JP2014066113A - ドーム状構造物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主柱700と、少なくとも1組のビームフレーム部材52の各々の中間位置に固定される第1支持部材810と、その介在するビームフレーム部材52のうち少なくとも1つのビームフレーム部材52の各々の中間位置に固定される第2支持部材812と、一端が主柱700の上端に及び他端が第1支持部材810にそれぞれ固定される少なくとも1組の床梁820と、少なくとも1組の隣接する床梁820間に渡される補助支持部材830とを備え、少なくとも1組の床梁820間には、一端が補助支持部材830に固定され他端が第2支持部材812に固定される少なくとも1つの副床梁840が設けられ、
【選択図】図13
Description
従来、ドーム状構造物は、展示場等の使用目的で比較的、大型の建築物に使用されてきたが、近年、コンパクトな構造で小型の一般住宅としての需要が増加している(たとえば、特許文献1)。
また、該床梁のうちには、三角形構造体のコネクタに直接、固定されるものがあり、該コネクタの複雑化、大型化を招き、荷重が集中することで構造安定性に欠けるという第2の問題点があった。
請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の目的に加え、少なくとも床の一部に吹抜を有するドーム状構造物を提供することを目的とする。
請求項3記載の発明は、上記した請求項1又は2に記載の発明の目的に加え、階段等の所定のスペースを収まりよく配置することが可能なドーム状構造物を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられている3本のフレーム部材50と、これらのフレーム部材50の端部同士を連結するためのものであって各三角形構造体40の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられているコネクタ71とから構成される三角形構造体40が、複数個、立体的に連設されることによりドーム状に形成されたドーム状構造物10であって、前記三角形構造体40を連設することにより環状に形成された層構造部Lを複数、積み重ねた階層構造により形成され、前記階層構造は、前記層構造部Lとして、前記三角形の頂点のみで上層と接する前記三角形構造体40(以下、「順三角形構造体42」とする。)と前記三角形の辺をもって前記上層と接する前記三角形構造体40(以下、「逆三角形構造体41」とする。)とが円周上に交互に並んで形成され、前記階層構造の最下層に位置する最下層構造部15aの逆三角形構造体41の上辺に位置する前記フレーム部材50をビームフレーム部材52とし、前記最下層構造部15aの下の基礎30の中心から立設され、かつ、上端が少なくとも前記最下層構造部15aと前記次層構造部14aとの境界の高さまで柱状に立設された主柱700と、1以上の前記ビームフレーム部材52が間に介在する少なくとも1組の前記ビームフレーム部材52の各々の中間位置に固定される第1支持部材810と、その介在する前記ビームフレーム部材52のうち少なくとも1つの前記ビームフレーム部材52の各々の中間位置に固定される第2支持部材812と、一端が前記主柱700の上端に及び他端が前記第1支持部材810にそれぞれ固定される少なくとも1組の床梁820と、少なくとも1組の隣接する前記床梁820間に渡される補助支持部材830とを備え、隣接する前記床梁820のうち少なくとも1組の前記床梁820間には、一端が前記補助支持部材830に固定され他端が前記第2支持部材812に固定される少なくとも1つの副床梁840が設けられ、少なくとも1つの前記ビームフレーム部材52が挟み込まれた少なくとも1組の前記床梁820間には、前記最下層構造部15aの上に隣接する次層構造部14aの床が設けられていることを特徴とする。
床梁820及び副床梁840の端部は、三角形構造体40のコネクタ71に直接、固定されずに、床梁820はビームフレーム部材52の中間位置の第1支持部材810に固定され、副床梁840はビームフレーム部材52の中間位置の第2支持部材812に固定されている。このように、床梁820及び副床梁840の端部をコネクタ71に直接、固定しないことで、ビームフレーム部材52同士を接続するコネクタ71を単純化することができ、荷重を集中させずに分散させ、構造安定性が増すとともにコネクタ71の小型化を図ることができる。
請求項2記載の発明に係る発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、少なくとも2つの床梁820間には、前記床が設けられていない吹抜652が形成されていることを特徴とする。
少なくとも2つの床梁820間には、次層構造部14aの床が設けられていない吹抜652が形成されているため、ドーム状構造物10の少なくとも一部に最下層構造部15aと、次層構造部14aとが上下方向に連通する開放的な空間を設けることができる。
(請求項3)
請求項3記載の発明に係る発明は、上記した請求項1又は2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、少なくとも1つの前記副床梁840は一端が前記補助支持部材830と前記床梁820との接続位置に配置されていることを特徴とする。
(請求項4)
請求項4記載の発明に係る発明は、上記した請求項1、2又は3に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記床梁820は、最大5つからなることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、柱頭部材を小型化することができるとともに、コネクタを単純化及び小型化することができ、荷重を分散させ、構造安定性が増したドーム状構造物を提供することができる。
請求項3記載の発明によれば、上記した請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、階段等の所定のスペースを収まりよく配置することが可能なドーム状構造物を提供することができる。
図1、図2及び図3に示すように、第1の実施の形態に係るドーム状構造物10には、周囲をドーム状(半球状)に覆うドーム壁520が設けられている。
前記ドーム壁520は、三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられている3本のフレーム部材50からなる三角形構造体40が複数個、隙間なく立体的に連設されることによりドーム状に形成されている。
このドーム壁520の頂部には、立設壁420及び屋根440を有するキューポラ400が設けられている。この立設壁420が立ち上がる位置は、図1に示すような位置に限定されるものではなく、その位置よりも頂上側又は下方側に変更してもよいものである。
なお、本実施の形態に係るドーム状構造物10は、キューポラ400を有するものに限定されるものではなく、キューポラ400を有さないドーム状構造物10にも適用することができる。
そして、層構造部Lは、第1構造部11の立設壁420の下側に第1構造部11とは隙間なく連設されるものであって同一の球に内接する15個の三角形構造体40を隙間なく環状に組み合わせた形状の第2構造部12を有している。そして、層構造部Lは、第2構造部12の下側に第2構造部12とは隙間なく連設されるものであって同一の球に内接する25個の三角形構造体40を隙間なく環状に組み合わせた形状の第3構造部13を有している。そして、層構造部Lは第3構造部13の下側に第3構造部13とは隙間なく連設されるものであって同一の球に内接する30個の三角形構造体40を隙間なく環状に組み合わせた形状の第4構造部14を有している。そして、層構造部Lは、第4構造部14の下側に第4構造部14とは隙間なく連設されるものであって30個の三角形構造体40を隙間なく環状に組み合わせた形状の第5構造部15を有している。
前記第5構造部15はコンクリートからなる基礎30(図2参照)の上に固定されている。なお、三角形構造体40の個数は、上述したものに限定されるものではない。具体的にはたとえば第5構造部15に大きな出入り口や開口窓や当該三角形構造体40の室内を拡張する部屋等を設けるような場合には、隣接する複数(たとえば3個)の三角形構造体40を設けずにそのような機能を有するものを拡張して形成してもよい。
前記ドーム状構造物10は、フレーム部材50の端部同士を連結するとともに三角形構造体40の三角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられている固定手段70としてのコネクタ71を備えている。
そして、各三角形構造体40の各辺に相当する位置にそれぞれ設けたフレーム部材50と各三角形構造体40の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けた固定手段70としてのコネクタ71とから、図1に示すドーム状のトラス骨格が構築されている。そして、このドーム状のトラス骨格がドーム状構造物10の構造躯体となる。
第5構造部15の下端に設けられるコネクタ71をベースコネクタ72とする(図4参照)。このベースコネクタ72は、第5構造部15の下端の頂点に集まるフレーム部材50の端部同士を2つのアーム72aを介して連結するためのものである(図4参照)。また、ベースコネクタ72は、2本のフレーム部材50の端部同士を連結するための部材として機能するとともに、トラス骨格を基礎30に接合するための部材としても機能する。
前記ベースコネクタ72及びビームコネクタ73以外のコネクタ71であって、5本のフレーム部材50の端部が集まる位置(5個の三角形構造体40の頂点が集まる位置)に設けられるコネクタ71を5アームコネクタ74とする(図6参照)。この5アームコネクタ74は、その位置に集まる5本のフレーム部材50の端部同士を5つのアーム74aを介して連結するためのものである。
図5に示すように、ビームコネクタ73には、6つのアーム73aが設けられている。
図6に示すように、5アームコネクタ74には、5つのアーム74aが設けられている。
図7に示すように、6アームコネクタ75には、6つのアーム75aが設けられている。
図8に示すように、本実施の形態では、第5構造部15の下端を基礎30との接合面とするとともに、第5構造部15の下端付近の位置に1階床654を設け、第5構造部15の上端付近の位置に2階床656を設けている。具体的には、第5構造部15の下端の位置に1階床654を設け、第5構造部15の上端の位置に1階天井662を設けている。さらに、第4構造部14の下端の位置に2階床656を設け、第4構造部14から第1構造部11までの半球状の上面を2階天井664としているものである。
前記主柱700は、トラス骨格の中心に位置する基礎30に固定される柱脚部720、及び、上端が第4構造部14と第5構造部15との境界線の高さまで柱状に立設する柱本体部730を有する中心柱部材710と、この中心柱部材710の上端に固定される柱頭部材740とを備えている。
前記柱本体部730は、横断面形状が四角形であって木質からなる集成材を用いて形成され、前記柱脚部720及び柱頭部材740は、建築用の鋼材を用いて形成されている。
なお、前記柱本体部730は、第4構造部14と第5構造部15との境界線を越えて、さらに上方に向かって立設するように形成してもよい。
ドーム状構造物10の第4構造部14と第5構造部15との境界線上であって、ビームコネクタ73を結ぶフレーム部材50を、ビームフレーム部材52としている。このビームフレーム部材52は、全体としてドーム状構造物10の周囲に環状に形成されているものである。所定のビームフレーム部材52から主柱700の柱頭部材740には、床梁820が渡されている。
前記アンカープレート721の4隅には、ドーム状構造物10の略中心の基礎30の上面のアンカーボルト32(図12参照)を通すためのアンカー孔722が設けられている。前記下筒部723は、図9(B)に示すように断面が正方形の柱本体部730の下端を隙間無く差し込んで固定することができるような四角筒状の寸法形状になっている。この下筒部723の対抗する面同士には、同一位置に貫通する柱固定ボルト孔724が前後及び左右に設けられている。この柱固定ボルト孔724は、対抗する面同士では、同一位置であるが、前後と左右とでは、異なる高さの位置に形成されている。この柱固定ボルト孔724は、柱本体部730の下端部が下筒部723内に差し込まれた状態で、柱本体部730の後述する挿通孔731(図10参照)の位置と整合する位置に形成されている。この柱固定ボルト孔724及び挿通孔731に後述する柱固定ボルト712が差し込まれて反対側から突出する柱固定ボルト712の端部を柱固定ナット714で締め付けることにより、柱脚部720と、柱本体部730の下部とが固定されるものである(図12参照)。
前記柱本体部730は、その下端を柱脚部720の下筒部723の内部に差し込んだ状態で、その上端が第4構造部14と第5構造部15との境界線の高さに至るような上下方向の長さに設定されている。
図10(B)に示すように前記柱本体部730の上端及び下端には、対抗する面(正面及び背面、左側面及び右側面)間に貫通する挿通孔731が形成されている。正面及び背面に貫通する挿通孔731と、左側面及び右側面に貫通する挿通孔731とは、それらの中心軸が互いに直交するとともに高さ方向の位置が異なる位置に形成されている。この柱本体部730の下端の挿通孔731は、柱本体部730の下端を柱脚部720の上面の下筒部723に差し込んだ際に、下筒部723の柱固定ボルト孔724の位置と整合するような位置に形成されている。また、柱本体部730の上端の挿通孔731は、柱本体部730の上端に柱頭部材740の下面の後述する上筒部750(図11)を被せた際に、上筒部750の柱固定ボルト孔752の位置と整合するような位置に形成されている。
前記床梁820の両端部の板厚方向の中心には、端面から所定の長さの溝である端部スリット801が設けられている(図12参照)。
前記フィン745は、この端部スリット801に隙間無く差し込み可能な寸法形状に形成されてある。柱頭部材740に固定する床梁820は、端部スリット801がフィン745に入り込むように配置されることで板部742上に仮固定される。床梁820が板部742上に仮固定された状態で板部742の下から木ネジ状の頭部がナットタイプの金物であるラグスクリューボルト749を貫通孔748を介してねじ込むことにより、床梁820が柱頭部材740の板部742上で固定される。
なお、フィン745は、上述したような台形状の形状に限定されるものではなく、長方形状等の他の形状にしてもよい。また、そのフィン745の端部には、縦方向に並んだ複数のボルト孔を設けて、床梁820の端部にも整合する位置にボルト孔を設けて、フィン745と床梁820端部とをボルト等の締結部材により固定してもよい。
また、上筒部750は、上述したように四角筒状であるが、特に図示していないが、その四角筒状の角部のみが切り取られた4枚の平板が略筒状になって板部742に固定されているようなものでもよい。
更に、柱本体部730を上筒部750及び下筒部723に固定する方法は、本実施の形態のような柱固定ボルト孔752,724及び挿通孔731に柱固定ボルト712及び柱固定ナット714で固定するものに限定されるものではない。たとえば上筒部750及び下筒部723に釘孔を設け、この釘孔から柱本体部730に向かって釘を打ち込むことで固定するようにしてもよい。
図12に示すように、ドーム状構造物10の中心の基礎30の上面にはアンカーボルト32が突出した状態で固定されている。このアンカーボルト32がアンカープレート721のアンカー孔722に通された状態でアンカープレート721が基礎30の上に載置されている。その状態でアンカーボルト32の上端側からアンカーナット33を介してアンカープレート721を基礎30との間で挟み込んで締め付けることにより、柱脚部720が基礎30に固定される。
柱本体部730の上部には、柱頭部材740の上筒部750が嵌め込まれている。その状態において、上筒部750の柱固定ボルト孔752及び柱本体部730の挿通孔731に柱固定ボルト712が通されて柱固定ナット714で締め付けられることにより、柱本体部730の上部に柱頭部材740が固定されている。
この主柱700は、図12の1点鎖線で示される1階床654とは構造的に分離した縁切構造となっている。
図13に示すように、ビームフレーム部材52のうちの一部には、複数の床梁820の配置に応じて固定される支持部材810が設けられている。この支持部材810は、建築用の鋼材からなり、ビームフレーム部材52の長手方向の中間位置に固定されている。この支持部材810には、2つのビームフレーム部材52が間に介在する5組のビームフレーム部材52の各々に固定される第1支持部材811と、その介在するビームフレーム部材52の1つ又は2つのビームフレーム部材52の各々に固定される第2支持部材812とがある。なお、ビームフレーム部材52や支持部材810の個数は上述したものに限定されるものではない。
複数組(具体的には5組)の隣接する床梁820のうちの一部(具体的には4組)の間には、補助支持部材830が渡されている。
5組の隣接する床梁820間のうち4組の床梁820間には、一端が補助支持部材830に固定され、他端が第2支持部材812に固定される1つ又は2つの副床梁840が設けられている。具体的には、前記4組の床梁820間のうち3組の床梁820間には2つの副床梁840が設けられ、前記4組の床梁820間のうち残りの1組の床梁820間には1つの副床梁840が設けられている。
ここで、上述した床梁820、補助支持部材830及び副床梁840は、木質からなるものであるが、もちろん、木質に限定されるものではなく、建築用鋼材を用いた金属等の他の材質からなるものでもよい。
本実施の形態では、3組の床梁820間の全面と、1組の床梁820間の一部とには、最下層構造部15a(第5構造部15)の上に隣接する次層構造部14a(第4構造部14)の床(具体的には2階床656)が設けられている。なお、この2階床656を設ける場合には、これに限定されるものではなく、少なくとも1組の床梁820間の一部又は全面に2階床656を設けることができる。
さらに図13に示すように、本実施の形態では、多数の木質からなる根太802が床梁820と副床梁840との間上に架け渡されている。本実施の形態では、このように床梁820及び副床梁840間に架け渡した多数の根太802の上に2階床656の下地用のパネル材(図示せず)が張られ、その上に2階床656の仕上げ材が張られている。なお、根太802を形成していない部分の開口は、吹抜652となっているものであり、吹抜652の一部には1階から2階へ上るための階段部804が形成される。
第1固定部材850、第2固定部材860、第3固定部材870及び第6固定部材900は、いずれも金属からなり、補助支持部材830の端部を床梁820に固定するためのものであって、補助支持部材830の端部を床梁820の両側面に固定するか、一方側の側面だけに固定するか、他方側の側面だけに固定するかの相違を有している。
第2固定部材860は、床梁820の一方の側面に補助支持部材830の端部を固定するときに用いられるものである(図19、20参照)。
第3固定部材870は、床梁820の他方の側面に補助支持部材830の端部を固定するときに用いられるものである。
第6固定部材900は、床梁820の両側面に補助支持部材830の端部を固定するとともにその接続位置で副床梁840の端部を固定するときに用いられるものである(図18参照)。
(X)は、隣接する床梁820の組合せが全部で5組あるうちの3組であって、隣接する床梁820間に2つの副床梁840が設けられている。この床梁820間には、全面に根太802が設けられて全面に2階床656が設けられている。
(Z)は、全5組のうちの1組であって、隣接する床梁820間には副床梁840が1つも設けられてなく、2階床656は形成されずに吹抜652が形成されている。
2階床656を設ける場合には、少なくとも2つの床梁820が必要であり、さらに、隣接する床梁820のうち少なくとも1組の床梁820間には、補助支持部材830が渡されて、その補助支持部材830には、少なくとも1つの副床梁840が設けられる必要がある。
副床梁840の一端を補助支持部材830に固定する際には、補助支持部材830に固定されて副床梁840の一端を支持するための第4固定部材880又は第5固定部材890が用いられる。この第4固定部材880と、第5固定部材890との違いは、いずれも本体が補助支持部材830に固定されている点は共通であるが、副床梁840と補助支持部材830との角度が異なるものである。その他の形状は、寸法は異なるものの概略の構造は第2固定部材860又は第3固定部材870と略同様の構造となるものである。
図14(A)(B)(C)に示すように、第1支持部材811は、縦断面形状が略逆L字状の第1支持本体部816と、この第1支持本体部816から側方に突出して縦断面形状が逆T字状の第1載置部818とを有している。第1支持本体部816には、その上面に2個、右側面に4個の固定用の孔817が設けられている。第1載置部818には、その逆T字状の下部の横部材に2個の固定用の孔817が設けられている。なお、この第1支持部材811と第2支持部材812とは同一の形状からなる。
床梁820の端面の端部スリット801に、第1載置部818の縦断面が逆T字状の縦部材が差し込まれ、逆T字状の横部材の上面に床梁820の端部下面が載置される。その状態でラグスクリューボルト819が第1載置部818の下部の横部材の孔817からねじ込まれることで床梁820が第1支持部材811に固定される。なお、床梁820の代わりに副床梁840を用いるときにも同様である。
図16(A)(B)(C)(D)に示すように、第1固定部材850は、縦断面形状がコ字状のものを90度左回転させた状態の第1固定本体部851と、この第1固定本体部851から右側方(図16(C))に突出するとともに縦断面形状が逆T字状の第1右補助部852と、第1固定本体部851から左側方(図16(C))に突出するとともに縦断面形状が逆T字状の第1左補助部853とを有している。
図17に示すように、第1固定本体部851は、床梁820の上方から被せられて、上面及び左右側面の孔854からラグスクリューボルト855がねじ込まれることにより床梁820に固定される。ここで、補助支持部材830の端面にも、床梁820の端面と同様の端部スリット801が設けられている。
補助支持部材830の端面の端部スリット801に、第1右補助部852及び第1左補助部853の縦断面が逆T字状の縦部材が差し込まれ、逆T字状の横部材の上面に補助支持部材830の下端面が載置される。その状態でラグスクリューボルト855が第1右補助部852及び第1左補助部853の下部の横部材の孔854からねじ込まれることで2つの補助支持部材830が第1固定部材850の両側面に固定される。
補助支持部材830の端面の端部スリット801に、第6左補助部902及び第6右内補助部903の縦断面が逆T字状の縦部材が差し込まれ、逆T字状の横部材の上面に補助支持部材830の下端面が載置される。その状態でラグスクリューボルト(図示せず)が第6左補助部902及び第6右内補助部903の下部の横部材の孔905からねじ込まれることで補助支持部材830が第6固定部材900の両側面に固定される。
図19(A)(B)(C)(D)に示すように、第2固定部材860は、縦断面形状が逆L字状の第2固定本体部861と、この第2固定本体部861から右側の側方(図19(A))に突出するとともに縦断面形状が逆T字状の第2補助部862とを有している。
図20(A)(B)に示すように、第2固定本体部861は、床梁820の上方から被せられて、上面及び側面の孔864からラグスクリューボルト865がねじ込まれることにより床梁820に固定される。
副床梁840の端面の端部スリット801に、第2補助部862の縦断面が逆T字状の縦部材が差し込まれ、逆T字状の横部材の上面に副床梁840の下端面が載置される。その状態でラグスクリューボルト865が第2補助部862の下部の横部材の孔864からねじ込まれることで副床梁840が補助支持部材830の一方の側面に固定される。
図21(A)(B)(C)(D)に示すように、第4固定部材880は、縦断面形状が逆L字状の第4固定本体部881と、この第4固定本体部881から左側方(図21(A))に突出するとともに縦断面形状が逆T字状の第4補助部882(図21(B))とを有している。
図22(A)(B)に示すように、第4固定本体部881が補助支持部材830に上方から被せられる。その状態において補助支持部材830の上面及び側面の孔884からラグスクリューボルト885がねじ込まれることにより第4固定部材880が補助支持部材830に固定される。
副床梁840の第4固定本体部881側の端面の端部スリット801に、第4補助部882の縦断面が逆T字状の縦部材が差し込まれ、逆T字状の横部材の上面に副床梁840の下端面が載置される。その状態でラグスクリューボルト885が第4補助部882の下部の横部材の孔884からねじ込まれることで副床梁840が第4固定部材880を介して補助支持部材830の一方の側面に固定される。
(主柱に関する作用及び効果)
本実施の形態では、図9、図10及び図11に示すように、柱脚部720と、柱本体部730と、柱頭部材740とがそれぞれ別個独立に形成され、図12に示すように、この3つが組み合わされることにより、ドーム状構造物10の中央に基礎30から立設する1本の主柱700が形成される。主柱700は、金属からなる全体として一体ものではなく、3つの異なる部品が組み合わされて形成されている。
一般的にドーム状構造物10の吹抜を含む間取りや入り口の位置や大きさによって、次層構造部14aの床を支持する床梁820及び副床梁840の配置がそれぞれ決定され(図25参照)、それに伴って、その床梁820及び副床梁840の他端を支持するビームフレーム部材52の支持部材810の配置が決定される。
また、床梁820の配置により、この床梁820の一端が固定される柱頭部材740のフィン745の寸法形状や、配置が決定されている。すなわち、床梁820の配置により、それぞれに対応した柱頭部材740が決定される。
これらの変動する要因に対して、柱脚部、柱本体部及び柱頭部材が一体となった主柱により対応しようとすると、その一体となった主柱を予め準備するには、柱脚部の種類数と、柱本体部の種類数と、柱頭部材の種類数との積の数の分だけ主柱が必要となる。
具体的には、たとえば吹抜652の大きさや配置の相違により4つの柱頭部材740と、長さの異なる3つの柱本体部730と、大きさの異なる2つの柱脚部720とが必要となるような場合を想定する。
それに対して、本実施の形態のように、上記3つの部品を組み立てて使用するような場合には、柱頭部材740と柱本体部730と柱脚部720との合計で9個(4+3+2)の部品を有していれば全ての組合せに対して対応可能となる。
このように、本実施の形態に係る主柱700では、合計の部品点数を減らすことができる。もちろん、上記部品の個数は、上述したものに限定されるものではなく、他の個数の組合せでもよいものであるが、その場合であっても一体となった主柱よりも合計の部品点数を減らすことができる。
(2階床の梁等の構造に関する作用及び効果)
一般的にビームフレーム部材と柱頭部材との間を渡す床梁だけを設けて、ビームフレーム部材と柱頭部材との間のたとえば床等の鉛直方向の荷重を該床梁だけで支持しようとすると、中心に位置する柱頭部材に多数の該床梁の端部が集中する。その柱頭部材の外周に多数の該床梁の端部を固定するためには、柱頭部材の寸法が大きくなり、柱頭部材が大型化してしまう。
本実施の形態では、図13に示すように、床梁820及び副床梁840は、ビームコネクタ73に固定されるのではなくビームフレーム部材52の中間位置で第1支持部材811により固定されている。
これに対して本実施の形態では、床梁820及び副床梁840は、ビームコネクタ73に固定されずにビームフレーム部材52の中間位置の支持部材810(第1支持部材811又は第2支持部材812)により固定されている。これにより、ビームコネクタ73へ加わる荷重を分散させて荷重負担を低減させることができ、ビームコネクタ73の小型化、単純化を図ることができる。結果として、ドーム状構造物10全体としての構造的な安定性を増すことができる。
なお、吹抜652は上述したものに限定されるものではなく、少なくとも2つの床梁820間の一部又は全部に吹抜652を設けてもよい。
本実施の形態では、図13に示すように、1つの副床梁840の一端が補助支持部材830と床梁820との接続位置に第6固定部材900を介して配置されている。これにより、柱頭部材740から第1支持部材811に向かって放射状に延びる床梁820に対して、副床梁840を所定の角度に配置することができ、階段部804のスペースをその副床梁840に沿って収まりよく配置することが可能となる。
なお、本実施の形態では、第6固定部材900を用いることにより、2つの補助支持部材830の端部と、1つの副床梁840の端部とを、床梁820の途中に集めて固定している。これにより、1つの副床梁840の端部が補助支持部材830と床梁820との接続位置に配置されているが、特に第6固定部材900を用いることに限定されるものではなく、他の部材を用いることにより同様の配置とすることもでき、また、特別な金物の部材を用いずにボルト、ネジ又は釘等の締結部材により補助支持部材830や副床梁840の端部を直接、床梁820に固定させてもよいものである。
また、本実施の形態では、吹抜652や間取りの配置等により種々のバリエーションを設けることができるが(図25参照)、そのような場合でも床梁820は、最大でも5つからなる。これにより、床梁820の端部が最大でも柱頭部材740には5本しか集まらず、確実に柱頭部材740を小型化することができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、図13のB部で金属金物からなる第2固定部材860により床梁820に補助支持部材830を固定していたが、本実施の形態では、図13のB部に相当する位置で第2固定部材860を用いずに、ボルト911及びナット912により床梁820に直接、補助支持部材830の端部を固定しているものである。
図23(B)(C)に示すように、補助支持部材830の端部には、前記固定凹部913に嵌り込み可能な寸法形状からなるとともに四角板状に突出する固定凸部915が形成されている。また、床梁820のボルト用孔914の位置に対応して、補助支持部材830の端部にも同様のボルト用孔916が形成されている。また、補助支持部材830は床梁820に対して斜めに固定されるため、ボルト用孔916の外側には、ボルト911の頭部が入るための段差状のスペースからなる段差部917が形成されている。補助支持部材830の固定凸部915を床梁820の固定凹部913に差し込み、ボルト用孔914及びボルト用孔916にボルト911を挿入して反対側からナット912で締め付けることにより、補助支持部材830の端部が床梁820の側面に固定される。
なお、この第2固定部材860以外の第3固定部材870、第4固定部材880及び第5固定部材890を使用している箇所にも、上述したものと略同様の構造により、特別な金物を用いなくても固定することができる。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、図13のC部で金属金物からなる第1固定部材850により床梁820の両側面に補助支持部材830を固定していたが、本実施の形態では、図13のC部で第1固定部材850を用いずに、ボルト921及びナット922により床梁820の両側面に直接、補助支持部材830の端部を固定しているものである。
図24(B)(C)に示すように、床梁820の両側面に固定される補助支持部材830の端部には、前記固定凹部923に嵌り込み可能な寸法形状からなるとともに四角板状に突出する固定凸部925がそれぞれ形成されている。また、床梁820のボルト用孔924の位置に対応して、各補助支持部材830の端部にも同様のボルト用孔926が形成されている。また、各補助支持部材830は床梁820に対して斜めに固定されるため、ボルト用孔926の外側には、ボルト921の頭部が入るための段差状のスペースからなる段差部927が形成されている。補助支持部材830の固定凸部925を床梁820の固定凹部923に差し込み、一方の補助支持部材830のボルト用孔926にボルト921を挿入して床梁820のボルト用孔924に通すとともに、反対側の側面の補助支持部材830のボルト用孔926にまで該ボルト921を通して、ナット922で締め付けることにより、2つの補助支持部材830の端部が床梁820の両側面に同時に固定される。
なお、この第1固定部材850以外の第6固定部材900を使用している箇所にも、上述したものと略同様の構造により、特別な金物を用いなくても固定することができる。
(床梁820及び副床梁840の配置のバリエーション)
図25(A)〜(E)に示すように、床梁820及び副床梁840の配置には、吹抜652の配置や大きさ等の相違により種々のバリエーションがある。
図25(A)に示すように、床梁820及び副床梁840を1本も渡さず、2階床656を設けずに全周囲に吹抜652を設けることができる。
図25(C)に示すように、床梁820を4本設け、階段部804を除いて中心角が144度の扇状に吹抜652を設けることができる。
図25(D)に示すように、床梁820を5本設け、階段部804を除いて中心角が72度の扇状に吹抜652を設けることができる。
図25(E)に示すように、床梁820を5本設け、階段部804を除いた残り全面に2階床を設けることができる。
11 第1構造部 12 第2構造部
13 第3構造部 14 第4構造部
14a 次層構造部 15 第5構造部
15a 最下層構造部 20 交互層構造部
30 基礎 32 アンカーボルト
33 アンカーナット 40 三角形構造体
41 逆三角形構造体 42 順三角形構造体
50 フレーム部材 52 ビームフレーム部材
70 固定手段 71 コネクタ
72 ベースコネクタ 72a アーム
73 ビームコネクタ 73a アーム
74 5アームコネクタ 74a アーム
75 6アームコネクタ 75a アーム
400 キューポラ 420 立設壁
440 屋根 520 ドーム壁
652 吹抜 654 1階床
656 2階床 660 天井
662 1階天井 664 2階天井
700 主柱 710 中心柱部材
712 柱固定ボルト 714 柱固定ナット
720 柱脚部 721 アンカープレート
722 アンカー孔 723 下筒部
724 柱固定ボルト孔 730 柱本体部
731 挿通孔 740 柱頭部材
742 板部 745 フィン
746 円筒部 748 貫通孔
749 ラグスクリューボルト 750 上筒部
752 柱固定ボルト孔 801 端部スリット
802 根太 804 階段部
806 頭部用スリット 810 支持部材
811 第1支持部材 812 第2支持部材
816 第1支持本体部 817 孔
818 第1載置部 819 ラグスクリューボルト
820 床梁 830 補助支持部材
840 副床梁 850 第1固定部材
851 第1固定本体部 852 第1右補助部
853 第1左補助部 854 孔
855 ラグスクリューボルト 860 第2固定部材
861 第2固定本体部 862 第2補助部
864 孔 865 ラグスクリューボルト
870 第3固定部材 880 第4固定部材
881 第4固定本体部 882 第4補助部
884 孔 885 ラグスクリューボルト
890 第5固定部材 900 第6固定部材
901 第6固定本体部 902 第6左補助部
903 第6右内補助部 904 第6右外補助部
905 孔 911 ボルト
912 ナット 913 固定凹部
914 ボルト用孔 915 固定凸部
916 ボルト用孔 917 段差部
921 ボルト 922 ナット
923 固定凹部 924 ボルト用孔
925 固定凸部 926 ボルト用孔
927 段差部
Claims (4)
- 三角形の各辺に相当する位置にそれぞれ設けられている3本のフレーム部材と、これらのフレーム部材の端部同士を連結するためのものであって各三角形構造体の各頂点に相当する位置にそれぞれ設けられているコネクタとから構成される三角形構造体が、複数個、立体的に連設されることによりドーム状に形成されたドーム状構造物であって、
前記三角形構造体を連設することにより環状に形成された層構造部を複数、積み重ねた階層構造により形成され、
前記階層構造は、前記層構造部として、前記三角形の頂点のみで上層と接する前記三角形構造体(以下、「順三角形構造体」とする。)と前記三角形の辺をもって前記上層と接する前記三角形構造体(以下、「逆三角形構造体」とする。)とが円周上に交互に並んで形成され、
前記階層構造の最下層に位置する最下層構造部の逆三角形構造体の上辺に位置する前記フレーム部材をビームフレーム部材とし、
前記最下層構造部の下の基礎の中心から立設され、かつ、上端が少なくとも前記最下層構造部と前記次層構造部との境界の高さまで柱状に立設された主柱と、
1以上の前記ビームフレーム部材が間に介在する少なくとも1組の前記ビームフレーム部材の各々の中間位置に固定される第1支持部材と、
その介在する前記ビームフレーム部材のうち少なくとも1つの前記ビームフレーム部材の各々の中間位置に固定される第2支持部材と、
一端が前記主柱の上端に及び他端が前記第1支持部材にそれぞれ固定される少なくとも1組の床梁と、
少なくとも1組の隣接する前記床梁間に渡される補助支持部材とを備え、
隣接する前記床梁のうち少なくとも1組の前記床梁間には、一端が前記補助支持部材に固定され他端が前記第2支持部材に固定される少なくとも1つの副床梁が設けられ、
少なくとも1つの前記ビームフレーム部材が挟み込まれた少なくとも1組の前記床梁間には、前記最下層構造部の上に隣接する次層構造部の床が設けられていることを特徴とするドーム状構造物。 - 少なくとも2つの床梁間には、前記床が設けられていない吹抜が形成されていることを特徴とする請求項1記載のドーム状構造物。
- 少なくとも1つの前記副床梁は一端が前記補助支持部材と前記床梁との接続位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドーム状構造物。
- 前記床梁は、最大5つからなることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のドーム状構造物。
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