JP2014070604A - ピストンクーリングジェット - Google Patents

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Abstract

【課題】開弁状態から閉弁状態に切り替わりやすいピストンクーリングジェットを提供することを課題とする。
【解決手段】ピストンクーリングジェット1は、ハウジング2と、ハウジング2から外側に突設されるノズル3と、ハウジング2の内部を往復動可能であって、表側からエンジン側オイル通路900の油圧による荷重Fuが加わり、ノズル3からピストン91にオイルOを噴射する開弁状態においてエンジン側オイル通路900とノズル3とを連通するバルブ側ノズル連通孔41を有するバルブ4と、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、エンジンのピストンの裏面にオイルを噴射することにより、ピストンを冷却するピストンクーリングジェットに関する。
ピストンクーリングジェットは、エンジンのシリンダブロックに取り付けられている。ピストンクーリングジェットは、シリンダブロックのメインオイルギャラリに連通している。メインオイルギャラリは、エンジンのオイル循環回路の一部を構成している。ピストンクーリングジェットには、油圧の変化に応じて開閉するバルブ機構が配置されている。
メインオイルギャラリのオイルの油圧が所定のしきい値以上になると、ピストンクーリングジェットの油圧式バルブ機構が開く。すなわち、開弁状態になる。このため、メインオイルギャラリのオイルが、ピストンクーリングジェットにより、ピストンの裏面に噴射される。当該噴射により、ピストンが冷却される。一方、メインオイルギャラリのオイルの油圧が所定のしきい値未満になると、ピストンクーリングジェットの油圧式バルブ機構が閉じる。すなわち、閉弁状態になる。このため、ピストンに対するオイルの噴射が禁止される。このように、ピストンクーリングジェットは、所定のしきい値を境に、開弁状態と閉弁状態とを切り替えている。
しかしながら、従来は、開弁状態から閉弁状態に切り替わる際の圧力と、閉弁状態から開弁状態に切り替わる際の圧力と、が一致しにくかった。言い換えると、開弁状態から閉弁状態に切り替わる際と、閉弁状態から開弁状態に切り替わる際と、の間にヒステリシス(以下、「開閉時のヒステリシス」と称す。)が発生していた。
この点、特許文献1には、開閉時のヒステリシスが小さいピストンクーリングジェットが開示されている。図13(a)に、同文献記載のピストンクーリングジェットの閉弁状態の上下方向断面図を示す。図13(b)に、同文献記載のピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図を示す。
図13(a)、図13(b)に示すように、ピストンクーリングジェット100は、ユニオンボルト101と、ユニオンニップル102と、ノズル103と、弁座104と、バルブ105と、コイルスプリング106と、を備えている。バルブ105には、上側からオイル110の油圧による荷重が、下側からコイルスプリング106の付勢力が、各々作用している。
弁座104の下端は、上側から下側に向かって尖っている。このため、シール面104aは、細いリング状を呈している。一方、バルブ105の上面は、シール面104aに対して充分に広い、円形を呈している。このため、図13(a)に示すように、閉弁状態においては、弁座104に対してバルブ105が径方向に多少ずれても、シール面積が変化しにくい。したがって、開閉時のヒステリシスを小さくすることができる。
特開2005−76627号公報
しかしながら、図13(b)に示すように、開弁状態においては、オイル110の流れにより、バルブ105に、ユニオンボルト101の軸方向(上下方向)に対して直交する方向(水平方向)の荷重111が加わってしまう。すなわち、オイルは、図13(b)に太線で示すように、ユニオンボルト101の内部を、上→下→右というように湾曲して流動する。当該オイル110の流れにより、バルブ105の上面には、左側から右側に向かう方向に荷重111が加わってしまう。
バルブ105に荷重111が加わると、その分、図13(b)に示す開弁状態から図13(a)に示す閉弁状態に切り替わる際に、ユニオンボルト101に対するバルブ105の摺動抵抗が大きくなる。このため、バルブ105の動きが悪くなる。したがって、開弁状態から閉弁状態に切り替わりにくくなる。
本発明のピストンクーリングジェットは、上記課題に鑑みて完成されたものである。本発明は、開弁状態から閉弁状態に切り替わりやすいピストンクーリングジェットを提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のピストンクーリングジェットは、ハウジングと、該ハウジングから外側に突設されるノズルと、該ハウジングの内部を往復動可能であって、表側からエンジン側オイル通路の油圧による荷重が加わり、該ノズルからピストンにオイルを噴射する開弁状態において該エンジン側オイル通路と該ノズルとを連通するバルブ側ノズル連通孔を有するバルブと、を備えることを特徴とする。
本発明のピストンクーリングジェットのバルブには、バルブ側ノズル連通孔が配置されている。開弁状態において、バルブ側ノズル連通孔は、上流側のエンジン側オイル通路と、下流側のノズルと、を繋いでいる。すなわち、開弁状態において、オイルは、バルブ側ノズル連通孔を介して、エンジン側オイル通路からノズルに流れ込む。このため、バルブの外面に、オイルの流れによる荷重が加わりにくい。したがって、本発明のピストンクーリングジェットは、開弁状態から閉弁状態に切り替わりやすい。よって、開閉時のヒステリシスを小さくすることができる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記バルブは、前記エンジン側オイル通路および前記バルブ側ノズル連通孔に連通するバルブ側オイル通路を有し、さらに、前記ハウジングの内部において、該バルブの裏側に区画され、該バルブ側オイル通路に連通する圧力室と、該圧力室と該ハウジングの外部との間に配置される圧力調整通路と、を備える構成とする方がよい。
本構成によると、ノズルからピストンにオイルを噴射する開弁状態において、エンジン側オイル通路→バルブ側オイル通路→バルブ側ノズル連通孔→ノズルという経路(途中に他の通路が介在していてもよい)で、ピストン冷却用のオイルを流すことができる。
また、本構成によると、開弁状態、およびノズルからピストンにオイルを噴射しない閉弁状態において、エンジン側オイル通路→バルブ側オイル通路→圧力室→圧力調整通路→外部という経路(途中に他の通路が介在していてもよい)で、圧力室の内圧調整用のオイルを流すことができる。このため、圧力室の内圧を、確実に制御することができる。
(3)好ましくは、上記(2)の構成において、前記バルブ側オイル通路は、オリフィスを有し、前記圧力調整通路は、開口幅が該オリフィスよりも小さく、総開口面積が該オリフィスよりも大きいリーク隙間である構成とする方がよい。本構成によると、オイルの油温および油圧に応じて、圧力室の内圧を簡単に調整することができる。
(4)好ましくは、上記(3)の構成において、前記バルブの裏側に配置されホルダ側孔を有するホルダと、該バルブの裏側に配置され、該ホルダ側孔に挿通され、前記開弁状態において、該バルブの裏面が、表面に着座するシャフトと、を備え、前記リーク隙間は、該ホルダ側孔の内周面と該シャフトの外周面との間に区画される構成とする方がよい。本構成によると、リーク隙間が、ホルダとシャフトとにより形成されている。このため、リーク隙間の形状の自由度が高い。
(5)好ましくは、上記(2)ないし(4)のいずれかの構成において、前記バルブは、外周面に、前記開弁状態において前記ノズルに連通する環状の開弁側ノズル連通溝を有し、前記バルブ側ノズル連通孔は、前記バルブ側オイル通路と、該開弁側ノズル連通溝と、を連通する構成とする方がよい。
本構成によると、ノズルからピストンにオイルを噴射する開弁状態において、エンジン側オイル通路→バルブ側オイル通路→バルブ側ノズル連通孔→開弁側ノズル連通溝→ノズルという経路(途中に他の通路が介在していてもよい)で、ピストン冷却用のオイルを流すことができる。
開弁側ノズル連通溝は、バルブの外周面に全周的に配置されている。このため、開弁状態においてバルブが回転する場合であっても、バルブ側ノズル連通孔とノズルとの連通を、開弁側ノズル連通溝により確保することができる。
(6)好ましくは、上記(2)ないし(4)のいずれかの構成において、前記ハウジングは、内周面に、前記ノズルに連通する環状のハウジング側ノズル連通溝を有し、前記バルブ側ノズル連通孔は、前記開弁状態において、前記バルブ側オイル通路と、該ハウジング側ノズル連通溝と、を連通する構成とする方がよい。
本構成によると、ノズルからピストンにオイルを噴射する開弁状態において、エンジン側オイル通路→バルブ側オイル通路→バルブ側ノズル連通孔→ハウジング側ノズル連通溝→ノズルという経路(途中に他の通路が介在していてもよい)で、ピストン冷却用のオイルを流すことができる。
ハウジング側ノズル連通溝は、ハウジングの内周面に全周的に配置されている。このため、開弁状態においてバルブが回転する場合であっても、バルブ側ノズル連通孔とノズルとの連通を、ハウジング側ノズル連通溝により確保することができる。
(7)好ましくは、上記(6)の構成において、前記バルブは、外周面に、前記ノズルから前記ピストンに前記オイルを噴射しない閉弁状態において前記ハウジング側ノズル連通溝に連通する閉弁側ノズル連通溝を、全周的に有する構成とする方がよい。
本構成によると、閉弁状態において、ノズルを介して、閉弁側ノズル連通溝に、大気圧が導入されている。このため、バルブには、全周的に大気圧が加わる。したがって、バルブに局所的に大気圧が加わる場合と比較して、閉弁状態から開弁状態に切り替わる際のバルブの摺動抵抗を小さくすることができる。よって、閉弁状態から開弁状態に切り替わりやすい。
本発明によると、開弁状態から閉弁状態に切り替わりやすいピストンクーリングジェットを提供することができる。
第一実施形態のピストンクーリングジェットの配置図である。 同ピストンクーリングジェットの斜視図である。 同ピストンクーリングジェットの分解斜視断面図である。 同ピストンクーリングジェットのバルブとプラグとの斜視図である。 同ピストンクーリングジェットの閉弁状態の上下方向断面図である。 同ピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図である。 図5の枠VII内の拡大図である。 図6の枠VIII内の拡大図である。 図6の枠IX内の拡大図である。 第二実施形態のピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図である。 第三実施形態のピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図である。 第四実施形態のピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図である。 (a)は、従来のピストンクーリングジェットの閉弁状態の上下方向断面図である。(b)は、同ピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図である。
以下、本発明のピストンクーリングジェットの実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
[ピストンクーリングジェットの配置]
まず、本実施形態のピストンクーリングジェットの配置について説明する。図1に、本実施形態のピストンクーリングジェットの配置図を示す。図1に示すように、エンジン9は、シリンダブロック90と、ピストン91と、コンロッド92と、クランクシャフト93と、を備えている。
ピストン91は、コンロッド92を介して、クランクシャフト93に接続されている。ピストン91は、シリンダブロック90内を、上下方向に往復動可能である。シリンダブロック90には、メインオイルギャラリ900が形成されている。メインオイルギャラリ900は、本発明の「エンジン側オイル通路」の概念に含まれる。メインオイルギャラリ900は、エンジン9のオイル循環回路の一部を構成している。ピストンクーリングジェット1は、シリンダブロック90に取り付けられている。
なお、図1に示すピストンクーリングジェット1は、開弁状態である。図1に点線で示すように、ピストンクーリングジェット1は、メインオイルギャラリ900内のオイルOを、ピストン91の下面(裏面。燃焼室と反対側の面)に噴射可能である。
[ピストンクーリングジェットの構成]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの構成について説明する。以下の図において、上側は、本発明の「表側」に対応している。また、下側は、本発明の「裏側」に対応している。図2に、本実施形態のピストンクーリングジェットの斜視図を示す。図3に、同ピストンクーリングジェットの分解斜視断面図を示す。図4に、同ピストンクーリングジェットのバルブとプラグとの斜視図を示す。図5に、同ピストンクーリングジェットの閉弁状態の上下方向断面図を示す。図6に、同ピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図を示す。
図1〜図6に示すように、ピストンクーリングジェット1は、ハウジング2と、ノズル3と、バルブ4と、ホルダ5と、プラグ6と、コイルスプリング70と、ブラケット71と、溝72と、を備えている。
(ハウジング2、ブラケット71)
ハウジング2は、鋼製であって、円筒状を呈している。図1に示すように、ハウジング2は、ブラケット71を介して、シリンダブロック90に、ボルト(図略)により固定されている。図5、図6に示すように、ハウジング2は、受圧室20と、圧力室21と、ハウジング側ノズル連通孔22と、第一段差部23と、第二段差部24と、を備えている。
受圧室20および圧力室21は、ハウジング2の内部に区画されている。受圧室20と圧力室21とは、後述するバルブ4により、仕切られている。すなわち、受圧室20は、バルブ4の上側に配置されている。一方、圧力室21は、バルブ4の下側に配置されている。バルブ4の動きに応じて、受圧室20および圧力室21の体積は、変化する。
ハウジング側ノズル連通孔22は、ハウジング2の側周壁を貫通している。ハウジング側ノズル連通孔22の断面は、真円状を呈している。第一段差部23は、ハウジング2の内部の上端(軸方向一端)付近に配置されている。第一段差部23は、下側から上側に向かって縮径するテーパ状を呈している。第一段差部23は、後述するバルブ4の上死点(閉弁位置)を決定している。第二段差部24は、ハウジング2の内部の下端(軸方向他端)付近に配置されている。第二段差部24は、下側から上側に向かって縮径する階段状を呈している。第二段差部24は、後述するホルダ5の取付位置を決定している。
(ノズル3、バルブ4)
図5、図6に示すように、ノズル3は、鋼製であって、長軸円筒状を呈している。ノズル3は、ハウジング2の側周壁から、径方向外側に突設されている。図1に示すように、ノズル3の上端(軸方向一端)は、ピストン91の方向を向いている。ノズル3の下端(軸方向他端)は、ハウジング2のハウジング側ノズル連通孔22に接続されている。
バルブ4は、鋼製であって、円柱状を呈している。バルブ4は、バルブ側オイル通路40と、四つのバルブ側ノズル連通孔41と、開弁側ノズル連通溝42と、閉弁側ノズル連通溝43と、バルブ側スプリング座44と、を備えている。
バルブ側オイル通路40は、バルブ4を上下方向(軸方向)に貫通している。バルブ側オイル通路40の断面は、真円状を呈している。バルブ側オイル通路40の下側部分には、オリフィス(絞り部)Aが配置されている。オリフィスAの断面は、真円状を呈している。バルブ側オイル通路40の水平方向(軸直方向)の通路断面積は、オリフィスAにおいて、局所的に縮小されている。
図7に、図5の枠VII内の拡大図を示す。図7に示すように、閉弁側ノズル連通溝43は、バルブ4の外周面の下側部分に、全周的に凹設されている。閉弁状態において、閉弁側ノズル連通溝43は、ハウジング側ノズル連通孔22、ノズル3に連通している。すなわち、閉弁側ノズル連通溝43には、ノズル3から、大気圧が供給されている。言い換えると、閉弁状態においては、バルブ4の外周面に、全周的に大気圧が供給されている。
図8に、図6の枠VIII内の拡大図を示す。図8に示すように、開弁側ノズル連通溝42は、バルブ4の外周面の上側部分に、全周的に凹設されている。開弁状態において、開弁側ノズル連通溝42は、ハウジング側ノズル連通孔22、ノズル3に連通している。
開弁側ノズル連通溝42の上下方向高度(軸方向位置)は、全周的に一定である。このため、ハウジング2の内部において、相対的に、バルブ4が軸回りに回転しても、開弁状態において、開弁側ノズル連通溝42は、確実にハウジング側ノズル連通孔22に連通している。すなわち、バルブ4の向きによらず、開弁側ノズル連通溝42は、ハウジング側ノズル連通孔22に連通している。
図8に示すように、四つのバルブ側ノズル連通孔41は、各々、バルブ4の径方向に延在している。四つのバルブ側ノズル連通孔41の断面は、各々、真円状を呈している。四つのバルブ側ノズル連通孔41は、90°ずつ離間して配置されている。四つのバルブ側ノズル連通孔41は、各々、径方向内側のバルブ側オイル通路40と、径方向外側の開弁側ノズル連通溝42と、を径方向に繋いでいる。すなわち、開弁状態においては、メインオイルギャラリ900(図1参照)→受圧室20→バルブ側オイル通路40→四つのバルブ側ノズル連通孔41→開弁側ノズル連通溝42→ハウジング側ノズル連通孔22→ノズル3という経路で、オイルOが流れる。言い換えると、オイルOは、バルブ4の外部ではなく、バルブ4の内部を通過する。
図5、図6に示すように、バルブ側スプリング座44は、バルブ4の外周面の下側部分に、全周的に配置されている。バルブ側スプリング座44は、閉弁側ノズル連通溝43の下側に配置されている。バルブ側スプリング座44は、下側から上側に向かって拡径する階段状を呈している。
(ホルダ5、コイルスプリング70)
図9に、図6の枠IX内の拡大図を示す。図3、図5、図6、図9に示すように、ホルダ5は、鋼製であって、下側に開口する有底円筒状を呈している。ホルダ5は、ハウジング2の第二段差部24に当接するように、ハウジング2の内部に収容されている。ホルダ5は、底部50と、筒部51と、を備えている。
底部50は、バルブ4の下側に配置されている。底部50は、円板状を呈している。底部50は、ホルダ側孔500と、ホルダ側スプリング座501と、を備えている。ホルダ側孔500は、底部50の径方向中央に配置されている。ホルダ側孔500は、底部50を上下方向に貫通している。ホルダ側孔500の断面は、真円状を呈している。ホルダ側スプリング座501は、底部50の上面に配置されている。ホルダ側スプリング座501は、ホルダ側孔500の径方向外側に配置されている。ホルダ側スプリング座501は、円環リブ状を呈している。筒部51は、底部50の下側に連なっている。筒部51は、円筒状を呈している。
コイルスプリング70は、鋼製であって、バルブ側スプリング座44と、ホルダ側スプリング座501と、の間に介装されている。図5、図6に示すように、コイルスプリング70は、バルブ4を、上側(開弁状態から閉弁状態に切り替える方向)に付勢している。
(プラグ6)
プラグ6は、鋼製であって、上側に突出する画鋲状を呈している。プラグ6は、ハウジング2の下側の開口を封止している。プラグ6は、底部60と、凸部61と、シャフト62と、を備えている。
底部60は、円板状を呈している。底部60は、ハウジング2の下側の開口を、下側から覆っている。凸部61は、底部60の上面から突設されている。凸部61は、短軸円柱状を呈している。凸部61は、ホルダ5の内部に収容されている。凸部61は、ホルダ5により位置決めされている。ここで、凸部61の外周面と、筒部51の内周面と、は隙間無く当接している。すなわち、筒部51は、凸部61つまりシャフト62の、ホルダ側孔500に対する径方向位置を決定している。凸部61は、四つのプラグ側オイル通路610を備えている。四つのプラグ側オイル通路610は、各々、軸方向に延在している。四つのプラグ側オイル通路610の断面は、各々、真円状を呈している。四つのプラグ側オイル通路610は、90°ずつ離間して配置されている。四つのプラグ側オイル通路610は、各々、後述するリーク隙間Bの下側(下流側)の開口と、ハウジング2の外部と、を上下方向(軸方向)に連通している。
シャフト62は、凸部61の上面から突設されている。シャフト62は、長軸円柱状を呈している。シャフト62の上面は、平面状を呈している。シャフト62の断面は、真円状を呈している。シャフト62は、ホルダ側孔500の径方向内側を貫通している。図9に示すように、開弁状態において、シャフト62の上面と、バルブ4の下面と、は当接している。すなわち、シャフト62の上面は、バルブ4の下死点(開弁位置)を決定している。
シャフト62とホルダ側孔500とは、同軸上に配置されている。リーク隙間Bは、シャフト62の外周面と、ホルダ側孔500の内周面と、の間に区画されている。リーク隙間Bは、円環状を呈している。リーク隙間Bの径方向幅(開口幅)は、オリフィスAの直径(開口幅)よりも、小さく設定されている。また、リーク隙間Bの水平方向(ハウジング2の径方向)の通路断面積(総開口面積)は、オリフィスAの水平方向の通路断面積(総開口面積)よりも、大きく設定されている。
(溝72)
図4、図9に示すように、溝72は、バルブ4の下面に凹設されている。溝72は、+(プラス)状に延在している。溝72は、バルブ側オイル通路40に連通している。図9に示すように、開弁状態において、バルブ4の下面は、シャフト62の上面に、当接している。図4にハッチングで示すように、バルブ4の下面とシャフト62の上面との間には、溝72の凹形状に応じて、オイル通路が区画されている。このため、バルブ4の下面とシャフト62の上面とが当接しているにもかかわらず、開弁状態において、バルブ側オイル通路40と圧力室21とは、溝72を介して繋がっている。
[ピストンクーリングジェットのバルブに加わる荷重]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットのバルブに加わる荷重について、簡単に説明する。図5、図6に示すように、バルブ4の上面には、上側から、メインオイルギャラリ900のオイルOの油圧による荷重Fuが加わる。一方、バルブ4の下面には、下側から、コイルスプリング70の付勢力による荷重Fd1が加わる。並びに、バルブ4の下面には、下側から、圧力室21の内圧(オイルOの油圧)による荷重Fd2が加わる。
このように、バルブ4には、上側から荷重Fuが、下側から荷重Fd1、Fd2が、加わる。これらの荷重の大小関係に応じて、バルブ4は、上下方向に往復動する。なお、バルブ4には、ピストンクーリングジェット1の取付方向に応じて、バルブ4の自重や浮力などによる荷重も作用するが、ここでは、説明の便宜上、割愛する。
[ピストンクーリングジェットの動き]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの動きについて説明する。前述したように、バルブ4には、上側から荷重Fuが、下側から荷重Fd1、Fd2が、加わる。これらの荷重の大小関係に応じて、バルブ4は、上下方向に往復動する。つまり、ピストンクーリングジェット1は、図5に示す閉弁状態と、図6に示す開弁状態と、に切り替わる。
荷重Fd2を決定しているのは、圧力室21の内圧である。圧力室21内の内圧は、圧力室21に流入するオイルOの流量Q1と、圧力室21から流出するオイルOの流量Q2と、の関係により変化する。
すなわち、圧力室21には、オリフィスAを経由して、オイルOが流入する。このため、オイルOの密度をρ、受圧室20内(つまり図1に示すメインオイルギャラリ900内)の油圧をPa、圧力室21内の油圧をPb、流量係数をK1、オリフィスAの流路断面積をSとすると、ベルヌーイの定理により、オリフィスAを通過するオイルOの流量、つまり圧力室21に流入するオイルOの流量Q1は、以下の式(1)から導出される。
Figure 2014070604
式(1)から、圧力室21に流入するオイルOの流量Q1は、オイルOの密度ρの影響を受けることが判る。ここで、オイルOの密度ρは、オイルOの油温が変化しても、あまり変化しない。このため、冷間時(エンジン9始動後であって、エンジン9の暖機が未完了で、ピストン91が低温の場合)から温間時(エンジン9の暖機完了後でピストン91が高温の場合)に至るまで、オイルOの密度ρは、あまり変化しない。したがって、冷間時から温間時に至るまで、圧力室21に流入するオイルOの流量Q1は、あまり変化しない。
これに対して、圧力室21からは、リーク隙間Bを経由して、オイルOが流出する。このため、オイルOの粘度をη、係数をK2、大気圧をPcとすると、ハーゲン・ポアズイユの法則により、リーク隙間Bを通過するオイルOの流量、つまり圧力室21から流出するオイルOの流量Q2は、以下の式(2)から導出される。
Figure 2014070604
式(2)から、圧力室21から流出するオイルOの流量Q2は、オイルOの粘度ηの影響を受けることが判る。ここで、オイルOの粘度ηは、オイルOの油温が変化すると、大きく変化する。このため、冷間時から温間時に至る際に、オイルOの粘度ηは、大きく変化する。したがって、冷間時から温間時に至る際に、圧力室21から流出するオイルOの流量Q2は、大きく変化する。具体的には、油温が上昇すると粘度ηは低下する。このため、式(2)から、流量Q2は増加する。
このように、油温の変化に対する流量Q1の変化に対して、油温の変化に対する流量Q2の変化は、大きい。このため、油温が高いほど、リーク隙間BからオイルOが漏れやすくなる。したがって、油温が高いほど、圧力室21内の内圧が小さくなる。よって、油温が高いほど、荷重Fd2は小さくなる。
油温が低い冷間時においては、荷重Fd2が大きい。このため、ピストンクーリングジェット1を、図5に示す閉弁状態から、図6に示す開弁状態に、切り替える際、大きな荷重Fuが必要になる。つまり、開弁圧が大きくなる。
一方、油温が高い温間時においては、荷重Fd2が小さい。このため、ピストンクーリングジェット1を、図5に示す閉弁状態から、図6に示す開弁状態に、切り替える際、小さな荷重Fuで足りる。つまり、開弁圧が小さくなる。
このように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、油温に応じて開弁圧を自動的に調整している。
[作用効果]
次に、本実施形態のピストンクーリングジェットの作用効果について説明する。図5、図6に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1は、油温および油圧に応じたオイル噴射制御を、オリフィスA、リーク隙間B、コイルスプリング70を用いて実行することができる。このため、ピストンクーリングジェット1の構造が簡単である。また、部品点数が少ない。
また、油温に応じてピストンクーリングジェットを作動させる従来技術として、形状記憶合金製のスプリングが用いられる。すなわち、油温に応じてばね定数が変化するスプリングが用いられる。この点、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、形状記憶合金製のスプリングは必要ない。このため、ピストンクーリングジェット1の製造コストが低くなる。
また、図6、図9に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、開弁状態において、バルブ4の下端がシャフト62の上面に当接する。このため、バルブ4の開弁位置を規制することができる。また、コイルスプリング70の最大圧縮量を規制することができる。したがって、コイルスプリング70がへたりにくい。
また、図4、図9に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1のバルブ4の下面には、溝72が凹設されている。このため、開弁状態において、確実に、オリフィスAと、リーク隙間Bと、を連通させることができる。すなわち、開弁状態において、メインオイルギャラリ900からハウジング2の外部まで、圧力室21の油圧調整用のオイルOを流すことができる。
また、図3、図9に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、リーク隙間Bが、ホルダ5とシャフト62とにより形成されている。このため、リーク隙間Bの形状の自由度が高い。
また、図5、図7に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、閉弁状態において、ノズル3を介して、閉弁側ノズル連通溝43に、大気圧が導入されている。このため、バルブ4には、全周的に大気圧が加わる。したがって、バルブ4に局所的に大気圧が加わる場合と比較して、図5に示す閉弁状態から図6に示す開弁状態に切り替わる際のバルブ4の摺動抵抗を小さくすることができる。よって、閉弁状態から開弁状態に切り替わりやすい。
また、図6、図8に示すように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、開弁状態において、バルブ側オイル通路40、四つのバルブ側ノズル連通孔41を介して、開弁側ノズル連通溝42に、オイルOが供給される。このため、バルブ4の上面に、オイルOの流れによる荷重(例えば、図13(b)に示す荷重111)が加わりにくい。また、バルブ4には、全周的に油圧が加わる。したがって、図6に示す開弁状態から図5に示す閉弁状態に切り替わる際のバルブ4の摺動抵抗を小さくすることができる。よって、開弁状態から閉弁状態に切り替わりやすい。
また、開弁側ノズル連通溝42は、バルブ4の全周に亘って、無端環状に配置されている。このため、開弁状態において、ハウジング2の内部でバルブ4が自身の軸回りに回転しても、確実に、バルブ側オイル通路40とノズル3とを連通させることができる。
また、図4に示すように、バルブ4の外周面には、三箇所の摺接部L1〜L3が配置されている。三箇所の摺接部L1〜L3は、バルブ4が動く際、ハウジング2の内周面に摺接する。三箇所の摺接部L1〜L3は、各々、短軸円環状を呈している。摺接部L1は、開弁側ノズル連通溝42の上側に配置されている。摺接部L3は、閉弁側ノズル連通溝43の下側に配置されている。摺接部L2は、開弁側ノズル連通溝42と閉弁側ノズル連通溝43との中間に配置されている。また、四つのバルブ側ノズル連通孔41は、摺接部L1と摺接部L2との間に配置されている。このように、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、バルブ4の上端付近、バルブ4の上下方向中央付近、バルブ4の下端付近に、摺接部L1〜L3が配置されている。このため、上下方向(ハウジング2の軸方向)に対して、バルブ4が傾動しにくい。
<第二実施形態>
本実施形態のピストンクーリングジェットと、第一実施形態のピストンクーリングジェットとの相違点は、バルブの回転を規制する、被ガイドリブおよびガイド溝部が配置されている点である。また、開弁側ノズル連通溝が配置されていない点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図10に、本実施形態のピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図を示す。なお、図6と対応する部位については、同じ符号で示す。図10に示すように、バルブ4には、単一のバルブ側ノズル連通孔41が配置されている。バルブ側ノズル連通孔41は、径方向内側のバルブ側オイル通路40と、径方向外側のノズル3と、を径方向に繋いでいる。すなわち、開弁状態においては、メインオイルギャラリ900(援用する図1参照)→受圧室20→バルブ側オイル通路40→バルブ側ノズル連通孔41→ハウジング側ノズル連通孔22→ノズル3という経路で、オイルOが流れる。
バルブ4の外周面の右側からは、被ガイドリブ45が突設されている。被ガイドリブ45は、上下方向に延在している。一方、ハウジング2の内周面の右側には、ガイド溝部26が凹設されている。ガイド溝部26は、上下方向に延在している。バルブ4の動きに応じて、被ガイドリブ45は、ガイド溝部26を、上下方向に移動可能である。被ガイドリブ45とガイド溝部26とは、周方向に係合している。このため、バルブ4は、自身の軸回りに回転することができない。
本実施形態のピストンクーリングジェット1と、第一実施形態のピストンクーリングジェットとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、被ガイドリブ45とガイド溝部26とが、周方向に係合している。このため、バルブ4は、自身の軸回りに回転することができない。したがって、バルブ側ノズル連通孔41の下流側(径方向外側)の開口と、ハウジング側ノズル連通孔22の上流側(径方向内側)の開口と、が周方向にずれにくい。よって、開弁側ノズル連通溝を配置する必要がない。また、バルブ側ノズル連通孔41を、複数配置する必要がない。
<第三実施形態>
本実施形態のピストンクーリングジェットと、第一実施形態のピストンクーリングジェットとの相違点は、ハウジングに、ハウジング側ノズル連通孔の代わりに、ハウジング側ノズル連通溝が配置されている点である。また、バルブに、開弁側ノズル連通溝、閉弁側ノズル連通溝が配置されていない点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図11に、本実施形態のピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図を示す。なお、図6と対応する部位については、同じ符号で示す。図11に示すように、バルブ4には、単一のバルブ側ノズル連通孔41が配置されている。また、バルブ4の外周面には、開弁側ノズル連通溝42(援用する図6参照)、閉弁側ノズル連通溝43(援用する図6参照)が配置されていない。一方、ハウジング2の内周面には、ハウジング側ノズル連通溝27が全周的に配置されている。ハウジング側ノズル連通溝27は、ノズル3に連なっている。開弁状態においては、メインオイルギャラリ900(援用する図1参照)→受圧室20→バルブ側オイル通路40→バルブ側ノズル連通孔41→ハウジング側ノズル連通溝27→ノズル3という経路で、オイルOが流れる。
本実施形態のピストンクーリングジェット1と、第一実施形態のピストンクーリングジェットとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、ハウジング側ノズル連通溝27が、開弁側ノズル連通溝および閉弁側ノズル連通溝の役割を兼務することができる。すなわち、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、閉弁状態において、ノズル3を介して、ハウジング側ノズル連通溝27に、大気圧が導入されている。このため、バルブ4には、全周的に大気圧が加わる。したがって、バルブ4に局所的に大気圧が加わる場合と比較して、閉弁状態から開弁状態に切り替わる際のバルブ4の摺動抵抗を小さくすることができる。よって、閉弁状態から開弁状態に切り替わりやすい。
また、本実施形態のピストンクーリングジェット1によると、開弁状態において、バルブ側オイル通路40、バルブ側ノズル連通孔41を介して、ハウジング側ノズル連通溝27に、オイルOが供給される。このため、バルブ4の上面に、オイルOの流れによる荷重(例えば、図13(b)に示す荷重111)が加わりにくい。また、バルブ4には、全周的に油圧が加わる。したがって、開弁状態から閉弁状態に切り替わる際のバルブ4の摺動抵抗を小さくすることができる。よって、開弁状態から閉弁状態に切り替わりやすい。
また、ハウジング側ノズル連通溝27は、ハウジング2の内周面の全周に亘って、無端環状に配置されている。このため、開弁状態において、ハウジング2の内部でバルブ4が自身の軸回りに回転しても、確実に、バルブ側オイル通路40とノズル3とを連通させることができる。また、バルブ側ノズル連通孔41を、複数配置する必要がない。
<第四実施形態>
本実施形態のピストンクーリングジェットと、第一実施形態のピストンクーリングジェットとの相違点は、油圧変化だけにより、開弁状態と閉弁状態とが切り替わる点である。すなわち、バルブに、油温変化により開弁状態と閉弁状態とを切り替える機構(圧力室、リーク隙間など)が配置されていない点である。また、バルブの開弁位置を決定するリブが配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。
図12に、本実施形態のピストンクーリングジェットの開弁状態の上下方向断面図を示す。なお、図6と対応する部位については、同じ符号で示す。図12に示すように、バルブ側オイル通路40は、バルブ4を上下方向に貫通していない。四つのバルブ側ノズル連通孔41は、バルブ側オイル通路40の下端から、放射状に延在している。
リブ73は、鋼製であって、円環状を呈している。リブ73は、ハウジング2の内周面に配置されている。リブ73は、径方向内側に張り出している。上側または下側から見て、リブ73は、バルブ4の外周縁に、重複するように配置されている。並びに、上側または下側から見て、リブ73は、コイルスプリング70に、重複しないように配置されている。リブ73は、バルブ4の下死点(開弁位置)を決定している。すなわち、開弁状態において、リブ73は、バルブ4を下側から支持している。
隔壁8は、鋼製であって、円板状を呈している。隔壁8は、ハウジング2の第二段差部24に当接するように、ハウジング2の下端の開口に固定されている。隔壁8は、隔壁側スプリング座801を備えている。隔壁側スプリング座801は、隔壁8の上面に配置されている。隔壁側スプリング座801は、円環リブ状を呈している。
本実施形態のピストンクーリングジェット1と、第一実施形態のピストンクーリングジェットとは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態のピストンクーリングジェット1は、油圧変化だけにより、開弁状態と閉弁状態とが切り替わる。このため、油圧変化および油温変化により開弁状態と閉弁状態とが切り替わる場合と比較して、ピストンクーリングジェット1の構造が簡単になる。
<その他>
以上、本発明のピストンクーリングジェットの実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
図9、図10に示すように、第一実施形態および第二実施形態においては、バルブ4の下面に溝72を配置した。しかしながら、シャフト62の上面に溝72を配置してもよい。また、バルブ4の下面およびシャフト62の上面に、溝72を配置してもよい。すなわち、バルブ4の下面とシャフト62の上面との間に、オイル通路を確保できればよい。
図5、図6に示す受圧室20、圧力室21、バルブ側オイル通路40、バルブ側ノズル連通孔41、ハウジング側ノズル連通孔22、ノズル3の内部空間、オリフィスA、プラグ側オイル通路610、溝72の、通路方向に直交する方向の断面形状は、特に限定しない。例えば、真円状、楕円状、多角形状(三角形、四角形、五角形、六角形など)などであってもよい。
図5、図6に示す開弁側ノズル連通溝42、閉弁側ノズル連通溝43、溝72の通路方向に直交する方向の断面形状は、特に限定しない。例えば、C字状、V字状、U字状、多角形状などであってもよい。
図9に示すリーク隙間Bの通路方向に直交する方向の断面形状は、特に限定しない。例えば、環状(真円環状、楕円環状、多角形環状など)、スリット状、真円状、楕円状、多角形状などであってもよい。リーク隙間Bの断面形状を楕円環状にする場合、シャフト62およびホルダ側孔500の断面形状を楕円形状にすればよい。また、リーク隙間Bの断面形状を長方形環状にする場合、シャフト62およびホルダ側孔500の断面形状を長方形状にすればよい。
リーク隙間Bは、複数配置してもよい。この場合、本発明の「開口幅」とは、単一のリーク隙間Bの開口幅をいう。また、本発明の「総開口面積」とは、全てのリーク隙間Bの開口面積の総和をいう。
また、オリフィスA、リーク隙間Bの開口形状が長尺状(例えば、スリット状、環状など)の場合、本発明の「開口幅」とは、オリフィスA、リーク隙間Bの短手方向幅をいう。
また、オリフィスA、リーク隙間Bの開口形状が真円状、楕円状、多角形状の場合、本発明の「開口幅」とは、オリフィスA、リーク隙間Bの図形重心を通る直線長をいう。例えば、オリフィスA、リーク隙間Bが真円状の場合、本発明の「開口幅」とは、直径長をいう。
また、図4、図8に示すように、第一実施形態においては、上側または下側から見た場合の、バルブ側ノズル連通孔41、溝72の形状を、+状とした。しかしながら、−(マイナス)状、Y字状などとしてもよい。また、バルブ側ノズル連通孔41、溝72を、30°、45°、60°、90°、120°、180°など、等角度ごとに、放射状に配置してもよい。
また、図9に示すように、第一実施形態においては、バルブ側オイル通路40にオリフィスAを配置した。しかしながら、バルブ側オイル通路40にオリフィスAを配置しなくてもよい。
また、図10に示すように、第二実施形態においては、バルブ4に被ガイドリブ45を、ハウジング2にガイド溝部26を、各々配置した。しかしながら、バルブ4にガイド溝部26を、ハウジング2に被ガイドリブ45を、各々配置してもよい。すなわち、バルブ4の回転を規制できればよい。
また、図12に示すように、第四実施形態においては、無端環状のリブ73を配置した。しかしながら、単一または複数の、径方向内側に突出する突起を配置してもよい。複数の突起を配置する場合、ハウジング2の内周面に、等角度ごとに突起を配置してもよい。また、バルブ4の下死点を決定する部材(リブ73)を配置しなくてもよい。すなわち、コイルスプリング70および圧力室21の内圧により、バルブ4の下死点を規制してもよい。
また、図12に示すように、第四実施形態においては、ハウジング2の第二段差部24に隔壁8を当接させ、ハウジング2の下端を加締める(縮径させる)ことにより、ハウジング2に隔壁8を固定した。しかしながら、ハウジング2に対する隔壁8の固定方法は、特に限定しない。例えば、ボルト、スクリュー、クリップ、係合爪などにより、ハウジング2に隔壁8を固定してもよい。また、ハウジング2と隔壁8とを一体化してもよい。また、ノズル3の配置数は特に限定しない。複数のノズル3を配置してもよい。
1:ピストンクーリングジェット。
2:ハウジング、20:受圧室、21:圧力室、22:ハウジング側ノズル連通孔、23:第一段差部、24:第二段差部、26:ガイド溝部、27:ハウジング側ノズル連通溝。
3:ノズル。
4:バルブ、40:バルブ側オイル通路、41:バルブ側ノズル連通孔、42:開弁側ノズル連通溝、43:閉弁側ノズル連通溝、44:バルブ側スプリング座、45:被ガイドリブ。
5:ホルダ、50:底部、500:ホルダ側孔、501:ホルダ側スプリング座、51:筒部。
6:プラグ、60:底部、61:凸部、610:プラグ側オイル通路、62:シャフト。
70:コイルスプリング、71:ブラケット、72:溝、73:リブ。
8:隔壁、801:隔壁側スプリング座。
9:エンジン、90:シリンダブロック、900:メインオイルギャラリ(エンジン側オイル通路)、91:ピストン、92:コンロッド、93:クランクシャフト。
A:オリフィス、B:リーク隙間、Fd1:荷重、Fd2:荷重、Fu:荷重、L1〜L3:摺接部、O:オイル。

Claims (7)

  1. ハウジングと、
    該ハウジングから外側に突設されるノズルと、
    該ハウジングの内部を往復動可能であって、表側からエンジン側オイル通路の油圧による荷重が加わり、該ノズルからピストンにオイルを噴射する開弁状態において該エンジン側オイル通路と該ノズルとを連通するバルブ側ノズル連通孔を有するバルブと、
    を備えるピストンクーリングジェット。
  2. 前記バルブは、前記エンジン側オイル通路および前記バルブ側ノズル連通孔に連通するバルブ側オイル通路を有し、
    さらに、前記ハウジングの内部において、該バルブの裏側に区画され、該バルブ側オイル通路に連通する圧力室と、
    該圧力室と該ハウジングの外部との間に配置される圧力調整通路と、
    を備える請求項1に記載のピストンクーリングジェット。
  3. 前記バルブ側オイル通路は、オリフィスを有し、
    前記圧力調整通路は、開口幅が該オリフィスよりも小さく、総開口面積が該オリフィスよりも大きいリーク隙間である請求項2に記載のピストンクーリングジェット。
  4. 前記バルブの裏側に配置されホルダ側孔を有するホルダと、
    該バルブの裏側に配置され、該ホルダ側孔に挿通され、前記開弁状態において、該バルブの裏面が、表面に着座するシャフトと、を備え、
    前記リーク隙間は、該ホルダ側孔の内周面と該シャフトの外周面との間に区画される請求項3に記載のピストンクーリングジェット。
  5. 前記バルブは、外周面に、前記開弁状態において前記ノズルに連通する環状の開弁側ノズル連通溝を有し、
    前記バルブ側ノズル連通孔は、前記バルブ側オイル通路と、該開弁側ノズル連通溝と、を連通する請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のピストンクーリングジェット。
  6. 前記ハウジングは、内周面に、前記ノズルに連通する環状のハウジング側ノズル連通溝を有し、
    前記バルブ側ノズル連通孔は、前記開弁状態において、前記バルブ側オイル通路と、該ハウジング側ノズル連通溝と、を連通する請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のピストンクーリングジェット。
  7. 前記バルブは、外周面に、前記ノズルから前記ピストンに前記オイルを噴射しない閉弁状態において前記ハウジング側ノズル連通溝に連通する閉弁側ノズル連通溝を、全周的に有する請求項6に記載のピストンクーリングジェット。
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