JP2014070605A - ピストンクーリングジェット - Google Patents

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由貴 山口
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Abstract

【課題】閉弁状態から開弁状態に切り替わりやすいピストンクーリングジェットを提供することを課題とする。
【解決手段】ピストンクーリングジェット1は、側周壁にハウジング側ノズル連通孔22を有する筒状のハウジング2と、ハウジング側ノズル連通孔22に連通するノズル3と、ハウジング2の内部を軸方向に往復動可能なバルブ本体46と、バルブ本体46の内部に配置されエンジン側オイル通路900に連通するバルブ側オイル通路40と、バルブ本体46の外周面に全周的に配置され、閉弁状態においてハウジング側ノズル連通孔22に連通する閉弁側ノズル連通溝43と、を有するバルブ4と、ハウジング2の内部において、バルブ4の裏側に区画され、バルブ側オイル通路40に連通する圧力室21と、圧力室21とハウジング2の外部との間に配置される圧力調整通路Bと、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンのピストンの裏面にオイルを噴射することにより、ピストンを冷却するピストンクーリングジェットに関する。
ピストンクーリングジェットは、エンジンのシリンダブロックに取り付けられている。ピストンクーリングジェットは、シリンダブロックのメインオイルギャラリに連通している。メインオイルギャラリは、エンジンのオイル循環回路の一部を構成している。ピストンクーリングジェットには、油圧式バルブ機構が配置されている。
メインオイルギャラリのオイルの油圧が所定のしきい値以上になると、ピストンクーリングジェットの油圧式バルブ機構が開く。このため、メインオイルギャラリのオイルが、ピストンクーリングジェットにより、ピストンの裏面に噴射される。当該噴射により、ピストンが冷却される。
ここで、ピストンが高温の温間時においては、ピストンクーリングジェットによりピストンを冷却する方が好ましい。しかしながら、ピストンが低温の冷間時においては、ピストンを早期に昇温させる必要がある。このため、冷間時にピストンクーリングジェットを用いてピストンを冷却すると、ピストンの昇温を阻害してしまう。また、ピストンの裏面に噴射されたオイルは、クランクシャフトに落下する。ここで、冷間時においては、オイルの油温が低い。このため、オイルの粘度が高い。したがって、粘度の高いオイルがクランクシャフトに落下することになり、クランクシャフトの回転抵抗(オイルに対する攪拌抵抗)が大きくなってしまう。このような理由から、冷間時においては、オイルを噴射しない方が好ましい。しかしながら、従来のピストンクーリングジェットの油圧式バルブ機構は、エンジンの温度ではなく、メインオイルギャラリの油圧に応じて開閉する。このため、冷間時においても、ピストンクーリングジェットが作動してしまう。
この点に鑑み、特許文献1には、油圧用バルブ機構部と、油温用バルブ機構部と、を備えるピストンクーリングジェットが開示されている。同文献のピストンクーリングジェットによると、油圧用バルブ機構部が、オイルの油圧に応じて、オイルの噴射状態を切り替える。また、油温用バルブ機構部が、オイルの油温に応じて、オイルの噴射状態を切り替える。
油圧用バルブ機構部には、一つのコイルスプリングが使用されている。また、油温用バルブ機構部には、二つのコイルスプリングが使用されている。油温用バルブ機構部の二つのコイルスプリングは、閉止部材を介して、オイルの通路方向に沿って直列に並んでいる。二つのコイルスプリングのうち、上側(上流側)のコイルスプリングは形状記憶合金製の形状記憶スプリングである。当該コイルスプリングの付勢力は、温度により変化する。二つのコイルスプリングのうち、下側(下流側)のコイルスプリングは、バイアススプリングである。
冷間時においては、バイアススプリングの方が、形状記憶スプリングよりも、付勢力が大きい。このため、オイルの通路が閉じている。したがって、オイルの噴射を停止することができる。
一方、温間時においては、形状記憶スプリングの方が、バイアススプリングよりも、付勢力が大きい。このため、オイルの通路が開いている。したがって、オイルの噴射を許容することができる。
特開2011−12650号公報
しかしながら、同文献記載のピストンクーリングジェットによると、合計三つのコイルスプリングが必要である。このため、ピストンクーリングジェットの構造が複雑である。また、部品点数が多い。
また、同文献記載のピストンクーリングジェットによると、三つのコイルスプリングのうち、一つのコイルスプリングを、形状記憶合金製とする必要がある。このため、ピストンクーリングジェットの製造コストが高くなる。
この点に鑑み、本発明者は、新規のピストンクーリングジェットを開発した。ただし、当該ピストンクーリングジェットは、従来技術ではない。当該ピストンクーリングジェットは、ハウジングと、ノズルと、バルブと、リーク隙間と、コイルスプリングと、を備えている。
ノズルは、ハウジングの側周壁から突設されている。バルブは、ハウジングの内部に、上下方向に往復動可能に収容されている。バルブは、ハウジングの内部を、上側の受圧室と、下側の圧力室と、に可動的に仕切っている。バルブには、オリフィスが配置されている。コイルスプリングは、圧力室に収容されている。コイルスプリングは、バルブを上側に付勢している。受圧室は、エンジンのメインオイルギャラリに連通している。圧力室の下流側には、リーク隙間が配置されている。リーク隙間は、外部に連通している。
メインオイルギャラリのオイルは、受圧室→オリフィス→圧力室→リーク隙間という経路を辿って、外部に流出する。当該ピストンクーリングジェットは、圧力室の上流側にオリフィスを、圧力室の下流側にリーク隙間を、備えている。このため、オイルの油温および油圧に応じて、圧力室の内圧を変化させることができる。また、当該内圧の変化を利用して、バルブを往復動させることができる。
開弁状態においては、バルブが下降し、受圧室とノズルとが連通する。このため、メインオイルギャラリのオイルは、ノズルからピストンに噴射される。一方、閉弁状態においては、バルブが上昇し、受圧室とノズルとの連通が遮断される。このため、メインオイルギャラリのオイルは、ノズルからピストンに噴射されない。
このように、新規のピストンクーリングジェットによると、油温および油圧に応じたオイル噴射制御を、単一のコイルスプリングを用いて実行することができる。このため、ピストンクーリングジェットの構造が簡単である。また、部品点数が少ない。また、新規のピストンクーリングジェットによると、コイルスプリングを、敢えて形状記憶合金製とする必要がない。このため、ピストンクーリングジェットの製造コストが低くなる。
しかしながら、当該新規のピストンクーリングジェットによると、閉弁状態において、バルブの外周面の一部だけが、ノズルの内部に露出している。このため、バルブの外周面の一部だけに、ノズル内部の圧力(大気圧)が供給されている。これに対して、バルブの外周面の他部には、受圧室の圧力(メインオイルギャラリのオイルの油圧)が供給されている。このため、バルブの外周面の一部に加わる圧力(ノズル内部の圧力)と、バルブの外周面の他部に加わる圧力(受圧室の圧力)と、の差圧により、バルブに水平方向(バルブの往復動方向に対して直交する方向)に荷重が加わってしまう。
このように、閉弁状態においては、バルブに水平方向の荷重が加わっている。このため、閉弁状態から開弁状態に切り替わる際に、ハウジングに対するバルブの摺動抵抗が大きくなる。したがって、バルブの動きが悪くなる。よって、閉弁状態から開弁状態に切り替わりにくくなる。
本発明のピストンクーリングジェットは、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、閉弁状態から開弁状態に切り替わりやすいピストンクーリングジェットを提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のピストンクーリングジェットは、側周壁にハウジング側ノズル連通孔を有する筒状のハウジングと、該ハウジングの該側周壁から外側に突設され、該ハウジング側ノズル連通孔に連通するノズルと、表側からエンジン側オイル通路の油圧による荷重が加わり、該ハウジングの内部を軸方向に往復動可能なバルブ本体と、該バルブ本体の内部に配置され該エンジン側オイル通路に連通するバルブ側オイル通路と、該バルブ本体の外周面に全周的に配置され該ノズルからピストンにオイルを噴射しない閉弁状態において該ハウジング側ノズル連通孔に連通する閉弁側ノズル連通溝と、を有するバルブと、該ハウジングの内部において、該バルブの裏側に区画され、該バルブ側オイル通路に連通する圧力室と、該圧力室と該ハウジングの外部との間に配置される圧力調整通路と、を備えることを特徴とする。
ここで、「全周的」とは、バルブ本体の外周面に閉弁側ノズル連通溝が無端環状に配置されている場合は勿論、螺旋状に配置されている場合も含む。すなわち、ハウジングの軸方向(=バルブの表裏方向)から見て、バルブ本体の外周面を、閉弁側ノズル連通溝が一周以上延在していればよい。
本発明のピストンクーリングジェットのバルブ本体の外周面には、全周的に閉弁側ノズル連通溝が配置されている。閉弁状態において、ノズルの内部の圧力(例えば大気圧)は、ハウジング側ノズル連通孔を介して、閉弁側ノズル連通溝に供給される。言い換えると、閉弁状態において、バルブ本体の外周面に対して、全周的に、ノズルの内部の圧力は供給される。このため、閉弁状態において、バルブ本体に、ハウジングの軸方向に対して交差する方向の荷重が、加わりにくい。したがって、本発明のピストンクーリングジェットによると、閉弁状態から開弁状態に切り替わる際の、ハウジングに対するバルブの摺動抵抗が小さくなる。よって、閉弁状態から開弁状態に切り替わりやすくなる。
また、本発明のピストンクーリングジェットによると、開弁状態から閉弁状態に切り替わる際の圧力と、閉弁状態から開弁状態に切り替わる際の圧力と、が一致しやすくなる。言い換えると、開弁状態から閉弁状態に切り替わる際と、閉弁状態から開弁状態に切り替わる際と、の間のヒステリシス(以下、「開閉時のヒステリシス」と称す。)が小さくなる。
また、本発明のピストンクーリングジェットによると、ノズルからピストンにオイルを噴射する開弁状態、および閉弁状態において、エンジン側オイル通路→バルブ側オイル通路→圧力室→圧力調整通路→外部という経路(途中に他の通路が介在していてもよい)で、圧力室の内圧調整用のオイルを流すことができる。このため、圧力室の内圧を、確実に制御することができる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記バルブ側オイル通路は、オリフィスを有し、前記圧力調整通路は、開口幅が該オリフィスよりも小さく、総開口面積が該オリフィスよりも大きいリーク隙間である構成とする方がよい。本構成によると、オイルの油温および油圧に応じて、圧力室の内圧を簡単に調整することができる。
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記バルブの裏側に配置されホルダ側孔を有するホルダと、該バルブの裏側に配置され、該ホルダ側孔に挿通され、前記ノズルから前記ピストンに前記オイルを噴射する開弁状態において、該バルブの裏面が、表面に着座するシャフトと、を備え、前記リーク隙間は、該ホルダ側孔の内周面と該シャフトの外周面との間に区画される構成とする方がよい。
本構成によると、リーク隙間が、ホルダとシャフトとにより形成されている。このため、リーク隙間の形状の自由度が高い。また、開弁状態におけるバルブの位置を、シャフトにより規制することができる。
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記閉弁側ノズル連通溝は、前記バルブ本体の前記外周面を無端環状に延在しており、前記閉弁状態において、該閉弁側ノズル連通溝は、該バルブ本体の向きによらず、前記ハウジング側ノズル連通孔に連通している構成とする方がよい。
本構成によると、閉弁状態において、バルブ本体の外周面に対して、全周的に、ノズルの内部の圧力を供給することができる。また、本構成によると、バルブ本体の向きによらず(ハウジングの内部において、バルブ本体が、相対的に軸回りに回転している場合であっても)、確実に、ハウジング側ノズル連通孔と、閉弁側ノズル連通溝と、を連通させることができる。
(5)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記閉弁側ノズル連通溝は、前記バルブ本体の前記外周面を螺旋状に延在しており、前記閉弁状態において、該閉弁側ノズル連通溝は、該バルブ本体の向きによらず、前記ハウジング側ノズル連通孔に連通している構成とする方がよい。
本構成によると、閉弁状態において、バルブ本体の外周面に対して、全周的に、ノズルの内部の圧力を供給することができる。また、本構成によると、バルブ本体の向きによらず(ハウジングの内部において、バルブ本体が、相対的に軸回りに回転している場合であっても)、確実に、ハウジング側ノズル連通孔と、閉弁側ノズル連通溝と、を連通させることができる。
本発明によると、閉弁状態から開弁状態に切り替わりやすいピストンクーリングジェットを提供することができる。
第一実施形態のピストンクーリングジェットの配置図である。 同ピストンクーリングジェットの斜視図である。 同ピストンクーリングジェットの分解斜視断面図である。 同ピストンクーリングジェットのバルブとプラグとの斜視図である。 同ピストンクーリングジェットの閉弁状態の上下方向断面図である。 同ピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図である。 図5の枠VII内の拡大図である。 図6の枠VIII内の拡大図である。 図6の枠IX内の拡大図である。 第二実施形態のピストンクーリングジェットのバルブの周方向展開図である。 第三実施形態のピストンクーリングジェットの閉弁状態の上下方向断面図である。 第四実施形態のピストンクーリングジェットの閉弁状態の上下方向断面図である。
以下、本発明のピストンクーリングジェットの実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
[ピストンクーリングジェットの配置]
まず、本実施形態のピストンクーリングジェットの配置について説明する。図1に、本実施形態のピストンクーリングジェットの配置図を示す。図1に示すように、エンジン9は、シリンダブロック90と、ピストン91と、コンロッド92と、クランクシャフト93と、を備えている。
ピストン91は、コンロッド92を介して、クランクシャフト93に接続されている。ピストン91は、シリンダブロック90内を、上下方向に往復動可能である。シリンダブロック90には、メインオイルギャラリ900が形成されている。メインオイルギャラリ900は、本発明の「エンジン側オイル通路」の概念に含まれる。メインオイルギャラリ900は、エンジン9のオイル循環回路の一部を構成している。ピストンクーリングジェット1は、シリンダブロック90に取り付けられている。
なお、図1に示すピストンクーリングジェット1は、開弁状態である。図1に点線で示すように、ピストンクーリングジェット1は、メインオイルギャラリ900内のオイルOを、ピストン91の下面(裏面。燃焼室と反対側の面)に噴射可能である。
[ピストンクーリングジェットの構成]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの構成について説明する。以下の図において、上側は、本発明の「表側」に対応している。また、下側は、本発明の「裏側」に対応している。上下方向は、本発明の「軸方向」に対応している。
図2に、本実施形態のピストンクーリングジェットの斜視図を示す。図3に、同ピストンクーリングジェットの分解斜視断面図を示す。図4に、同ピストンクーリングジェットのバルブとプラグとの斜視図を示す。図5に、同ピストンクーリングジェットの閉弁状態の上下方向断面図を示す。図6に、同ピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図を示す。
図1〜図6に示すように、ピストンクーリングジェット1は、ハウジング2と、ノズル3と、バルブ4と、ホルダ5と、プラグ6と、コイルスプリング70と、ブラケット71と、溝72と、を備えている。
(ハウジング2、ブラケット71)
ハウジング2は、鋼製であって、円筒状を呈している。図1に示すように、ハウジング2は、ブラケット71を介して、シリンダブロック90に、ボルト(図略)により固定されている。図5、図6に示すように、ハウジング2は、受圧室20と、圧力室21と、ハウジング側ノズル連通孔22と、第一段差部23と、第二段差部24と、を備えている。
受圧室20および圧力室21は、ハウジング2の内部に区画されている。受圧室20と圧力室21とは、後述するバルブ4により、仕切られている。すなわち、受圧室20は、バルブ4の上側に配置されている。一方、圧力室21は、バルブ4の下側に配置されている。バルブ4の動きに応じて、受圧室20および圧力室21の体積は、変化する。
ハウジング側ノズル連通孔22は、ハウジング2の側周壁を、水平方向(径方向)に貫通している。ハウジング側ノズル連通孔22の延在方向と、後述するバルブ4の往復動方向と、は交差(直交)している。ハウジング側ノズル連通孔22の断面は、真円状を呈している。
第一段差部23は、ハウジング2の内部の上端(軸方向一端)付近に配置されている。第一段差部23は、下側から上側に向かって縮径するテーパ状を呈している。第一段差部23は、後述するバルブ4の上死点(閉弁位置)を決定している。第二段差部24は、ハウジング2の内部の下端(軸方向他端)付近に配置されている。第二段差部24は、下側から上側に向かって縮径する階段状を呈している。第二段差部24は、後述するホルダ5の取付位置を決定している。
(ノズル3、バルブ4)
図5、図6に示すように、ノズル3は、鋼製であって、長軸円筒状を呈している。ノズル3は、ハウジング2の側周壁から、径方向外側に突設されている。図1に示すように、ノズル3の上端(軸方向一端)は、ピストン91の方向を向いている。ノズル3の下端(軸方向他端)は、ハウジング2のハウジング側ノズル連通孔22に接続されている。
バルブ4は、バルブ側オイル通路40と、四つのバルブ側ノズル連通孔41と、開弁側ノズル連通溝42と、閉弁側ノズル連通溝43と、バルブ側スプリング座44と、バルブ本体46と、を備えている。ハウジング側ノズル連通孔22に対する、バルブ4の外周面の上下方向位置が切り替わることにより、図5に示す閉弁状態と、図6に示す開弁状態と、が切り替わる。
バルブ本体46は、鋼製であって、円柱状を呈している。バルブ側オイル通路40は、バルブ本体46を上下方向(軸方向)に貫通している。バルブ側オイル通路40の断面は、真円状を呈している。バルブ側オイル通路40の下側部分には、オリフィス(絞り部)Aが配置されている。オリフィスAの断面は、真円状を呈している。バルブ側オイル通路40の水平方向(軸直方向)の通路断面積は、オリフィスAにおいて、局所的に縮小されている。
図7に、図5の枠VII内の拡大図を示す。図7に示すように、閉弁側ノズル連通溝43は、バルブ本体46の外周面の下側部分に、全周的に凹設されている。閉弁側ノズル連通溝43は、周方向に延在している。閉弁側ノズル連通溝43は、無端環状を呈している。閉弁状態において、閉弁側ノズル連通溝43は、ハウジング側ノズル連通孔22、ノズル3に連通している。すなわち、閉弁側ノズル連通溝43には、ノズル3から、大気圧が供給されている。言い換えると、閉弁状態においては、バルブ本体46の外周面に、全周的に大気圧が供給されている。
閉弁側ノズル連通溝43の上下方向位置(軸方向位置)は、全周的に一定である。このため、ハウジング2の内部において、相対的に、バルブ本体46が軸回りに回転しても、閉弁状態において、閉弁側ノズル連通溝43は、確実にハウジング側ノズル連通孔22に連通している。すなわち、バルブ本体46の向きによらず、閉弁側ノズル連通溝43は、ハウジング側ノズル連通孔22に連通している。
図8に、図6の枠VIII内の拡大図を示す。図8に示すように、開弁側ノズル連通溝42は、バルブ本体46の外周面の上側部分に、全周的に凹設されている。開弁状態において、開弁側ノズル連通溝42は、ハウジング側ノズル連通孔22、ノズル3に連通している。
開弁側ノズル連通溝42の上下方向位置(軸方向位置)は、全周的に一定である。このため、ハウジング2の内部において、相対的に、バルブ本体46が軸回りに回転しても、開弁状態において、開弁側ノズル連通溝42は、確実にハウジング側ノズル連通孔22に連通している。すなわち、バルブ本体46の向きによらず、開弁側ノズル連通溝42は、ハウジング側ノズル連通孔22に連通している。
図8に示すように、四つのバルブ側ノズル連通孔41は、各々、バルブ本体46の径方向に延在している。四つのバルブ側ノズル連通孔41の断面は、各々、真円状を呈している。四つのバルブ側ノズル連通孔41は、90°ずつ離間して配置されている。四つのバルブ側ノズル連通孔41は、各々、径方向内側のバルブ側オイル通路40と、径方向外側の開弁側ノズル連通溝42と、を径方向に繋いでいる。すなわち、開弁状態においては、メインオイルギャラリ900(図1参照)→受圧室20→バルブ側オイル通路40→四つのバルブ側ノズル連通孔41→開弁側ノズル連通溝42→ハウジング側ノズル連通孔22→ノズル3という経路で、オイルOが流れる。
図5、図6に示すように、バルブ側スプリング座44は、バルブ本体46の外周面の下側部分に、全周的に配置されている。バルブ側スプリング座44は、閉弁側ノズル連通溝43の下側に配置されている。バルブ側スプリング座44は、下側から上側に向かって拡径する階段状を呈している。
(ホルダ5、コイルスプリング70)
図9に、図6の枠IX内の拡大図を示す。図3、図5、図6、図9に示すように、ホルダ5は、鋼製であって、下側に開口する有底円筒状を呈している。ホルダ5は、ハウジング2の第二段差部24に当接するように、ハウジング2の内部に収容されている。ホルダ5は、底部50と、筒部51と、を備えている。
底部50は、バルブ4の下側に配置されている。底部50は、円板状を呈している。底部50は、ホルダ側孔500と、ホルダ側スプリング座501と、を備えている。ホルダ側孔500は、底部50の径方向中央に配置されている。ホルダ側孔500は、底部50を上下方向に貫通している。ホルダ側孔500の断面は、真円状を呈している。ホルダ側スプリング座501は、底部50の上面に配置されている。ホルダ側スプリング座501は、ホルダ側孔500の径方向外側に配置されている。ホルダ側スプリング座501は、円環リブ状を呈している。筒部51は、底部50の下側に連なっている。筒部51は、円筒状を呈している。
コイルスプリング70は、鋼製であって、バルブ側スプリング座44と、ホルダ側スプリング座501と、の間に介装されている。図5、図6に示すように、コイルスプリング70は、バルブ4を、上側(開弁状態から閉弁状態に切り替える方向)に付勢している。
(プラグ6)
プラグ6は、鋼製であって、上側に突出する画鋲状を呈している。プラグ6は、ハウジング2の下側の開口を封止している。プラグ6は、底部60と、凸部61と、シャフト62と、を備えている。
底部60は、円板状を呈している。底部60は、ハウジング2の下側の開口を、下側から覆っている。凸部61は、底部60の上面から突設されている。凸部61は、短軸円柱状を呈している。凸部61は、ホルダ5の内部に収容されている。凸部61は、ホルダ5により位置決めされている。ここで、凸部61の外周面と、筒部51の内周面と、は隙間無く当接している。すなわち、筒部51は、凸部61つまりシャフト62の、ホルダ側孔500に対する径方向位置を決定している。凸部61は、四つのプラグ側オイル通路610を備えている。四つのプラグ側オイル通路610は、各々、軸方向に延在している。四つのプラグ側オイル通路610の断面は、各々、真円状を呈している。四つのプラグ側オイル通路610は、90°ずつ離間して配置されている。四つのプラグ側オイル通路610は、各々、後述するリーク隙間Bの下側(下流側)の開口と、ハウジング2の外部と、を上下方向(軸方向)に連通している。
シャフト62は、凸部61の上面から突設されている。シャフト62は、長軸円柱状を呈している。シャフト62の上面は、平面状を呈している。シャフト62の断面は、真円状を呈している。シャフト62は、ホルダ側孔500の径方向内側を貫通している。図9に示すように、開弁状態において、シャフト62の上面と、バルブ本体46の下面と、は当接している。すなわち、シャフト62の上面は、バルブ4の下死点(開弁位置)を決定している。
シャフト62とホルダ側孔500とは、同軸上に配置されている。リーク隙間Bは、シャフト62の外周面と、ホルダ側孔500の内周面と、の間に区画されている。リーク隙間Bは、円環状を呈している。リーク隙間Bの径方向幅(開口幅)は、オリフィスAの直径(開口幅)よりも、小さく設定されている。また、リーク隙間Bの水平方向(ハウジング2の径方向)の通路断面積(総開口面積)は、オリフィスAの水平方向の通路断面積(総開口面積)よりも、大きく設定されている。
(溝72)
図4、図9に示すように、溝72は、バルブ本体46の下面に凹設されている。溝72は、+(プラス)状に延在している。溝72は、バルブ側オイル通路40に連通している。図9に示すように、開弁状態において、バルブ本体46の下面は、シャフト62の上面に、当接している。図4にハッチングで示すように、バルブ本体46の下面とシャフト62の上面との間には、溝72の凹形状に応じて、オイル通路が区画されている。このため、バルブ本体46の下面とシャフト62の上面とが当接しているにもかかわらず、開弁状態において、バルブ側オイル通路40と圧力室21とは、溝72を介して繋がっている。
[ピストンクーリングジェットのバルブに加わる荷重]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットのバルブに加わる荷重について、簡単に説明する。図5、図6に示すように、バルブ本体46の上面には、上側から、メインオイルギャラリ900のオイルOの油圧による荷重Fuが加わる。一方、バルブ本体46の下面には、下側から、コイルスプリング70の付勢力による荷重Fd1が加わる。並びに、バルブ本体46の下面には、下側から、圧力室21の内圧(オイルOの油圧)による荷重Fd2が加わる。
このように、バルブ本体46つまりバルブ4には、上側から荷重Fuが、下側から荷重Fd1、Fd2が、加わる。これらの荷重の大小関係に応じて、バルブ4は、上下方向に往復動する。なお、バルブ4には、ピストンクーリングジェット1の取付方向に応じて、バルブ4の自重や浮力などによる荷重も作用するが、ここでは、説明の便宜上、割愛する。
[ピストンクーリングジェットの動き]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの動きについて説明する。前述したように、バルブ4には、上側から荷重Fuが、下側から荷重Fd1、Fd2が、加わる。これらの荷重の大小関係に応じて、バルブ4は、上下方向に往復動する。つまり、ピストンクーリングジェット1は、図5に示す閉弁状態と、図6に示す開弁状態と、に切り替わる。
荷重Fd2を決定しているのは、圧力室21の内圧である。圧力室21内の内圧は、圧力室21に流入するオイルOの流量Q1と、圧力室21から流出するオイルOの流量Q2と、の関係により変化する。
すなわち、圧力室21には、オリフィスAを経由して、オイルOが流入する。このため、オイルOの密度をρ、受圧室20内(つまり図1に示すメインオイルギャラリ900内)の油圧をPa、圧力室21内の油圧をPb、流量係数をK1、オリフィスAの流路断面積をSとすると、ベルヌーイの定理により、オリフィスAを通過するオイルOの流量、つまり圧力室21に流入するオイルOの流量Q1は、以下の式(1)から導出される。
Figure 2014070605
式(1)から、圧力室21に流入するオイルOの流量Q1は、オイルOの密度ρの影響を受けることが判る。ここで、オイルOの密度ρは、オイルOの油温が変化しても、あまり変化しない。このため、冷間時(エンジン9始動後であって、エンジン9の暖機が未完了で、ピストン91が低温の場合)から温間時(エンジン9の暖機完了後でピストン91が高温の場合)に至るまで、オイルOの密度ρは、あまり変化しない。したがって、冷間時から温間時に至るまで、圧力室21に流入するオイルOの流量Q1は、あまり変化しない。
これに対して、圧力室21からは、リーク隙間Bを経由して、オイルOが流出する。このため、オイルOの粘度をη、係数をK2、大気圧をPcとすると、ハーゲン・ポアズイユの法則により、リーク隙間Bを通過するオイルOの流量、つまり圧力室21から流出するオイルOの流量Q2は、以下の式(2)から導出される。
Figure 2014070605
式(2)から、圧力室21から流出するオイルOの流量Q2は、オイルOの粘度ηの影響を受けることが判る。ここで、オイルOの粘度ηは、オイルOの油温が変化すると、大きく変化する。このため、冷間時から温間時に至る際に、オイルOの粘度ηは、大きく変化する。したがって、冷間時から温間時に至る際に、圧力室21から流出するオイルOの流量Q2は、大きく変化する。具体的には、油温が上昇すると粘度ηは低下する。このため、式(2)から、流量Q2は増加する。
このように、油温の変化に対する流量Q1の変化に対して、油温の変化に対する流量Q2の変化は、大きい。このため、油温が高いほど、リーク隙間BからオイルOが漏れやすくなる。したがって、油温が高いほど、圧力室21内の内圧が小さくなる。よって、油温が高いほど、荷重Fd2は小さくなる。
油温が低い冷間時においては、荷重Fd2が大きい。このため、ピストンクーリングジェット1を、図5に示す閉弁状態から、図6に示す開弁状態に、切り替える際、大きな荷重Fuが必要になる。つまり、開弁圧が大きくなる。
一方、油温が高い温間時においては、荷重Fd2が小さい。このため、ピストンクーリングジェット1を、図5に示す閉弁状態から、図6に示す開弁状態に、切り替える際、小さな荷重Fuで足りる。つまり、開弁圧が小さくなる。
このように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、油温に応じて開弁圧を自動的に調整している。
[作用効果]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの作用効果について説明する。図5、図6に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1は、油温および油圧に応じたオイル噴射制御を、オリフィスA、リーク隙間B、コイルスプリング70を用いて実行することができる。このため、ピストンクーリングジェット1の構造が簡単である。また、部品点数が少ない。
また、油温に応じてピストンクーリングジェットを作動させる従来技術として、形状記憶合金製のスプリングが用いられる。すなわち、油温に応じてばね定数が変化するスプリングが用いられる。この点、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、形状記憶合金製のスプリングは必要ない。このため、ピストンクーリングジェット1の製造コストが低くなる。
また、図6、図9に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、開弁状態において、バルブ本体46の下端がシャフト62の上面に当接する。このため、バルブ4の開弁位置を規制することができる。また、コイルスプリング70の最大圧縮量を規制することができる。したがって、コイルスプリング70がへたりにくい。
また、図4、図9に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1のバルブ本体46の下面には、溝72が凹設されている。このため、開弁状態において、確実に、オリフィスAと、リーク隙間Bと、を連通させることができる。すなわち、開弁状態において、メインオイルギャラリ900からハウジング2の外部まで、圧力室21の油圧調整用のオイルOを流すことができる。
また、図3、図9に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、リーク隙間Bが、ホルダ5とシャフト62とにより形成されている。このため、リーク隙間Bの形状の自由度が高い。
また、図5、図7に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、閉弁状態において、ノズル3、ハウジング側ノズル連通孔22を介して、閉弁側ノズル連通溝43に、大気圧が導入されている。このため、バルブ本体46には、全周的に大気圧が加わる。したがって、バルブ本体46の外周面に局所的に大気圧が加わる場合と比較して、図5に示す閉弁状態から図6に示す開弁状態に切り替わる際のバルブ本体46の摺動抵抗を小さくすることができる。よって、閉弁状態から開弁状態に切り替わりやすい。このように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、開閉時のヒステリシスが小さくなる。
また、閉弁側ノズル連通溝43は、バルブ本体46の全周に亘って、無端環状に配置されている。このため、閉弁状態において、ハウジング2の内部でバルブ本体46が自身の軸回りに回転しても、確実に、閉弁側ノズル連通溝43とハウジング側ノズル連通孔22とを連通させることができる。
また、図6、図8に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、開弁状態において、バルブ側オイル通路40、四つのバルブ側ノズル連通孔41を介して、開弁側ノズル連通溝42に、オイルOが供給される。すなわち、バルブ本体46の内部を経由して、開弁側ノズル連通溝42に、オイルOが供給される。このため、バルブ本体46の外部だけを経由してオイルOが供給される場合と比較して、バルブ本体46の上面に、オイルOの流れによる荷重が加わりにくい。また、バルブ本体46には、全周的に油圧が加わる。したがって、図6に示す開弁状態から図5に示す閉弁状態に切り替わる際のバルブ4の摺動抵抗を小さくすることができる。よって、開弁状態から閉弁状態に切り替わりやすい。このように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、開閉時のヒステリシスが小さくなる。
また、開弁側ノズル連通溝42は、バルブ本体46の全周に亘って、無端環状に配置されている。このため、開弁状態において、ハウジング2の内部でバルブ本体46が自身の軸回りに回転しても、確実に、開弁側ノズル連通溝42とハウジング側ノズル連通孔22とを連通させることができる。
また、図4に示すように、バルブ本体46の外周面には、三箇所の摺接部L1〜L3が配置されている。三箇所の摺接部L1〜L3は、バルブ4が動く際、ハウジング2の内周面に摺接する。三箇所の摺接部L1〜L3は、各々、短軸円環状を呈している。摺接部L1は、開弁側ノズル連通溝42の上側に配置されている。摺接部L3は、閉弁側ノズル連通溝43の下側に配置されている。摺接部L2は、開弁側ノズル連通溝42と閉弁側ノズル連通溝43との中間に配置されている。また、四つのバルブ側ノズル連通孔41は、摺接部L1と摺接部L2との間に配置されている。このように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、バルブ本体46の上端付近、バルブ本体46の上下方向中央付近、バルブ本体46の下端付近に、摺接部L1〜L3が配置されている。このため、上下方向(ハウジング2の軸方向)に対して、バルブ4が傾動しにくい。
<第二実施形態>
本実施形態のピストンクーリングジェットと、第一実施形態のピストンクーリングジェットとの相違点は、バルブ本体の外周面に、螺旋状の閉弁側ノズル連通溝が配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図10に、本実施形態のピストンクーリングジェットのバルブの周方向展開図を示す。なお、図3と対応する部位については、同じ符号で示す。図10にハッチングで示すように、バルブ本体46の外周面には、螺旋状であって有端環状の閉弁側ノズル連通溝43が配置されている。
閉弁側ノズル連通溝43の上下方向位置(軸方向位置)は、全周的に異なっている。しかしながら、閉弁側ノズル連通溝43の上下方向位置は、全周的に、ハウジング側ノズル連通孔22の上下方向位置と、重複している。このため、ハウジング2の内部において、相対的に、バルブ4が軸回りに回転しても、閉弁状態において、閉弁側ノズル連通溝43は、確実にハウジング側ノズル連通孔22に連通している。すなわち、バルブ4の向きによらず、閉弁側ノズル連通溝43は、ハウジング側ノズル連通孔22に連通している。
本実施形態のピストンクーリングジェット1と、第一実施形態のピストンクーリングジェットとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のピストンクーリングジェット1のように、螺旋状の閉弁側ノズル連通溝43を配置してもよい。
<第三実施形態>
本実施形態のピストンクーリングジェットと、第一実施形態のピストンクーリングジェットとの相違点は、バルブの開弁位置を決定するリブが配置されている点である。また、リーク隙間を有する隔壁が配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図11に、本実施形態のピストンクーリングジェットの閉弁状態の上下方向断面図を示す。なお、図5と対応する部位については、同じ符号で示す。図11に示すように、リブ73は、鋼製であって、円環状を呈している。リブ73は、ハウジング2の内周面に配置されている。リブ73は、径方向内側に張り出している。上側または下側から見て、リブ73は、バルブ本体46の外周縁に、重複するように配置されている。並びに、上側または下側から見て、リブ73は、コイルスプリング70に、重複しないように配置されている。リブ73は、バルブ4の下死点(開弁位置)を決定している。すなわち、開弁状態において、リブ73は、バルブ4を下側から支持している。
隔壁8は、鋼製であって、円板状を呈している。隔壁8は、ハウジング2の第二段差部24に当接するように、ハウジング2の下端の開口に固定されている。隔壁8は、二つの隔壁側連通孔800と、隔壁側スプリング座801を備えている。二つの隔壁側連通孔800は、各々、スリット状を呈している。二つの隔壁側連通孔800は、各々、隔壁8を上下方向に貫通している。二つの隔壁側連通孔800は、各々、リーク隙間Bに相当する。隔壁側スプリング座801は、隔壁8の上面に配置されている。隔壁側スプリング座801は、円環リブ状を呈している。
本実施形態のピストンクーリングジェット1と、第一実施形態のピストンクーリングジェットとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、リブ73により、バルブ4の下死点を決定することができる。このため、バルブ本体46の下面に溝72(援用する図5参照)を配置する必要がない。
また、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、隔壁8にリーク隙間Bが配置されている。このため、ホルダ5(援用する図5参照)、プラグ6(援用する図5参照)が不要である。したがって、ピストンクーリングジェット1の構造が簡単になる。また、ピストンクーリングジェット1の上下方向長さを短くすることができる。
<第四実施形態>
本実施形態のピストンクーリングジェットと、第一実施形態のピストンクーリングジェットとの相違点は、ハウジングの内周面に、ハウジング側ノズル連通溝が配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図12に、本実施形態のピストンクーリングジェットの閉弁状態の上下方向断面図を示す。なお、図5と対応する部位については、同じ符号で示す。図12に示すように、ハウジング側ノズル連通溝27は、ハウジング2の内周面に、全周的に凹設されている。ハウジング側ノズル連通溝27は、開弁状態において、開弁側ノズル連通溝42と、ノズル3と、を繋いでいる。また、ハウジング側ノズル連通溝27は、閉弁状態において、閉弁側ノズル連通溝43と、ノズル3と、を繋いでいる。
本実施形態のピストンクーリングジェット1と、第一実施形態のピストンクーリングジェットとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のピストンクーリングジェット1のように、ハウジング2の内周面に、ハウジング側ノズル連通溝27を配置してもよい。
<その他>
以上、本発明のピストンクーリングジェットの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
図9、図10に示すように、第一実施形態および第二実施形態においては、バルブ本体46の下面に溝72を配置した。しかしながら、シャフト62の上面に溝72を配置してもよい。また、バルブ本体46の下面およびシャフト62の上面に、溝72を配置してもよい。すなわち、図6に示す開弁状態において、バルブ本体46の下面とシャフト62の上面との間に、オイル通路を確保できればよい。
図5、図6に示す受圧室20、圧力室21、バルブ側オイル通路40、バルブ側ノズル連通孔41、ハウジング側ノズル連通孔22、ノズル3の内部空間、オリフィスA、プラグ側オイル通路610の、通路方向に直交する方向の断面形状は、特に限定しない。例えば、真円状、楕円状、多角形状(三角形、四角形、五角形、六角形など)などであってもよい。
図5、図6、図12に示す開弁側ノズル連通溝42、閉弁側ノズル連通溝43、溝72、ハウジング側ノズル連通溝27の通路方向に直交する方向の断面形状は、特に限定しない。例えば、C字状、V字状、U字状、多角形状などであってもよい。
図9、図11に示すリーク隙間Bの通路方向に直交する方向の断面形状は、特に限定しない。例えば、環状(真円環状、楕円環状、多角形環状など)、スリット状、真円状、楕円状、多角形状などであってもよい。リーク隙間Bの断面形状を楕円環状にする場合、シャフト62およびホルダ側孔500の断面形状を楕円形状にすればよい。また、リーク隙間Bの断面形状を長方形環状にする場合、シャフト62およびホルダ側孔500の断面形状を長方形状にすればよい。
リーク隙間Bは、複数配置してもよい。この場合、本発明の「開口幅」とは、単一のリーク隙間Bの開口幅をいう。また、本発明の「総開口面積」とは、全てのリーク隙間Bの開口面積の総和をいう。
また、オリフィスA、リーク隙間Bの開口形状が長尺状(例えば、スリット状、環状など)の場合、本発明の「開口幅」とは、オリフィスA、リーク隙間Bの短手方向幅をいう。
また、オリフィスA、リーク隙間Bの開口形状が真円状、楕円状、多角形状の場合、本発明の「開口幅」とは、オリフィスA、リーク隙間Bの図形重心を通る直線長をいう。例えば、オリフィスA、リーク隙間Bが真円状の場合、本発明の「開口幅」とは、直径長をいう。
また、図4、図8に示すように、第一実施形態においては、上側または下側から見た場合の、バルブ側ノズル連通孔41、溝72の形状を、+状とした。しかしながら、−(マイナス)状、Y字状などとしてもよい。また、バルブ側ノズル連通孔41、溝72を、30°、45°、60°、90°、120°、180°など、等角度ごとに、放射状に配置してもよい。
また、図9に示すように、第一実施形態においては、バルブ側オイル通路40にオリフィスAを配置した。しかしながら、バルブ側オイル通路40にオリフィスAを配置しなくてもよい。
また、図11に示すように、第三実施形態においては、無端環状のリブ73を配置した。しかしながら、単一または複数の、径方向内側に突出する突起を配置してもよい。複数の突起を配置する場合、ハウジング2の内周面に、等角度ごとに突起を配置してもよい。また、バルブ4の下死点を決定する部材(リブ73)を配置しなくてもよい。すなわち、コイルスプリング70および圧力室21の内圧により、バルブ4の下死点を規制してもよい。
また、図11に示すように、第三実施形態においては、ハウジング2の第二段差部24に隔壁8を当接させ、ハウジング2の下端を加締める(縮径させる)ことにより、ハウジング2に隔壁8を固定した。しかしながら、ハウジング2に対する隔壁8の固定方法は、特に限定しない。例えば、ボルト、スクリュー、クリップ、係合爪などにより、ハウジング2に隔壁8を固定してもよい。また、ハウジング2と隔壁8とを一体化してもよい。
1:ピストンクーリングジェット。
2:ハウジング、20:受圧室、21:圧力室、22:ハウジング側ノズル連通孔、23:第一段差部、24:第二段差部、27:ハウジング側ノズル連通溝。
3:ノズル。
4:バルブ、40:バルブ側オイル通路、41:バルブ側ノズル連通孔、42:開弁側ノズル連通溝、43:閉弁側ノズル連通溝、44:バルブ側スプリング座、46:バルブ本体。
5:ホルダ、50:底部、500:ホルダ側孔、501:ホルダ側スプリング座、51:筒部。
6:プラグ、60:底部、61:凸部、610:プラグ側オイル通路、62:シャフト。
70:コイルスプリング、71:ブラケット、72:溝、73:リブ。
8:隔壁、800:隔壁側連通孔、801:隔壁側スプリング座。
9:エンジン、90:シリンダブロック、900:メインオイルギャラリ(エンジン側オイル通路)、91:ピストン、92:コンロッド、93:クランクシャフト。
A:オリフィス、B:リーク隙間、Fd1:荷重、Fd2:荷重、Fu:荷重、L1〜L3:摺接部、O:オイル。

Claims (5)

  1. 側周壁にハウジング側ノズル連通孔を有する筒状のハウジングと、
    該ハウジングの該側周壁から外側に突設され、該ハウジング側ノズル連通孔に連通するノズルと、
    表側からエンジン側オイル通路の油圧による荷重が加わり、該ハウジングの内部を軸方向に往復動可能なバルブ本体と、該バルブ本体の内部に配置され該エンジン側オイル通路に連通するバルブ側オイル通路と、該バルブ本体の外周面に全周的に配置され該ノズルからピストンにオイルを噴射しない閉弁状態において該ハウジング側ノズル連通孔に連通する閉弁側ノズル連通溝と、を有するバルブと、
    該ハウジングの内部において、該バルブの裏側に区画され、該バルブ側オイル通路に連通する圧力室と、
    該圧力室と該ハウジングの外部との間に配置される圧力調整通路と、
    を備えるピストンクーリングジェット。
  2. 前記バルブ側オイル通路は、オリフィスを有し、
    前記圧力調整通路は、開口幅が該オリフィスよりも小さく、総開口面積が該オリフィスよりも大きいリーク隙間である請求項1に記載のピストンクーリングジェット。
  3. 前記バルブの裏側に配置されホルダ側孔を有するホルダと、
    該バルブの裏側に配置され、該ホルダ側孔に挿通され、前記ノズルから前記ピストンに前記オイルを噴射する開弁状態において、該バルブの裏面が、表面に着座するシャフトと、を備え、
    前記リーク隙間は、該ホルダ側孔の内周面と該シャフトの外周面との間に区画される請求項2に記載のピストンクーリングジェット。
  4. 前記閉弁側ノズル連通溝は、前記バルブ本体の前記外周面を無端環状に延在しており、
    前記閉弁状態において、該閉弁側ノズル連通溝は、該バルブ本体の向きによらず、前記ハウジング側ノズル連通孔に連通している請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のピストンクーリングジェット。
  5. 前記閉弁側ノズル連通溝は、前記バルブ本体の前記外周面を螺旋状に延在しており、
    前記閉弁状態において、該閉弁側ノズル連通溝は、該バルブ本体の向きによらず、前記ハウジング側ノズル連通孔に連通している請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のピストンクーリングジェット。
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