JP2007220642A - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池を生産性良く製造する方法を提供する。
【解決手段】 触媒を担持している導電性炭素粉末および固体高分子電解質を含有する触媒層を有する電極を備えた燃料電池の触媒層を形成するにあたり、少なくとも一方がロール外周に設けられたペースト保持溝を有する塗布ロールである一対のロールと、上記塗布ロールのペースト保持溝に供給される上記触媒層形成用ペーストを貯留するためのペースト溜を備えた塗布装置を使用し、上記触媒層形成用ペーストは、上記溶剤として、沸点が150〜300℃の高沸点溶剤と、該高沸点溶剤よりも沸点の低い低沸点溶剤を含有しており、かつ25℃の粘性率が0.3Pa・s以上であり、上記塗布装置の上記一対のロール間に基材を挿入し、上記塗布ロールを介して、上記基材に上記触媒層形成用ペーストを転写することを特徴とする燃料電池の製造方法である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、触媒層を有する電極を備えた燃料電池の製造方法に関するものである。
現代社会の主なエネルギー源である化石燃料の燃焼熱による動力を得て発電を行う場合、一般的にカルノーサイクルの制約を受けるが、燃料電池は燃料と酸化剤を各々電解質膜で隔てられた電極に供給し、燃料の酸化反応と他方で酸化剤の還元反応によって直接発電するため、発電効率が高い。
燃料電池は、電解質膜によりリン酸型燃料電池(PAFC:Phosphoric Acid Fuel Cell)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC:Molten Carbonate Fuel Cell)、固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuell Cell)、高分子電解質膜型燃料電池(PEMFC:Polymer Electrolyte Membrane Fuell Cell)に区分される。
これらの中でも高分子電解質膜型燃料電池(PEMFC)は、小型、軽量で、80℃の低温域で効率が高いことから車載用、家庭用電源にのみならず携帯用や小型機器に適応することができる。
PEMFCは、電解質膜層として固体高分子電解質膜を用い、その両面に触媒層を配し、さらにその両面にガス拡散層なる多孔質の電極基材[MEA(Membrane electrode assembly)]を有している。
上記触媒層では、触媒を担持した導電性炭素と電解質が適度に混合されており、炭素上の触媒と電解質との界面で電極反応が起こる。そして、炭素同士の繋がりが電子伝導、電解質同士の繋がりは、水素イオン伝導の役目を果たしている。また、上記ガス拡散層は、触媒層間の電子輸送と水素などの燃料ガス輸送、および酸素と水素の反応による生成水や電解質膜中を透過した水の排出を目的とする層であり、これらの要求特性から炭素繊維不織布や炭素繊維物などの多孔質炭素材料に撥水処理としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含有する層であり、さらにこれらガス拡散層の触媒層に接する面には、しばしばMPL(Micro Polus Layer)層と呼ばれる層が設けられる。これは、表面平滑性の改善やガス拡散過電圧の改善、電解質膜と触媒層の乾燥を防止する役割を果たしている。
こうした燃料電池に係る電極の触媒層の形成方法としては、例えば、触媒を担持した導電性炭素粉末や固体高分子電解質を溶剤に分散または溶解してなる触媒層形成用ペーストを、基材に塗布し、その後にこのペースト塗布面を電解質膜に重ね、加圧プレスした後に基材を剥離することによって電解質膜上に形成する方法や、上記のガス拡散層を基材として、その表面に触媒層形成用ペーストを塗布する方法などが採用されている。このような触媒層形成方法においては、上記の触媒層形成用ペーストを基材表面に塗布するに当たり、1回の塗工操作で、均一かつ安定に所望の塗布厚みとすることが、電極の生産性向上、延いては燃料電池の生産性向上において極めて有効である。
ペースト状の組成物を基材に塗布する方法としては、例えば、ダイコーター、バーコーター、ドクターブレード、スプレーコーターなどの塗布装置を用いる方法が一般的である。しかしながら、これらの塗布装置では、ペースト状の組成物を基材に比較的均一に塗布できるものの、塗布厚みを厚くすることが困難である。そのため、燃料電池に係る電極の触媒層を形成するには、これらの塗布装置を用いた場合には、複数回の塗工操作が要されるか、1回の塗工操作でこれを達成するには、多重塗布などの操作が必要となり、制御が複雑となる場合が多い。
これに対し、塗布ロールにより基材にペースト状組成物を転写するロールコーターは、塗工機構が比較的単純で、塗布厚みに対する自由度も高く、例えば、1回の塗工操作で、触媒層形成に必要な塗布厚みとすることもできる。
ロールコーターを用いた工程を有する燃料電池用電極の製造技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2に開示がある。
特許文献1では、基材を搬送するための搬送ロールと、この搬送ロールと逆方向に回転し、搬送ロールに基材を介在させて対向するコーティングロールと、コーティングロールと調整可能な間隙を有して対向するドクターロールと、コーティングロールとドクターロールの間にペーストを供給するためのペースト溜とを有するロールコーターを用いて、触媒層形成用のペーストなどを電極基材上に転写する技術を提案している。
また、特許文献2では、燃料電池用のガス拡散層を形成するに当たり、互いに対向して設けられたコーティングロールおよびバックアップロールと、コーティングロールに付勢されたスキージを有するロールコーターを用いて、ガス拡散層の撥水層形成用ペーストを多孔質基材に塗布する技術を提案している。
特開昭60−151968号公報 特開2004−71508号公報
触媒層形成用ペーストは、特に塗布厚みを制御する観点からは、ある程度粘度を高めることが好ましい。高粘度の触媒層形成用ペーストは、ペースト全体に占める溶剤量を減らすことで容易に得ることができる。
ところが、ロールコーターなどの塗布装置の多くは開放系であるため、例えば、塗工操作時に、ペースト溜に保持されている触媒層形成用ペースト中の溶剤が揮発拡散し易い。そのため、特に高粘度とすべく、溶剤含有量を減らして調製した触媒層形成用ペーストでは、ロールコーターのペースト溜に貯留されている間に、わずかな量の溶剤の揮発によって、その組成(固形分濃度)や粘度が変化してしまい、基材への均一塗布が困難になるという問題がある。
例えば、特許文献2では、上記撥水層形成用のペーストに、ジエチレングリコールやエチレングリコール、プロピレングリコールなど溶剤を用いているが、こうした高沸点の溶剤を用いて触媒層形成用ペーストを調製すれば、例えば、ロールコーターのペースト溜に貯留している間の溶剤の揮発拡散を抑えて、ペースト組成や粘度の変動による塗布の均一性低下を防止することができる可能性がある。
しかし、触媒層形成の際には、ペースト中の溶剤を乾燥などにより除去する必要があり、例えば、特許文献2の技術では、撥水層形成の際に、上記の高沸点溶剤を完全に除去するために、250〜300℃で所定時間熱処理するといった方法を採用しているが、触媒層は、撥水層(拡散層)とは異なり、耐熱性の低い固体高分子電解質を含有しているため、この高分子電解質の熱劣化を防止するためには、特許文献2に開示されているような高温での熱処理を施すことはできない。他方、触媒層に溶剤が多量に残留した場合には、燃料電池の特性低下を引き起こしてしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池を生産性良く製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明の燃料電池の製造方法は、触媒を担持している導電性炭素粉末および固体高分子電解質を含有する触媒層を有する電極を備えた燃料電池の製造方法であって、上記製造方法は、上記触媒層を形成するにあたり、上記触媒を担持している導電性炭素粉末、上記高分子電解質および溶剤を含有する触媒層形成用ペーストを、基材に塗布する工程を有しており、上記工程では、少なくとも一方がロール外周に設けられたペースト保持溝を有する塗布ロールである一対のロールと、上記塗布ロールのペースト保持溝に供給される上記触媒層形成用ペーストを貯留するためのペースト溜を備えた塗布装置を使用し、上記触媒層形成用ペーストは、上記溶剤として、沸点が150〜300℃の高沸点溶剤と、該高沸点溶剤よりも沸点の低い低沸点溶剤を含有しており、かつ25℃の粘性率が0.3Pa・s以上であり、上記塗布装置における上記一対のロールの間に上記基材を挿入し、上記塗布ロールによって、上記基材に上記触媒層形成用ペーストを転写することを特徴としている。
本発明法によれば、1回の塗工操作で、塗布厚みを厚くしつつ触媒層形成用ペーストを基材に連続的に塗布できるため、燃料電池用電極の生産性、延いては燃料電池の生産性を高めることができる。また、塗布装置のペースト溜において、溶剤の揮発による触媒層形成用ペーストの組成や粘度の変動を抑えて、基材への均一塗布を可能としつつ、触媒層からの溶剤の除去をより低温で達成できるため、燃料電池の特性を優れたものとすることができる。
図1に、本発明法により製造される燃料電池の一例を模式的に示す。図1の燃料電池では、正極集電体5と負極集電体6の間に、MEA10が配置されている。MEA10は、正極1、負極2および電解質膜3で構成されており、4はシール材である。また、正極集電体5には正極リード線5aが、負極集電体6には負極リード線6aが取り付けられている。そして、7は燃料供給孔、8は燃料導出パイプ、9は酸素供給孔である。図1の燃料電池では、燃料導出パイプ8を経て燃料供給孔7からMEA10内に燃料である水素が供給され、他方、酸素供給孔9から、酸素(または酸素を含有する空気)がMEA10内に供給される。
MEA10内に供給された燃料は、負極2の負極拡散層2aを通過して負極触媒層2bで酸化され、これにより生成した水素イオンが電解質膜3を通過して正極1の正極触媒層1aで、正極拡散層1bを経て正極触媒層1a内に供給された酸素と結合して水を生成し、また、負極触媒層2bでの燃料の酸化により生成した電子が、負極集電体6の負極リード線6aを通じて電池外に取り出される。
本発明法は、上記のような構成の燃料電池の製造における触媒層の形成工程に特徴を有している。すなわち、本発明法は、特定構成の塗布装置(ロールコーター)を用い、特定構成の触媒形成用ペーストを基材に転写する触媒層形成工程を有している。上記の通り、ロールコーターは、塗工機構が比較的単純で、塗布厚みの自由度も高く、例えば、1回の塗工操作で、触媒層形成用ペーストを必要な塗布厚みで塗布することができる。
よって、本発明法では、触媒層形成用ペーストを基材に塗布するにあたり、塗布装置としてロールコーターを用いると共に、触媒層形成用ペーストを高粘度として、1回の塗工操作で必要な塗布厚みを確保できるようにした。
そして、ペースト中の溶剤含有量を低減して触媒層形成用ペーストの高粘度化を達成した場合に、例えば、ロールコーターのペースト溜での溶剤の揮発によるペーストの組成や粘度の変動を、特定の溶剤を用いて触媒層形成用ペーストを構成することで防止した。
本発明法では、これらの手法の採用によって、燃料電池用電極、延いては燃料電池の生産性の向上を達成しつつ、良好な電池特性を有する燃料電池の生産を可能としている。
本発明法で使用するロールコーターは、少なくとも、一対のロールと、基材に塗布するための触媒層形成用ペーストを貯留するためのペースト溜を備えている。そして、上記一対のロールのうち、少なくとも一方は塗布ロールであって、この塗布ロールは、外周に、ロール軸を中心軸とする環状またはスパイラル状のペースト保持溝を有している。
図2に、本発明法で使用できるロールコーターの一例を示す。図2のロールコーターは、上記一対のロールの両方が塗布ロールであるタイプの装置である。すなわち、図2のロールコーターでは、対峙して配置された2つの塗布ロール11、11を備えており、それぞれの塗布ロール11、11には、それぞれにスキージ14およびスキージブロック18で構成された触媒層形成用ペーストを貯留するためのペースト溜13が設けられている。また、2つの塗布ロール11、11には、外周に複数のペースト保持溝19が設けられており、ペースト溜13から供給される触媒層形成用ペーストがこれらのペースト保持溝19で保持されるようになっている。
ペースト溜13に貯留された触媒層形成用ペーストを基材15に塗布する際には、搬送用コンベアロール16によって、垂直方向(図2中上向きの矢印方向)に基材15を搬送し、塗布ロール11、11の間に挿入する。塗布ロール11、11は、基材15の進行方向と同方向で、塗布ロール11、11同士では互いに反対方向(塗布ロール11、11側面に示した矢印方向)に回転して、ペースト溜13から供給されペースト保持溝19に保持された触媒層形成用ペーストを基材15に塗布(転写)する。図2のロールコーターでは、基材の両面または片面に触媒層形成用ペーストを塗布することができる。
また、図3に、本発明法で使用できるロールコーターの他の例を示す。図3に示すロールコーターは、基材15を水平方向に移動させながら塗布する方式で、一対のロールのうち一方のみが塗布ロール11であるタイプの装置である。塗布ロール11に設けられたペースト溜13の構成は図2の装置と同じである。また、図3では、装置の側面の概略を示しているために図示していないが、塗布ロール11には、図2の装置に係る塗布ロール11と同様に、外周にペースト保持溝が設けられている。
図3の装置によって、触媒層形成用ペーストを基材15に塗布する際には、搬送用ベルトコンベアロール16によって、水平方向(図3中、右向きの矢印の方向)に基材15を搬送し、塗布ロール11とバックアップロール12の間に挿入する。塗布ロール11とバックアップロール12は、基材15の進行方向と同方向で、塗布ロール11とバックアップロール12とでは互いに反対方向(塗布ロール11およびバックアップロール12の側面に示した矢印方向)に回転して、ペースト溜13から供給されペースト保持溝19に保持された触媒層形成用ペーストを基材15に塗布(転写)する。図3のロールコーターでは、基材の片面に触媒層形成用ペーストを塗布することができる。
図3の装置では、基材15を水平方向に搬送して触媒層形成用ペーストを塗布する機構であることから、図2の装置とは異なり、搬送用コンベアロールなどで基材を挟み込む必要がなく、基材の破損や落下などの懸念がないため、操作が簡便である。
更に、図4に示すように、図3の装置と同様の構成を有し、かつ塗布ロール11が、基材15の進行方向(図4中、左向きの矢印の方向)と逆方向で、バックアップロール12と同方向に回転する方式の装置によっても、基材15の片面に触媒層形成用ペーストを塗布することができる。
図4の塗布装置はリバースコーターと称され、塗布ロール11が基材15の進行方向とは逆方向に回転しながら、触媒層形成用ペーストを、基材15との間に一定のせん断を加えながら塗布する。詳しくは後述するように、本発明法で用いる触媒層形成用ペーストは、高粘度であり、かつペースト溜で比較的長時間貯留しても、ペースト中の溶剤の揮発による固形分濃度や粘度の変化が生じ難いものであるが、図4に示すリバースコーターであれば、このような本発明法に係る触媒層形成用ペーストについても、比較的粘度の低いペーストから高粘度ペーストまで幅広く扱うことができ、また、ペースト溜での貯留が非常に長期間に亘るなどして、ペーストの粘度や固形分濃度が多少変化した場合においても、基材15と塗布ロール11との間のギャップや押し込み量を制御することで、塗布厚みを調整することもできる。
そして、図4の示すようなリバースコーターによれば、一定のせん断を加えながら触媒層形成用ペーストを塗布できるため、形成される触媒層の表面を、例えば、表面粗さRa値で2.0以下というように非常に平滑にすることができる。表面粗さRaが2.0以下の触媒層を用いて燃料電池を構成することで、触媒層と電解質膜との界面の親和性を高め、イオン伝導性を向上させて、燃料電池の高出力化を図ることができる。また、このような平滑な触媒層を形成できるように触媒層形成用ペーストを塗布できることで、均一な触媒層を形成できるため、特性のバラツキを低減でき、生産性を向上させることが期待できる。
ここで、上記に示す表面粗さRa値とは、算術平均粗さのことであり、これは粗さ曲線を描き、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の方向にX軸、縦倍率の方向にY軸を取り、y=f(x)で表したときに求められる値をいう。例えばlを基準としたとき、表面粗さRaは下記式(1)で表すことができる。
Figure 2007220642
なお、形成後の触媒層の表面粗さRa値は、2.0以下であることが好ましく、1.2以下であることがより好ましい。触媒層の表面粗さRa値は小さいほど好ましいが、実用上は0.5程度が下限である。
また、ロールコーターでは、図5(a)に示すように、塗布箇所の末端に触媒層形成用ペーストのロス[図5(a)中、X]が発生する。これに対し、リバースコーターを用いると、図5(b)に示すように、塗布時に触媒層形成用ペーストにせん断力が加わり、塗布箇所の末端での触媒層形成用ペーストがロール回転方向に取られることでロスを低減できる[図5(b)中、Y]ため、かかる作用によっても触媒層の生産性を更に高めることができる。
また、図2〜4に示すロールコーターにおいて、触媒層形成用ペーストを保持した塗布ロール11が、触媒層形成用ペーストが塗布される基材15の塗布面に対して鉛直方向に上下駆動する機構を備えることで、触媒層形成用ペーストを、基材15の所定位置に塗布したり、間欠塗布することが可能である。更に、図6に示すように、平滑な鋼板などで構成され、基材15を固定して水平方向に移動する基材固定板20を有し、かつ上記のように塗布ロール11が基材15の塗布面に対して鉛直方向に上下駆動する機構を有するロールコーターによっても、基材15の所定位置に触媒層形成用ペーストを塗布することができる。
なお、図2〜4、6に示すロールコーターは、本発明法で使用できるものの一例に過ぎず、本発明法で使用できるロールコーターは、これらのものに限定される訳ではない。また、図2〜4、6の各装置に、触媒層形成用ペーストの自動供給および外気接触防止を目的として、分注液装置や、ロールと基材の接触部位を除き、全体を覆う構造体を設けてもよい。更に、外気の温湿度の影響を受け難いように、構造体中の雰囲気を調整することのできる温湿度調整装置を設けてもよい。
本発明法で使用するロールコーターに係る塗布ロールとしては、基材に押し付けながら触媒層形成用ペーストを転写する機構であることから、ゴム弾性を有する弾性体で構成されていることが好ましい。塗布ロールを構成する弾性体の具体例としては、例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴムなどが挙げられ、これらの架橋体(加硫物)が好ましく使用できる。なお、塗布ロールは、スキージとの間での摩擦や、触媒層形成用ペースト中に含有される強酸性の固体高分子電解質との接触に対する耐久性が求められることから、上記例示の弾性体の中でも、耐摩耗性や耐酸性に優れるもの、具体的には、エチレンプロピレンゴムやブチルゴムがより好ましく、また、これらを過酸化物により架橋した架橋体が特に好ましい。
また、塗布ロールを構成する弾性体は、その硬度(JIS−A)が、30以上であって、70以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは40以下であることが望ましい。弾性体の硬度が低すぎると、スキージが塗布ロールに一定の押圧で押し当てられた場合に、塗布ロール表面に設けられたペースト保持溝が押し潰されて、所望の塗布量のペーストを転写しにくくなる虞がある。また、弾性体の硬度が高すぎると、触媒層形成ペーストを塗布し、乾燥して溶剤を除去した後の塗膜(触媒層)にペースト保持溝の凹凸が残り、層厚が不均一となる虞がある。
また、図3や図4に示すように、塗布ロールとバックアップロールを組み合わせてなるロールコーターの場合には、バックアップロールとしては、その構成材料については特に限定されないが、例えば、耐腐食性を考慮したSUSなどのステンレス鋼材料が好ましい。また、塗布ロールの好適な構成材料として上で例示した各種弾性体で構成されていてもよい。この場合、上記弾性体の硬度(JIS−A)は、上記の塗布ロールに係る弾性体以上の硬度が好ましく、50以上がより好ましい。
図7に、本発明法で使用するロールコーターに係る塗布ロールの一例と、そのペースト保持溝部分(a−a’線断面)の拡大断面図を示す。ペースト保持溝の形状(断面形状)は、その凹凸の高低差が外周一様に均一であれば特に限定されるものではなく、V字、U字、台形、長方形、三角錐などが挙げられるが、V字型が好ましい。また、ペースト保持溝は、例えば、1本以上の条が螺旋状に連続したスパイラル構造であってもよく、図2や図7に示すように外周1周囲だけの環状の単独構造のものが、ロール軸方向に複数個設けられていてもよいが、多くは弾性を有するゴム材(弾性体)に加工するため、精度の点で単独構造であることがより好ましい。
例えばペースト保持溝が断面V字の形状を有する場合、V字部(谷部)の内角は、30°以上、より好ましくは40°以上であって、100°以下、より好ましくは70°以下であることが望ましい。上記内角が小さすぎるか大きすぎる場合には、ペーストの保持性が低下する虞がある。
また、塗布ロールに係るペースト保持溝は、そのロール軸方向におけるピッチ(図6中「A」)が、300μm以上、より好ましくは500μm以上であって、1500μm以下、より好ましくは1300μm以下であることが望ましい。ペースト保持溝のピッチが上記好適値にある場合には、触媒層形成用ペーストの塗布厚みを制御し易く、1回の塗工操作で厚みの厚い塗布を達成し易くなる。すなわち、ペースト保持溝のピッチが小さすぎると、ペーストの塗布厚みの制御範囲が狭くなり、また、ピッチが大きすぎると、ペースト塗膜の平滑性が低下する虞がある。なお、本明細書でいうペースト保持溝のロール軸方向におけるピッチとは、塗布ロールのロール軸方向の断面において、ペースト保持溝の谷部の両端間の中心位置(該谷部を形成している2つの山部の、該谷部側端同士の間の中心位置)から、該谷部に隣接する谷部の両端間のロール軸方向における中心位置までの距離を意味している。
なお、図2〜4の装置で示した基材搬送用コンベアロールとしては、基材に対して局所的な歪みやすべりなどが生じることのないゴムなどの弾性材で構成されるものあれば特に限定されないが、例えば、基材のしわを抑制するための溝切り構造を有し、エチレンプロピレンゴムを素材とするエキスパンダーローラーなどが好適である。
本発明法で用いる触媒層形成用ペーストは、触媒を担持している導電性炭素粉末、固体高分子電解質および溶剤を含有しており、その25℃における粘度が0.3Pa・s以上である。触媒層形成用ペーストがこのような粘度を有することで、1回の塗工操作で触媒層に必要な均一な厚みの塗布が可能となる。また、触媒層形成用ペーストの塗布による厚膜の形成がより容易となることから、触媒層形成用ペーストの25℃における粘度は、1.0Pa・s以上であることがより好ましい。なお、触媒層形成用ペーストの粘度が低すぎると、触媒層形成用ペーストを基材に塗布する際の塗布厚みの制御が困難となり、1回の塗工操作で触媒層に必要な厚みを確保し難くなる他、塗布ロールとスキージの間に設けるペースト溜に触媒層形成用ペーストを保持すること自体も困難となる。
また、触媒層形成用ペーストの25℃における粘度は、50Pa・s以下であることが好ましく、5.0Pa・s以下であることがより好ましい。
なお、本明細書でいう触媒層形成用ペーストの25℃における粘度は、コーン式粘度計(例えば、東機産業株式会社製)を用いて、回転数を5.0rpmにして測定した値である。
触媒層形成用ペーストの粘度は、例えば、該ペーストの溶剤含有量により制御できる。ペーストをより高粘度にする場合には、ペーストの溶剤含有量を減らして、固形分濃度を高めればよい。
なお、触媒層形成用ペーストは比較的高粘度であり、通常のペーストよりも溶剤含有量を比較的少なくしている。そのため、ペースト溜などで貯留中に溶剤がわずかに揮発拡散するだけでも、ペーストの固形分濃度および粘度が大きく変化してしまい、基材への連続的な均一塗布が困難となり易い。こうしたペースト溜での貯留中の溶剤の揮発拡散は、より高沸点の溶剤を用いてペーストを調製することで回避できるが、その場合、触媒層形成のために、基材に塗布後のペースト塗膜から溶剤を除去することが困難となる。この際、溶剤の除去を高温で行うと、触媒層に含有されている耐熱性の低い固体高分子電解質の熱劣化が生じて電池特性が損なわれる虞があり、他方、溶媒の除去を低温で長時間行うと、電極の生産性が低下する他、触媒層中の残留溶剤量が多くなってやはり電池特性が低下する虞がある。
そこで、本発明法で用いる触媒層形成用ペーストは、溶剤に、沸点が150℃以上300℃以下の高沸点溶剤と、該高沸点溶剤よりも沸点の低い低沸点溶剤を用いて調製する。触媒用形成用ペーストの溶剤に、上記の高沸点溶剤と低沸点溶剤を併用することで、高沸点溶剤の作用により、例えばペースト溜での溶剤の揮発による触媒層形成用ペーストの組成変動を抑えて、連続塗工中の塗布の均一性を確保し、かつ低沸点溶剤の作用により、触媒層形成の際の溶剤の除去を容易にし、触媒層における溶剤の残留を可及的に低減して、生産性の低下や電池特性の低下を抑制している。
なお、触媒層形成用ペーストに係る高沸点溶剤は、沸点が、150℃以上300℃以下(より好ましくは250℃以下)である。高沸点溶剤の沸点が低すぎると、例えば沸点が82℃の2−プロパノールを溶剤として調製したペーストのように、ペースト溜などでの溶剤の揮発による組成や粘度の変動によって、連続塗工した際の塗布の均一性が損なわれてしまう。また、高沸点溶剤の沸点が高すぎると、例えば、沸点が327℃のテトラエチレングリコールを溶剤として調製したペーストを用いた場合のように、触媒層形成時に溶剤を除去するための乾燥に時間がかかり、また、乾燥後の触媒層中の残留溶剤量も多くなって、触媒層の内部抵抗が増大し、電池特性を低下させる場合がある。
高沸点溶剤の具体例としては、例えば、ホルムアミド(沸点:210℃、20℃での誘電率:111.0)、N−メチルホルムアミド(沸点:185℃、20℃での誘電率:177.0)、N,N−ジメチルホルムアミド(沸点:153℃、25℃での誘電率:36.7)、N,N−ジメチルアセトアミド(沸点:166℃、25℃での誘電率:37.8)、などのアミド類;シクロヘキサノン(沸点:155.7℃、20℃での誘電率:18.3)などのケトン類;1,2−エタンジオール(沸点:198℃、20℃での誘電率:38.7)、1,2−プロパンジオール(沸点:187℃、20℃での誘電率:32.0)、ジエチレングリコール(沸点:244℃、20℃での誘電率:38.7)、グリセリン(沸点:290℃、25℃での誘電率:42.5)などの多価アルコール類;γ−ブチロラクトン(沸点:204℃、20℃での誘電率:39.1)、炭酸エチレン(沸点:238℃、40℃での誘電率:89.6)、プロピレンカーボネート(沸点:242℃、23℃での誘電率:69.0)などのエステル類;ジメチルスルホキシド(沸点:189℃、20℃での誘電率:48.9);N−メチルピロリドン(沸点:202℃、25℃での誘電率:32.0);ニトロベンゼン(沸点:210℃、25℃での誘電率:34.8);スクシノニトリル(沸点:267℃、57.4℃での誘電率:56.5);スルホラン(沸点:287℃、30℃での誘電率:43.3);などが挙げられる。高沸点溶剤は、上記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、高沸点溶剤としては、上記例示のものの中でも、20℃の誘電率が31以上のものが好ましい。このような誘電率の高沸点溶剤であれば、固体高分子電解質に対する溶解性が高く、かかる高分子電解質を比較的迅速に溶解することができる。
低沸点溶剤としては、上記の高沸点溶剤よりも沸点が低いものであればよいが、沸点が100℃以下のものが好ましく、また、沸点が20℃以上のものがより好ましい。このような低沸点溶剤としては、例えば、水や、上記の沸点を有する有機溶剤(低沸点有機溶剤)が挙げられ、これらを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用しても構わない。低沸点溶剤として低沸点有機溶剤を用いた場合には、触媒層を形成する際に触媒層形成用ペーストの乾燥がより容易となる。他方、低沸点溶剤として水を用いた場合には、触媒層形成用ペーストを調製する際に発熱や発火の危険性を低減できる。また、水は粘度調整剤としても用いることができる。
上記低沸点有機溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル(沸点:35℃)などのエーテル類;アセトン(沸点:56℃)、メチルエチルケトン(沸点:80℃)などのケトン類;メタノール(沸点:65℃)、エタノール(沸点:78℃)、1−プロパノール(沸点:97℃)、2−プロパノール(沸点:82℃)などのアルコール類;テトラヒドロフラン(沸点:66℃)などのフラン類;酢酸エチル(沸点:77℃)などのエステル類;トリフルオロ酢酸(沸点:72℃);アセトニトリル(沸点:82℃)、プロピオニトリル(沸点:97℃)などのニトリル類;テトラヒドロピラン(沸点:88℃);などを挙げることができる。これらの低沸点有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記例示の高沸点溶剤と上記例示の低沸点溶剤の組み合わせには、特に制限はないが、例えば、高沸点溶剤であるN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、N−メチルピロリドン、スルホランなどは、低沸点溶剤として水、アルコール類(エタノール、1−プロパノールなど)、エーテル類(ジエチルエーテルなど)と組み合わせて用いることが、また、高沸点溶剤であるホルムアミド、N−メチルホルムアミド、グリセリン、炭酸エチレン、ジメチルスルホキシド、スクシノニトリルは、低沸点溶剤として水、アルコール類(エタノール、1−プロパノールなど)と組み合わせて用いることが好ましい。上記のような高沸点溶剤と低沸点溶剤の組み合わせであれば、触媒層形成用ペーストの組成安定性確保と、触媒層形成時の溶剤除去の容易さのバランスが、より良好となる。
触媒層形成用ペースト中における高沸点溶剤の含有率は、例えば、10質量%以上、より好ましくは30質量%以上であって、97質量%以下、より好ましくは90質量%以下であることが望ましい。高沸点溶剤をこのような割合で含有する触媒層形成用ペーストであれば、ロールコーターの塗布ロールによる塗布に適した高い安定性と安全性を確保することができる。
他方、触媒層形成用ペースト中における低沸点溶剤の含有率としては、低沸点溶剤が上記の低沸点有機溶剤の場合には、例えば、0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であって、50質量%以下、より好ましくは10質量%以下であることが望ましい。低沸点有機溶剤をこのような割合で含有する触媒層形成用ペーストであれば、その保存性(組成や粘度の安定性)を維持しながら、触媒層を形成する際におけるペースト塗布後の溶剤の乾燥時間を短縮でき、また触媒層中の残留溶剤量を低減することができる。
また、低沸点溶剤として水を用いる場合には、触媒層形成用ペースト中の水の含有率は、例えば、0.1質量%以上であって、20質量%以下、より好ましくは10質量%以下であることが望ましい。このような割合で水を含有する触媒層形成用ペーストであれば、触媒を担持している導電性炭素粉末の発熱や発火などの危険性をより低減でき、また、触媒層形成用ペーストを適度な粘度に調整することが容易となる。
触媒層形成用ペーストに係る触媒を担持している導電性炭素粉末(以下、「触媒担持炭素粉末」と略す場合がある)としては、燃料電池の電極の触媒層に一般的に用いられているものであれば特に限定されない。また、触媒担持炭素粉末は、市販品をそのまま用いることができるが、例えば、後述する炭素質材料からなる粉末を分散させて触媒担持し、炭素質材料粉末の凝集を抑制したものを用いることもできる。
触媒担持炭素粉末の形成に用い得る炭素質材料としては、特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどを用いることができる。電子伝導性および比表面積の大きさの観点からは、例えば、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックを用いることが好ましい。また、天然黒鉛;ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリルなどの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素;などを用いることもできる。
例えば、上記のオイルファーネスブラックの市販品としては、キャボット社製の「バルカンXC−72」、「バルカンP」、「ブラックパールズ880」、「ブラックパールズ1100」、「ブラックパールズ1300」、「ブラックパールズ2000」および「リーガル400」(いずれも商品名)や、ライオン社製の「ケッチェンブラックEC(商品名)」などが例示できる。
炭素質材料の形状については、特に制限はない。例えば、粒子状、繊維状などの形状が挙げられる。また、炭素質材料の大きさについても特に制限はないが、電気伝導性の観点からは、例えば、粒経が、5〜100nmであることが好ましく、20〜60nmであることがより好ましい。また、炭素質材料の比表面積は、20〜2000m/gであることが好ましく、500〜1500m/gであることがより好ましい。
触媒層形成用ペーストに係る触媒(上記触媒担持炭素粉末が担持している触媒)としては、特に制限はないが、例えば、白金微粒子や、ルテニウム、鉄、ニッケル、コバルト、錫、ルテニウム、金などと白金との合金微粒子などが用いられる。
触媒層形成用ペーストにおいて、触媒担持炭素粉末の含有率は、1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であって、20質量%以下、より好ましくは15質量%以下であることが望ましい。触媒担持炭素粉末の含有率が低すぎると、触媒層を形成した時に電極反応率が低下する原因となることがある。また、触媒担持炭素粉末の含有率が高すぎると、触媒層形成用ペーストを基材に塗布する際に厚みに斑ができ易く、所望の触媒量を塗布し難くなることがある。また触媒層に過剰に含有された触媒は、固体高分子電解質との界面での反応に寄与しない場合があり、ロスが大きくなる。
触媒層形成用ペーストに係る固体高分子電解質としては、燃料電池の電極の触媒層に一般的に用いられているものであれば、特に制限はないが、触媒層内の水素イオン伝導性を向上させるという観点から、例えば水素イオン交換基を有するポリマーなどを用いることが好ましい。また、水素イオン交換基を有するポリマーと、エチレンやスチレンなどから得られるポリマーとの共重合体やポリマーブレンドであってもよい。
上記ポリマーが有する水素イオン交換基も特に制限はないが、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などが挙げられる。このような水素イオン交換基を有するポリマーも特に制限なく選択することができ、例えば、フルオロアルキルエーテル側鎖とフルオロアルキル主鎖とから構成される水素イオン交換基を有するポリマーや、スルホン化ポリアリーレンなどが好ましく用いられる。
触媒層形成用ペーストにおける固体高分子電解質の含有率は、例えば、1質量%以上であって、30質量%以下、より好ましくは17質量%以下とすることが望ましい。固体高分子電解質の含有率が低すぎると、触媒層の水素イオン伝導度が低下する他、バインダーとして十分機能しなくなるため、脆弱な膜となり、触媒層そのものを形成できなくなることがある。固体高分子電解質の含有率が高すぎるペーストで触媒層を形成すると、電気伝導性を担う炭素粉末(炭素質材料)の触媒層における含有量が不足して、結果的に電池特性が低下する場合がある。
触媒層形成用ペーストの調製方法については、特に制限はなく、触媒担持炭素粉末および固体高分子電解質を、上記高沸点溶剤と上記低沸点溶剤の混合溶剤に添加し、混合して分散させればよい。具体的には、以下の調製方法を採用することができる。
例えば、まず高沸点溶剤と固体高分子電解質とを含有する溶液を調製し、この溶液に、触媒担持炭素粉末と低沸点溶剤とを加え、混合して分散させることにより、触媒層形成用ペーストを調製することができる。高沸点溶剤と固体高分子電解質を含有する溶液の調製には、公知の方法を適用すればよいが、例えば、固体高分子電解質を含有する溶液として、市販のナフィオン分散溶液[例えば、デュポン社製の「ナフィオンディスパージョン(Nafion Dispersion、商品名)」や、アルドリッチ社製の「ナフィオンパーフルオリネイトイオンエクスチェンジレジン(Nafion perfluorinatedionexchangeresin、商品名)」 ]などと、高沸点溶剤とを混合し、エバポレートすることによって、ナフィオン分散溶液の溶媒を高沸点溶剤に置換する方法を用いることができる。
また、触媒担持炭素粉末を水に混合した後に、更に固体高分子電解質と高沸点溶剤とを混合する調製方法も挙げられる。この調製方法では、発熱や発火を伴う溶剤と触媒との反応を抑えられるなどの効果があることから、好ましく採用できる。
上記例示の各調製方法においては、各成分の混合順序は特に制限されない。例えば、触媒担持炭素粉末、固体高分子電解質、および溶媒(高沸点溶剤および低沸点溶剤)を、順次または同時に混合し、分散させることにより、触媒層形成用ペーストを調製することができる。
上記の調製方法において、溶剤に触媒担持炭素粉末や固体高分子電解質などを分散させる手段は特に限定されない。例えば、ロールミル、ボールミル、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、ビーズミキサー、ビーズミルなどの撹拌装置や、その他の公知の混合手段を用いて混合すればよい。
また、触媒層形成用ペーストの調製の際に、分散させた触媒担持炭素粉末や固体高分子電解質などが重力によって沈降するのを防止するため、例えば、ウェーブローター、ニーダーなどの低速撹拌装置などの公知の撹拌手段を用いてもよい。
本発明法において、触媒層の形成は、上記の塗布装置(ロールコーター)と上記の触媒層形成用ペーストを用いる他は特に制限はなく、従来公知の方法が採用できる。また、触媒層形成用ペーストは、転写用基材はもとより、燃料電池用電極の拡散層などに直接塗布することもできる。更には、固体高分子電解質膜に触媒層形成用ペーストを直接塗布することも可能である。
上記転写用基材を用いる場合には、触媒層は、該基材の片面または両面に形成することができる。上記転写用基材の片面または両面に、間欠塗布を行うことで一定間隔に触媒層を形成してもよい。また、基材に対して1回塗布乾燥後に当該基材の上に更に重ね塗りすることで多重塗布を行ってもよい。
上記塗布装置によって触媒層形成用ペーストを塗布して基材上に形成できる触媒層の厚みは、100μm程度まで可能であるが、好ましくは50μm以下であり、転写が容易でより生産性を高め得る点から、10μm以上30μm以下程度がより好ましい。
触媒層形成用ペーストを上記塗布装置により基材に塗布した後、乾燥させることにより、触媒層となる。乾燥温度は、通常40〜150℃程度、好ましくは80〜130℃程度であり、乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度である。
また、触媒層形成用ペーストの乾燥の際に、公知の減圧乾燥を併用すれば、加熱温度の低温化および乾燥時間の短縮ができ、更に、転写用基材を用いる場合には、耐熱性樹脂製の基材を用いることなく、例えば、安価で入手が容易なポリエチレンテレフタレートなどの高分子基材を使用することもできるのでより好ましい。減圧乾燥における乾燥温度は、通常25〜120℃程度、好ましくは40〜100℃程度であり、乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜1時間程度である。
上記転写用基材としては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリパルバン酸アラミド、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレンナフタレートなどの公知の高分子フィルムを用いることができる。また、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などの公知の耐熱性フッ素樹脂のフィルムを用いることもできる。更に、上記例示の各種樹脂基材以外にも、コート紙などの塗工紙を用いることも可
能である。
拡散層用の電極基材としては、導電性物質を主たる構成材とする多孔質導電シートなどを用いることができる。上記導電性物質としては、ポリアクリロニトリルからの焼成体;黒鉛、膨張黒鉛などの炭素材;ステンレススチール、モリブデン、チタンなどの金属材;などが挙げられる。また、上記多孔質導電シートは、例えば、上記例示の導電性物質で構成される織布または不織布が挙げられる。織布としては、特に限定さないが、例えば、平織、斜文織、綴織などの織組織のものを用いることができる。また、不織布としては、特に限定されないが、例えば、抄紙法、スパンボンド法、ウォータージェットパンチ法、メルトブロー法などの方法で製造された不織布などが使用でき、炭素繊維よりなる高拡散性のカーボンペーパーやカーボンフェルトなどがより好適に使用でき、例えば、E−TEK社製の「カーボンクロス(商品名)」や、SGLカーボン社製の「SIGRACET GDL(商品名)」、東レ社製の「カーボンペーパーTGPシリーズ(商品名)」などの市販品を用いることもできる。
上記のように形成された触媒層を用いてMEAを製造する方法としては、特に制限はないが、例えば、触媒層を形成した上記の転写用基材を2つ用意し、これらと電解質膜とを、触媒層同士の間に電解質膜を挟むようにして重ねて加圧プレスした後、転写用基材を触媒層から剥離し、さらに、上記の拡散層用の電極基材をその両剥離面に接するように配置して加圧プレスする方法が採用できる。また、上記の電極基材上に触媒層を形成した場合には、この触媒層を形成した2つの電極基材と電解質膜とを、触媒層同士の間に電解質膜を挟むようにして重ねて加圧プレスすることで、MEAを製造することができる。
上記の加圧プレスは、特に限定されないが、油圧プレス機などを用いて、圧力3〜30MPaで圧着することが好ましい。また、加圧プレスの際に、100〜180℃で加熱することがより好ましい。圧力および温度が上記範囲より低いと、電極の形成が十分でなく、上記範囲を超えると電極内のポアがつぶれてしまい、電池性能が低下することがあるからである。
電解質膜としては、電子伝導性を持たずに水素イオンを輸送することが可能な材料で構成された膜であれば、特に制限はない。電解質膜を構成し得る材料としては、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、硫酸ドープポリベンズイミダゾールなどが挙げられる。ポリパーフルオロスルホン酸樹脂としては、例えば、デュポン社製の「ナフィオン(商品名)」、旭硝子社製の「フレミオン(商品名)」、旭化成社製の「アシプレックス(商品名)」、ゴア社製の「ゴアセレクト(商品名)」などが例示できる。電解質膜の厚みは、通常20〜250μm程度であり、30〜150μm程度であることが好ましい。
上記のようにして得られるMEAに、例えば酸素供給孔や正極リード線を備えた正極集電体、および、例えば燃料供給孔や燃料導出パイプ、負極リード線を備えた負極集電体を、公知の手法により取り付けて、例えば、図1に示す構成の燃料電池を製造することができる。
正極集電体および負極集電体は、例えば、金などと白金との合金、白金、金、ステンレス鋼、ニッケルなどにより構成されるものが用いられる。
また、図1に示すように、MEAの周囲に配されるシール材としては、例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴム材料;PTFEなどの樹脂材料;などにより構成されるものが挙げられる。
なお、本発明法に係る燃料電池の水素供給源としては、水素を供給することが可能なものであれば、特に限定されず、気体であっても固形であってもよい。例えば、水素ガスや、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、アルミ粉などを用いることができる。
本発明法によれば、生産性良く燃料電池を製造でき、また、製造される燃料電池は、触媒層における残留溶剤量が可及的に低減されており、かつ触媒層に係る固体高分子電解質の熱劣化も防止されているため、良好な電池特性を有している。そして更に、上記触媒層が、長時間の保存によっても性質が安定な保存性の高い触媒層形成用ペーストで形成されていることから、層厚みや層中の組成の変動が生じ難いため、触媒層の性質が安定しており、燃料の酸化反応の再現性、すなわち、電池特性の再現性(安定性)にも優れている。よって、本発明法によって製造される燃料電池は、燃料電池の適用が期待されている各種用途に好ましく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
<触媒層形成用ペーストの調製>
調製例1
ナフィオン分散液であるデュポン社製の「ナフィオンディスパージョン(商品名)」(水素イオン伝導性電解質濃度:20質量%、アルコール対水の質量比:1対1.36):55質量部と、高沸点溶剤であるγ−ブチロラクトン:45質量部とを混合した。この混合液を、撹拌しながら100℃に加熱することによって、上記ナフィオン分散液中のアルコールおよび水をγ−ブチロラクトンに溶媒置換して、溶液Aを得た。
また、触媒担持炭素粉末である白金触媒を担持したカーボン粒子(Pt:46質量%担持)7.4質量部に、水を1.9質量部加えた。この分散液に溶液A:27.5質量部を加えた後、更に高沸点溶剤としてγ−ブチロラクトン:60.8質量部と、低沸点溶剤として1−プロパノールとエタノールとの混合液(1−プロパノール対エタノールの質量比:23対1):2.4質量部とを加え、分散機を用いて均一に分散するように十分撹拌して、ペースト(触媒層形成用ペースト)1を得た。このペースト1について、上記の方法によって測定した25℃における粘度は、2.0Pa・sであった。
調製例2
γ―ブチロラクトンの代わりに1,2−プロパンジオールを用いた他は、調製例1における溶液Aと同様にして溶媒置換を行い、溶液Bを得た。
調製例1で用いたものと同じ触媒担持炭素粉末:6.9質量部に、水を4.0質量部加えた。この分散液に溶液B:25.3質量部を加えた後、更に高沸点溶剤として1,2−プロパンジオール:45.8質量部と、低沸点溶剤として1−プロパノールと2−プロパノールとの混合液(1−プロパノール対2−プロパノールの質量比:1対1.3):18.0質量部とを加え、分散機を用いて均一に分散するように十分撹拌して、ペースト(触媒層形成用ペースト)2を得た。このペースト2について、上記の方法によって測定した25℃における粘度は、2.0Pa・sであった。
比較調製例1
調製例1で用いたものと同じ触媒担持炭素粉末:3.4質量部に、水を4.2質量部加えた。この分散液に、調製例2で用いたものと同じ溶液B:12.7質量部を加えた後、更に高沸点溶剤として1,2−プロパンジオール:60.4質量部と、低沸点溶剤として1−プロパノール:19.3質量部とを加え、分散機を用いて均一に分散するように十分撹拌して、比較ペースト(触媒層形成用ペースト)1を得た。この比較ペースト1について、上記の方法によって測定した25℃における粘度は、0.2Pa・sであった。
比較調製例2
調製例1で用いたものと同じ触媒担持炭素粉末:10.8質量部に、水を21.4質量部を加えた後、ナフィオン分散液であるデュポン社製の「ナフィオンディスパージョン(商品名)」(水素イオン伝導性電解質濃度:20質量%、アルコール対水の質量比:1.3対1):40質量部と、溶剤として1−プロパノールと2−プロパノールとの混合液(1−プロパノール対2−プロパノールの質量比:1対1.3):27.8質量部とを加え、分散機を用いて均一に分散するように十分撹拌して、上記高沸点溶剤を含有しない比較ペースト(触媒層形成用ペースト)2を得た。この比較ペースト2について、上記の方法によって測定した25℃における粘度は、1.0Pa・sであった。
比較調整例3
調製例1で用いたものと同じ触媒担持炭素粉末:8.1質量部に、窒素置換させた状態で溶液B:23.9質量部を加えた後、更に高沸点溶剤として1,2−プロパンジオール:67.9質量部を加え、分散機を用いて均一に分散するように十分撹拌して、上記低沸点溶剤を含有しない比較ペースト(触媒層形成用ペースト)3を得た。このペースト3について、上記の方法によって測定した25℃における粘度は、2.2Pa・sであった。
<実験1 触媒層の形成>
実施例1
図3に示す構成のロールコーターを使用して、転写用基材15である耐熱性ポリイミドフィルム(厚み25μm)に、ペースト2を塗布し、乾燥して、形成される触媒層の厚みを測定し、また、触媒層の状態を目視で確認した。
本実施例で用いたロールコーターでは、スキージ14と塗布ロール11とのギャップ、および塗布ロール11とバックアップロール12との間で触媒層形成用ペーストが塗布される転写用基材15に対する塗布ロール11の押し込み量によって、1回の塗布量を調節することができる。本実施例では、スキージ14を塗布ロール11に押し当て、そのギャップをおよそ0.9mmとし、更に塗布ロール11とバックアップロール12との接触時における塗布ロール11の押し込み量を、およそ1.0mmに調節した。
また、ロールコーターの塗布ロール11には、硬度(JIS−A)が30のEPDM製で、ペースト保持溝19のピッチが700μmのものを用いた。
そして、ロールコーターのペースト溜13にペースト2を充填し、塗布速度を1.0m/minとして、ペースト2を転写用基材15に塗布し、80℃で1時間乾燥して触媒層を形成して、その厚みを測定した。触媒層の厚みの測定には、ミツトヨ(Mitsutoyo)社製のデジタル厚み計を用いて、5箇所の厚みを測定し、その平均値から基材の厚み(25μm)を差し引いたものを、形成された触媒層の厚みとした。また、これら5箇所の厚みの標準偏差(σ)を指数Aとした。更に、形成後の触媒層の状態として、触媒層のシワおよびスジを目視確認し、◎:殆ど確認されない、○:触媒層全面積の50%程度、×:触媒層全面積の80%以上、の3段階に区分した。◎および○のものを合格と評価することができる。これらの結果を表1に示す。
比較例1、2
ペースト2に代えて、比較ペースト1(比較例1)または比較ペースト2(比較例2)を用いた他は、実施例1と同様にして触媒層を形成し、実施例1と同様にして、それらの厚み、厚みの標準偏差、および状態を調べた。これらの結果を表1に示す。
Figure 2007220642
表1から明らかなように、実施例1で得られた触媒層は、厚みが厚く、厚みのばらつきを示す指数Aも比較的小さく均一性が高い。これに対し、25℃での粘度が低すぎる比較ペースト1を用いた比較例1で得られた触媒層は、厚みが薄い。また、高粘度溶剤を含有していない比較ペースト2を用いた比較例2で得られた触媒層は、厚みに係る指数Aが大きくて均一性が劣っており、また、乾燥前のペースト塗膜の状態も劣っている。
実施例2
図4に示す構成のロールコーター(リバースコーター)を使用して、転写用基材15であるポリテトラフルオロエチレン(厚み80μm)にペースト2を塗布し、乾燥して触媒層を形成した。本実施例で用いたロールコーターでは、スキージ14を塗布ロール11に押し当て、そのギャップをおよそ0.9mmとし、更に塗布ロール11とバックアップロール12との接触時における塗布ロール11の押し込み量をおよそ0.8mmに調整した。また、ロールコーターの塗布ロール11には、硬度(JIS−A)が30のEPDM製で、ペースト保持溝19のピッチが700μmのものを用いた。
そして、ロールコーターのペースト溜13にペースト2を充填し、塗布ロール11を基材15の進行方向とは逆に回転させ、触媒層形成用ペーストを、基材15との間に一定のせん断を加えながら塗布した。その際の塗布速度は1.0m/minとし、塗膜を80℃で1時間乾燥して触媒層を形成した。
また、比較のために、図3に示す構成のロールコーター(フォワードコーター)を用いた他は、上記と同様にして触媒層形成用ペーストを基材15に塗布し(、上記と同じ条件で乾燥して触媒層を形成した。
上記のようにして、リバースコーターを用いた場合、フォワードコーターを用いた場合のいずれにおいても、負極用の触媒層と正極用の触媒層(いずれも10cm×8cm)を形成し、それらの表面粗さRa値を測定した。Ra値の測定にはLasertec社製のレーザー顕微鏡「VL2000」を用いて二次元Z画像を撮影し、その画像から500×500μmを1つの領域として、測定した値をRaとした。それぞれの触媒層について上記サイズの領域を10箇所撮影し、測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2007220642
表2に示すように、フォワードコーターを用いて形成された触媒層では、Ra値が2.3〜4.0であった。これに対して、リバースコーターを用いて形成された触媒層は、Ra値が0.8〜2.0であった。これらの結果から、フォワードコーターを用いても表面粗さのバラツキの少ない触媒層を形成できるが、リバースコーターを用いると、より平滑な触媒層を形成でき、また、その表面粗さのバラツキも低減させ得ることが分かる。
<実験2 触媒層形成用ペーストの安定性について>
実施例3
上記実験1で使用したものと同じロールコーターのペースト溜13にペースト1を充填して、ペースト1の安定性を確認した。ただし、ロールコーターの塗布ロール11には、実験1で使用したものと同じ素材・硬度で、ペースト保持溝19のピッチが1200μmのものを用いた。
上記のロールコーターを用いて、塗布速度を1.0m/minとして、ペースト1を転写用基材15に塗布する塗工操作を2時間継続し、30分毎にペースト溜に保持しているペースト1の粘度を、上記の方法により測定し、ペースト溜での保持時間が0のときの粘度を100とした相対値(粘性変化率)を求めた。結果を図8に示す。
実施例4
ペースト1に代えてペースト2を用いた他は、実施例3と同様にしてロールコーターによる塗布継続時におけるペースト2の粘度変化を求めた。結果を図8に示す。
比較例3
ペースト1に代えて比較ペースト2を用いた他は、実施例3と同様にしてロールコーターによる塗布継続時における比較ペースト2の粘度変化を求めた。結果を図8に示す。
図8は、上記の実施例3、4および比較例3の結果を表したグラフで、横軸に塗布時間を、縦軸にペーストの粘性変化率を示している。この図8から明らかなように、ペースト1およびペースト2では、粘性変化率がほぼ100%で変化が少なく、長時間保持した場合にも粘度が殆ど変化しないことが分かる。一方、高沸点溶剤を含有していない比較ペースト2の粘度は非常に不安定で、保持時間が長くなると著しく増大する傾向がある。これは、比較ペースト2中の溶剤の揮発に起因して、組成変化が生じているためである。
なお、触媒層形成用ペースト中の溶剤組成が、塗布装置のペースト溜内における触媒層形成用ペースト組成の安定性に及ぼす影響を確認する目的で、高沸点溶剤である1,2−プロパンジオールとエタノールを用い、これらの混合比を変えて調製した混合液、および1,2−プロパンジオール並びにエタノールについて、常温で保管した場合の質量変化率と、100℃で10分加熱した場合の質量変化率を求めた。
常温で保管した場合の質量変化率については、上記の混合液、1,2−プロパンジオール、またはエタノールを、それぞれガラス製シャーレ(径85mm)に入れ、25℃、相対湿度60%の大気環境下で5時間保管し、シャーレ内に残った溶剤の質量を測定した。
また、100℃で10分加熱した場合の質量変化率については、上記の混合液、1,2−プロパンジオール、またはエタノールを、それぞれ一定量秤量した後、リガク社製の示差熱天秤装置「ThermoPlus」を用い、窒素流量を5.0ml/minとして測定した。
常温で5時間保管した場合の質量変化率、および100℃で10分加熱した場合の質量変化率については、それぞれ保持時間が0のときの溶剤の質量を100として計算した。結果を図9に示している。図9では、横軸に溶剤中の1,2−プロパンジオール含有量を、縦軸に質量変化率(%)を示している。
図9から、常温保管では、特にエタノールを50質量%以上混合した場合、特に著しい質量減少が見られる一方で、およそ30質量%の低沸点溶剤を混合することで常温において80%以上の保持が可能であり、また高沸点溶剤100質量%のものと比べ、乾燥時間がおよそ半分以下になることが分かる。触媒層形成用ペーストの溶剤として、高沸点溶剤と共に低沸点溶剤を用いることによって、常温および加熱乾燥時の触媒層形成用ペーストの制御が、上記結果と同様に可能となる。
<実験3 塗布ロールの硬度およびペースト保持溝のピッチと塗布厚みについて>
実施例5
図2に示す構成のロールコーターを使用し、該ロールコーターにおける一方のペースト溜13のみにペースト1を充填して、転写用基材15である耐熱性ポリイミドフィルム(厚み25μm)に、ペースト1を塗布し、乾燥して、形成される触媒層の厚みを測定し、また触媒層の状態を確認した。
なお、本実施例では、スキージ14を塗布ロール11に押し当て、そのギャップをおよそ30μmとし、更に塗布ロール11、11間の接触時における一方の塗布ロール11の押し込み量を、およそ2.0mmに調節した。
また、ロールコーターの塗布ロール11には、硬度(JIS−A)が30のEPDM製で、ペースト保持溝19のピッチが、500μm、700μm、1200μmおよび1500μmのものを用いた。
上記の条件で、塗布速度を1.0m/minとして、転写用基材15にペースト1を塗布し、110℃の恒温槽で10分間乾燥して触媒層を形成した。形成後の触媒層の厚みを実施例1と同様にして測定し、また、形成後の触媒層の状態を実施例1と同じ評価基準で評価した。結果を表3に示す。
実施例6
ロールコーターの塗布ロール11に、硬度(JIS−A)が50のEPDM製で、ペースト保持溝19のピッチが、500μm、700μm、1200μmおよび1500μmのものを用いた他は、実施例5と同様にして触媒層を形成し、それらの厚みの測定と、状態の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2007220642
表3から明らかなように、ロールコーターにおける塗布ロールを構成する弾性体がより軟質であり、かつペースト保持溝のピッチがより大きいほど、触媒層形成用ペーストを1回でより厚く塗布することができる。しかし、触媒層の状態を良好にする観点からは、塗布ロールにおけるペースト保持溝はあまり大きすぎない方がよいことも判明した。
<実験4 燃料電池の作製>
実施例7
図3に示す構成のロールコーターを使用して、転写用基材15であるPTFEシートにペースト1を塗布し、110℃で1時間乾燥して、触媒層を形成した。
本実施例に係るロールコーターの塗布ロール11には、硬度(JIS−A)が30のEPDM製で、正極側の触媒層の厚みをおよそ20μmとし、負極側の触媒層の厚みをおよそ10μmとすべく、ペースト保持溝19のピッチが700μmおよび1200μmのものを、各々正負極別に用いた。また、上記ロールコーターでは、スキージ14を塗布ロール11に押し当て、そのギャップを、ペースト保持溝のピッチが700μmの場合はおよそ0.7mm、同1200μmの場合はおよそ0.9mmとし、更に塗布ロール11とバックアップロール12との接触時における塗布ロール11の押し込み量を、およそ1.0mmに調節した。更に塗布速度は、1.0m/minとした。
次に、触媒層を形成した転写用基材2枚と、電解質膜としてパーフルオロスルホン樹脂膜であるデュポン社製の「ナフィオン112(商品名)」を用意し、触媒層を電解質膜側として2枚の転写用基材で電解質膜を挟むように配置し、温度180℃、圧力25MPaの条件で3分間加圧プレスを行った。
その後、転写用基材を触媒層から剥離し、触媒層のそれら剥離面に、それぞれ拡散層としてE−TEX社製の「カーボンクロス(商品名)」を配置した。次に、拡散層を触媒層に接着するために、温度180℃、圧力15MPaの条件で3分間加圧プレスを行ってMEAを作製した。このとき、MEAの電極面積は、正負極ともに900mmとした。
上記MEAの一方の面には、酸素供給孔を備えたステンレス鋼(SUS)の正極集電体を設け、他方の面には、サーペンタイン形状で燃料を供給するための燃料供給孔を備えたSUS製の負極集電体を設けて、シリコーンゴムで構成されたシール材で接着した。次に、負極集電体の外側に、燃料供給口を備え、内部に燃料を有する燃料タンクを配置して、燃料電池を得た。この燃料電池の有効面積は900mmである。
実施例8
触媒層の形成にあたり、ペースト1に代えてペースト2を用いた他は、実施例6と同様にして燃料電池を作製した。
実施例9
実施例2において、リバースコーターを用いて触媒層形成用ペーストを基材に塗布する工程を経て作製した触媒層を用いた他は、実施例7と同様にして燃料電池を作製した。
比較例4
触媒層の形成にあたり、ペースト1に代えて比較ペースト2を用いた他は、実施例6と同様にして燃料電池を作製した。
比較例5
触媒層の形成にあたり、ペースト1に代えて比較ペースト3を用いた他は、実施例6と同様にして燃料電池を作製した。
実施例7〜9および比較例4、5で得られた各燃料電池について、相対湿度90%以上で水素を供給し、電流密度0.3A/cmを印加したときの作動電圧を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2007220642
表4より、実施例7、8で得られた燃料電池は、それらの特性上において同等の出力であることが分かる。一方、比較例4で得られた燃料電池では、実施例7、8に係る燃料電池に比べて特性が劣っているが、これは、触媒層形成用ペースト(比較ペースト2)中の溶剤の揮発に伴って、塗布中にペースト組成が変化したことにより、触媒層に斑が生じたことが原因であると考えられる。また、比較例5で得られた燃料電池においても実施例7、8に係る燃料電池に比べて特性が劣っているが、これは、触媒層形成用ペーストの溶媒に高沸点溶剤のみを用いた場合には、上記図9の結果からも明らかなように溶剤除去に時間を要するため、触媒層中の残存溶剤により、特性低下を招いたと考えられる。
更に、実施例9で得られた燃料電池は、他の実施例に係る燃料電池に比べて、より高出力であった。これは、リバースコーターを用いて触媒層形成用ペーストを塗布することで得られたより平滑な触媒層と、電解質膜との界面の親和性が向上することで、イオン伝導がより円滑に行われたためであると考えられる。
本発明法で製造される燃料電池の一例を示す概略図である。 本発明法で使用する塗布装置(ロールコーター)の一例を示す概略図である。 本発明法で使用する塗布装置(ロールコーター)の他の例を示す概略図である。 本発明法で使用する塗布装置(ロールコーター)の他の例を示す概略図である。 塗布装置の機構[(a)フォワードコーター、(b)リバースコーター]によって生じる現象の違いを説明するための概略図である。 本発明法で使用する塗布装置(ロールコーター)の他の例を示す概略図である。 図2〜4、6の装置に係る塗布ロールの一例を示す概略図である。 実施例3、4および比較例3の結果を示すグラフである。 触媒層形成用ペーストに用いる溶剤の安定性の確認試験の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 正極
1b 正極触媒層
2 負極
2b 負極触媒層
3 電解質膜
10 MEA
11 塗布ロール
12 バックアップロール
13 ペースト溜
19 ペースト保持溝
20 基材固定用鋼板

Claims (9)

  1. 触媒を担持している導電性炭素粉末および固体高分子電解質を含有する触媒層を有する電極を備えた燃料電池の製造方法であって、
    上記製造方法は、上記触媒層を形成するにあたり、上記触媒を担持している導電性炭素粉末、上記高分子電解質および溶剤を含有する触媒層形成用ペーストを、基材に塗布する工程を有しており、
    上記工程では、少なくとも一方がロール外周に設けられたペースト保持溝を有する塗布ロールである一対のロールと、上記塗布ロールのペースト保持溝に供給される上記触媒層形成用ペーストを貯留するためのペースト溜を備えた塗布装置を使用し、
    上記触媒層形成用ペーストは、上記溶媒として、沸点が150〜300℃の高沸点溶剤と、該高沸点溶剤よりも沸点の低い低沸点溶剤を含有しており、かつ25℃の粘性率が0.3Pa・s以上であり、
    上記塗布装置における上記一対のロールの間に上記基材を挿入し、上記塗布ロールによって、上記基材に上記触媒層形成用ペーストを転写することを特徴とする燃料電池の製造方法。
  2. 上記低沸点溶剤の沸点が100℃以下である請求項1に記載の燃料電池の製造方法。
  3. 上記高沸点溶剤の20℃における誘電率が31以上である請求項1または2に記載の燃料電池の製造方法。
  4. 上記高沸点溶剤が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、N−メチルピロリドンおよびスルホランよりなる群から選択される少なくとも1種の溶剤であり、上記低沸点溶剤が、水、アルコール類およびエーテル類よりなる群から選択される少なくとも1種の溶剤である請求項1または2に記載の燃料電池の製造方法。
  5. 上記高沸点溶剤が、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、グリセリン、炭酸エチレン、ジメチルスルホキシドおよびスクシノニトリルよりなる群から選択される少なくとも1種の溶剤であり、上記低沸点溶剤が、水およびアルコール類よりなる群から選択される少なくとも1種の溶剤である請求項1または2に記載の燃料電池の製造方法。
  6. 上記塗布ロールは、上記ペースト保持溝のロール軸方向におけるピッチが、300〜1500μmである請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
  7. 上記塗布ロールは弾性体で構成されており、その硬度(JIS−A)が、30〜70である請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
  8. 形成後の触媒層の表面粗さRa値が2.0以下である請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
  9. 上記塗布ロールの回転方向を上記基材の進行方向とは逆方向とし、上記触媒層形成用ペーストを、上記基材との間にせん断を加えながら塗布する請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。

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