JP2014067537A - 燃料電池用膜電極接合体の製造方法および固体高分子形燃料電池 - Google Patents

燃料電池用膜電極接合体の製造方法および固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】固体高分子形燃料電池の膜電極接合体として好適な膜電極接合体を製造することのできる燃料電池用膜電極接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】高分子電解質、触媒物質担持炭素体及び溶媒を含有する触媒インクを基材上に塗工し、基材上に塗工された触媒インクを乾燥させて膜電極接合体の触媒電極層を形成するに際して、粘度が0.005(Pa・s)以上0.1(Pa・s)以下の触媒インクを150(1/s)以上10000(1/s)以下の剪断速度で基材上に塗工する。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池に用いられる膜電極接合体の製造方法と該方法により製造された膜電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池に関する。
原料ガスの反応エネルギーを電気エネルギーに直接的に変換する燃料電池の一つには、イオン伝導体として高分子電解質膜を用いる固体高分子形燃料電池が知られている。固体高分子型燃料電池は、他の燃料電池と比べて起動時間が短く、また常温で作動することが可能でもあるため、自動車、鉄道、コージェネレーションシステム等のエネルギー源として期待されている。
図1は固体高分子形燃料電池の内部構造の一例を示す分解斜視図であり、図1に示されるように、固体高分子形燃料電池50を構成する高分子電解質膜51の両面(図中の上面と下面)には、一対の電極触媒層52A,52Fが高分子電解質膜51を挟持するように互いに向き合って形成されている。そして、電極触媒層52Aの上にはガス拡散層53Aが形成され、電極触媒層52Fの上にはガス拡散層53Fが形成されている。
これらの高分子電解質膜51、電極触媒層52A,52F及びガス拡散層53A,53Fは固体高分子形燃料電池50の膜電極接合体(Membrane Electrode
Assembly:MEA)を構成し、ガス拡散層53A,53Fの上には、セパレーター54A,54Fが膜電極接合体を挟持するように配置されている。
なお、セパレーター54A,54Fはガス流路55A,55Fを有し、これらのガス流路55A,55Fはセパレーター54A,54Fの両面(図中の上面と下面)のうちガス拡散層53A,53Fと向かい合う側の表面に凹設されている。また、セパレーター54A,54Fは冷却水通路56A,56Fを有し、これらの冷却水通路56A,56Fはセパレーター54A,54Fの両面のうちガス流路55A,55Fと反対側の表面に凹設されている。
上述した固体高分子形燃料電池50では、一対の冷却水通路56A,56Fの各々に冷却水が流され、且つ、一方のガス流路55Aに例えば酸素ガスが流され、他方のガス流路55Fに例えば水素ガスが流される。そして、触媒の存在下で酸素ガスと水素ガスとが電極反応を進めることによって、一対のガス拡散層53A,53Fの間に起電力が生成される。
このような固体高分子形燃料電池は、上述のように起動時間や動作温度の観点で優れている一方、さらなる実用化に際しては、発電効率が低いという問題を有している。そのため、固体高分子形燃料電池の製造技術には、従来から、出力電圧を高めるための各種の提案がなされている。例えば、特許文献1には、電極触媒層の形成に用いられる触媒インクとして、触媒インク材料を剪断力分散、および超音波分散の2種の分散手法を組みわせることにより、均一性に優れ、かつ、脱泡された触媒インクの製造方法が開示されている。
特開2010−86859号公報
特許文献1に開示される技術は、超音波分散と剪断力分散の長所を活かし、短所は相互補完すべく、せん断力分散を十分行った後に、キャビテーション効果(超音波振動)による超音波分散を行って触媒インクを製造する。その結果、均一性に優れ、かつ、脱泡された安定した触媒インクが製造することができる。
しかしながら、触媒インクを基材に塗工する際、触媒インクに十分な剪断力がかからない場合、少なからず触媒インク中の高分子電解質が局所的に生じることが課題であった。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、固体高分子形燃料電池の膜電極接合体として好適な膜電極接合体を製造することのできる燃料電池用膜電極接合体の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、出力電圧の向上を図ることのできる固体高分子形燃料電池を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、高分子電解質、触媒物質担持炭素体及び溶媒を含有する触媒インクを基材上に塗工する触媒インク塗工工程と、前記基材上に塗工された触媒インクを乾燥させて触媒電極層を形成する触媒インク乾燥工程とを含み、前記触媒インクの塗工時に粘度が0.005(Pa・s)以上0.1(Pa・s)以下の触媒インクを150(1/s)以上10000(1/s)以下の剪断速度で塗工することを特徴とする。
上記の一態様において、前記触媒インクを作製する触媒インク作製工程を含み、該触媒インク作製工程は、前記触媒物質担持炭素体と前記溶媒を混錬してペーストを作製する第1工程と、前記高分子電解質が分散した高分子電解質分散溶液を前記ペーストに添加して混練する第2工程とを有することが好ましい。
また、前記触媒インクの塗工時に温度が10℃以上50℃以下の触媒インクを塗工することがより好ましい。
本発明の他の態様は、上記の方法により製造された膜電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子形燃料電池である。
本発明によれば、触媒インクの塗工時に触媒インクにかかる剪断力のおかげで非ニュートン流体である触媒インクの粘度が下がり、触媒インク中の高分子電解質と触媒物質担持炭素体との均一性が高められる。これにより、固体高分子形燃料電池の出力電圧を高めることが可能な電極触媒層を基材上に形成できるので、固体高分子形燃料電池の膜電極接合体として好適な膜電極接合体を製造することができる。また、出力電圧の向上を図ることのできる固体高分子形燃料電池を得ることができる。
固体高分子形燃料電池の内部構造を示す分解斜視図である。 触媒インクの剪断速度に対する粘度依存性を示す図である。
以下、本発明に係る燃料電池用膜電極接合体の製造方法と固体高分子形燃料電池の一実施形態について説明する。なお、本発明に係る固体高分子形燃料電池の一実施形態は、図1に示した固体高分子形燃料電池と同様の構造であるが、電極触媒層が異なるものである。そのため、以下の説明では、電極触媒層を主に説明するとともに、その説明の便宜上、先に説明された部材には同じ符号を付し、その重複した説明を省略する。また、本発明は、以下に記載する実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づく設計の変更などの変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれるものである。
本発明に係る燃料電池用膜電極接合体の製造方法の一実施形態は、高分子電解質、触媒物質担持炭素体及び溶媒を含有し、かつ粘度が0.005(Pa・s)以上0.1(Pa・s)以下の触媒インクを作製する触媒インク作製工程と、作製された触媒インクを所定の剪断速度で基材上に塗工する触媒インク塗工工程と、基材上に塗工された触媒インクを乾燥させて触媒電極層を形成する触媒インク乾燥工程とを含むものである。
ここで、上記触媒インク作製工程は、触媒物質担持炭素体と溶媒を混錬してペーストを作製する第1工程と、高分子電解質が分散した高分子電解質分散溶液を上記ペーストに添加して混練する第2工程とを有し、触媒インクの粘度を所定の値に調整すると共に、触媒インク中の粒子のサイズを所定の値に調整するために、高分子電解質の分散処理が必要に応じて行われる。
高分子電解質の分散処理には、例えばボールミル、ロールミル、剪断ミル、湿式ミル、超音波分散機等の分散機を用いた分散処理の他に、遠心力で攪拌を行うホモジナイザーなどを利用した分散処理も用いることができる。
触媒インクの高分子電解質には、プロトン伝導性を有する高分子材料、例えばフッ素系高分子電解質や炭化水素系高分子電解質を用いることができ、フッ素系高分子電解質としては、例えばデュポン社製NAFION(登録商標)、旭硝子(株)製FLEMION(登録商標)、旭化成(株)製ACIPLEX(登録商標)、ゴア社製GORE−SELECT(登録商標)などが挙げられる。これらの中でも、固体高分子形燃料電池の出力電圧を高めるうえでは、デュポン社製NAFION(登録商標)を触媒インクの高分子電解質として用いることが望ましい。
炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどの電解質膜が挙げられる。
インク溶媒としては、触媒物質担持炭素体および高分子電解質を浸食しない溶媒であって、流動性を有した状態で高分子電解質を溶解する、又は微細ゲルとして高分子電解質を分散する溶媒を用いることが望ましい。このようなインク溶媒は、揮発性の有機溶媒を含むことが好ましく、インク溶媒に含まれる有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノ―ル、2−プロパノ―ル、1−ブタノ−ル、2−ブタノ−ル、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノ−ルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテルなどのエーテル系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノールなどの極性溶剤、これらの溶剤のうち二種以上が混合された有機溶媒を用いることができる。
有機溶媒として低級アルコールを用いる場合には、インク溶媒の発火温度を高めるうえで、インク溶媒を水との混合溶媒とすることが好ましい。また、高分子電解質との親和性を高める上でも、高分子電解質がインク溶媒から分離して白濁が生じたり、高分子電解質がゲル化したりしない程度に、インク溶媒が水を含むものであることが好ましい。
触媒インクに含まれる触媒物質担持炭素体や高分子電解質などの固形分の含有量が過大になると、触媒インクの粘度が高くなり、電極触媒層の表面にクラックが生じやすくなる。反対に、固形分の含有量が過小になると、電極触媒層の成膜速度が遅くなり、電極触媒層の生産性が低下してしまう。そのため、触媒インクの固形分含有量は、1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
ちなみに、触媒物質担持炭素体と高分子電解質の含有量が互いに等しい触媒インクであっても、炭素粒子の割合が大きくなるほど触媒インクの粘度は高くなり、反対に、炭素粒子の割合が小さくなるほど触媒インクの粘度は低くなる。そのため、触媒インクに含まれる炭素粒子の濃度は、10質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
なお、触媒インクの固形分含有量の調整、固形分における炭素粒子の濃度の調整、これらの他、上記分散処理の際に触媒インクに分散剤が添加されることにより、触媒インクの粘度を所定の値に調整することも可能である。また、触媒物質担持炭素体に対する高分子電解質の質量比率は、0.04質量%以上3.00質量%以下であることが好ましい。
触媒インク塗工工程では、上記のようにして作製された触媒インクが基材上に塗工される。この際、触媒インクに150(1/s)以上10000(1/s)以下の剪断速度を加えて塗工することにより、触媒インクの触媒物質担持炭素体と高分子電解質との均一性が高められることになり、触媒物質担持炭素体と高分子電解質との均一性が高い電極触媒層を形成することが可能となる。
触媒インク作製工程で作製された触媒インクを基材上に所定の剪断速度で基材上に塗工する場合、触媒インクのインク温度が10℃より低くなると触媒インクの粘度が高くなり、均一な電極触媒を得ることが難しくなる。また、インク温度が50℃を超えると触媒インクの溶媒が塗工中に揮発してしまう。従って、触媒インクを基材上に所定の剪断速度で塗工する場合には、インク温度を10℃以上50℃以下に保ちながら塗工することが好ましい。
触媒インクが塗工される基材としては、図1に示した高分子電解質膜51やガス拡散層53A,53Fあるいは転写シートを用いることができる。基材として転写シートを用いる場合には、転写シートに形成された電極触媒層が高分子電解質膜の両面に接合され、その後、電極触媒層から転写シートが剥がされる。一方、高分子電解質膜51やガス拡散層53A,53Fを基材として用いる場合には、電極触媒層から基材を剥離する工程を省略することができる。
高分子電解質膜51は、プロトン伝導性を有する高分子膜であり、この高分子電解質膜51の材料としては、例えばフッ素系高分子電解質や炭化水素系高分子電解質を用いることができる。フッ素系高分子電解質としては、例えばデュポン社製NAFION(登録商標)、旭硝子(株)製FLEMION(登録商標)、旭化成(株)製ACIPLEX(登録商標)、ゴア社製GORE−SELECT(登録商標)を用いることができる。なかでも、固体高分子形燃料電池の出力電圧を高めるうえでは、デュポン社製NAFION(登録商標)を好適に用いることができる。
炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレンなどの電解質膜を用いることができる。なお、電極触媒層と高分子電解質膜51との密着性を確保するうえでは、電極触媒層と高分子電解質膜51とが同一の材料から形成されていることが好ましい。
ガス拡散層53A,53Fは、ガス拡散性と導電性とを有する材料からなるシートであり、例えばカーボンクロス、カーボンペーパー、不織布などのポーラスカーボン材をガス拡散層53A,53Fのシート材料として用いることができる。ガス拡散層53A,53Fが基材として用いられる場合には、触媒インクが塗布される塗布面に、予め目処め層を形成しておくことが好ましい。
目処め層とは、触媒インクがガス拡散層53A,53Fの中に染み込むことを抑える層のことであり、触媒インクの塗布量が少ない場合には、目処め層上に触媒インクが堆積して該目処め層が三相界面を形成するため、特に好ましい。このような目処め層には、例えば炭素粒子の分散したフッ素系樹脂溶液がフッ素系樹脂の融点以上の温度で焼結された層を用いることができる。なお、フッ素系樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが用いられる。
転写シートは、電極触媒層を剥離可能な材料からなるシートであり、例えばエチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂を転写シートの材料として用いることができる。
また、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレートなどの高分子シート、高分子フィルムも転写シートの材料として用いることができる。
触媒インクを基材上に塗布する場合には、ドクターブレード法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などを用いて触媒インクを基材上に塗布することができる。これらのうち、加圧スプレー法、超音波スプレー法、静電噴霧法などのスプレー法が好ましく、このような方法によれば、塗工された触媒インクが乾燥する際に触媒インクの凝集が起こり難いため、空孔率の高い均質な電極触媒層を得ることが可能となる。
[固体高分子形燃料電池の製造方法]
固体高分子形燃料電池の製造方法では、まず、上記の方法により形成された2つの電極触媒層を高分子電解質膜51の両面と向き合うように配置する。
ここで、電極触媒層が形成される基材として高分子電解質膜51を用いた場合には、高分子電解質膜51の両面に電極触媒層が形成されることにより、上記の配置が実現される。また、基材としてガス拡散層53A,53Fあるいは転写シートを用いた場合には、高分子電解質膜51の両面側にガス拡散層53A,53Fあるいは転写シートを配置することにより、上記の配置が実現される。
2つの電極触媒層を高分子電解質膜51の両面と向き合うように配置したならば、次に、2つの電極触媒層と高分子電解質膜51とを加熱すると共に加圧する。これにより、電極触媒層と高分子電解質膜51が接合され、一つの膜電極接合体が形成される。
なお、電極触媒層が形成される基材として高分子電解質膜51を用いた場合には、高分子電解質膜51の両面側にガス拡散層53A,53Fを配置した後、これらを加熱及び加圧することにより膜電極接合体が形成される。そして、基材としてガス拡散層53A,53Fを用いた場合には、ガス拡散層53A,53Fの間に高分子電解質膜51を配置した後、これらを加熱及び加圧することにより膜電極接合体が形成される。
また、基材として転写シートを用いた場合には、電極触媒層が形成された2枚の転写シートを高分子電解質膜51の両面側に配置した後、これらを加熱すると共に加圧して電極触媒層を高分子電解質膜51の両面に圧着させる。そして、高分子電解質膜51の両面に圧着した電極触媒層から転写シートを引き剥がした後、高分子電解質膜51の両面側にガス拡散層53A,53Fを配置し、これらを加熱すると共に加圧することにより一つの膜電極接合体が得られる。その後、得られた膜電極接合体の両面を一対のセパレーター54A,54Fで挟持することにより固体高分子形燃料電池が製造される。
なお、セパレーター54A,54Fには、例えばカーボンタイプあるいは金属タイプが用いられる。ちなみに、セパレーター54A,54Fは、上記ガス拡散層53A,53Fと一体的に構成されてもよい。また、セパレーター54A,54F、又は電極触媒層が、ガス拡散層と同じくガスの拡散機能を有する場合には、上記ガス拡散層53A,53Fが省略されてもよい。
上述した燃料電池用膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池の製造方法について、以下に挙げる具体的な実施例及び比較例を用いて説明する。
(実施例1)
触媒物質担持炭素体として、白金担持カーボン(商品名:TEC10E50E、田中貴金属社製)と溶媒を、遊星ボールミル(商品名:P−7、フリッチュ・ジャパン社製)を用いて混練した。この際、ボールミルのポット及びボールにはジルコニア製のものを用いた。次に、高分子電解質として20質量%の高分子電解質溶液であるナフィオン(登録商標、デュポン社製)を添加し、再び混錬し触媒インクを作製した。作製された触媒インクの剪断速度に対する粘度依存性を図2に示す。
次いで、実施例1の触媒インクの温度を25℃に保温し、ドクターブレード法により、触媒インクにかかる剪断速度が1500(1/s)で、転写シートに塗布し、該転写シート上に塗布された触媒インクを温度が80℃の大気雰囲気中で5分間乾燥させることにより実施例1の電極触媒層を得た。この際、触媒物質の担持量が0.4mg/cm2になるように、電極触媒層の厚さを調節した。
続いて、高分子電解質膜51としてナフィオン(登録商標)212(デュポン社製)を用い、5cm2の正方形状に打ち抜かれた実施例1の電極触媒層と高分子電解質膜51の両面とが互いに向い合うように、2つの転写シートと高分子電解質膜51とを配置した。その後、これら2つの転写シートで挟まれた高分子電解質膜51を130℃に加熱すると共に加圧下で10分間保持するホットプレスを行うことにより、実施例1の膜電極接合体を得た。さらに、ガス拡散層として目処め層が形成された2つのカーボンクロスを用い、実施例1の膜電極接合体の両面に該カーボンクロスを配置し、これらを一対のセパレーターで挟持することにより、実施例1における単セルの固体高分子形燃料電池を得た。そして、燃料電池測定装置(東陽テクニカ社製APMT−02)を用い、実施例1の固体高分子形燃料電池におけるI−V特性を計測した。この際、燃料ガスとして純水素、酸化剤ガスとして空気、参照電極に可逆水素電極(RHE)を用い、0.5A/cm2出力時の出力電圧を計測した。その計測結果を表1に示す。
(実施例2)
触媒インクにかかる剪断速度が1000(1/s)で、転写シートに塗工する以外、実施例1と同様の工程を経て、それ以外の工程は実施例と同じくして、燃料電池用膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池を得た。実施例2の固体高分子形燃料電池における出力電圧の測定結果を表1に示す。
(実施例3)
触媒インクにかかる剪断速度が10(1/s)で、転写シートに塗工する、実施例1と同様の工程を経て、それ以外の工程は実施例と同じくして、燃料電池用膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池を得た。実施例3の固体高分子形燃料電池における出力電圧の測定結果を表1に示す。
(比較例)
触媒インクを冷暗所に保管してインク温度を5℃に保ち、それ以外の工程を実施例2と同じくして、比較例の電極触媒層及び固体高分子形燃料電池を得た。比較例の固体高分子形燃料電池における出力電圧の測定結果を表1に示す。
Figure 2014067537
表1に示されるように、実施例1−3の固体高分子形燃料電池では、比較例の固体高分子形燃料電池に比べて出力電圧が高くなることがわかる。したがって、固体高分子形燃料電池の出力電圧を高めることが可能な電極触媒層を基材上に形成することができ、固体高分子形燃料電池の膜電極接合体として好適な膜電極接合体を製造できると共に、出力電圧の向上を図ることのできる固体高分子形燃料電池を得ることができる。
50…固体高分子形燃料電池
51…高分子電解質膜
52A,52F…電極触媒層
53A,53F…ガス拡散層
54A,54F…セパレーター
55A,55F…ガス流路
56A,56F…冷却水通路

Claims (4)

  1. 高分子電解質、触媒物質担持炭素体及び溶媒を含有する触媒インクを基材上に塗工する触媒インク塗工工程と、前記基材上に塗工された触媒インクを乾燥させて触媒電極層を形成する触媒インク乾燥工程とを含み、前記触媒インクの塗工時に粘度が0.005(Pa・s)以上0.1(Pa・s)以下の触媒インクを150(1/s)以上10000(1/s)以下の剪断速度で塗工することを特徴とする燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  2. 前記触媒インクを作製する触媒インク作製工程を含み、該触媒インク作製工程は、前記触媒物質担持炭素体と前記溶媒を混錬してペーストを作製する第1工程と、前記高分子電解質が分散した高分子電解質分散溶液を前記ペーストに添加して混練する第2工程とを有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  3. 前記触媒インクの塗工時に温度が10℃以上50℃以下の触媒インクを塗工することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載された方法により製造された膜電極接合体を備えることを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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