施形態の説明に供する記録ヘッド31、ヘッドタンク35及び流路形成部材34を説明する主走査方向から見た正面説明図である。
本実施形態では、前記第9実施形態などで説明したように、開口部26とインク吐出面45が同一面にない構成として、水平方向に対して上向きにインクを吐出する配置としている。
この場合には、インクを受ける溝は不要になり、開口部26を形成する開口面29aとインク吐出面45に対応する表面29bとの間の段差面がV溝404を形成する。
これにより、このV溝404をつたって排気キャップ48から流れ落ちるインクをインク吐出面45の側方に誘導することができ、排気動作を行うときにインク吐出面が汚れることを防止することができる。
なお、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、本発明は、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置、ライン型画像形成装置のいずれにも適用することができる。