JP2009049083A - 半導体レーザ素子及び半導体光源装置 - Google Patents

半導体レーザ素子及び半導体光源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 スペクトル幅の狭いレーザ光を出力可能な半導体レーザ素子及び半導体光源装置を提供する。
【解決手段】 半導体レーザ素子11Aは、回折格子17による反射によってレーザ発振を生じせしめる半導体レーザ光源部13Aと、半導体レーザ光源部13Aの一端に光学的に結合されており、回折格子17の周期によって決まる半導体レーザ光源部13Aの発振波長の光を選択的に通過させる波長フィルタ部15と、半導体レーザ光源部13A及び波長フィルタ部15を設ける基板Sとを備える。この半導体レーザ素子11Aでは、波長フィルタ部15はリング状導波路31,33を有する。また、半導体レーザ素子11Aでは、半導体レーザ光源部13Aから出力された光を、波長フィルタ部15を通過させることで、リング状導波路31,33の共振波長によりフィルタリングを施すことになるので、スペクトル幅の狭いレーザ光を出力することが可能である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体レーザ素子及び半導体光源装置に関するものである。
半導体レーザ素子を送信用光源とする光通信において、半導体レーザ素子に注入する駆動電流を入力信号に応じて変化さえる直接変調により信号変調を行う際、変調時にレーザの活性層内にキャリヤ密度の変化が生じるため屈折率変化が発生する。そのため、半導体レーザ素子の出力光のスペクトル(出力スペクトル)に広がり(チャープ)が生じることが知られている。この場合、半導体レーザ素子から出力される光を信号光として使用すると、信号光が例えば光ファイバを伝送する際に、波長分散の影響で信号に歪みが生じ、伝送時にビットエラーが増えることがあった。
従来、上記のようなビットエラーを抑制するため、半導体レーザ素子から出力された光(出力光)を半導体レーザ素子の外部に設けられた狭帯域の波長フィルター(エタロン)を通過させることによって、出力光のスペクトル幅を狭くする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
米国出願公開第2004/0008933号明細書
しかしながら、半導体レーザ素子から出力された光のスペクトル幅を、狭帯域の波長フィルタとしてのエタロンを使用して狭くする場合、次のような問題点がある。すなわち、エタロンの透過波長を半導体レーザ素子から出力される光の波長に合わせるためには、エタロンの配置を変化させたり、エタロンの温度を変えたりする必要があり、複雑な調整が必要である。また、エタロンの透過波長は、エタロンの厚さと屈折率できまるため、WDMシステムのように多波長の送信機が必要な場合、各半導体レーザ素子ごとに、各半導体レーザ素子が出力する光の波長に対応したエタロンを準備する必要がある。そのため、出力するレーザ光に対してエタロン等の波長フィルタを要しないようなスペクトル幅の狭いレーザ光を出力可能な半導体レーザ素子といった光源が求められていた。
そこで、本発明は、スペクトル幅の狭いレーザ光を出力可能な半導体レーザ素子及び半導体光源装置を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体レーザ素子は、回折格子による反射によってレーザ発振を生じせしめる半導体レーザ光源部と、半導体レーザ光源部の一端に光学的に結合されており、回折格子の周期によって決まる半導体レーザ光源部の発振波長の光を選択的に通過させる波長フィルタ部と、半導体レーザ光源部及び波長フィルタ部を設ける基板と、を備え、波長フィルタ部はリング状導波路を有することを特徴とする。
上記構成では、半導体レーザ光源部において、回折格子による反射によってレーザ発振が生じたとき、半導体レーザ光源部からレーザ光が出力される。この半導体レーザ光源部から出力されたレーザ光は、波長フィルタ部に入力される。波長フィルタ部が有するリング状導波路は複数の共振波長を有する。よって、複数の共振波長の一つを上記発振波長に一致させることで、波長フィルタ部に入力されたレーザ光のうち当該発振波長のレーザ光を選択的に通過させることが可能である。そのため、例えば、半導体レーザ光源部において直接変調を実施し、半導体レーザ光源部から出力されるレーザ光のスペクトル幅が広がったとしても、スペクトル幅の狭いレーザ光を出力することができる。
上記波長フィルタ部は、光路長が互いに異なっている複数のリング状導波路と、複数のリング状導波路の少なくとも一つに信号を印加することによって複数のリング状導波路に共通の共振波長を生じせしめるための電極と、を有し、複数のリング状導波路は光学的に結合されており、上記共通の共振波長が上記発振波長を含むことが好ましい。
この構成では、電極による信号印加によって、上記発振波長を含む共通の共振波長を複数のリング状導波路に生じせしめることで、波長フィルタ部が発振波長の光を選択的に透過させることができる。この場合、各リング状導波路によって、レーザ光をフィルタリングしていることになるので、スペクトル幅のより狭いレーザ光を出力可能である。
更に、本発明に係る半導体レーザ素子では、波長フィルタ部に光学的に結合されており、波長フィルタ部を通過したレーザ光の光強度を検出する光検出素子を基板上に更に備えることが好ましい。この場合、光検出素子の検出結果に応じてリング状導波路の共振波長を調整することによって、波長フィルタ部を通過可能な光の波長を、回折格子の周期によって決まる発振波長により正確に合わせることが可能である。
また、本発明に係る半導体レーザ素子は、半導体レーザ光源部に対して波長フィルタ部側に配置されており、レーザ光を光増幅するための光増幅器を基板上に更に備えることが好ましい。この場合、波長フィルタ部を通過すること等によるレーザ光の光強度の減衰を光増幅器により補うことができる。
上記半導体レーザ光源部としては、分布帰還型又は分布ブラッグ反射型のものが挙げられる。
また、本発明に係る半導体レーザ素子では、反射防止膜を更に備え、その反射防止膜が、波長フィルタ部を通過したレーザ光が出力される出力端面を構成していることが好ましい。この場合、上記反射防止膜により出力端面でのレーザ光の反射が抑制されるため、より高い強度の強度のレーザ光を出力することが可能である。
また、本発明に係る半導体光源装置は、(i)回折格子による反射によってレーザ発振を生じせしめる半導体レーザ光源部と、その半導体レーザ光源部の一端に光学的に結合されている波長フィルタ部と、波長フィルタ部及び半導体レーザ光源部を設ける基板とを備える半導体レーザ素子と、(ii)波長フィルタ部を通過したレーザ光の光強度を検出する光検出素子を含む光検出手段と、(iii)波長フィルタ部を制御する制御手段と、を備え、上記波長フィルタ部は、光路長が互いに異なっている複数のリング状導波路と、複数のリング状導波路の少なくとも一つに信号を印加することによって複数のリング状導波路に共通の共振波長を生じせしめるための電極とを有し、複数のリング状導波路は光学的に結合されており、共通の共振波長が発振波長を含み、上記制御手段は、光検出手段の検出結果に基づいて、電極による信号の印加量を制御することを特徴とする。
この構成では、半導体レーザ光源部において、回折格子による反射によってレーザ発振が生じたとき、半導体レーザ光源部からレーザ光が出力される。半導体レーザ光源部から出力されたレーザ光は、波長フィルタ部に入力される。波長フィルタ部では、電極による信号印加により上記発振波長を含む共通の共振波長を複数のリング状導波路に生じせしめることで、発振波長の光を選択的に透過させることができる。そのため、例えば、半導体レーザ光源部において直接変調を実施し、半導体レーザ光源部から出力されるレーザ光のスペクトル幅が広がったとしても、スペクトル幅の狭いレーザ光を出力することが可能である。また、上記光検出素子を備え、光検出素子の検出結果に応じて制御手段が電極による信号の印加量を調整するため、回折格子の周期によって決まる発振波長の光をより正確に出力することができる。
本発明によれば、スペクトル幅の狭いレーザ光を出力可能な半導体レーザ素子及び半導体光源装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る半導体レーザ素子及び半導体光源装置の実施形態について説明する。以下の説明においては、同一の要素には同一の符号を用いることとし、重複する説明は省略する。また、図中の寸法比率は必ずしも説明中のものとは一致していない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る半導体レーザ素子の第1の実施形態の構成を模式的に示す図面である。半導体レーザ素子11Aは、WDMシステム等の光通信システムにおける光源として好適に利用される。
半導体レーザ素子11Aは、半導体基板といった基板を有し、その基板上に、半導体レーザ光源部13Aと、半導体レーザ光源部13Aに光学的に結合された波長フィルタ部15とが設けられている。
半導体レーザ光源部13Aは、ブラッグ反射波長λを有するブラッグ回折格子17が所定の半導体層に形成された半導体光導波路19と、半導体光導波路19に対応して設けられておりキャリヤ注入のための電極21とを含む。半導体レーザ光源部13Aは、上記ブラッグ回折格子17におけるブラッグ反射を利用してレーザ発振を生じせしめる分布帰還型半導体レーザ(DFB型半導体レーザ)であり、半導体レーザ光源部13Aにおける発振波長は、上記ブラッグ反射波長λである。
波長フィルタ部15は、光学的に結合された2つのリング共振器23,25と、リング共振器23,25に対応して設けられた電極27,29とを含む。波長フィルタ部15は、いわゆる多重リング共振器である。
リング共振器23,25は、互いに異なる光路長を有するリング状導波路31,33を含む。リング状導波路31,33は、閉じた曲線に沿って延びている半導体光導波路である。リング状導波路31,33の直径は例えば10μm〜500μmである。基板面に略直交する方向からみた場合のリング状導波路31,33の形状は、閉じた曲線を構成していれば特に限定されない。
リング共振器23,25は、リング状導波路31,33を有することから、複数の極大値を含む透過スペクトルを有する。具体的には、各リング共振器23,25の透過スペクトルは、リング状導波路31,33の光路長に応じて規定されるフリー・スペクトラル・レンジ(FSR)の間隔で透過率のピークが配列されて構成されている。よって、各リング共振器23,25は、各リング共振器23,25の複数の透過波長の光を透過する。リング共振器23,25は、2つのリング状導波路31,33が光学的に結合されることによって光学的に結合されている。
リング状導波路31,33を光学的に結合する手段の一例としては、図1に示したように、半導体光導波路35を利用することができる。具体的には、半導体光導波路35の一端35a側の一部をリング状導波路31に光学的に結合し、半導体光導波路35の他端35b側の一部をリング状導波路33に光学的に結合することで、リング状導波路31,33の光学的結合を提供できる。半導体光導波路35と各リング状導波路31,33との光学的結合には、例えば、光結合器37,39を利用することができる。光結合器37,39としては、方向性結合器や多モード干渉(MMI : Multi-Mode Interference)結合器等が例示される。
半導体光導波路35は、一端35a及び他端35b側にそれぞれ余長35c及び余長35dを有する。この余長35c,35dの部分は、光導波路幅を徐々に狭くする、或いは、曲げる等により、一端35a及び他端35b側で反射が生じないように終端処理されている。また、半導体光導波路35の端部に光吸収層を形成してもよい。
図2を利用して、波長フィルタ部15におけるフィルタリング機能について説明する。図2は波長フィルタ部におけるフィルタリング機能を説明するための図面である。図2は、電極27,29により電流注入を実施した状態を示している。図2中の実線は、リング共振器23における透過スペクトルを示しており、破線はリング共振器25における透過スペクトルを示している。
リング共振器23,25の光路長が互いに異なっていることから、リング共振器23,25のFSRは異なる。そのため、電極27,29によるリング状導波路31,33への電流注入が実施されていない状態では、波長フィルタ部15は光を殆ど透過しない。一方、電極27,29による電流注入を実施することで、リング状導波路31,33のピークスペクトル波長位置、およびFSRを変更することができる。よって、注入電流量を調整することで、図2に示すように、各リング共振器23,25が有する複数の透過波長の一つを一致させることが可能である。
この場合、上記一致した透過波長の光は、光学的に結合された2つのリング共振器23,25をどちらも透過できることから、波長フィルタ部15を透過する。また、注入電流量を変更することにより、波長フィルタ部15を透過する光の波長(ピーク透過波長)の選択が可能である。そのため、波長フィルタ部15のピーク透過波長を、図2に示すように、回折格子17の周期によって決まるブラッグ反射波長λに一致させることで、半導体レーザ光源部13Aの発振波長λの光を選択的に透過させることができる。
波長フィルタ部15における波長選択範囲をλ〜λ(ただし、λ<λ)とすると、波長フィルタ部15は、波長選択範囲λ〜λ(ただし、λ<λ)内に半導体レーザ光源部13Aの発振波長λを含むように構成されていれば、リング状導波路31,33の周方向の長さ並びにリング状導波路31,33及び電極27,29の数などは特に限定されない。
例えば、図1に例示した構成では、波長フィルタ部15では、2つのリング状導波路31,33に対して共通の共振波長を生じさせるために、各リング状導波路31,33に対して電極27,29を設けているが、2つのリング状導波路31,33のうちの一方に対してのみ電極を配設した構成とすることも可能である。リング状導波路31に対して電極を設けない場合を例として説明する。この場合、リング状導波路31の周方向の長さは、複数の共振波長の一つが発振波長λである長さとする。一方、リング状導波路33の周方向の長さは、電流注入によって複数の共振波長の一つを発振波長λに一致させることが可能な長さとする。この構成では、リング共振器25側の透過波長を調整することで、波長フィルタ部15が発振波長λの光を選択的に透過することが可能である。
再び、図1に戻って半導体レーザ素子11Aの構成について説明する。
半導体レーザ素子11Aは、波長フィルタ部15に光学的に結合された2つの半導体光導波路41,43を更に有することができる。半導体光導波路41の一端41a側の一部は、リング状導波路31と光学的に結合されている。リング状導波路31と半導体光導波路41との結合部は、リング状導波路31と半導体光導波路35との結合部と異なる位置であればよい。半導体光導波路41とリング状導波路31との光学的結合は、例えば、光結合器45を利用することができる。光結合器45としては、方向性結合器や多モード干渉(MMI : Multi-Mode Interference)結合器等が例示される。また、半導体光導波路41の他端41bは、半導体レーザ光源部13Aが有する半導体光導波路19に光学的に結合されている。これにより、半導体光導波路41とリング状導波路31とが光学的に結合されることになる。その結果、波長フィルタ部15は、半導体レーザ光源部13Aと光学的に結合されていることになる。
半導体光導波路43の一端43a側の一部は、リング状導波路33と光学的に結合されている。半導体光導波路43とリング状導波路33との光学的結合は、例えば、光結合器47を利用することができる。光結合器47としては、方向性結合器や多モード干渉(MMI : Multi-Mode Interference)結合器等が例示される。
図1に示すように、半導体光導波路41,43は、それぞれ一端41a,43a側に余長41c,43cを有する。この余長41c,43cの部分は、半導体光導波路35が有する余長35c,35dの部分と同様に、半導体光導波路41,43の一端41a,43aで反射が生じないように終端処理されている。なお、上記半導体光導波路41,43は、波長フィルタ部15に含まれるものとしてもよい。
また、半導体レーザ素子11Aは、半導体光導波路43の端面43b上に、ARコート等の反射防止膜R1を形成しておくことが好ましい。反射防止膜R1を有する場合には、反射防止膜R1の表面R1aが半導体レーザ素子11Aの出力端面となる。この場合、半導体レーザ素子11Aの出力端面でのレーザ光の反射を抑制できることから、端面での反射戻り光の影響を受けずに、より安定した高強度のレーザ光を出力可能である。
また、半導体レーザ光源部13Aにおける波長フィルタ部15側と反対側の端面上には端面での反射処理のための所定の膜R2を形成することもできる。膜R2としては、反射率が80%から95%のHRコート等の高反射膜が例示される。膜R2を高反射膜とした場合、波長フィルタ部15を経て半導体レーザ素子11Aから出力されるレーザ光の強度をより高くすることができる。
また、半導体レーザ光源部13Aがλ/4シフトDFBレーザ構造である場合には、膜R2としては、反射率が1%以下のARコート等のような反射防止膜又は低反射膜とすることもできる。この場合、半導体レーザ素子11Aから出射されるレーザ光の波長の安定性と単一性がより改善される。
図3及び図4を利用して、半導体レーザ素子11Aの構成について更に説明する。図3は、図1に示したIII−III線に沿って取られた半導体レーザ素子11Aの縦断面の構成の一例を模式的に示す図面であり、半導体レーザ光源部13Aの縦断面の構成の一例を模式的に示す図面に対応する。また、図4は、図1に示されたIV−IV線に沿って取られた半導体レーザ素子11Aの縦断面の構成の一例を模式的に示す図面である。
半導体レーザ素子11Aは、図3及び図4に示すように、基板Sを有し、基板S上に、図1を利用して説明した構成物(半導体レーザ光源部13A及び波長フィルタ部15等)が設けられている。また、基板Sの裏面にはほぼ全面に電極49が設けられている。
図3に示すように、半導体レーザ光源部13Aは、n型基板S上に順に形成されたn型クラッド層51、光ガイド層53、量子井戸構造を含む活性層55a、光ガイド層57、回折格子17、p型クラッド層59、及びコンタクト層61aを含み、コンタクト層61a上に電極21が設けられている。回折格子17は、光ガイド層57の表面に設けられた周期構造から構成されている。この周期構造は、図3に示すように、光ガイド層57とクラッド層59との屈折率差により形成することができる。
図4に示すように、波長フィルタ部15が有するリング共振器23,25は、基板S上に順に形成されたn型クラッド層51、光ガイド層53、コア導波層55b、光ガイド層57及びp型クラッド層59を含む。リング共振器23,25が有するp型クラッド層59の所定位置にはコンタクト層61b,61cが設けられており、そのコンタクト層61b,61c上に電極27,29がそれぞれ設けられている。
半導体レーザ素子11Aにおいて、縦方向の光閉じ込めはクラッド層51、59によって提供される。また、横方向の光閉じ込めはストライプ状の導波路構造と、この導波路構造を埋め込む埋め込み層63(図4参照)によって提供される。リング共振器23,25では、上記ストライプ状の導波路構造を、例えばフォトリソグラフィ技術などを利用してリング状にそれぞれ形成し、埋め込み層63によって埋め込めばよい。また、上記コンタクト層61a〜61cは互いに分離して形成されている。なお、半導体光導波路35,41,43の構成は、導波路構造がリング状ではなく、図1に示すような所定の形状に形成されている点並びにコンタクト層及び電極を含まない点以外は、リング共振器23,25の構成と同様とすることができる。
例示すれば、半導体レーザ光源部13Aが有する活性層55aは、1.25μm〜1.65μm帯に利得を持つ4元混晶GaInAsP/GaInAsP量子井戸構造を有することができる。コア導波層55bは、レーザ発振波長より短いバンドギャップ波長を有するGaInAsP半導体からなることができ、n型およびp型クラッド層51,59はInP半導体からなることができる。コンタクト層61a〜61cは、高濃度ドープされたGaInAs層からなることができる。なお、基板Sとしてp型基板を用いた場合、クラッド層51をp型とし、クラッド層59をn型とすることも可能である。
また、半導体レーザ素子11Aが、前述したように、反射防止膜R1及び膜R2を有する場合、反射防止膜R1は、基板S上に順に形成された半導体積層構造における半導体光導波路43側(図1及び図4における左側)の端面上に形成される。また、膜R2は、基板S上に順に形成された半導体積層構造の半導体レーザ光源部13A側(図1及び図4における右側)の端面上に形成される。
半導体レーザ素子11Aは、上記のように複数の半導体層からなる積層構造及び電極から構成されている。よって、半導体レーザ素子11Aは、例えば、半導体素子を作製するための工程(結晶成長、エッチング、電極形成等)の組み合わせにより作製することができる。
半導体レーザ素子11Aの作用効果について、図5(a)〜図5(c)を利用して説明する。図5(a)は、半導体レーザ光源部から出力されるレーザ光の出力スペクトルの一例を模式的に示す図面である。図5(b)は、波長フィルタ部の透過スペクトルの一例のを模式的に示す図面である。図5(b)における実線及び破線は、図2の場合と同様である。図5(c)は、半導体レーザ素子から出射されるレーザ光の出力スペクトルを模式的に示す図面である。
半導体レーザ光源部13Aでは、ブラッグ回折格子17におけるブラッグ反射を利用してレーザ発振を生じさせることから、設計上は単一波長のレーザ光が出力される。しかしながら、通常、半導体レーザ光源部13Aから出力されるレーザ光は、発振波長λを中心波長とした一定のスペクトル幅を有する。特に、電極21を利用して直接変調を加えると、活性層55a内にキャリヤ密度の変化が生じて屈折率変化が生じる。その結果、半導体レーザ光源部13Aから出力されるレーザ光のスペクトル幅に広がりが生じ、図5(a)に示すように、発振波長λ付近に光強度の極大値を有する所定のスペクトル幅を有する傾向にある。
半導体レーザ素子11Aでは、半導体レーザ光源部13Aと波長フィルタ部15とが光学的に結合されているため、半導体レーザ光源部13Aから出力されたレーザ光は波長フィルタ部15に入力される。半導体レーザ素子11Aではレーザ光を出力させる場合、電極27,29によってリング状導波路31,33に電流注入を実施して、図5(b)に示すように、リング状導波路31,33に共通の共振波長(ピーク透過波長)であって回折格子17のブラッグ反射波長λに一致した共通の共振波長を生じせしめる。この状態で、半導体レーザ光源部13Aから出力されたレーザ光が波長フィルタ部15に入力されると、発振波長λの光が選択的に波長フィルタ部15を通過することになる。
従って、半導体レーザ素子11Aは、図5(c)に示すように、スペクトル幅のより狭いレーザ光を出力可能である。また、半導体レーザ光源部13Aにおいて直接変調を実施したとしても波長フィルタ部15における透過スペクトルは変化せず、しかもレーザ発振スペクトル全半値幅より狭い透過スペクトル全半値幅を有することから、半導体レーザ素子11Aでは、直接変調時においてもスペクトル幅の狭いレーザ光を出力できる。更に、本実施形態のように、2つのリング共振器23,25を直列に配置して波長フィルタ部15を構成している場合、波長フィルタ部15に入力されたレーザ光は各リング共振器23,25によってそれぞれフィルタリングがされることになるので、波長フィルタ部15から出力されるレーザ光のスペクトル幅をより小さくすることが可能となっている。
以上説明したように、半導体レーザ素子11Aでは、波長フィルタ部15としてリング状導波路31,33を利用したものを用いていることから、基板S上に半導体レーザ光源部13Aと波長フィルタ部15とを集積できている。その結果、例えば、直接変調を実施したときでも、半導体レーザ素子11A自体からスペクトル幅の狭いレーザ光を出力することが可能となっている。この場合、半導体レーザ素子11Aの外部にエタロンなどの波長フィルタを更に設ける必要がないことから、半導体レーザ素子11Aを光通信システムの光源として利用する場合、光源の小型化を図ることができる。更に、波長フィルタ部15では電極27,29による電流注入によって波長フィルタ部15の透過波長を容易に選択又は調整することが可能である。
(第2の実施形態)
図6は、本発明に係る半導体レーザ素子の第2の実施形態の構成を模式的に示す図面である。
本実施形態の半導体レーザ素子11Bの構成は、分布帰還型(DFB型)の半導体レーザ光源部13Aの代わりに、分布ブラッグ反射型(DBR型)の半導体レーザ光源部13Bを備える点で、上記実施形態の半導体レーザ素子11Aの構成と主に相違する。この相違点を中心にして第2の実施形態を説明する。
半導体レーザ光源部13Bは、利得導波路部65と、位相調整器67と、レーザキャビティを構成する一対の反射鏡69,71とを含んでおり、利得導波路部65及び位相調整器67は、レーザキャビティ内に直列に配置されている。
利得導波路部65は、利得導波路73と、利得導波路73に対応して設けられた電極75とを含む。利得導波路73は、電極75からのキャリア注入による光学的利得を有する。位相調整器67は、利得導波路73の一端に光学的に結合されている半導体光導波路77と、半導体光導波路77に対応して設けられた電極79とを含む。位相調整器67は、電極79による信号印加により半導体光導波路77を伝搬する光の位相を調整する。電極79による信号印加としては、電圧の印加又は電流印加が例示される。
反射鏡69は、利得導波路73の他端に設けられている。反射鏡69は、利得導波路73の他端面上に形成された反射膜(例えば、HRコート)とすることができる。また、反射鏡69と対をなす反射鏡71は、半導体光導波路77の一端に光学的に結合された半導体光導波路81を有し、半導体光導波路81の所定の半導体層には、ブラッグ反射波長λを有するブラッグ回折格子17が形成されている。また、反射鏡71は、ブラッグ反射波長λの調整用の電極72を有することもできる(図7参照)。
図7を利用して、半導体レーザ光源部13Bの構成について更に説明する。図7は、図6のVII−VII線に沿った半導体レーザ素子の縦断面図の構成を模式的に示す図面であり、半導体レーザ光源部13Bの断面構成を模式的に示す図面に対応する。
利得導波路部65は、n型基板S上に順に形成されたn型クラッド層51、光ガイド層53、量子井戸構造を含む活性層55a、光ガイド層57、p型クラッド層59及びコンタクト層61dを含み、コンタクト層61d上に電極75が設けられている。位相調整器67は、n型基板S上に順に形成されたn型クラッド層51、光ガイド層53、コア導波層55b、光ガイド層57、p型クラッド層59、及びコンタクト層61eを含み、電極79は、コンタクト層61e上に設けられている。反射鏡69は、利得導波路部65を構成する複数の半導体層からなる半導体積層構造の一端面上に形成されている。反射鏡71は、n型基板S上に順に形成されたn型クラッド層51、光ガイド層53、コア導波層55b、光ガイド層57、回折格子17、及びp型クラッド層59を含んでいる。回折格子17は、光ガイド層57に形成された周期構造からなる。回折格子17は、図7に示すように、光ガイド層57と、p型クラッド層59との屈折率差により形成することができる。前述したように、反射鏡71は電極72を有することも可能である。この場合、クラッド層59における回折格子17上の所定位置に、コンタクト層61fを設け、コンタクト層61f上に電極72を配設すればよい。
半導体レーザ素子11Bにおける縦方向の光閉じ込め及び横方向の光閉じ込めは、第1の実施形態の場合と同様に実施することができる。また、コンタクト層61b〜61fは互いに分離して形成されている。
上記構成では、半導体レーザ光源部13Bにおいて、電極75からのキャリヤ注入により生じた光のうち、ブラッグ回折格子17のブラッグ反射波長λに対応する光が一対の反射鏡69,71からなるレーザキャビティ内を往復する。一往復する際の光の位相の調整は、位相調整器67により実施すればよい。レーザキャビティ内でレーザ発振が生じたときに、半導体レーザ光源部13Bから波長λのレーザ光が出力される。
半導体レーザ素子11Bの構成は、半導体レーザ素子11Aが有する半導体レーザ光源部13Aの代わりに半導体レーザ光源部13Bが設けられている点以外は、半導体レーザ素子11Aの構成と同様である。よって、半導体レーザ素子11Bは、半導体レーザ素子11Aと同様の作用効果を得る。
本実施形態では、反射鏡69は反射膜としたが、図8に示す半導体レーザ素子11Cのように、反射鏡69の代わりに、反射鏡71と同様の構成の反射鏡83とすることもできる。反射鏡71と反射鏡83は、均一な周期を持つ回折格子の他に、サンプル回折格子(SG)や、超構造回折格子(SSG)などの不均一回折格子にすることもできる。
すなわち、反射鏡83は、ブラッグ回折格子17を含む半導体光導波路81から構成されており、利得導波路部65に光学的に結合されている。半導体レーザ素子11Cの構成は、反射鏡69の構成が異なる点以外は、半導体レーザ素子11Bの構成と同様であるため、半導体レーザ素子11Cは、半導体レーザ素子11Bと同様の作用効果、すなわち、半導体レーザ素子11Aと同様の作用効果を得る。半導体レーザ素子11Cは、半導体光導波路81における利得導波路部65側と反対側の端面上に膜R2を有することもできる。膜R2は、第1の実施形態の場合と同様にHRコートといった高反射膜でもよいし、ARコートといった反射防止膜又は低反射膜であってもよい。
(第3の実施形態)
図9は、本発明に係る半導体レーザ素子の第3の実施形態の構成を模式的に示す図面である。
半導体レーザ素子11Dの構成は、波長フィルタ部15を透過したレーザ光を検出するための光検出素子としてのホトダイオード(PD:Photo Diode)83を更に有する点で、半導体レーザ素子11Aの構成と相違する。この相違点を中心にして説明する。
PD83は、基板S上に設けられており、リング状導波路33に光学的に結合されている。本実施形態では、PD83は、光結合器47を介してリング状導波路33と光学的に結合している。光結合器47は、リング状導波路33と半導体光導波路43とを光学的に結合すると共に、リング状導波路33を透過したレーザ光の一部をPD83に分岐して入射する。PD83は、基板S上に集積可能な公知のホトダイオードであればよく、入射した光に応じてキャリヤを生成する活性層を有すると共に、活性層に対応して設けられた電極を有する。PD83は、波長フィルタ部15を透過したレーザ光の光強度を検出する。
半導体レーザ素子11Dの構成は、前述したように、PD83を備える点以外は、半導体レーザ素子11Aの構成と同様である。そのため、半導体レーザ素子11Dは、半導体レーザ素子11Aと同様の作用効果を得る。
更に、半導体レーザ素子11Dは、PD83を備えていることから、PD83の検出結果に応じて、波長フィルタ部15への電流注入量を調整することができる。
例えば、PD83がレーザ光の光強度を検出すると、検出結果としての光強度が例えば最大になるように波長フィルタ部15への電流注入量を調整する。波長フィルタ部15においてピーク透過波長が半導体レーザ光源部13Aの設計上の発振波長λ、すなわち、回折格子17のブラッグ反射波長λに一致する程、PD83で検出されるレーザ光の強度が大きくなる。そのため、上記のように、PD83の検出結果に応じて、波長フィルタ部15への電流注入量を調整することで、ピーク透過波長と発振波長λとの間の調整誤差を低減できることから、発振波長λを有するレーザ光をより正確に且つより高い強度で出力することを図れている。
本実施形態では、半導体レーザ素子11Dは、DFB型の半導体レーザ光源部13Aを有するとしたが、半導体レーザ光源部13Aの代わりに、DRB型の半導体レーザ光源部13B,13Cを利用することもできる。換言すれば、半導体レーザ素子11B,11CがそれぞれPD83を備えていてもよい。
(第4の実施形態)
図10は、本発明に係る半導体光源装置の一実施形態のブロック図である。図10に示すように、半導体光源装置93Aは、図9に示した半導体レーザ素子11Dと、レーザ駆動回路95と、フィルタ波長調整回路(制御手段)97とを有する。半導体レーザ素子11Dの構成は、第3の実施形態で説明した構成と同様であるため、説明を省略する。
レーザ駆動回路95は、半導体レーザ光源部13A及びPD83に電気的に接続されており、半導体レーザ光源部13Aを駆動するため又はレーザ光に直接変調を加えるための駆動信号を電極21に供給する。レーザ駆動回路95は、PD83の検出結果に応じて駆動信号を半導体レーザ光源部13Aに供給することが可能となっている。
フィルタ波長調整回路97は、波長フィルタ部15及びPD83と電気的に接続されており、波長フィルタ部15におけるピーク透過波長を発振波長λに調整するための電流を電極27,29に供給する。フィルタ波長調整回路97は、PD83の検出結果に応じて電流を電極27,29に供給することが可能となっている。
半導体光源装置93Aは、図10に示すように、半導体レーザ素子11Dの後端面から出射されるいわゆる後方光(モニタ光)を検出する光検出素子としてのホトダイオード(PD)99を備えることもできる。PD99は、半導体レーザ素子11Dが形成されている同一基板S上に形成することもできる。PD99は、レーザ駆動回路95に電気的に接続されており、後方光の検出結果をレーザ駆動回路95に出力する。レーザ駆動回路95は、光検出素子99の検出結果に応じて半導体レーザ光源部13Aに供給する駆動信号を調整してもよい。なお、PD99は、半導体レーザ素子11Dが有する基板S上に集積することもできる。
半導体光源装置93Aでは、フィルタ波長調整回路97から波長フィルタ部15が有する電極27,29に電流を供給して、波長フィルタ部15のピーク透過波長を、ブラッグ回折格子17における設計上のブラッグ反射波長λに調整する。また、レーザ駆動回路95により、半導体レーザ光源部13Aに駆動信号を供給して、半導体レーザ光源部13Aからレーザ光を出力せしめる。この際、PD83の検出結果を利用して、半導体レーザ光源部13Aから出力されるレーザ光の強度を適宜調整する。半導体光源装置93AがPD99を備えている場合には、PD99の検出結果を利用してレーザ光の強度を調整してもよい。フィルタ波長調整回路97には、PD83の検出結果が所望の検出結果になるように、電極27,29への電流の供給量を調整する。PD83における所望の検出結果としては、第3の実施形態において説明したように、波長フィルタ部15を透過したレーザ光の光強度が最大になる場合が例示される。
第3の実施形態で説明したように、半導体レーザ素子11Dの構成は、PD83を備える点以外は、第1の実施形態の半導体レーザ素子11Aの構成と同様である。そのため、半導体レーザ素子11Dは、半導体レーザ素子11Aと同様の作用効果を得る。従って、半導体光源装置93Aにおいても、半導体レーザ光源部13Aにおいて、例えば直接変調を実施したとしても、半導体レーザ素子11Dからスペクトル幅のより狭いレーザ光を出力することができる。更に、半導体レーザ素子11Dが有するPD83の検出結果に応じて、波長フィルタ部15への電流供給量を調整して、ピーク透過波長を調整することが可能であるため、発振波長λのレーザ光であってより高強度のレーザ光を出力することが可能である。
本実施形態では、半導体レーザ素子11Dは、DFB型の半導体レーザ光源部13Aを有するとしたが、半導体レーザ光源部13Aの代わりに、DBR型の半導体レーザ光源部13B,13Cを採用してもよい。換言すれば、半導体光源装置93Aは、半導体レーザ素子11Dの代わりに、半導体レーザ素子11Dと同様にPD83を有した半導体レーザ素子11B,11Cをそれぞれ備えていても良い。
また、本実施形態では、半導体光源装置93Aは、PD83が基板S上に集積された半導体レーザ素子11Dを備えているとしたが、これに限定されない。
例えば、図11に示す半導体光源装置93Bのように、半導体レーザ素子11Aと、半導体レーザ素子11Aの外部に設けられた光検出手段101とを有するものとすることも可能である。図11は、半導体光源装置の他の実施形態を示すブロック図である。
光検出手段101は、PD83と同様に、波長フィルタ部15を通過したレーザ光の光強度を検出する光検出素子である。本実施形態では、光検出手段101は、半導体レーザ素子11Aの外部に設けられているため、光検出手段101は、半導体レーザ素子11Aの波長フィルタ部15側の端面から出力されたレーザ光の光強度を検出する。また、光検出手段101は、検出結果をレーザ駆動回路95及びフィルタ波長調整回路97に入力する。
半導体光源装置93Bの構成は、PD83を備える半導体レーザ素子11Dの代わりに半導体レーザ素子11Aを有しており半導体レーザ素子11Aの外部に光検出手段101を備える点以外は、半導体光源装置93Aの構成と同様である。そのため、半導体光源装置93Bは、半導体光源装置93Aと同様の作用効果を得る。
ここでは、一例として半導体光源装置93Bは半導体レーザ素子11Aを有するとしたが、半導体光源装置93Bは、半導体レーザ素子11Aの代わりに半導体レーザ素子11B,11Cを備えるとすることもできる。また、光検出手段101は、レーザ光の波長を検出する波長計を備えていても良い。この場合は、この波長計の検出結果をフィルタ波長調整回路97に入力し、フィルタ波長調整回路97が、例えば波長計の検出結果が発振波長λに一致するように電流注入量を調整することも可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。半導体レーザ素子11A〜11Dは、波長フィルタ部15を通過した後のレーザ光の強度を光増幅する半導体光増幅器を基板上に備えていてもよい。半導体レーザ素子11Aが光増幅器を備える場合を例にして説明する。図12は、光増幅器を備える半導体レーザ素子の構成を模式的に示す図面である。図12では、半導体レーザ光源部及び光増幅器を模式的に示している。
図12に示した半導体レーザ素子11Eの構成は、光増幅器103を備える点以外は、半導体レーザ素子11Aの構成と同様である。光増幅器103は、波長フィルタ部15に光学的に結合されており、波長フィルタ部15を通過したレーザ光を光増幅して出力する。光増幅器103としては、活性層を有する半導体光導波路上に、キャリヤ注入のための電極を設けた公知の光増幅器を用いればよい。なお、光増幅器103の出力側の端面上には、反射防止膜R1を形成しておくこともできる。半導体レーザ素子11Eは、光増幅器103を備えているため、波長フィルタ部15を通過することによるレーザ光強度の減少や、半導体レーザ素子11Eのような半導体素子において生じる内部吸収などによるレーザ光強度の減少を補うことができるので、より高強度のレーザ光を出力することが可能である。
半導体レーザ素子11Eは、半導体レーザ光源部13Aの代わりに、半導体レーザ光源部13B,13Cを備えてもよい。更に、半導体レーザ素子11Dと同様に、PD83を基板S上に更に備えていてもよい。また、半導体レーザ素子11Eに対して、フィルタ波長調整回路97やレーザ駆動回路95を設けることで、半導体光源装置とすることも可能である。なお、波長フィルタ部15が複数のリング状導波路を有する場合には、複数のリング状導波路の間に配置することも可能である。例えば、図12に示した波長フィルタ部15の場合では、リング状導波路31とリング状導波路33との間にリング状導波路31,33にそれぞれ光学的に結合して配置することもできる。
また、波長フィルタ部15の構成は、少なくとも1つのリング状導波路を有し、リング状導波路の共振波長に基づくピーク透過波長が発振波長λに一致していれば特に限定されない。例えば、波長フィルタ部15は、3つ以上のリング状導波路を有するとすることもできる。
また、波長フィルタ部15が有するリング状導波路の数は1つでもよい。このように、リング状導波路が1つの場合は、例えば、リング状導波路に対して電極を設けておき、その電極により光路長を調整してリング状導波路が有する複数の共振波長の1つを発振波長λに一致させればよい。或いは、リング状導波路が有する複数の共振波長の1つが発振波長に一致するようにリング状導波路の周方向の長さを設定しておくこともできる。この場合、波長フィルタ部15は、電極を備えなくてもよい。ただし、リング状導波路に対して電極を設けることで、波長フィルタ部15のピーク透過波長を微調整することが可能となり、より高強度のレーザ光を得ることができる。そのため、波長フィルタ部15は、電極を有している方が好ましい。
更に、波長フィルタ部15における電極27,29による信号印加として電流印加を例示しているが、波長フィルタ部15において、電極によるリング状導波路への信号印加としては電圧を印加してもよい。
図1は、本発明に係る半導体レーザ素子の第1の実施形態の構成を模式的に示す図面である 図2は波長フィルタ部におけるフィルタリング機能を説明するための図面である。 図3は、図1に示したIII−III線に沿って取られた半導体レーザ素子の縦断面の構成の一例を模式的に示す図面である。 図4は、図1に示されたIV−IV線に沿って取られた半導体レーザ素子の縦断面の構成の一例を模式的に示す図面である。 図5(a)は、半導体レーザ光源部から出力されるレーザ光の出力スペクトルの一例を模式的に示す図面である。図5(b)は、波長フィルタ部の透過スペクトルの一例のを模式的に示す図面である。図5(c)は、半導体レーザ素子から出力されるレーザ光の出力スペクトルを模式的に示す図面である。 本発明に係る半導体レーザ素子の第2の実施形態の構成を模式的に示す図面である。 図7は、図6のVII−VII線に沿った半導体レーザ素子の縦断面図の構成を模式的に示す図面である。 図8は、図6に示した半導体レーザ素子の他の実施形態の構成を模式的に示す図面である。 図9は、本発明に係る半導体レーザ素子の第3の実施形態の構成を模式に示す図面である。 図10は、本発明に係る半導体光源装置の一実施形態のブロック図である。 図11は、図10に示した半導体光源装置の他の実施形態を示すブロック図である。 図12は、光増幅器を備える半導体レーザ素子の一例の構成を模式的に示す図面である。
符号の説明
11A〜11E…半導体レーザ素子、13A〜13D…半導体レーザ光源部、17…ブラッグ回折格子(回折格子)、27,29…電極,31,33…リング状導波路,93A,93B…半導体光源装置、97…フィルタ波長調整回路(制御手段)、103…光増幅器、R1…反射防止膜。

Claims (7)

  1. 回折格子による反射によってレーザ発振を生じせしめる半導体レーザ光源部と、
    前記半導体レーザ光源部の一端に光学的に結合されており、前記回折格子の周期によって決まる前記半導体レーザ光源部の発振波長の光を選択的に通過させる波長フィルタ部と、
    前記半導体レーザ光源部及び前記波長フィルタ部を設ける基板と、
    を備え、
    前記波長フィルタ部はリング状導波路を有することを特徴とする半導体レーザ素子。
  2. 前記波長フィルタ部は、
    光路長が互いに異なっている複数の前記リング状導波路と、
    複数の前記リング状導波路の少なくとも一つに信号を印加することによって複数の前記リング状導波路に共通の共振波長を生じせしめるための電極と、
    を有し、
    前記複数のリング状導波路は光学的に結合されており、
    前記共通の共振波長が前記発振波長を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記波長フィルタ部に光学的に結合されており、前記波長フィルタ部を通過した前記レーザ光の光強度を検出する光検出素子を前記基板上に更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体レーザ素子。
  4. 前記半導体レーザ光源部に対して前記波長フィルタ部側に配置されており、前記レーザ光を光増幅するための光増幅器を前記基板上に更に備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の半導体レーザ素子。
  5. 前記半導体レーザ光源部は、分布帰還型又は分布ブラッグ反射型のものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の半導体レーザ素子。
  6. 反射防止膜を更に備え、
    前記反射防止膜が、前記波長フィルタ部を通過した前記レーザ光が出力される出力端面を構成していることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の半導体レーザ素子。
  7. 回折格子による反射によってレーザ発振を生じせしめる半導体レーザ光源部と、前記半導体レーザ光源部の一端に光学的に結合されている前記波長フィルタ部と、波長フィルタ部及び前記半導体レーザ光源部を設ける基板とを備える半導体レーザ素子と、
    前記波長フィルタ部を通過した前記レーザ光の光強度を検出する光検出素子を含む光検出手段と、
    前記波長フィルタ部を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記波長フィルタ部は、光路長が互いに異なっている複数のリング状導波路と、前記複数のリング状導波路の少なくとも一つに信号を印加することによって複数の前記リング状導波路に共通の共振波長を生じせしめるための電極とを有し、前記複数のリング状導波路は光学的に結合されており、前記共通の共振波長が前記発振波長を含み、
    前記制御手段は、前記光検出手段の検出結果に応じて、前記波長フィルタ部が有する前記電極による前記信号の印加量を制御することを特徴とする半導体光源装置。
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