JP2014069768A - 駆動力配分装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 クランクシャフト回転角検出手段が故障したときに、第1ローラに対する第2ローラの押し付け力が漸減するようにアクチュエータまたは電磁ブレーキを制御するようにした。
【選択図】 図2
Description
〔実施例1〕
図1は、実施例1の駆動力配分装置1をトランスファとして備えた四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。
第1ローラ31の外周面31aは軸方向に向かってクラウニングによる曲面処理されている。つまり、第1ローラ31は全体として樽状に形成されており、軸心部には貫通孔が形成されている。第2ローラ32の外周面32aは円錐テーパ面状に形成されており、第2ローラ32の軸心部に貫通孔を有する。
このように出力軸13(13L,13R)をベアリングサポート16,17に対し旋回可能に支承するに当たっては、以下のような偏心支承構造を用いる。
クランクシャフト51Lおよび出力軸13(13L)をそれぞれ図2の左端においてハウジング11から突出させ、該突出部においてハウジング11およびクランクシャフト51L間にシールリング27を介在させると共に、クランクシャフト51Lおよび出力軸13(13L)間にシールリング28を介在させることにより、ハウジング11から突出するクランクシャフト51Lおよび出力軸13(13L)の突出部をそれぞれ液密封止する。
クランクシャフト51L,51Rの外周部51Lb,51Rbはそれぞれ、ラジアルベアリングであるローラベアリング53L,53Rを介して対応する側におけるベアリングサポート16,17の出力軸貫通孔16c,17cの内周に回転自在に支持する。また、クランクシャフト51L,51Rのローラ側当接部51Ld,51Rdがスラストベアリング32cL,32cRにより回転自在に支持される。さらに、このスラストベアリング32cL,32cRと軸方向外側に配置されたスラストベアリング54L,54Rを有し、このスラストベアリング54L,54Rはスペーサ60L,60Rと回転自在に当接すると共に後述するリングギヤ51Lc,51Rcと回転自在に当接し、これによりクランクシャフト51L,51Rを回転自在に支持する。
そして、この第2スペーサ部62L,62Rの外周と、出力軸貫通孔16c,17cの内周面との間で当接させてスペーサ60L,60Rの径方向位置決めを行うと共に、ローラベアリング53L,53Rとスラストベアリング54R,54Lとの相互干渉を回避する。
小径出力ギヤ57aの軸方向左右には、電動モータ35および電磁ブレーキ59をハウジング11の内部に対してシールするためのシールリング63およびシールリング64が設けられている。
図1〜4につき上述した駆動力配分装置1の駆動力配分作用を以下に説明する。
変速機3(図1参照)から駆動力配分装置1の入力軸12に達したトルクは、一方でこの入力軸12からそのままリヤプロペラシャフト4およびリヤファイナルドライブユニット5(ともに図1参照)を経て左右後輪6L,6Rへ伝達される。
上記した四輪駆動走行中は駆動力配分装置1が、上記のように左右後輪6L,6Rへのトルクの一部を左右前輪9L,9Rへ分配して出力するため、第1ローラ31および第2ローラ32間のトラクション伝動容量を、左右後輪6L,6Rの駆動力および前後輪目標駆動力配分比から求め得る、左右前輪9L,9Rへ分配すべき目標前輪駆動力に対応させる必要がある。
そのためトランスファコントローラ111には、エンジン2の出力を加減するアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)APOを検出すアクセル開度センサ112からの信号と、左右後輪6L,6Rの車輪速(後輪速)Vwrを検出する後輪速センサ113からの信号と、車両の重心を通る鉛直軸線周りにおけるヨーレートφを検出するヨーレートセンサ114からの信号と、クランクシャフト51L,51Rの回転角θを検出するクランクシャフト回転角センサ115からの信号と、駆動力配分装置1(ハウジング11)内における作動油の温度TEMPを検出する油温センサ116からの信号を入力する。
つまり先ずトランスファコントローラ111は、アクセル開度APO、後輪速Vwr、およびヨーレートφに基づき、先ず左右後輪6L,6Rの駆動力および前後輪目標駆動力配分比を周知の要領で求める。
次にトランスファコントローラ111は、これら左右後輪6L,6Rの駆動力および前後輪目標駆動力配分比から、左右前輪9L,9Rへ分配すべき目標前輪駆動力を求める。
このとき、電磁ブレーキ59に供給する電流値を、クランクシャフト51L,51Rの回転角保持に必要となる最小電流値とすることで、消費電力の抑制を図る。
ステップS1では、クランクシャフト回転角θを入力する。
ステップS2では、クランクシャフト回転角θがクランクシャフト回転角目標値tθと一致しているか否かを判定し、YESの場合はステップS3へ進み、NOの場合はリターンへ進む。
ステップS3では、図6に示すマップを参照し、クランクシャフト回転角θに応じた電流指令値を演算する。
ステップS4では、電磁ブレーキ59への供給電流がステップS3で演算した電流指令値となるよう、電磁ブレーキ59への供給電流を増減する。
前述のように、電動モータ35では、クランクシャフト回転角センサ115が検出するクランクシャフト51L,51Rの回転角θに応じて回転位置制御が行われている。そのため、クランクシャフト回転角センサ115が故障すると電動モータ35を精度良く制御することができない。よって、左右前輪(従駆動輪)9L,9R側への駆動力配分が適切に行われず、車両挙動が不安定になるおそれや、フロントファイナルドライブユニット8の油温の過熱のおそれ等が生じる。そこで、トランスファコントローラ111では、四輪駆動走行中にクランクシャフト回転角センサ115が故障したときには、電動モータ35および電磁ブレーキ59への供給電流をゼロにするようにしている。これにより、クランクシャフト51L,51Rは第1ローラ31および第2ローラ32間に作用する径方向押圧反力によって左右前輪9L,9Rへの駆動力配分がゼロとなる位置まで戻されて二輪駆動走行となる。
図7に示す電動モータ35への供給電流とローラ間径方向押圧力との関係を用いることで、ローラ間径方向押圧力が漸減するように電動モータ35を制御することができる。
実施例1の効果を以下に列記する。
これにより、ローラ間径方向押圧力が漸減するように、電動モータ35を精度よく制御することができる。
実施例1では、クランクシャフト回転角センサ115が故障したときには、電磁ブレーキ59への供給電流をゼロにし、電動モータ35をローラ間径方向押圧力が漸減するように制御していた。実施例2では、クランクシャフト回転角センサ115が故障したときには、電動モータ35への供給電流をゼロにし、電磁ブレーキ59をローラ間径方向押圧力が漸減するように制御する。実施例1と同じ構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施例2の効果について以下に列記する。
(3)主駆動輪伝達系である左右後輪6L,6Rと共に回転する入力軸12と、入力軸12上に設けた第1ローラ31と、従駆動輪伝達系である左右前輪9L,9Rと共に回転する出力軸13と、出力軸13上に設けた第2ローラ32と、出力軸13を、第2ローラ32の回転軸上で回転自在に支持するとともに、第2ローラ32の回転軸を該第2ローラ32の回転軸からオフセットした偏心軸線周りに回動可能に支持するクランクシャフト51L,51Rと、クランクシャフト51L,51Rの回転角を検出するクランクシャフト回転角センサ115(クランクシャフト回転角検出手段)と、クランクシャフト回転角センサ115が検出したクランクシャフト51L,51Rの回転角に応じてクランクシャフト51L,51Rを回転させて、第2ローラ32の回転軸を偏心軸線周りに旋回させ、第1ローラ31と第2ローラ32の外周面を互いに摩擦接触または作動油を介したトラクション接触させることにより左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへの駆動力配分を行う電動モータ35(アクチュエータ)と、クランクシャフト51L,51Rに対しコイル59aへの通電量に応じた制動力を付与する電磁ブレーキ59と、クランクシャフト回転角センサ115が故障したときに、第1ローラ31に対する第2ローラ32の押し付け力(ローラ間径方向押圧力)が漸減するように電磁ブレーキ59を制御するトランスファコントローラ111(故障時制御手段)と、を備えた。
これにより、ローラ間径方向押圧力が漸減するように、電磁ブレーキ59を精度よく制御することができる。
12 入力軸
13 出力軸
31 第1ローラ
32 第2ローラ
35 電動モータ(アクチュエータ)
51L,51R クランクシャフト
59 電磁ブレーキ
111 トランスファコントローラ(故障時制御手段)
115 クランクシャフト回転角センサ(クランクシャフト回転角検出手段)
Claims (2)
- 主駆動輪伝達系と共に回転する入力軸と、
前記入力軸上に設けた第1ローラと、
従駆動輪伝達系と共に回転する出力軸と、
前記出力軸上に設けた第2ローラと、
前記出力軸を、前記第2ローラの回転軸上で回転自在に支持するとともに、前記第2ローラの回転軸を該第2ローラの回転軸からオフセットした偏心軸線周りに回動可能に支持するクランクシャフトと、
前記クランクシャフトの回転角を検出するクランクシャフト回転角検出手段と、
前記クランクシャフト回転角検出手段が検出した前記クランクシャフトの前記回転角に応じて前記クランクシャフトを回転させて、前記第2ローラの回転軸を前記偏心軸線周りに旋回させ、前記第1ローラと前記第2ローラの外周面を互いに摩擦接触または作動油を介したトラクション接触させることにより従駆動輪への駆動力配分を行うアクチュエータと、
前記クランクシャフトに対しコイルへの通電量に応じた制動力を付与する電磁ブレーキと、
前記クランクシャフト回転角検出手段が故障したときに、前記第1ローラに対する前記第2ローラの押し付け力が漸減するように前記アクチュエータまたは前記電磁ブレーキを制御する故障時制御手段と、
を備えたことを特徴とする駆動力配分装置。 - 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
前記故障時制御手段は、前記アクチュエータの駆動電流または前記電磁ブレーキの前記コイルへの通電量により前記第1ローラに対する前記第2ローラの押し付け力を推定することを特徴とする駆動力配分装置。
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