JP2014072252A - トレンチ埋め込み用塗布液 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なクラック耐性を与えつつ、製膜性及びトレンチへの埋め込み性が良好であるトレンチ埋め込み用塗布液を提供する。
【解決手段】(i)一般式(1):[HSiO3/2a[SiO4/2b[O1/21c[O1/2H]d (1){式中、X1は、炭素数1〜6の炭化水素基又はアセチル基であり、複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよく、a、b、c及びdは実数を示し、0≦a≦1、かつ0≦b≦1、但しa+b=1であり、0<c<3a+4b、かつ0<d<3a+4b、但し0<c+d≦3a+4b、かつ0.02≦c/(3a+4b)≦0.35である}で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物と、(ii)シリカ粒子とを含み、ポリシロキサン化合物の縮合換算量とシリカ粒子との総質量中、シリカ粒子の含有量が1質量%以上60質量%以下であるトレンチ埋め込み用塗布液。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体素子に形成されたトレンチの埋め込み用途に好適なトレンチ埋め込み用塗布液に関し、更に詳しくは、絶縁保護膜用に好適なトレンチ埋め込み用塗布液に関する。本発明はまた、上記のトレンチ埋め込み用塗布液の製造方法、及び該トレンチ埋め込み用塗布液の用途に関する。
半導体装置において、メモリセル及び回路素子等の隙間にあたる箇所にトレンチを形成し、トレンチ内に絶縁材料を埋め込むことにより、メモリセル間及び回路素子間等の電気的分離を行う必要がある。メモリの集積度が高まるにつれて、トレンチの開口幅が狭く、トレンチのアスペクト比(すなわち、トレンチの深さを、トレンチの開口幅で除した値)が大きくなる傾向にある。
このようなトレンチ埋め込みのための材料としては、高い電気絶縁性が求められるという理由で、シリコン酸化物が広く好適に用いられている。
トレンチ内にシリコン酸化物を埋め込むための手段としては、従来、CVD法により、トレンチを有するシリコン基材上にシリコン酸化物膜を形成している。しかしながら、近年半導体素子の微細化に伴い、開口幅が狭くなり、アスペクト比が大きくなる傾向がある。そのため、開口幅が0.2μm以下であり、かつアスペクト比が2以上のトレンチにCVD法によりシリコン酸化物を埋めると、トレンチの中にボイド(未充填部分)やシーム(継ぎ目状の未充填部分)が発生し易い問題があった。
CVD法以外の方法として、塗布法により微細溝を埋設し、酸化雰囲気下の焼成によりシリカ膜を形成する方法が知られている。この方法で用いる材料としてはポリシラザン材料、ポリシラン材料、及びシリコーン材料が知られている。
ポリシラザン材料の中で、水素化ポリシラザンは、トレンチ埋め込み性が良く、シリコン酸化物膜への転化時の硬化収縮が少ない特長が報告されている(例えば特許文献1)。しかしながら、水素化ポリシラザンは水蒸気酸化による焼成を必要とするため、基板が酸化されやすいという問題がある。更に近年、トレンチ幅がより狭く、トレンチの深さがより深くなる傾向にあるため、埋め込み性不足の問題、及び厚膜ではクラックが生じる問題、また焼成時にアンモニアガスが発生するため危険であるといった問題があった。
また、ポリシラン材料は、塗布したポリシラン化合物が蒸発し易く、また厚膜ではクラックが生じる問題を有していた(例えば特許文献2)。
シリコーン材料は、塗膜焼成時に脱水、及び脱アルコール縮合反応を伴うため、得られたシリコン酸化物膜中にボイド及びクラックが発生する問題があった。
シリコーン材料を用いてボイド及びクラックの発生を回避する方法として、シリカ粒子とポリシロキサン化合物とによる組成物が提案されている(例えば特許文献3)。
特開2001−308090号公報 特開2003−31568号公報 特開2006−310448号公報
しかしながら、特許文献3の技術では、開口幅30nm以下であり、かつアスペクト比が15以上のトレンチへの埋め込み性が悪く、ボイドが発生するといった問題があった。
前記した従来技術に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、良好なクラック耐性を与えつつ、製膜性、及び、開口幅が狭くアスペクト比の大きいトレンチへの埋め込み性が良好であるトレンチ埋め込み用塗布液を提供することである。
前記課題を解決すべく、本願発明者らは鋭意検討し、実験を重ねた結果、予想外に以下の構成により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の通りのものである。
[1] (i)下記一般式(1):
[HSiO3/2a[SiO4/2b[O1/21c[O1/2H]d (1)
{式中、X1は、炭素数1〜6の炭化水素基、又はアセチル基であり、複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよく、a、b、c及びdは実数を示し、0≦a≦1、かつ0≦b≦1、但しa+b=1であり、0<c<3a+4b、かつ0<d<3a+4b、但し0<c+d≦3a+4b、かつ0.02≦c/(3a+4b)≦0.35である。}
で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物と、(ii)シリカ粒子とを含み、
前記ポリシロキサン化合物の縮合換算量と前記シリカ粒子との総質量中、シリカ粒子の含有量が1質量%以上60質量%以下である、トレンチ埋め込み用塗布液。
[2] 前記一般式(1)で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物が、下記一般式(2):
nSi(OX24-n (2)
{式中、nは、0又は1であり、X2は、炭素数1〜6の炭化水素基、又はアセチル基であり、複数のX2は互いに同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物に由来する、上記[1]に記載のトレンチ埋め込み用塗布液。
[3] 前記一般式(1)で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物が、0<b≦1を満たす、上記[1]又は[2]に記載のトレンチ埋め込み用塗布液。
[4] 前記一般式(1)で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物の少なくとも一部が、前記シリカ粒子の少なくとも一部と縮合されている、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のトレンチ埋め込み用塗布液。
[5] 前記一般式(1)で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物が、下記一般式(2):
nSi(OX24-n (2)
{式中、nは、0又は1であり、X2は、炭素数1〜6の炭化水素基、又はアセチル基であり、複数のX2は互いに同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物に由来し、
前記一般式(1)中のX1が、前記一般式(2)中のX2に由来する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載のトレンチ埋め込み用塗布液。
[6] 溶媒をさらに含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のトレンチ埋め込み用塗布液。
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかに記載のトレンチ埋め込み用塗布液を製造する方法であって:
下記一般式(2):
nSi(OX24-n (2)
{式中、nは、0又は1であり、X2は、炭素数1〜6の炭化水素基、又はアセチル基であり、複数のX2は互いに同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物を、アルコール水溶液中、pH5以上7未満の弱酸性条件で加水分解重縮合して、ポリシロキサン化合物を得る第1の工程と、
前記第1の工程で得たポリシロキサン化合物の縮合換算量40質量部以上99質量部以下と、シリカ粒子1質量部以上60質量部以下とを、炭素数1〜4のアルコールの水溶液中、pH5〜8の条件下、30℃以上の温度で縮合反応させる第2の工程と、
前記第2の工程の後、反応液に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の沸点100℃以上220℃以下の溶媒を加え、次いで蒸留により沸点100℃以下の成分を留去する第3の工程と、
を含む、方法。
[8] 上記[1]〜[6]のいずれかに記載のトレンチ埋め込み用塗布液を基板上に塗布して塗布基板を得る塗布工程と、
前記塗布工程で得た塗布基板を加熱する焼成工程と
を含む、絶縁膜の製造方法。
[9] 前記基板がトレンチ構造を有する、上記[8]に記載の絶縁膜の製造方法。
本発明のトレンチ埋め込み用塗布液は、良好なクラック耐性を与えつつ、製膜性、及び、開口幅が狭くアスペクト比の大きいトレンチへの埋め込み性が良好である。
実施例1における断面SEM観察結果を示す図である。 比較例2における断面SEM観察結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[トレンチ埋め込み用塗布液]
本発明の一態様は、
(i)下記一般式(1):
[HSiO3/2a[SiO4/2b[O1/21c[O1/2H]d (1)
{式中、X1は、炭素数1〜6の炭化水素基、又はアセチル基であり、複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよく、a、b、c及びdは実数を示し、0≦a≦1、かつ0≦b≦1、但しa+b=1であり、0<c<3a+4b、かつ0<d<3a+4b、但し0<c+d≦3a+4b、かつ0.02≦c/(3a+4b)≦0.35である。}
で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物(以下、(i)ポリシロキサン化合物ともいう)と、(ii)シリカ粒子とを含み、
該ポリシロキサン化合物の縮合換算量と該シリカ粒子との総質量中、シリカ粒子の含有量が1質量%以上60質量%以下である、トレンチ埋め込み用塗布液(以下、単に塗布液ということもある)を提供する。
塗布液中で、(i)ポリシロキサン化合物と(ii)シリカ粒子とは、互いに混合されており、若しくは縮合されており、又はこれらの組合せであることができる。本開示では、(i)ポリシロキサン化合物と(ii)シリカ粒子との組合せを、これらの混合物及び縮合反応物を包含してシリカ含有ポリシロキサンともいう。(i)ポリシロキサン化合物と(ii)シリカ粒子とが縮合している場合には、縮合反応物の(i)ポリシロキサン化合物由来部分が一般式(1)の単位構造を有する。(i)ポリシロキサン化合物と(ii)シリカ粒子との縮合反応物は、例えば、(1)ポリシロキサン化合物を合成した後、該ポリシロキサン化合物とシリカ粒子とを縮合反応させる方法、(2)シラン化合物とシリカ粒子とを縮合反応させる方法、又は(3)ポリシロキサン化合物を合成した後、該ポリシロキサン化合物とシリカ粒子及びシラン化合物とを同時に若しくは順次縮合反応させる方法、によって得ることができる。
(i)ポリシロキサン化合物の構造、及び(i)ポリシロキサン化合物と(ii)シリカ粒子との縮合状態は、それぞれ、Si−NMRによって確認される。
好ましい態様においては、(i)ポリシロキサン化合物の少なくとも一部が、(ii)シリカ粒子の少なくとも一部と縮合されている。この場合、シリカ粒子同士の凝集を抑制でき、焼成後の膜の密度が高くなるため好ましい。
本発明のトレンチ埋め込み用塗布液においては、上記のように、(i)ポリシロキサン化合物と(ii)シリカ粒子とが最適な割合で存在し、さらにc/(3a+4b)を制御することで、シリカ含有ポリシロキサン中の縮合可能な末端が少なくされているため、ゲル化しにくく、かつ厚膜化(例えば硬化膜の厚みが10μm以上)してもクラックが入りにくい。さらに、(i)ポリシロキサン化合物は、末端に炭素数1〜6の炭化水素基、及び/又はアセチル基を最適な割合で含有しているため、本発明のトレンチ埋め込み用塗布液によれば、ゲル化を抑制しつつ、非常に高い流動性を発現させることができる。そのため、本発明は、厚膜化と、開口幅が狭く(例えば30nm以下)、アスペクト比の大きい(例えば15以上)トレンチへの埋め込み性との両立を可能にする。
<シリカ含有ポリシロキサン>
シリカ含有ポリシロキサンは、(i)ポリシロキサン化合物と、(ii)シリカ粒子と、を所定の組成で含有する。
((i)ポリシロキサン化合物)
本発明において使用される(i)ポリシロキサン化合物は、上記一般式(1)で表される単位構造を有する。本開示で、一般式(1)で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物とは、[HSiO3/2[SiO4/2[O1/21及び[O1/2H]dがa,b,c及びdの相対比率で存在するように任意の結合順序で結合している化合物を意味する。
上記一般式(1)中のX1の具体例としては、例えば:メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルコキシ基;アセチル基;等が挙げられる。中でも、焼成後の膜密度が高くなる観点から、X1は、メチル基、エチル基であることが好ましい。
(i)ポリシロキサン化合物の縮合換算量と(ii)シリカ粒子との総質量中、(i)ポリシロキサン化合物の縮合換算量での含有量は40質量%以上99質量%以下である。本明細書において、ポリシロキサン化合物の縮合換算量とは、ポリシロキサン化合物を合成する原料が完全に縮合反応した場合の質量を意味する。例えば、上記一般式(2)で表されるシラン化合物を原料としてポリシロキサン化合物を合成した場合の縮合換算量[W]は、原料であるHnSi(OX24-nの分子量をαn、縮合により脱離する成分である(O1/224-nの分子量をβn、原料の質量をγnとすると、[W]=γ0×(1−β0/α0)+γ1×(1−β1/α1)で算出することができる。該縮合換算量が40質量%以上であることは、製膜性及びトレンチへの埋め込み性が良好である点で有利である。該縮合換算量は好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上である。一方、該縮合換算量が99質量%以下であることは、低収縮率及び良好なクラック耐性が得られる点で有利である。該縮合換算量は好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
本発明において、上記一般式(1)で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物は、0.02≦c/(3a+4b)≦0.35を満たすことを必須とし、好ましくは0.03≦c/(3a+4b)≦0.33を満たし、より好ましくは0.05≦c/(3a+4b)≦0.3を満たす。c/(3a+4b)の値は、(i)ポリシロキサン化合物中に含まれる、末端に炭素数1〜6の炭化水素基、及び/又はアセチル基を持つ構造の割合を示す。c/(3a+4b)が0.02以上であることは塗布液のゲル化を抑制して良好な埋め込み性や厚膜でのクラック耐性を得る点で有利であり、c/(3a+4b)が0.35以下であることは塗布液の相溶性が向上し良好な製膜性を得る点で有利である。従って、c/(3a+4b)が上記範囲にあることで、開口幅が小さくアスペクト比の大きいトレンチ内部へボイド及びクラックを生じさせることなく絶縁膜を埋め込むことができる。
(i)ポリシロキサン化合物がもつ炭素数1〜6の炭化水素基、及び/又はアセチル基は、ポリシロキサン化合物を合成する原料に由来するものであってもよいし、ポリシロキサン化合物に炭素数1〜6のアルコール、及び/又は酢酸を縮合反応させることによって導入したものであっても構わない。合成が容易な点で、ポリシロキサン化合物を合成する際の原料に由来することが好ましい。そのような原料として後述の一般式(2)で表されるシラン化合物を用いることがさらに好ましい。
c/(3a+4b)を上記範囲に制御する好ましい方法としては、シラン化合物を水の存在下にて加水分解重縮合させて(i)ポリシロキサン化合物を合成する際に、シラン化合物が有する加水分解性基の数(例えば、後述の一般式(2)で表されるシラン化合物が有するOX2の数)に対する水の量の比(当量比)を調整する方法が挙げられる。この方法の好ましい態様については後述する。またポリシロキサン化合物に炭素数1〜6のアルコール、及び/又は酢酸を縮合反応させる場合に、炭素数1〜6のアルコール、及び/又は酢酸の使用量を調整する方法を用いてもよい。
(i)ポリシロキサン化合物は、0<b≦1を満たす、すなわち、Q構造を少なくとも有することが、基板に対する濡れ性が向上し、製膜性に優れる点で好ましい。bの範囲は、より好ましくは0.3≦b≦1であり、さらに好ましくは0.5≦b≦1であり、最も好ましくは0.7≦b≦1である。
(i)ポリシロキサン化合物に含まれる炭素数1〜6の炭化水素基、及び/又はアセチル基の割合[c/(3a+4b)]は、以下の方法で算出することができる。
(i)ポリシロキサン化合物、又は(i)ポリシロキサン化合物と(ii)シリカ粒子との縮合反応物を、溶媒に溶解させポリシロキサン溶液を作製する。さらに、水及び加水分解触媒を投入し、ポリシロキサン化合物に含まれる炭素数1〜6の炭化水素基、及び/又はアセチル基を加水分解によって脱離させる。加水分解させた後のポリシロキサン溶液中に含まれる炭素数1〜6のアルコール及び酢酸の全モル数[Mc]をガスクロマトグラフィーによって定量する。ポリシロキサン化合物を合成するための原料のT構造由来のSi原子の全モル数を[Ma]、Q構造由来のSi原子の全モル数を[Mb]とすると、c/(3a+4b)は、式:c/(3a+4b)=[Mc]/([Ma+Mb])で算出できる。
好ましい態様において、(i)ポリシロキサン化合物は、下記一般式(2):
nSi(OX24-n (2)
{式中、nは、0又は1であり、X2は、炭素数1〜6の炭化水素基、又はアセチル基であり、複数のX2は互いに同一でも異なっていてもよい。}
で表されるシラン化合物を含むシランモノマーに由来し、より好ましくは上記一般式(2)で表されるシラン化合物に由来する。X2の好ましい例としては、一般式(1)中のX1の好ましい例について前述した基を例示できる。特に、上記一般式(1)中のX1が、上記一般式(2)中のX2に由来することが、合成が容易な観点から好ましい。
((i)ポリシロキサン化合物の製造)
(i)ポリシロキサン化合物を製造する方法は、上記一般式(1)で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物が合成可能な製造方法であれば特に限定されることはないが、例えば上記一般式(2)で表されるシラン化合物を水の存在下で重縮合させる方法により製造できる。このとき、酸性雰囲気下、上記一般式(2)で表されるシラン化合物に含有されるX2の数に対して、好ましくは0.1当量以上10当量以下、より好ましくは0.2当量以上2当量以下の範囲で水を存在させて重縮合を行う。水の存在量が上記の範囲内である場合、得られる(i)ポリシロキサン化合物中にX1が残りやすく、本発明において必須である炭素数1〜6の炭化水素基、及び/又はアセチル基を本発明所定の量で残すことが容易である。(i)ポリシロキサン化合物の製造時に、反応系中に(ii)シリカ粒子を存在させてもよい。この場合、シラン化合物とシリカ粒子との縮合反応物が生成する。
シラン化合物の加水分解重縮合は、加水分解重縮合を良好に進行させる観点から、通常、pH5以上7未満の弱酸性条件下で行うことが好ましい。(i)ポリシロキサン化合物を製造するために用いるシラン化合物が、上記一般式(2)中のX1としてアセチル基を含有する場合は、縮合反応のために水を加えることによって、反応系が酸性を示すため、シラン化合物の他に酸触媒を用いても用いなくても、いずれでも構わない。一方、上記一般式(2)中のX1が炭素数1〜6の炭化水素基である場合は、酸触媒を加えることが好ましい。
酸触媒としては、無機酸及び有機酸が挙げられる。上記無機酸としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸、ホウ酸等が挙げられる。上記有機酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、シトラコン酸、リンゴ酸、グルタル酸等が挙げられる。これらの無機酸及び有機酸は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
(i)ポリシロキサン化合物は、有機溶媒中又は水と有機溶媒との混合溶媒中で製造することができる。上記有機溶媒としては、例えばアルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、脂肪族炭化水素化合物類、芳香族炭化水素化合物類、アミド化合物類等が挙げられる。
上記アルコール類としては、例えば:メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の一価アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の多価アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのモノエーテル類;等が挙げられる。
上記エステル類としては例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。
上記ケトン類としては例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン等が挙げられる。
上記エーテル類としては、上記の多価アルコールのモノエーテル類の他に、例えば:エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコールの水酸基の全てをアルキルエーテル化した多価アルコールエーテル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アニソール等が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素化合物類としては例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素化合物類としては例えばベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
上記アミド化合物類としては例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
以上の溶媒の中でも、アルコール類として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等;ケトン類として、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等;エーテル類として、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等;及びアミド化合物類として、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が、水と混合しやすく、シリカ粒子を分散させやすい点で好ましい。特に好ましい溶媒は、アルコール水溶液である。
これらの溶媒は、単独で使用してもよいし、複数種の溶媒を組み合わせて使用しても構わない。
(i)ポリシロキサン化合物を製造する際の反応温度は特に制限は無いが、好ましくは−50℃以上200℃以下、より好ましくは0℃以上150℃以下の範囲で行う。上記の温度範囲で反応を行うことにより、ポリシロキサン化合物の分子量を容易に制御することができる。
((ii)シリカ粒子)
(ii)シリカ粒子は、(i)ポリシロキサン化合物との組合せにおいて、硬化膜の良好なクラック耐性(特に、硬化膜が例えば10μm以上の厚膜である場合の良好なクラック耐性)に寄与する。本発明において使用される(ii)シリカ粒子としては、例えばヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等が挙げられる。
上記ヒュームドシリカは、ケイ素原子を含む化合物を気相中で酸素及び水素と反応させることによって得ることができる。原料となるケイ素化合物としては、例えばハロゲン化ケイ素(例えば塩化ケイ素等)等が挙げられる。
上記コロイダルシリカは、原料化合物を加水分解・縮合するゾルゲル法により合成することができる。コロイダルシリカの原料化合物としては、例えば、アルコキシケイ素(例えばテトラエトキシシラン等)、ハロゲン化シラン化合物(例えばジフェニルジクロロシラン等)等が挙げられる。中でも、金属、ハロゲン等の不純物は少ないことが好ましいため、アルコキシケイ素から得られたコロイダルシリカがより好ましい。
シリカ粒子の平均一次粒子径は、1nm以上120nm以下であることが好ましく、より好ましくは40nm以下、更に好ましくは20nm以下、最も好ましくは15nm以下である。上記平均一次粒子径が1nm以上である場合、クラック耐性が良好であり好ましく、120nm以下である場合、トレンチへの埋め込み性が良好であり好ましい。
シリカ粒子の平均二次粒子径は、2nm以上250nm以下であることが好ましく、より好ましくは80nm以下、更に好ましくは40nm以下、最も好ましくは30nm以下である。上記平均二次粒子径が2nm以上である場合、クラック耐性が良好であり好ましく、250nm以下である場合、トレンチへの埋め込み性が良好であり好ましい。
また、シリカ粒子の平均二次粒子径は、上記の範囲内で、かつ基板に形成されたトレンチのうち、最小の開口幅の0.1〜3倍であることが、トレンチへの埋め込み性が良好である点で好ましく、上記最小の開口幅の0.1〜2倍であることが更に好ましい。
上記平均一次粒子径は、BETの比表面積から計算で求められる値であり、上記平均二次粒子径は、動的光散乱光度計で測定される値である。
シリカ粒子の形状は、球状、棒状、板状若しくは繊維状又はこれらの2種類以上が合体した形状であることができるが、好ましくは球状である。なお、ここでいう球状とは、真球状の他、回転楕円体、卵形等も含む略球状を意味する。
シリカ粒子としては、上記の要件に適合する限りで、制限は無く、市販品を使用することもできる。
市販品としては、コロイダルシリカとして、例えばLEVASILシリーズ(H.C.Starck(株)製)、メタノールシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL(以上、日産化学工業(株)製)、クオートロンPLシリーズ(扶桑化学(株)製)、OSCALシリーズ(触媒化成工業(株)製)等;粉体状のシリカ粒子として、例えばアエロジル130、同300、同380、同TT600、同OX50(以上、日本アエロジル(株)製)、シルデックスH31、同H32、同H51、同H52、同H121、同H122(以上、旭硝子(株)製)、E220A、E220(以上、日本シリカ工業(株)製)、SYLYSIA470(富士シリシア(株)製)、SGフレーク(日本板硝子(株)製)等がそれぞれ挙げられる。シリカ粒子は、分散媒に分散させた形で用いることもできる。その場合の含有量は、正味のシリカ粒子の質量、すなわち分散液の質量にシリカ粒子の濃度を乗じた値を用いて算出する。
(i)ポリシロキサン化合物の縮合換算量と(ii)シリカ粒子との総質量中の(ii)シリカ粒子の含有量は、1質量%以上60質量%以下である。該含有量が1質量%以上であることは、低収縮率及び良好なクラック耐性(特に厚膜の硬化膜におけるクラック耐性向上効果)が得られる点で有利である。該含有量は好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。一方、該含有量が60質量%以下であることは、製膜性及びトレンチへの埋め込み性が良好である点で有利である。該含有量は好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。
(溶媒)
トレンチ埋め込み用塗布液は溶媒を含有してもよい。この場合、トレンチ埋め込み性がさらに向上するだけでなく、製膜性も向上するため好ましい。溶媒としては、例えば、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素系溶媒から選ばれる少なくとも1種類の溶媒が挙げられ、ストリエーションが少なく製膜性に優れる観点から、エステル、エーテル、及び炭化水素がより好ましい。また、溶媒の沸点は、製膜後の膜厚が均一になりやすい観点から、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上であり、膜密度が高くなる観点から、好ましくは220℃以下である。トレンチ埋め込み用塗布液中の溶媒の含有量は、(i)ポリシロキサン化合物の縮合換算量と(ii)シリカ粒子との合計100質量部に対して、好ましくは100質量部以上1900質量部以下、より好ましくは150質量部以上900質量部以下である。溶媒の上記含有量が100質量部以上である場合、トレンチ埋め込み用塗布液のポットライフが長く、1900質量部以下である場合、トレンチ埋め込み性が良好になるため好ましい。
上記のアルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素の具体例としては、例えばブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメトキシエーテル、プロピレングリコールモノエトキシエーテル等のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソアミルケトン、エチルヘキシルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ―ブチロラクトン等のケトン、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、ペンチルプロピオネート、ヘキシルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル等のエステル、ブチルエチルエーテル、ブチルプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のエーテル、トルエン、キシレン等の炭化水素等が挙げられる。
本発明においては、沸点100℃以上220℃以下の、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素から選ばれる1種類以上の溶媒が、トレンチ埋め込み用塗布液に含有される溶媒全体の50質量%以上を構成することが好ましい。この場合、トレンチ埋め込み用塗布液中に、沸点100℃以下の溶媒が混合されていても構わない。沸点が100℃以上220℃以下の、アルコール、ケトン、エステル、エーテル及び炭化水素から選ばれる1種類以上の溶媒が溶媒全体の50質量%以上を構成する場合、トレンチ埋め込み用塗布液のポットライフが長く、また製膜性が良好であるため好ましい。
[トレンチ埋め込み用塗布液の製造方法]
上述した本発明のトレンチ埋め込み用塗布液の好ましい製造方法について以下に説明する。
本発明の別の態様は、上述した本発明のトレンチ埋め込み用塗布液を製造する方法であって、
上記一般式(2)で表されるシラン化合物を加水分解重縮合して、ポリシロキサン化合物を得る第1の工程と、
該第1の工程で得たポリシロキサン化合物の縮合換算量40質量部以上99質量部以下と、シリカ粒子1質量部以上60質量部以下とを縮合反応させる、第2の工程と、
を含む方法(以下、第1の方法ということもある)を提供する。
溶媒は、上記第1の工程及び上記第2の工程のいずれか又は両者において、任意のタイミングで反応系中に添加でき、又は存在させることができる。また、第2の工程の後に、溶媒を更に添加する第3の工程を任意に含むことができる。第3の工程においては、溶媒添加後、例えば沸点100℃以下の溶媒及び水を除去する溶媒置換処理を行ってもよい。
本発明のトレンチ埋め込み用塗布液を製造する好ましい方法は:
上記一般式(2)で表されるシラン化合物を、アルコール水溶液中、pH5以上7未満の弱酸性条件で加水分解重縮合して、ポリシロキサン化合物を得る第1の工程と、
該第1の工程で得たポリシロキサン化合物の縮合換算量40質量部以上99質量部以下と、シリカ粒子1質量部以上60質量部以下とを、炭素数1〜4のアルコールの水溶液中、pH5〜8の条件下、30℃以上の温度で縮合反応させる第2の工程と、
該第2の工程の後、反応液に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の沸点100℃以上220℃以下の溶媒を加え、次いで蒸留により沸点100℃以下の成分を留去する第3の工程と、
を含む、方法である。
以下、各工程の好適な態様を以下に例示する。
上記第1の工程は、ポリシロキサン化合物の製造の項において詳述したような手法で行うことができる。好ましい条件としては、アルコール水溶液中、pH5以上7未満の弱酸性条件が挙げられる。
上記第2の工程において、上記ポリシロキサン化合物に上記シリカ粒子を縮合反応させる際には、溶媒中に分散した状態のシリカ粒子を用いて反応を進行させることができる。この溶媒は、水若しくは有機溶媒又はこれらの混合溶媒であることができる。上記縮合反応時に反応系中に存在させる有機溶媒の種類は、使用されるシリカ粒子が分散されている分散媒によって変わる。使用されるシリカ粒子の分散媒が水系の場合は、水及び/又は親水性溶媒をシリカ粒子に加えて得た水系分散液を用いてポリシロキサン化合物と反応させてもよいし、シリカ粒子の水分散液に含まれる水を一度親水性溶媒に置換してから、ポリシロキサン化合物と反応させてもよい。使用できる親水性溶媒としては、炭素数1〜4のアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、アミド化合物系溶媒が挙げられ、炭素数1〜4のアルコール系溶媒としては、具体的にメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール等が挙げられ、エーテル系溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル等が挙げられ、エステル系溶媒としては、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、アミド化合物系溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。これらは、水と容易に混合できるため好ましい。
使用されるシリカ粒子の分散媒がアルコール、ケトン、エステル、炭化水素等の溶媒である場合は、水又はアルコール、エーテル、ケトン、エステル等の溶媒を、縮合反応時に反応系中に存在させる溶媒として使用することができる。アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、n−ブタノール等が挙げられる。エーテルとしては、例えばジメトキシエタンが挙げられる。ケトンとしては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エステルとしては、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル等が挙げられる。
好ましい態様において、第2の工程を炭素数1〜4のアルコールの水溶液中で行うことができる。
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子とを縮合反応させる際の反応系のpHは、好ましくはpH=4〜9の範囲、より好ましくはpH=5〜8の範囲に調整する。pHが上記範囲にある場合、シリカ含有ポリシロキサンがゲル化しにくいため好ましい。
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応は、通常酸触媒の存在下で行う。酸触媒としては、ポリシロキサン化合物の製造に用いるものとして前述したのと同じ酸触媒を挙げることができる。ポリシロキサン化合物の製造後に酸触媒を取り除く場合には、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子とを反応させる際に酸触媒を再度加えることが通常必要であるが、ポリシロキサン化合物の製造後に酸触媒を取り除かずそのままシリカ粒子を反応させる場合は、酸触媒を再度加えなくても、ポリシロキサン化合物を反応させる際に使用した酸触媒でポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応を行うことができる。しかし、この場合、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応時に改めて酸触媒を加えても構わない。
ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応温度は、好ましくは0℃以上200℃以下、より好ましくは50℃以上150℃以下である。反応温度が上記範囲である場合、ポリシロキサン化合物又はこれとシリカ粒子との縮合反応物の重量平均分子量が容易に制御でき、ゲル化しにくいため好ましい。
縮合反応後の反応液のpHは、5以上8以下に調整することが好ましい。pHは、例えば縮合反応後に蒸留によって酸を取り除くことによって調整できる。上記反応液のpHが上記範囲内である場合、塗布液のポットライフが長く好ましい。
アルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素から選ばれる溶媒(好ましくは沸点100℃以上220℃以下のもの)を、縮合反応の際にあらかじめ添加してもよいし、上記縮合反応を行った後に、第3の工程を設けて添加してもよいし、上記両者のタイミングで添加してもよい。アルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素から選ばれる沸点100℃以上220℃以下の溶媒としては、塗布液の保存安定性がよく、製膜後の膜厚が均一になりやすい観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等が好ましい。
上記第3の工程を設ける場合には、縮合反応の際に使用した溶媒を蒸留等の方法により除去して得た濃縮物に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素から選ばれる沸点100℃以上220℃以下の溶媒を更に加えても構わない。
第2の工程における縮合反応の際に使用される溶媒(特に有機溶媒)、及び該縮合反応の際に生成するアルコールが、アルコール、ケトン、エステル、エーテル及び炭化水素からなる群から選ばれる沸点100℃以上220℃以下の溶媒よりも沸点が低い場合は、縮合反応の際又は縮合反応後に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、及び炭化水素から選ばれる沸点100℃以上220℃以下の溶媒を添加し、その後蒸留等の方法によって低沸点の溶媒を取り除くことが好ましい。この場合、塗布液のポットライフが長くできる点で好ましい。
特に好ましい態様においては、第3の工程において、縮合反応後の反応液に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の沸点100℃以上220℃以下の溶媒を加えた後、沸点100℃以下の成分を留去する。これによって高沸点溶媒への溶媒置換を行うことができる。沸点100℃以下の成分としては、例えば、第1の工程、第2の工程及び/又は追加の工程を、水アルコール水溶液中、又は沸点100℃以下のアルコール中等で行った場合における、水、又は沸点100℃以下のアルコール等が挙げられる。
より具体的には、縮合反応の際に水及びアルコールを使用する場合には、縮合反応後に前述のような態様で溶媒を加えた後に、蒸留等の方法によって水及び沸点100℃以下のアルコールを取り除き、反応液中の沸点100℃以下の成分(すなわち水及び沸点100℃以下のアルコール)の含有量を1質量%以下にすることが好ましい。該含有量が上記範囲内である場合、塗布液のポットライフが長く好ましい。
上記のような手順の後に、反応液中のイオンを除去するために精製を行ってもよい。イオンを除去する方法としては、例えばイオン交換樹脂によるイオン交換、限外ろ過、蒸留等が挙げられる。
特に好ましい態様において、ポリシロキサン化合物とシリカ粒子との縮合反応は、炭素数1〜4のアルコールの水溶液中、pH5〜8の条件下、30℃以上の温度で行う。
また、本発明の別の態様は、上述した本発明のトレンチ埋め込み用塗布液を製造する方法であって、
シラン化合物(好ましくは上記一般式(2)で表されるシラン化合物)の縮合換算量40質量部以上99質量部以下と、シリカ粒子1質量部以上60質量部以下とを縮合反応させる工程を含む方法(以下、第2の方法ともいう)を提供する。
また、本発明の別の態様は、上述した本発明のトレンチ埋め込み用塗布液を製造する方法であって、
上記一般式(2)で表されるシラン化合物を加水分解重縮合して、ポリシロキサン化合物を得る第1の工程と、
以下の(a)又は(b):
(a)該第1の工程で得たポリシロキサン化合物とシリカ粒子とを縮合反応させて縮合物を形成した後、該縮合物にシラン化合物(好ましくは上記一般式(2)で表されるシラン化合物)を更に縮合反応させること、又は
(b)該第1の工程で得たポリシロキサン化合物及びシラン化合物(好ましくは上記一般式(2)で表されるシラン化合物)と、シリカ粒子とを縮合反応させること、
を行う第2の工程とを含み、
該第2の工程において、該ポリシロキサン化合物の縮合換算量と該シラン化合物の縮合換算量との合計40質量部以上99質量部以下と、シリカ粒子1質量部以上60質量部以下とを縮合反応させる、方法(以下、第3の方法ともいう)を提供する。この方法における第1の工程は、前述の第1の方法における第1の工程と同様に実施でき、上記(a)におけるポリシロキサン化合物とシリカ粒子との反応は前述した第1の方法の第2の工程と同様に実施できる。
上記第2及び第3の方法においては、縮合反応の後、前述の第3の工程を更に行うことができる。
第2及び第3の方法においてシリカ粒子と縮合反応させるシラン化合物としては、反応性が高く容易に反応が進行する観点から、上記一般式(2)で表されるシラン化合物が好ましい。シラン化合物はニートで加えてもよいし、一度溶媒で希釈してから加えてもよい。希釈用の溶媒としては、例えばアルコール、エーテル、ケトン、エステル、炭化水素、ハロゲン化溶媒等が用いられる。
上記シラン化合物、特に上記一般式(2)で表されるシラン化合物は、濃度1質量%以上100質量%以下(ニートの場合100質量%)の範囲で反応系中に添加することが好ましく、該濃度はより好ましくは3質量%以上50質量%以下である。該濃度が上記の範囲内である場合、溶媒使用量が少ないため後続の溶媒留去が容易であり好ましい。
シラン化合物、又はポリシロキサン化合物及びシラン化合物の組合せ、とシリカ粒子とを縮合反応させる際の条件は、−50℃以上200℃以下の範囲で、1分以上100時間以下の範囲であることが好ましい。反応温度と反応時間とを制御することで、塗布液を用いた製膜の際の塗布液の粘度を制御することができ、反応温度と反応時間とが上記の範囲である場合には上記粘度を製膜のために特に好適な範囲に制御できる。
例えば以上のような手順で、トレンチ埋め込み用塗布液を得ることができる。
[絶縁膜の製造方法]
本発明の別の態様は、上述した本発明のトレンチ埋め込み用塗布液を基板上に塗布して塗布基板を得る塗布工程と、該塗布工程で得た塗布基板を加熱する焼成工程とを含む、絶縁膜の製造方法を提供する。前述したような方法により製造されたトレンチ埋め込み用塗布液は、通常の方法で基板上に塗布することができる。塗布方法としては例えばスピンコート法、ディップコート法、ローラーブレード塗布法、スプレー塗布法等が挙げられる。中でも製膜時の塗布厚みが均一である点でスピンコート法が好ましい。
上記基板としては例えばシリコン(Si)基板が挙げられる。また上記基板はトレンチ構造を有することができる。塗布工程において、トレンチ構造を有する基板に例えばスピンコーティング法によってトレンチ埋め込み用塗布液を塗布する場合、1段階の回転数で塗布しても、複数段階の回転数を組み合わせて塗布しても構わない。特に、少なくとも1段階目の回転数を低速にし、2段階目以降を高速にすることが好ましい。これは、1段階目に低速で回転させることによってシリカ含有ポリシロキサンを基板(例えばシリコン基板)全面に広げることができるため、及び埋め込み性が良好になるためである。また、塗布液の塗布回数は1回でも複数回でも構わないが、製膜性が良好であるという観点及び製造コストの観点から、1回で塗布することがより好ましい。例えば上記のような手順で塗布基板を得ることができる。
次いで、焼成工程において上記塗布基板を加熱する。塗布工程において基板に上記の方法でトレンチ埋め込み用塗布液を塗布して塗布膜を形成した後、塗布膜中の残留溶媒を除くために50℃〜220℃の範囲で予備硬化させることが好ましい。そのとき、段階的に温度を上げても、連続的に温度を上げてもよい。予備硬化の雰囲気は、酸化性雰囲気であっても非酸化性雰囲気であっても構わない。
予備硬化させて得られた膜を次いで加熱焼成することによって絶縁膜を得ることができる。上記の加熱焼成の方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネス等の一般的な加熱手段を適用することができる。加熱温度は好ましくは220℃超過850℃以下であり、より好ましくは300℃超過800℃以下であり、更に好ましくは350℃超過750℃以下である。加熱温度が220℃超過である場合、得られる膜質が良好であるため好ましく、850℃以下である場合、クラック耐性が良好であるため好ましい。
焼成工程における熱処理時間は好ましくは1分以上24時間以下であり、より好ましくは30分以上2時間以下である。
焼成工程においては、酸化性雰囲気での加熱焼成と光処理とを併用しても構わない。加熱と光処理とを同時に行う場合の温度は、好ましくは20℃以上600℃以下であり、処理時間は、好ましくは0.1分以上120分以下である。光処理には、可視光線、紫外線、遠紫外線等を使用できる。光処理にはまた、低圧若しくは高圧の水銀ランプ;重水素ランプ;アルゴン、クリプトン、キセノン等の希ガスの放電光;YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArCl等のエキシマレーザー;等を光源として使用することができる。これらの光源は、好ましくは10〜5,000Wの出力のものである。これらの光源による光の波長は、基板に塗布した膜中のシリカ含有ポリシロキサンに少しでも吸収があれば構わないが、好ましくは170nm〜600nmの波長の光である。照射量は、好ましくは0.1〜1,000J/cm2であり、より好ましくは1〜100J/cm2である。光処理時に同時にオゾンを発生させても構わない。例えば上記の条件で光処理することによって、基板に塗布した膜中のシリカ含有ポリシロキサンの酸化反応が進行し、焼成後の膜質を向上させることができる。
本発明のトレンチ埋め込み用塗布液を使用して得られた絶縁膜は、液晶表示素子、集積回路素子、半導体記憶素子、固体撮像素子等の電子部品用の層間絶縁膜、素子分離膜、STI(Shallow Trench Isolation)用絶縁膜、PMD(Pre Metal Dielectric)膜、平坦化膜、表面保護膜、封止膜等に好適である。
以下、実施例及び比較例により本発明の実施の形態をより詳細に説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。
[物性評価項目]
(1)ポリシロキサン化合物中のアルコキシ基含有率の算出方法
以下の手順により定量を行った。
(1−1)トレンチ埋め込み用塗布液中のアルコールの定量
トレンチ埋め込み用塗布液中のアルコール含有量(A)を、島津製作所社製のガスクロマトグラフ(GC−1700)を使用し、FID検出器を用いて内部検量線法により求め、モル数[A]に換算した。
(1−2)トレンチ埋め込み用塗布液中のポリシロキサン化合物の加水分解処理
トレンチ埋め込み用塗布液に等量の10%HCl水溶液を攪拌しながら滴下した。そのまま攪拌を続け、室温で24時間加水分解処理を行った。
(1−3)加水分解後のトレンチ埋め込み用塗布液中のアルコールの定量
加水分解処理を行った溶液中のアルコール含有量(B)を、島津製作所社製のガスクロマトグラフ(GC−1700)を使用し、FID検出器を用いて内部検量線法により求め、モル数[B]に換算した。
(1−4)ポリシロキサン化合物中の炭化水素基の算出
ポリシロキサン化合物中の炭化水素基のモル数[C]は、[C]=[B]−[A]にて算出した。
(1−5)ポリシロキサン化合物のc/(3a+4b)の算出
前述した計算式:c/(3a+4b)=[Mc]/([Ma+Mb])を用いて算出した。
(2)製膜性
Si基板にトレンチ埋め込み用塗布液を塗布した後、100℃で2分間、続いて140℃で5分間、ホットプレート上で段階的にプリベークした。その後、膜の表面を光学顕微鏡にて倍率30倍で観察し、相分離が見られる場合を×、見られない場合を○とした。
(3)埋め込み性
開口幅20nm、深さ1000nmのトレンチを有するSi基板にトレンチ埋め込み用塗布液を塗布した後、100℃で2分間、続いて140℃で5分間、ホットプレート上で段階的にプリベークした。その後、アルゴン雰囲気下の焼成炉に入れ、昇温速度20℃/minで930℃まで昇温し、930℃で30分間保持し、焼成を行った。焼成後、トレンチを有するSi基板を割断し、割断面にOs染色を行った後、日立製作所、走査型電子顕微鏡(SEM)S4800を使用し、加速電圧1kVで観察した。1つの割断した基板中、100箇所のトレンチ部分を観察した。トレンチ内部にボイド、又はシームがある場合は×、トレンチ内部が埋まっている(すなわちボイド及びシームがない)場合は○とした。
[トレンチ埋め込み用塗布液の製造]
[実施例1]
200mLナスフラスコに、PL−06L(扶桑化学工業製の平均1次粒子径6nm、6.3質量%濃度の水分散シリカ粒子)20.41g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)(沸点:120℃)50gを入れ、加熱減圧蒸留を行いPGMEに溶媒置換されたシリカ分散液(PGME/シリカ分散液)20.41gを得た。GC測定により、PGME/シリカ分散液中に、水は、約3質量%含まれていた。
300mLナスフラスコに、テトラエトキシシラン(TEOS)10.40g、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル20.63gを入れて攪拌し、ついで0.7質量%硝酸水溶液1.53g、及び水0.28gの混合硝酸水溶液を室温で滴下した。滴下終了後、50℃で1時間加熱攪拌した。加熱攪拌後、PGME/シリカ分散液を20.41g滴下した。滴下終了後、50℃で1時間加熱攪拌した。その後、加熱減圧蒸留により、溶媒を留去し、トレンチ埋め込み用塗布液28.57gを得た。生成したトレンチ埋め込み用塗布液の、上記(1)〜(3)で示される物性評価を行い、評価結果を表1に示した。トレンチ埋め込み性の断面SEM観察結果を図1に示した。
[実施例2]
混合硝酸水溶液の代わりに、0.7質量%硝酸水溶液1.35gを用いた以外は、実施例1と同様の条件でトレンチ埋め込み用塗布液を得た。生成したトレンチ埋め込み用塗布液の、上記(1)〜(3)で示される物性評価を行い、評価結果を表1に示した。
[比較例1]
300mLナスフラスコに、TEOS10.40g、及びエタノール20.63gを入れて攪拌し、ついで0.7質量%硝酸水溶液1.53g、及び水2.08gの混合硝酸水溶液を室温で滴下した。滴下終了後、50℃で1時間加熱攪拌した。加熱攪拌後、10質量%アンモニア水溶液0.01g、及び水19.11g、及びエタノール19.38gの混合溶液を室温で滴下した。滴下終了後、50℃で1時間加熱攪拌した。その後、加熱減圧蒸留により、溶媒を留去し、TEOS縮合物の溶液19.99gを得た。生成したTEOS縮合物の溶液の、上記(1)〜(3)で示される物性評価を行い、評価結果を表1に示した。
[比較例2]
300mLナスフラスコに、TEOS31.20g、及びエタノール61.89gを入れて攪拌し、ついで0.7質量%硝酸水溶液4.59g、及び水6.24gの混合硝酸水溶液を室温で滴下した。滴下終了後、50℃で1時間加熱攪拌した。加熱攪拌後、PL−06L61.23g、及びエタノール58.14gの混合溶液を室温で滴下した。滴下終了後、50℃で1時間加熱攪拌した。その後、加熱減圧蒸留により、溶媒を留去し、トレンチ埋め込み用塗布液85.70gを得た。生成したトレンチ埋め込み用塗布液の、上記(1)〜(3)で示される物性評価を行い、評価結果を表1に示した。トレンチ埋め込み性の断面SEM観察結果を図2に示した。
[比較例3]
混合硝酸水溶液の代わりに、0.7質量%硝酸水溶液0.91gを用いた以外は、実施例1と同様の条件でトレンチ埋め込み用塗布液を得た。生成したトレンチ埋め込み用塗布液の、上記(1)〜(3)で示される物性評価を行い、評価結果を表1に示した。
本発明は、液晶表示素子、集積回路素子、半導体記憶素子、固体撮像素子等の電子部品用の層間絶縁膜、素子分離膜、STI(Shallow Trench Isolation)用絶縁膜、PMD(Pre Metal Dielectric)膜、平坦化膜、表面保護膜、封止膜等の製造におけるトレンチの埋め込み用途に好適に適用される。

Claims (9)

  1. (i)下記一般式(1):
    [HSiO3/2a[SiO4/2b[O1/21c[O1/2H]d (1)
    {式中、X1は、炭素数1〜6の炭化水素基、又はアセチル基であり、複数のX1は互いに同一でも異なっていてもよく、a、b、c及びdは実数を示し、0≦a≦1、かつ0≦b≦1、但しa+b=1であり、0<c<3a+4b、かつ0<d<3a+4b、但し0<c+d≦3a+4b、かつ0.02≦c/(3a+4b)≦0.35である。}
    で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物と、(ii)シリカ粒子とを含み、
    前記ポリシロキサン化合物の縮合換算量と前記シリカ粒子との総質量中、シリカ粒子の含有量が1質量%以上60質量%以下である、トレンチ埋め込み用塗布液。
  2. 前記一般式(1)で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物が、下記一般式(2):
    nSi(OX24-n (2)
    {式中、nは、0又は1であり、X2は、炭素数1〜6の炭化水素基、又はアセチル基であり、複数のX2は互いに同一でも異なっていてもよい。}
    で表されるシラン化合物に由来する、請求項1に記載のトレンチ埋め込み用塗布液。
  3. 前記一般式(1)で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物が、0<b≦1を満たす、請求項1又は2に記載のトレンチ埋め込み用塗布液。
  4. 前記一般式(1)で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物の少なくとも一部が、前記シリカ粒子の少なくとも一部と縮合されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトレンチ埋め込み用塗布液。
  5. 前記一般式(1)で表される単位構造を有するポリシロキサン化合物が、下記一般式(2):
    nSi(OX24-n (2)
    {式中、nは、0又は1であり、X2は、炭素数1〜6の炭化水素基、又はアセチル基であり、複数のX2は互いに同一でも異なっていてもよい。}
    で表されるシラン化合物に由来し、
    前記一般式(1)中のX1が、前記一般式(2)中のX2に由来する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトレンチ埋め込み用塗布液。
  6. 溶媒をさらに含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトレンチ埋め込み用塗布液。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のトレンチ埋め込み用塗布液を製造する方法であって:
    下記一般式(2):
    nSi(OX24-n (2)
    {式中、nは、0又は1であり、X2は、炭素数1〜6の炭化水素基、又はアセチル基であり、複数のX2は互いに同一でも異なっていてもよい。}
    で表されるシラン化合物を、アルコール水溶液中、pH5以上7未満の弱酸性条件で加水分解重縮合して、ポリシロキサン化合物を得る第1の工程と、
    前記第1の工程で得たポリシロキサン化合物の縮合換算量40質量部以上99質量部以下と、シリカ粒子1質量部以上60質量部以下とを、炭素数1〜4のアルコールの水溶液中、pH5〜8の条件下、30℃以上の温度で縮合反応させる第2の工程と、
    前記第2の工程の後、反応液に、アルコール、ケトン、エステル、エーテル及び炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の沸点100℃以上220℃以下の溶媒を加え、次いで蒸留により沸点100℃以下の成分を留去する第3の工程と、
    を含む、方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のトレンチ埋め込み用塗布液を基板上に塗布して塗布基板を得る塗布工程と、
    前記塗布工程で得た塗布基板を加熱する焼成工程と
    を含む、絶縁膜の製造方法。
  9. 前記基板がトレンチ構造を有する、請求項8に記載の絶縁膜の製造方法。
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