JP7211846B2 - トライスター型の建物 - Google Patents
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Description
一方、トライスター型の集合住宅では、必要な耐震性を確保するために、特許文献1に示されるように、住戸部分が配置される翼部の外周部に柱・梁を含む架構面を形成することが行われている。しかし、住戸部分が配置される翼部の外周部にせいの高い大梁が配置されることにより、十分なサッシ高が確保できず、採光性や眺望を低下させることとなる。
また、トライスター型の集合住宅にあって、翼部に設けられる内部廊下と絡めて柱・梁の架構面を配置しようとすると、柱と梁が住戸内に突出することとなりやすい。内部廊下型の住宅の場合、外部に面する採光面になるべく居室を配置し、風呂やトイレなどの水場を採光のない廊下側に配置することが一般的であるが、特に風呂などは天井高の関係で大梁下に配置できない場合も多く、そうすると、梁を避けて配置した際に、梁下部がデッドスペースになるなどのプラン上の無駄が生じてしまう。
前記建物の中央部から見て前記翼部の一方の側に設けられた外周柱と、該翼部の一方の側に設けられた外周柱と対向するように前記翼部の他方の側に設けられた外周柱と、
前記翼部の一方の側に設けられた外周柱と前記翼部の他方の側に設けられた外周柱とを結ぶ仮想線上に設けられた梁又は耐震壁と、
前記翼部の先端部に設けられた架構面とを備え、
前記翼部の一方の側に設けられた外周柱及び前記翼部の他方の側に設けられた外周柱に前記翼部の突出方向において接続する梁を欠如し、前記翼部の一方の側及び前記翼部の他方の側において、前記翼部の突出方向において前記外周柱を含んでなる架構面を有さず、
前記翼部の領域内部に、前記翼部の突出方向に延びる梁を欠如していることを特徴とする、トライスター型の建物である。
(2)建物の中央部から三方向に突出した翼部を有するトライスター型の建物において、
前記建物の中央部から見て前記翼部の一方の側に設けられた外周柱と、該翼部の一方の側に設けられた外周柱と対向するように前記翼部の他方の側に設けられた外周柱と、
前記翼部の一方の側に設けられた外周柱と前記翼部の他方の側に設けられた外周柱とを結ぶ仮想線上に設けられた梁又は耐震壁と、
前記翼部の先端部に設けられた架構面とを備え、
前記翼部の一方の側に設けられた外周柱及び前記翼部の他方の側に設けられた外周柱に前記翼部の突出方向において接続する梁を欠如し、前記翼部の一方の側及び前記翼部の他方の側において、前記翼部の突出方向において前記外周柱を含んでなる架構面を有さず、
前記建物の中央部は、環状をなす内側環状構造部と、該内側環状構造部の周りに位置する外側環状構造部と、前記内側環状構造部と前記外側環状構造部とを前記翼部の基部付近において接続する梁とを備えた、トライスター型建物である。
(3)上記(1)のトライスター型の建物において、前記建物の中央部は、環状をなす内側環状構造部と、該内側環状構造部の周りに位置する外側環状構造部と、前記内側環状構造部と前記外側環状構造部とを前記翼部の基部付近において接続する梁とを備えたものである。
また、地震によって、ある方向に建物が揺れた場合、いずれかの翼部の耐震要素(剛性及び耐力)により建物全体の地震力を負担する仕組みとなっている。翼部の一方の側に設けられた外周柱と翼部の他方の側に設けられた外周柱とを結ぶ仮想線上に設けられた梁又は耐震壁と、翼部の先端部に設けられた架構面とを備えており、三方向に翼部があることから、地震力に対し、例えば一の翼部に対する地震力の負担は他の二つの翼部及び中央部により補われ、建物に必要な剛性及び耐力が確保されている。
さらに、翼部の領域内部において、翼部の突出方向の梁を無くすることもでき、それにより、例えばスリーブやユニットバスの欠き込みを無くする等、建物内部の梁による住戸空間や設備配管に与える影響を極力減らし、プランニング上の自由度を増すことができる。
前記翼部の一方の側に設けられた外周柱及び前記翼部の他方の側に設けられた外周柱に前記翼部の突出方向において接続する梁を欠如し、前記翼部の一方の側及び前記翼部の他方の側において、前記翼部の突出方向において前記外周柱を含んでなる架構面を有しない構成とした。
建物1は、中央部2と翼部3とを備えている。また、免震装置を備えている(図2参照)。
翼部3は、翼部3の突出方向を長辺とし、突出方向と直交する方向を短辺とする矩形状に形成されている。
各翼部3の構成はほぼ同様であるため、図左上の翼部3に各要素の符号を付し、以下説明する。
外周柱31及び外周柱32は、建物1の最下階から最上階まで鉛直方向に真っすぐ延びている(図2参照)。符合Bはバルコニーである。
なお、この耐震壁8,9は、一般的な耐震壁構造に代え、耐震壁8,9を、変断面の壁梁として機能する壁体とし、柱と壁体とで全体としてラーメン構造体を構成しているもの(特許第3356414号公報参照)を適用することができる。
したがって、室内への梁型の突出がなく、翼部に配置される住戸等においてより広範囲の眺望を得ることができ、採光性や眺望の向上を図ることができる。
加えて、前述のとおり、内周柱5,5同士及び内周柱6,6同士を翼部3の突出方向において繋ぐ梁も設けられていない。したがって、翼部3において、翼部3の突出方向に延びる梁は欠如しており、存在しない。このため、翼部3の領域内部においても、翼部3の突出方向に梁がまったく無いことから、住戸等の居室が設けられる翼部3にあって、建物内部の梁による住戸空間や設備配管に与える影響を極力減らし、プランニング上の自由度を増すことができる。
内側環状構造部21は平面視六角形に形成され、六角形の各角部に柱22が設けられ、各柱22を接続する梁23を備え、チューブ構造をなしている。
なお、柱26と柱28との接続、及び柱27と柱29との接続は、前述した翼部3と同様に耐震壁で接続され、柱28と柱29とが、梁で接続されている。外側環状構造部25において、3つの翼部3の基部が接続される構面を除く各構面は、柱・梁によるラーメン構造の架構面となっており、より具体的には、翼部3の突出方向の反対方向へ延びる二つの架構面と内側環状構造部21の架構面と平行に対向する一つの架構面とが交差する構成を備えている。3つの翼部3の基部が接続される構面を除く各構面の一部に耐震壁構造を適用することもできる。
建物1は、中央部2と翼部3とを備えている。また、免震装置を備えている(図4参照)。
建物1全体の基本的形態は、実施例1と共通し、翼部3の構成が異なっているため、翼部3の構成を中心に説明する。
翼部3は、翼部3の突出方向を長辺とし、突出方向と直交する方向を短辺とする矩形状に形成されている。
各翼部3の構成はほぼ同様であるため、図左上の翼部3に各要素の符号を付し、以下説明する。
外周柱31及び外周柱32は、建物1の最下階から最上階まで鉛直方向に真っすぐ延びている(図4参照)。
外側環状構造部25は、内側環状構造部21と同心的にその外側に設けられ、内側環状構造部21の六角形の各辺と平行する構面を有して形成されている。内側環状構造部21と外側環状構造部25とは、3つの翼部3の基部が接続される構面において接続されている。具体的には、外側環状構造部25の、翼部3が接続される基部には、翼部3の幅方向に、翼部3の外周柱31,32と翼部3の突出方向において夫々対応する位置に柱26,27が設けられ、翼部3の内部柱5,6と翼部3の突出方向において夫々対応する位置に柱28,29とが設けられており、外側環状構造部25の柱28,29と内側環状構造部25の柱22,22とに梁24が架設されて、内側環状構造部21と外側環状構造部25とが接続されている。
なお、柱26と柱28との接続、及び柱27と柱29との接続は、翼部3と同様に梁で接続され、柱28と柱29とが梁で接続されている。外側環状構造部25において、3つの翼部3の基部が接続される構面を除く各構面は、柱・梁によるラーメン構造の架構面となっており、より具体的には、翼部3の突出方向の反対方向へ延びる二つの架構面と内側環状構造部21の架構面と平行に対向する一つの架構面とが交差する構成を備えている。3つの翼部3の基部が接続される構面を除く各構面の一部に耐震壁構造を適用することもできる。
したがって、室内への梁型の突出がなく、翼部に配置される住戸等においてより広範囲の眺望を得ることができ、採光性や眺望の向上を図ることができる。
2 中央部
3 翼部
4 廊下
5,6 内部柱
8,9 耐震壁
11 先端部
12,13,14 柱
15,16 梁
17 小梁
18 梁
21 内側環状構造部
22 柱
25 外側環状構造部
26,27 柱
28,29 柱
31,32 外周柱
Claims (3)
- 建物の中央部から三方向に突出した翼部を有するトライスター型の建物において、
前記建物の中央部から見て前記翼部の一方の側に設けられた外周柱と、該翼部の一方の側に設けられた外周柱と対向するように前記翼部の他方の側に設けられた外周柱と、
前記翼部の一方の側に設けられた外周柱と前記翼部の他方の側に設けられた外周柱とを結ぶ仮想線上に設けられた梁又は耐震壁と、
前記翼部の先端部に設けられた架構面とを備え、
前記翼部の一方の側に設けられた外周柱及び前記翼部の他方の側に設けられた外周柱に前記翼部の突出方向において接続する梁を欠如し、前記翼部の一方の側及び前記翼部の他方の側において、前記翼部の突出方向において前記外周柱を含んでなる架構面を有さず、
前記翼部の領域内部に、前記翼部の突出方向に延びる梁を欠如していることを特徴とする、トライスター型の建物。 - 建物の中央部から三方向に突出した翼部を有するトライスター型の建物において、
前記建物の中央部から見て前記翼部の一方の側に設けられた外周柱と、該翼部の一方の側に設けられた外周柱と対向するように前記翼部の他方の側に設けられた外周柱と、
前記翼部の一方の側に設けられた外周柱と前記翼部の他方の側に設けられた外周柱とを結ぶ仮想線上に設けられた梁又は耐震壁と、
前記翼部の先端部に設けられた架構面とを備え、
前記翼部の一方の側に設けられた外周柱及び前記翼部の他方の側に設けられた外周柱に前記翼部の突出方向において接続する梁を欠如し、前記翼部の一方の側及び前記翼部の他方の側において、前記翼部の突出方向において前記外周柱を含んでなる架構面を有さず、
前記建物の中央部は、環状をなす内側環状構造部と、該内側環状構造部の周りに位置する外側環状構造部と、前記内側環状構造部と前記外側環状構造部とを前記翼部の基部付近において接続する梁とを備えた、トライスター型建物。 - 前記建物の中央部は、環状をなす内側環状構造部と、該内側環状構造部の周りに位置する外側環状構造部と、前記内側環状構造部と前記外側環状構造部とを前記翼部の基部付近において接続する梁とを備えた、請求項1に記載のトライスター型建物。
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JP2014218872A (ja) | 2013-05-10 | 2014-11-20 | 清水建設株式会社 | 集合住宅の構造 |
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JPH06129135A (ja) * | 1992-06-01 | 1994-05-10 | Shimizu Corp | 建築物の構造 |
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