JP2014019192A - 駆動力配分装置 - Google Patents

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永悟 坂上
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淳弘 森
Shunichi Mitsuishi
俊一 三石
Toru Takaishi
哲 高石
Katsuyoshi Ogawa
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Abstract

【課題】フェールセーフ性能を向上することができる駆動力配分装置を提案すること。
【解決手段】主駆動輪(左右後輪6L,6R)の伝動系と共に回転する第1ローラ31と、従駆動輪(左右前輪9L,9R)の伝動系と共に回転する第2ローラ32とを備え、これら第1ローラ31および第2ローラ32を両者の径方向において相互に押し付けることにより従駆動輪への駆動力配分が可能であると共に、ローラ間径方向押し付け力発生源(モータ35)の動力を用いて第2ローラ32を旋回させて、第1ローラ31と第2ローラ32の間の径方向押し付け力を加減することにより主駆動輪および従駆動輪間の駆動力配分を制御するようにした駆動力配分装置1において、通電されることでブレーキ力を発生して第2ローラ32の旋回位置を保持可能であると共に、非通電時にはブレーキ力を発生しないで第2ローラ32の旋回を許容する電磁ブレーキ59を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、四輪駆動車のトランスファーとして有用な駆動力配分装置、特に摩擦伝動式の駆動力配分装置に関するものである。
従来、摩擦伝動式の駆動力配分装置として、主駆動輪の伝動系に機械的に結合された第1ローラと、従駆動輪の駆動系に機械的に結合された第2ローラとを備え、これら第1ローラおよび第2ローラを両者の径方向において相互に押し付けることにより、主駆動輪へのトルクの一部を従駆動輪へ分配して出力させ得るようにしたものが知られている。かかる駆動力配分装置にあっては、第1ローラおよび第2ローラ間における径方向押し付け力を加減することにより、これらローラ間のトルク伝達容量、従って主駆動輪および従駆動輪間の駆動力配分を制御することができる。
この駆動力配分制御を行うための機構として特許文献1には、モータ等のローラ間径方向押し付け力発生源の動力を用いて第2ローラの回転軸を偏心軸線周りに旋回させることにより第2ローラを第1ローラに対し径方向へ相対変位させ、これにより第1ローラおよび第2ローラ間の径方向押し付け力、つまり主駆動輪および従駆動輪間の駆動力配分を制御し得るようにした構成が提案されている。この特許文献1に記載の駆動力配分装置は、従駆動輪への駆動力配分が必要な限りにおいて、ローラ間径方向押し付け力指令値が不変の一定値である間も継続的にローラ間径方向押し付け力発生源の動力を用いてローラ間径方向押し付け力を当該不変の一定指令値に保持しておくようにした場合、エネルギー損失が大きくなるという問題を解消すべく、ローラ間径方向押し付け力制御(主従駆動輪間駆動力配分制御)に悪影響が及ばない範囲で、当該制御のために消費するエネルギーを抑制することを図っている。具体的には、ローラ間径方向押し付け力の指令値に応答するローラ間径方向押し付け力発生源からの動力を不可逆下に伝達する不可逆伝動機構を設け、ローラ間径方向押し付け力指令値が不変の間はローラ間径方向押し付け力発生源の非作動によりローラ間径方向押し付け力を指令値に保持し得るようになす。
特開2012−11794号公報
しかし特許文献1に記載の構成では、システム失陥時に、不可逆伝動機構の作動によってローラ間径方向押し付け力が継続的に発生する場合があり、この場合、従駆動系の駆動負荷が増大して耐久性が低下するおそれがあるという問題があった。すなわち、特許文献1に記載の駆動力配分装置では、フェールセーフ性能を向上する余地が残されていた。本発明は、上記問題に着目したものであって、フェールセーフ性能を向上することができる駆動力配分装置を提案することを目的とする。
この目的のため本発明の駆動力配分装置は、これを以下のように構成する。先ず前提となる駆動力配分装置を説明すると、これは、主駆動輪伝動系と共に回転する第1ローラと、従駆動輪伝動系と共に回転する第2ローラとを備え、これら第1ローラおよび第2ローラを両者の径方向において相互に押し付けることにより従駆動輪への駆動力配分が可能であると共に、ローラ間径方向押し付け力発生源の動力を用いて第1ローラまたは第2ローラを旋回させて、これらローラ間の径方向押し付け力を加減することにより主駆動輪および従駆動輪間の駆動力配分を制御するようにしたものである。本発明は、かかる駆動力配分装置に対し以下のような電磁ブレーキを設けた構成に特徴づけられる。すなわち、この電磁ブレーキは、通電されることでブレーキ力を発生して第1ローラまたは第2ローラの旋回位置を保持可能であると共に、非通電時にはブレーキ力を発生しないで第1ローラまたは第2ローラの旋回を許容する。
かかる本発明の駆動力配分装置によれば、以下の作用効果が奏し得られる。つまり、例えばローラ間径方向押し付け力指令値が不変の間は、電磁ブレーキが通電されることでブレーキ力を発生して第1ローラまたは第2ローラの旋回位置を保持することにより、ローラ間径方向押し付け力発生源を非作動としても、ローラ間径方向押し付け力を指令値に保持し得る。そして、電磁ブレーキが非通電時にはブレーキ力を発生しないで第1ローラまたは第2ローラの旋回を許容することにより、システム失陥時にローラ間径方向押し付け力が継続的に発生するような事態を回避することができる。これにより、前記した従駆動系の駆動負荷の増大に伴う問題を回避し、フェールセーフ性能を向上することができる。
本発明の一実施例になる駆動力配分装置を備えた四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。 図1における駆動力配分装置の縦断側面図である。 図2に示す駆動力配分装置で用いたクランクシャフトを示す縦断正面図である。 図2に示す駆動力配分装置の動作説明図で、 (a)は、クランクシャフト回転角が基準点の0°である位置における第1ローラおよび第2ローラの離間状態を示す動作説明図、 (b)は、クランクシャフト回転角が90°であるときにおける第1ローラおよび第2ローラの接触状態を示す動作説明図、 (c)は、クランクシャフト回転角が180°であるときにおける第1ローラおよび第2ローラの接触状態を示す動作説明図である。
以下、本発明の実施の形態を、図示の実施例に基づき詳細に説明する。
[実施例1]
図1は、本発明の一実施例になる駆動力配分装置1をトランスファーとして備えた四輪駆動車両のパワートレーンを、車両上方から見て示す概略平面図である。この四輪駆動車両は、エンジン2からの回転を変速機3による変速後、リヤプロペラシャフト4およびリヤファイナルドライブユニット5を順次経て左右後輪6L,6Rに伝達するようにした後輪駆動車をベース車両とする。そして、左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を、駆動力配分装置1により、フロントプロペラシャフト7およびフロントファイナルドライブユニット8を順次経て左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ伝達することにより、四輪駆動走行が可能となるようにした車両である。
駆動力配分装置1は、上記のごとく左右後輪6L,6Rへのトルクの一部を左右前輪9L,9Rへ分配して出力することにより、左右後輪(主駆動輪)6L,6Rおよび左右前輪(従駆動輪)9L,9R間の駆動力配分比を決定するもので、本実施例においては、この駆動力配分装置1を図2に示すように構成する。図2は、図1における駆動力配分装置1の縦断側面図である。図2において11は、駆動力配分装置1のハウジングを示し、このハウジング11内に入力軸12および出力軸13を、それぞれの回転軸線O1およびO2が非平行となるよう相互に傾斜させて横架する。入力軸12は、その両端におけるボールベアリング14,15によりハウジング11に対し回転自在に支承する。入力軸12の両端をそれぞれ、シールリング25,26による液密封止下でハウジング11から突出させる。図2において入力軸12の左端を変速機3(図1参照)の出力軸に駆動結合し、右端はリヤプロペラシャフト4(図1参照)を介してリヤファイナルドライブユニット5に駆動結合する。
入力軸12および出力軸13の両端近くにそれぞれ配して、これら入出力軸12,13間に一対のベアリングサポート16,17を架設し、これらベアリングサポート16,17をそれぞれの中程で、ボルト(図示せず)によりハウジング11の軸線方向対向内壁に取着する。このベアリングサポート16,17は、入力軸12が貫通する入力軸貫通孔16a,17aと、出力軸13および後述するクランクシャフト51L,51Rが貫通する出力軸貫通孔16c,17cと、入力軸貫通孔16a,17aと出力軸貫通孔16c,17cとの間をつなぐ縦壁16b,17bとを有し、軸方向正面視において略メガネ形状である。
ベアリングサポート16,17と入力軸12との間にはローラベアリング21,22を介在させ、これにより入力軸12をベアリングサポート16,17に対し回転自在となすことで、ベアリングサポート16,17を介しても入力軸12をハウジング11内に回転自在に支持する。ベアリングサポート16,17間(ローラベアリング21,22間)における入力軸12の軸線方向中程位置に第1ローラ31を入力軸12と同軸に設置する。この第1ローラ31に動力伝達可能に作動油を介して摩擦接触し得るよう配して、出力軸13の軸線方向中程位置に第2ローラ32を出力軸13と同軸に設置する。これら第1ローラ31および第2ローラ32の外周面31a,32aは、入力軸12および出力軸13の前記した傾斜に関わらず相互に線接触し得るような円錐テーパ面とする。第1ローラ31および第2ローラ32の径方向延在部の両側にはスラストベアリング31cL,31cRおよび32cL,32cRと当接し、このスラストベアリング31cL,31cRおよび32cL,32cRを径方向に保持する保持溝31b,32bが形成されている。スラストベアリング31cL,31cRはベアリングサポート16,17の側壁16a1,17a1と当接することで第1ローラ31の軸方向位置決めを行う。一方、スラストベアリング32cL,32cRは、後述するクランクシャフト51L,51Rのローラ側当接部51Ld,51Rdと当接することで第2ローラ32の軸方向位置決めを行う。
出力軸13は、両端13L,13Rの近くにおけるベアリングサポート16,17に対し旋回可能に支承することで、これらベアリングサポート16,17を介してハウジング11内に旋回可能に支持する。このように出力軸13(13L,13R)をベアリングサポート16,17に対し旋回可能に支承するに当たっては、以下のような偏心支承構造を用いる。
出力軸13(13L,13R)と、これが貫通するベアリングサポート16,17との間にそれぞれ、中空アウターシャフト型式のクランクシャフト51L,51Rを遊嵌する。クランクシャフト51Lおよび出力軸13(13L)をそれぞれ図2の左端においてハウジング11から突出させ、該突出部においてハウジング11およびクランクシャフト51L間にシールリング27を介在させると共に、クランクシャフト51L および出力軸13(13L)間にシールリング28を介在させることにより、ハウジング11から突出するクランクシャフト51Lおよび出力軸13(13L)の突出部をそれぞれ液密封止する。ハウジング11から突出する出力軸13の左端13Lは、フロントプロペラシャフト7(図1参照)およびフロントファイナルドライブユニット8を介して左右前輪9L,9Rに駆動結合する。
クランクシャフト51L,51Rの中空孔51La,51Ra(半径Ri)と、出力軸13の対応端部13L,13Rとの間にそれぞれローラベアリング52L,52Rを介在させて、出力軸13(13L,13R)をクランクシャフト51L,51Rの中空孔51La,51Ra内で、これらの中心軸線O2の周りに自由に回転し得るよう支持する。
図3は、図2に示す駆動力配分装置1で用いたクランクシャフト51L,51Rを示す縦断正面図である。図3に明示するごとく、中空孔51La,51Ra(中心軸線O2)はクランクシャフト51L,51Rの外周部51Lb,51Rb(中心軸線O3、半径Ro)に対し偏心させた偏心中空孔とし、これら偏心中空孔51La,51Raの中心軸線O2は外周部51Lb,51Rbの中心軸線O3から、両者間の偏心分εだけオフセットしている。クランクシャフト51L,51Rの外周部51Lb,51Rbはそれぞれ、ラジアルベアリングであるローラベアリング53L,53Rを介して対応する側におけるベアリングサポート16,17の出力軸貫通孔16c,17cの内周に回転自在に支持する。また、クランクシャフト51L,51Rのローラ側当接部51Ld,51Rdがスラストベアリング32cL,32cRにより回転自在に支持される。更に、このスラストベアリング32cL,32cRよりも軸方向外側にスラストベアリング54L,54Rが配置されている。このスラストベアリング54L,54Rはスペーサ60L,60Rと回転自在に当接すると共に、後述するリングギヤ51Lc,51Rcと回転自在に当接し、これによりクランクシャフト51L,51Rを回転自在に支持する。
スペーサ60L,60Rは、縦壁16b,17bの第2ローラ32側に面した壁面16b1,17b1と当接すると共に出力軸貫通孔16c,17cの内周面よりも内径側であってクランクシャフト51L,51Rに接触しない位置まで延在された第1スペーサ部61L,61Rと、出力軸貫通孔16c,17c内に挿入可能に延在された第2スペーサ部62L,62R(延在部)とを有する。そして、この第2スペーサ部62L,62Rの外周と、出力軸貫通孔16c,17cの内周面との間で当接させてスペーサ60L,60Rの径方向位置決めを行うと共に、ローラベアリング53L,53Rとスラストベアリング54R,54Lとの相互干渉を回避する。
クランクシャフト51L,51Rの相互に向き合う隣接端にそれぞれ、同仕様のリングギヤ51Lc,51Rcを一体に設け、これらリングギヤ51Lc,51Rcにそれぞれ、共通なクランクシャフト駆動ピニオン55を噛合させ、このクランクシャフト駆動ピニオン55をピニオンシャフト56に結合する。なお、上記のごとくリングギヤ51Lc,51Rcにクランクシャフト駆動ピニオン55を噛合させるに当たっては、クランクシャフト51L,51Rを両者の外周部51Lb,51Rbが円周方向において相互に整列して同位相となる回転位置にした状態で、当該リングギヤ51Lc,51Rcに対するクランクシャフト駆動ピニオン55の噛合を行わせる。
ピニオンシャフト56は、その両端を軸受56a,56bによりハウジング11に対し回転自在に支持する。図2におけるピニオンシャフト56の右端側には、大径出力ギヤ57bが固定されている。この大径出力ギヤ57bの外径側には、大径出力ギヤ57bの歯面の凹凸を検知して大径出力ギヤ57bの回転角を検出する磁気式センサであるクランクシャフト回転角センサ115が設けられている。大径出力ギヤ57bは小径出力ギヤ57aと噛合する。この小径出力ギヤ57aは、小径出力ギヤシャフト57a1と一体形成されている。小径出力ギヤシャフト57a1は、図2の左端側においてモータ35の出力軸であるモータ駆動軸58aに組み付けられ、モータ駆動軸58aと一体回転する。モータ35は、ローラ間径方向押し付け力発生源としての電動モータである。小径出力ギヤシャフト57a1の図2の右端側には、この小径出力ギヤシャフト57a1の回転を固定可能な電磁ブレーキ59を設ける。
リングギヤ51Lc,51Rcおよびクランクシャフト駆動ピニオン55、並びに大径出力ギヤ57bおよび小径出力ギヤ57aは、モータ35とクランクシャフト51L,51Rとの間に設けられた減速ギヤを構成する。これらの減速ギヤは可逆性を有しており、モータ35の動力により正回転すると共に、モータ35の非作動時にはローラ間径方向押し付け力の反力により逆回転することが可能に設けられている。具体的には、リングギヤ51Lc,51Rcおよびクランクシャフト駆動ピニオン55、並びに大径出力ギヤ57bおよび小径出力ギヤ57aは、平歯車やはすば歯車等の可逆的なギヤにより構成されている。
図4は、図2に示す駆動力配分装置1の動作説明図である。モータ35は、その動力により上記減速ギヤを介しクランクシャフト51L,51Rを回転させる。クランクシャフト51L,51Rは回転することで第2ローラ32を旋回させる。具体的には、クランクシャフト51L,51Rが回転すると、出力軸13および第2ローラ32の回転軸線O2が、図3に破線で示す軌跡円αに沿って中心軸線Oの周りに旋回する。クランクシャフト51L,51Rの回転角基準点(クランクシャフト回転角θ=0°)を、例えば、図4(a)に示すごとく第2ローラ回転軸線O2がクランクシャフト回転軸線O3の直下に位置し、第1ローラ31および第2ローラ32の軸間距離L1が最大となる下死点とする。本実施例では、トラクション伝動容量を、下死点(θ=0°)での0と、図4(c)に示す上死点(θ=180°)で得られる最大値との間で、任意に制御することができる。
すなわち、上記下死点でのローラ軸間距離L1を、第1ローラ31の半径と第2ローラ32の半径との和値よりも大きくする。これにより当該クランクシャフト回転角θ=0°の下死点においては、第1ローラ31および第2ローラ32が相互に径方向へ押し付けられることがない(ローラ31,32間でトラクション伝動が行われない:トラクション伝動容量=0の状態)。一方、軌跡円αに沿った回転軸線O2(第2ローラ32)の旋回により第2ローラ32は、第1ローラ31に対し径方向へ接近する。これら第1ローラ31および第2ローラ32のローラ軸間距離L1は、クランクシャフト51L,51Rの回転角θの増大につれ、第1ローラ31の半径と第2ローラ32の半径との和値よりも小さくなることが可能に設けられている。かかるローラ軸間距離L1の低下により、第1ローラ31に対する第2ローラ32の径方向押し付け力(押圧力)が大きくなる。このようにローラ軸間距離L1の低下度合いに応じてローラ間径方向押し付け力(ローラ間伝達トルク容量:トラクション伝動容量)、つまり駆動力配分比を任意に制御することができる。すなわち、ローラ31,32が径方向相互押し付け力に応じたローラ間伝達トルク容量を持つことから、このトルク容量に応じて、左右後輪6L,6R(主駆動輪)へのトルクの一部を、第1ローラ31から第2ローラ32を経て出力軸13に向かわせ、左右前輪9L,9R(従駆動輪)をも駆動することができる。かくして車両は、左右後輪6L,6Rおよび左右前輪9L,9Rの全てを駆動しての四輪駆動走行が可能である。
なお、上記トラクション伝動は、滑らかな一対の転動体である第1ローラ31と第2ローラ32を相互に径方向に押し付けることでできる弾性変形接触部に作動油を閉じ込め、この作動油の剪断応力により接線方向(ローラ回転方向)の力を伝えるものである。よって、作動油は、限界剪断応力の大きなもの(例えばナフテン系の油)を用いることが好ましい。
このような四輪駆動走行中、クランクシャフト51L,51Rの回転角θが図4(b)に示すごとく例えば90°であって、第1ローラ31および第2ローラ32が相互に、この時のオフセット量OSに対応した径方向押し付け力で押し付けられて(作動油を介して)摩擦接触している場合、これらローラ間のオフセット量OSに対応したトラクション伝動容量で左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへの動力伝達が行われる。そして、クランクシャフト51L,51Rを図4(b)の位置から、図4(c)に示すクランクシャフト回転角θ=180°の上死点に向け回転操作してクランクシャフト回転角θを増大させるにつれ、ローラ軸間距離L1が更に減少して第1ローラ31および第2ローラ32の相互オーバーラップ量OLが増大する結果、第1ローラ31および第2ローラ32は径方向相互押し付け力を増大され、これらローラ間のトラクション伝動容量を増大させることができる。クランクシャフト51L,51Rが図4(c)の上死点位置に達すると、第1ローラ31および第2ローラ32は相互に、最大のオーバーラップ量OLに対応した径方向最大押し付け力で径方向へ押し付けられて、これらの間のトラクション伝動容量を最大にすることができる。なお最大のオーバーラップ量OLは、第2ローラ回転軸線O2およびクランクシャフト回転軸線O3間の偏心量εと、図4(b)につき上記したオフセット量OSとの和値である。
以上の説明から明らかなように、クランクシャフト51L,51Rをクランクシャフト回転角θ=0°の回転位置から、クランクシャフト回転角θ=180°の回転位置まで回転操作することにより、クランクシャフト回転角θの増大につれ、ローラ間トラクション伝動容量を0から最大値まで連続変化させることができる。また逆に、クランクシャフト51L,51Rをクランクシャフト回転角θ=180°の回転位置から、θ=0°の回転位置まで回転操作することにより、クランクシャフト回転角θの低下につれ、ローラ間トラクション伝動容量を最大値から0まで連続変化させることができ、ローラ間トラクション伝動容量をクランクシャフト51L,51Rの回転操作により自在に制御し得る。
モータ35が双方向に回転することで、クランクシャフト51L,51Rが可逆的に回転し、第2ローラ32の旋回方向が切り替る。モータ35の駆動を制御することで、クランクシャフト51L,51Rの回転位置(第2ローラ32の旋回位置)が制御される。すなわち、モータ35は、ローラ間押し付け力制御モータである。クランクシャフト51L,51R、ピニオンシャフト56、大径出力ギヤ57b、小径出力ギヤ57a、小径出力ギヤシャフト57a1およびモータ35は、第1ローラ31に対する第2ローラ32の径方向押し付け力を加減する加減機構を構成する。ローラ間径方向押し付け力(トラクション伝動容量)の発生中、第2ローラ32および上記加減機構には、上記径方向押し付け力の反力(反力トルク)が作用する。この反力は、上記径方向押し付け力に従い、クランクシャフト回転角θが0°〜90°近傍である間は0となり、クランクシャフト回転角θが90°近傍〜180°である間はθの増大に応じて増加し、クランクシャフト回転角θが180°になるとき最大値となる。なお、上記反力は、第1ローラ31および第2ローラ32に共通な回転支持板であるベアリングサポート16,17で受け止められ、ハウジング11に達することがない。
電磁ブレーキ59は、コイル59aに通電することによって発生する電磁力を用いて動作し(締結・解放状態を切り替え)、締結することで回転部材(小径出力ギヤシャフト57a1)の回転の制動ないし停止状態の保持を行うことが可能な装置であり、非通電時に解放状態となるノーマリオープンタイプある。電磁ブレーキ59は、電磁力を発生させるコイル59aと、コイル59aを収容すると共にハウジング11に固定されたヨーク59bと、小径出力ギヤシャフト57a1の右端に固定(ボルト締結)されたプレート59cと、所定の軸方向隙間(エアギャップ)CLを介してヨーク59bの軸方向端面に対向するようにプレート59cの(外周側の)一側面に固定されたアーマチュア59dとを有する。プレート59cは(小径出力ギヤシャフト57a1に固定されていない外周側の自由端が)軸方向に撓むことが可能に設けられた弾性部材である。
コイル59aに通電することでヨーク59bとアーマチュア59dに磁気回路が形成され、アーマチュア59dをヨーク59b側に吸引する磁気吸引力が発生する。アーマチュア59dがヨーク59b側に吸引されるとプレート59b(の外周側)が撓んでアーマチュア59dが軸方向に移動し、ヨーク59bの軸方向端面に接触することで、電磁ブレーキ59がオン(締結状態)となる。この状態で、アーマチュア59dとヨーク59bとの摩擦接触力により、小径出力ギヤシャフト57a1の回転が規制される。上記摩擦接触力(ブレーキトルク)の大きさは、上記磁気吸引力(通電量)の大きさに比例する。一方、コイル59aの非通電時には上記磁気吸引力が発生せず、プレート59bの弾性力により上記隙間CLが保たれるため、電磁ブレーキ59がオフ(解放状態)となる。この状態では小径出力ギヤシャフト57a1の回転が規制されない。電磁ブレーキ59がオン(締結状態)の場合、ピニオンシャフト56側に反力トルクが作用したとしてもピニオンシャフト56を固定することができ、所望のローラ軸間距離を維持することができる。言い換えると、電磁ブレーキ59はクランクシャフト51L,51Rの回転角の保持機構である。一方、電磁ブレーキ59がオフ(解放状態)の場合、モータ35が動力を発生している作動時には、モータ35の回転動作をピニオンシャフト56に伝達できるため、所望のローラ軸間距離L1を達成できると共に、モータ35が動力を発生していない非作動時には、ローラ間径方向押し付け力の反力と加減機構(減速ギヤ)の可逆性とにより、ローラ軸間距離L1が大きくなる方向にクランクシャフト51L,51Rが回転し、ローラ間径方向押し付け力が自動的にゼロとなることが可能に設けられている。
<トラクション伝動容量制御>
上記した四輪駆動走行中は駆動力配分装置1が、上記のごとく左右後輪(主駆動輪)6L,6Rへのトルクの一部を左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ分配して出力するため、第1ローラ31および第2ローラ32間のトラクション伝動容量を、左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ分配すべき目標前輪駆動力に対応させる必要がある。目標前輪駆動力は、左右後輪6L,6R(主駆動輪)の駆動力および前後輪目標駆動力配分比から求め得る。この要求にかなうトラクション伝動容量制御のために本実施例においては、図1に示すようにトランスファーコントローラ111を設け、これによりモータ35の回転位置制御(クランクシャフト回転角θの制御)を行うものとする。
そのためトランスファーコントローラ111には、エンジン2の出力を加減するアクセルペダル踏み込み量(アクセル開度APO)を検出するアクセル開度センサ112からの信号と、左右後輪6L,6R(主駆動輪)の回転周速Vwrを検出する後輪速センサ113からの信号と、車両の重心を通る鉛直軸線周りにおけるヨーレートφを検出するヨーレートセンサ114からの信号と、クランクシャフト51L,51Rの回転角θを検出するクランクシャフト回転角センサ115からの信号と、駆動力配分装置1(ハウジング11)内における作動油の温度TEMPを検出する油温センサ116からの信号を入力する。
トランスファーコントローラ111は、上記した各センサ112〜116の検出情報を基に、駆動力配分装置1のトラクション伝動容量制御(四輪駆動車両の前後輪駆動力配分制御)を概略以下のように行う。先ずトランスファーコントローラ111は、アクセル開度APO、後輪速Vwr、およびヨーレートφに基づき、左右後輪6L,6R(主駆動輪)の駆動力および前後輪目標駆動力配分比を周知の要領で求める。次にトランスファーコントローラ111は、これら左右後輪6L,6R(主駆動輪)の駆動力および前後輪目標駆動力配分比から、左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ分配すべき目標前輪駆動力を求める。
更にトランスファーコントローラ111は、第1ローラ31および第2ローラ32がこの目標前輪駆動力を伝達するのに必要なローラ間径方向押し付け力(第1ローラ31および第2ローラ32間のトラクション伝動容量)をマップ検索などにより求め、このローラ間径方向押し付け力(トラクション伝動容量)の指令値を実現するのに必要なクランクシャフト51L,51R(図2,3参照)の回転角目標値tθ、つまり第2ローラ回転軸線O2の目標旋回位置を演算する。そしてトランスファーコントローラ111は、センサ115で検出したクランクシャフト回転角θおよび上記のクランクシャフト回転角目標値tθ間におけるクランクシャフト回転角偏差に応じ、クランクシャフト回転角θがクランクシャフト回転角目標値tθに一致するよう、モータ35を駆動制御する。当該モータ35の駆動制御によりクランクシャフト51L,51Rの回転角θが目標値tθに一致することで、第1ローラ31および第2ローラ32は上記の目標前輪駆動力を伝達可能な程度だけ相互に径方向に押圧され、第1ローラ31および第2ローラ32間のトラクション伝動容量を前後輪目標駆動力配分比となるよう制御することができる。
また、トランスファーコントローラ111は、以下の要領で、電磁ブレーキ59の締結制御を併せて行うものとする。すなわち、クランクシャフト回転角θがクランクシャフト回転角目標値tθに一致(ローラ間径方向押し付け力が指令値に一致)した後は、ローラ間径方向押し付け力の指令値が不変の一定値を保っている限りにおいて、コイル59aに所定の電流を通電して電磁ブレーキ59を締結すると共に、モータ35の駆動制御(モータ35への通電)を終了する。その後、ローラ間径方向押し付け力指令値が変化すると、モータ35の駆動制御(モータ35への通電)を再開すると共に、コイル59aへの通電を終了して電磁ブレーキ59を解放する。このように電磁ブレーキ59を締結した後にモータ35を非作動状態とし、またはモータ35を作動状態とした後に電磁ブレーキ59を解放することで、クランクシャフト51L,51Rのトルクの抜けを防止し、第2ローラ32の旋回位置の変動を抑制することができる。
<作用>
上述した駆動力配分装置1の作用を以下に説明する。
従駆動輪への駆動力配分が必要な限りにおいて、ローラ間径方向押し付け力指令値が不変の一定値である間も継続的にローラ間径方向押し付け力発生源の動力を用いてローラ間径方向押し付け力を当該不変の一定指令値に保持しておくようにした場合、エネルギー損失が大きくなる。この問題を解消すべく、ローラ間径方向押し付け力発生源からの動力を不可逆下に伝達する不可逆伝動機構を設け、ローラ間径方向押し付け力指令値が不変の間は、ローラ間径方向押し付け力発生源を非作動状態としても不可逆伝動機構によりローラ間径方向押し付け力を指令値に保持し得るようになした技術が知られている(特許文献1)。しかし、この従来技術の構成では、システム失陥時に、不可逆伝動機構の作動によってローラ間径方向押し付け力が継続的に発生する場合があり、この場合、従駆動系の駆動負荷が増大して耐久性が低下するおそれがある。
これに対し、本実施例1の駆動力配分装置1では、ローラ間径方向押し付け力指令値が不変の間は、電磁ブレーキ59に通電してオン(締結状態)とすることでブレーキ力を発生し、第2ローラ32(第2ローラ回転軸線O2)の旋回位置を保持することにより、モータ35を非作動状態としても、ローラ間径方向押し付け力を指令値に保持し得る。これにより、従来技術と同様、駆動力配分制御中でもモータ35を非作動にしておく時間、すなわち駆動力配分制御のために消費するエネルギーをゼロにしておく時間を生じさせることができるため、継続的にモータ35の動力を用いてローラ間径方向押し付け力を指令値に保持する場合に比べ、消費するエネルギー(電力消費量)を抑制することができる。なお、本出願人による検証の結果、ローラ間径方向押し付け力を保持するため、電磁ブレーキ59を用いる場合には、モータ35の動力を用いて保持した場合に比べ、必要な電流の大きさが略1/60で済むことが判った。
なお、直進中で、かつABS(車輪制動ロック防止制御)やVDC(車両挙動安定化制御)のいずれも作動していないときのように、高精度な駆動力配分制御が要求されない運転状態では、低分解能なローラ間径方向押し付け力指令値(低分解能なマップ)を用いてモータ35を制御することとしてもよい。この場合、ローラ間径方向押し付け力指令値が不変の一定値である時間、すなわち(電磁ブレーキ59を締結しつつ)モータ35を非作動にしておく時間が長くなるため、上記エネルギー抑制効果を向上できる。
そして、四輪駆動走行中、システム失陥時(トランスファーコントローラ111等の制御系や電源系の失陥時)には、電磁ブレーキ59を非通電状態とし、ブレーキ力を発生しない。すなわち、上記のように消費エネルギー抑制のため電磁ブレーキ59の締結を指令している状態であっても、システム失陥時には電流遮断により電磁ブレーキ59がオフ(解放状態)となる。また、このときモータ35は非作動状態とされている。よって、第2ローラ32の旋回が許容され、ローラ間径方向押し付け力の反力により、ローラ軸間距離L1が大きくなる方向にクランクシャフト51L,51Rが回転し、ローラ間径方向押し付け力が自動的にゼロとなる。言い換えると、左右前輪(従駆動輪)9L,9Rへ配分される駆動力がゼロとなり、二輪駆動走行へ移行する。これにより、前記した従駆動系の駆動負荷の増大に伴う問題を回避することができる。すなわち、システム失陥時にローラ間径方向押し付け力が継続的に発生するような事態を回避して、従来技術に比べフェールセーフ性能を向上することができる。
<効果>
以上説明したように、本実施例にあっては下記に列挙する効果が得られる。
(1)主駆動輪(左右後輪6L,6R)の伝動系と共に回転する第1ローラ31と、従駆動輪(左右前輪9L,9R)の伝動系と共に回転する第2ローラ32とを備え、これら第1ローラ31および第2ローラ32を両者の径方向において相互に押し付けることにより従駆動輪(左右前輪9L,9R)への駆動力配分が可能であると共に、ローラ間径方向押し付け力発生源(モータ35)の動力を用いて第2ローラ32を旋回させて、第1ローラ31と第2ローラ32の間の径方向押し付け力を加減することにより主駆動輪(左右後輪6L,6R)および従駆動輪(左右前輪9L,9R)間の駆動力配分を制御するようにした駆動力配分装置1において、通電されることでブレーキ力を発生して第2ローラ32の旋回位置を保持可能であると共に、非通電時にはブレーキ力を発生しないで第2ローラ32の旋回を許容する電磁ブレーキ59を設けた。
よって、ローラ間径方向押し付け力発生源(モータ35)を非作動としつつ電磁ブレーキ59のブレーキ力により第2ローラ32の旋回位置を保持することで、ローラ間径方向押し付け力制御を介した駆動力配分制御を少ないエネルギー消費で行い得ると共に、電磁ブレーキ59が非通電時にブレーキ力を発生せず第2ローラ32の旋回を許容することで、システム失陥時にローラ間径方向押し付け力が継続的に発生するような事態を回避して、フェールセーフ性能を向上することができる。
(2)ローラ間径方向押し付け力発生源は電動モータ(モータ35)である。
よって、モータ35を非作動としつつ電磁ブレーキ59により第2ローラ32の旋回位置を保持することで、ローラ間径方向押し付け力制御を介した駆動力配分制御を少ない電力消費で行い得る。
(3)回転することで第2ローラ32を旋回させるクランクシャフト51L,51Rと、電動モータ(モータ35)とクランクシャフト51L,51Rとの間に設けられた減速ギヤ(リングギヤ51Lc,51Rcおよびクランクシャフト駆動ピニオン55、並びに大径出力ギヤ57bおよび小径出力ギヤ57a)とを備え、クランクシャフト51L,51Rおよび減速ギヤは可逆性を有する。
よって、システム失陥時に電磁ブレーキ59がブレーキ力を発生しなくなると、ローラ間径方向押し付け力の反力とクランクシャフト51L,51Rおよび減速ギヤの上記可逆性とにより、ローラ軸間距離L1が大きくなる方向にクランクシャフト51L,51Rが回転し、ローラ間径方向押し付け力が自動的にゼロとなるため、フェールセーフ性能を向上することができる。
<他の実施例>
以上、本発明を実施するための形態を、図面に基づく実施例により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、実施例では、摩擦電動式の駆動力配分装置として、ローラ31,32間を作動油を介して摩擦接触させ、この作動油の剪断応力によりトルクを伝達するものを示したが、これに限らず、例えばローラ同士を直接摩擦接触させ、ローラ間の摩擦力によりトルクを伝達するものであってもよい。
実施例では、クランクシャフト51L,51Rの回転により第2ローラ32を旋回させることとしたが、第1ローラ31を旋回させるクランクシャフトを設け、第1ローラ31を旋回させることでローラ間径方向押し付け力を加減するようにしてもよい。

また、電磁ブレーキ59の構成は実施例のものに限られない。例えば、小径出力ギヤシャフト57a1に固定したプレート59cの弾性変形によりアーマチュア59dとヨーク59bを接触させるのではなく、小径出力ギヤシャフト57a1に対して(スプライン嵌合等により)軸方向に移動可能にプレート59cを設置し、このプレート59cとは別に設けたばね等の付勢部材によりプレート59c(アーマチュア59d)をヨーク59bから離間する方向に付勢することとしてもよい。要は、電磁ブレーキ59は、ローラ間径方向押し付け力を指令値に保持するために必要なエネルギー(電力)がローラ間径方向押し付け力発生源(モータ35)よりも少なく、かつノーマリオープンタイプのものであればよい。また、電磁ブレーキ59の設置箇所は実施例1のものに限らず、モータ35とクランクシャフト51L,51Rとの間の任意の位置に電磁ブレーキ59を設置可能である。例えば、モータ35と一体に電磁ブレーキ59を設けてもよい。
また、モータ35とクランクシャフト51L,51Rとの間に設けられる減速ギヤは、原動側と従動側が入れ替わっても回転できる可逆性を有していればよく、平歯車やはすば歯車等以外のギヤにより減速ギヤを構成してもよい。
1 駆動力配分装置
6L,6R 左右後輪(主駆動輪)
9L,9R 左右前輪(従駆動輪)
31 第1ローラ
32 第2ローラ
35 モータ(電動モータ、ローラ間径方向押し付け力発生源)
51L,51R クランクシャフト
51Lc,51Rc リングギヤ(減速ギヤ)
55 クランクシャフト駆動ピニオン(減速ギヤ)
57a 小径出力ギヤ(減速ギヤ)
57b 大径出力ギヤ(減速ギヤ)
59 電磁ブレーキ

Claims (3)

  1. 主駆動輪伝動系と共に回転する第1ローラと、従駆動輪伝動系と共に回転する第2ローラとを備え、
    前記第1ローラおよび前記第2ローラを両者の径方向において相互に押し付けることにより前記従駆動輪への駆動力配分が可能であると共に、ローラ間径方向押し付け力発生源の動力を用いて前記第1ローラまたは前記第2ローラを旋回させて、これらローラ間の径方向押し付け力を加減することにより前記主駆動輪および前記従駆動輪間の駆動力配分を制御するようにした駆動力配分装置において、
    通電されることでブレーキ力を発生して前記第1ローラまたは前記第2ローラの旋回位置を保持可能であると共に、非通電時にはブレーキ力を発生しないで前記第1ローラまたは前記第2ローラの旋回を許容する電磁ブレーキを設けた
    ことを特徴とする駆動力配分装置。
  2. 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
    前記ローラ間径方向押し付け力発生源は電動モータであることを特徴とする駆動力配分装置。
  3. 請求項2に記載の駆動力配分装置において、
    回転することで前記第1ローラまたは前記第2ローラを旋回させるクランクシャフトと、
    前記電動モータと前記クランクシャフトとの間に設けられた減速ギヤとを備え、
    前記クランクシャフトおよび前記減速ギヤは可逆性を有する
    ことを特徴とする駆動力配分装置。
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