JP2014069130A - 移動床式濾過槽、及び浄化槽 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアリフトポンプPは、濾材23が移動可能な揚水路25を形成する水路壁26と、濾材流入口32と、濾材吐出口と、揚水路25に空気を供給する空気供給手段とを有し、濾材流入口32の外周側上方には庇30が設けられ、庇30の下端と槽底部との間の最小距離Sminと、濾材流入口32と槽底部との間の最大距離Tmaxとが、Smin/Tmax<1の関係を有する。
【選択図】図8
Description
本発明の目的は、濾材のブリッジ形成による揚水路の閉塞が発生し難い移動床式濾過槽、及び浄化槽を提供することにある。
本構成によれば、濾材流入口の外周側上方に庇が設けられているので、槽上部から降下してきた濾材を庇の上方に滞留させ、庇の下端から槽底部の面に向けて徐々に沈降移動させることができる。また、庇の下端と槽底部との間の最小距離Sminの部分で、濾材流入口に向かって移動する濾材の量が制限されると共に、濾材流入口と槽底部との間の最大距離Tmaxを、Smin/Tmax<1を満たすように設定することにより、最小距離Smin部分の空間により広い空間が形成される。その結果、濾材流入口付近に集まる濾材の充填密度が下がり、濾材によるブリッジ形成が発生し難くなるため、揚水路の閉塞を防止することができる。
本構成によれば、庇の上方に滞留している濾材のうち垂壁部に沈降してくる濾材から順に濾材流入口へ誘導することができる。また、垂壁部の上下方向の長さを濾材の最大幅以上にすることで、庇の上方から回り込んだ垂壁部の下端と槽底面との間を濾材が通過するにあたって、濾材の全体が垂壁部を通過するまでは、当該濾材が槽底部の面に触れる虞が少ないので、垂壁部の下端で濾材の移動をスムーズにしつつ移動量に制限を与えることができる。
本構成によれば、庇の下端と槽底部との間の距離と、濾材流入口と槽底部との間の距離に差を設けることによって形成された空間が、少なくとも濾材の最大幅以上に形成されるため、濾材流入口付近に集まる濾材の充填密度がさらに下がり、濾材によるブリッジ形成が発生し難くなるため、揚水路の閉塞をさらにより確実に防止することができる。
本構成によれば、庇の下端と槽底部との間の距離と、濾材流入口と槽底部との間の距離に差を設けることによって生じる空間が、さらに形成され易くなる。その結果、濾材流入口付近に集まる濾材の充填密度が下がり、濾材によるブリッジ形成が発生し難くなるため、揚水路の閉塞をさらにより確実に防止することができる。
本構成によれば、槽上部から降下してきた濾材を庇の上面に滞留させ、傾斜する庇の上面に沿って槽内面側に向けて徐々に沈降移動させることができる。また、庇の下端と槽内面のとの間を通過した濾材を、槽底部の面に沿って濾材流入口に向けて移動させる際、庇の下面の濾材流入口から離れる方向に上り勾配に傾斜している面が案内板となり、濾材の流れを整えて濾材をよりスムーズに濾材流入口に案内することができる。
本構成によれば、水路壁に庇が設けられているため、水路壁と庇との間に生じる隙間からの乱流による濾材の乱れが生じることなく、濾材が庇の上方から下端にさらにスムーズに移動することができる。また、庇の内側空間と揚水路を連通する連通部を水路壁に設けることで、庇の内側の空気を揚水路に導くことができ、供給される空気の損失を抑えることができる。
本構成によれば、空気吹き出し部を槽底部に設けてあるため、空気吹き出し部から供給される空気により生じる被処理水の上昇流により、槽底部に集まってきた濾材が、揚水路に確実に吸入されるので、槽底部に滞留し難くなる。
〔実施形態〕
図1〜図5は、生活排水(汚水)を被処理水として浄化処理する浄化槽を示す。
浄化槽の槽内は、図1及び図2に示すように、被処理水を生物処理する生物処理槽Aと、生物処理槽Aで処理された被処理水を濾材23で濾過する移動床式濾過槽B(水処理装置の一例)と、移動床式濾過槽Bで濾過された被処理水を一時貯留する処理水槽Cと、処理水槽Cに貯留された被処理水を消毒する消毒槽Dとに区画されている。
第3移流口13と第4移流口14は、担体流動槽A2や移動床式濾過槽Bに収容してある流動担体21及び濾材23が流出しないように多数のスリット孔で形成されている。
沈澱分離槽E1,嫌気濾床槽E2は、朝夕などの時間帯におけるピーク流入時の被処理水を一次的に貯留する流量調整部としての機能を備えていてもよい。
被処理水を担体流動槽A2から一次処理槽A1に移送循環させることにより、被処理水の硝化脱窒処理が促進される。
前述の実施形態における濾材流入口32の外周形状としては、図8に示すような、最深部50側にフラットに開口するような形状に限定されるものではなく、水路壁26の下端は、槽底部との間の距離が変化する形状を有し、且つ、その最大距離Tmax(図12参照)と最小距離Tmin(図12参照)が、0≦Tmin/Tmax<1.0の関係を有するにように構成しても良い。例えば、図10に示すように、水路壁26の下端と槽底部との間の距離が、水路壁26の下端における最大距離Tmaxに係る部位Hから、最小距離Tminに係る部位Lに向かって連続的又は断続的に減少するような(a)段状(b)階段状(c)円弧状(d)テーパー状などの形状としても良い。この構成にすることで、第2横隔壁5と縦隔壁7とが交差する隅部に設けられた水路壁26に流入してくる被処理水と濾材23の流入方向にさらに制限を加えることができ、乱流の発生がより確実に抑えられる。尚、最小距離Tminは、100mm未満であることが望ましく、また0〜70mmであることがさらに望ましい。最大距離Tmaxは、100〜300mmであることが望ましい。またTmin/Tmaxは、0≦Tmin/Tmax≦0.7であることがさらに望ましく、また0≦Tmin/Tmax≦0.5であることがさらにより望ましい。また、前述の実施形態では、最小距離Tmin=0の場合を例示したが、より望ましくは、図11及び図12に示すように、最小距離Tmin>0でも良く、この場合、Tmax/Tmin≦3であることが望ましい。また、図11に示すように、揚水路25の下端部を、第2横隔壁5側に開口するように斜めに切欠くことによって、濾材流入口32を形成するようにしても良く、この場合、0.3≦Tmin/Tmax≦0.5とすることが望ましい。
25 揚水路
26 水路壁
27 空気供給管(空気供給手段)
27a 空気吹き出し部(空気供給手段)
28 濾材流出口(充填材流出口)
29 上面
30 庇
31 槽側底面(槽底部)
32 濾材流入口(充填材流入口)
34 垂壁部
45 下面
50 最深部(槽底部)
P エアリフトポンプ
Claims (8)
- 濾材と、前記濾材を槽底部から槽上部へ移送するエアリフトポンプとを備える移動床式濾過槽において、
前記エアリフトポンプは、前記濾材が移動可能な揚水路を形成する水路壁と、濾材流入口と、濾材吐出口と、前記揚水路に空気を供給する空気供給手段とを有し、前記濾材流入口の外周側上方には庇が設けられ、前記庇の下端と前記槽底部との間の最小距離Sminと、前記濾材流入口と前記槽底部との間の最大距離Tmaxとが、Smin/Tmax<1の関係を有する移動床式濾過槽。 - 前記庇が垂壁部を有し、該垂壁部の上下方向の長さは、前記濾材の最大幅以上であり、前記垂壁部の下端と前記槽底部との間の距離が前記最小距離Sminである請求項1に記載の移動床式濾過槽。
- 前記最大距離Tmaxが、前記最小距離Sminと、前記濾材の最大幅とを足し合わせた距離以上である請求項1又は2に記載の移動床式濾過槽。
- 前記Smin/Tmax<0.85である請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動床式濾過槽。
- 前記庇の上面が、前記濾材流入口から離れる方向に下り勾配に傾斜し、前記庇の下面が前記濾材流入口から離れる方向に上り勾配に傾斜している請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動床式濾過槽。
- 前記庇が、前記水路壁に固定され、前記水路壁には、前記庇の内側空間から前記揚水路に通じる連通部が設けてある請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動床式濾過槽。
- 前記空気供給手段の空気吹き出し部が、前記槽底部に設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の移動床式濾過槽。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の移動床式濾過槽を備える浄化槽。
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