JP6504227B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、例えば画像表示パネルに配置して、偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルムの製造方法に関するものである。
従来、画像表示パネル等に関して、画像表示パネルの出射面に光学フィルムを配置し、この光学フィルムによる偏光面の制御により外来光の反射を低減する方法が提案されている。この光学フィルムは、直線偏光板、円偏光板により構成され、画像表示パネルのパネル面に向かう外来光を直線偏光板により直線偏光に変換し、続く円偏光板により円偏光に変換する。ここでこの円偏光による外来光は、画像表示パネルの表面等で反射するものの、この反射の際に偏光面の回転方向が逆転する。その結果、この反射光は、到来時とは逆に、円偏光板より、直線偏光板により遮光される方向の直線偏光に変換された後、続く直線偏光板により遮光され、その結果、外部への出射が著しく抑制される。
この光学フィルムに関して、特許文献1等には、1/2波長板、1/4位相差板を組み合わせて円偏光板を構成することにより、この光学フィルムを正の分散特性により構成する方法が提案されている。この方法の場合、カラー画像の表示に供する広い波長帯域において、正の分散特性により光学フィルムを構成することができる。
ところで有機ELパネルを使用した画像表示装置においては、近年、可撓性を有するシート形状によるものが提供されつつある。このような可撓性を有するシート形状による画像表示装置では、例えば全体を外向きに折り曲げたり、これと逆向きに折り曲げたりした状態で、画像を表示することができ、従来に比して一段と画像表示装置の適用分野を拡大し得ると考えられる。
しかしながらこのように全体を外向きに折り曲げたり、これと逆向きに折り曲げたりした状態で画像表示する場合には、従来に比して格段的に外来光の反射を低減することが必要になる。これによりこのような可撓性を有するシート形状による画像表示装置においては、上述の光学フィルムを配置することにより、外来光による影響を有効に回避することが必要であると考えられる。特に有機ELパネルでは、内部電極による外来光の反射が著しいことにより、この種の光学フィルムを適用することが望まれる。
しかしながら従来のこの種の光学フィルムを単純に可撓性を有するシート形状による画像表示パネルに適用したのでは、画像表示パネルの可撓性を著しく損なう問題がある。
特開平10−68816号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルムに関して、配置対象物の可撓性を損なわないようにすること目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、転写の手法を適用して光学フィルムを作成することにより、全体の厚みを薄くするようにして、下層側の配向膜を支持体側に含ませて転写層に含ませないようにする、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) 偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルムの製造方法において、
透過光に1/2波長分の位相差を付与する1/2波長板用位相差層と、前記1/2波長板用位相差層に係る1/2波長板用配向膜と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する1/4波長板用位相差層とを少なくとも有し、これらが順に積層された多層構造による転写層を、支持体基材と前記1/4波長板用位相差層に係る1/4波長板用配向膜との積層体である支持体上に前記1/4波長板用位相差層が前記1/4波長板用配向膜上となるように形成して転写体を形成する転写体の製造工程と、
透明基材に、直線偏光板としての機能を担う光学機能層を形成する直線偏光板の製造工程と、
前記直線偏光板の前記光学機能層に、前記転写体の製造工程で生産した前記転写体を、前記1/2波長用位相差層を前記光学機能層側として積層し、前記支持体を剥離して前記転写層を転写する転写工程とを備える。
(1)によれば、転写法を適用して直線偏光板に円偏光板に係る光学機能層を設けることができ、これにより全体形状の厚みを薄くして十分な可撓性を確保することができる。また1/4波長板用位相差層に係る1/4波長板用配向膜が支持体側に含まれることにより、転写層から1/4波長板用配向膜に係る構成を除いて一段と厚みを薄くし、これにより十分な可撓性を確保することができる。
偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルムに関して、配置対象物の可撓性を損なわないようにすることができる。
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。 図1の画像表示装置に設けられる光学フィルムの説明に供する図である。 図2の光学フィルムに適用される転写フィルムを示す図である。 図2の光学フィルムの製造工程を示す図である。 図3の転写フィルムの製造工程を示す図である。 図5の続きを示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。この画像表示装置1では、画像表示パネル2のパネル面に、光学フィルム3が配置される。画像表示パネル2は、可撓性を有するシート形状による有機ELパネルであり、所望のカラー画像を表示する。
光学フィルム3は、偏光面の制御により、画像表示パネル2に到来する外来光の反射を抑圧する光学フィルムである。このため光学フィルム3は、直線偏光板5、円偏光板6を積層して構成される。光学フィルム3は、図示しないセパレータフィルムを剥離して感圧接着剤による粘着層4を露出させた後、この粘着層4により、画像表示パネル2のパネル面に貼り付けられて保持される。また直線偏光板5及び円偏光板6は、粘着層7を介して一体化される。
円偏光板6は、透過光に1/4波長分の位相差を付与して1/4位相差板として機能する部位8(1/4波長板用位相差層と呼ぶ)と、透過光に1/2波長分の位相差を付与して1/2位相差板として機能する部位9(1/2波長板用位相差層と呼ぶ)との積層体により構成される。これにより円偏光板6は、カラー画像の表示に供する広い波長帯域で円偏光版としての特性を確保し、光学フィルム3は、広い波長帯域で十分に外来光の反射を抑圧する。
これらにより画像表示装置1では、画像表示パネル2の表示画面側より、順次、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用位相差層9、直線偏光板5が配置される。また図2に示すように、矢印により示す直線偏光板5の透過軸又は吸収軸に対して、1/2波長板用位相差層9及び1/4波長板用位相差層8の遅相軸(それぞれ矢印により示す)が、それぞれ反時計回り又は時計回りに13〜17度の範囲、71〜76度の範囲で角度を成すように配置される。なおこの角度は、それぞれが反時計回り又は時計回りに14〜16度、72〜74度で配置されることがより好ましい。
より具体的に、1/4波長板用位相差層8は、面内位相差(Re)が105nm以上、150nm以下により作成され、1/2波長板用位相差層9は面内位相差(Re)が220nm以上、285nm以下により作成される。なお1/4波長板用位相差層8は、面内位相差(Re)が110nm以上、130nm以下により作成され、1/2波長板用位相差層9は面内位相差(Re)が230nm以上、250nm以下により作成されることがより好ましい。これにより光学フィルム3は、直線偏光板5側より入射する可視光域波長域(450〜750nm)の透過光を、楕円率0.8以上の円偏光により出射する。
円偏光板6は、画像表示パネル2側に、1/4波長板用位相差層8が設けられる。ここで1/4波長板用位相差層8は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成される。円偏光板6は、後述する転写体において1/4波長板用賦型樹脂層に微細な凹凸形状が作成されて1/4波長板用配向膜が形成され、この1/4波長板用配向膜の配向規制力により液晶材料がパターンニングされて1/4波長板用位相差層8が形成される。
また続いて円偏光板6は、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9が順次設けられる。1/2波長板用賦型樹脂層12は、微細な凹凸形状の賦型に供する賦型用樹脂層であり、この実施形態ではこの賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂が適用される。なおこの紫外線硬化性樹脂については、例えばアクリル系等、賦型処理に供する各種の樹脂を広く適用することができる。1/2波長板用賦型樹脂層12は、賦型処理により表面に微細な凹凸形状が形成され、円偏光板6は、この1/2波長板用賦型樹脂層12の表面形状により1/2波長板用配向膜13が形成される。1/2波長板用位相差層9は、屈折率異方性を保持した状態で固化(硬化)された液晶材料により形成され、円偏光板6は、この液晶材料の配向を1/2波長板用配向膜13の配向規制力によりパターンニングする。
ここでこれら1/2波長板用配向膜13及び1/4波長板用配向膜に係る微細な凹凸形状は、一方向に延長するライン状(線)の凹凸形状により形成され、位相差層8、9における遅相軸の設定に対応するように、この一方向に延長する方向が直線偏光板5の透過軸に対して、それぞれ反時計回り又は時計回りに約15度、約73度の角度を成すように作成される。
直線偏光板5は、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルムからなる基材15の下面側が鹸化処理された後、光学機能層16が配置される。なお基材15は、これに代えてポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛硝子、石英硝子等の硝子等を適用することができる。
光学機能層16は、直線偏光板としての光学的機能を担う部位であり、例えばポリビニルアルコール(PVA)によるフィルム材に、ヨウ素化合物分子を吸着配向させて作製される。
しかして光学フィルム3の円偏光板6に係る構成において、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用位相差層9は、それぞれ液晶性材料を用いることにより、それぞれ厚み1μm、2μm程度により作成することができる。なおこの位相差層8、9の材料は、液晶性を有する材用であれば、円盤状液晶、棒状液晶等を適宜適用できる。液晶性材料の正面リタデーション(Re)の波長分散性は450nm、550nm、650nmにおけるReをそれぞれRe(450)、Re(550)、Re(650)とすると、Re(450)/Re(550)を1.2以下に、Re(650)/Re(550)を0.9以上にすることが好ましい。また賦型樹脂層12は、厚み2μm程度、粘着層4は、厚み15μm以下により作成することができる。また直線偏光板5に係る構成において、基材15は、厚み30μm程度により構成することができ、光学機能層16は、厚み20μm以下により構成することができる。また粘着層7は、厚み15μm程度により構成することができる。これらにより光学フィルム3は、全体として厚みを85μm以下により十分に薄く作成することができる。これにより光学フィルム3は、十分な可撓性を確保することができる。
ここでこの実施形態に係る画像表示パネル2にあっては、可撓性を有するシート形状であることにより、光学フィルム3は、画像表示パネル2に比して格段的に可撓性を有していると言える。しかしながらこの種の光学フィルム3においては、画像表示パネル以外の、著しく曲率の大きな部材に配置される場合も予測され、この場合には一段と可撓性が求められる。
そこで光学フィルム3について、それぞれJIS K5600−5−1に規定の円筒形マンドレル試験により耐屈曲性を試験した。試験した結果によれば、光学フィルム3の場合、マンドレルの直径が3mmの場合であっても、表面に、割れ及びはがれ等が発生しないことが確認された。これによりこの直径3mmによる耐屈曲性の試験を満足することが判った。ここでこの程度の耐屈曲性を備えている場合には、配置対象物が可撓性を有するシート形状による画像表示パネルであっても、十分に配置対象物の可撓性を損なわないことを確認することができた。また配置対象が一段と大きな曲率を備えた部材であっても、光学フィルム3を損傷しないで配置することができる。
〔転写体〕
光学フィルム3は、粘着層7を介してこれら円偏光板6、直線偏光板5が一体化され、この一体化の処理に、転写法が適用される。
ここで転写法は、例えば基材の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体を作成した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材上に所望の層を形成する方法である。
この実施形態では、直線偏光板5に、円偏光板6に係る層構成を転写法により積層する。従って被転写基材は、直線偏光板5である。転写に供する層(転写層)は、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9の積層体である。
図3は、この転写体である転写フィルムの構成を示す図である。転写フィルム20は、支持体基材21上に、順次、円偏光板6に係る1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9が設けられる。
ここで支持体基材21は、転写に供する層(転写層)を剥離可能に担持し、転写層を被転写基材上に接着、積層した後は、適宜時機に剥離、除去に供される基材である。この実施形態では、透明フィルム材であるPET(Polyethylene terephthalate)フィルムが適用され、これにより転写フィルム20は、光学特性を検査可能に構成される。なおPETフィルムは、コロナ処理され、続く1/4波長板用賦型樹脂層22との間で十分な密着力が確保される。なお支持体基材21は、全体の形状をシート形状としても良い。また支持体基材21は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンアフタレート等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂等の樹脂からなる樹脂性フィルム材を適用してもよい。なお支持体基材21の厚みは、20〜100μmである。
1/4波長板用賦型樹脂層22は、微細な凹凸形状の賦型に供する賦型用樹脂層であり、この実施形態ではこの賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂が適用される。なおこの紫外線硬化性樹脂については、例えばアクリル系等、賦型処理に供する各種の樹脂を広く適用することができる。1/4波長板用賦型樹脂層22は、支持体基材21の上に、紫外線硬化性樹脂の塗付液を塗付して作成される。
1/4波長板用配向膜23は、微細凹凸形状を周側面に形成した賦型用金型(ロール版)を用いた賦型処理により、この1/4波長板用賦型樹脂層22の表面に微細な凹凸形状が形成されて作成される。しかして光学フィルム3について(図1)上述した1/4波長板用位相差層8は、1/4波長板用配向膜23上に、液晶材料を塗付して硬化させることにより作成される。
1/2波長板用賦型樹脂層12は、1/4波長板用位相差層8の上に、1/4波長板用賦型樹脂層22と同様に、紫外線硬化性樹脂の塗付液を塗付して作成され、1/2波長板用配向膜13は、1/4波長板用配向膜23と同様に、賦型用金型を用いて1/2波長板用賦型樹脂層12を賦型処理して作成される。1/2波長板用位相差層9は、1/2波長板用配向膜13上に、液晶材料を塗付して硬化させることにより作成される。
さらに転写フィルム20は、転写層の上に、粘着層7、セパレータフィルム24が設けられる。
ここで粘着層7は、転写層と被転写基材とを接着するための層である。転写層の材料と被転写基材の材料に応じて、両者に密着性の高い材料が適用される。この実施形態では、アセチルセルロース(酢酸纖維素)、ニトロセルロース(硝酸纖維素又は硝化綿)、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース(纖維素)系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、天然又は合成ゴム等の材料が用いられる。接着剤層の厚みは、1〜30μm程度である。
セパレータフィルム24は、粘着層7の表面を離型可能に被覆する離型シートである。セパレータフィルム24は、粘着層7が露出して不要な物品と不要な接着をすることを防止するために設けられ、転写の直前に剥離除去される。
ここでこのように順次、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9を積層して作成される転写フィルム20において、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23及び1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13は、それぞれ1/4波長板用位相差層8及び1/2波長板用位相差層9を作成するための構成と言え、円偏光板6は、1/4波長板用位相差層8及び1/2波長板用位相差層9だけあれば光学的には十分に機能することになる。
これにより円偏光板6の光学的機能を担保する上で、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13は不要な層であると言える。しかしながら1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13は、1/4波長板用位相差層8及び1/2波長板用位相差層9を保持する層間の部材としての機能も有する。
これによりこの実施形態では、転写に供する転写層を、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9に設定し、支持体には、支持体基材21、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23が割り当てられる。またこれにより支持体側の構成にあっては、直線偏光板5への転写の際に、その一部でも転写層と共に直線偏光板5側に転写(移行)しないように、また転写層にあっては、その一部でも支持体側に取り残されないように構成される。
具体的に、1/4波長板用賦型樹脂層22にあっては、その表面形状が、1/4波長板用配向膜23として十分に機能し、かつ支持体を転写層から剥離する際に、離型層として十分に機能するように構成される。これにより1/4波長板用賦型樹脂層22は、1/4波長板用配向膜23を形成した状態で、支持体基材21との密着性は高く(剥離性は低く)、転写層の最下層である1/4波長板用位相差層8との密着性は低い(剥離性は高い)材料が適用される。またさらに、転写フィルム20に形成される他の層間の密着力に比して、1/4波長板用位相差層8との間の密着力が十分に小さい材料が適用される。
1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用位相差層8、1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用位相差層9には、賦型処理に供する紫外線硬化性樹脂、光学フィルムに供される液晶材料からこれらの条件を満足する材料が選択されて、又はこれらの条件を満足するように調製されて適用される。
なおこのような各材料の選定、調整に代えて、別途、1/4波長板用賦型樹脂層22の表面に、離型層を設けるようにしてもよい。このような離型層としては、例えば、シリコン樹脂(有機珪素系高分子化合物)、弗素系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、又はこれら樹脂と適宜の他の樹脂(アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂等)との混合物を適用することができる。
また離型層による剥離性が不十分な場合、離型層の支持体側に剥離層を設け、この剥離層により離型層による剥離性を補うようにしてもよい。なお剥離層は、相対的に、支持体フィルムとの密着性が低く(剥離性は高く)、剥離層との密着性が高い(剥離性は低い)材料を適用することができる。より具体的には、この実施形態において、剥離層には、アクリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又は以上の中から選択した2種以上の混合物、或いは以上のなかから選択した1種以上とその他の樹脂との混合物が用いられる。
〔光学フィルムの製造工程〕
図4は、光学フィルム3の製造工程を示す図である。この製造工程30は、直線偏光板5に係る鹸化処理が実行された基材15、光学機能層16に係るフィルム材が供給ロール31、32により提供される。また転写フィルム20が供給リール33により提供される。この工程30は、供給リール33から転写フィルム20を引き出し、剥離ロール34によりセパレータフィルム24を剥離して粘着層7を露出させる。なお剥離したセパレータフィルム24は、巻き取りリール36に巻き取られる。
この工程は、供給ロール31、32からそれぞれ基材15、光学機能層16に係るフィルム材を引き出し、セパレータフィルム24を剥離した転写フィルム20と積層し、押圧ローラ38A、38Bにより押圧する。これによりこの工程30は、基材15、光学機能層16、転写層を一体化する。
続いてこの工程30は、剥離ローラ39により支持体(支持体基材21、1/4波長板用賦型樹脂層22)を剥離する。なお剥離した支持体は、巻き取りロール40に巻き取られる。また続いて粘着層4に係る粘着剤を塗付した後、供給リール41より供給されるセパレータフィルム42を加圧ローラ43A、43Bにより貼り付け、巻き取りリール44に巻き取る。
〔転写フィルムの製造工程〕
図5及び図6は、転写フィルム20の製造工程を示す略線図である。この製造工程50は、支持体基材21を供給リール51から引き出し、ダイ52により紫外線硬化樹脂の塗布液を塗布する。この製造工程50において、ロール版53は、1/4波長板用配向膜23に係る微細凹凸形状が周側面に形成された賦型用金型である。製造工程50は、紫外線硬化樹脂が塗布された支持体基材21を加圧ローラ54によりロール版53に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置55による紫外線の照射により紫外線硬化樹脂を硬化させる。これにより製造工程50は、ロール版53の周側面に形成された凹凸形状を支持体基材21に転写する。その後、剥離ローラ56によりロール版53から硬化した紫外線硬化性樹脂と共に支持体基材21を剥離し、ダイ59により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置57による紫外線の照射により液晶材料を硬化させた後、巻き取りリール58に巻き取る。この一連の処理により支持体基材21の上に、1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/4波長板用位相差層8が形成される。
続いて図6に示すように、転写フィルムの製造工程は、続く製造工程60において、巻き取りリール58から巻き取った支持体基材21を引き出し、ダイ62により紫外線硬化樹脂の塗布液を塗布する。この製造工程60において、ロール版63は、1/2波長板用配向膜13に係る微細凹凸形状が周側面に形成された賦型用金型である。製造工程60は、紫外線硬化樹脂が塗布された支持体基材21を加圧ローラ64によりロール版63に押圧し、高圧水銀燈からなる紫外線照射装置65による紫外線の照射により紫外線硬化樹脂を硬化させる。これにより製造工程60は、ロール版63の周側面に形成された凹凸形状を支持体基材21に転写する。その後、剥離ローラ66によりロール版53から硬化した紫外線硬化性樹脂と共に支持体基材21を剥離し、ダイ69により液晶材料を塗布する。またその後、紫外線照射装置67による紫外線の照射により液晶材料を硬化させた後、巻き取りリール68に巻き取る。この工程60の一連の処理により、支持体基材21に形成された1/4波長板用賦型樹脂層22、1/4波長板用配向膜23、1/4波長板用位相差層8の上に、さらに1/2波長板用賦型樹脂層12、1/2波長板用配向膜13、1/2波長板用位相差層9が順次作成され、これらにより支持体基材21の上に円偏光板6に係る構成が作成される。転写フィルムは、さらに粘着層7、セパレータフィルム24が配置される。
以上の構成によれば、転写の手法を適用して光学フィルム3を作成することにより、光学フィルム3は、直線偏光板5側の1枚の基材15により直線偏光板に係る光学機能層、1/2位相差板に係る光学機能層、1/4位相差板に係る光学機能層を一体に保持することができ、これにより構成を簡略化し、さらには全体形状を薄型化して十分な可撓性を確保することができる。またこのとき、下層側の1/4波長板用賦型樹脂層22を支持体側の構成とすることにより、一段と全体形状を薄型化して可撓性を十分に確保することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、転写層側に粘着層を設けるようにして、この粘着層により直線偏光板と転写層とを一体化する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この粘着層を直線偏光板側に設けるようにしてもよい。
また上述の実施形態では、賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、紫外線硬化性樹脂以外の各種賦型用樹脂を適用する場合、さらには加熱等により軟化させた基材を押し付けて賦型する場合等にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、ロール版により賦型処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、平板により賦型処理する場合にも広く適用することができる。
また上述の実施形態では、賦型処理により配向膜を作成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、光配向の手法により配向膜を作成する場合にも広く適用することができる。なおこの場合、1/2位相板、1/4位相板の何れか一方のみを光配向膜により作成してもよく、双方を光配向膜により作成してもよい。
また上述の実施形態では、ロール材の連続した処理により粘着層4、セパレータの配置を配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、別途、光学フィルムをシート形状により切り出した後に配置するようにしてもよい。
また上述の実施形態では、可撓性を有するシート形状による画像表示パネルに光学フィルムを配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、液晶表示パネル等による一般の画像表示装置に適用する場合、さらには各種の部材に配置して反射防止を図る場合に広く適用することができる。
1 画像表示装置
2 画像表示パネル
3 光学フィルム
4、7 粘着層
5 直線偏光板
6 円偏光板
8 1/4波長板用位相差層
9 1/2長板用位相差層
12 1/2波長板用賦型樹脂層
13 1/2波長板用配向膜
15 基材
16 光学機能層
20 転写フィルム
21 支持体基材
22 1/4波長板用賦型樹脂層
23 1/4波長板用配向膜
24、42 セパレータフィルム
30、50、60 製造工程
31、32、33、41、51 供給リール
34 剥離ロール
36、40、44、58、68 巻き取りリール
38A、38B 押圧ローラ
39 剥離ローラ
43A、43B、54、64 加圧ローラ
52、58、62、69 ダイ
53、63 ロール版
55、57、65、67 紫外線照射装置
56、66 剥離ローラ

Claims (1)

  1. 偏光面の制御により外来光の反射を低減する光学フィルムの製造方法において、
    透過光に1/2波長分の位相差を付与する厚さが2μmの1/2波長板用位相差層と、前記1/2波長板用位相差層に係る1/2波長板用配向膜と、前記1/2波長板用配向膜を形成する厚さが2μmの1/2波長板用賦型樹脂層と、透過光に1/4波長分の位相差を付与する厚さが1μmの1/4波長板用位相差層とを少なくとも有し、これらが順に積層された多層構造による転写層を、支持体基材と前記1/4波長板用位相差層に係る1/4波長板用配向膜との積層体である支持体上に前記1/4波長板用位相差層が前記1/4波長板用配向膜上となるように形成して転写体を形成する転写体の製造工程と、
    厚さが30μmの透明基材に、直線偏光板としての機能を担う厚さが20μm以下の光学機能層を形成する直線偏光板の製造工程と、
    前記直線偏光板の前記光学機能層に、前記転写体の製造工程で生産した前記転写体を、前記1/2波長用位相差層を前記光学機能層側として積層し、前記支持体を剥離して前記転写層を転写する転写工程とを備える
    光学フィルムの製造方法。
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