JP2014065056A - プレス成形品のスプリングバック要因特定方法および装置 - Google Patents
プレス成形品のスプリングバック要因特定方法および装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】
本発明に係るスプリングバック要因特定方法は、プレス成形解析をする工程と、プレス成形解析で取得した情報に基づいてスプリングバック解析を行う工程と、プレス成形解析で取得したプレス成形品の形状を複数領域に分割する工程と、該分割された領域のうち任意の領域の指定方向のヤング率を変更する工程と、該ヤング率が変更されたプレス成形品についてスプリングバック解析を行う工程と、複数のスプリングバック解析の結果からスプリングバック量差を取得する工程と、取得されたスプリングバック量差に基づいてスプリングバックの要因を特定する工程とを有することを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
昨今では、特に自動車業界を中心に、自動車車体の軽量化の観点から車体部品に高強度な鋼板を使用する傾向が強くなっており、スプリングバックの程度もそれに伴い大きくなることから、スプリングバックの抑制は自動車の開発期間やコストを削減する上でもますます重要な課題となっている。
例えば特許文献1では、有限要素法による成形シミュレーションにおいて、残留応力に着目し離型前のプレス成形品の一部の領域の残留応力を変更し、その状態で計算されたスプリングバック量を評価することで、その領域おける残留応力がスプリングバックにどの程度影響しているかを判断し、スプリングバック発生要因を特定している。
また、特許文献1では、一部の領域で変更する物理量は、残留応力以外に板厚、弾性係数、塑性係数でもよいとしている(段落[0031]参照)。こうすることによって、上記のように直接的にスプリングバックの発生要因である残留応力を有している部位と該残留応力の方向とを特定するわけではないが、どの部位のどの物理量がスプリングバックの発生要因として間接的に影響しているかが分かる。
成形シミュレーションでは、材料の変形挙動を規定する材料モデルを用いることになるが、残留応力を変更する場合、用いる材料モデルの種類に起因する問題がある。
材料モデルは、これまで多く提案されているが、それらの違いは降伏曲面の取り扱いが異なる点にある。降伏曲面とは、多軸応力を受けた材料の降伏挙動で表したものであり、プレス成形のような板材を取り扱う際には、降伏曲面は図11に示すように二次元応力平面で表すのが一般的である。加工によって材料に外力が加わり材料内の応力が増加すると、弾性変形した後、ある応力Aで降伏し、以降は塑性変形となる。
この塑性変形の際、降伏曲面の発展形態の一つとして、図12のように拡大量R分だけ拡大させることで材料の硬化を再現している。これを等方硬化モデルという。等方硬化モデルはプレス成形解析に用いられる材料モデルの中で、最も古典的で単純なモデルとして広く用いられている。
因みに、等方硬化モデルの降伏曲面の拡大量Rは、材料の受けたひずみによって決まるため履歴変数を必要としない。
以上の材料モデルの性質に留意して、従来技術の問題点に戻る。
前記解析モデルの離型前の状態において、解析モデルの一部の領域の直交座標系のx方向のヤング率を仮想的に大きな値にしたと仮定する。
ヤング率とは、ひずみに対する応力の比のことであるので、ある領域のx方向のヤング率を大きな値に変更するということは、前記領域のx方向の所定の残留応力が開放されることによって生じるx方向のひずみ量(スプリングバック量)が、ヤング率を変更しない場合のスプリングバック量と比較して小さくなるということを意味している。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
プレス成形解析によって前記プレス成形品の離型前の形状、残留応力分布及びひずみ分布を取得するプレス成形解析工程と、
該プレス成形解析工程で取得した前記プレス成形品の形状、残留応力分布及びひずみ分布に基づいてスプリングバック解析を行い、前記プレス成形品の離型後のスプリングバック量を取得する第1スプリングバック解析工程と、
前記プレス成形解析工程で取得した前記プレス成形品の形状を複数領域に分割する領域分割工程と、
該領域分割工程によって分割された前記プレス成形品の領域のうちの任意の領域を選択して、該選択された領域の指定方向のヤング率を変更するヤング率変更工程と、
該ヤング率変更工程でヤング率が変更された前記プレス成形品について、前記プレス成形解析工程で取得した前記プレス成形品の形状、残留応力分布及びひずみ分布に基づいてスプリングバック解析を行い、前記プレス成形品の離型後のスプリングバック量を前記選択領域毎かつ前記指定方向毎に取得する第2スプリングバック解析工程と、
前記第1スプリングバック解析工程で取得されたスプリングバック量と、前記第2スプリングバック解析工程で取得された前記選択領域毎かつ前記指定方向毎のスプリングバック量とを比較して前記選択領域毎かつ前記指定方向毎のスプリングバック量差を取得するスプリングバック量差取得工程と、
取得された前記スプリングバック量差を比較して、該比較結果に基づいてスプリングバックの要因の残留応力の領域および該残留応力の方向として特定するスプリングバック要因特定工程とを有することを特徴とするものである。
応力σとひずみεの関係式ε=Cσで表すときの弾性コンプライアンスCは下式(1)で与えられ、
前記ヤング率変更工程におけるヤング率の変更は、下式(1)のExx、Eyy、Ezzのいずれかのヤング率の値を変更することを特徴とするものである。
プレス成形解析によって前記プレス成形品の離型前の解析の形状、残留応力分布及びひずみ分布を取得するプレス成形解析手段と、
前記プレス成形品の形状、残留応力分布及びひずみ分布に基づいて、スプリングバック解析によって前記プレス成形品の離型後のスプリングバック量を取得するスプリングバック解析手段と、
前記プレス成形品の形状を複数領域に分割する領域分割手段と、
該領域分割手段によって分割された前記プレス成形品の領域のうちの任意の領域を選択して、該選択された領域の指定方向のヤング率を変更するヤング率変更手段と、
スプリングバック解析手段で取得されたスプリングバック量同士を比較してスプリングバック量差を取得するスプリングバック量差取得手段と、
複数の前記スプリングバック量差を比較して、該比較結果に基づいてスプリングバックの要因の残留応力の領域および該残留応力の方向として特定するスプリングバック要因特定手段とを有することを特徴とするものである。
応力σとひずみεの関係式ε=Cσで表すときの弾性コンプライアンスCは下式(1)で与えられ、
前記ヤング率変更手段におけるヤング率の変更は、下式(1)のExx、Eyy、Ezzのいずれかのヤング率の値を変更することを特徴とするものである。
スプリングバック要因特定装置1は、図2に示すように、PC(パーソナルコンピュータ)等によって構成され、図2に示されるように、表示装置3と入力装置5と主記憶装置7と補助記憶装置9および演算処理部11とを有している。
また、演算処理部11には、表示装置3と入力装置5と主記憶装置7および補助記憶装置9が接続され、演算処理部11の指令によって各機能を行う。表示装置3は計算結果の表示等に用いられ、液晶モニター等で構成されている。
入力装置5はオペレータからの入力等に用いられ、キーボードやマウス等で構成されている。
演算処理部11はPC等のCPU等によって構成され、演算処理部11内には、プレス成形解析手段13と、スプリングバック解析手段15と、領域分割手段17と、ヤング率変更手段19と、スプリングバック量差取得手段21と、スプリングバック要因特定手段23とを有している。これらの手段はCPU等が所定のプログラムを実行することによって実現される。
以下にこれら手段について詳細に説明する。
プレス成形解析手段13は、プレス成形品についてプレス成形解析を行い、プレス成形後(離型前)の形状情報、応力分布及び歪分布を取得するものである。
領域分割手段17は、プレス成形品の形状を複数の領域に分割するものである。図3に示すようなハット断面部品31の領域分割を行うことを例に挙げて説明する。図3(a)はハット断面部品31の平面図であり、図3(b)はハット断面部品31の斜視図である。
図4は、ハット断面部品31の領域分割の一例を示したものである。図4は、ハット断面部品31を部位ごとに図4(a)の図中下側から順番にフランジ部F1、縦壁部W1(図4(b)参照)、パンチ底部P1、縦壁部W2(図4(b)参照)、フランジ部F2の5つの領域に分割し、さらにこれらの領域を、長手方向に図4(a)の図中の図番(a)側から順番に領域i〜ivの4つの領域に分割することで、全部で20領域に分割したものである。なお、以下の説明において、例えば領域パンチ底部P1の領域iを領域P1−iと表記する。
スプリングバック解析手段15は、プレス成形解析手段13で得られた離型前の形状情報、応力分布、歪分布、および与えられた物性値に基づいてスプリングバック解析を行い、離型後のスプリングバック量を取得するものである。
スプリングバック量としては、例えば、図5(a)に示すように、ハット断面部品31の端部近傍の断面を評価断面(図5(a)中のA−A断面)として、該評価断面における離型前のハット断面部品31(図5(b)中に破線で示す)のパンチ底P1と、離型後のハット断面部品31(図5(b)中に実線で示す)のパンチ底P1とのなす角度(ねじれ角度θ(°))等が挙げられる。ねじれ角度θ(°)が大きければ評価断面におけるねじれが大きいことを意味する。
なお、上記では端部近傍の断面を評価断面としたが、他の部位の断面を評価断面にしてもよい。
また、上記ではスプリングバック量としてねじれ角度θを例に挙げたが、他の例としてフランジ部F1やフランジ部F2の外方へのハネ量等をスプリングバック量としてもよい。
ヤング率変更手段19は、領域分割手段17で分割した領域の一部を弾性異方性材料モデルとして扱い、各方向のうち指定方向のみのヤング率の値を変更するものである。
本発明においては弾性異方性材料モデルを扱うため、弾性異方性の定式化についての一例を以下に説明する。検討する材料は直交異方性材料であると仮定する。
応力σとひずみεの関係をε=Cσで表すとき、弾性異方性を考慮した弾性コンプライアンスCは式(1)となる。
コンプライアンスCに含まれるx、y、z方向のヤング率(Exx、Eyy、Ezz)、xy平面、yz平面、zx平面の横弾性係数(Gxy、Gyz、Gzx)およびポアソン比(νxy、νyz、νzx)の計12個の物理量は、面内の3方向のヤング率E0(=E180)、E45、E90とポアソン比νxyの4個を入力パラメータとして以下のように求める。
このように弾性異方性材料モデルとして扱うことによって、これら式中のヤング率Exx、Eyy、Ezzの値は任意に変更することができる。例えば、Exxのみの値を10倍に変更することができる。このように、指定方向のヤング率を他の方向のヤング率よりも大きな値もしくは小さな値に変更することで、その方向の残留応力のスプリングバックに及ぼす影響を検討することができる。
なお、上記の式(1)では、横弾性係数(Gxy、Gyz、Gzx)を考慮しているが、ヤング率(Exx、Eyy、Ezz)のみを考慮した式を用いてもよい。
第1の方法は、図6(a)に示すように、座標系として材料座標系の座標をそのまま用い、材料座標系の0°方向(x方向)、45°方向、90°方向(y方向)、板厚方向(z方向)のいずれかを指定して、その方向のヤング率を変更する方法である。
図6(a)に示す方法の一例として、図7に、0°方向(x方向)を指定方向として、0°方向(x方向)のみのヤング率(E0(=E180))を、45°方向、90°方向のヤング率(E45、E90=205GPa)の5倍(205GPa×5=1025GPa)にした場合の面内のヤング率分布を示す。
そこでこのような場合には、図6(b)に示すように、材料座標系を回転させて材料座標系のx方向を指定したい方向に一致させたものを座標系として用い、回転後の座標系の0°方向(x’方向)、45°方向、90°方向(y’方向)、板厚方向(z方向)のいずれかを指定すればよい(第2の方法)。
なお、上記の第1〜第3の方法のいずれを用いてもよい。
スプリングバック量差取得手段21は、ヤング率を変更せずに行ったスプリングバック解析の結果と、ヤング率変更手段19によってヤング率を変更して行ったスプリングバック解析の結果とを比較して、スプリングバック量差を取得するものである。
スプリングバック要因特定手段23は、スプリングバック量差取得手段21で得られた複数のスプリングバック量差を比較して、該比較結果に基づいてスプリングバックの要因の残留応力の領域および該残留応力の方向として特定する。
例えば、スプリングバック量差を比較して最大スプリングバック量差を取得した選択領域および指定方向を、スプリングバックの要因の残留応力の領域および該残留応力の方向として特定してもよい。
以上のように構成された本実施のスプリングバック要因特定装置1を用いたスプリングバック要因特定方法の処理の流れについて、図1に示すフローチャートに基づいて、必要な図を適宜参照しながら説明する。
なお、以下の記載においては、解析対象となるプレス成形品の一例として、図3に示すハット断面部品31のスプリングバック要因特定を行うことについて説明する。
まず、プレス成形解析手段13を用いてプレス成形品の離型前の形状、残留応力分布及びひずみ分布を取得する。
次いで、プレス成形解析工程S1で取得した離型前の成形対象物の形状、残留応力分布、歪分布に基づいて、スプリングバック解析手段15を用いてスプリングバック解析を行い、離型後のスプリングバック量を取得する。解析を行うにあたっては等方性ヤング率を使用する。
本実施の形態では、スプリングバック量として図5(b)を用いて説明したねじれ角度θ(°)を取得する。本ステップで取得したねじれ角度をθA(°)とする。
次いで、領域分割手段17を用いて、プレス成形解析工程S1で取得した前記プレス成形品の形状を複数の領域に分割する。
本実施の形態では、例として、ハット断面部品31を図4に示すように20領域に分割した。
次いで、ヤング率変更手段19を用いて、領域分割工程S5によって分割されたプレス成形品の領域のうちの任意の領域を選択して、該選択された領域の指定方向のヤング率を変更する。こうすることによって、プレス成形品が弾性異方性を有する。
本実施の形態では、例として、ヤング率を変更する方向の指定方法を図6(a)に示すx方向とし、指定したx方向のヤング率(Exx)を2倍に変更するものとした。
次いで、スプリングバック解析手段15を用いて、ヤング率変更工程S7でヤング率が変更されたプレス成形品について、プレス成形解析工程S1で取得したプレス成形品の形状、残留応力分布及びひずみ分布に基づいてスプリングバック解析を行い、プレス成形品の離型後のスプリングバック量を選択領域毎かつ指定方向毎に取得する。
本実施の形態では、例として、スプリングバック量としてねじれ角度θB(°)を取得する。
次いで、スプリングバック量差取得手段21を用いて、第1スプリングバック解析工程S3で取得されたスプリングバック量と、第2スプリングバック解析工程S9で取得された選択領域毎かつ指定方向毎のスプリングバック量とを比較して、選択領域毎かつ指定方向毎のスプリングバック量差を取得する。
本実施の形態では、例として、第1スプリングバック解析工程S3で得られたねじれ角度θA(°)と第2スプリングバック解析工程S9で得られた選択領域毎かつ指定方向毎のねじれ角度θB(°)とを比較して、選択領域毎かつ指定方向毎にねじれ角度差(°)を取得する。
次いで、スプリングバック要因特定手段23を用いて、スプリングバック量差取得工程S11で取得されたすべてのスプリングバック量差を比較して最大スプリングバック量差を取得した選択領域および指定方向を、スプリングバックの要因の残留応力の領域および該残留応力の方向として特定する。
実験は、上記実施の形態と同様にハット断面部品31を対象として、本発明のスプリングバック要因特定方法によって特定された領域および残留応力方向を取得するというものである(発明例)。
プレス成形材料は板厚1.2mmの980MPa級高張力鋼板とした。成形解析およびスプリングバック解析には、汎用有限要素法ソフトウェアLS-DYNAを使用し、材料モデルは移動硬化型材料モデルを使用した。
ヤング率変更工程においては、ヤング率の変更割合を2倍、10倍、50倍の3種類とし、それぞれの変更割合毎に実験を行った。
また、スプリングバック要因特定工程においては、取得されたすべてのスプリングバック量差を比較して最大スプリングバック量差を取得した選択領域および指定方向を、スプリングバック要因の残留応力の領域および該残留応力の方向として特定するものとした。
まず、同一のハット断面部品31についてプレス成形解析を行い、離型前の成形対象物の形状、残留応力分布および歪分布を取得する。
次に、上記得られた離型前の状態に基づいてスプリングバック解析を行い、ねじれ角度θC(°)を取得する。
次に、ねじれ角度θC(°)とねじれ角度θD(°)とに基づいてねじれ角度差(°)を取得する。
以上の処理を全20領域について行い、全領域のねじれ角度差(°)の中から最大のねじれ角度差(°)とその領域と指定した方向を取得し、該領域と指定方向をスプリングバックの要因と特定する。
表1に上記の発明例と比較例の実験結果を示す。
上述した発明例のうち、ヤング率を2倍にした場合の結果を検討No.1〜No.3に、ヤング率を10倍にした場合の結果を検討No.4〜No.6に、ヤング率を50倍にした場合の結果を検討No.7〜No.9に示す。
また、比較例として従来方法で求めた結果を表1の検討No.10〜検討No.16に示す。
検討No.1に示す通り0°方向(x方向)のヤング率Exxを2倍に変更した場合、領域F1−iiiにおいて最大ねじれ角度差が2.8°になった。
同様に、検討No.2に示す通り90°方向(y方向)のヤング率Eyyを2倍に変更した場合、領域P1−ivにおいて最大ねじれ角度差が1.0°になった。
また、検討No.3に示す通り板厚方向(z方向)のヤング率Ezzを2倍に変更した場合、領域W1−iiiにおいて最大ねじれ角度差が0.2°になった。
また、上記の各解析において、解析の非収束領域数はいずれも0であり、これはすべての解析が収束することができて非常に良好な解析結果となったことを意味している。
表1の検討No.11に示す通り、20領域のそれぞれについてx方向残留応力を0にする解析を行った場合、解析が収束しない領域数(非収束領域数)が4領域あった。これは、非収束領域となった領域において、X方向残留応力を0にしたことにより計算上の整合性が取れなくなり計算が破綻したと考えられる。検討No.12および検討No.14においても同様に非収束領域があった。表1には非収束領域は無視して、その他の解析が収束することができた領域の中から、最大ねじれ角度差領域を選出している。そのため、解析結果の信頼性が低い。
領域F1−iii(発明例)と領域W1−iii(比較例)のどちらがスプリングバックの要因として適切であるかを確かめるために、これらの領域に該当するハット断面部品31の部分を、プレス成形段階で予め切除しておきプレス成形した。領域F1−iiiを切除した材料を用いてプレス成形して得られたハット断面部品31を図9(a)に示す(発明例)。また、領域W1−iiiを切除した(W1−iiiを空間とする)材料を用いてプレス成形して得られたハット断面部品31を図9(b)に示す(比較例1)。
W1、W2 縦壁部
P1 パンチ底部
1 スプリングバック要因特定装置
3 表示装置
5 入力装置
7 主記憶装置
9 補助記憶装置
11 演算処理部
13 プレス成形解析手段
15 スプリングバック解析手段
17 領域分割手段
19 ヤング率変更手段
21 スプリングバック量差取得手段
23 スプリングバック要因特定手段
31 ハット断面部品
Claims (8)
- 計算機によって行うプレス成形品のスプリングバック要因特定方法において、
プレス成形解析によって前記プレス成形品の離型前の形状、残留応力分布及びひずみ分布を取得するプレス成形解析工程と、
該プレス成形解析工程で取得した前記プレス成形品の形状、残留応力分布及びひずみ分布に基づいてスプリングバック解析を行い、前記プレス成形品の離型後のスプリングバック量を取得する第1スプリングバック解析工程と、
前記プレス成形解析工程で取得した前記プレス成形品の形状を複数領域に分割する領域分割工程と、
該領域分割工程によって分割された前記プレス成形品の領域のうちの任意の領域を選択して、該選択された領域の指定方向のヤング率を変更するヤング率変更工程と、
該ヤング率変更工程でヤング率が変更された前記プレス成形品について、前記プレス成形解析工程で取得した前記プレス成形品の形状、残留応力分布及びひずみ分布に基づいてスプリングバック解析を行い、前記プレス成形品の離型後のスプリングバック量を前記選択領域毎かつ前記指定方向毎に取得する第2スプリングバック解析工程と、
前記第1スプリングバック解析工程で取得されたスプリングバック量と、前記第2スプリングバック解析工程で取得された前記選択領域毎かつ前記指定方向毎のスプリングバック量とを比較して前記選択領域毎かつ前記指定方向毎のスプリングバック量差を取得するスプリングバック量差取得工程と、
取得された前記スプリングバック量差を比較して、該比較結果に基づいてスプリングバックの要因の残留応力の領域および該残留応力の方向として特定するスプリングバック要因特定工程とを有することを特徴とするスプリングバック要因特定方法。 - 前記スプリングバック要因特定工程は、取得されたすべての前記スプリングバック量差を比較して最大スプリングバック量差を取得した前記選択領域および前記指定方向を、スプリングバックの要因の残留応力の領域および該残留応力の方向として特定することを特徴とする請求項1に記載のスプリングバック要因特定方法。
- 前記ヤング率変更工程におけるヤング率の変更は、式(1)のExx、Eyy、Ezzのいずれかのヤング率の値を2倍以上または1/2倍以下にすることを特徴とする請求項3に記載のスプリングバック要因特定方法。
- 計算機を用いたプレス成形品のスプリングバック要因特定装置において、
プレス成形解析によって前記プレス成形品の離型前の解析の形状、残留応力分布及びひずみ分布を取得するプレス成形解析手段と、
前記プレス成形品の形状、残留応力分布及びひずみ分布に基づいて、スプリングバック解析によって前記プレス成形品の離型後のスプリングバック量を取得するスプリングバック解析手段と、
前記プレス成形品の形状を複数領域に分割する領域分割手段と、
該領域分割手段によって分割された前記プレス成形品の領域のうちの任意の領域を選択して、該選択された領域の指定方向のヤング率を変更するヤング率変更手段と、
スプリングバック解析手段で取得されたスプリングバック量同士を比較してスプリングバック量差を取得するスプリングバック量差取得手段と、
複数の前記スプリングバック量差を比較して、該比較結果に基づいてスプリングバックの要因の残留応力の領域および該残留応力の方向として特定するスプリングバック要因特定手段とを有することを特徴とするスプリングバック要因特定装置。 - 前記スプリングバック要因特定手段は、複数の前記スプリングバック量差を比較して最大スプリングバック量差を取得した前記指定領域および前記指定方向を、スプリングバックの要因の残留応力の領域および該残留応力の方向として特定することを特徴とする請求項5に記載のスプリングバック要因特定装置。
- 前記ヤング率変更手段におけるヤング率の変更は、式(1)のExx、Eyy、Ezzのいずれかのヤング率の値を2倍以上または1/2倍以下にすることを特徴とする請求項7に記載のスプリングバック要因特定装置。
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