JP2014071962A - 異方導電性部材および多層配線基板 - Google Patents

異方導電性部材および多層配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】電極との密着力が高く、優れた導通信頼性を達成することができる異方導電部材およびそれを用いた多層配線基板の提供。
【解決手段】絶縁性基材の厚み方向に設けられた複数の貫通孔の内部に導電性材料を有する異方導電性部材であって、
貫通孔の内部に、導電性材料とともに樹脂が存在し、
貫通孔が、導電性材料によって絶縁性基材の厚み方向に導通されており、
樹脂の熱膨張率が、100×10-6-1以上である異方導電性部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、異方導電性部材および多層配線基板に関する。
絶縁性基材に設けられた微細孔に金属が充填されてなる金属充填微細構造体(デバイス)は、近年ナノテクノロジーでも注目されている分野のひとつであり、例えば、異方導電部材としての用途が期待されている。
異方導電性部材は、半導体素子等の電子部品と回路基板との間に挿入し、加圧するだけで電子部品と回路基板間の電気的接続が得られるため、半導体素子等の電子部品等の電気的接続部材や機能検査を行う際の検査用コネクタ等として広く使用されている。
特に、半導体素子等の電子接続部材は、そのダウンサイジング化が顕著であり、従来のワイヤーボンディングのような直接配線基板を接続するような方式では、ワイヤーの径をこれ以上小さくすることが困難となってきている。
そこで、近年になり、絶縁素材の皮膜中に導電部材が貫通林立したタイプや金属球を配置したタイプの異方導電部材が注目されてきている。
また、半導体素子等の検査用コネクタは、半導体素子等の電子部品を回路基板に実装した後に機能検査を行うと、電子部品が不良であった場合に、回路基板もともに処分されることとなり、金額的な損失が大きくなってしまうという問題を回避するために使用される。
即ち、半導体素子等の電子部品を、実装時と同様のポジションで回路基板に異方導電性部材を介して接触させて機能検査を行うことで、電子部品を回路基板上に実装せずに、機能検査を実施でき、上記の問題を回避することができる。
このような異方導電性部材に使用可能な微細構造体として、特許文献1には、「1×106〜1×1010/mm2の密度で、孔径10〜500nmの貫通孔を有する絶縁性基材からなる微細構造体であって、該貫通孔の総数の20%以上の貫通孔内部に金属が充填され、且つ、該貫通孔の総数の1〜80%の貫通孔内部にポリマーが充填されていることを特徴とする微細構造体。」が記載されている([請求項1])。
また、特許文献2には、「絶縁性基材に設けられた貫通孔の内部に金属および絶縁性物質を充填させた微細構造体であって、
前記絶縁性基材における、前記貫通孔の密度が1×106〜1×1010個/mm2であり、前記貫通孔の平均開口径が10〜5000nmであり、前記貫通孔の平均深さが10〜1000μmであり、
前記貫通孔の前記金属のみによる封孔率が80%以上であり、
前記貫通孔の前記金属および前記絶縁性物質による封孔率が99%以上であり、
前記絶縁性物質が、水酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、金属アルコキシド、塩化リチウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化タンタル、酸化ニオブおよび酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1種である微細構造体。」が記載されている([請求項1])。
特開2010−33753号公報 特開2012−9146号公報
本発明者は、特許文献1および2に記載の微細構造体について検討を行った結果、これらの微細構造体を異方導電性部材として使用すると、配線基板(特に、多層配線基板)の電極との安定的な接続の観点からアンダーフィルを用いる場合には、層間等へのアンダーフィルの充填が困難となり、電極の形状やピッチ等によっては配線基板との密着力が劣ったり、導通信頼性が劣ったりする場合があることを明らかとした。
そこで、本発明は、配線基板との密着力が高く、優れた導通信頼性を達成することができる異方導電部材およびそれを用いた多層配線基板を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、絶縁性基材に設けられた貫通孔の内部に金属とともに特定の樹脂を存在させた異方導電部材を用いることにより、配線不良を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(9)を提供する。
(1) 絶縁性基材の厚み方向に設けられた複数の貫通孔の内部に導電性材料を有する異方導電性部材であって、
貫通孔の内部に、導電性材料とともに樹脂が存在し、
貫通孔が、導電性材料によって絶縁性基材の厚み方向に導通されており、
樹脂の熱膨張率が、100×10-6-1以上である異方導電性部材。
(2) 導電性材料および樹脂が、貫通孔の孔径方向の断面においていずれも存在している(1)に記載の異方導電性部材。
(3) 貫通孔の平均開口径が40nm以上10μm未満であり、かつ、アスペクト比(平均深さ/平均開口径)が100〜3000である(1)または(2)に記載の異方導電性部材。
(4) 貫通孔が設けられた絶縁性基材が、バルブ金属の陽極酸化皮膜である(1)〜(3)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(5) バルブ金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマスおよびアンチモンからなる群から選択される少なくとも1種の金属である(4)に記載の異方導電性部材。
(6) 導電性材料が、銅、金、アルミニウム、ニッケル、銀およびタングステンからなる群から選択される少なくとも1種の金属、または、カーボンナノファイバーである(1)〜(5)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(7) 樹脂が、少なくともシリコーン樹脂および/またはウレタン樹脂を含む(1)〜(6)のいずれかに記載の異方導電性部材。
(8) (1)〜(7)のいずれかに異方導電性部材と、異方導電性部材の導電性材料と電極を介して電気的に接続される配線基板とが積層された多層配線基板。
(9) 半導体パッケージのインターポーザとして用いる(8)に記載の多層配線基板。
以下に説明するように、本発明によれば、配線基板との密着力が高く、優れた導通信頼性を達成することができる異方導電部材およびそれを用いた多層配線基板を提供することができる。
図1は、本発明の異方導電性部材の好適な実施態様の一例を示す模式図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は図1(A)の切断面線IB−IBからみた断面図である。 図2は、本発明の多層配線基板の好適な実施態様の一例を示す模式的な断面図であり、図2(A)は加熱圧着前の半製品を示し、図2(B)は加熱圧着後の多層配線基板を示す。
〔異方導電性部材〕
以下に、本発明の異方導電性部材について詳細に説明する。
本発明の異方導電性部材は、絶縁性基材の厚み方向に設けられた複数の貫通孔の内部に導電性材料を有する異方導電性部材であって、上記貫通孔の内部に上記導電性材料とともに樹脂が存在し、上記貫通孔が上記導電性材料によって上記絶縁性基材の厚み方向に導通されており、上記樹脂の熱膨張率が100×10-6-1以上である異方導電性部材である。
次に、本発明の異方導電性部材の構造について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の異方導電性部材の好適な実施態様の一例を示す模式図であり、図1(A)は正面図、図1(B)は図1(A)の切断面線IB−IBからみた断面図である。
図1に示すように、本発明の異方導電性部材1は、絶縁性基材2と、導電性材料3および樹脂4が存在する複数の貫通孔5とを具備するものである。
ここで、図1(B)においては、導電性材料3が貫通孔5の内壁を覆うように存在し、樹脂4が貫通孔5の中心付近に存在した好適態様が示されているが、本発明の異方導電性部材はこの態様に限定されず、導電性材料3が貫通孔5の中心付近に存在し、樹脂4が貫通孔5の隙間を埋めるように存在していてもよい。
図1に示すように、貫通孔5は、内部に存在する導電性材料3によって絶縁性基材2の厚み方向に導通し、導通路を形成しているため、互いに絶縁された状態となるよう絶縁性基材2の厚み方向に貫通して設けられる。
また、貫通孔5に存在する導電性材料3および樹脂4は、いずれも絶縁基材2の表面2aおよび裏面2bにおいて露出しているのが好ましく、突出していないのが好ましい。すなわち、異方導電性部材1は、その表面および裏面が平滑であるのが好ましい。
更に、貫通孔5は、絶縁性基材2の厚み方向Zと略平行(図1においては平行)となるように設けられるのが好ましい。具体的には、絶縁性基材2の厚みに対する貫通孔5の中心線の長さ(長さ/厚み)が、1.0〜1.2であるのが好ましく、1.0〜1.05であるのがより好ましい。
次に、本発明の異方導電性部材の絶縁性基材および貫通孔(導通路)について、材料、寸法、形成方法等について説明する。
<絶縁性基材>
本発明の異方導電性部材を構成する絶縁性基材は、従来公知の異方導電性フィルム等を構成する絶縁性基材(例えば、熱可塑性エラストマー等)と同程度の電気抵抗率(1014Ω・cm程度)を有するものであれば特に限定されない。
本発明においては、上記絶縁性基材は、所望の平均開口径を有するマイクロポアが貫通孔として形成され、かつ、高アスペクト比の貫通孔が形成される理由から、バルブ金属の陽極酸化皮膜であるのが好ましい。
ここで、上記バルブ金属としては、具体的には、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。
これらのうち、寸法安定性がよく、比較的安価であることからアルミニウムの陽極酸化皮膜(基材)であるのが好ましい。
また、本発明においては、上記絶縁性基材における貫通孔の間隔(図1(B)においては符号6で表される部分)は、10nm以上であるのが好ましく、20〜100nmであるのがより好ましく、20〜50nmであるのが更に好ましい。
貫通孔の間隔が上記範囲であると、絶縁性基材が絶縁性の隔壁として十分に機能する。
<貫通孔(導通路)>
上記絶縁性基材に設けられる上記貫通孔は、本発明の異方導電性部材においては、後述する導電性材料および樹脂が存在し、それられ実質的に満たされるものである。
本発明においては、上記貫通孔の密度は、1×106〜1×1010個/mm2であるのが好ましく、2×106〜8×109個/mm2であるのがより好ましく、5×106〜5×109個/mm2であるのが更に好ましい。
貫通孔の密度が上記範囲にあることにより、本発明の異方導電性部材を高集積化が一層進んだ現在においても半導体素子等の電子部品の検査用コネクタ等として使用することができる。
また、上記貫通孔の開口径(図1(B)においては符号7で表される部分)の平均値(平均開口径)は、40nm以上10μm未満であるのが好ましく、60nm以上5μm以下であるのがより好ましく、1μm以下であるのが更に好ましい。
貫通孔の平均開口径が上記範囲であると、電気信号を流した際に十分な応答を得ることができるため、本発明の異方導電性部材を電子部品の検査用コネクタとして好適に用いることができる。
更に、上記貫通孔の深さ(図1(B)においては符号8で表される部分)の平均値(平均深さ)は、10〜1000μmであり、50〜700μmであるのが好ましく、50〜200μmであるのがより好ましい。
貫通孔の平均深さ、すなわち、絶縁性基材の厚さが上記範囲であると、機械的強度が向上して絶縁性基材の取り扱い性が良好となる。
本発明においては、後述するように、半導体素子等の配線基板における電極と異方導電性部材とを接続(接合)する際の加熱により、貫通孔に存在する樹脂が膨張し、効率よく配線基板と異方導電性部材との隙間を埋めることができ、配線基板との密着性がより高くなる理由から、上記貫通孔のアスペクト比(平均深さ/平均開口径)は、100〜3000であるのが好ましく、300〜3000であるのがより好ましく、1000〜3000であるのが更に好ましい。
また、隣接する上記貫通孔の中心間距離(図1(B)においては符号9で表される部分。以下、「周期」ともいう。)は、20〜5000nmであるのが好ましく、30〜500nmであるのがより好ましく、40〜200nmであるのがさらに好ましく、50〜140nmであるのが特に好ましい。
周期が上記範囲であると、貫通孔の平均開口径と貫通孔の間隔(絶縁性の隔壁厚)とのバランスがとりやすい。
(導電性材料)
上記貫通孔に存在する導電性材料は、電気抵抗率が103Ω・cm以下の材料であれば特に限定されず、その具体例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、ベリリウム(Be)、レニウム(Re)、タングステン(W)などの金属;カーボンナノチューブなどのカーボンナノファイバー;等が好適に例示され、これらを1種単独の金属を存在させてもよく、2種以上の合金を存在させてもよい。
これらのうち、電気伝導性の観点から、銅、金、アルミニウム、ニッケル、銀およびタングステンならびにカーボンナノチューブが好ましく、銅、カーボンナノチューブがより好ましい。
(樹脂)
上記貫通孔に存在する樹脂は、熱膨張率が100×10-6-1以上の樹脂である。
ここで、熱膨張率は、JIS K 7197:1991の「プラスチックの熱機械分析による線膨脹率試験方法」に準じて測定した値をいい、2種以上の樹脂を併用した場合はこれらの混合物における測定値をいう。
このような樹脂を貫通孔に存在させることにより、配線基板との密着力が高く、優れた導通信頼性を達成することができる異方導電部材となる。
これは、半導体素子等の配線基板における電極と異方導電性部材とを接続(接合)する際に加熱することにより、貫通孔に存在する樹脂が膨張し、配線基板と異方導電性部材との隙間を埋めることができるためであると考えられる。
また、このような効果は、一般的なアンダーフィル剤として好適に用いられているエポキシ樹脂(熱膨張率:45×10-6-1〜65×10-6-1)のみを貫通孔に存在させた場合には得られない効果であるため、意外な効果であると言える。
本発明においては、上記樹脂の熱膨張率は、電極との接続部分における樹脂のはみ出し等を抑制する観点から、300×10-6-1以下であるのが好ましい。
また、上記樹脂の熱膨張率は、配線基板との密着性がより高くなる理由から、200×10-6-1以上であるのが好ましい。
上記樹脂としては、具体的には、例えば、シリコーン樹脂(熱膨張率:200×10-6-1〜300×10-6-1)、ウレタン樹脂(熱膨張率:100×10-6-1〜200×10-6-1)、ポリエチレン(熱膨張率:100×10-6-1〜120×10-6-1)、ポリブタジエン(熱膨張率:100×10-6-1〜120×10-6-1)等が挙げられ、これらを一種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、貫通孔に存在する樹脂が膨張し、効率よく配線基板と異方導電性部材との隙間を埋めることができ、配線基板との密着性がより高くなる理由から、シリコーン樹脂および/またはウレタン樹脂を用いるのが好ましい。
なお、樹脂を2種以上併用する場合は、樹脂の全体(混合物)としての熱膨張率が100×10-6-1以上であればよく、併用割合によっては、上記熱膨張率を満たさない樹脂〔例えば、エポキシ樹脂(熱膨張率:45×10-6-1〜65×10-6-1)、アクリル樹脂(熱膨張率:70×10-6-1)等〕を併用していてもよい。
本発明においては、配線基板との密着力の観点や、熱膨張して配線基板と異方導電性部材との隙間に存在する樹脂(接着層)の強度の観点から、上記樹脂として、熱可塑性樹脂(例えば、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂など)および熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)を併用するのが好ましい。
(存在形態)
上記貫通孔における上記導電性材料および上記樹脂の存在形態は、上記貫通孔が上記導電性材料によって上記絶縁性基材の厚み方向に導通されていれば特に限定されないが、上記樹脂については、上記貫通孔の開口部付近、例えば、貫通孔の開口部から貫通孔の深さ(上記絶縁性基材の厚み)の1/4程度の深さまで存在していることが好ましい。
本発明においては、導通信頼性がより高くなる理由から、上記導電性材料および上記樹脂が、上記貫通孔の孔径方向の断面においていずれも存在している態様であるのが好ましく、具体的には、上記導電性材料(特に、銅などの金属)が上記貫通孔の内壁を覆うように存在し、かつ、上記樹脂が上記貫通孔の中心付近に存在する態様(図1(B)参照)や、上記導電性材料(特に、カーボンナノチューブ)が上記貫通孔の内部にファイバー状に存在し、上記樹脂がその隙間埋めるように存在する態様等が挙げられる。
〔本発明の異方導電性部材の製造方法〕
以下に、本発明の異方導電性部材の製造方法について詳細に説明する。
本発明の異方導電性部材を製造する製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」ともいう。)は、上記絶縁性基材に設けられた上記貫通孔に上記導電性材料を存在させる導電性材料充填工程と、上記導電性材料が存在する上記貫通孔に更に樹脂を存在させる樹脂充填工程とを有する製造方法である。
次に、本発明の製造方法における各工程等について説明する。
<絶縁性基材の作製>
上記絶縁性基材は、例えば、ガラス基板(Through Glass Via:TGV)をそのまま用いることができるが、上記貫通孔の平均開口径やアスペクト比を上述した範囲とする観点から、バルブ金属に対して陽極酸化処理を施す方法が好ましい。
上記陽極酸化処理としては、例えば、上記絶縁性基材がアルミニウムの陽極酸化皮膜である場合は、アルミニウム基板を陽極酸化する陽極酸化処理、および、上記陽極酸化処理の後に、上記陽極酸化により生じたマイクロポアによる孔を貫通化する貫通化処理をこの順に施すことにより作製することができる。
本発明においては、上記絶縁性基材の作製に用いられるアルミニウム基板ならびにアルミニウム基板に施す各処理工程については、特開2008−270158号公報の[0041]〜[0121]段落に記載したものと同様のものを採用することができる。
<導電性材料充填工程>
上記導電性材料充填工程は、上記絶縁性基材に設けられた上記貫通孔に上記導電性材料を存在させる工程であり、後述する樹脂を存在させる隙間を残し、かつ、上記絶縁性基材の厚み方向に導通されるように上記導電性材料を存在させる工程である。
例えば、上記貫通孔の内壁を覆うように上記導電性材料を存在させる場合は、無電解めっき処理の析出核となる金属触媒(例えば、パラジウム等)またはその前駆体(金属イオン)を上記貫通孔の内壁に析出させた後に、無電解めっき処理を施して、上記貫通孔の内壁に金属(例えば、銅、白金など)めっきを施す方法等が挙げられる。
また、上記貫通孔の内部(中心付近)にカーボンナノチューブ(CNT)を存在させる(成長させる)場合は、上記絶縁性基材の少なくとも上記貫通孔の内壁を含む表面にスパッタ等により酸化ケイ素膜を形成し、上記酸化ケイ素膜に金属微粒子触媒(例えば、Fe−Ti−Oナノ粒子)を担持させた後、アセチレンガスを吹き込む方法等が挙げられる。
<樹脂充填工程>
上記樹脂充填工程は、上記導電性材料が存在する上記貫通孔の隙間に更に上記樹脂を存在させる工程である。
上記樹脂を存在させる方法は特に限定されず、例えば、上記樹脂を溶媒(例えば、メチルエチルケトンなど)に溶解させた樹脂溶液中に上記導電性材料充填工程後の絶縁性基材を浸漬させ、その後に溶媒成分を除去する方法等が挙げられる。
<表面平滑化処理>
本発明の製造方法においては、上記貫通孔に上記導電性材料および上記樹脂を存在させた後に、上記絶縁性基材の表面を平滑化する表面平滑処理を行うことが好ましい。
上記表面平滑化処理については、特開2009−283431号公報の[0079]〜[0080]段落に記載したものと同様のものを採用することができる。
〔多層配線基板〕
以下に、本発明の多層配線基板について詳細に説明する。
本発明の多層配線基板は、上述した本発明の異方導電性部材と、異方導電性部材の貫通孔に存在させた導電性材料(導通路)と電極を介して電気的に接続される配線基板とが積層された多層配線基板である。
次に、本発明の多層配線基板の構造について、図面を用いて説明する。
図2は、本発明の多層配線基板の好適な実施態様の一例を示す模式的な断面図であり、図2(A)は加熱圧着前の半製品を示し、図2(B)は加熱圧着後の多層配線基板を示す。
図2(A)に示すように、多層配線基板の半製品10では、本発明の異方導電性部材1が、配線基板11aと配線基板11bとの間に設けられ、各基板の電極12aおよび12bと異方導電性部材1の貫通孔に存在させた導電性材料3とが接触されるように設けられている。
ここで、従来の異方導電性部材を用いた場合には、背景技術の欄にも記載した通り、電極との安定的な接続の観点から、図2(A)に示す隙間13に相当する部分にアンダーフィルを充填する場合がある。
一方、本発明の異方導電性部材を用いた場合には、図2(B)に示すように、半製品10を加熱圧着することにより、電極12aおよび12bと接していない貫通孔に存在させた樹脂4の少なくとも一部が熱膨張により貫通孔から溢れ出した(膨出した)樹脂4が隙間13を埋めることができるため、配線基板との密着力が高く、優れた導通信頼性を達成することができる。なお、図2(B)においては、電極と接続(接合)した貫通孔の内部の樹脂4についても膨出しているが、半製品10を加熱とともに圧着させているため、膨出した樹脂4が隙間13に押し出され、電極と貫通孔との接合は担保されている。
このような本発明の多層配線基板は、半導体パッケージのインターポーザとして好適に用いることができる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1)
<絶縁性基材の作製>
(1)鏡面仕上げ処理(電解研磨処理)
高純度アルミニウム基板(日本軽金属社製、純度99.98質量%、厚さ0.2mm)を10cm四方の面積で陽極酸化処理できるようカットし、以下組成の電解研磨液を用い、電圧25V、液温度65℃、液流速3.0m/minの条件で電解研磨処理を施した。
陰極はカーボン電極とし、電源は、GP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。また、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(AS ONE製)を用いて計測した。
(電解研磨液組成)
・85質量%リン酸(和光純薬社製試薬) 660mL
・純水 160mL
・硫酸 150mL
・エチレングリコール 30mL
(2)陽極酸化処理
次いで、電解研磨処理後のアルミニウム基板に、特開2007−204802号公報に記載の手順にしたがって自己規則化法による陽極酸化処理を施した。
電解研磨処理後のアルミニウム基板に、0.50mol/Lシュウ酸の電解液で、電圧40V、液温度16℃、液流速3.0m/minの条件で、5時間のプレ陽極酸化処理を施した。
その後、プレ陽極酸化処理後のアルミニウム基板を、0.2mol/L無水クロム酸、0.6mol/Lリン酸の混合水溶液(液温:50℃)に12時間浸漬させる脱膜処理を施した。
その後、0.50mol/Lシュウ酸の電解液で、電圧40V、液温度16℃、液流速3.0m/minの条件で、16時間の再陽極酸化処理を施し、膜厚130μmの酸化皮膜を得た。
なお、プレ陽極酸化処理および再陽極酸化処理は、いずれも陰極はステンレス電極とし、電源はGP0110−30R(高砂製作所社製)を用いた。また、冷却装置にはNeoCool BD36(ヤマト科学社製)、かくはん加温装置にはペアスターラー PS−100(EYELA社製)を用いた。更に、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22−10PCW(AS ONE製)を用いて計測した。
(3)貫通化処理
次いで、20質量%塩化水銀水溶液(昇汞)に20℃、3時間浸漬させることによりアルミニウム基板を溶解し、更に、5質量%リン酸に30℃、30分間浸漬させることにより酸化皮膜の底部を除去し、貫通孔としてのマイクロポアを有する酸化皮膜を作製した。
ここで、貫通孔としてのマイクロポアの平均孔径は、40nmであった。平均孔径は、FE−SEMにより表面写真(倍率50000倍)を撮影し、50点測定した平均値として算出した。
また、貫通化処理後の酸化皮膜の厚みは110μmであった。酸化皮膜の厚みは、ダイヤルゲージを用いて測定した。
(4)加熱処理
次いで、得られた酸化皮膜に、温度400℃で1時間の加熱処理を施し、絶縁性基材を作製した。
<導電性材料の充填>
作製した絶縁性基材〔厚さ(貫通孔の平均深さ):100μm、貫通孔の平均開口径:60nm,アスペクト比:1667〕を50℃の塩化パラジウム溶液〔塩化パラジウム(0.028M)/塩酸(0.036M)〕に5分間浸漬し、後述する無電解めっき処理の析出核となるPd微粒子を貫通孔の内壁表面に析出させた。
次いで、以下に示す組成の無電解銅めっき液(pH=12.5)に25℃で3分浸漬し、パラジウムを核として、貫通孔の内壁表面に銅めっきを施した。
(無電解銅めっき液)
・硫酸銅 ・・・0.04M
・ロッシェル塩 ・・・0.1M
・HCHO ・・・0.4M
・ラウリル硫酸ナトリウム ・・・0.2mg/l
<樹脂の充填>
貫通孔の内壁表面に銅めっきを施した絶縁性基材を下記組成の樹脂溶液中に浸漬し、30分静置した。
その後、樹脂溶液から取り出し、表面に付着した溶液をスキーザーで掻き取った後、30℃で30分乾燥させることにより、内壁に銅めっきを施した貫通孔の内部に樹脂を存在させた。
(樹脂溶液)
・シリコーン樹脂〔KR251(溶剤:トルエン)、信越シリコーン社製〕70質量部
・エポキシ樹脂〔YD−8125、新日鐵化学社製〕25質量部
・硬化剤〔エステル樹脂:EPICLON HPC-8000-65T(DIC社製)〕2質量部
・硬化触媒〔ジメチルアミノピリジン〕0.5質量部
・溶剤〔メチルエチルケトン〕残部
<表面平滑化処理>
貫通孔の内部に樹脂を存在させた後の絶縁性基材の表面および裏面に機械的研磨処理を施し、厚さ100μmの異方導電性部材を作製した。
ここで、機械的研磨処理に用いる試料台としては、セラミック製冶具(ケメット・ジャパン株式会社製)を用い、試料台に貼り付ける材料としては、アルコワックス(日化精工株式会社製)を用いた。また、研磨剤としては、DP−懸濁液P−6μm・3μm・1μm・1/4μm(ストルアス製)を順に用いた。
(実施例2)
下記組成の樹脂溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、異方導電性部材を作製した。
(樹脂溶液)
・ウレタン樹脂〔オレスターUD−350、固形分38質量%、三井化学社製〕70質量部
・エポキシ樹脂〔YD−8125、新日鐵化学社製〕25質量部
・硬化剤〔エステル樹脂:EPICLON HPC-8000-65T(DIC社製)〕2質量部
・硬化触媒〔ジメチルアミノピリジン〕0.5質量部
・溶剤〔メチルエチルケトン〕残部
(実施例3)
以下に示す陽極酸化処理を施して絶縁性基材を作製した以外は、実施例1と同様の方法により、異方導電性部材を作製した。
<陽極酸化処理>
0.1mol/Lリン酸の電解液を用い、電圧200V、液温度4℃、液流速3.0m/minの条件でプレ陽極酸化処理および再陽極酸化処理を施した以外は、実施例1と同様の方法により陽極酸化処理を施し、膜厚60μmの酸化皮膜を得た。なお、プレ陽極酸化処理および再陽極酸化処理は、それぞれ実施例1と同様の処理時間で施した。
(実施例4)
以下に示す方法により導電性材料を存在させた以外は、実施例1と同様の方法により、異方導電性部材を作製した。
<導電性材料の充填>
(1)触媒分散液の調製
Feアセチルアセトナート、TiOアセチルアセトナート、1,2−ヘキサデカンジオール、オレイン酸、オレイルアミンおよびオクチルエーテルを不活性ガス雰囲気下において混合し、これを300℃で30分間反応させた。
反応終了後、室温に冷却し、遠心分離により触媒微粒子(Fe−Ti−Oナノ粒子)を得た。これをヘキサンに加えて触媒分散液を調製した。
(2)CNT成長用基板の作製
作製した絶縁性基材〔厚さ(貫通孔の平均深さ):100μm、貫通孔の平均開口径:60nm,アスペクト比:1667〕上に、スパッタ法によりSiO2膜(膜厚:50nm)を形成した。出力は300Wとし、スパッタ時間は20分として行った。なお、スパッタした表面を観察すると、陽極酸化皮膜のハニカム上に配置したマイクロポアの形状が確認でき、貫通孔の内壁までSiO2膜が形成されていることが確認できた。
次いで、このSiO2膜の表面(貫通孔の内壁面を含む)に上記(1)で調製した触媒分散液を塗布し、Fe−Ti−Oナノ粒子を担持させた。
(3)CNTの合成(成長)
CNT成長用チャンバ内に、Fe−Ti−Oナノ粒子を担持させた絶縁性基材を設置し、水素気流中、3kPaで700℃まで昇温した。次いで、チャンバ内にアセチレンを導入し、120分間保持することにより、貫通孔の内部にファイバー状のカーボンナノチューブを成長させた。
(実施例5)
以下に示す陽極酸化処理を施して絶縁性基材を作製した以外は、実施例4と同様の方法により、異方導電性部材を作製した。
<陽極酸化処理>
1mol/L硫酸の電解液を用い、電圧16V、液温度20℃、液流速10.0m/minの条件でプレ陽極酸化処理および再陽極酸化処理を施した以外は、実施例1と同様の方法により陽極酸化処理を施し、膜厚130μmの酸化皮膜を得た。なお、プレ陽極酸化処理および再陽極酸化処理は、それぞれ実施例1と同様の処理時間で施した。
(実施例6)
絶縁性基材として、以下の方法で作製したガラス基板(貫通孔の平均開口径:60000nm、アスペクト比:1.7)を用いた以外は、実施例4と同様の方法により、異方導電性部材を作製した。
<ガラス基板の作製方法>
石英ガラス表面に表裏に金属マスクを設け、上記サイズの貫通孔に相当するパターンを作成した後、F(フッ素)を含むエッチング液で両面からエッチングすることで、貫通孔を有するガラス基板を作製した。
(比較例1および2)
以下に示す方法により導電性材料を存在させ、樹脂を存在させなかった以外は、実施例1と同様の方法により、異方導電性部材を作製した。
<導電性材料の充填>
(1)電極膜形成処理
作製した絶縁性基材〔厚さ(貫通孔の平均深さ):100μm、貫通孔の平均開口径:60nm,アスペクト比:1667〕の一方の表面に電極膜を形成する処理を施した。
具体的には、スパッタ装置を用いて絶縁性基材の片面に20nm厚みの金膜を形成した。
その後、無電解めっき液としてプレシャスファブACG2000基本液/還元液(日本エレクトロプレイティング・エンジニヤース(株)製)を用いて、60℃/30分浸漬処理し、表面との空隙のない電極膜を形成した。
(2)銅の充填処理
上記電極膜を形成した面に銅電極を密着させ、該銅電極を陰極にし、白金を正極にして電解めっき処理を施した。
以下に示す組成の銅めっき液またはニッケルめっき液を使用し、定電流電解を施すことにより、貫通孔の内部に銅を存在させた。
ここで、定電流電解は、山本鍍金社製のめっき装置を用い、北斗電工社製の電源(HZ−3000)を用い、めっき液中でサイクリックボルタンメトリを行って析出電位を確認した後に、以下に示す条件で処理を施した。
<銅めっき液組成>
・硫酸銅 100g/L
・硫酸 50g/L
・塩酸 15g/L
・温度 25℃
・電流密度 10A/dm2
(比較例3)
樹脂を存在させなかった以外は、実施例4と同様の方法により、異方導電性部材を作製した。
(比較例4)
絶縁性基材として、実施例6と同様の方法で作製したガラス基板(貫通孔の平均開口径:60000nm、アスペクト比:1.7)を用いた以外は、比較例1と同様の方法により、異方導電性部材を作製した。
(比較例5)
下記組成の樹脂溶液を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、異方導電性部材を作製した。
(樹脂溶液)
・エポキシ樹脂〔YD−8125、新日鐵化学社製〕40質量部
・フェノール樹脂〔TD-2093-60M(固形分60%MEK溶液)、DIC社製〕50質量部
・硬化剤〔エステル樹脂:EPICLON HPC-8000-65T(DIC社製)〕2質量部
・硬化触媒〔ジメチルアミノピリジン〕2量部
・溶剤〔メチルエチルケトン〕残部
(比較例6)
下記組成の樹脂溶液を用いた以外は、実施例4と同様の方法により、異方導電性部材を作製した。
(樹脂溶液)
・エポキシ樹脂〔YD−8125、新日鐵化学社製〕40質量部
・フェノール樹脂〔TD-2093-60M(固形分60%MEK溶液)、DIC社製〕50質量部
・硬化剤〔エステル樹脂:EPICLON HPC-8000-65T(DIC社製)〕2質量部
・硬化触媒〔ジメチルアミノピリジン〕2量部
・溶剤〔メチルエチルケトン〕残部
<熱膨張率>
作製した各異方導電性部材の貫通孔に存在させた樹脂の熱膨張率は、JIS K 7197:1991の「プラスチックの熱機械分析による線膨脹率試験方法」に準じて測定した。
具体的には、貫通孔に存在させた各樹脂材料(上述した樹脂溶液)と同様のものを金属基板上に塗布し、成膜したものから試験片を作製し、TMA(サーマルメカニカルアナリシス)測定装置(TMA−60、島津製作所社製)を用い、薄膜材料用の引張モードで測定を行った。その結果を下記第1表に示す。
<密着性>
(1)多層配線基板サンプル
作製した各異方導電性部材の表面および裏面にTEGチップ(デイジーチェインパターン,金電極高さ:8μm)を配置し、アライメントを確認した後、ハイソル社製フリップチップボンダー(model6000)を用いて圧着し、多層配線基板のサンプルを作製した。ステージ温度は240℃とし、圧着時間は40秒、圧着圧力は200MPaとし、圧力解除後は自然放冷した。
なお、アンダーフィルを併用して加熱圧着する場合(比較例2〜4)は、上記と同様の方法で圧着させた後、フリップチップ用アンダーフィル剤(低粘度液状封止用、U8443、ナミックス社製)を用い、キャピラリーフロータイプでTEGチップと異方導電性部材との間に注入した。その後、150℃以上の温度で2時間かけて硬化処理を施すことにより、多層配線基板のサンプルを作製した。
(2)評価
万能型ボンドテスター(DAGE4000、デイジ社製)を用い、作製した多層配線基板サンプルの表面および裏面に配置したTEGチップに荷重を加えて剥離強度〔シェア強度(gf)〕を測定した。
測定の結果、シェア強度が50gf以上であるものを配線基板との密着性が極めて高いものとして「A」と評価し、シェア強度が45gf以上50gf未満であるものを配線基板との密着性が十分に高いものとして「B」と評価し、シェア強度が40gf超45gf未満であるものを配線基板との密着性が高いものとして「C」と評価し、シェア強度が35gf超40gf未満であるものを配線基板との密着性が実用上問題ないものとして「D」と評価し、シェア強度が35gf未満であるものを配線基板との密着性が劣るものとして「E」と評価し、シェア強度が測定できないほど低いものを「F」と評価した。これらの結果を下記第2表に示す。
<導通信頼性>
密着性の評価で作製した多層配線基板サンプルを用いて導通信頼性を評価した。
ここで、設置したTEGチップのデイジーチェイン(DC)は、20サイクルパターンを連続して10段形成したものとなっており、トータルで200サイクルまでの接続を確認できるよう設計されているものを使用し、断線が発生するまでのサイクルを測定した。
また、−60℃と130℃とのDCサイクル(22分周期)を繰返し、断線の有無を確認し、更にHHBT(High Humidity Bias Test)を行い、試験前後の抵抗率からその低減率(悪化率)を測定した。HHBTは温度85℃、湿度85%の条件で60時間の条件で実施した。
これらの測定の結果、200サイクルまで断線がなく、抵抗悪化率が5%未満であったものを導通信頼性が高いものとして「A」と評価し、100〜200サイクルの間に断線が確認され、抵抗悪化率が5%以上10%未満であったものを導通信頼性が良好ものとして「B」と評価し、50〜100サイクルの間に断線が確認され、抵抗悪化率が10%以上20%未満であったものを導通信頼性が実用上問題ないものとして「C」と評価し、断線の有無を問わず、抵抗悪化率が20%以上であったものを導通信頼性が劣るものとして「D」と評価し、抵抗圧下率が測定できないほど高いものを「E」と評価した。これらの結果を下記第2表に示す。
第1表および第2表に示す結果から、貫通孔に樹脂を存在させずに作製した異方導電性部材を用いた場合には、アンダーフィルの使用の有無を問わず、電極との密着性に劣り、導通信頼性も劣ることが分かった(比較例1〜4)。
また、貫通孔に導電性材料とともに熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂およびフェノール樹脂)を存在させて作製した異方導電性部材を用いた場合には、比較例1〜4よりも導通信頼性は改善するが、電極との密着性は劣ることが分かった(比較例5〜6)。
これに対し、貫通孔に導電性材料とともに所定の熱膨張率を有する樹脂を存在させて作製した異方導電性部材を用いた場合には、電極との密着力が高く、導通信頼性も高くなることが分かった(実施例1〜6)。
1 異方導電性部材
2 絶縁性基材
3 導電性材料
4 樹脂
5 貫通孔
6 貫通孔の間隔
7 貫通孔の開口径
8 貫通孔の深さ(絶縁性基材の厚み)
9 貫通孔の中心間距離(ピッチ)
10 半製品
11a、11b 配線基板
12a、12b 電極
13 隙間
20 多層配線基板

Claims (9)

  1. 絶縁性基材の厚み方向に設けられた複数の貫通孔の内部に導電性材料を有する異方導電性部材であって、
    前記貫通孔の内部に、前記導電性材料とともに樹脂が存在し、
    前記貫通孔が、前記導電性材料によって前記絶縁性基材の厚み方向に導通されており、
    前記樹脂の熱膨張率が、100×10-6-1以上である異方導電性部材。
  2. 前記導電性材料および前記樹脂が、前記貫通孔の孔径方向の断面においていずれも存在している請求項1に記載の異方導電性部材。
  3. 前記貫通孔の平均開口径が40nm以上10μm未満であり、かつ、アスペクト比(平均深さ/平均開口径)が100〜3000である請求項1または2に記載の異方導電性部材。
  4. 前記貫通孔が設けられた前記絶縁性基材が、バルブ金属の陽極酸化皮膜である請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方導電性部材。
  5. 前記バルブ金属が、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマスおよびアンチモンからなる群から選択される少なくとも1種の金属である請求項4に記載の異方導電性部材。
  6. 前記導電性材料が、銅、金、アルミニウム、ニッケル、銀およびタングステンからなる群から選択される少なくとも1種の金属、または、カーボンナノファイバーである請求項1〜5のいずれか1項に記載の異方導電性部材。
  7. 前記樹脂が、少なくともシリコーン樹脂および/またはウレタン樹脂を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の異方導電性部材。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に異方導電性部材と、前記異方導電性部材の前記導電性材料と電極を介して電気的に接続される配線基板とが積層された多層配線基板。
  9. 半導体パッケージのインターポーザとして用いる請求項8に記載の多層配線基板。
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