JP2016100254A - 固体高分子形燃料電池用電極触媒層を形成する触媒インク、及び固体高分子形燃料電池の製造方法 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用電極触媒層を形成する触媒インク、及び固体高分子形燃料電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体高分子形燃料電池の耐久性を向上させることを目的とする。【解決手段】固体高分子形燃料電池用電極触媒層52A、52Fを形成する触媒インクは、その触媒インク中に、白金担持炭素粒子と、高分子電解質と、水とアルコール類からなる群より選択した1種以上の溶媒とを含む。前記触媒インク中の固形分濃度が5質量%以上15質量%以下の範囲であり、且つ、触媒インクのチクソトロピーインデックス(TI値)が2以上24以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池の製造に関する技術である。
原料ガスの反応エネルギーを電気エネルギーに直接的に変換する燃料電池の一つとして、イオン伝導体として高分子電解質膜を用いる固体高分子形燃料電池が知られている。固体高分子形燃料電池は、他の燃料電池と比べて起動時間が短く、また常温で作動することが可能でもあるため、自動車、鉄道、コージェネレーションシステム等のエネルギー源として期待されている。
このような固体高分子形燃料電池は、上述のように起動時間や動作温度の観点で優れている一方、さらなる実用化に際しては、発電効率が低いという問題を有している。
そのため、固体高分子形燃料電池の製造技術には、従来から、出力電圧を高めるための各種の提案がなされている。
従来、例えば特許文献1には、水よりも沸点の高いアルコールを溶媒として用いた触媒インクを電解質膜上に塗布し、乾燥させることで電極を形成する工程と、を備える燃料電池用電極の製造方法が開示されている。水よりも沸点の高いアルコールを溶媒として用いると、低沸点アルコールを溶媒として用いる場合に比べ、触媒インクのチクソ性や粘性を高くできる。従って、印刷時におけるインクの切れを良くすることができるので、間欠塗工性を向上できる。
特開2002−280003号公報
ところで、触媒インクのチクソ性や粘性は、低沸点アルコールを用いた場合でも、固形分濃度や分散方法、高分子電解質の溶媒による粘性変化によっても変化させることができる。
しかしながら、ダイコーティングの場合、触媒インクのTI値(チクソトロピーインデックス)が高いと、安定的に触媒インクをヘッドから吐出することが困難となり、電極触媒層の面性不良という問題が生じる。また、固形分にて触媒インクの粘性を下げるには固形分濃度を下げる必要がある。しかしながら、固形分濃度を下げるということは、触媒インク中に含まれる水及びアルコールなどの溶媒割合が増える為、乾燥速度が遅くなるので乾燥時間の長時間化が避けられない。乾燥速度を上げるために乾燥温度を高温に設定すると、多くの熱量を要することになり、生産性が低下する可能性がある。
本発明は、このような問題点を解決しようとするものであり、固体高分子形燃料電池の耐久性を向上させることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様の固体高分子形燃料電池用電極触媒層を形成する触媒インクは、固体高分子形燃料電池用の電極触媒層を形成する触媒インクであって、前記触媒インク中には、白金担持炭素粒子と、高分子電解質と、水とアルコール類からなる群より選択した1種以上の溶媒とを含み、前記触媒インク中の固形分濃度が5質量%以上15質量%以下の範囲であり、且つ、触媒インクのチクソトロピーインデックス(TI値)が2以上24以下であることを特徴とする。
このとき、前記触媒インク中の水濃度が3質量%以上25質量%以下の範囲で有り、且つ、アルコール類からなる群より選択した1種以上の溶媒が、エタノール乃至1−プロパノールとしてもよい。
また、前記高分子電解質のプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値(当量質量;EW)が500(g/eq)以上800(g/eq)以下としてもよい。
また、本発明の一態様の固体高分子形燃料電池の製造方法は、高分子電解質膜の両面に電極触媒層を接合して膜電極接合体を形成する工程と、前記膜電極接合体を一対のセパレーターで挟む工程と、を有する固体高分子形燃料電池の製造方法であって、前記膜電極接合体を形成する工程は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の触媒インクを基材に塗布することで前記基材に前記電極触媒層を形成する工程を有することを特徴とする。
本発明の一態様であれば、触媒インクのチクソトロピーを制御することで、塗工性を改善し、触媒層に生じるひび割れ(クラック)抑制する結果、固体高分子形燃料電池の耐久性を向上させることが可能となる。
本発明の実施形態の固体高分子形燃料電池の内部構造を示す分解斜視図である。 実施例3及び比較3のレオロジー測定結果の一例である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(固体高分子形燃料電池の構造)
図1は、本実施形態の固体高分子形燃料電池の内部構造を示す分解斜視図である。
図1中に示すように、固体高分子形燃料電池50を構成する高分子電解質膜51の両面に、高分子電解質膜51を挟んで対向する一対の電極触媒層52A,52Fが配置されている。
更に、一対のガス拡散層53A,53Fが、高分子電解質膜51及び一対の電極触媒層52A,52Fを挟んで対向配置している。
そして、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)56が、高分子電解質膜51、一対の電極触媒層52A,52F、及び一対のガス拡散層53A,53Fから構成される。このうち、高分子電解質膜51の一方側に配置された電極触媒層52Aとガス拡散層53Aとが空気極(カソード)54となり、高分子電解質膜51の他方側に配置された電極触媒層52Fとガス拡散層53Fとが燃料極(アノード)55となる。
更に、一対のセパレーター57A,57Fによって膜電極接合体56が挟持されている。
なお、一対のセパレーター57A,57Fにはそれぞれ、膜電極接合体56側の面にガス流路58A,58Fが凹設され、また膜電極接合体56とは反対側の面に冷却水通路59A,59Fが凹設されている。
そして、固体高分子形燃料電池50では、一対の冷却水通路59A,59Fの各々に冷却水が流される。また、空気極(カソード)54側のガス流路58Aに、例えば、酸素ガスが流され、燃料極(アノード)55側のガス流路58Fに、例えば、水素ガスが流される。
そして、触媒の存在下で酸素ガスと水素ガスとが電極反応を進めることによって、一対のガス拡散層53A,53Fの間に起電力が生成される。
(触媒インク)
次に、本実施形態の固体高分子形燃料電池50用の電極触媒層52(固体高分子形燃料電池用電極触媒層)を形成するための触媒インクについて説明する。
なお、本実施形態は、以下に記載する実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づく設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれるものである。
触媒インクは、白金担持炭素粒子と、高分子電解質と、水とアルコール類からなる群から選択した1種以上の溶媒とを含む。
触媒インク中の固形分濃度は5質量%以上15質量%以下の範囲である。固形分濃度が5質量%未満であると、触媒インクの塗工・乾燥時、除去する必要のある溶媒量が増え、乾燥速度が遅くなる為、乾燥時間が長時間化する。乾燥過程の時間が長いほど外乱を受ける可能性が高くなり、触媒層面性不良が発生する。一方、固形分濃度が15質量%を超えると、安定的に触媒インクをヘッドから吐出することが困難となってしまう。
触媒インクのレオロジーを評価する指標として、チクソトロピーインデックス(TI値)がある。TI値は、せん断速度依存性を示す指標である。回転速度に応じ粘度値が下がる回転速度aとbにおける粘度の比をとったものである(TI=ηb/ηa)。本実施形態のTI値の指標とする回転数として、回転速度aを1000(1/s)、回転速度bを1(1/s)とした。本実施形態の触媒インクのTI値は2以上24以下の範囲に調製されている。水のようなニュートン流体の場合はせん断速度によらず、粘度の値は一定であり、水のTI値は1となる。触媒インクにおいてTI値が24を超えると、触媒インク静置時と送液時の粘度の差により、分散不良が生じやすい。
このとき、高分子電解質のプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値(当量質量;EW)が500(g/eq)以上800(g/eq)以下であることが好ましい。
ここで、プロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値(当量質量;EW)とは、導入されたプロトン供与性基の単位モル当たりのプロトン伝導材の質量であり、値が小さいほどプロトン伝導材中のプロトン供与性基の割合が高いことを示す。そして、当量質量は、1H−NMRスペクトロスコピー、元素分析、酸塩基滴定法等により測定が可能である。
当量質量が800(g/eq)以下であることにより、高分子電解質は、十分なプロトン供与性基量を確保し、電極触媒層に用いた場合、優れた発電性能を得ることができる。また、当量質量が500(g/eq)以上であることにより、機械的強度に優れる高分子電解質となる。
なお、触媒インクの生成に際しては、触媒インクの粘度を目的とする値に調整するため、また、触媒インク中の粒子のサイズを所定の値に調整するため、分散機を用いた分散処理が必要に応じて行われる。
上記の分散処理としては、例えば、ボールミルやビーズミルを用いた処理、せん断ミルを用いた処理、湿式ミルを用いた処理、超音波分散機を用いた処理、遠心力で攪拌を行う、ホモジナイザー等を用いた処理等が挙げられる。
また、高分子電解質PEとしては、プロトン伝導性を有する高分子材料、例えば、フッ素系高分子電解質や炭化水素系高分子電解質が用いられる。
フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製NAFION(登録商標)、旭硝子(株)製FLEMION(登録商標)、旭化成(株)製ACIPLEX(登録商標)、ゴア社製GORE−SELECT(登録商標)を用いることが可能である。
一方、炭化水素系高分子電解質としては、例えば、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等の電解質を用いることが可能である。
触媒インク溶媒としては、白金担持炭素粒子P3及び高分子電解質PEを浸食しない溶媒であって、且つ、流動性を有した状態で高分子電解質PEを溶解する、または、微細ゲルとして高分子電解質PEを分散する溶媒が用いられる。
前記触媒インク中の水濃度は3質量%以上25質量%以下の範囲とすることが好ましい。その理由は、白金担持炭素粒子に直接アルコールがふれると、白金の触媒作用により発火する。通常、発火を抑制する為に、白金担持炭素粒子と水を十分になじませてからアルコールを添加する。しかし、水濃度が3重量%以下であると、白金担持炭素粒子と水で十分になじませることが出来ない。また、水濃度が25重量%以上であると、触媒インクを転写シートに塗布した場合、電極触媒層の面性が悪化してしまう。
触媒インク溶媒に含まれる有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール等のアルコール類の中から選択することが望ましい。また、上述した溶剤のうち二種以上が混合された溶媒を用いることが可能である。
特に触媒インク溶媒に含まれる有機溶媒としては、エタノール及び1−プロパノールの少なくとも一方であることが好ましい。その理由は、触媒インク中に含まれる、白金担持炭素粒子、高分子電解質と水と相性が良いのは、極性プロトン性溶媒である。エタノールや1−プロパノール、水より蒸発速度の遅い溶媒は、電極触媒層中に溶媒が残留しやすいという問題がある。
なお、触媒インクの中には、固形分として、白金担持炭素粒子P3及び高分子電解質PEが含まれる。こうした固形分の含有量が過大になると、触媒インクの粘度が高くなり、電極触媒層52の表面にクラックが生じやすくなる。反対に、固形分の含有量が過小になると、電極触媒層52の成膜速度が遅くなり、電極触媒層52の生産性が低下してしまう。
また、固形分濃度が互いに等しい触媒インクであっても、触媒インクにおける炭素粒子の割合が大きくなるほど、触媒インクの粘度は高くなる。反対に、触媒インクにおける炭素粒子の割合が小さくなるほど、触媒インクの粘度は低くなる。そのため、固形分における炭素粒子の濃度は、10質量%以上80質量%以下の範囲内が好ましい。
なお、触媒インクにおける固形分の含有量の調整、固形分における炭素粒子の濃度の調整、これらの他、上述した分散処理の際に触媒インクに分散剤が添加されることにより、触媒インクの粘度を所定の値に調整することも可能である。
(固体高分子形燃料電池の製造方法)
次に、本実施形態の固体高分子形燃料電池50の製造方法について説明する。なお、本実施形態は、以下に記載する実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づく設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本実施形態の範囲に含まれるものである。
固体高分子形燃料電池50の製造方法は、高分子電解質膜の両面に電極触媒層52を接合して膜電極接合体56を形成する工程と、膜電極接合体56を一対のセパレーター57A,57Fで挟む工程とを有する。
膜電極接合体56を形成する工程は、上記の触媒インクを基材に塗布することで基材に電極触媒層52A,52Fを形成する工程を有する。
電極触媒層52A,52Fを形成する工程は次の通りである。
すなわち、上記の触媒インクが基材上に塗布され、該触媒インクの乾燥工程を経て、図1中に示す電極触媒層52A,52Fが形成される。基材としては、例えば、高分子電解質膜51、ガス拡散層53A,53F、及び転写シートの少なくとも一つを用いることが可能である。
ここで、高分子電解質膜51は、プロトン伝導性を有する高分子膜である。
高分子電解質膜51の材料としては、例えば、フッ素系高分子電解質や炭化水素系高分子電解質を用いることが可能である。
フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製NAFION(登録商標)、旭硝子(株)製FLEMION(登録商標)、旭化成(株)製ACIPLEX(登録商標)、ゴア社製GORE−SELECT(登録商標)を用いることが可能である。
炭化水素系高分子電解質としては、例えば、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等の電解質を用いることが可能である。
なお、電極触媒層52A,52Fと高分子電解質膜51との密着性を確保するうえでは、電極触媒層52A,52Fと高分子電解質膜51とが同一の電解質から形成されていることが好ましい。
また、転写シートとは、電極触媒層52A,52Fを剥離可能な材料からなるシートであり、例えば、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂を用いることが可能である。
また、転写シートとしては、例えば、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラート、ポリアミド(ナイロン)、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート等の高分子シート、高分子フィルムを用いることが可能である。
そして、高分子電解質膜51を挟んで対向する一対の電極触媒層52A,52Fを配置すると共に、一対のガス拡散層53A,53Fを、高分子電解質膜51及び一対の電極触媒層52A,52Fを挟んで対向配置することで膜電極接合体56を形成する(膜電極接合体を形成する工程)。
更に、膜電極接合体56を一対のセパレーター57A,57Fで挟むことで、固体高分子形燃料電池とする(一対のセパレーターで挟む工程)。
(本実施形態の効果)
本実施形態であれば、以下に列挙する効果を得ることが可能である。
触媒インクのチクソトロピーを制御することで、塗工性を改善し、触媒層に生じるひび割れ(クラック)抑制し、固体高分子形燃料電池の耐久性を向上させることが可能となる。
そして、上記の製造方法により製造された膜電極接合体56を有する固体高分子形燃料電池50にて、出力電圧を向上させることが可能となる。
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、上述した本実施形態と同様の製造方法を用いて、固体高分子形燃料電池50を製造する。
(触媒インク調整)
白金担持炭素粒子として白金担持カーボン(商品名:TEC10E50E、田中貴金属社製)と高分子電解質と水及び1−プロパノールを混合し、固形分濃度が8質量%となる様に調整した。高分子電解質とカーボンの質量比率(I/C)は0.9とした。また高分子電解質の当量質量は700(g/eq)とした。
(実施例2)
高分子電解質とカーボンの質量比率(I/C)を1.2にしたこと以外は、実施例1と同様として、実施例2の触媒インクを得た。
(実施例3)
高分子電解質とカーボンの質量比率(I/C)を1.5にしたこと以外は、実施例1と同様として、実施例3の触媒インクを得た。
(実施例4)
固形分濃度が6質量%にしたこと以外は、実施例2と同様として、実施例4の触媒インクを得た。
(実施例5)
触媒インクに含まれる、アルコール類から選ばれる溶媒を1−ブタノールにしたこと以外は、実施例4と同様として、実施例5の触媒インクを得た。
(比較例1)
高分子電解質の当量質量を900(g/eq)にしたこと以外は、実施例2と同様として、比較例1の触媒インクを得た。
(比較例2)
固形分濃度を4質量%、高分子電解質の当量質量を900(g/eq)にしたこと以外は、実施例5と同様として、比較例2の触媒インクを得た。
(比較例3)
高分子電解質の当量質量を900(g/eq)にしたこと以外は、実施例5と同様として、比較例3の触媒インクを得た。
(比較例4)
固形分濃度を9質量%、高分子電解質の当量質量を900(g/eq)にしたこと以外は、実施例5と同様として、比較例4の触媒インクを得た。
(レオロジー測定)
得られた触媒インクを粘度・粘弾性測定装置(商品名:HAAKE MARS、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて測定を行った。
(触媒インク塗工・乾燥)
また、上記の触媒インクをダイコーティング法により転写シートに塗布し、転写シート上に塗布された触媒インクを、温度80℃の大気雰囲気中で5分間乾燥させることにより、電極触媒層52を得た。この際、触媒物質の担持量が0.3mg/cmとなるように、電極触媒層52の厚さを調節した。
(評価)
上記のレオロジー測定において、実施例1の触媒インクのTI値は8.4であった。実施例1の触媒インクを使用した場合、触媒インク塗工・乾燥し、得られた電極触媒層は、ひび割れやピンホールなどの欠陥がなく、良好であった。
実施例2について、実施例1と同様に、レオロジー測定したところ、TI値は4.5であった。また、電極触媒層の面性は良好であった。
実施例3について、実施例1と同様に、レオロジー測定したところ、TI値は5.6であった。また、電極触媒層の面性は良好であった。
実施例4について、実施例1と同様に、レオロジー測定したところ、TI値は2.2であった。また、電極触媒層の面性は良好であった。
実施例5について、実施例1と同様に、レオロジー測定したところ、TI値は23.2であった。また、電極触媒層の面性は良好であった。
一方、比較例1について、実施例1と同様に、レオロジー測定したところ、TI値は40.2であった。電極触媒層の面性は、微小ピンホールが発生していた。
比較例2について、実施例1と同様に、レオロジー測定したところ、TI値は15.8であった。電極触媒層の面性は、多くのひび割れが発生していた。固形分濃度を下げることで、TI値を所定の範囲内にする事ができたが、触媒インク中に含まれる水及びアルコールなどの溶媒割合が増えた為、電極触媒層の面性が悪化したと考えられる。
比較例3について、実施例1と同様に、レオロジー測定したところ、TI値は52.9であった。電極触媒層はひび割れ等、面性不良であった。
比較例4について、実施例1と同様に、レオロジー測定したところ、TI値は84.1であった。電極触媒層はひび割れ等、面性不良であった。
ここで、図2に、実施例2と比較例3におけるレオロジー測定結果の一例を示す。図2から分かるように、比較例3の触媒インクに比べて実施例2の触媒インクの方が、せん断速度の違いによる粘度が小さく安定していることが分かる。
表1に、各実施例及び比較例の触媒インクの性状及び評価について記載する。
Figure 2016100254
以上のように、本発明に基づく実施例においては、電極触媒面性が良好であることが分かる。
50 固体高分子形燃料電池
51 高分子電解質膜
52A,52F 電極触媒層
53A,53F ガス拡散層
54 空気極
55 燃料極
56 膜電極接合体
57A,57F セパレーター
58A,58F ガス流路
59A,59F 冷却水通路

Claims (4)

  1. 固体高分子形燃料電池用の電極触媒層を形成する触媒インクであって、
    前記触媒インク中には、白金担持炭素粒子と、高分子電解質と、水とアルコール類からなる群より選択した1種以上の溶媒とを含み、
    前記触媒インク中の固形分濃度が5質量%以上15質量%以下の範囲であり、且つ前記触媒インクのチクソトロピーインデックス(TI値)が2以上24以下であることを特徴とする触媒インク。
  2. 前記触媒インク中の水濃度が3質量%以上25質量%以下の範囲であり、且つアルコール類からなる群より選択した1種以上の溶媒が、エタノール及び1−プロパノールの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の触媒インク。
  3. 前記高分子電解質のプロトン供与性基1モル当たりの乾燥質量値(当量質量;EW)が500(g/eq)以上800(g/eq)以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の触媒インク。
  4. 高分子電解質膜の両面に電極触媒層を接合して膜電極接合体を形成する工程と、前記膜電極接合体を一対のセパレーターで挟む工程と、を有する固体高分子形燃料電池の製造方法であって、
    前記膜電極接合体を形成する工程は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の触媒インクを基材に塗布することで前記基材に前記電極触媒層を形成する工程を有することを特徴とする固体高分子形燃料電池の製造方法。
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