JP2014067813A - 分布帰還型半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】一端面を高反射、他の端面を低反射とする分布帰還型半導体レーザには、良好な単一軸モード特性が得られず、単一モード歩留まりが低下するという問題がある。そのため、一端面を高反射、他の端面を低反射としつつ、単一モード歩留まりを向上させる分布帰還型半導体レーザを提供する。
【解決手段】分布帰還型半導体レーザは、一方の端面が高反射であり、他の端面が低反射である共振器と、共振器に含まれ、共振器の軸方向に沿って形成された回折格子の位相を不連続とする複数の位相シフト部と、を備える。さらに、複数の位相シフト部は、共振器の軸方向の中央部と高反射の端面との間に、所定の規則に基づき形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、分布帰還型半導体レーザに関する。
半導体レーザが、光ファイバ通信や光計測用等の分野において広く使用されている。半導体レーザは、半導体基板上に形成したpn接合に電流を順方向に流すことで得られる光を共振器により増幅・発振させることで実現する。
半導体レーザの基本構造には種々の形態が存在し、分布反射(DBR;Distributed Bragg reflector)型半導体レーザや分布帰還(DFB;Distributed Feed Back)型半導体レーザが使用される。
分布帰還型半導体レーザの中でも、発振波長λを1/4分長くしたλ/4位相シフトを共振器の中央部に形成し、共振器の両端面を無反射構造(又は、低反射膜構造)とするλ/4位相シフト分布帰還型半導体レーザが提案され、使用されている。ここで、共振器の両端面が無反射なλ/4位相シフト分布帰還型半導体レーザは、理論上、100%の単一モード歩留まりが得られる。しかし、両端面が無反射なλ/4位相シフト分布帰還型半導体レーザは、一端面が高反射な半導体レーザと比較し、光出力特性が劣る。より詳細には、両端面が無反射なλ/4位相シフト分布帰還型半導体レーザでは、信号光を出力する共振器の前方と、モニタ光を出力する共振器の後方と、において光出力が一致するので単一モード歩留まりの面では有利であるが、光出力特性が高反射な端面を持つ分布帰還型半導体レーザより劣る。
一方、一端面が高反射な分布帰還型半導体レーザには、良好な単一軸モード特性を得ることが困難であるという問題がある。一端面が高反射な分布帰還型半導体レーザは、高反射な端面における回折格子の位相がばらつくことに起因して、共振器内の電界強度分布及び各モードの発振条件の変化が生じるためである。
特許文献1において、共振器の一端面を高反射、他の端面を低反射とする分布帰還型半導体レーザにおいて、共振器の軸方向のレーザ媒質に沿って周期的な凹凸構造を形成すると共に、共振器の中央部と高反射の端面の間に位相シフト部を備える半導体レーザが開示されている。特許文献1が開示する半導体レーザは、位相シフト部の位相シフト量を位相に換算して3π/4(波長に換算すると3λ/8)を超える構造とすることで共振器内の位相シフト部等に導波光が集中する軸方向ホールバーニングを抑制している。特許文献1が開示する半導体レーザは、高出力かつ線形性のよい特性を実現する点において、一定の効果が認められる。
特開平6−85398号公報
なお、上記先行技術文献の開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明者らによってなされたものである。
レーザ素子の端面は劈開により形成されるのが通常である。このことは、特許文献1が開示する半導体レーザであっても同様である。従って、レーザ素子の端面において、回折格子の位相がレーザ素子ごと(生産した半導体レーザごと)にランダムに形成される。このランダムに形成された回折格子の位相に対して、位相シフト部の位置が不適切であると、単一軸モード特性が悪化する。
図7は、位相シフト部の位置と閾値利得差の関係の一例を示す図である。図7の縦軸には発振モードとサブモードの閾値利得差を示す規格化閾値利得差の中央値(メジアン値)を示し、横軸には共振器内における位相シフト部の相対的な位置を示す。なお、図7において、横軸の原点が共振器の前方(低反射の端面側)に相当する。
図7の波形200は、位相シフト部を共振器内に1つ設け、その位相シフト部の位置を前方から後方に変化させた際の利得差を示している。波形200から明らかなとおり、位相シフト部が共振器内の前方(0.5以下)に形成された場合には、閾値利得差が小さく、良好な単一軸モード特性が得られない。即ち、単一モード歩留まりが低下する。なお、図7では最も規格化閾値利得差のメジアン値が高くなる値が、位相シフト位置0.8において得られるが、この位相シフト位置の最適値は、分布帰還型レーザの結合係数及びレーザ端面の反射率に依存して変化する。
さらに、特許文献1は、共振器内に複数の位相シフト部を形成することを開示している(特許文献1の図6参照)。より具体的には、特許文献1は、3つの位相シフト部を共振器内に形成することを開示している。この特許文献1の図6から、特許文献1が開示する半導体レーザは、単一モード歩留まりを考慮して、位相シフト部の位置を決定していないと推察することができる。
図7に示す観測点201は、特許文献1が開示する位置に共振器内に3つの位相シフト部を形成した場合の閾値利得差である。より詳細には、2つの位相シフト部を共振器の中央部と高反射な端面の間に形成し、1つの位相シフト部を共振器の中央部と低反射な端面の間に形成した場合の閾値利得差である。図7の観測点201は、波形200よりも規格化閾値利得差が小さく、単一モード歩留まりがさらに悪化している。
以上のことから、一端面を高反射、他の端面を低反射としつつ、単一モード歩留まりを向上させる分布帰還型半導体レーザが、望まれる。なお、その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、一方の端面が高反射であり、他の端面が低反射である共振器と、前記共振器に含まれ、前記共振器の軸方向に沿って形成された回折格子の位相を不連続とする複数の位相シフト部と、を備える分布帰還型半導体レーザが提供される。さらに、前記複数の位相シフト部は、前記共振器の軸方向の中央部と前記高反射の端面との間に、所定の規則に基づき形成される。
一実施の形態によれば、一端面を高反射、他の端面を低反射としつつ、単一モード歩留まりを向上させる分布帰還型半導体レーザが、提供される。
一実施形態の概要を説明するための図である。 第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ1の断面図の一例を示す図である。 位相シフト部12a及び12bの位置と、当該位置から得られる単一軸モード特性との関係を示す図である。 モニタ電流を一定にした際の前方光出力変動量の温度依存性の一例を示す図である。 特定の温度における前方光出力変動量とスロープ効率(ηd)の関係の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ2の断面図の一例を示す図である。 位相シフト部の位置と閾値利得差の関係の一例を示す図である。
初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、この概要の記載はなんらの限定を意図するものではない。
上述のように、一端面を高反射、他の端面を低反射とする分布帰還型半導体レーザには、良好な単一軸モード特性が得られず、単一モード歩留まりが低下するという問題がある。そのため、一端面を高反射、他の端面を低反射としつつ、単一モード歩留まりを向上させる分布帰還型半導体レーザが、望まれる。
そこで、一例として図1に示す分布帰還型半導体レーザ100を提供する。分布帰還型半導体レーザ100は、一方の端面が高反射であり、他の端面が低反射である共振器101と、共振器101に含まれ、共振器101の軸方向に沿って形成された回折格子の位相を不連続とする複数の位相シフト部102と、を備える。さらに、複数の位相シフト部102は、共振器101の軸方向の中央部と高反射の端面との間に、所定の規則に基づき形成される。
分布帰還型半導体レーザ100は、共振器101の一の端面を高反射、他の端面を低反射とし、位相シフト部102を複数備えることで、光出力特性の改善を行う。しかし、その際、特許文献1が開示するように、複数の位相シフト部102を無作為・無配慮に形成すると、良好な単一軸モード特性が得られず、単一モード歩留まりが悪化する。そこで、分布帰還型半導体レーザ100は、複数の位相シフト部102を所定の関係を満たしつつ、共振器101の中央部と高反射の端面との間に形成する。即ち、分布帰還型半導体レーザ100における回折格子の適切な位置に、複数の位相シフト部102を形成することで、共振器101の端面における回折格子の位相がばらつくことの影響を低減し、良好な単一軸モード特性を得る。その結果、単一モード歩留まりを向上させることができる。
さらに、下記の形態が可能である。
[形態1]
一方の端面が高反射であり、他の端面が低反射である共振器と、
前記共振器に含まれ、前記共振器の軸方向に沿って形成された回折格子の位相を不連続とする複数の位相シフト部と、
を備え、
前記複数の位相シフト部は、前記共振器の軸方向の中央部と前記高反射の端面との間に、所定の規則に基づき形成される分布帰還型半導体レーザ。
[形態2]
前記複数の位相シフト部は、第1及び第2の位相シフト部を含み、
前記第1の位相シフト部は、前記低反射の端面から、前記高反射の端面に向かう第1の距離に形成され、
前記第2の位相シフト部は、前記第1の位相シフト部が形成された位置から、前記高反射の端面に向かう第2の距離に形成され、
前記第1の距離は前記共振器の全長に0.5を乗算した距離よりも長く、かつ、前記第1の距離と第2の距離を加算した距離は前記共振器の全長に0.75を乗算した距離よりも長いことが好ましい。
[形態3]
前記複数の位相シフト部は、第3の位相シフト部を含み、
前記第3の位相シフト部は、前記高反射の端面と前記第2の位相シフト部との間に形成されることが好ましい。
[形態4]
前記複数の位相シフト部の位相シフト量は、発振波の波長の4分の1であることが好ましい。
[形態5]
一方の端面が高反射であり、他の端面が低反射である共振器と、
前記共振器に含まれ、前記共振器の軸方向に沿って形成された回折格子の位相を不連続とする複数の位相シフト部と、
を備え、
前記複数の位相シフト部は、前記高反射の端面における回折格子の位相の不連続による影響を減少させるように機能する分布帰還型半導体レーザ。
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ1の断面図の一例を示す図である。なお、図1、図2及び図6は、分布帰還型半導体レーザの断面を模式的に表現したものである。従って、理解の容易のために、回折格子等の形状を誇張して図示している。
分布帰還型半導体レーザ1は、半導体基板10の積層方向に回折格子11を形成する。回折格子11は、発振波長を選択するために使用され、電子ビーム露光及びエッチングにより形成する。但し、電子ビーム露光を用いた回折格子11の形成に限定する趣旨ではなく、他の方法を使用することもできる。例えば、回折格子11の形成に位相シフトマスクやレプリカ法を用いることができる。
回折格子11の周期は、発振波長に応じて決定する。例えば、発振波長を1.3μmとするならば、回折格子11の周期を0.2μmとする。但し、発振波長を1.3μmに限定する趣旨ではなく、例えば、1.55μm等の他の波長であってもよい。
回折格子11には、発振波の波長λの1/4(λ/4;回折格子11の周期Λ/2)分長くした、2つの位相シフト部を形成する。第1の位相シフト部を位相シフト部12a、第2の位相シフト部を位相シフト部12bとする。図2において、後述する低反射膜17側の端面を基準として、位相シフト部12aは距離L1の位置に、位相シフト部12bは距離L1+L2の位置に形成されている。なお、距離L1は、共振器の全長Lの半分よりも長いものとする。即ち、2つの位相シフト部12a及び12bが形成される位置は、共振器の中央部と後述する高反射膜18側の端面との間である。例えば、共振器の全長Lを200μmとすれば、距離L1を120μm、距離L1+L2を180μm(距離L2=60μm)とする。
さらに、半導体基板10上に光ガイド層13と、歪MQW(Multi-Quantum Well)活性層14と、クラッド層15と、を順次形成する。これら各層の形成には、例えば、MOVPE(Metal-Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いる。
図2に示すように、歪MQW活性層14を、バンドギャップの大きいN型半導体のInP基板である半導体基板10と、P型半導体であるクラッド層15と、で挟むダブルへテロ構造(DH構造)を構成する。さらに、ダブルへテロ構造をストライプ構造にエッチングし、電流狭窄構造を形成する。その後、電流を注入するための電極16を形成する。
レーザ素子を全長Lに劈開した後、その一端面に低反射コーティング(又は、無反射コーティング)を施し、低反射膜17を形成する。同様に、他の端面に高反射コーティングを施し、高反射膜18を形成する。
分布帰還型半導体レーザ1の構造は以上のとおりである。
次に、分布帰還型半導体レーザ1の単一軸モード特性について説明する。
図3は、位相シフト部12a及び12bの位置と、当該位置から得られる単一軸モード特性との関係を示す図である。図3の横軸は、共振器の全長を1に規格化した場合の位相シフト部12aの位置(規格化後の距離L1に相当)を示す。図3の縦軸は、共振器の全長を1に規格化した場合の位相シフト部12bの位置(規格化後の距離L1+L2に相当)を示す。
分布帰還型半導体レーザ1の単一軸モード特性の検証にあたり、分布帰還型半導体レーザ1の端面位相を16通り、他の端面位相を16通り変化させることで256通りの端面位相を仮定し、それぞれの位相シフト部12a及び12bの位置における電界強度分布を計算する。
図3では、この計算された電界強度分布から単一軸モード特性を含む分布帰還型半導体レーザ1の特性の良否を3段階で評価した結果を示している。図3の、○印及び△印は、良好な単一軸モード特性が高い歩留まりで得ることができる位相シフト部12a及び12bの位置を示す。とりわけ、○印は、非常に高い歩留まりが実現できる位相シフト条件(位相シフト部12a及び12bの位置)である。一方、×印は、良好な単一軸モード特性が得られない条件である。
なお、図3の○印は、図7における閾値利得差のメジアン値が0.4以上、かつ、前方後方出力比の端面位相に起因するばらつきが一定値以下の場合に相当する。また、△印は閾値利得差のメジアン値が0.3以上、かつ、○印の場合と同様に前方後方出力比のばらつきが抑制される場合に相当する。
上述したように、位相シフト部12aは共振器の中央部と高反射膜18の間に形成される。従って、下記の式(1)が成立する。

L1>0.5×L ・・・(1)

また、図3は、位相シフト部12及び12bが、共振器の中央部と高反射膜18の間であればどのような位置であってもよい訳ではないことを示している。より具体的には、位相シフト部12bの位置(距離L1+L2)は、0.75×L以上が好ましいことが分かる。従って、位相シフト部12bの位置に関し、下記の式(2)が成立する。

L1+L2>0.75×L ・・・(2)

式(1)及び(2)で示される位相シフト位置の関係は、端面位相を考慮した計算により明確になった事項であるが、安定した単一軸モード特性を得るためには、λ/4位相シフト位置前後に、相応の長さの位相シフト非形成領域が必要である。一方で、端面でランダムに発生する位相の影響を小さくするために、端面近傍に位相シフト部の形成が必要になると考えることができる。
このように、複数の位相シフト部12a及び12bを、共振器の中央部と高反射膜18の間に、所定の規則(式(1)及び(2))を満たすように適切に配置することで、単一軸モード特性を向上させることができる。その結果、一端面を高反射、他の端面を低反射としつつ、単一モード歩留まりが高い分布帰還型半導体レーザ1が提供できる。
なお、分布帰還型半導体レーザ1は、前方光出力変動量を低減することができる。
特許文献1が開示する半導体レーザでは、ランダムに形成される端面の回折格子の位相のばらつきに依存して、共振器内の電界強度分布が変化する。この電界強度分布の変化に応じて、レーザ素子前方及び後方の光出力比の変動が発生する。光出力比が変動すると、モニタ電流を一定に維持した際の前方光出力の温度に対する依存性(トラッキング特性)の分布が拡大するという問題が生じる。
しかし、本実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ1では、この前方光出力変動量を低減することができる。
図4は、モニタ電流を一定にした際の前方光出力変動量の温度依存性の一例を示す図である。図4の波形202は、共振器に位相シフト部を1つ形成した場合の前方光出力変動量の一例である。一方、波形203は、分布帰還型半導体レーザ1の前方光出力変動量の一例である。
図4から明らかなとおり、波形203(分布帰還型半導体レーザ1)の傾きの方が、波形202の傾きよりも緩やかである。即ち、分布帰還型半導体レーザ1の温度変化に対する前方光出力変動量が低減されている。
さらに、温度が−40℃又は100℃の場合における前方光出力変動量のばらつきを比較しても、分布帰還型半導体レーザ1の方が、位相シフト部を共振器に1つ形成する場合(波形202)よりも素子間のばらつきが低減されているのが分かる。より詳細には、−40℃における波形202のばらつきD2の方が、波形203のばらつきD1よりも大きい。
図5は、特定の温度における前方光出力変動量とスロープ効率(ηd)の関係の一例を示す図である。波形204は、共振器に位相シフト部を1つ形成した場合の前方光出力変動量の一例である。波形205は、分布帰還型半導体レーザ1の前方光出力変動量の一例である。
図5から、波形204では、スロープ効率に依存して前方光出力変動量が変化しているのに対し、波形205(分布帰還型半導体レーザ1)では、スロープ効率に依存しないことが分かる。このように、図5からも、分布帰還型半導体レーザ1は、前方光出力変動量の低減(前方光出力特性の改善)が可能であることが分かる。
なお、図3〜図5の評価は、分布帰還型半導体レーザ1等のシミュレーション結果である。さらに、分布帰還型半導体レーザ1を実際に試作し、評価を行ったところ、発振閾値が6mA、前方光出力特性が0.5W/Aという良好な結果を得ることができた。
以上のように、本実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ1は、複数の位相シフト部を形成することにより、高い単一軸モード特性と前方光出力変動量を低減した特性を高い歩留で実現することができる。
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図6は、本実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ2の断面図の一例を示す図である。図6において図2と同一構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
分布帰還型半導体レーザ1及び2は、2つの点で相違する。
第1に、分布帰還型半導体レーザ2は、半導体基板10上に歪MQW活性層14を形成し、さらに、歪MQW活性層14の上部に回折格子11を形成する。より具体的には、半導体基板10上に歪MQW活性層14及び光ガイド層13を順次MOVPE法により形成し、この光ガイド層13に回折格子11を形成する。その後、クラッド層15を形成する。
第2に、分布帰還型半導体レーザ2には、3箇所の位相シフト部12a、12b及び12cが回折格子11に形成されている。図6において、低反射膜17を基準として、位相シフト部12aは距離L1の位置に、位相シフト部12bは距離L1+L2の位置に、位相シフト部12cは距離L1+L2+L3の位置に形成されている。
位相シフト部12a、12b及び12cは、上述した式(1)及び(2)を満たしつつ、位相シフト部12cは位相シフト部12bよりも高反射膜18側に形成する。例えば、位相シフト部12aを距離L1=150μmの位置に形成する。位相シフト部12bを距離L1+L2=180μmの位置に形成する。この場合、上述した式(1)及び(2)を満たす。さらに、位相シフト部12cを距離L1+L2+L3=190μmの位置に形成する。但し、これらの位相シフト部の位置は例示であって、位相シフト部の位置を限定する趣旨ではない。
分布帰還型半導体レーザ2を実際に試作し、評価したところ、第1の実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ1と同等の特性を得ることができた。即ち、分布帰還型半導体レーザ2においても、良好な単一軸モード特性を得ることができる。
以上、本実施形態に係る分布帰還型半導体レーザ2のように、2つ以上の位相シフト部を、共振器の中央部と高反射膜18の間に形成した場合であっても、高い単一軸モード特性と前方光出力変動量を低減した特性を高い歩留で実現することができる。また、分布帰還型半導体レーザ1及び2の第1の相違点から明らかなとおり、回折格子11の形成位置に影響されず、高い単一軸モード特性と前方光出力変動量を低減した特性を高い歩留で実現できる。つまり、回折格子11を半導体基板10の上に形成するか、光ガイド層13の上に形成するかにより、特性が変化することはない。
なお、第1の実施形態では2つの位相シフト部、第2の実施形態では3つの位相シフト部を回折格子11に形成できる点について説明したが、位相シフト部の個数はこれらに限定されない。4つ以上の位相シフト部を回折格子11に形成することも可能である。4つ以上の位相シフト部を回折格子11に形成する場合であっても、位相シフト部12c以降の位相シフト部は、位相シフト部12bと高反射膜18の間に形成する。即ち、単一軸モード特性を劣化させることなく、高反射の端面における回折格子の位相のばらつきによる影響を軽減する。換言するならば、位相シフト部12a〜12cは、高反射の端面における回折格子の位相の不連続による影響を減少させるように機能する。
さらに、位相シフト部12a〜12cの位相シフト量は、λ/4として説明をした。しかし、位相シフト部12a〜12cの位相シフト量をλ/4に限定する趣旨ではない。位相シフト量は、実質的にλ/4であればよい。即ち、位相シフト量は、λ/4から一定程度のずれは許容することができる。さらに、結合係数κと共振器の全長Lの積が1.4以上である場合には、位相シフト部12aで電界強度が強くなり発生するホールバーニングの影響を考慮して、実効的な発振波長に対してλ/4位相シフトとなるように、回折格子周期の半分(周期Λ/2)よりも大きく位相シフト量を設定することも有効である。この場合、位相シフト部12a〜12cの位相シフト量は、Λ/4から3Λ/4の範囲に設定することが好ましい。
なお、引用した上記の特許文献の開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
1、2、100 分布帰還型半導体レーザ
10 半導体基板
11 回折格子
12a、12b、12c、102 位相シフト部
13 光ガイド層
14 歪MQW活性層
15 クラッド層
16 電極
17 低反射膜
18 高反射膜
101 共振器
200、202〜205 波形
201 観測点

Claims (5)

  1. 一方の端面が高反射であり、他の端面が低反射である共振器と、
    前記共振器に含まれ、前記共振器の軸方向に沿って形成された回折格子の位相を不連続とする複数の位相シフト部と、
    を備え、
    前記複数の位相シフト部は、前記共振器の軸方向の中央部と前記高反射の端面との間に、所定の規則に基づき形成される分布帰還型半導体レーザ。
  2. 前記複数の位相シフト部は、第1及び第2の位相シフト部を含み、
    前記第1の位相シフト部は、前記低反射の端面から、前記高反射の端面に向かう第1の距離に形成され、
    前記第2の位相シフト部は、前記第1の位相シフト部が形成された位置から、前記高反射の端面に向かう第2の距離に形成され、
    前記第1の距離は前記共振器の全長に0.5を乗算した距離よりも長く、かつ、前記第1の距離と第2の距離を加算した距離は前記共振器の全長に0.75を乗算した距離よりも長い請求項1の分布帰還型半導体レーザ。
  3. 前記複数の位相シフト部は、第3の位相シフト部を含み、
    前記第3の位相シフト部は、前記高反射の端面と前記第2の位相シフト部との間に形成される請求項2の分布帰還型半導体レーザ。
  4. 前記複数の位相シフト部の位相シフト量は、発振波の波長の4分の1である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の分布帰還型半導体レーザ。
  5. 一方の端面が高反射であり、他の端面が低反射である共振器と、
    前記共振器に含まれ、前記共振器の軸方向に沿って形成された回折格子の位相を不連続とする複数の位相シフト部と、
    を備え、
    前記複数の位相シフト部は、前記高反射の端面における回折格子の位相の不連続による影響を減少させるように機能する分布帰還型半導体レーザ。
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