JP2014070079A - オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

オルガノポリシロキサン組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】第一に、スズ化合物を含有せずに、スズ化合物を使用する組成物と同等以上の可使時間を得ることができ、硬化性が良好な、多成分形室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物を提供する。さらに本発明は、硬化後に硬化表面にベタツキが生じず、薄膜硬化性が良好であり、着色や変色が少なく、かつ耐久性が良好である、多成分形室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物を提供する。
【解決手段】分子鎖両末端に水酸基及び/又は加水分解性基を有し、25℃における粘度20〜1,000,000mPa・sを有するジオルガノポリシロキサン:100質量部、ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する、シラン化合物及び/又はシロキサン:0.1〜40質量部、カルボン酸のチタン塩:0.001〜20質量部、及びカルボン酸:0.001〜20質量部を含有するオルガノポリシロキサン組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、オルガノポリシロキサン組成物、特には、シリコーン系シーリング材または接着剤等として好適に用いられる多成分形室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に関する。
縮合硬化型室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、シリコーン系シーリング材、接着剤、コーティング剤、ポッティング剤等として多くの分野で使用されており、一般的に、一成分形と多成分形に大別される。一成分形は、空気中の湿気によって架橋反応が引き起こされるため、硬化反応は表面から徐々に進行する。一方、二成分などの多成分形は、架橋反応に空気中の湿気は不要であり、深部硬化性に優れている。
縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物に使用される硬化触媒としては、例えば特開昭48−37452号公報(特許文献1)に記載されるように、鉛、錫、ジルコニウム、アンチモン、鉄、カドミウム、バリウム、カルシウム、チタン、蒼鉛、及びマンガンが知られており、一般的にはスズ化合物やチタン化合物が使用されている。しかし、スズ化合物には毒性の問題や、温水浸漬によりオルガノポリシロキサンの主鎖を切断し、クラッキングを生じさせ、硬度の経時的低下をもたらすという問題があった。その為、スズ化合物を含有しない、多成分形室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の開発が求められている。
また、多成分形室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の触媒としてチタン化合物を使用すると、混合後に組成物がゲル化するという問題、混合後の粘度上昇が速いため可使時間が極端に短いという問題、硬化物表面にベタツキが生じるという問題、及び、薄く塗布した場合に組成物が硬化しなくなるという問題があった。
特開2003−119387号公報(特許文献2)には、スズ化合物やチタン化合物を使用しない室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が記載されており、ビスマス化合物系硬化触媒を使用することが記載されている。しかし、該組成物は、硬化物表面にベタツキを生じるという問題や、薄く塗布した場合に組成物が硬化しなくなるという問題があった。
特開2009−292914号公報(特許文献3)には、金属原子含有化合物に代えてアミン官能性シラン化合物を触媒として使用した縮合硬化型オルガノポリシロキサン組成物が記載されている。しかし、該組成物は耐久性が悪いという問題があった。
特開2009−132797号公報(特許文献4)には、ビスマス化合物系硬化触媒及び/またはチタン化合物系硬化触媒(チタンキレート化合物)と、鉄化合物からなる硬化触媒を使用することにより、硬化物表面にベタツキを生じるという問題や、薄く塗布した場合に組成物が硬化しなくなるという問題に有効であることが記載されている。
特開昭48−37452号公報 特開2003−119387号公報 特開2009−292914号公報 特開2009−132797号公報
しかし、本発明者らが、チタン化合物と鉄化合物を組合せた硬化触媒を使用したところ、混合後に組成物がゲル化しやすく、すぐに粘度が上昇し、可使時間が非常に短かった。その為、スズ化合物を使用する組成物と同等以上の可使時間を得ることはできなかった。また、硬化物表面にベタツキが残存するという問題や、薄く塗布した組成物が硬化しないという問題も生じた。更に、着色や変色を生じるという新たな問題まで発生した(本願比較例7、8)。
さらに、縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化触媒として知られている、ナフテン酸チタンやオクチル酸チタンなどのカルボン酸のチタン塩を多成分形室温硬化性シリコーンゴム組成物の硬化触媒として使用したところ、可使時間が非常に短く、スズ化合物を使用する組成物と同等以上の可使時間を得ることはできなかった(本願比較例1)。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、第一に、スズ化合物を含有せずに、スズ化合物を使用する組成物と同等以上の可使時間を得ることができ、かつ硬化性が良好である、多成分形室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。さらに本発明は、硬化物の表面にベタツキを生じず、薄膜硬化性が良好であり、着色や変色が少なく、かつ耐久性が良好である、多成分形室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々検討の結果、カルボン酸のチタン塩とカルボン酸とを組合せて使用することによって、スズ化合物を使用しなくとも長い可使時間を有することができ、かつ硬化性が良好である多成分形室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物を提供できることを見出した。また本発明者らは、該組成物から得られる硬化物は表面にベタツキを有さず、該組成物は薄膜硬化性が良好であり、着色や変色が少なく、かつ耐久性が良好であることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、
(A)分子鎖両末端に水酸基及び/又は加水分解性基を有し、25℃における粘度20〜1,000,000mPa・sを有するジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する、シラン化合物及び/又はシロキサン(但し、該(B)成分は前記(A)成分とは異なる):0.1〜40質量部、
(C)カルボン酸のチタン塩:0.001〜20質量部、及び
(D)カルボン酸:0.001〜20質量部
を含有するオルガノポリシロキサン組成物を提供する。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、カルボン酸のチタン塩とカルボン酸との組合せを含有することにより、スズ化合物を含有する組成物と同等以上の長い可使時間を達成することができる。また、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、表面硬化性、薄膜硬化性、内部硬化性、及び保存安定性に優れ、かつ着色や変色を生じない。その為、本発明に依れば、スズ化合物を使用しなくとも、長い可使時間を有し、かつ硬化性が良好である多成分形室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物を提供することができる。従って、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、シーリング材、接着剤、コーティング剤、又はポッティング剤等として有用である。特に、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、深部硬化性に優れるため深い目地にも適応可能であり、かつ接着性や耐久性が良好であるため、該組成物を建築や土木用途のシーリング材として用いれば、シーリング材の主要目的である防水機能等を長期に渡って維持することが可能になる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分は分子鎖両末端に水酸基及び/又は加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサンであり、本発明のオルガノポリシロキサン組成物の主成分である。該ジオルガノポリシロキサンの分子構造は特に制限されるものでなく、直鎖状、分岐鎖状、分岐構造を有する直鎖状のいずれであってもよいが、好ましくは直鎖状である。該直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、分岐構造を少量有していてもよい。また、該ジオルガノポリシロキサンは分子鎖にシルメチレン構造(−SiRSi−)を有するものであってもよい。前記式においてRは、炭素原子数1〜20、好ましくは1〜6である二価の炭化水素基であるのが好ましい。また、炭素原子に結合する水素原子の一部または全部がハロゲン原子、又はシアノ基で置換されているものであってもよい。
該ジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度20〜1,000,000mPa・s、好ましくは100〜300,000mPa・s、更に好ましくは1,000〜200,000mPa・s、特には10,000〜100,000mPa・sを有するのがよい。ジオルガノポリシロキサンの粘度が上記下限値未満であると、後述する(B)成分が多量に必要となるため、経済的に不利となる。また、ジオルガノポリシロキサンの粘度が上記上限値超では作業性が低下するため好ましくない。尚、本発明において、粘度は回転粘度計による測定値である(以下、同じ)。
加水分解性基とは、好ましくは、アルコキシ基、又はアルコキシアルコキシ基である。ジオルガノポリシロキサンの各末端に存在する水酸基及び加水分解性基の数は特に限定されるものでない。好ましくは、末端に水酸基を有する場合は、分子鎖の両末端に、ケイ素原子に結合する水酸基(即ち、ヒドロキシシリル基)を一つずつ有するのがよい。また、末端にアルコキシ基又はアルコキシアルコキシ基を有する場合は、分子鎖の両末端に、ケイ素原子に結合するアルコキシ基(即ち、アルコキシシリル基)またはケイ素原子に結合するアルコキシアルコキシ基(即ち、アルコキシアルコキシシリル基)を、2つまたは3つずつ有するのがよい。
アルコキシ基は、炭素原子数1〜10のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられる。アルコキシアルコキシ基は、炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基が好ましく、例えば、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基が挙げられる。特には、ジオルガノポリシロキサンの両末端が水酸基、メトキシキ基、又はエトキシ基であるのが好ましい。
水酸基及び加水分解性基以外の、ケイ素原子に結合する有機基としては、置換または非置換の、炭素原子数1〜18、好ましくは炭素原子数1〜10の一価炭化水素基が挙げられる。該一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子またはシアノ基で置換したもの、例えば、トリフルオロプロピル基、クロロプロピル基等のハロゲン化一価炭化水素基;β−シアノエチル基、γ−シアノプロピル基等のシアノアルキル基が例示される。中でもメチル基であることが好ましい。
上記(A)ジオルガノポリシロキサンとしては、特には下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014070079
上記式(1)中、Rは、互いに独立に、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びオクチル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基;メトキシメチル基、メトキシエチル基、及びエトキシメチル基等の炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基から選択される基である。好ましくは、水素原子、メチル基、又はエチル基である。Rは、互いに独立に、置換または非置換の、炭素原子数1〜18、好ましくは炭素原子数1〜10の一価炭化水素基である。該一価炭化水素基としては、上述した水酸基及び加水分解性基以外の有機基が挙げられ、中でもメチル基であることが好ましい。aは0、1または2である。特には、Rがアルキル基又はアルコキシアルキル基である場合はaは0又は1であり、Rが水素原子である場合はaは2であるのがよい。nは、ジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が、20〜1,000,000mPa・s、好ましくは100〜300,000mPa・s、更に好ましくは1,000〜200,000mPa・s、特には10,000〜100,000mPa・sとなるような数である。
上記式(1)中、Yは、互いに独立に、酸素原子、炭素原子数1〜20、好ましくは炭素原子数1〜6の非置換又は置換の二価炭化水素基、又は下記一般式(2)で示される基である。
Figure 2014070079
式(2)中、Rは上記の通りであり、Zは炭素原子数1〜20、好ましくは炭素原子数1〜6の、非置換又は置換の二価炭化水素基である。
上記二価炭化水素基は直鎖状であっても分岐構造を有していてもよいが、特にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等の直鎖アルキレン基が好ましい。中でも、特にエチレン基が好ましい。
上記ジオルガノポリシロキサンは、従来公知の方法で製造することができる。該ジオルガノポリシロキサンは、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。特には、分子鎖両末端にヒドロキシシリル基を有するジオルガノポリシロキサン(即ち、上記式(1)において両末端のRが水素原子であるジオルガノポリシロキサン)を(A)成分100質量部中に10〜100質量部となる量で含有することが好ましく、50〜100質量部となる量で含有することがさらに好ましい。
[(B)成分]
(B)成分は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する、シラン化合物及び/又はシロキサンである。(B)成分は上記(A)成分と縮合反応して架橋構造を形成する。但し、本発明において、該(B)成分は上記(A)成分とは異なる化合物とする。
加水分解性基としては、炭素原子数1〜10である、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシロキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アミノキシ基、及びアミド基が挙げられる。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基;アセトキシ基、オクタノイルオキシ基等のアシロキシ基;ビニロキシ基、イソプロペノキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケノキシ基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、メチルイソブチルケトオキシム基等のケトオキシム基;ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基;N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基等のアミド基が挙げられる。中でも、アルコキシ基、ケトオキシム基が好ましく、特にアルコキシ基が好ましい。
上記加水分解性基以外の、ケイ素原子に結合する有機基としては、置換または非置換の、炭素原子数1〜18、好ましくは炭素原子数1〜10の一価炭化水素基が挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、オクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子またはシアノ基で置換したもの、例えば、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基が好ましい。
シラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン、メチルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、エチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン等のケトオキシムシラン;メチルトリ(メトキシメトキシ)シラン、エチルトリ(メトキシメトキシ)シラン、ビニルトリ(メトキシメトキシ)シラン、フェニルトリ(メトキシメトキシ)シラン、メチルトリ(エトキシメトキシ)シラン、エチルトリ(エトキシメトキシ)シラン、ビニルトリ(エトキシメトキシ)シラン、フェニルトリ(エトキシメトキシ)シラン、テトラ(メトキシメトキシ)シラン、テトラ(エトキシメトキシ)シラン等のアルコキシアルコキシシラン;メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シラン等のアミノキシシラン;メチルトリス(N−メチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−ブチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−シクロヘキシルアセトアミド)シラン等のアミドシラン;メチルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリイソプロペノキシシラン等のアルケノキシシラン;メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアセトキシシランが挙げられる。
シロキサンとしては、上記シラン化合物の部分加水分解縮合物が挙げられる。該シロキサンの重量平均分子量は特に制限されるものでないが、上記シラン化合物が2個〜100個、好ましくは2〜20個重合したオリゴマーであるのが好ましい。該シロキサンは、複数の重合度を有するオリゴマーの混合物であってよい。
また、上記(B)成分としては、下記一般式(3)で示されるシラン化合物であってもよい。
Figure 2014070079
上記式(3)中、Rは、互いに独立に、炭素原子数1〜10のアルキル基、又は炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基であり、Wは炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10の、非置換又は置換の二価炭化水素基である。Wで示される二価炭化水素基は、直鎖状であっても分岐構造を有していてもよいが、特にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等の直鎖アルキレン基が好ましい。中でも、特にエチレン基が好ましい。
上記(B)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の効果を妨げない範囲で、一分子中に加水分解性基を2個有するシラン化合物及び/またはシロキサンを併用してもよい。
(B)成分の量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜40質量部であり、好ましくは1〜20質量部である。(B)成分の量が上記下限値未満では、硬化性や保存性の低下を招くおそれがある。また、上記上限値を超えると、価格的に不利になるばかりか、硬化物の伸びが低下したり、耐久性の悪化を招いたりするおそれがある。特には、(A)成分が、末端に水酸基を有するジオルガノポリシロキサンを含む場合は、(B)成分中の加水分解性基の個数が(A)成分中の水酸基の個数を上回るような量とすることが好ましい。
[(C)成分]
(C)成分はカルボン酸のチタン塩である。該成分は硬化触媒であり、組成物に速硬化性を付与するために機能する。カルボン酸は、炭素原子数1〜30、好ましくは1〜24の飽和又は不飽和炭化水素基を有する1価カルボン酸であるのが好ましい。より好ましくは、炭素原子数6〜18の飽和炭化水素基を有する1価カルボン酸、または炭素原子数6〜21の不飽和炭化水素基を有する1価カルボン酸が好ましい。例えば、オクチル酸、ナフテン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン、オクタデカン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキドン酸等が挙げられる。特には、オクチル酸、またはナフテン酸のチタン塩が好ましい。カルボン酸のチタン塩は、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、複数種のカルボン酸を有するチタン塩であってもよい。
(C)成分の量は、(A)成分100質量部に対して0.001〜20質量部であり、好ましくは0.01〜10質量部であり、さらに好ましくは0.05〜5質量部であり、最も好ましくは0.2〜2質量部である。(C)成分の量が上記下限値未満であると、所望の速硬化性が得られない。また、(C)成分の量が上記上限値を超えると、組成物の硬化反応が速すぎるため、可使時間の減少、硬化物の伸びの低下、または耐久性の悪化を招くおそれがある。
[(D)成分]
(D)成分はカルボン酸である。本発明は、該カルボン酸と上記(C)カルボン酸のチタン塩とを組み合わせて配合することを特徴とし、これにより各成分を混合後に組成物がゲル化するのを抑制し、可使時間を長くして十分な作業性を確保することを可能にする。該カルボン酸は、炭素原子数1〜30、好ましくは炭素原子数1〜24の飽和又は不飽和炭化水素基を有する、1価カルボン酸であるのが好ましい。より好ましくは、炭素原子数6〜18の飽和炭化水素基を有する1価カルボン酸、または炭素原子数6〜21の不飽和炭化水素基を有する1価カルボン酸が好ましい。例えば、オクチル酸、ナフテン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン、オクタデカン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキドン酸等が挙げられる。特には、オクチル酸、またはナフテン酸が好ましい。これらは、1種単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(D)成分の量は、(A)成分100質量部に対して0.001〜20質量部、好ましくは0.005〜5質量部、さらに好ましくは0.02〜2質量部である。(D)成分の量が上記下限値未満であると、組成物のゲル化を抑制する効果や、可使時間を長くする効果が得られない。また、(D)成分の量が上記上限値を超えると、組成物の耐久性が悪化する場合、あるいは接着性が悪化する場合がある。特には(D)成分の量は(C)成分の質量部に対して0.1%〜500%、好ましくは0.5%〜300%、さらに好ましくは1%〜150%である。
[(E)成分]
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、硬化物に接着性を付与するために、分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有するシラン化合物及び/又はシロキサンをさらに含有することができる。尚、本発明のオルガノポリシロキサン組成物では、通常接着性付与剤として用いられている一級あるいは二級アミノ基を含有するシラン化合物は使用しないことが好ましい。
エポキシ基含有シラン化合物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が例示される。エポキシ基含有シロキサンとしては、上記エポキシ基含有シラン化合物の部分加水分解縮合物、及び上記エポキシ基含有シラン化合物と各種シラン化合物との部分加水分解縮合物等を挙げることができる。各種シラン化合物とは、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。上記シラン化合物及びシロキサンは、1種類を単独で使用しても2種類以上を組合せて使用してもよい。
(E)成分の量は、(A)成分100質量部に対して0.05〜20質量部、特には0.1〜10質量部であることが好ましい。(E)成分の量が多すぎると組成物の耐久性や硬化性が悪化する場合があり、少なすぎると接着性向上の効果が得られない場合がある。
[(F)成分]
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、さらに炭酸カルシウムを含有することができる。炭酸カルシウムを含有することにより、本発明の組成物のたれ防止性を向上し、作業性を更に向上することができる。また、本組成物の硬化物に良好な機械的特性を付与することもできる。炭酸カルシウムとしては、重質(又は粉砕法)炭酸カルシウム、コロイダル(又は沈降法)炭酸カルシウム、これらの炭酸カルシウムを脂肪酸や樹脂酸等の有機酸、有機酸アルカリ金属塩、有機酸エステル等で表面処理した粉末が使用できる。炭酸カルシウムの平均粒子径は特に限定されないが、重質炭酸カルシウムの平均粒子径は好ましくは0.5〜10μmであり、特に好ましくは1.0〜3.2μmである。前記平均粒子径は空気透過法により測定して算出された比表面積からの計算値である。また、コロイダル炭酸カルシウムは電子顕微鏡法により測定した平均一次粒子径が、好ましくは0.01〜0.5μm、特に好ましくは0.03〜0.1μmであるのがよい。炭酸カルシウムは市販品を用いることができる。
(F)成分の量は、(A)成分100質量部に対して1〜400質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜200質量部である。(F)成分の量が上記範囲内にあることにより、組成物の取扱い作業性が良好となる。
[その他の成分]
また、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、上記(A)〜(F)成分以外に、一般に知られている添加剤をさらに含有することができる。添加剤としては、乾式法シリカ、湿式法シリカ、石英微粉末、ケイソウ土粉末、水酸化アルミニウム粉末、微粒子状アルミナ、マグネシア粉末、酸化亜鉛粉末、及びこれらをシラン類、シラザン類、低重合度ポリシロキサン類等で表面処理した微粉末状の無機質充填剤、顔料、染料、蛍光増白剤等の着色剤、抗菌剤、防カビ剤、可塑剤等が挙げられる。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、保存安定性等の点から、少なくとも、(A)成分と、(B)成分及び(E)成分とを別梱包にて保存し、使用に際してこれらを混合する、多成分形のオルガノポリシロキサン組成物であることが好ましい。(C)成分、(D)成分及び(F)成分は、(A)成分、(B)成分、又はその両方に混合して保存することができる。特には、(A)成分は、(C)成分及び(D)成分と別梱包にするのが好ましく、これにより組成物の保存性が良好になる。また、(F)成分は、(B)成分及び(E)成分と別梱包とするのが特に好ましく、これにより組成物の保存性が良好になる。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、上記各成分を均一に混合することにより調製することができる。例えば、(A)成分、必要に応じて(F)成分及びその他の成分を、均一に混合し第一剤とする。他方、(B)成分、(C)成分、(D)成分、必要に応じて(E)及びその他の成分を均一に混合して第二剤とする。混合は、3本ロール、プラネタリーミキサー、万能混合機等の公知の混合機を用いて行えばよい。これら第一剤と第二剤を、使用前に所定量を計量して、金属ヘラ等で撹拌混合、またはスタティックミキサー、ダイナミックミキサー等により混合して、本発明のオルガノポリシロキサン組成物を調製することができる。第一剤と第二剤との混合割合は上述した各成分の配合量に準じて適宜調整すればよいが、好ましくは、第一剤100質量部に対し第二剤0.5〜200質量部、特に好ましくは1〜120質量部、さらに特には1.5〜100質量部の割合で混合するのがよい。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、室温で30分以上、特には1時間以上、さらに特には1〜24時間、さらに特には2〜24時間の可使時間を有し、可使時間が長いことを特徴とする。尚、本発明において室温での可使時間とは、特には、温度23℃±5℃、湿度50%RH±5%の環境下にて組成物を使用可能な時間である。使用可能な時間とは、特には、カートリッジに詰められた組成物を容易に吐出可能な時間である。さらに特には、本発明における可使時間とは、温度23℃±5℃、湿度50%RH±5%の環境下にて、カートリッジに詰められた組成物がゲル化せず、組成物が、先端の内径が5mmであるノズルを使用して2kgf/cmの圧力を加えてカートリッジから組成物を吐出する場合に1秒間に2g以上吐出できる状態にある時間である。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物の硬化には加熱及び冷却を必要としない。本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、室温程度、例えば5〜40℃下にて、1日〜1週間程度放置することによって硬化することができる。
上記の通り、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は可使時間が長いため作業性が良好である。また、スズ化合物を使用する組成物と同等以上の長い可使時間を有することができる。さらに該組成物は、表面硬化性、薄膜硬化性、内部硬化性、及び保存安定性に優れ、得られる硬化物は着色や変色を生じない。その為、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、シーリング材、接着剤、コーティング剤、またはポッティング剤等として有用である。本発明のオルガノポリシロキサン組成物をシーリング材、接着剤、コーティング剤、またはポッティング剤として使用する方法は、従来公知の方法に従えばよい。対象となる物品としては、例えば、建築用構造物、土木工事用構造物、電気・電子部品、自動車用部品、電線・ケーブル等が挙げられる。特には、建築用構造物や土木工事用構造物のためのシーリング材として好適に使用することができ、例えば、建築用弾性シーリング材、建築用高耐久シーリング材、グレージング用シーリング材、カーテンウォール用シーリング材、複層ガラス用シーリング材等として有用である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、実施例中の部はいずれも質量部を意味する。また、粘度は回転粘度計による測定値である。
[実施例1]
両末端にケイ素原子に結合した水酸基を一つずつ有するポリジメチルシロキサン60部(粘度50,000mPa・s、信越化学工業株式会社製)と、コロイダル炭酸カルシウム粉末(カーレックス300、一次粒子径(電子顕微鏡):0.05μm、表面処理剤:脂肪酸、丸尾カルシウム株式会社製)40部とを、万能混合機と3本ロールを用いて均一に混合し、第一剤を調製した。他方、デシルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)1部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)0.5部と、オクチル酸チタン(Alfa Aesar社製)1部と、オクチル酸(東京化成工業株式会社製)1部を、万能混合機を用いて均一に混合して第二剤を調製した。第一剤100部に対し、第二剤3.5部の割合で混合し、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[実施例2]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、オクチル酸の量を0.1部とした以外は実施例1と同じ組成にて第二剤を調製した。第一剤100部に対し、第二剤2.6部の割合で混合し、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[実施例3]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(重合度2〜8のオリゴマーの混合物、信越化学工業株式会社製)1部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5部と、オクチル酸チタン0.7部と、オクチル酸0.2部とを、万能混合機を用いて均一に混合して第二剤を調製した。第一剤100部に対し、第二剤2.4部の割合で混合し、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[比較例1]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、オクチル酸1部を混合しないこと以外は実施例1と同じ組成にて第二剤を調製した。第一剤100部に対し、第二剤2.5部の割合で混合し、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[比較例2]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、オクチル酸1部の代わりに、乳酸1部としたこと以外は実施例1と同じ組成にて第二剤を調製した。第一剤100部に対し、第二剤3.5部の割合で混合し、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[比較例3]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、デシルトリメトキシシラン1部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5部と、チタニウムテトラ−n−ブトキシド(マツモトファインケミカル社製)1部と、オクチル酸1部とを、万能混合機を用いて均一に混合して第二剤を調製した。第一剤100部に対し、第二剤3.5部の割合で混合し、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[比較例4]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、オクチル酸1部を混合しないこと以外は比較例3と同じ組成にて第二剤を調製した。第一剤100部に対し、第二剤2.5部の割合で混合し、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[比較例5]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、デシルトリメトキシシラン1部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5部と、オクチル酸チタン1部とオクチル酸1部と、ナフテン酸鉄(II)50%ミネラルスピリット溶液(和光純薬株式会社製)1部とを、万能混合機を用いて均一に混合して第二剤を調製した。第一剤100部に対し、第二剤4.5部の割合で混合し、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[比較例6]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、ナフテン酸鉄(II)50%ミネラルスピリット溶液1部の代わりにオクチル酸鉄(III)50%ミネラルスピリット溶液(和光純薬株式会社製)1部としたこと以外は、比較例5と同じ組成で第二剤を調製した。第一剤100部に対し、第二剤4.5部の割合で混合し、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[比較例7]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、比較例3のオクチル酸1部の代わりにナフテン酸鉄(II)50%ミネラルスピリット溶液1部としたこと以外は、比較例3と同様に主剤と硬化剤を調製し、主剤100部に対し、硬化剤3.5部の割合で混合した。
[比較例8]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、比較例3のオクチル酸1部の代わりにオクチル酸鉄(III)50%ミネラルスピリット溶液1部としたこと以外は、比較例3と同様に主剤と硬化剤を調製し、主剤100部に対し、硬化剤3.5部の割合で混合した。
[比較例9]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、オクチル酸チタン1部をオクチル酸チタン25部とし、オクチル酸1部をオクチル酸25部にしたこと以外は、実施例1と同じ組成で第二剤を調製した。第一剤100部に対し、第二剤51.5部の割合で混合し、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[参考例1]
実施例1と同じ組成で第一剤を調製した。他方、デシルトリメトキシシラン1部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.5部と、ジオクチルスズジラウレート0.05部を、万能混合機を用いて均一に混合して第二剤を調製した。第一剤100部に対し、第二剤1.55部の割合で混合し、オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
上記実施例及び比較例で調製した各オルガノポリシロキサン組成物の配合組成を表1に示す。
[性能試験]
上記で得られた各組成物について、ゲル化の有無の確認、吐出量の測定、可使時間の評価、硬化性(表面硬化性、薄膜硬化性、内部硬化性)の評価、及び、着色性、変色性、保存性、及び耐久性の評価を下記に示す方法により実施した。
・ゲル化の有無の確認
上記各組成物をノズル付き樹脂カートリッジに詰めた。23℃、50%RHにて30分、1時間、2時間静置した後に、カートリッジガンを用いて組成物を吐出し、その組成物をシート状に押し広げることによって、ゲル化の有無を確認した。30分後、1時間後、2時間後において、ゲルが生じなかった場合を良好(○)と評価し、ゲルが生じた場合を悪い(×)と評価した。結果を表2に示す。
・吐出量の測定
上記各組成物をノズル付き樹脂カートリッジに詰めた。23℃、50%RHにて30分、1時間、2時間静置した後に、先端の内径が5mmのノズルを使用し、2kgf/cmの圧力を5秒間加え、5秒間で押し出された組成物の重量(吐出量、g)を測定した。結果を表2に示す。尚、上記ゲル化の有無の確認試験において「悪い」と評価された組成物については、当該吐出量の測定を実施しなかった。
・可使時間の評価
上記ゲル化の有無の確認試験において「良好」と評価され、かつ上記吐出量の測定において5秒間の吐出量が10g以上である場合に、組成物を使用可能であると判断し、該使用可能な状態が維持される時間を可使時間として表2に記載した。可使時間が1時間以上の場合を良好(○)と評価し、1時間未満の場合を悪い(×)と評価した。結果を表2に示す。
・表面硬化性
直径27mm、深さ14mmのガラスシャーレ中に上記各組成物を充填し、23℃、50%RHにて24時間静置した。その後、表面の粘性(タック)の有無を確認した。表面にタックがない場合を良好(○)と評価し、表面にタックがある場合を悪い(×)と評価した。結果を表2に示す。
・薄膜硬化性
ガラス板上にスペーサーとして厚さが0.1mmの金属板を2枚平行に配置し、その金属板の間に上記各組成物を押し出し、別の金属板を用いて厚さが約0.1mmとなるように押し広げた後、23℃、50%RHにて24時間静置した。その後、薄膜表面の粘性(タック)の有無を確認した。表面にタックがない場合を良好(○)と評価し、表面にタックがある場合を悪い(×)と評価した。結果を表2に示す。
・内部硬化性
直径27mm、深さ14mmのガラスシャーレ中に上記各組成物を充填し、23℃、50%RHにて24時間静置した。その後、硬化物をシャーレから取り外して、底部の粘性(タック)の有無を確認した。底部にタックがない場合を良好(○)と評価し、底部にタックがある場合を悪い(×)と評価した。結果を表2に示す。
・着色性
上記各組成物を23℃、50%RHにて24時間静置した。その後、組成物の色彩と第一剤(主剤)の色彩を分光測色計にて測定し、色差(ΔE、L表色系)を算出した。色差が10未満であれば着色が小さいため良好(○)と評価し、色差が10以上であれば着色が大きいため悪い(×)と評価した。結果を表2に示す。
・変色性
上記各組成物を23℃、50%RHにて7日間静置した後、色彩を測定した(初期値)。その後、各組成物を50℃、90%RHにて7日間静置し、その後さらに23℃、50%RHにて24時間静置した。静置後の各組成物の色彩を測定し、初期値からの色差を算出した。色差が10未満であれば変色が小さいため良好(○)と評価し、色差が10以上であれば変色が大きいため悪い(×)と評価した。結果を表2に示す。
・保存性
第一剤と第二剤を別々に、50℃にて7日間静置し、その後室温にて24時間静置した。その後、第一剤と第二剤を混合し、得られた組成物について、上記に記載の方法で表面硬化性および内部硬化性を評価した。表面硬化性および内部硬化性がどちらも良好な場合を保存性が良好(○)と評価した。第一剤と第二剤の混合が不可能な場合、あるいは表面硬化性または内部硬化性の少なくとも一方の評価が悪い場合は、保存性が悪い(×)と評価した。結果を表2に示す。尚、長期保存前の状態にて表面硬化性あるいは内部硬化性の少なくとも一方が悪いと評価された組成物については、当該保存性の評価を実施しなかった。
・耐久性
JIS A 5758に記載の耐久性区分9030試験を行った。JIS A 5758に記載の判定方法によって合格・不合格を判定した。合格の場合を耐久性が良好である(○)と評価し、不合格の場合を耐久性が悪い(×)と評価した。結果を表2に示す。
・総合評価
ゲル化の有無、可使時間、表面硬化性、薄膜硬化性、内部硬化性、着色性、変色性、保存性、及び耐久性の全てが良好である場合を総合評価が良好である(○)と評価し、1つでも悪い項目がある場合を総合評価が悪い(×)と評価した。結果を表2に示す。
Figure 2014070079
Figure 2014070079
表2に示す通り、カルボン酸を含有せず、カルボン酸のチタン塩のみを含有する組成物は可使時間が短い(比較例1)。カルボン酸の代わりに乳酸を含有する組成物は表面硬化性、薄膜硬化性、及び内部硬化性に劣る(比較例2)。カルボン酸のチタン塩の代わりにチタンアルコキシド化合物を使用した組成物は、混合後すぐに粘度が上昇したりゲル化したりしてしまい、可使時間が非常に短い。また、表面硬化性、薄膜硬化性、及び内部硬化性に劣る(比較例3、4)。カルボン酸を含有せず、チタンアルコキシド化合物と鉄化合物を含有する組成物は、混合後すぐに粘度が上昇したり、ゲル化したりしてしまい、可使時間が非常に短い。また、表面硬化性、薄膜硬化性、及び内部硬化性に劣り、更に着色や変色を生じる(比較例7、8)。これに対し、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、可使時間が長く、表面硬化性、薄膜硬化性、内部硬化性、及び保存安定性に優れ、かつ着色や変色を生じない(実施例1〜3)。また、本発明のオルガノポリシロキサン組成物の可使時間は、スズ化合物を使用した組成物(参考例1)と同等以上に長い。従って、本発明によれば、スズ化合物を使用しなくとも長い可使時間を確保することができ、かつ硬化性に優れたオルガノポリシロキサン組成物を提供できる。
本発明によれば、スズ化合物を使わないで、可使時間が長く硬化性が良好である多成分形室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供することができる。また、該組成物は、表面硬化性、薄膜硬化性、内部硬化性、及び保存安定性に優れ、かつ着色や変色を生じない。従って、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、シーリング材、接着剤、コーティング剤、ポッティング剤等として有用であり、特には建築や土木用途のシーリング材として好適に利用することができる。

Claims (7)

  1. (A)分子鎖両末端に水酸基及び/又は加水分解性基を有し、25℃における粘度20〜1,000,000mPa・sを有するジオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する、シラン化合物及び/又はシロキサン(但し、該(B)成分は前記(A)成分とは異なる):0.1〜40質量部、
    (C)カルボン酸のチタン塩:0.001〜20質量部、及び
    (D)カルボン酸:0.001〜20質量部
    を含有するオルガノポリシロキサン組成物。
  2. 室温で1時間以上の可使時間を有する、請求項1記載のオルガノポリシロキサン組成物。
  3. (A)成分100質量部中10〜100質量部が、分子鎖両末端にヒドロキシシリル基を有するジオルガノポリシロキサンであり、
    (B)成分が、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を分子中に3個以上有するシラン化合物及び/又はシロキサンである、請求項1または2記載のオルガノポリシロキサン組成物。
  4. さらに、(E)分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する、シラン化合物及び/またはシロキサンを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する物品。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する、建築用構造物または土木工事用構造物。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサン組成物をシーリング材、ポッティング剤、コーティング剤及び接着剤から選ばれるいずれかとして使用する方法。
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