JP2014071209A - 光学フィルム用転写体、光学フィルム、光学フィルム用転写体の製造方法 - Google Patents

光学フィルム用転写体、光学フィルム、光学フィルム用転写体の製造方法 Download PDF

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貴之 嶋田
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章伸 牛山
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Abstract

【課題】支持体から転写層を適正に剥離することができる光学フィルム用転写体、光学フィルム、光学フィルム用転写体の製造方法を提供する。
【解決手段】光学フィルム用転写体20は、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層9と、1/2波長板用位相差層に係る1/2波長板用配向層12と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層8とを少なくとも有する多層構造による転写層と、転写層を保持する支持体とを備え、支持体は、1/4波長板用位相差層8に係る1/4波長板用配向層22が含まれており、1/4波長板用配向層22及び1/2波長板用配向層12は、配向層形成樹脂を硬化させて形成され、1/4波長板用配向層22は、赤外線吸収ピークの比が1/2波長板用配向層12よりも低い値で硬化されることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば画像表示パネルに配置して、偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルム用転写体、光学フィルム、光学フィルム用転写体の製造方法に関するものである。
従来、画像表示パネル等に関して、画像表示パネルの出射面に光学フィルムを配置し、この光学フィルムによる偏光面の制御により外来光の反射を低減する方法が提案されている。この光学フィルムは、直線偏光板、円偏光板により構成され、画像表示パネルのパネル面に向かう外来光を直線偏光板により直線偏光に変換し、続く円偏光板により円偏光に変換する。ここで、この円偏光による外来光は、画像表示パネルの表面等で反射するものの、この反射の際に偏光面の回転方向が逆転する。その結果、この反射光は、到来時とは逆に、円偏光板より、直線偏光板により遮光される方向の直線偏光に変換された後、続く直線偏光板により遮光され、その結果、外部への出射が著しく抑制される。
この光学フィルムに関して、特許文献1等には、1/2波長板、1/4波長板を組み合わせて円偏光板を構成することにより、この光学フィルムを正の分散特性により構成する方法が提案されている。この方法の場合、カラー画像の表示に供する広い波長帯域において、正の分散特性により光学フィルムを構成することができる。
ところで、このような光学フィルムは、いわゆる転写法の手法を適用して作成することが考えられる。具体的には、支持体上に、1/4波長板として機能する1/4波長板用位相差層、1/2波長板に係る配向層、1/2波長板として機能する1/2波長板用位相差層を順に積層した転写層を形成した転写フィルムを構成し、この転写フィルムから転写層を転写して光学フィルムを作成することが考えられる。しかしながら、事件した結果によれば、支持体から転写層が適正に剥離することができない場合があった。
特開平10−68816号公報
本発明の課題は、支持体から転写層を適正に剥離することができる光学フィルム用転写体、光学フィルム、光学フィルム用転写体の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、支持体基材に含まれる配向層形成樹脂を特定の範囲の反応率で硬化させる、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) 透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層と、前記1/2波長板用位相差層に係る1/2波長板用配向層と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層とを少なくとも有する多層構造による転写層と、前記転写層を保持する支持体とを備え、前記支持体は、前記1/4波長板用位相差層に係る1/4波長板用配向層が含まれており、前記1/4波長板用配向層及び前記1/2波長板用配向層は、配向層形成樹脂を硬化させて形成され、前記1/4波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が、前記1/2波長板用配向層の前記比よりも低い値で硬化されること、を特徴とする光学フィルム用転写体。
(2) 前記1/2波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が0.30以上であり、前記1/4波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が0.30未満であること、を特徴とする請求項1に記載の光学フィルム用転写体。
(3) 透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層と、前記1/4波長板用位相差層に係る1/4波長板用配向層と、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層とを少なくとも有する多層構造による転写層と、前記転写層を保持する支持体とを備え、前記支持体は、前記1/2波長板用位相差層に係る1/2波長板用配向層が含まれており、前記1/4波長板用配向層及び前記1/2波長板用配向層は、配向層形成樹脂を硬化させて形成され、前記1/2波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が、前記1/4波長板用配向層の前記比よりも低い値で硬化されること、を特徴とする光学フィルム用転写体。
(4) 前記1/4波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が0.30以上であり、前記1/2波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が0.30未満であること、を特徴とする請求項3に記載の光学フィルム用転写体。
(5) 透明フィルムによる基材と、直線偏光板としての機能を担う直線偏光板の光学機能層と、円偏光板としての機能を担う円偏光板の光学機能層とが積層され、前記円偏光板の光学機能層が、前記直線偏光板の光学機能層の上に、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光学フィルム用転写体に設けられた前記転写層による光学機能層であること、を特徴とする光学フィルム。
(6) 透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層と、前記1/4波長板用位相差層に係る1/4波長板用配向層と、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層と、前記1/2波長板用位相差層に係る1/2波長板用配向層とを備える光学フィルム用転写体の製造方法であって、配向層形成樹脂を硬化させて基材上に成膜し、前記1/4波長板用配向層を形成する支持体形成工程と、位相差層形成樹脂を硬化させて、前記1/4波長板用位相差層を前記1/4波長板用配向層の上に形成する1/4波長板形成工程と、前記配向層形成樹脂を硬化させて、前記1/2波長板用配向層を前記1/4波長板用位相差層の上に形成する1/2配向層形成工程と、前記位相差層形成樹脂を硬化させて、前記1/2波長板用位相差層を前記1/2波長板用配向層の上に形成する1/2波長板形成工程とを備え、前記支持体形成工程は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)を、前記1/2波長板用配向層の前記比よりも低くして前記1/4波長板用配向層を形成すること、を特徴とする光学フィルム用転写体の製造方法。
(7) 透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層と、前記1/4波長板用位相差層に係る1/4波長板用配向層と、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層と、前記1/2波長板用位相差層に係る1/2波長板用配向層とを備える光学フィルム用転写体の製造方法であって、配向層形成樹脂を硬化させて基材上に成膜し、前記1/2波長板用配向層を形成する支持体形成工程と、位相差層形成樹脂を硬化させて、前記1/2波長板用位相差層を前記1/2波長板用配向層の上に形成する1/2波長板形成工程と、前記配向層形成樹脂を硬化させて、前記1/4波長板用配向層を前記1/2波長板用位相差層の上に形成する1/4配向層形成工程と、前記位相差層形成樹脂を硬化させて、前記1/4波長板用位相差層を前記1/4波長板用配向層の上に形成する1/4波長板形成工程とを備え、前記支持体形成工程は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)を、前記1/4波長板用配向層の前記比よりも低くして前記1/2波長板用配向層を形成すること、を特徴とする光学フィルム用転写体の製造方法。
本発明によれば、支持体から転写層を適正に剥離することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。 図1の画像表示装置に設けられる光学フィルムの説明に供する図である。 図2の光学フィルムに適用される転写フィルムを示す図である。 図2の光学フィルムの製造工程を示す図である。 図3の転写フィルムの製造工程を示す図である。 図5の続きを示す図である。 1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)を形成する紫外線硬化性樹脂の赤外吸収ピーク比に対する、1/4波長板用位相差層8の密着性及び転写性についての評価結果を示す図である。 第2実施形態の転写フィルムを示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。この画像表示装置1では、画像表示パネル2のパネル面に、光学フィルム3が配置される。画像表示パネル2は、可撓性を有するシート形状による有機ELパネルであり、所望のカラー画像を表示する。
光学フィルム3は、偏光面の制御により、画像表示パネル2に到来する外来光の反射を抑圧する光学フィルムである。このため光学フィルム3は、直線偏光板5、円偏光板6を積層して構成される。光学フィルム3は、図示しないセパレータフィルムを剥離して感圧接着剤による粘着層4を露出させた後、この粘着層4により、画像表示パネル2のパネル面に貼り付けられて保持される。また直線偏光板5及び円偏光板6は、粘着層7を介して一体化される。
円偏光板6は、透過光に1/4波長分の位相差を付与して1/4位相差板として機能する部位8(1/4波長板用位相差層と呼ぶ)と、透過光に1/2波長分の位相差を付与して1/2位相差板として機能する部位9(1/2波長板用位相差層と呼ぶ)との積層体により構成される。これにより円偏光板6は、カラー画像の表示に供する広い波長帯域で円偏光版としての特性を確保し、光学フィルム3は、広い波長帯域で十分に外来光の反射を抑圧する。
これらにより画像表示装置1では、画像表示パネル2の表示画面側より、順次、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用位相差層9、直線偏光板5が配置される。また図2に示すように、矢印により示す直線偏光板5の透過軸又は吸収軸に対して、1/2波長板用位相差層9及び1/4波長板用位相差層8の遅相軸(それぞれ矢印により示す)が、それぞれ反時計回り又は時計回りに13〜17度の範囲、71〜76度の範囲で角度を成すように配置される。なおこの角度は、それぞれが反時計回り又は時計回りに14〜16度、72〜74度で配置されることがより好ましい。
より具体的に、1/4波長板用位相差層8は、面内位相差(Re)が105nm以上、150nm以下により作成され、1/2波長板用位相差層9は面内位相差(Re)が220nm以上、285nm以下により作成される。なお1/4波長板用位相差層8は、面内位相差(Re)が110nm以上、130nm以下により作成され、1/2波長板用位相差層9は面内位相差(Re)が230nm以上、250nm以下により作成されることがより好ましい。これにより光学フィルム3は、直線偏光板5側より入射する可視光域波長域(450〜750nm)の透過光を、楕円率0.8以上の円偏光により出射する。
円偏光板6は、画像表示パネル2側に、1/4波長板用位相差層8が設けられる。ここで1/4波長板用位相差層8は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成される。円偏光板6は、後述する転写体において1/4波長板用賦型樹脂層に微細な凹凸形状が作成されて1/4波長板用配向膜が形成され、この1/4波長板用配向膜の配向規制力により液晶材料がパターンニングされて1/4波長板用位相差層8が形成される。なお、1/4波長板用配向膜23が形成された1/4波長板用賦型樹脂層22を配向層(1/4波長板用配向層)という。
また続いて円偏光板6は、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9が順次設けられる。1/2波長板用賦型樹脂層12は、微細な凹凸形状の賦型に供する賦型用樹脂層であり、この実施形態ではこの賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂が適用される。なおこの紫外線硬化性樹脂については、例えばアクリル系等、賦型処理に供する各種の樹脂を広く適用することができる。1/2波長板用賦型樹脂層12は、賦型処理により表面に微細な凹凸形状が形成され、円偏光板6は、この1/2波長板用賦型樹脂層12の表面形状により1/2波長板用配向膜13が形成される。1/2波長板用位相差層9は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、円偏光板6は、この液晶材料の配向を1/2波長板用配向膜13の配向規制力によりパターンニングする。なお、1/2波長板用配向膜13が形成された1/2波長板用賦型樹脂層12を配向層(1/2波長板用配向層)という。
ここでこれら1/2波長板用配向膜13及び1/4波長板用配向膜に係る微細な凹凸形状は、一方向に延長するライン状(線)の凹凸形状により形成され、位相差層8、9における遅相軸の設定に対応するように、この一方向に延長する方向が直線偏光板5の透過軸に対して、それぞれ反時計回り又は時計回りに約15度、約73度の角度を成すように作成される。
直線偏光板5は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材15の下面側が鹸化処理された後、光学機能層16が配置される。なお基材15は、これに代えてポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛硝子、石英硝子等の硝子等を適用することができる。
光学機能層16は、直線偏光板としての光学的機能を担う部位であり、例えばポリビニルアルコール(PVA)によるフィルム材に、ヨウ素化合物分子を吸着配向させて作製される。
しかして光学フィルム3の円偏光板6に係る構成において、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用位相差層9は、それぞれ液晶性材料を用いることにより、それぞれ厚み1μm、2μm程度により作成することができる。なおこの位相差層8、9の材料は、液晶性を有する材用であれば、円盤状液晶、棒状液晶等を適宜適用できる。液晶性材料の正面リタデーション(Re)の波長分散性は450nm、550nm、650nmにおけるReをそれぞれRe(450)、Re(550)、Re(650)とすると、Re(450)/Re(550)を1.2以下に、Re(650)/Re(550)を0.9以上にすることが好ましい。また賦型樹脂層12は、厚み2μm程度、粘着層4は、厚み15μm以下により作成することができる。また直線偏光板5に係る構成において、基材15は、厚み30μm程度により構成することができ、光学機能層16は、厚み20μm以下により構成することができる。また粘着層7は、厚み15μm程度により構成することができる。これらにより光学フィルム3は、全体として厚みを85μm以下により十分に薄く作成することができる。これにより光学フィルム3は、十分な可撓性を確保することができる。
〔転写体〕
光学フィルム3は、粘着層7を介してこれら円偏光板6、直線偏光板5が一体化され、この一体化の処理に、転写法が適用される。
ここで転写法は、例えば基材の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体を作成した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材上に所望の層を形成する方法である。
この実施形態では、直線偏光板5に、円偏光板6に係る層構成を転写法により積層する。従って被転写基材は、直線偏光板5である。転写に供する層(転写層)は、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9の積層体である。
図3は、この転写体である転写フィルムの構成を示す図である。転写フィルム20は、支持体基材21上に、順次、円偏光板6に係る1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9が設けられる。
ここで支持体基材21は、転写に供する層(転写層)を剥離可能に担持し、転写層を被転写基材上に接着、積層した後は、適宜時機に剥離、除去に供される基材である。この実施形態では、透明フィルム材であるPET(Polyethylene terephthalate)フィルムが適用され、これにより転写フィルム20は、光学特性を検査可能に構成される。なおPETフィルムは、コロナ処理され、続く1/4波長板用賦型樹脂層22との間で十分な密着力が確保される。なお支持体基材21は、全体の形状をシート形状としても良い。また支持体基材21は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンアフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂等の樹脂からなる樹脂性フィルム材を適用してもよい。なお支持体基材21の厚みは、20〜100μmである。
1/4波長板用賦型樹脂層22は、微細な凹凸形状の賦型に供する賦型用樹脂層であり、この実施形態ではこの賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂が適用される。なおこの紫外線硬化性樹脂については、例えばアクリル系等、賦型処理に供する各種の樹脂を広く適用することができる。1/4波長板用賦型樹脂層22は、支持体基材21の上に、紫外線硬化性樹脂の塗付液を塗付して作成される。
1/4波長板用配向膜23は、微細凹凸形状を周側面に形成した賦型用金型(ロール版)を用いた賦型処理により、この1/4波長板用賦型樹脂層22の表面に微細な凹凸形状が形成されて作成される。しかして光学フィルム3について(図1)上述した1/4波長板用位相差層8は、1/4波長板用配向膜23上に、液晶材料を塗付して硬化させることにより作成される。
1/2波長板用賦型樹脂層12は、1/4波長板用位相差層8の上に、1/4波長板用賦型樹脂層22と同様に、紫外線硬化性樹脂の塗付液を塗付して作成され、1/2波長板用配向膜13は、1/4波長板用配向膜23と同様に、賦型用金型を用いて1/2波長板用賦型樹脂層12を賦型処理して作成される。1/2波長板用位相差層9は、1/2波長板用配向膜13上に、液晶材料を塗付して硬化させることにより作成される。
さらに転写フィルム20は、転写層の上に、粘着層7、セパレータフィルム24が設けられる。
ここで粘着層7は、転写層と被転写基材とを接着するための層である。転写層の材料と被転写基材の材料に応じて、両者に密着性の高い材料が適用される。この実施形態では、アセチルセルロース(酢酸纖維素)、ニトロセルロース(硝酸纖維素又は硝化綿)、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース(纖維素)系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、天然又は合成ゴム等の材料が用いられる。接着剤層の厚みは、1〜30μm程度である。
なお、粘着層7は、紫外線硬化性樹脂を使用してもよく、この場合は、光学フィルムの厚みを一段と薄くすることができる。
セパレータフィルム24は、粘着層7の表面を離型可能に被覆する離型シートである。セパレータフィルム24は、粘着層7が露出して不要な物品と不要な接着をすることを防止するために設けられ、転写の直前に剥離除去される。
ここでこのように順次、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9を積層して作成される転写フィルム20において、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23及び1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13は、それぞれ1/4波長板用位相差層8及び1/2波長板用位相差層9を作成するための構成と言え、円偏光板6は、1/4波長板用位相差層8及び1/2波長板用位相差層9だけあれば光学的には十分に機能することになる。
これにより円偏光板6の光学的機能を担保する上で、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13は不要な層であると言える。しかしながら1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13は、1/4波長板用位相差層8及び1/2波長板用位相差層9を保持する層間の部材としての機能も有する。
これによりこの実施形態では、転写に供する転写層を、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9に設定し、支持体には、支持体基材21、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23が割り当てられる。またこれにより支持体側の構成にあっては、直線偏光板5への転写の際に、その一部でも転写層と共に直線偏光板5側に転写(移行)しないように、また転写層にあっては、その一部でも支持体側に取り残されないように構成される。
具体的に、1/4波長板用賦型樹脂層22にあっては、その表面形状が、1/4波長板用配向膜23として十分に機能し、かつ支持体を転写層から剥離する際に、離型層として十分に機能するように構成される。これにより1/4波長板用賦型樹脂層22は、1/4波長板用配向膜23を形成した状態で、支持体基材21との密着性は高く(剥離性は低く)、転写層の最下層である1/4波長板用位相差層8との密着性は低い(剥離性は高い)材料が適用される。またさらに、転写フィルム20に形成される他の層間の密着力に比して、1/4波長板用位相差層8との間の密着力が十分に小さい材料が適用される。
1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用位相差層9には、賦型処理に供する紫外線硬化性樹脂、光学フィルムに供される液晶材料からこれらの条件を満足する材料が選択されて、又はこれらの条件を満足するように調製されて適用される。
〔光学フィルムの製造工程〕
図4は、光学フィルム3の製造工程を示す図である。この製造工程30は、直線偏光板5に係る鹸化処理が実行された基材15、光学機能層16に係るフィルム材が供給ロール31、32により提供される。また転写フィルム20が供給リール33により提供される。この工程30は、供給リール33から転写フィルム20を引き出し、剥離ロール34によりセパレータフィルム24を剥離して粘着層7を露出させる。なお剥離したセパレータフィルム24は、巻き取りリール36に巻き取られる。
この工程は、供給ロール31、32からそれぞれ基材15、光学機能層16に係るフィルム材を引き出し、セパレータフィルム24を剥離した転写フィルム20と積層し、押圧ローラ38A、38Bにより押圧する。これによりこの工程30は、基材15、光学機能層16、転写層を一体化する。
続いてこの工程30は、剥離ローラ39により支持体(支持体基材21、1/4波長板用賦型樹脂層22)を剥離する。なお剥離した支持体は、巻き取りロール40に巻き取られる。また続いて粘着層4に係る粘着剤を塗付した後、供給リール41より供給されるセパレータフィルム42を加圧ローラ43A、43Bにより貼り付け、巻き取りリール44に巻き取る。
〔転写フィルムの製造工程〕
図5及び図6は、転写フィルム20の製造工程を示す略線図である。この製造工程50は、支持体基材21を供給リール51から引き出し、ダイ52により紫外線硬化樹脂の塗布液を塗布する。この製造工程50において、ロール版53は、1/4波長板用配向膜23に係る微細凹凸形状が周側面に形成された賦型用金型である。製造工程50は、紫外線硬化樹脂が塗布された支持体基材21を加圧ローラ54によりロール版53に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置55による紫外線の照射により紫外線硬化樹脂を硬化させる。これにより製造工程50は、ロール版53の周側面に形成された凹凸形状を支持体基材21に転写する(支持体形成工程)。その後、剥離ローラ56によりロール版53から硬化した紫外線硬化性樹脂と共に支持体基材21を剥離し、ダイ59により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置57による紫外線の照射により液晶材料を硬化させた後、巻き取りリール58に巻き取る(1/4波長板形成工程)。この一連の処理により支持体基材21の上に、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/4波長板用位相差層8が形成される。
続いて図6に示すように、転写フィルムの製造工程は、続く製造工程60において、巻き取りリール58から巻き取った支持体基材21を引き出し、ダイ62により紫外線硬化樹脂の塗布液を塗布する。この製造工程60において、ロール版63は、1/2波長板用配向膜13に係る微細凹凸形状が周側面に形成された賦型用金型である。製造工程60は、紫外線硬化樹脂が塗布された支持体基材21を加圧ローラ64によりロール版63に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置65による紫外線の照射により紫外線硬化樹脂を硬化させる。これにより製造工程60は、ロール版63の周側面に形成された凹凸形状を支持体基材21に転写する(1/2配向層形成工程)。その後、剥離ローラ66によりロール版63から硬化した紫外線硬化性樹脂と共に支持体基材21を剥離し、ダイ69により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置67による紫外線の照射により液晶材料を硬化させた後、巻き取りリール68に巻き取る(1/2波長板形成工程)。この工程60の一連の処理により、支持体基材21に形成された1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/4波長板用位相差層8の上に、さらに1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9が順次作成され、これらにより支持体基材21の上に円偏光板6に係る構成が作成される。転写フィルムは、さらに粘着層7、セパレータフィルム24が配置される。
以上の構成によれば、転写の手法を適用して光学フィルム3を作成することにより、光学フィルム3は、直線偏光板5側の1枚の基材15により直線偏光板に係る光学機能層、1/2位相差板に係る光学機能層、1/4位相差板に係る光学機能層を一体に保持することができ、これにより構成を簡略化し、さらには全体形状を薄型化して十分な可撓性を確保することができる。またこのとき、下層側の1/4波長板用賦型樹脂層22を支持体側の構成とすることにより、一段と全体形状を薄型化して可撓性を十分に確保することができる。
〔支持体形成工程〕
上述のように、支持体形成工程において、1/4波長板用賦型樹脂層22は、ダイ52により支持体基材21上に紫外線硬化性樹脂(配向層形成樹脂)が塗布され、紫外線照射装置55により紫外線硬化性樹脂を硬化させることによって形成される。
1/4波長板用賦型樹脂層22は、支持体と転写層を剥離する離型層として十分に機能させるために、紫外線硬化性樹脂を特定の反応率で硬化させることによって形成される。一般に、反応率を高くして紫外線硬化性樹脂を硬化させ、賦型樹脂層を形成すると、反応率が低い場合に比べ、紫外線硬化性樹脂の未架橋な部分が少なくなるため、その賦型樹脂層の上に形成される他の層(位相差層)との密着性が低くなり、転写性(剥離性)が向上する。
そのため、本実施形態では、1/4波長板用賦型樹脂層22の反応率を、密着性を十分に有する場合の紫外線硬化性樹脂の反応率よりも高くすることで、1/4波長板用賦型樹脂層22の1/4波長板用位相差層8との密着性を弱くし、支持体と転写層の転写性(剥離性)を向上させる。具体的には、1/2波長板用位相差層9に対して十分に密着性を有した1/2波長板用賦型樹脂層12の反応率に比べて、1/4波長板用賦型樹脂層22の反応率を高くする。
ここで、反応率は、紫外線硬化性樹脂(配向層形成樹脂)の通常の硬化に使用する紫外線照射量に対する実際に照射する紫外線照射量の比率で特定する。また、反応率に係る紫外線照射量は、紫外線照射装置55の照射光量の照射時間による積分値である。なお、照射時間は、支持体基材21の送り速度により調整される。本実施形態では、配向層の反応率を赤外線ピークの比率で規定する。
次に、1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)を形成する紫外線硬化性樹脂の赤外吸収ピーク比に対する、1/4波長板用位相差層8の密着性及び転写性について評価する。
図7は、1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)を形成する紫外線硬化性樹脂の赤外吸収ピーク比に対する、1/4波長板用位相差層8の密着性及び転写性についての評価結果を示す図である。
図7における赤外吸収ピーク比(P2/P1)は、1/4波長板用賦型樹脂層22における、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比によって特定される。ここで、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピークとは、紫外線照射による反応で消失しないエステル結合のピークを示し、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピークとは、紫外線照射による反応で消失するC=Cに起因するピークを示す。
なお、赤外線吸収ピークは、赤外吸収スペクトル測定におけるATR法によって測定される。本実施形態では、製造した転写フィルム20の1/2波長板用位相差層9、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/4波長板用位相差層8を切削加工や、エッチング処理等をして、1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)を表出させる。そして、上述の赤外吸収スペクトル測定におけるATR法によって、表出した1/4波長板用賦型樹脂層22の赤外線吸収ピークを測定する。なお、本実施形態の赤外吸収スペクトル測定は、日本分光株式会社製のFT−IR(610)を使用した。
ここで、密着性の評価は、形成した複数の転写体の表面にテープを貼付し、テープを介して転写層を支持体基材21から剥がそうとしたときに、1/4波長板用位相差層8と1/4波長板用賦型樹脂層12(配向層)との間で分離するか否かを実験した結果であり、「高」は検査した全品が分離しなかった場合を示し、「中」は検査した多くが分離しなかった場合を示し、「低」は全品分離してしまった場合を示す。
また、転写性の評価は、上記密着性の評価に基づいて、転写可能であるか否かを評価しており、○は、十分に転写可能であることを示し、△は、ある程度転写可能であることを示し、×は、転写不可能であることを示す。
図7において、配向層、位相差層のUV照射条件に、「close系」と「open系」とがあるが、「close系」とは、図5、6における各配向層の硬化の場合に、ロール版53、63と支持体基材21、22、23とで紫外線硬化樹脂をパッキングした状態で硬化させる条件をいう。また、「open系」とは、図5、6における紫外線照射装置57、67のように、紫外線硬化樹脂や液晶樹脂をパッキングせずに空気中(実際は窒素パージ環境下)で硬化させる条件をいう。
すなわち、配向層は、紫外線硬化樹脂を、支持体基材21とロール版53とでパッキングされた状態で硬化(close系)させた後に、空気中(窒素パージ環境下)で硬化させている(open系)。一方、位相差層は、液晶材料を、空気中(窒素パージ環境下)のみで硬化(open系)させている。
なお、本評価では、図7に示すように、1/4波長板用賦型樹脂層22の上に形成される1/4波長板用位相差層8の液晶材料に対するUV照射条件は同一である。また、1/2波長板用賦型樹脂層12(配向層)は、上記比較例1と同様の条件で紫外線硬化性樹脂が硬化されているため、1/2波長板用賦型樹脂層12と1/2波長板用位相差層9とは十分な強度で密着している。また、1/4波長板用位相差層8と1/2波長板用賦型樹脂層12(配向層)も、1/2波長板用賦型樹脂層12及び1/2波長板用位相差層9間の密着強度と同程度の強度で密着されている。
本評価では、紫外線照射装置55は、100%で2339.8mW/cmの照射出力を有し、波長範囲がUVVである。紫外線照射装置57は、100%で475.2mW/cmの照射出力を有し、波長範囲がUVAである。
図7に示すように、比較例1は、配向層のUV照射条件を、close系において、紫外線照射装置55の照射出力を90%にし、支持体基材21の送り速度を12.5m/minとし、繰り返し照射回数を1回とし、open系において、窒素パージを伴った紫外線照射装置55の照射出力を90%にし、支持体基材21の送り速度を12.5m/minとし、繰り返し照射回数を1回とした場合である。この場合、配向層の赤外吸収ピーク比が0.315となり、1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)と1/4波長板用位相差層8との密着性は「高」となり、支持体から転写層の転写性(剥離性)は×となる。
比較例2は、配向層のUV照射条件を、比較例1のopen系における繰り返し照射回数を1回から3回に変更した場合であり、この場合、配向層の赤外吸収ピーク比が0.312となり、1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)と1/4波長板用位相差層8との密着性は「高」となり、支持体から転写層の転写性(剥離性)は×となる。
比較例3は、配向層のUV照射条件を、close系において、紫外線照射装置55の照射出力を90%にし、支持体基材21の送り速度を6.5m/minとし、繰り返し照射回数を3回とし、open系において、窒素パージを伴った紫外線照射装置55の照射の出力を90%にし、支持体基材21の送り速度を6.5m/minとし、繰り返し照射回数を3回とした場合である。この場合、配向層の赤外吸収ピーク比が0.305となり、1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)と1/4波長板用位相差層8との密着性は「中」となり、支持体から転写層の転写性(剥離性)が△となる。
これに対して、実施例1は、配向層のUV照射条件を、close系において、紫外線照射装置55の照射出力を90%にし、支持体基材21の送り速度を6.5m/minとし、繰り返し照射回数を2回とし、open系において、窒素パージを伴って紫外線照射装置55の照射出力を90%にし、支持体基材21の送り速度を6.5m/minとし、繰り返し照射回数を1回とした場合である。この場合、配向層の赤外吸収ピーク比が0.236となり、1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)と1/4波長板用位相差層8との密着性は「低」となり、支持体から転写層の転写性(剥離性)は○となった。
また、実施例2は、配向層のUV照射条件を、close系において、紫外線照射装置55の照射出力を90%にし、支持体基材21の送り速度を6.5m/minとし、繰り返し照射回数を5回とし、open系において、窒素パージを伴って紫外線照射装置55の照射出力を90%にし、支持体基材21の送り速度を6.5m/minとし、繰り返し照射回数を3回とした場合である。この場合、配向層の赤外吸収ピーク比が0.294となり、1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)と1/4波長板用位相差層8との密着性は「低」となり、支持体から転写層の転写性(剥離性)は○となった。
以上の評価結果より、各実施例は、各比較例に比べ、支持体基材21の送り速度を遅くし、また、照射の繰り返し回数を増やしていることから、紫外線硬化樹脂に対する紫外線照射量を増やすことでき、紫外線硬化性樹脂の未架橋な部分を減少させることができる。従って、紫外線照射量を増やして1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)の赤外吸収ピーク比を0.30未満にすることによって、1/4波長板用賦型樹脂層22の1/4波長板用位相差層8との密着性を低くし、転写層と支持体の転写性(剥離性)を向上できることが確認された。
以上より、本実施形態の発明は、1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)が、1/2波長板用賦型樹脂層12(配向層)より低い赤外吸収ピーク比で硬化されるので、1/4波長板用賦型樹脂層22と1/4波長板用位相差層8との間で分離して、適正に支持体から転写層を剥離することができる。
また、1/2波長板用賦型樹脂層12が、0.30以上の赤外吸収ピーク比で硬化され、1/4波長板用賦型樹脂層22が、0.30未満の赤外吸収ピーク比で硬化されているので、より具体的に、支持体から転写層を剥離することができる転写フィルム20を実現することができる。
〔第2実施形態〕
図8は、第2実施形態に係る転写フィルムを示す図である。
本実施形態の転写フィルム70は、第1実施形態の転写フィルム20と相違して、セパレータフィルム24を剥離して画像表示パネル2に貼付され、支持体基材21を剥離して直線偏光板5に接着される。この実施形態では、転写に供する転写層を、1/2波長板用位相差層9、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/4波長板用位相差層8に設定し、支持体には、支持体基材21、1/2波長板用賦型樹脂層10、1/4波長板用配向膜11が割り当てられる。
転写フィルム70は、図8に示すように、支持体基材21の上面に、順次、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/4波長板用位相差層8が設けられ、さらにその上に、粘着層4及びセパレータフィルム24が設けられる。
転写フィルム70は、支持体基材21を転写層から剥がして、粘着層7が設けられた直線偏光板5に貼付され、また、セパレータフィルム24を粘着層4から剥がして、粘着層4により画像表示パネル2のパネル面に貼り付けられることによって、画像表示装置1が形成される。
この実施形態の転写フィルム70は、第1実施形態の転写体の製造工程と同様の要領で、まず、支持体基材21の上に、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9が形成され、更にその上に、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/4波長板用位相差層8が形成される。
ここで、本実施形態の転写フィルム70の構成の場合、支持体に割り当てられる1/2波長板用賦型樹脂層12と、転写層に割り当てられる1/2波長板用位相差層9との密着性及び転写性が問題となるので、支持体形成工程において、紫外線硬化性樹脂を0.30未満の赤外吸収ピーク比で1/2波長板用賦型樹脂層12を形成する。なお、1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)は、上記第1実施形態の比較例1と同様の条件(0.30以上の赤外吸収ピーク比)で紫外線硬化性樹脂が硬化されているため、1/4波長板用賦型樹脂層22と1/4波長板用位相差層8とは十分な強度で密着している。また、1/2波長板用位相差層9と1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)も、1/4波長板用賦型樹脂層22及び1/4波長板用位相差層8間の密着強度と同程度の強度で密着されている。
以上より、本実施形態の発明は、1/2波長板用賦型樹脂層12(配向層)が、1/4波長板用賦型樹脂層22(配向層)より低い赤外吸収ピーク比で硬化されるので、1/2波長板用賦型樹脂層12と1/2波長板用位相差層9との間で分離して、適正に支持体から転写層を剥離することができる。
また、1/4波長板用賦型樹脂層22が、0.30以上の赤外吸収ピーク比で硬化され、1/2波長板用賦型樹脂層12が、0.30未満の赤外吸収ピーク比で硬化されているので、より具体的に、支持体から転写層を剥離することができる転写フィルム70を実現することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせ、さらには上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
(1)各実施形態では、賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紫外線硬化性樹脂以外の各種賦型用樹脂を適用する場合、さらには加熱等により軟化させた基材を押し付けて賦型する場合等にも広く適用することができる。
(2)各実施形態では、転写層側に粘着層7を設けるようにして、この粘着層7により直線偏光板5と転写層とを一体化する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この粘着層7を直線偏光板5側に設けるようにしてもよい。
(3)各実施形態では、ロール版により賦型処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平板により賦型処理する場合にも広く適用することができる。
(4)各実施形態では、ロール材の連続した処理により粘着層4、セパレータの配置を配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、別途、光学フィルムをシート形状により切り出した後に配置するようにしてもよい。
1 画像表示装置
2 画像表示パネル
3 光学フィルム
4、7 粘着層
5 直線偏光板
6 円偏光板
8 1/4波長板用位相差層
9 1/2長板用位相差層
10 1/4波長板用賦型樹脂層
11 1/4波長板用配向膜
22 1/2波長板用賦型樹脂層
23 1/2波長板用配向膜
15 基材
16 光学機能層
20、70 転写フィルム
21 支持体基材
24 セパレータフィルム
30、50、60 製造工程
31、32、33、41、51 供給リール
34 剥離ロール
36、40、44、58、68 巻き取りリール
38A、38B 押圧ローラ
39 剥離ローラ
43A、43B、54、64 加圧ローラ
52、58、62、69 ダイ
53、63 ロール版
55、57、65、67 紫外線照射装置
56、66 剥離ローラ

Claims (7)

  1. 透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層と、前記1/2波長板用位相差層に係る1/2波長板用配向層と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層とを少なくとも有する多層構造による転写層と、
    前記転写層を保持する支持体とを備え、
    前記支持体は、前記1/4波長板用位相差層に係る1/4波長板用配向層が含まれており、
    前記1/4波長板用配向層及び前記1/2波長板用配向層は、配向層形成樹脂を硬化させて形成され、
    前記1/4波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が、前記1/2波長板用配向層の前記比よりも低い値で硬化されること、
    を特徴とする光学フィルム用転写体。
  2. 前記1/2波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が0.30以上であり、
    前記1/4波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が0.30未満であること、
    を特徴とする請求項1に記載の光学フィルム用転写体。
  3. 透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層と、前記1/4波長板用位相差層に係る1/4波長板用配向層と、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層とを少なくとも有する多層構造による転写層と、
    前記転写層を保持する支持体とを備え、
    前記支持体は、前記1/2波長板用位相差層に係る1/2波長板用配向層が含まれており、
    前記1/4波長板用配向層及び前記1/2波長板用配向層は、配向層形成樹脂を硬化させて形成され、
    前記1/2波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が、前記1/4波長板用配向層の前記比よりも低い値で硬化されること、
    を特徴とする光学フィルム用転写体。
  4. 前記1/4波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が0.30以上であり、
    前記1/2波長板用配向層は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)が0.30未満であること、
    を特徴とする請求項3に記載の光学フィルム用転写体。
  5. 透明フィルムによる基材と、
    直線偏光板としての機能を担う直線偏光板の光学機能層と、
    円偏光板としての機能を担う円偏光板の光学機能層とが積層され、
    前記円偏光板の光学機能層が、前記直線偏光板の光学機能層の上に、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光学フィルム用転写体に設けられた前記転写層による光学機能層であること、
    を特徴とする光学フィルム。
  6. 透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層と、前記1/4波長板用位相差層に係る1/4波長板用配向層と、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層と、前記1/2波長板用位相差層に係る1/2波長板用配向層とを備える光学フィルム用転写体の製造方法であって、
    配向層形成樹脂を硬化させて基材上に成膜し、前記1/4波長板用配向層を形成する支持体形成工程と、
    位相差層形成樹脂を硬化させて、前記1/4波長板用位相差層を前記1/4波長板用配向層の上に形成する1/4波長板形成工程と、
    前記配向層形成樹脂を硬化させて、前記1/2波長板用配向層を前記1/4波長板用位相差層の上に形成する1/2配向層形成工程と、
    前記位相差層形成樹脂を硬化させて、前記1/2波長板用位相差層を前記1/2波長板用配向層の上に形成する1/2波長板形成工程とを備え、
    前記支持体形成工程は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)を、前記1/2波長板用配向層の前記比よりも低くして前記1/4波長板用配向層を形成すること、
    を特徴とする光学フィルム用転写体の製造方法。
  7. 透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層と、前記1/4波長板用位相差層に係る1/4波長板用配向層と、透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層と、前記1/2波長板用位相差層に係る1/2波長板用配向層とを備える光学フィルム用転写体の製造方法であって、
    配向層形成樹脂を硬化させて基材上に成膜し、前記1/2波長板用配向層を形成する支持体形成工程と、
    位相差層形成樹脂を硬化させて、前記1/2波長板用位相差層を前記1/2波長板用配向層の上に形成する1/2波長板形成工程と、
    前記配向層形成樹脂を硬化させて、前記1/4波長板用配向層を前記1/2波長板用位相差層の上に形成する1/4配向層形成工程と、
    前記位相差層形成樹脂を硬化させて、前記1/4波長板用位相差層を前記1/4波長板用配向層の上に形成する1/4波長板形成工程とを備え、
    前記支持体形成工程は、波数が1720から1750cm−1間の赤外線吸収ピーク(P1)と、波数が820から800cm−1間の赤外線吸収ピーク(P2)との比(P2/P1)を、前記1/4波長板用配向層の前記比よりも低くして前記1/2波長板用配向層を形成すること、
    を特徴とする光学フィルム用転写体の製造方法。
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