JP2010091061A - 駆動力配分装置のトランクション伝動容量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】演算部70は、モータ動作特性(マップA)を基に、一対のローラが目標駆動力Tf対応のローラ間径方向押圧力Frで押圧されるクランクシャフト回転角指令値tθを求める。演算部80は、モータ駆動特性(マップB)を基に、tθ達成用のクランクシャフト回転操作トルクTcoを目標モータ駆動トルクとして求め、対応するモータ電流指令値Iに所定の応答で追従するモータ駆動電流iによってモータを駆動し、クランクシャフトの回転位置制御を行う。取得部100は、モータ駆動電流iから求めたクランクシャフト駆動トルクTcdと、クランクシャフト回転角θとの関係であるモータ制御出力特性マップ(マップC)を取得し、マップCの制御出力トルク発生開始クランクシャフト回転角θstと、クランクシャフト駆動トルクTcdの変化勾配αとから、マップAおよびマップBを学習する。
【選択図】図4
Description
特にそのトランクション伝動容量制御の精度を、製造上の寸法誤差やバラツキがあっても高く保ち得るようにした、駆動力配分装置のトランクション伝動容量制御装置に関するものである。
主駆動輪へのトルク伝達経路を成す回転部材と共に回転する第1ローラと、
従駆動輪へのトルク伝達経路を成す回転部材と共に回転する第2ローラとを相互に径方向へ押圧接触させた構成を採用することも考えられる。
しかし当該トランクション伝動容量制御によれば、トランクション伝動容量を自動的に伝達トルクに応じたものになし得るものの、トランクション伝動容量制御精度の低下防止技術を内包していないため、
製造上の寸法誤差やバラツキなどによりトランクション伝動容量制御精度が低下するとき、これを防止してトランクション伝動容量制御精度を高く保つことができないという問題が懸念される。
先ず前提となる駆動力配分装置を説明するに、これは、
主駆動輪へのトルク伝達経路を成す回転部材と共に回転する第1ローラと、
従駆動輪へのトルク伝達経路を成す回転部材と共に回転する第2ローラとの径方向相互押圧接触により得られるトランクション伝動によって、主従駆動輪間での駆動力配分を行うようにしたものである。
第2ローラをクランクシャフトの偏心軸部に回転自在に支持して該クランクシャフトの回転操作により、第1ローラおよび第2ローラ間の径方向相互押圧力を制御してトランクション伝動容量制御を行うものである。
アクチュエータ動作特性学習手段は、該取得したアクチュエータ制御出力特性に基づきアクチュエータの制御出力動作量と上記ローラ間径方向相互押圧力との関係を学習する。
アクチュエータ制御入力演算手段は、この演算した目標制御出力動作量だけアクチュエータを動作させるための制御入力を求めてアクチュエータに指令する。
アクチュエータの制御出力トルクと制御出力動作量との関係(アクチュエータ制御出力特性)に基づき、アクチュエータの制御出力動作量と、トランクション伝動容量を決定するローラ間径方向相互押圧力との関係を学習し、
この学習したアクチュエータ動作特性を基に、目標とすべきトランクション伝動容量を実現するための目標ローラ間径方向相互押圧力から演算したアクチュエータの目標制御出力動作量だけアクチュエータを動作させるため、
製造上の寸法誤差やバラツキなどによりトランクション伝動容量制御精度が低下する条件下でも、この精度低下を上記の学習により確実に防止してトランクション伝動容量制御精度を高く保つことができる。
[第1実施例]
図1は、本発明の一実施例になるトランクション伝動容量制御装置を内包する駆動力配分装置1をトランスファーとして具えた四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。
左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を、駆動力配分装置1より、フロントプロペラシャフト7およびフロントファイナルドライブユニット8を経て左右前輪(従駆動輪)7L,7Rへ伝達することにより、四輪駆動走行が可能となるようにした車両である。
入力軸12は回転軸線O1を有し、出力軸15およびクランクシャフト16よりなる軸ユニットは回転軸線O2を有する。
出力軸15およびクランクシャフト16は同軸に突き合わせて隣接端を相互に嵌合させ、この嵌合部にニードルベアリング17を介在させて、出力軸15およびクランクシャフト16を相対回転可能とする。
これら出力軸15およびクランクシャフト16より成る軸ユニットは、その両端におけるボールベアリング18,19によりハウジング11に対し回転自在に支承する。
ベアリングサポート25は、ニードルベアリング17を介在させた出力軸15およびクランクシャフト16の相互嵌合部に配置し、ローラベアリング21,23を介して入力軸12および出力軸15をそれぞれ回転自在に支持する。
これらベアリングサポート25,26を、ハウジング11の対応する内側面にボルト30で取り付けることにより、出力軸15およびクランクシャフト16よりなる軸ユニット、および、入力軸12を、両者間の軸間距離を保ってハウジング11に回転自在に支持する。
クランクシャフト16から遠い出力軸15の図中左端を、シールリング29による液密封止下でハウジング11から突出させ、該出力軸15の突出左端をフロントプロペラシャフト7(図1参照)を介してフロントファイナルドライブユニット8に結合する。
第2ローラ32を設けるクランクシャフト16の箇所に、半径がRの偏心軸部16aを設定し、この偏心軸部16aは、その軸心O3を出力軸15およびカウンターシャフト16より成る軸ユニットの回転軸線O2からεだけ偏心させる。
そして、クランクシャフト16の偏心軸部16a上にローラベアリング33を介し、第2ローラ32を回転自在に、しかし軸線方向位置決め状態で取り付ける。
クランクシャフト回転角θに応じて、第1ローラ31の回転軸線O1と、第2ローラ32の回転軸線O2との間における距離(第1ローラ31および第2ローラ32の軸間距離)L1を、図3に明示するごとくに加減することができる。
これにより当該クランクシャフト回転操作位置においては、第1ローラ31および第2ローラ32が相互に径方向へ押し付けられることがなく、ローラ31,32間でトランクション伝動が行われないトランクション伝動容量=0の状態を得ることができる。
このとき第1ローラ31および第2ローラ32は、図2に31a,32aで示すローラ外周面箇所において相互に、オフセット量OSに対応した径方向押圧力で径方向へ押し付けられて摩擦接触し、これらの間にオフセット量OS対応のトランクション伝動容量を持たせることができる。
クランクシャフト16が図3(b)の上死点位置に達すると、第1ローラ31および第2ローラ32は相互に、最大のオーバーラップ量OLに対応した径方向最大押圧力で径方向へ押し付けられて、これらの間のトランクション伝動容量を最大にすることができる。
なお最大のオーバーラップ量OLは、クランクシャフト偏心軸部16a(図2参照)の偏心量εと、上記オフセット量OSとの和値である。
逆に、クランクシャフト16をクランクシャフト回転角θ=180°の回転位置からθ=0°の回転位置まで回転操作することにより、クランクシャフト回転角θの低下につれ、ローラ間トランクション伝動容量を最大値から0まで連続変化させることができ、
ローラ間トランクション伝動容量をクランクシャフト16の回転操作により自在に制御し得る。
図2に示すごとく、出力軸15から遠いクランクシャフト16の図中右端を、シールリング34による液密封止下でハウジング11から外部に露出させる。
かかるクランクシャフト16の露出端面に同軸に対向するローラ間押し付け力制御モータ35をハウジング11に取着して設け、
モータ35の出力軸35aを、ハウジング11から露出しているクランクシャフト16の端面にセレーション嵌合などにより駆動結合する。
従ってローラ間押し付け力制御モータ35は、クランクシャフト16の回転操作を司るアクチュエータを構成する。
クランクシャフト16に近い出力軸15の内端にフランジ部15aを一体成形して設け、該フランジ部15aの直径を第2ローラ32と軸線方向に対面する大きさとなし、
これら出力軸フランジ部15aと、第2ローラ32との間を、偏心継手41により駆動結合する。
上記した図1,2に示す駆動力配分装置1の作用を以下に説明する。
変速機3からの出力トルクは図2の左端から軸12へ入力され、一方では、この入力軸12からそのままリヤプロペラシャフト4およびリヤファイナルドライブユニット5を経て左右後輪6L,6R(主駆動輪)に伝達される。
クランクシャフト16が第1ローラ31および第2ローラ32間にトランクション伝動容量を持たせる回転位置である間、以下のように四輪駆動走行を行わせることができる。
出力軸15に達したトルクは、図2において出力軸15の左端から、フロントプロペラシャフト7(図1参照)およびフロントファイナルドライブユニット8(図1参照)を経由し、左右前輪(従駆動輪)7L,7Rへ伝達される。
かくして車両は、左右後輪6L,6R(主駆動輪)および左右前輪(従駆動輪)7L,7Rの全てを駆動しての四輪駆動走行が可能である。
この四輪駆動走行中は、駆動力配分装置1が、上記のごとく左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を左右前輪(従駆動輪)7L,7Rへ分配して出力するため、
第1ローラ31および第2ローラ32間のトランクション伝動容量を、左右後輪6L,6R(主駆動輪)の駆動力と、前後輪目標駆動力配分比とから求め得る、左右前輪(従駆動輪)7L,7Rへ分配すべき目標前輪駆動力に対応させる必要がある。
そのためトランスファコントローラ51には、図2のごとくローラ間押し付け力制御モータ35に設けられてクランクシャフト16の回転角θを検出するクランクシャフト回転角センサ35からの信号を入力するほか、
エンジン2の出力を加減するアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)APOを検出するアクセル開度センサ52からの信号と、
左右後輪6L,6R(主駆動輪)の回転周速Vwrを検出する後輪速センサ53からの信号と、
車両の重心を通る鉛直軸線周りにおけるヨーレートφを検出するヨーレートセンサ54からの信号と、
トランスファコントローラ51からローラ間押し付け力制御モータ35への電流iを検出するモータ電流センサ55からの信号とを入力する。
なお電流iは、トランスファコントローラ51の内部信号から求め得るため、モータ電流センサ55を本実施例ではトランスファコントローラ51に内包させることとする。
目標前輪駆動力演算部60と、クランクシャフト回転角指令演算部70と、モータ制御入力演算部80と、クランクシャフト駆動トルク演算部90と、モータ制御出力特性取得部100とで構成する。
これら入力情報をもとに周知の要領で、前後輪目標駆動力配分比および現在の左右後輪駆動力を求めると共に、これらから左右前輪(従駆動輪)7L,7Rへ分配すべき目標前輪駆動力Tfを演算する。
後述のごとく学習により求められた、ローラ間径方向押圧力Frと、モータ35(アクチュエータ)の制御出力動作量であるクランクシャフト回転角θとの関係を表すモータ動作特性マップ(以下、マップAとも称する)をもとに、上記目標前輪駆動力Tf対応のローラ間径方向押圧力Frから、目標前輪駆動力Tfを伝達可能なトランクション伝動容量となすのに必要なクランクシャフト回転角指令値tθを求める。
更に、この目標モータ駆動トルクを発生させてクランクシャフト回転角指令値tθを達成するのに必要なモータ35のモータ電流指令値Iを演算し、このモータ電流指令値Iを当該モータ35に供給する。
なおモータ35(アクチュエータ)は、その制御入力であるモータ駆動電流iを、上記のモータ電流指令値Iに対し所定の応答で制御されるものとする。
この固定データが、製造上の寸法誤差やバラツキなどによりハードウェアの実情にマッチしていないときや、マッチしないことになったときに、以下のようにトランクション伝動容量制御が不正確になるという問題を生ずる。
このため、製造上不可避な寸法誤差やバラツキなどにより、クランクシャフト回転角指令演算部70で用いるモータ動作特性マップ(マップA)、および、モータ制御入力演算部80で用いるモータ駆動特性マップ(マップB)はそれぞれ、ハードウェアの実情から大きくかけ離れたものになることがある。
図4のモータ制御入力演算部80で用いるモータ駆動特性マップ(マップB)、つまり、クランクシャフト回転角θと、これを実現するのに必要なクランクシャフト回転操作トルク(クランクシャフト回転角実現駆動力)Tcoとの関係マップは、
図5に例示するごとく、クランクシャフト偏心量εのバラツキΔεが大きくなるにつれ、Δε=0のときの基準特性Dから矢で示す方向へずれ、また、オフセット量OSのバラツキΔOSが大きくなるにつれ、矢で示す方向へずれる。
バラツキΔεに伴って変化する特性線と、バラツキΔOSに伴って変化する特性線とを5種類ずつマップ化するとすれば、実際には、バラツキΔεに伴って変化する個々の特性線に対し、バラツキΔOSに伴って変化する特性線が5本ずつ存在し、合計25本のバラツキ特性線が存在する。
図6に例示するごとく、クランクシャフト偏心量εのバラツキΔεおよびオフセット量OSのバラツキΔOS伴う図5に示したモータ駆動特性マップ(マップB)の「ずれ」に呼応して、クランクシャフト偏心量εのバラツキΔεが大きくなるにつれ、Δε=0のときの基準特性Eから矢で示す方向へずれ、また、オフセット量OSのバラツキΔOSが大きくなるにつれ、矢で示す方向へずれる。
バラツキΔεに伴って変化する特性線と、バラツキΔOSに伴って変化する特性線とを5種類ずつマップ化するとすれば、図5につき上述した通り実際には、バラツキΔεに伴って変化する個々の特性線に対し、バラツキΔOSに伴って変化する特性線が5本ずつ存在し、合計25本のバラツキ特性線が存在する。
クランクシャフト回転角指令演算部70でモータ動作特性マップ(マップA)を基に求めたクランクシャフト回転角指令値tθが、目標前輪駆動力Tfを伝達するためのローラ間径方向押圧力Frの目標値に対し過不足を生じたり、
モータ制御入力演算部80でモータ駆動特性マップ(マップB)を基に求めたクランクシャフト回転操作トルクTco(モータ電流指令値I)が、クランクシャフト回転角指令値tθに対し過不足を生じ、
何れにしてもトランクション伝動容量が、目標前輪駆動力Tfを伝達するための目標容量に対し過不足を持ったものとなる。
図4に示すようにクランクシャフト駆動トルク演算部90、およびモータ制御出力特性取得部100を設ける。
クランクシャフト駆動トルク演算部90は、センサ55で検出したローラ間押し付け力制御モータ35のモータ駆動電流iを読み込み、この電流iでモータ35が駆動されたときにおけるクランクシャフト駆動トルクTcd(モータ35からクランクシャフト16への制御出力トルク)をマップ検索などにより求める。
これらを図7の二次元座標上にプロットして、同図に例示するような、クランクシャフト駆動トルクTcd(モータ35の制御出力トルク)と、クランクシャフト回転角θ(モータ35の制御出力動作量)との関係を表したモータ(アクチュエータ)制御出力特性マップ(以下、マップCとも称する)を取得する。
従ってモータ制御出力特性取得部100は、本発明におけるアクチュエータ制御出力特性取得手段に相当する。
クランクシャフト駆動トルクTcd(モータ35の制御出力トルク)が立ち上がり始めた時の制御出力トルク発生開始クランクシャフト回転角θstと、クランクシャフト回転角θ(モータ35の制御出力動作量)に対するクランクシャフト駆動トルクTcd(モータ35の制御出力トルク)の変化勾配(制御出力トルク変化勾配)αとから、現在のクランクシャフト偏心量εおよびオフセット量OSが判る。
従ってモータ制御出力特性取得部100は、本発明におけるアクチュエータ駆動特性学習手段をも構成する。
よってモータ制御出力特性取得部100は、モータ制御入力演算部80で用いるモータ駆動特性マップ(マップB)の上記学習に際し、このモータ駆動特性マップ(マップB)を図7のモータ制御出力特性マップ(マップC)に書き換えて学習してもよい。
従ってモータ制御出力特性取得部100は、本発明におけるアクチュエータ動作特性学習手段をも構成する。
クランクシャフト偏心量εのバラツキΔεに伴って変化する特性線と、オフセット量OSのバラツキΔOSに伴って変化する特性線とは、多い方が上記学習の精度が高くなるのは言うまでもない。
モータ(アクチュエータ)35によるクランクシャフト駆動トルクTcd(モータ35の制御出力トルク)と、クランクシャフト回転角θ(モータ35の制御出力動作量)との関係を表したモータ(アクチュエータ)制御出力特性マップ(マップC)を取得し、
この取得したモータ(アクチュエータ)制御出力特性マップ(マップC)に基づき、モータ(アクチュエータ)35の制御出力動作量(クランクシャフト回転角θ)とローラ間径方向相互押圧力Frとの関係(アクチュエータ動作特性:マップA)を学習し、
この学習したアクチュエータ動作特性マップ(マップA)を基に、目標とすべきトランクション伝動容量(目標前輪駆動力Tf)を実現するための目標ローラ間径方向相互押圧力Frから、モータ(アクチュエータ)35の目標制御出力動作量(クランクシャフト回転角指令値tθ)を求め、
このように求めた目標制御出力動作量(クランクシャフト回転角指令値tθ)だけモータ(アクチュエータ)35を動作させるため、
製造上の寸法誤差やバラツキなど(クランクシャフト偏心量εのバラツキや、ローラ間オフセット量OSのバラツキ)によりモータ(アクチュエータ)動作特性マップ(マップA)が実情にマッチしなくなくてトランクション伝動容量制御精度が低下する条件下でも、この精度低下を上記モータ(アクチュエータ)動作特性マップ(マップA)の学習により確実に防止してトランクション伝動容量制御精度を高く保つことができる。
上記のごとく取得したモータ(アクチュエータ)制御出力特性マップ(マップC)を基に、上記のモータ(アクチュエータ)駆動特性マップ(マップB)を学習するため、
製造上の寸法誤差やバラツキなど(クランクシャフト偏心量εのバラツキや、ローラ間オフセット量OSのバラツキ)によりモータ(アクチュエータ)駆動特性マップ(マップB)が実情にマッチしなくてトランクション伝動容量制御精度が低下する条件下でも、この精度低下を上記モータ(アクチュエータ)駆動特性マップ(マップB)の学習により確実に防止してトランクション伝動容量制御精度を高く保つことができる。
この学習に際して必要な、現在のクランクシャフト偏心量εおよびオフセット量OSに対応した特性の選択が簡単、且つ容易である。
なお上記実施例では、モータ制御入力演算部80がクランクシャフト回転角指令値tθからローラ間押し付け力制御モータ35への電流指令値Iを演算するに際し、モータ駆動特性マップ(マップB)を用いて、クランクシャフト回転角指令値tθを達成するのに必要なクランクシャフト回転操作トルク(クランクシャフト回転角実現駆動力)Tcoをモータ35(アクチュエータ)の目標駆動トルクとして求め、この目標モータ駆動トルクを発生させてクランクシャフト回転角指令値tθを達成するのに必要なモータ35のモータ電流指令値Iを演算することとしたが、これに代えて以下のようにモータ電流指令値Iを演算することもできる。
2 エンジン
3 変速機
4 リヤプロペラシャフト
5 リヤファイナルドライブユニット
6L,6R 左右後輪(主駆動輪)
7 フロントプロペラシャフト
8 フロントファイナルドライブユニット
9L,9R 左右前輪(従駆動輪)
11 ハウジング
12 入力軸
15 出力軸
16 クランクシャフト
16a 偏心軸部
31 第1ローラ
32 第2ローラ
35 ローラ間押し付け力制御モータ
36 クランクシャフト回転角センサ
41 偏心継手
51 トランスファコントローラ
52 アクセル開度センサ
53 後輪速センサ
54 ヨーレートセンサ
55 モータ電流センサ
60 目標前輪駆動力演算部
70 クランクシャフト回転角指令演算部(アクチュエータ目標動作量演算手段)
80 モータ制御入力演算部(アクチュエータ制御入力演算手段)
90 クランクシャフト駆動トルク演算部
100 モータ制御出力特性取得部(アクチュエータ制御出力特性取得手段、アクチュエータ動作特性学習手段、アクチュエータ駆動特性学習手段)
Claims (3)
- 主駆動輪へのトルク伝達経路を成す回転部材と共に回転する第1ローラと、
従駆動輪へのトルク伝達経路を成す回転部材と共に回転する第2ローラとの径方向相互押圧接触により得られるトランクション伝動によって、主従駆動輪間での駆動力配分を行うようにした駆動力配分装置に用いられ、
第2ローラをクランクシャフトの偏心軸部に回転自在に支持して該クランクシャフトの回転操作により、第1ローラおよび第2ローラ間の径方向相互押圧力を制御してトランクション伝動容量を制御するようにした装置において、
前記クランクシャフトの回転操作を司るアクチュエータの制御出力トルクと制御出力動作量との関係を取得するアクチュエータ制御出力特性取得手段と、
該手段で取得したアクチュエータ制御出力特性に基づき前記アクチュエータの制御出力動作量と前記ローラ間径方向相互押圧力との関係を学習するアクチュエータ動作特性学習手段と、
該手段で学習したアクチュエータ動作特性を基に、目標とすべきトランクション伝動容量を実現するための目標ローラ間径方向相互押圧力から、前記アクチュエータの目標制御出力動作量を演算するアクチュエータ目標動作量演算手段と、
該手段で求めた目標制御出力動作量だけ前記アクチュエータを動作させるためのアクチュエータ制御入力を求めてアクチュエータに指令するアクチュエータ制御入力演算手段とを具備してなることを特徴とする駆動力配分装置のトランクション伝動容量制御装置。 - 前記アクチュエータ制御入力演算手段が、前記アクチュエータの制御出力動作量と動作量実現駆動力との関係を表したアクチュエータ駆動特性を基に、前記アクチュエータの目標制御出力動作量を実現するための目標駆動力を演算し、該目標駆動力を発生させるための制御入力を前記アクチュエータに指令するものである、請求項1に記載の駆動力配分装置のトランクション伝動容量制御装置において、
前記アクチュエータ制御出力特性取得手段で取得したアクチュエータの制御出力トルクと制御出力動作量との関係を基に、前記アクチュエータ駆動特性を学習するアクチュエータ駆動特性学習手段を設け、
該手段で学習したアクチュエータ駆動特性を、前記アクチュエータ制御入力演算手段は前記目標駆動力の演算に資するものであることを特徴とする駆動力配分装置のトランクション伝動容量制御装置。 - 請求項1または2に記載の駆動力配分装置のトランクション伝動容量制御装置において、
前記アクチュエータ動作特性学習手段および/またはアクチュエータ駆動特性学習手段は、前記アクチュエータ制御出力特性取得手段で取得したアクチュエータ制御出力特性のうち、アクチュエータ制御出力トルクが立ち上がり始めた時の制御出力動作量と、アクチュエータ制御出力動作量に対するアクチュエータ制御出力トルクの変化勾配とを基に、前記アクチュエータ動作特性および/またはアクチュエータ駆動特性の学習を行うものであることを特徴とする駆動力配分装置のトランクション伝動容量制御装置。
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