JP2014066942A - 偏光板部材用二軸延伸ポリエステルフィルム - Google Patents

偏光板部材用二軸延伸ポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 偏光板としてクロスニコル状態に配置した時に光干渉色の発生がなく、コスト、機械的強度および生産性に優れた偏光板部材用ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも3層の積層構造からなる二軸配向ポリエステルフィルムであり、両最外層以外の層が主たる構成成分以外の第3成分を含む共重合ポリエステルを含有し、各最外層の厚さが全層厚さの7.0〜15.0%であり、フィルムの面内リターデーションが600nm以下であり、フィルムの長さ方向およびそれに直交する方向の端裂抵抗値がともに70N以上であり、内部ヘーズが1.0%以下であることを特徴とするポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、偏光板部材として好適に使用されるポリエステルフィルムに関するものである。
液晶ディスプレイに使用される偏光板は一般的に保護フィルム/偏光膜/保護フィルム、あるいは保護フィルム/偏光膜/位相差フィルムの構成からなり、偏光膜の保護フィルムには、高い透明性や光学等方性を持つという点からトリアセチルセルロース(以下、TACと略記することがある)フィルムが広く使用されてきている。しかし、TACフィルムは、耐薬品性、耐擦傷性などの点で十分な性能を示しているとは言えない上に、近年液晶ディスプレイの大型化および薄型化が進むにしたがって、耐熱性、機械的強度、寸法安定性、耐久性の低さや透湿性の高さが課題となっている。
上記のような問題に対して、TACフィルムの代わりにシクロオレフィンポリマーやアクリル等の材料検討も行われているが(特許文献1、2)、多くの場合、汎用樹脂を使用していないためコストが高くなるという問題がある。
また一方で、ポリエステルフィルムをTACフィルムの代替とする検討も行われている(特許文献3)。中でもポリエチレンテレフタレートフィルムはTACフィルムと比較すると透湿性が低く、ハンドリングに優れる。また、汎用樹脂であるためコストを低減できるというメリットもある。ポリエチレンテレフタレートフィルムは求める特性に応じて一軸延伸や二軸延伸等の処理を行うのが一般的であり、無延伸状態では、分子配向に起因する光干渉色の発生を抑制できるというメリットがある一方で、強度が著しく低下するというデメリットがある。よって、薄型化要求が強い近年の偏光板の保護フィルムに用いるのは適当とは言えない。
光干渉色の発生を抑制しつつ、寸法安定性、熱安定性および機械的強度を向上させる目的でポモポリエステルを二軸延伸する検討もなされているが(特許文献4)、光干渉色の点で偏光板として使用に耐えうるレベルであるかは疑問である。
また、二軸延伸ポリエステルにおいて光干渉色を抑制させる方法として、共重合ポリエステルを含有させる方法があるが、強度が低下するため、裂けやすくなったり、裁断時に破断が生じやすくなったりするという問題がある。
上記のとおり、光干渉色の発生がなく、コスト、機械的強度および生産性に優れたTAC代替フィルムを市場に提供できている状況とは言えない。
特開平6−51117号公報 特開2006−227090号公報 特開2002−116320号公報 特開2011−99089号公報
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、偏光板としてクロスニコル状態に配置した時に光干渉色の発生がなく、コスト、機械的強度および生産性に優れた偏光板部材用ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも3層の積層構造からなる二軸配向ポリエステルフィルムであり、両最外層以外の層が主たる構成成分以外の第3成分を含む共重合ポリエステルを含有し、各最外層の厚さが全層厚さの7.0〜15.0%であり、フィルムの面内リターデーションが600nm以下であり、フィルムの長さ方向およびそれに直交する方向の端裂抵抗値がともに70N以上であり、内部ヘーズが1.0%以下であることを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、偏光板としてクロスニコル状態に配置した時に光干渉色の発生がなく、コスト、機械的強度および生産性に優れた偏光板部材用ポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明で言うポリエステルフィルムとは、押出口金から溶融押出されるいわゆる押出法により押出した溶融ポリエステルシートを冷却した後、必要に応じて延伸、熱処理を施したフィルムである。
本発明のポリエステルフィルムは、2層の最外層と1層以上の内層を有する少なくとも3層からなる積層フィルムであって、両最外層は通常ホモポリエステルからなり、内層は共重合ポリエステルを含有することを特徴とする。全ての層をホモポリエステルとした場合、一般的にフィルム厚さに比例してリターデーションが大きくなるため、偏光板としてクロスニコルの状態に配置した際に光干渉色の発生が大きくなり、実使用に耐えられない外観となる。一方、全ての層に共重合ポリエステルを用いる方法もあるが、リターデーションの抑制に効果がある一方で高温での寸法安定性が低下し、また、フィルムが裂けやすくなり生産性が著しく低下することがある。
本発明において両最外層は前記のとおりホモポリエステルからなることが好ましい。ここでポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものである。芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸およびオキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。中でも、両最外層にポリエチレンテレフタレートを用いることでフィルムに優れた機械的強度および耐破断性を発現することができる。
また、本発明のフィルムの内層は共重合ポリエステルを含有する。共重合ポリエステルとは、主たる構成成分以外の第3成分を含むポリエステルであり、ジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸およびオキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等から選ばれる一種または二種以上が挙げられる。一方のグリコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等から選ばれる一種または二種以上が挙げられる。一般的に共重合ポリエステルは結晶化あるいは配向しにくい分子構造であり、共重合ポリエステルを使用することで、光干渉色の指標となるリターデーションを低減することが可能となる。
本発明のフィルムの総厚みは2〜50μmであることが好ましい。さらに好ましくは4〜38μmの範囲である。フィルムの厚さが4μmより薄いとフィルムの製膜が困難であるとともに取り扱いが困難になる傾向がある。また、フィルムの厚さが50μmより厚い場合には、偏光板の総厚みが厚くなる上に、厚さに比例してリターデーションも大きくなる傾向がある。
本発明のフィルムの最外層の厚さは、片側のみの厚さで通常0.2μm以上であり、フィルム全総厚さの7.0〜15.0%である必要がある。かかる厚みが0.2μm未満では、加工中の熱履歴等により、内層に含有されているオリゴマー(環状三量体)がフィルム表面に析出し、生産ラインの汚染やフィルム表面の異物量の増加が見られる可能性がある。最外層厚さが全層厚さの7.0%より小さい場合、強度不足によりスリット工程で破断が頻発して生産性が低下する。一方、15.0%以上ではリターデーションが大きくなるため、偏光板化してクロスニコルに配置した際に光干渉色が強く観察される。さらに、最外層に配合する粒子量が増えて透明性が損なわれる。
本発明のポリエステルフィルムの端裂抵抗値は、フィルムの長手方向(MD)および幅方向(TD)ともに70N以上である。70N以下の場合はスリット工程で破断が頻発し、ロールの採取が困難となる。
本発明において、端裂抵抗値を調整する方法としては、分子配向を有する層と実質的に分子配向がない層との比率、あるいは分子配向を有している層の結晶化度、または実質的に分子配向がない層の分子配向度、さらにはそれぞれの層を構成するポリエステル樹脂の分子量等による方法を用いることができる。
本発明のポリエステルフィルムを偏光板部材として使用する際に光干渉色の発生を防ぐために、ポリエステルフィルムにおける面内リターデーションを600nm以下とする必要があり、好ましくは300nm以下である。フィルムの面内リターデーションが600nmより大きい場合には、光の干渉色が強くなり、液晶ディスプレイにおいて、虹模様が確認され画像本来の色彩が得られない。
本発明におけるポリエステルフィルムには、フィルムの巻き上げ工程等での作業性を向上させるために微粒子を含有させることが好ましい。粒子としては、二酸化ケイ素、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、有機粒子などを挙げることができ、これらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用してもよい。中でも、一次粒子の凝集体である多孔質シリカ粒子は、安価でかつフィルムの延伸時に粒子周辺にボイドが発生しにくいため、内部ヘーズ低減に効果的である。内部ヘーズとはフィルムの内部構造(ボイドなど)に起因する散乱を評価した物性であり、粗面補償溶媒として、例えばエタノールを用いることで測定することができる。
本発明において、後述する測定法におけるフィルムの内部ヘーズは1.0%以下であることが必要である。内部ヘーズが1.0%より大きい場合、フィルム表面にハードコート等の処理をした際の透明性が低下する。内部ヘーズを上記範囲とするためには、例えば、用いる粒子の種類、粒径、添加量、粒子含有層の厚さ、製造ラインにおけるフィルターの強化、フィルム製造条件(フィルム延伸温度、延伸倍率)等、種々の条件を適宜組み合わせることによって達成することができる。
ポリエステルフィルムに配合する粒子の平均粒径としては、通常0.5〜5.0μm、好ましくは0.8〜4.0μmの範囲である。平均粒径が0.5μm未満の場合、十分な易滑性を付与するために添加量を増加させる必要性が生じ、結果として透明性が損なわれることがある。また、平均粒径が5.0μmを超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きくなりすぎて、コート剤や粘着層を塗布する際に突起部付近で均一に塗布することが困難になったり、フィルムの透明性が損なわれたりすることがある。
フィルムの透明性を向上させるためには最外層にのみに粒子を配合する方法も好ましく採用される。この場合の最外層とは、少なくとも表裏どちらか1層であり、表裏両層に粒子を配合することもできる。
本発明において、ポリエステルに粒子を配合する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。またベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明におけるポリエステルフィルム中には、必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料、顔料等を添加することができる。また用途によっては、紫外線吸収剤特にベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤等を含有させても良い。かかる添加物は内層のみ、あるいは最外層のみに配合してもよい。表面への析出を防止するためには内層に添加するのが好ましい。
次に本発明のフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、以下の例示に特に限定されるものではない。
まず、本発明で使用するポリエステルの製造方法の好ましい例について説明する。ここではポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを用いた例を示すが、使用するポリエステルにより製造条件は異なる。常法に従って、テレフタル酸とエチレングリコールからエステル化し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換反応し、その生成物を重合槽に移送し、減圧しながら温度を上昇させ、最終的に真空下で280℃に加熱して重合反応を進め、ポリエチレンテレフタレート得る。
ポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素等不活性気流中に必要に応じてさらに固相重合を施してもよい。得られるポリエステルの固有粘度は0.40dl/g以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.40〜0.90dl/g、特に好ましくは0.50〜0.80dl/gである。固有粘度が0.40dl/g未満の場合は、フィルムの強度が不足したり、フィルム製造時に破断が頻発して生産性が低下したり、また含有するオリゴマー量が多くなって、光学用として使用した場合にフィルムの透明性の低下等の問題を発生させる事がある。一方固有粘度が0.90dl/gを超えると、フィルム製造時に溶融押出する工程で、粘度が高過ぎて剪断発熱による温度上昇でポリエステルが劣化して色調が変化したり、筋状の厚みムラが発生しやすくなったりする等の問題が発生することがある。
次に上記のようにして得られたポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーを口金から押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。
延伸条件は、前記未延伸シートを縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。さらに、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆるインラインコーティングを施すこともできる。方法は以下に限定するものではないが、例えば、1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、帯電防止性、滑り性、接着性等の改良、2次加工性改良、耐候性および表面硬度の向上等の目的で、水溶液、水系エマルジョン、水系スラリー等によるコーティング処理を施すことができる。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としては水系が好ましい。
偏光板としてPVAへの接着剤と密着させるために、あるいはハードコートとの密着性を向上させるために少なくとも片面に塗布層を設けることが好ましい。
塗布層は、帯電防止剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
塗布剤の塗布方法としては、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターまたはこれら以外の塗布装置を使用することができる。
塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。また、表面特性をさらに改良するため、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
塗布層の厚みは、最終的な乾燥厚さとして、通常0.02〜0.5μm、好ましくは0.03〜0.3μmの範囲である。塗布層の厚さが0.02μm未満の場合は、本発明の効果が十分に発揮されない恐れがある。塗布層の厚さが0.5μmを超える場合は、フィルムが相互に固着しやすくなったり、特にフィルムの高強度化のために塗布処理フィルムを再延伸する場合は、工程中のロールに粘着しやすくなったりする傾向がある。
なお必要に応じてフィルムの製造後に、オフラインコートと呼ばれる方法でコートしてもよい。コーティングの材料としては、水系および/または溶剤系いずれでもよい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。実施例中、「%」は「重量%」を意味する。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステルを1g精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mLに溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
(3)各層厚さの測定
日立製作所製の走査型電子顕微鏡(SEM)-S4500を用いて積層フィルムの断面を観察し、各層の厚さを求めた。
(4)面内リターデーションの測定
大塚電子株式会社製のセルギャップ検査装置RETS−1100Aを用いて波長589nmでの面内リターデーションを測定した。測定はスリットロールの幅方向(TD全幅)について20mm間隔で連続的に行った。面内リターデーションは回転検光子法でアパーチャ径は2mmとし、23℃で測定した。
(5)光干渉色観察
ポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)フィルム((株)クラレ製、重合度2400)を用いて、第1浴(ヨウ素、KI水溶液−30℃)で3倍延伸後、第2浴(ホウ酸、KI水溶液−55℃)中でトータル延伸倍率を6倍まで延伸して偏光子を得た。その後、PVA系接着剤を用いて、PVAの片面に厚さ40μmのTACフィルムを、PVAのもう片面にポリエステルフィルムを貼り合わせ偏光板を作製した。当該偏光板をTACフィルム側が液晶側になるようにバックライトユニット側の偏光板として液晶パネルに実装し視認性を確認した。
◎:光干渉色の発生なく良好
○:わずかに光干渉色が確認されるが、使用上問題ない
×:光干渉色が強く、本来の色調とは異なる画像となる
(6)端裂抵抗値測定
スリット工程でのマスターロールの破断しやすさを端裂抵抗値から判定した。測定はJIS C2318−1975に準拠し、MD(長さ方向)・TD(幅方向)それぞれスリットロールの右端、中央、左端の3点の測定箇所で測定し、各位置から切り出した3点の平均値を端裂抵抗値とした。なお、MD・TDともに70N以上が耐破断性が良好なレベルである。
(7)内部ヘーズの測定
スガ試験機製のヘーズメーター(HZ−2)を用いて測定した。測定は、中央が直径50mmの円形にくりぬかれた2枚の治具にフィルムを挟んでガラスセルに挿入し、フィルムの表面補償溶媒としてエタノールをガラスセルに充填して行った。測定はスリットロールの右端、中央、左端の3点の測定箇所で行い、各位置から切り出した3点の平均値を内部ヘーズ値とした。
(8)各位置(ロール右端・中央・左端)での総合評価
各採り位置での項目(4)〜(7)の評価結果について、偏光板部材として優れているものを○、不十分なもの×とした。
(9)全位置(ロール右端・中央・左端)での最終評価
ポリエステルフィルムロールとしての生産性を加味し、(8)の各位置での総合評価が全て○のものについてのみ、最終評価良好とした。
(ポリエステルチップの製造法)
(ポリエステルAの製造方法)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.640に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルAの極限粘度は0.640であった。
(ポリエステルBの製造方法)
ポリエステルAの製造方法において、出発原料のジカルボン酸をテレフタル酸ジメチル78重量部、イソフタル酸ジメチル22重量部としたこと以外はポリエステルAの製造方法と同様の方法を用いてポリエステルBを得た。得られたポリエステルBは、極限粘度0.715であった。
(ポリエステルCの製造方法)
ポリエステルAをあらかじめ160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.850のポリエステルCを得た。
(ポリエステルDの製造方法)
ポリエステルAの製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径3.2μmのシリカ粒子を0.6部、三酸化アンチモン0.03部を加えて、極限粘度0.620に相当する時点で重縮合反応を停止した以外は、ポリエステルAの製造方法と同様の方法を用いてポリエステルDを得た。得られたポリエステルDは、極限粘度0.620であった。
(ポリエステルフィルムの製造)
上記ポリエステルA〜Dを、表1に示した割合で混合した原料を2台の押出機に各々供給し、層構成がO(最外層)/M(中間層)/O(最外層)のポリエステルフィルムを作製した。まず、ポリエステルを285℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を30℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、85℃にて縦方向に3.4倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て125℃で4.0倍の横延伸を施し、231℃で熱処理を行い、ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの全層厚みはSEM観察より38.0μm、各層の厚みは表1のとおりである。また、各種評価結果は表2、3、4のとおりである。
Figure 2014066942
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Figure 2014066942
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本発明のフィルムは、例えば、偏光板部材として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 少なくとも3層の積層構造からなる二軸配向ポリエステルフィルムであり、両最外層以外の層が主たる構成成分以外の第3成分を含む共重合ポリエステルを含有し、各最外層の厚さが全層厚さの7.0〜15.0%であり、フィルムの面内リターデーションが600nm以下であり、フィルムの長さ方向およびそれに直交する方向の端裂抵抗値がともに70N以上であり、内部ヘーズが1.0%以下であることを特徴とするポリエステルフィルム。
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