JP2014065147A - 吐出条件決定方法、その方法を用いた画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

吐出条件決定方法、その方法を用いた画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】作業工数を大幅に低減しつつも、ユーザの感覚に合致した吐出条件を決定可能な吐出条件決定方法、その方法を用いた画像形成方法、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】濃度分布が異なる2以上の描画パターン(70)を表す描画データに対して、人間の視覚特性(30)に応じたフィルタ処理を施すことで視覚補正描画データを得る。この視覚補正描画データが表す、フィルタ処理が施された2以上の描画パターン(70)を、所定の評価条件(32)に従ってそれぞれ評価して得た評価結果に基づいて、特定不吐状態による画像の濃度変化を補償する吐出条件(34)を決定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、液滴を吐出する複数の記録素子を備えた記録ヘッドに対して、前記複数の記録素子の配列方向に交差する搬送方向に、記録媒体を1回だけ相対移動させることで、複数のドットからなる画像を前記記録媒体上に形成するための前記液滴の吐出条件を決定する吐出条件決定方法、その方法を用いた画像形成方法及び画像形成装置に関する。
近時、インクジェット技術の飛躍的進歩に伴い、インクジェット記録方式の画像形成装置による高速・高画質を両立したカラー大判印刷が実現されている。この記録方式では、記録媒体上に複数種のインク(例えばCMYKインク)の液滴を吐出して多数のドットを形成することで、印刷物を得ることができる。この種の装置は、特にサイン・ディスプレイ用途において幅広い分野で用いられ、例えば、店頭POP(Point Of Purchase)や壁面ポスター、屋外広告・看板等の印刷にも適用可能である。
そして、この記録方式のうち、所定方向に沿って配列された複数のノズルを備える記録ヘッド(以下、ラインヘッドという)を使用するシングルパス方式が特に注目されている。なぜならば、上記の所定方向に交差する搬送方向に沿って、記録媒体又はラインヘッドを1回だけ移動させることで画像を形成可能であり、サイン・ディスプレイ用途で要求される各種仕様(高速化・低電力化・高画質化)をすべて両立し得るからである。
ところで、高品質な印刷物を安定的に得るためには、ラインヘッドが備える全ノズルの吐出状態が常に良好であることが最も望ましい。しかし、加工精度、コスト等を含む生産性の面から、すべてのラインヘッドに対して上記した吐出状態を保証・維持することは現実的に極めて困難である。そこで、ラインヘッドに不良ノズルが存在し得る前提の下、画質の劣化を極力抑制するための画像補正技術が種々提案されている。
特許文献1には、各ノズルの相対的位置関係に応じて着弾干渉が発生するパターンが異なる点に着目し、不吐補正用の補正係数を決定する方法及び装置が提案されている。そして、吐出条件を種々変更して形成されたパッチの集合体であるテストチャートの描画例が記載されている。
特許文献2及び3では、不良ノズル周辺のN個(Nは2以上の整数)のノズルを用いて、上記した不良ノズルからの不吐による濃度低下を補償する方法及び装置が提案されている。特に、特許文献2には、不良ノズルからの距離が大きくなるほど小さくなる補正量の加算及び減算を1画素毎に交互に繰り返した補正量が具体的に記載されている。
特開2011−201121号公報(要約、図3、図17) 特開2006−076086号公報(請求項2、図12) 特開2007−160748号公報(請求項1、段落[0069]等)
ところで、特許文献1〜3に記載された補正を実際に行う場合、上記補正に用いるノズルの数、液滴の吐出量、色版の数、階調レベル等、制御可能なパラメータ(以下、制御パラメータ)の種類・値が多岐にわたっている。すなわち、画像濃度の補正精度が向上する反面、最適な吐出条件を選択するのに膨大な作業工数を要する場合があった。そこで、特許文献3の段落[0006]に記載されるように、スキャナ装置を用いてテストパターンの画像濃度を光学的に読み取り、得られたデジタルデータから自動的に各制御パラメータを決定する形態が考えられる。
しかしながら、本発明者による鋭意研究の結果によれば、上記した方法を用いて各制御パラメータを決定したとしても、ユーザの感覚(目視による確認結果)と必ずしも合致しない傾向があることを見出した。特に、特許文献2に例示された補正量では、高空間周波数帯域の濃度むら(液滴の不吐や着弾位置ずれによる比較的細い筋むら)を低減できたとしても、制御パラメータが調整されたノズルに起因する低空間周波数帯域の濃度むらが却って顕在化することがあり、最適な制御パラメータの決定作業が難航する場合があった。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、作業工数を大幅に低減しつつも、ユーザの感覚に合致した吐出条件を決定可能な吐出条件決定方法、その方法を用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る吐出条件決定方法は、液滴を吐出する複数の記録素子を備えた記録ヘッドに対して、前記複数の記録素子の配列方向に交差する搬送方向に、記録媒体を1回だけ相対移動させることで、複数のドットからなる画像を前記記録媒体上に形成する画像形成装置における前記液滴の吐出条件を決定する方法であって、前記複数の記録素子のうち特定の記録素子を除いた残余の記録素子に関する吐出条件を2種類以上選択する選択ステップと、前記特定の記録素子からの前記液滴の吐出がない特定不吐状態の下、決定された2種類以上の前記吐出条件を用いて同一の描画パターンをそれぞれ形成して得られる、濃度分布が異なる2以上の描画パターンを表す描画データを取得する取得ステップと、取得された前記描画データに対して、人間の視覚特性に応じたフィルタ処理を施すことで視覚補正描画データを得る補正ステップと、前記視覚補正描画データが表す、前記フィルタ処理が施された2以上の描画パターンを、所定の評価条件に従ってそれぞれ評価して得た評価結果に基づいて、前記特定不吐状態による前記画像の濃度変化を補償する前記吐出条件を決定する決定ステップとを備えることを特徴とする。
このように、濃度分布が異なる2以上の描画パターンを表す描画データに対して、人間の視覚特性に応じたフィルタ処理を施すようにしたので、ユーザによる見えに一層近い描画形態を示す描画データ、すなわち視覚補正描画データを得ることができる。そして、前記フィルタ処理が施された2以上の描画パターンを、所定の評価条件に従ってそれぞれ評価して得た評価結果に基づいて、特定不吐状態による前記画像の濃度変化を補償する吐出条件を決定するようにしたので、2種類以上の吐出条件をそれぞれ比較・評価しながら最適な吐出条件を自動的に決定できる。これにより、作業工数を大幅に低減しつつも、ユーザの感覚に合致した吐出条件を決定できる。
また、前記選択ステップでは、前記特定の記録素子に隣接する少なくとも1つの前記記録素子についての、前記ドットを形成するドット形成条件を異ならせた前記吐出条件を2種類以上選択することが好ましい。
更に、前記ドット形成条件には、前記液滴の吐出量、前記液滴の吐出速度、及びドット密度のうち少なくとも1つが含まれることが好ましい。
更に、前記選択ステップ、前記取得ステップ、前記補正ステップ、及び前記決定ステップを順次繰り返すことで、各前記記録素子についての前記ドット形成条件を遂次決定し、前記吐出条件を確定することが好ましい。
更に、前記特定の記録素子から所定方向に沿って外側にある前記記録素子についての前記ドット形成条件を遂次決定し、前記吐出条件を確定することが好ましい。
更に、前記同一の描画パターンは、均一な色を有するフラットパターンであることが好ましい。
更に、前記画像形成装置を用いて、前記記録媒体上に前記画像としての前記2以上の描画パターンを形成する描画ステップを更に備え、前記取得ステップでは、前記画像を光学的に読み取り可能なスキャナ装置を用いて、形成された前記2以上の描画パターンを読み取ることで前記描画データを取得することが好ましい。
更に、前記取得ステップでは、前記スキャナ装置の光学的伝達特性に応じて決定された読み取り方向で、前記2以上の描画パターンを読み取って前記描画データを取得することが好ましい。
また、前記画像形成装置に関する画像形成情報を入力する入力ステップを更に備え、前記取得ステップでは、入力された前記画像形成情報を用いて、前記濃度分布の差異を模擬したデジタルデータを作成することで前記描画データを取得することが好ましい。
本発明に係る画像形成方法は、上記したいずれかの方法を用いて決定された前記吐出条件に基づいて、前記特定不吐状態の下に、前記記録ヘッドの吐出制御をすることで前記画像を形成する画像形成ステップを備えることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、上記したいずれかの方法を用いて決定された前記吐出条件に基づいて、前記特定不吐状態の下に、前記記録ヘッドの吐出制御をすることで前記画像を形成することを特徴とする。
本発明に係る吐出条件決定方法、その方法を用いた画像形成方法及び画像形成装置によれば、濃度分布が異なる2以上の描画パターンを表す描画データに対して、人間の視覚特性に応じたフィルタ処理を施すようにしたので、ユーザによる見えに一層近い描画形態を示す描画データ、すなわち視覚補正描画データを得ることができる。そして、前記フィルタ処理が施された2以上の描画パターンを、所定の評価条件に従ってそれぞれ評価して得た評価結果に基づいて、特定不吐状態による前記画像の濃度変化を補償する吐出条件を決定するようにしたので、2種類以上の吐出条件をそれぞれ比較・評価しながら最適な吐出条件を自動的に決定できる。これにより、作業工数を大幅に低減しつつも、ユーザの感覚に合致した吐出条件を決定できる。
第1実施形態に係る吐出条件決定方法を実現するための主要な構成を示す概略ブロック図である。 図1に示す記録ヘッドの構成例を表す平面透視図である。 図2のIII−III線に沿った概略断面図である。 複数のノズルの配置例と、用紙上への吐出順番との対応関係を表す概略説明図である。 図1の吐出条件決定部の動作説明に供されるフローチャートである。 不良ノズル特定チャートの例を示す概略平面図である。 図7Aは、画像調整チャートの例を示す概略平面図である。図7Bは、フラットパターンの拡大図である。 ドゥーリー・ショー関数(観察距離300mm)のグラフである。 図9A及び図9Bは、フラットパターンの評価方法に関する概略説明図である。 図10A〜図10Dは、ドットゲイン制御パラメータの決定過程を示す概略説明図である。 最隣接ノズル及び次隣接ノズルのドットゲイン制御パラメータの決定例を示すグラフである。 不吐補正による効果に関する概略説明図である。 第2実施形態に係る吐出条件決定方法を実現するための主要な構成を示す概略ブロック図である。 図5のステップS4Aでの描画データの取得方法に関する詳細フローチャートである。 画像形成装置の構成を表す断面側面図である。 図15に示す画像形成装置のシステム構成を表す電気的なブロック図である。 図17A及び図17Bは、図1に示す記録ヘッドの別の構成例を表す平面透視図である。
以下、本発明に係る吐出条件決定方法について、それを実施する画像形成方法及び画像形成装置との関係において好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。本明細書において、画像を形成することを「印刷」又は「印字」という場合がある。
[第1実施形態に係る構成]
<概略ブロック図>
図1は、第1実施形態に係る吐出条件決定方法を実現するための主要な構成を示す概略ブロック図である。
本発明の中核をなす吐出条件決定部10は、複数のドットからなるカラー画像又はモノクロ画像を用紙12(記録媒体)上に形成する画像形成装置100(図15及び図16参照)における、液滴14の吐出条件を決定する。また、吐出条件決定部10は、スキャナ装置16及びデータ記憶部18との間で各種データを授受可能である。
吐出条件決定部10は、後述する画像調整チャート20(図1及び図7A参照)を表す描画データを取得する描画データ取得部22と、この描画データに対して人間の視覚特性に応じたフィルタ処理を施すフィルタ処理部24と、所定の評価条件に従ってフラットパターン70(図7B参照)を評価するパターン評価部26とを備える。
スキャナ装置16は、画像調整チャート20を含む印刷物上の画像を光学的に読み取ることでデジタルデータを生成する。スキャナ装置16は、反射原稿の読み取りに供されるフラットベッドスキャナ、透過原稿の読み取りに供されるフイルムスキャナであってもよい。
データ記憶部18は、本決定方法の実行に必要な各種データを記憶する。本図例では、チャート画像データ28、複数種類の視覚特性データ30、複数種類の評価条件データ32、及び吐出条件データ34がそれぞれ格納されている。
ヘッドドライバ38は、画像の形成に供される制御信号に基づいて、4つの記録ヘッド40を駆動制御し、液滴14を適切なタイミングで吐出させる駆動回路である。ここでは、矢印X方向に延在するラインヘッドである各記録ヘッド40を固定した状態下で、矢印X方向に交差(直交)する矢印Y方向に沿って、用紙12を1回だけ搬送させるシングルパス方式を図示している。
<記録ヘッド40の構成>
図2は、図1に示す記録ヘッド40の構造例を表す平面透視図である。図3は、図2のIII−III線に沿った概略断面図である。
図2に示すように、記録ヘッド40は、千鳥でマトリクス状に配列された複数のインク室ユニット42(記録素子)を備える。各インク室ユニット42は、ノズル44と、圧力室45と、供給口46とをそれぞれ備える。平面形状が概略正方形である圧力室45には、その対角線上の両隅部の一方にノズル44側への流出口が設けられ、他方に共通流路48からの流入口(供給口46)が設けられている。
図3に示すように、各圧力室45は、供給口46を介して共通流路48とそれぞれ連通する。そして、共通流路48は、インク(色材)の供給源である図示しないインクタンクと連通する。これにより、前記インクタンクから供給されるインクは、共通流路48を介して各圧力室45に分配・供給される。
圧力室45の一面(図3例では、天面に相当する。)は加圧板50で構成されており、該加圧板50は共通電極を兼ねている。加圧板50の上部には、圧力を付与して該加圧板50を変形させるアクチュエータとしての圧電素子52が接合されている。そして、圧電素子52の上面には、個別電極54が形成されている。
2つの電極、すなわち、共通電極としての加圧板50と個別電極54との間に駆動電圧を印加すると、前記2つの電極に挟設された圧電素子52は、変形させられる。この物理的変形により、圧力室45の容積が変化することで、インクがノズル44から外部に押し出され、液滴14(図1参照)として吐出される。そして、液滴14が吐出された後は、圧電素子52の変位が元に戻る際に、共通流路48から供給口46を通って圧力室45にインクが再び充填される。
図2に戻って、ノズル44の配置の特徴について説明する。本図において、記録ヘッド40の長手方向及び短手方向をそれぞれ矢印X方向、矢印Y方向と定義する。このとき、用紙12の搬送方向(図1参照)は、矢印X方向に直交すると共に、矢印Y方向に平行する。
第L1列における各ノズル44は、矢印X方向に沿って所定間隔(4単位長に相当する。)おきに等間隔に配置されている。第L2列〜第L4列における各ノズルについても、第L1列と同様に配置されている。以下、矢印X方向を、ノズル44(インク室ユニット42)の「配列方向」という場合がある。
第L2列の各ノズル44は、第L1列の各ノズル44の位置を基準として、矢印Xの左方向に1単位長だけシフトした位置に配置されている。第L3列の各ノズル44は、第L2列の各ノズル44の位置を基準として、矢印Xの左方向に1単位長だけシフトした位置に配置されている。第L4列の各ノズル44は、第L3列の各ノズル44の位置を基準として、矢印Xの左方向に1単位長だけシフトした位置に配置されている。これにより、記録ヘッド40の長手方向に沿って並ぶように投影される実質的なノズル44の間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
図4は、記録ヘッド40が備える複数のノズル44の第1配置例と、用紙12上への吐出順番との対応関係を表す概略説明図である。説明の便宜のため、20個のノズル44を用いた場合を例に説明する。
本図に示す矩形格子内の各セルは、形成される画像のうち1画素分の領域を表す。余白のセルは、各吐出時点(t)において、液滴14(図1参照)が未だ吐出(着弾)していない画像位置を表す。また、セル内に表記された算用数字は、その画像位置に液滴14が吐出した時点(吐出時点t=1〜7)に対応する。
例えば、吐出時点t=1〜4の間に吐出された液滴14により、複数のドットが順次形成され、第1番目の画像列が生成される。また、吐出時点t=4〜7の間に吐出された液滴14により、複数のドットが順次形成され、第4番目の画像列が生成される。換言すれば、複数(本図では4つ)のタイミングでドットを順次形成させることで、各画像列が生成(完成)される。
[吐出条件決定部10の動作]
続いて、図1に示す吐出条件決定部10の動作について、図5のフローチャート及び他の図面を適宜参照しながら詳細に説明する。
ステップS1において、記録ヘッド40が備える複数のノズル44のうち、液滴14の吐出動作が良好でないノズル44(いわゆる不良ノズル)を少なくとも1つ特定する。
図6は、ノズル特定チャート60の例を示す概略平面図である。本図に示すように、ノズル特定チャート60上には、矢印Y方向に平行である複数の線画像62が形成されている。各ノズル44と各線画像62との関係を明確にするため、以下、ノズル特定チャート60の形成方法について説明する。
先ず、第L1列に属するノズル44のうち3個おきの各ノズル44から液滴14を吐出させることで、1行分の線画像群64を形成する。次に、別のノズル44、例えば、最初に使用したノズル44の右隣に存在する各ノズル44から液滴14を吐出させることで、1行分の線画像群66を形成する。この動作を4回順次実行することで、用紙12上には、第L1列に属するノズル44単体で形成された線画像62が、第L1列に属するノズル44の個数に対応する本数だけ配されることになる。
このように、第L1列と同様に、第L2列〜第L4列の各ノズル44を用いて線画像62をそれぞれ形成することで、ノズル特定チャート60上で、各ノズル44の吐出動作を確認できる。例えば、線画像62が何ら形成されていない場合、その線画像62に対応するノズル44は、液滴14を吐出しないことを特定できる。また、線画像62が相対的に傾いている場合、その線画像62に対応するノズル44は、吐出曲がり(メニスカス異常)を起こすことを特定できる。
特定ノズル44dの識別情報の入力に関しては、ノズル特定チャート60を目視で確認した上でマニュアル操作により入力してもよいし、画像形成装置100(図15等参照)が内蔵する画像読み取り機構を用いて、印字しながらノズル特定チャート60を読み取った上で自動的に検出・入力してもよい。
なお、次のステップS2〜S10では、ステップS1で特定されたノズル44(以下、特定ノズル44d;図4参照)についての不吐補正を行うべく、残余のノズル44の吐出条件を決定する。ここで、「不吐補正」は、液滴14の吐出動作が正常でない特定ノズル44dの吐出動作を停止すると共に、この停止による画像の濃度変化(主に濃度低下)を補償する画像補正技術を意味する。
ステップS2において、特定ノズル44dを除いた残余のノズル44に関する吐出条件を2種類以上選択する。ここで、吐出条件は、各ノズル44における吐出制御に関する制御パラメータの種類及び値の組み合わせの集合を意味する。吐出条件には、例えば、ノズル44の位置情報、特定ノズル44dの識別情報(識別番号、連続する個数等)、ドット形成条件、階調レベル情報(網%等)、色情報(色版の種類等)及びこれらの組み合わせが含まれる。ノズル44の位置情報として、例えば、特定ノズル44dとの相対位置、ノズル44のピッチ、記録ヘッド40における位置関係(例えば、図2に示す第L1列〜第L4列の属性)等が挙げられる。ドット形成条件は、液滴14の吐出によりドットを形成するための各種条件であり、例えば、液滴14の吐出量、その吐出速度、及びドット密度(いわゆる記録密度)のうち少なくとも1つが含まれる。
この実施形態では、特定ノズル44dの周辺、例えば、これに隣接する少なくとも1つ(例えば、4つ)のノズル44についての、ドット形成条件を異ならせた吐出条件をそれぞれ選択する。
ステップS3において、画像形成装置100(図15参照)を用いて、ステップS2で選択された各吐出条件が反映された画像調整チャート20を印刷する。具体的には、ヘッドドライバ38は、データ記憶部18に記憶されたチャート画像データ28を取得した後に各記録ヘッド40を駆動制御することで、画像調整チャート20を得る。
図7Aに示すように、各画像調整チャート20内には、均一な色(例えば、略同じ光反射率、輝度、濃度)を有するフラットパターン70(描画パターン)が複数個、本図例では9個描画されている。各フラットパターン70は、特定ノズル44dからの液滴14の吐出がない状態(以下、特定不吐状態)の下、ステップS2で決定された各吐出条件を用いて、同一の描画パターン(ここでは、画素値が同一の画像)をそれぞれ形成して得られる。そのため、各フラットパターン70は、巨視的には略同じ濃度を有するが、微視的には濃度分布がそれぞれ異なっている。
なお、本明細書中では、画像の色の二次元分布のことを「濃度分布」と称しているが、画像の色を表す指標を「光学濃度」に限定するものではない。すなわち、二次元分布として、画像の色を表す指標(例えば、光反射率、輝度、明度等)のいずれも適用できることは言うまでもない。
本図例では、同一の画像調整チャート20内において、下側から上側にかけて特定ノズル44dに最も近いノズル44(以下、最隣接ノズル44n;図4参照)のドットゲインが増加している。また、左側から右側にかけて2番目に近いノズル(以下、次隣接ノズル44m;図4参照)のドットゲインが増加している。
図7Bに示すように、フラットパターン70は、特定ノズル44dの位置に対応する画像領域である不吐出領域72と、最隣接ノズル44n及び次隣接ノズル44mの位置に対応する画像領域である調整対象領域74と、その他のノズル44の位置に対応する画像領域である非調整対象領域76とから構成される。ここで、「ノズル44の位置に対応する画像領域」とは、主に当該ノズル44からの液滴14の吐出によって記録媒体12上に色が形成される画像領域を意味する。特に、非調整対象領域76を参照画像として利用することで、不吐出領域72及び調整対象領域74における画像の調整目標が明確になる。
なお、特定ノズル44dの吐出位置に対応する制御信号値をそれぞれ0に設定することで特定不吐状態を実現してもよいし、ヘッドドライバ38に直接的に不吐化命令を与えることで特定不吐状態を実現してもよい。
また、画像調整チャート20を構成する描画パターンの形態は問わず、フラットの他、縞、円形、網点、マーク等の幾何パターンを採用してもよい。特に、画質の差異を最も検出し易いフラットパターン70が一層好ましい。
更に、図7A例では、識別を容易にするため、各フラットパターン70は、画像調整チャート20内に一定間隔で離間して配置されている。この形態に限られず、例えば、この離間を無くして一体的なパターンとして描画してもよい。この場合、各吐出条件の差異を画像上で区別することは通常困難であるので、各描画パターンの位置を特定可能な各種情報を予め保持することが好ましい。
ステップS4において、描画データ取得部22は、ステップS3で形成された画像調整チャート20を表す描画データを取得する。取得に先立ち、スキャナ装置16は、画像調整チャート20の画像(9個のフラットパターン70を含む)を光学的に読み取った後、吐出条件決定部10側に供給する。そして、描画データ取得部22は、取得したデジタルデータ(RGB等のデバイス依存データ、反射率、透過率等の光学物理量)をそのまま描画データとして取得し、或いはL等のデバイス非依存データに変換する。
ここで、スキャナ装置16の光学的伝達関数(OTF)に応じて、画像の読み取り方向を決定してもよい。具体的には、画像読取領域の二軸方向のうちOTFが高い軸方向を、図7Aに示す画像調整チャート20の左右方向(ノズル44の配列方向;X方向)に一致させることで、スキャナ装置16に起因する鮮鋭性低下の影響を抑制できる。
ステップS5において、吐出条件決定部10は、複数の視覚特性データ30及び複数の評価条件データ32から1種類ずつ選定する。例えば、画像調整チャート20の種類に応じて選定してもよいし、ユーザによる入力操作を受け付けて選定してもよい。
ステップS6において、フィルタ処理部24は、ステップS4で取得された描画データに対して、ステップS5で選定された1種類の視覚特性データ30を作用させたフィルタ処理を施す。ここで、「フィルタ処理」とは、画像の空間周波数成分(スペクトル強度)を変調する画像処理を意味する。
図8は、ドゥーリー・ショー(Dooley-Shaw)関数(観察距離300mm)のグラフである。この関数は、VTF(Visual Transfer Function)の一種であり、人間の標準視覚応答特性を模した代表的な関数である。具体的には、輝度のコントラスト比特性の2乗値に相当する。グラフの横軸は空間周波数(単位:cycle/mm)であり、縦軸はVTFの値(単位は無次元)である。
フィルタ処理部24は、図8に示すVTFの平方根に対して逆フーリエ変換(例えば、IFFT)を施すことで、VTFに対応する実空間上のマスクを予め算出しておく。その後、フィルタ処理部24は、描画データ取得部22から取得した描画データに対して、その解像度に応じた当該マスクを用いて畳み込み演算を行う。これにより、視覚補正描画データが得られる。
なお、視覚特性の関数形状はこれに限られず、数理モデルや実験データ等から導出された種々の視覚特性を適用してもよい。また、観察距離は300mm相当のみならず、画像の観察態様又は評価基準等に応じて種々変更してもよい。
また、上記したフィルタ処理による補正効果を適切に反映させるため、描画データの画素値を、画像を反射又は透過する光量に対して相関性が高い(好ましくは線形的な)量に変換しておくことが好ましい。その一例として、RGB値、三刺激値(XYZ)、反射原稿の場合は光反射率、透過原稿の場合は光透過率等を用いてもよい。
ステップS7において、パターン評価部26は、ステップS5で選定された評価条件データ32に従って、フィルタ処理が施された2以上のフラットパターン70をそれぞれ評価する。以下、評価の具体例について詳細に説明する。
図9A及び図9Bは、フラットパターン70の評価方法に関する概略説明図である。両方の図に共通するプロファイル78は、フラットパターン70の一端E1から他端E2(図7A及び図7B参照)までの微視的な濃度分布を示す。プロファイル78は、画像濃度の極大点を示す2つのピーク、画像濃度の極小点を示す3つのピークを有している。なお、破線で図示する理想線79は、特定ノズル44dから十分に離れた位置での平均濃度(理想濃度)に相当する。
パターン評価部26は、筋むらの発生程度を重視して、各フラットパターン70を評価してもよい。図9A例に示すように、最大値と理想濃度との差分P1を評価値としてもよいし、画像濃度の最大値と最小値との差分P2を評価値としてもよい。この場合、差分P1、P2が小さいほど高い評価を与えると共に、差分P1、P2が大きいほど低い評価を与える。
パターン評価部26は、画像濃度の巨視的な再現性を重視して、各フラットパターン70を評価してもよい。図9A例に示すように、理想線79を基準として上側に存在する2つの領域の各面積をSp1、Sp2とし、下側に存在する3つの領域の各面積をSm1、Sm2、Sm3とするとき、積分St=|(Sp1+Sp2)−(Sm1+Sm2+Sm3)|を評価値としてもよい。この場合、積分Stが小さいほど高い評価を与えると共に、積分Stが大きいほど低い評価を与える。
なお、評価値の算出方法は上記に限られず、評価対象の濃度むらの定量化に適した種々の手法や指標、及びこれらの組み合わせを用いることができる。評価手法の一例として、上記した統計処理の他、特徴量抽出処理を含む公知の画像処理手法を施してもよい。具体的には、低空間周波数帯域の成分を有する筋むらを評価する場合はローパスフィルタを適用し、高空間周波数帯域の成分を有する筋むらを評価する場合はハイパスフィルタやエッジ検出フィルタを適用することができる。また、上記したフィルタ処理(ステップS6)と個別に/同時に本処理を実行する構成であってもよい。
更に、平均化誤差の観点から、プロファイル78の縦軸を、画像を反射又は透過する光量に対して相関性が高い(好ましくは線形的な)量に変換しておくことが好ましい。その一例として、RGB値、三刺激値(XYZ)、反射原稿の場合は光反射率、透過原稿の場合は光透過率等を用いてもよい。
ステップS8において、吐出条件決定部10は、ステップS7で得た評価結果に基づいて、この評価を終了するか否かを判別する。吐出条件決定部10は、例えば、OKレベルの画質を実現可能である評価基準を満たすフラットパターン70が少なくとも1つ存在するか否かを判別する。1つも存在しないと判別された場合、ステップS2に戻って、前回と異なる吐出条件を再度選択した上で、ステップS2〜S8を順次繰り返す。一方、少なくとも1つ存在すると判別された場合、次のステップ(S9)に進む。なお、この判別処理を実行することなく、次のステップ(S9)に進むように構成されてもよい。
ステップS9において、吐出条件決定部10は、ステップS7で得た評価結果に基づいて最適吐出条件を決定する。吐出条件決定部10は、例えば、複数種類の吐出条件の中から最も高い評価結果を得た吐出条件を、最適吐出条件として決定してもよい。或いは、吐出条件決定部10は、複数種類の吐出条件及び評価値の関係から中間的な吐出条件における評価値を推定し、最も高い評価結果が得られると見込まれた吐出条件を、最適吐出条件として決定してもよい。
ステップS10において、ステップS9で決定された最適吐出条件の設定・保存を行う。具体的には、吐出条件決定部10は、最適吐出条件に関するデータを送出し、データ記憶部18に格納させる。
このようにして、吐出条件決定部10の動作が完了する。必要に応じて図5のフローチャートを繰り返し実施することで、複数の制御パラメータを種々組み合わせた最適吐出条件を決定できる。
例えば、特定ノズル44d周辺のノズル44、最隣接ノズル44n、次隣接ノズル44m及びその他のノズル44を用いて画像を調整する場合、最適な制御パラメータの決定作業が難航する場合がある。具体的には、画像を調整した結果、高空間周波数帯域の濃度むら(液滴14の不吐や着弾位置ずれによる比較的細い筋むら)を低減できたとしても、制御パラメータが調整されたノズル44に起因する低空間周波数帯域の濃度むらが却って顕在化することがある。同様に、低空間周波数帯域の濃度むらを抑制した結果、高空間周波数帯域の濃度むらが顕在化する場合もある。
そこで、図5のステップS2〜S9を順次繰り返すことで、各ノズル44についてのドット形成条件を遂次決定し、最終的な吐出条件を確定する手法を採用することができる。特に、特定ノズル44dから所定方向(例えば、配列方向)に沿って外側にあるノズル44に対して遂次決定することが好ましい。
図10A〜図10Dは、ドットゲイン制御パラメータの決定過程を示す概略説明図である。図10Aには、特定ノズル44dを基準として、近い側から順に、最隣接ノズル44n、次隣接ノズル44m、及び第3隣接ノズル44lが表記されている。説明の便宜のため、7個のノズル44を一列に配置した状態を図示している。なお、図10B〜図10Dについても、図10Aと同様である。
X字を重ねた丸印は、特定ノズル44dを示す。また、通常の丸印は、ドットゲイン制御パラメータがデフォルト値であり、ドットゲインの調整を行わないノズル44を示す。更に、ハッチングが付された丸印は、ドットゲイン制御パラメータの値を種々変更するノズル44を示す。更に、塗り潰された丸印は、ドットゲイン制御パラメータの値が確定したノズル44を示す。
1回目の画像調整では、2つの最隣接ノズル44n、44nのドットゲイン制御パラメータの値を種々変更した2種類以上の吐出条件を選択し、その中から1種類の吐出条件を決定する(図10B参照)。ここで、2つの次隣接ノズル44m、44m、及び2つの第3隣接ノズル44l、44lのドットゲイン制御パラメータは、それぞれデフォルト値に設定される。
2回目の画像調整では、各最隣接ノズル44n、44nのドットゲイン制御パラメータの値を確定した上で、各次隣接ノズル44m、44mのドットゲイン制御パラメータの値を種々変更した2種類以上の吐出条件を選択し、その中から1種類の吐出条件を決定する(図10C参照)。
その後、画質がOKレベルであると判断された場合、次隣接ノズル44m、44mのドットゲイン制御パラメータの値をそれぞれ確定する(図10D参照)。このように、制御パラメータとしてのノズル44の個数を減らし選択肢を狭めておくことで、調整の作業効率が向上する。また、ドットゲインの調整量(基準値からの変化量)が大きい順にドット形成条件を遂次決定することで、画像調整の性能が飛躍的に向上する。
一方、上記とは反対に、所定方向(例えば、配列方向)に沿って、特定ノズル44dの外側から内側にかけて遂次決定する場合、ドットゲインの調整量が小さい順にドット形成条件が決定されるため、画像調整の観点から効率的でない。
なお、上記例では、制御パラメータの値を相互に独立して決定しているが、任意の制約条件の下に、制御パラメータの値を決定してもよい。制約条件の例として、インク総使用量の上限値、制御パラメータの運用範囲等が挙げられる。
図11は、最隣接ノズル44n及び次隣接ノズル44mの制御パラメータの決定例を示すグラフであり、吐出条件データ34(図1参照)におけるデータ形式の一例(ルックアップテーブル)でもある。本グラフの横軸はドット記録率(単位:%)であり、縦軸は制御パラメータである。なお、制御パラメータは、標準値が1でありドットゲイン(又は、ドット密度)に比例する変数であり、液滴14の吐出量、吐出速度(又は、網%)に対応付けられている。
本図から理解されるように、特定不吐状態による画像の濃度変化を補償する制御パラメータが設定されている。すなわち、最隣接ノズル44nのドットゲインを相対的に大きくすることで、特定ノズル44dの吐出位置近傍における濃度を引き上げることができる。これと併せて、次隣接ノズル44mのドットゲインを相対的に小さくすることで、最隣接ノズル44nの吐出位置近傍における濃度を引き下げることができる。
[この吐出条件決定方法による効果]
図1に戻って、記録ヘッド40を用いて用紙12上に画像を形成する際、データ記憶部18に予め記憶された吐出条件データ34を参照する。すなわち、ヘッドドライバ38は、入力された制御信号に対して各ノズル44に応じたドットゲインをそれぞれ乗算し、得られた信号値に基づいて各記録ヘッド40を吐出制御する。これにより、任意の画像上で不吐補正を実現することができる。
図12に示すように、特定ノズル44dに吐出曲がりが起こった場合、画像90上に、視認可能な程度の白い筋むら及び黒い筋むらが発生する。これに対し、適切な吐出条件を選択することで、筋むらが視認されない良好な画像91を得ることができる。なお、次隣接ノズル44mのドットゲインを相対的に小さくすることで、いわゆる間引き効果が得られ、最隣接ノズル44nから吐出される液滴14の着弾位置のばらつき、着弾干渉に対する頑健性が高くなる。これにより、筋むらが視認されない良好な画像92、93が得られる。
以上のように、濃度分布が異なる2以上のフラットパターン70を表す描画データに対して、人間の視覚特性(視覚特性データ30)に応じたフィルタ処理を施すようにしたので、ユーザによる見えに一層近い描画形態を示す描画データ、すなわち視覚補正描画データを得ることができる。そして、フィルタ処理が施された2以上のフラットパターン70を、所定の評価条件(評価条件データ32)に従ってそれぞれ評価して得た評価結果に基づいて、特定不吐状態による画像の濃度変化を補償する吐出条件(吐出条件データ34)を決定するようにしたので、2種類以上の吐出条件をそれぞれ比較・評価しながら最適な吐出条件を自動的に決定できる。これにより、作業工数を大幅に低減しつつも、ユーザの感覚に合致した吐出条件を決定できる。
[第2実施形態に係る構成]
図13は、第2実施形態に係る吐出条件決定方法を実現するための主要な構成を示す概略ブロック図である。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の参照符号を付すると共にその説明を省略する。
第2実施形態は、図1に示す第1実施形態と概ね同様の構成を採っているが、スキャナ装置16に代わって画像作成装置80を備えている点が異なる。画像作成装置80は、画像形成装置100(図15参照)において画像を形成するための各種情報(以下、画像形成情報)を入力する情報入力部82と、情報入力部82により入力された画像形成情報を用いて画像調整チャート20(図7A参照)を模擬したデジタルデータを作成する描画データ作成部84とを備える。
[吐出条件決定部10の動作]
続いて、図13に示す吐出条件決定部10の動作について説明する。この動作は、図5のフローチャートと基本的には同じであるが、画像調整チャート20の画像を読み取るステップS4に代わって、ステップS4Aが実行される。以下、図14のフローチャート及び他の図面を適宜参照しながら詳細に説明する。
ステップS4A−1において、情報入力部82は、データの作成に供される画像形成情報を入力する。ここで、画像形成情報には、出力解像度等を含む画像形成装置100に関する各種情報、インク又は記録媒体12に関する各種情報、上記した吐出条件のみならず、画像調整チャート20の描画仕様に関する各種情報等が含まれる。
ステップS4A−2において、描画データ作成部84は、ステップS4A−1で入力された画像形成情報を用いて、画像調整チャート20(図7A参照)を模擬したデジタルデータを作成する。描画データ取得部22は、取得したデジタルデータをそのまま描画データとして取得し、或いはL等のデバイス非依存データに変換する。
ステップS4A−3において、描画データ取得部22は、ステップS4A−2で作成されたデジタルデータを取得する。本実施形態では、画像作成装置80及び吐出条件決定部10は異なる構成要素として示しているが、情報入力部82及び描画データ作成部84の各機能を、吐出条件決定部10に実行させてもよい。
以上のようにして、描画データ取得部22は、画像調整チャート20を模擬した描画データを取得する(ステップS4A)。
なお、第1実施形態とは異なり、描画データにおける描画仕様(例えば、画素値の定義及び画素単位での位置)は既知であるため、これらの情報を利用することで、フィルタ処理(図5のステップS6)や各描画パターンの評価(図5のステップS7)を効率的に行うことができる。また、図10A〜図10Dに示したように、液滴14の吐出条件を逐次的に決定してもよい。
[この吐出条件決定方法による効果]
このように、画像形成装置100(図15参照)に関する画像形成情報を入力し、この画像形成情報を用いて、画像調整チャート20上における濃度分布の差異を模擬したデジタルデータを作成するようにしたので、画像調整チャート20を実際に形成することなく、ユーザの感覚に合致した吐出条件を簡便に決定することができる。特に、インクや記録媒体12等の消耗材が不要であるためコストの削減になる。
[画像形成装置100の構成]
続いて、上記した第1及び第2実施形態に係る吐出条件決定方法、及びこの方法を用いた画像形成方法を実現可能な画像形成装置100について説明する。図15は、画像形成装置100の構成を表す断面側面図である。
画像形成装置100には、用紙12(本図例では、枚葉紙)の搬送方向上流側に、用紙12を給紙搬送する給紙搬送部114が設けられている。この給紙搬送部114の下流側には、用紙12の搬送方向に沿って、用紙12の記録面(以下、画像形成面という。)に処理液を塗布する処理液塗布部116と、前記画像形成面にインクの液滴14(図1参照)を付着することで画像を形成する画像形成部118と、用紙12上に形成された処理液層のインクを乾燥させるインク乾燥部120と、処理液層の画像を用紙12に定着させる画像定着部122と、画像が定着した用紙12を排出する排出部124とが設けられている。
給紙搬送部114は、用紙12を積載可能に設けられた積載部126と、該積載部126に積載された用紙12を一枚ずつ給紙する給紙部128と、該給紙部128により給紙された用紙12を処理液塗布部116に搬送する搬送部130とを備える。
処理液塗布部116は、回転可能に設けられた処理液塗布ドラム132と、用紙12の画像形成面に処理液を塗布する処理液塗布装置134と、前記処理液を乾燥する処理液乾燥装置136とを備える。これにより、用紙12の画像形成面上に薄膜の処理液層が塗布される。
処理液塗布部116と画像形成部118との間には、回転可能に設けられた第1中間搬送ドラム138が配置されている。第1中間搬送ドラム138の表面に用紙12を保持した状態で該第1中間搬送ドラム138を回転させることにより、処理液塗布部116側から供給された用紙12は、画像形成部118側へ搬送される。
画像形成部118は、回転可能に設けられた画像形成ドラム140(搬送部)と、該画像形成ドラム140により搬送される用紙12に液滴14を吐出するヘッドユニット142とを備えている。ヘッドユニット142は、少なくとも基本色であるY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の記録ヘッド40(図1参照)を備えている。そして、各記録ヘッド40は、画像形成ドラム140の周方向に沿って配列されている。これにより、用紙12の画像形成面上に塗布された処理液層上に、各色の画像を順次形成させる。なお、この処理液には、インクの溶媒中に分散した色材(顔料)及びラテックス粒子を凝集させる効果を持たせているので、用紙12上での色材流れ等を防止可能である。
画像形成部118とインク乾燥部120との間には、回転可能に設けられた第2中間搬送ドラム146が配置されている。第2中間搬送ドラム146の表面に用紙12を保持した状態で該第2中間搬送ドラム146を回転させることにより、画像形成部118側から供給された用紙12は、インク乾燥部120側へ搬送される。
インク乾燥部120は、回転可能に設けられたインク乾燥ドラム148と、用紙12の処理液層を乾燥する複数の熱風ノズル150と、複数の赤外線ヒータ(ヒータ152)とを備える。これにより、用紙12の処理液層に滞留するインクの溶媒を乾燥させる。
インク乾燥部120と画像定着部122との間には、回転可能に設けられた第3中間搬送ドラム154が配置されている。第3中間搬送ドラム154の表面に用紙12を保持した状態で該第3中間搬送ドラム154を回転させることにより、インク乾燥部120側から供給された用紙12は、画像定着部122側へ搬送される。
画像定着部122には、回転可能に設けられた画像定着ドラム156と、画像定着ドラム156の表面に近接して配置された加熱ローラ158と、該画像定着ドラム156の表面に圧接した状態で配置された定着ローラ160とを備える。これにより、処理液層で凝集するラテックス粒子が加熱・加圧されて溶融し、用紙12上に画像として固定・定着される。
上記した各工程を経て、画像形成面の画像が定着した用紙12は、画像定着ドラム156の回転により、画像定着部122の下流側に設けられた排出部124側へ搬送される。
[画像形成装置100の制御系の説明]
図16は、図15に示す画像形成装置100のシステム構成を表すブロック図である。画像形成装置100は、データ記憶部18、ヘッドドライバ38(いずれも図1参照)、ヘッドユニット142、ヒータ152(いずれも図15参照)の他、通信インターフェース162と、システムコントローラ164と、画像メモリ166と、ROM168と、モータドライバ170と、モータ172と、ヒータドライバ174と、プリント制御部176と、画像バッファメモリ180と、ROM182とを備える。
通信インターフェース162は、ユーザが画像形成装置100に対して画像形成の指示等を行うため等に用いられるホスト装置190とのインターフェース部である。通信インターフェース162にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワーク等のシリアルインターフェースやセントロニクス等のパラレルインタフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するための図示しないバッファメモリを搭載してもよい。
ホスト装置190から送出された画像信号は、通信インターフェース162を介して画像形成装置100に取り込まれ、一旦画像メモリ166に記憶される。画像メモリ166は、通信インターフェース162を介して入力された画像信号を記憶する記憶手段であり、システムコントローラ164を通じて情報の読み書きが行われる。画像メモリ166は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスク等の磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ164は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従って画像形成装置100の全体を制御する制御装置として機能すると共に、吐出条件決定部10を含む各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ164は、通信インターフェース162、画像メモリ166、モータドライバ170、ヒータドライバ174等の各部を制御する。また、システムコントローラ164は、ホスト装置190との間の通信制御、画像メモリ166及びROM168の読み書き制御等を行う。更に、システムコントローラ164は、用紙搬送系のモータ172、ヒータ152を制御する制御信号を生成する。なお、プリント制御部176に対しては、制御信号の他に、画像メモリ166に記憶された画像信号を送信する。
ROM168には、システムコントローラ164のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されている。画像メモリ166は、画像信号の一時記憶領域として利用されると共に、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ170は、システムコントローラ164からの指示に従って用紙搬送系のモータ172を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ174は、システムコントローラ164からの指示に従ってヒータ152を駆動するドライバである。
一方、プリント制御部176は、CPU及びその周辺回路等から構成され、システムコントローラ164の制御に従い、画像メモリ166内の画像信号から吐出制御用の信号を生成するための各種加工、補正等の処理を行うと共に、生成したインク吐出データ(制御信号)をヘッドドライバ38に供給してヘッドユニット142の吐出駆動を制御する。
プリント制御部176には画像バッファメモリ180が備えられており、プリント制御部176における画像信号の処理時に画像信号やパラメータ等のデータが画像バッファメモリ180に一時的に格納される。
プリント制御部176には、プリント制御部176のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データ等が格納されているROM182が接続されている。ROM182は、書き換え不能な記憶手段であってもよいが、各種のデータを必要に応じて更新する場合は、EEPROMのような書き換え可能な記憶手段を用いることが好ましい。
画像処理部184は、入力画像信号からインク色別のドット配置データを生成する。すなわち、入力画像信号に対してハーフトーン処理を行うことで、ドットの形成位置(インクの吐出タイミング)を決定する。このハーフトーン処理には、組織的ディザ法、誤差拡散法、濃度パターン法、ランダムドット法等を適用することができる。なお、ドット密度を変更して不吐補正を実現する場合、画像処理部184は、データ記憶部18に記憶された吐出条件データ34(図1)を参照し、入力画像信号の一部を調整した後にハーフトーン処理を行えばよい。
なお、図16例では、吐出条件決定部10及び画像処理部184は、システムコントローラ164やプリント制御部176に含まれている。例えば、吐出条件決定部10及び/又は画像処理部184は、システムコントローラ164或いはプリント制御部176とは別個に構成されてもよい。
また、プリント制御部176は、画像処理部184で生成されたドット配置データに基づいてインクの吐出データ(記録ヘッド40のノズル44に対応するアクチュエータの制御信号)を生成するインク吐出データ生成機能と、駆動波形生成機能とを有している。
インク吐出データ生成機能にて生成されたインク吐出データは、ヘッドドライバ38に与えられ、ヘッドユニット142のインク吐出動作が制御される。この制御の際、データ記憶部18に記憶された吐出条件データ34(図1)を参照することで、上記した不吐補正が実行される。
駆動波形生成機能は、記録ヘッド40の各ノズル44に対応したアクチュエータを駆動するための駆動信号波形を生成する機能である。当該駆動波形生成機能にて生成された信号(駆動波形)は、ヘッドドライバ38に供給される。
[記録ヘッド40の別の構成]
記録ヘッド40の構成は、図2〜図4例に限定されない。例えば、圧力室45の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形等)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形等、多様な形態を採り得る。
また、図2の構成に代えて、図17Aに示すように、複数のノズル44が2次元に配列された短尺のヘッドモジュール40aを千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで、長尺なラインヘッドを構成してもよい。また、図17Bに示すように、ヘッドモジュール40bを一列に並べて繋ぎ合わせる形態も採り得ることはいうまでもない。
更に、記録ヘッド40による液滴14の吐出機構として、種々の方式を採り得る。ピエゾ素子(圧電素子)等で構成されるアクチュエータの変形によって液滴14を吐出する方式(図3参照)の他、ヒータ等の発熱体を介してインクを加熱することで気泡を発生させ、その圧力で液滴14を吐出するサーマルジェット方式を適用してもよい。
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
上述の実施形態では、グラフィックアート(印刷)用途を例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。例えば、電子回路基板の配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体(「インク」に相当)として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、微細構造物形成装置等、画像パターンを形成し得る画像形成装置に種々適用できる。
また、上述の実施形態では、画像形成ドラム140の回転により用紙12のみを搬送させているが、ヘッドユニット142及び用紙12のうち少なくとも一方を搬送させればよい。両者を相対移動させる構成であれば、本発明を適用できるからである。
10…吐出条件決定部 12…用紙
14…液滴 16…スキャナ装置
18…データ記憶部 20…画像調整チャート
22…描画データ取得部 24…フィルタ処理部
26…パターン評価部 30…視覚特性データ
32…評価条件データ 34…吐出条件データ
38…ヘッドドライバ 40…記録ヘッド
42…インク室ユニット 44…ノズル
80…画像作成装置 82…情報入力部
84…描画データ作成部 100…画像形成装置

Claims (11)

  1. 液滴を吐出する複数の記録素子を備えた記録ヘッドに対して、前記複数の記録素子の配列方向に交差する搬送方向に、記録媒体を1回だけ相対移動させることで、複数のドットからなる画像を前記記録媒体上に形成する画像形成装置における前記液滴の吐出条件を決定する方法であって、
    前記複数の記録素子のうち特定の記録素子を除いた残余の記録素子に関する吐出条件を2種類以上選択する選択ステップと、
    前記特定の記録素子からの前記液滴の吐出がない特定不吐状態の下、決定された2種類以上の前記吐出条件を用いて同一の描画パターンをそれぞれ形成して得られる、濃度分布が異なる2以上の描画パターンを表す描画データを取得する取得ステップと、
    取得された前記描画データに対して、人間の視覚特性に応じたフィルタ処理を施すことで視覚補正描画データを得る補正ステップと、
    前記視覚補正描画データが表す、前記フィルタ処理が施された2以上の描画パターンを、所定の評価条件に従ってそれぞれ評価して得た評価結果に基づいて、前記特定不吐状態による前記画像の濃度変化を補償する前記吐出条件を決定する決定ステップと
    を備えることを特徴とする吐出条件決定方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    前記選択ステップでは、前記特定の記録素子に隣接する少なくとも1つの前記記録素子についての、前記ドットを形成するドット形成条件を異ならせた前記吐出条件を2種類以上選択することを特徴とする吐出条件決定方法。
  3. 請求項2記載の方法において、
    前記ドット形成条件には、前記液滴の吐出量、前記液滴の吐出速度、及びドット密度のうち少なくとも1つが含まれることを特徴とする吐出条件決定方法。
  4. 請求項2又は3記載の方法において、
    前記選択ステップ、前記取得ステップ、前記補正ステップ、及び前記決定ステップを順次繰り返すことで、各前記記録素子についての前記ドット形成条件を遂次決定し、前記吐出条件を確定することを特徴とする吐出条件決定方法。
  5. 請求項4記載の方法において、
    前記特定の記録素子から所定方向に沿って外側にある前記記録素子についての前記ドット形成条件を遂次決定し、前記吐出条件を確定することを特徴とする吐出条件決定方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法において、
    前記同一の描画パターンは、均一な色を有するフラットパターンであることを特徴とする吐出条件決定方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法において、
    前記画像形成装置を用いて、前記記録媒体上に前記画像としての前記2以上の描画パターンを形成する描画ステップを更に備え、
    前記取得ステップでは、前記画像を光学的に読み取り可能なスキャナ装置を用いて、形成された前記2以上の描画パターンを読み取ることで前記描画データを取得する
    ことを特徴とする吐出条件決定方法。
  8. 請求項7記載の方法において、
    前記取得ステップでは、前記スキャナ装置の光学的伝達特性に応じて決定された読み取り方向で、前記2以上の描画パターンを読み取って前記描画データを取得することを特徴とする吐出条件決定方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法において、
    前記画像形成装置に関する画像形成情報を入力する入力ステップを更に備え、
    前記取得ステップでは、入力された前記画像形成情報を用いて、前記濃度分布の差異を模擬したデジタルデータを作成することで前記描画データを取得する
    ことを特徴とする吐出条件決定方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項の方法を用いて決定された前記吐出条件に基づいて、前記特定不吐状態の下に、前記記録ヘッドの吐出制御をすることで前記画像を形成する画像形成ステップを備えることを特徴とする画像形成方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項の方法を用いて決定された前記吐出条件に基づいて、前記特定不吐状態の下に、前記記録ヘッドの吐出制御をすることで前記画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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