JP2014062433A - 構造物の撮像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】広範な面を精度よく簡便に撮像可能な構造物の撮像方法を提供する。
【解決手段】カメラ8が固定されたフレーム7を、クレーン車5によって、撮像対象である箱桁2の近傍に移動する配置ステップと、カメラ8のうち、カメラ81〜84から箱桁2までの距離を求める距離決定ステップと、前記距離決定ステップにおいて求められた距離と、カメラ81〜84がフレーム7に対して成す角度と、に基づいて、カメラ81〜84により撮像される画像の解像度が同じになるように、演算制御部100がカメラ81〜84の撮像倍率を決定する倍率決定ステップと、演算制御部100が前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率になるようにカメラ81〜84を調整し、カメラ81〜84が、前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率により箱桁2を撮像する撮像ステップと、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造物の撮像方法に関する。
高度経済成長期に建築された構造物が、近年、耐用年数を迎えつつある。そのため、このような構造物の損傷状態を調査し、修復や補修の判定を行うことが望まれている。中でも、例えば橋梁等では、橋梁の下面の損傷状態を観察するために、足場を組んで、作業員が目視により点検を行うことがある。しかしながら、このような方法では、足場を組むための場所や設備、費用等が必要となることがある。また、コンクリートの構造物の劣化状態はひび割れ幅等の定量的な観察が求められており、細部に亘るまでの詳細な点検作業が必要である。
近年、光学機器の普及により、カメラ等の撮像手段(撮像装置)が安価に入手できるようになってきている。そこで、足場を組んで作業員が目視することに代えて、撮像手段を用いて構造物を撮像することが行われている。具体的には、モニタ等の表示手段に表示された構造物を、構造物から離れた場所で作業員が観察することで、構造物の損傷状態を調査することが行われている。
このような技術に関連して、特許文献1には、車両本体、電子制御により先端側をX軸、Y軸、Z軸の3軸方向に変更可能に構成した多関節の可動アーム、電子制御用パソコンを備えた操作室、上下・左右に伸縮可能な側方監視用補助アーム、操作室内に設置された電子制御機器、可動アームの先端に搭載された構造物の検査画像を操作室内の点検・診断用モニタに送る構造物の撮影用機器、可動アーム及び補助アームに搭載された監視カメラ、可動アーム及び構造物撮影用機器の動作を操作室内から確認可能な三面図または3次元CGソフトを搭載した車載型遠隔点検装置が記載されている。
特開2008−20426号公報
特許文献1に記載の技術においては、1台のカメラを構造物表面(具体的には橋梁の下面)に正対させて、撮像が行われている。そのため、カメラの位置がずれると、撮影される像が表示手段に歪んで表示されることがある。これにより、構造物表面に存在する亀裂やひび割れ等が忠実に表示手段に表示されず、亀裂やひび割れ等の大きさを正確に把握できないことがある。
そこで、表示手段に表示された像が歪んでいる場合、その像を画像処理により補正(画像補正)することが考えられる。しかしながら、カメラの位置が本来の位置からどの程度ずれているのかが不明であると、画像補正を行うことができなかったり、極めて時間がかかったりすることがある。また、1台のカメラを用いて構造物を撮像する場合、1台のカメラで構造物表面の全体を撮像しなければならず、構造物の大きさによっては、撮像に長時間を要することがある。
そこで、複数のカメラを用いて構造物を撮像することが考えられる。しかし、複数のカメラを用いて撮像する場合、各カメラから構造物表面までの距離、各カメラの情報(絞りやピント、倍率等)等、撮像に影響を及ぼしうるパラメータが多く存在する、そのため、1台のカメラを用いる場合と比べて、撮像や画像補正等に長時間を要することがある。
本発明は前記課題に鑑みて為されたものであり、広範な面を必要な解像度で精度よく簡便に撮像可能な構造物の撮像方法を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下の手段により前記課題を解決できることを見出した。
即ち、本発明の要旨は、複数の撮像手段が固定された支持材を、駆動手段によって、撮像対象である構造物の被撮像領域全域が複数の撮像手段で撮像できる近傍の所定位置に設置して撮像する撮像方法において、隣り合う撮像手段により得られる撮像範囲の解像度が同程度になるように撮像手段の位置と角度を設定する配置ステップと、前記複数の撮像手段のうち、各々の撮像手段から前記構造物までの距離を前記演算制御部が求める距離決定ステップと、前記距離決定ステップにおいて求められた距離と、前記撮像手段が前記支持材に対して成す角度と、に基づいて、前記撮像手段により撮像される画像の解像度が同じになるように、演算制御部が前記撮像手段の撮像倍率を決定する倍率決定ステップと、前記演算制御部が前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率になるように前記撮像手段を調整し、前記撮像手段が、前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率により前記構造物を撮像する撮像ステップと、を有することを特徴とする、構造物の撮像方法に関する。
また、本発明の別の要旨は、複数の撮像手段が固定された支持材を、駆動手段によって、撮像対象である構造物の被撮像領域全域が複数の撮像手段で撮像できる近傍の所定位置に設置して撮像する撮像方法において、
前記複数の撮像手段が前記支持材に配置固定するに当り、構造物から所定の距離を置いた同一円周上に、隣り合う撮像手段により得られる撮像範囲の解像度が同程度になるように、撮像範囲、撮像範囲の重なり量、及び、前記円の中心から撮像対象物である構造物までの距離に基づいて決定される角度になるように設定する配置ステップと、前記複数の撮像手段のうち、各々の撮像手段から前記構造物までの距離を前記演算制御部が求める距離決定ステップと、前記距離決定ステップにおいて求められた距離と、前記撮像手段が前記支持材に対する前記角度と、に基づいて、前記撮像手段により撮像される画像の解像度が同じになるように、演算制御部が前記撮像手段の撮像倍率を決定する倍率決定ステップと、前記演算制御部が前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率になるように前記撮像手段を調整し、前記撮像手段が、前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率により前記構造物を撮像する撮像ステップと、を有することを特徴とする、構造物の撮像方法に関する。
本発明によれば、広範な面を必要な解像度で精度よく簡便に撮像可能な構造物の撮像方法を提供することができる。
橋梁の箱桁側面を撮像するときのカメラの設置形態を説明する図である。 橋梁の構造をさらに詳細に説明する図である。 図1のA部拡大図である。 箱桁側面を撮像するときのフローチャートである。 第2実施形態における箱桁側面についての撮像を説明する図である。 図5で形成される三角形を示す図である。 第3実施形態における箱桁側面を撮像するときのピントのずらし方の概念を説明する図である。 箱桁側面を撮像するときのフローチャートである。 第4実施形態における箱桁側面についての撮像を説明する図である。 撮像する際の機構を説明する図である。 第4実施形態における箱桁側面についての撮像のフローを説明する図である。 第5実施形態における箱桁側面が撮像される様子を模式的に示す図である。 第6実施形態における箱桁側面が撮像される様子を模式的に示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)を説明する。
[1.第1実施形態]
はじめに、本実施形態の撮像方法を実施可能な手段の説明を行い、次に、この手段の制御方法(即ち撮像方法)を説明する。
図1は、橋梁の箱桁側面を撮像するときのカメラの設置形態を説明する図である。橋梁1は、クレーン車5が走行する道路4と、道路4を支持する2つの箱桁2とからなる。クレーン車5には、アーム6が上下左右方向に移動可能に固定されている。また、アーム6の下端にはフレーム7が支持固定されている。フレーム7にはカメラ群8a,8bが固定されている。カメラ群8aは、橋桁2の右側側面を撮像するものであり、カメラ群8bは、橋桁2の左側側面を撮像するものである。いずれも4台のカメラにより構成される。撮像方法の詳細は後記する。
図2は、橋梁の構造をさらに詳細に説明する図である。橋梁1を構成する橋桁2は、中空の矩形状になっている。橋桁2はコンクリート製であり、経年劣化により、亀裂や割れが発生する。そのため、本実施形態においては、カメラ8を用い、箱桁2の側面が撮像観察される。
カメラで撮像される画像の解像度はカメラの撮像素子の受光範囲の大きさと素子密度とから決まり、カメラの撮像素子が同じものであれば、撮像範囲が同じになるようにすることで同じ解像度が得られる。このため、以下の記述においては、カメラの撮像素子が同等であるものとして撮像範囲について述べる。
なお、本明細書においては、図示のように、カメラが対向する方向に垂直な方向を、橋軸方向と呼称するものとする。
図3は図1のA部拡大図である。フレーム7には4台のカメラ8(81,82,83,84)が固定されている。カメラ81〜84の性能は全て同じであるが、ピント位置や絞り等の条件はカメラ8毎に独立して制御可能になっている。また、カメラ8は、等間隔(d1)でフレーム7に固定されている。さらに、カメラ8の撮像方向(光軸)とフレーム7との成す角も、全てのカメラ8において同じ角度(θ1)になっている。
カメラ81〜84により撮像される範囲(撮像範囲)の大きさは、全て同じである。従って、カメラ81は、橋桁2の側面の領域A1を撮像するようになっている。なお、領域A1には、詳細は後記するが、側面からはみ出す部分も含まれる。同様に、カメラ82は、橋桁2の側面の領域A2を、カメラ83は、橋桁2の側面の領域A3を、カメラ84は、橋桁2の側面の領域A4を撮像するようになっている。なお、領域A4には、詳細は後記するが、側面からはみ出す部分も含まれる。撮像範囲は、各カメラ8の倍率を調整することで変更可能である。
ただし、カメラ81は、橋桁2の下側端部から少しはみ出して、側面を撮像するようになっている。カメラ84も、上側端部から少しはみ出して、側面を撮像するようになっている。さらには、カメラ81の撮像範囲とカメラ82の撮像範囲とは、その端部で重複している。カメラ82の撮像範囲とカメラ83の撮像範囲、及び、カメラ83の撮像範囲とカメラ84の撮像範囲とについても同様である。このようにすることで、箱桁2の上下方向の側面全体が確実に撮像可能となる。
カメラ8のピントは、いずれも、各領域の中央付近に設定されている。即ち、カメラ81のピント位置は領域A1の中央に、カメラ82のピント位置は領域A2の中央に、カメラ83のピント位置は領域A3の中央に、カメラ84のピント位置は領域A4の中央に設定している。このようにすることで、カメラ8により撮像された各領域の画像が、全域に亘ってぼやけにくい。そのため、これらの画像を単に合成することで、画像補正を行うことなく、箱桁2の側面の上下方向の一連の画像が得られる。
カメラ8の駆動制御は、図3(b)に示す演算制御部100により行われる。演算制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、RAM(Random Access Memory)102と、ROM(Read Only Memory)103と、HDD(Hard Disk Drive)104とを備えている。演算制御部100は、カメラ8、入力手段105及び出力手段106に接続されている。カメラ8は、入力手段105(キーボード、マウス等)から入力された情報に基づいて駆動制御され、その結果(撮像により得られた画像等)が出力手段106(ディスプレイ等)に出力されるようになっている。
次に、本実施形態の撮像方法について、図3及び図4を参照しながら説明する。なお、図4に示すフローは、図3(b)に示す演算制御部100によって実行される。具体的には、図4に示すフローは、ROM103やHDD104等に格納された所定のプログラムがRAM102等に展開され、CPU103により実行される。
図4は、箱桁側面を撮像するときのフローチャートである。測定対象となる箱桁2の設計図面等に基づき、カメラ8の設置角度(図3(a)に示すθ1)及び設置間隔(図3(a)に示すd1)が決定される(ステップS101)。ここで、角度θ1と間隔d1は、橋桁2の側面全体が撮像可能な角度と間隔になるように決定される。また、本実施形態では、図3と同様、カメラ8として4台のカメラ(カメラ81〜84)が設置されるものとする。
設置角度θ1及び設置間隔d1は、例えば、入力手段105を介して入力される箱桁2の高さや幅等の寸法を用い、所定のプログラムにより演算制御部100によって計算させて決定される。そして、決定された設置角度θ1及び設置間隔d1となるように、4台のカメラ8がフレーム7に固定される。その後、カメラ8が設置されたフレーム7が、橋桁2に対して配置される(ステップS102)。即ち、カメラ8(複数の撮像手段)が各々平行に固定されたフレーム7(支持材)を、クレーン車5(駆動手段)によって、撮像対象である箱桁2(構造物)に対向させる対向ステップが実行される。このとき、図示のように、カメラ8は、箱桁2に対して正対ではない形態で対向している。
フレーム7の配置後、演算制御部100は、各カメラ8から各領域A1〜A4までの距離を測定する(ステップS103)。即ち、カメラ8(複数の撮像手段)のうち、各々の撮像手段81〜84から箱桁2(構造物)までの距離を演算制御部100が求める距離決定ステップが実行される。これは、例えば、カメラ8と一体に形成されているレーザ測距計や赤外線測距計等の測距計を演算制御部100が用いて、測定することができる。この場合、距離は実測値を用いることになる。ただし、カメラ8に備えられるレンズ(図示しない)の焦点距離等に基づき算出される距離が用いられてもよい。この場合、距離は計算値を用いることになる。
次に、演算制御部100は、各カメラ8から各領域A1〜A4までの距離に基づいて、各領域A1〜A4の面積が等しくなるように、各カメラ8の倍率を決定及び変更する(ステップS104)。具体的には、領域A1までの距離が近いカメラ8の倍率は比較的低く、領域A4までの距離が遠いカメラ8の倍率は比較的高くする。ここで、各カメラ8の設置角度は全て等しい。そのため、単に倍率を調整するだけで、鉛直方向に連続して、各領域A1〜A4を配置することができる。
即ち、ステップS104は、前記距離決定ステップにおいて求められた距離と、カメラ81〜84(撮像手段)がフレーム7(支持材)に対して成す角度(全て等しいことが前提である)と、に基づいて、カメラ81〜84(撮像手段)により撮像される大きさが同じになるように、演算制御部100がカメラ81〜84(撮像手段)の撮像倍率を決定する倍率決定ステップである。このとき、各カメラ8のピントは、前記のように、各領域A1〜A4の中央付近に位置している。そして、この状態で、各カメラ8により撮像が行われる(ステップS105)。
即ち、演算制御部100が前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率になるようにカメラ81〜84(撮像手段)を調整し、カメラ81〜84(撮像手段)が、前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率により箱桁2(構造物)を撮像する撮像ステップが実行される。
次いで、撮像ステップにおいて得られた画像が合成される(ステップS106)。合成後、演算制御部100は、箱桁2の全側面を撮像したか否かを判定する(ステップS107)。判定の結果、橋軸方向(図3(a)では紙面に垂直な方向)に未撮像の領域がある場合(No方向)、フレーム7を橋軸方向に移動し(ステップS108)、移動後に対向する側面について撮像が行われる。一方で、全側面が撮像されたと判定された場合(Yes方向)、演算制御部100は、ステップS106で合成して得られた全画像について、橋軸方向に合成する(ステップS109)。これにより、箱桁2の全側面についての画像が得られる。
本実施形態の撮像方法においては、撮像される領域A1〜A4(即ち撮像範囲)が全て等しくなるように、各カメラ8の倍率設定が行われる。また、設置角度θ1及び設置間隔d1が全て等しく設置されたカメラ8により、撮像が行われる。そのため、撮像して得られた画像を単純に合成する(上下方向及び橋軸方向につなぎ合わせる)ことで、箱桁2の側面についての画像が得られる。これにより、画像を補正する必要がなく、シンプルな制御で、容易に側面を観察することができるようになる。
[2.第2実施形態]
次に、図5及び図6を参照しながら、第2実施形態を説明する。
図3では、箱桁2の下面とフレーム7とが平行になるようにフレーム7が配置されていた。しかしながら、実際には、図5に示すように、箱桁2の下面とフレーム7とが平行にならずに、フレーム7が配置されることがある。
また、撮像された画像中に発見された亀裂等について、その大きさを把握することが必要になる場合がある。従来では、カメラは構造物に正対していたため、カメラの倍率、カメラと構造物との距離、画角等に基づいて、画像中の亀裂等の大きさを算出可能であった。しかしながら、この算出方法は、カメラが正対していない場合には、適用することができない。
そこで、別の実施形態として、図5に示すように、フレーム7の配置によらず、しかも、箱桁2に対してカメラが正対ではない形態で対向している場合に、亀裂等の大きさを把握可能な撮像方法を説明する。
図5は、箱桁側面についての撮像を説明する図である。フレーム7に対するカメラ8の固定は、図3と同様である。即ち、4台のカメラ8(81〜84)は、等角度θ2および等間隔d2でフレーム7に固定されている。また、カメラ81〜84は、それぞれ、領域A1〜A4を撮像する。さらに、カメラ81〜84のピント位置は、それぞれ、各領域A1〜A4の中央付近になっている。
ここで、カメラ81と領域A1の中央付近とを結ぶ直線(光軸、図中実線で示している)をL1、カメラ82と領域A2の中央付近とを結ぶ直線(光軸、図中実線で示している)をL2とする。また、直線L1と領域A1との交点P1を通り、フレーム7に対して平行な直線(図中、一点鎖線で示している)をL3とする。さらに、直線L2と直線L3との交点をP3とする。そうすると、箱桁2の側面と直線L2と直線L3とにより、点P1,P2及びP3を頂点とする三角形が形成される。
図6は、図5で形成される三角形を示す図である。P1は領域A1の中央であり、P2は領域A2の中央である。また、領域A1と領域A2との面積は等しい。そのため、A1A2間距離を算出することにより、各領域の上下方向の長さを算出することができる。そして、各領域の上下方向の長さが算出されれば、各領域中の亀裂等の実際の大きさ(長さ)を、撮像により得られた画像中における長さの比を用いて、算出することができる。
図6において、P1P2間距離(即ち、各領域の上下方向の長さ)をxとする。また、点P1から辺P2P3に降ろした垂線と辺P2P3との交点をP4とする。直線L3とフレーム7とが平行であることから、図5から、P1P3間距離はd2、角P2P1P4はθ2、角P2P3P1もθ2となる。
ここで、カメラ81から領域A1までの距離をb1、カメラ82から領域A2までの距離をb2とする。そうすると、P2P3間距離は(b2−b1)である。そうすると、三角形P2P1P3と三角形P2P4P1とは相似であることより、以下の式(1)が成立する。
b1及びb2は、図3において説明したように、例えばレーザ測距計により測定可能である。また、d2及びθ2は固定値である。そのため、b1及びb2が決定されれば、式(1)に基づいて、各領域A1〜A4の上下方向の長さxが一義的に算出される。これにより、各領域中の亀裂等の実際の大きさ(長さ)が、画像中における長さの比を用いて、容易に算出可能となる。即ち、本実施形態によれば、カメラ8(複数の撮像手段)を構成するカメラ81〜84(各々の撮像手段)の間隔d2に基づいて、演算制御部100により、橋桁2(構造物)の寸法を決定することができる。
[3.第3実施形態]
次に、図7及び図8を参照しながら、第3実施形態を説明する。
前記の実施形態で示した各カメラ8は、各領域A1〜A4について、一度のみ撮像を行っている。しかし、各領域A1〜A4の全域に亘って明瞭な画像を得るために、本実施形態のような撮像方法が適用されてもよい。具体的には、本実施形態においては、1台のカメラ8が、各領域A1〜A4において、ピント位置をずらして複数回撮像するようになっている。これにより、ピント位置のずれた複数の画像が得られ、これらを合成することで、各領域A1〜A4の全域に亘って明瞭な画像が得られるようになっている。
図7は、第3実施形態における箱桁2の側面を撮像するときのピントのずらし方の概念を説明する図である。なお、図7においては、説明の簡略のために、図示を一部省略している。また、図示の簡略化のために、具体的な領域を示していない。初期段階(図7(a))では、カメラ8のピント中心距離はは、中心位置付近になっている。具体的には、ピント中心位置は、面S0と橋桁2の側面とが交わるところにある。そして、図7(a)中、黒く塗りつぶした部分は明瞭に視認可能であるが、それ以外の部分はぼやけた状態になっている。
そこで、図7(b)に示すように、カメラ8のピント中心位置(距離)を前方にややずらす。具体的には、ピント中心位置は、面S0上から面S1上に変更される。これにより、初期状態のときの側面よりも下方の側面(図7(b)中の黒く塗りつぶした部分)が明瞭に視認可能となる。そして、これを繰り返すことで、図7(a)の初期状態の位置から下方の全部分について、明瞭な画像が得られる。
一方で、上方については、同様に、ピント中心位置が面S2に変更される。これにより、初期状態のときの側面よりも上方の側面(図7(c)中の黒く塗りつぶした部分)が明瞭に視認可能となる。そして、これを繰り返すことで、図7(c)の初期状態の位置から上方の全部分について、明瞭な画像が得られる。
面S1及び面S2の位置は、任意に設定される。例えば、面S0で撮像したときにぼやけた位置を明瞭に撮像できる位置に、面S1及び面S2を設定すればよい。また、図示しない演算制御部100は、カメラ8からの任意の距離でピントがあわせられるように、カメラ8からの距離と焦点距離とを対応付けるデータを保持している。そのため、面の位置が決定されれば、ピントが合うようにカメラ8が駆動される。
これらの操作について、より具体的に、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図8に示すフローは、前記した演算制御部100によって実行される。また、図8に示すフローにおいては、説明の便宜上、段階的にピント位置の調整と撮像とが行われるようにして示しているが、実際には、ピント中心位置の調整と撮像とは連続的に行われるようになっている。
図8は、箱桁側面を撮像するときのフローチャートである。はじめに、初期状態で撮像が行われる(ステップS201、図7(a))。
次に、初期状態から下方への撮像制御が行われる(図7(b))。具体的には、まず、図示しないレーザ測距計等により測定される側面までの距離とレンズ情報とに基づき、前方ピント距離が決定される(ステップS202)。ここで、レンズ情報とは、カメラ8に備えられるレンズ(図示しない)のレンズ径等である。また、前方ピント許容距離は、図7(b)における、カメラ8から面S1までの距離である。面S0と面S1との距離(間隔)が予め定められていれば、レーザ測距計等によりカメラ8から面S0までの距離が測定可能であるので、カメラ8から面S1までの距離を算出することができる。
そして、算出された前方ピント許容距離になるように、カメラ8のピント位置が調整される(ステップS203)。即ち、決定された前方ピント距離になるように、カメラ8のピント位置が調整される。そして、演算制御部100は、ピント中心位置が調整されても明瞭に撮像できることを鮮明度に基づいて確認した後、カメラ8により、領域内を撮像する(ステップS204)。
次に、現時点でのカメラ8のピント中心位置に側面が存在すると仮定して、新たな前方ピント距用距離を決定する(ステップS205)。即ち、ピント中心位置が、ステップS203で調整された位置よりもさらに前方に移動する。具体的には、図7(b)での面S1の位置が、図7(a)のS0の位置であると考え、新たな前方ピント許容距離を算出する。そして、新たに算出された前方ピント許容距離になるように、カメラ8のピント中心位置が調整される(ステップS206)。そして、演算制御部100は、ピント中心位置が調整されても明瞭に撮像できることを鮮明度に基づいて確認した後、カメラ8により、領域内を撮像する(ステップS207)。
これらを繰り返し、演算制御部100は、下方向の撮像を全て行ったか否かを判断する(ステップS208)。判断の結果、全て行っていない場合には(No方向)、ステップ205〜S207を繰り返す。また、全て行った場合には(Yes方向)、カメラ8のピント位置を初期状態の位置に戻す(ステップS209)。
次に、初期状態から上方への撮像制御が行われる(図7(c))。具体的には、まず、ステップS202と同様にして、測定される側面までの距離とレンズ情報とに基づき、後方ピント許容距離が決定される(ステップS210)。また、後方ピント許容距離は、図7(c)における、カメラ8から面S2までの距離である。面S0と面S2との距離(間隔)が予め定められていれば、レーザ測距計等によりカメラ8から面S0までの距離が測定されるので、カメラ8から面S2までの距離を算出することができる。
そして、算出された後方ピント許容距離になるように、カメラ8のピント中心位置が調整される(ステップS211)。即ち、決定された後方ピント距距離になるように、カメラ8のピント位置中心が調整される。そして、演算制御部100は、ピント中心位置が調整されても明瞭に撮像できることを鮮明度に基づいて確認した後、カメラ8により、領域内を撮像する(ステップS212)。
次に、現時点でのカメラ8のピント中心位置に側面が存在すると仮定して、新たな後方ピント許容距離を決定する(ステップS213)。即ち、ピント位置が、ステップS211で調整された位置よりもさらに後方に移動する。具体的には、図7(c)での面S2の位置が、図7(a)のS0の位置であると考え、新たな後方ピント許容距離を算出する。そして、新たに算出された後方ピント許容距離になるように、カメラ8のピント位置が調整される(ステップS214)。そして、演算制御部100は、ピント中心位置が調整されても明瞭に撮像できることを鮮明度に基づいて確認した後、カメラ8により、領域内を撮像する(ステップS215)。
これらを繰り返し、演算制御部100は、上方向の撮像を全て行ったか否かを判断する(S216)。判断の結果、全て行っていない場合には(No方向)、ステップ205〜S207を繰り返す。また、全て行った場合には(Yes方向)、取得された画像のうち、全域で明瞭な画像を用い、画像の合成が行われる(ステップS217)。これにより、カメラ8により撮像される撮像範囲の全域について、明瞭な画像が得られる。
これらのことをまとめると、本実施形態においては、カメラ81〜84(撮像手段)が箱桁2(構造物)を撮像するとき、演算制御部100は、カメラ81〜84(撮像手段)から箱桁2(構造物)までの距離と、予め記憶されているピント位置と前記距離との関係と、に基づいて、ピント位置を掃引して撮像するようになっている。そして、演算制御部100は、撮像して得られた明瞭な画像同士を比較し、端部同士が重なるようにして得られた画像を合成することで、前記構造物についての画像が得られるようになっている。
本実施形態においては、正対しない4台のカメラ(図7では1台のみ示している)が用いられ、箱桁2の側面の撮像が行われている。撮像にあたっては、ピント位置の調整によって、撮像する位置が変わるようになっている。そのため、フレーム7やカメラ8を上下に駆動させることなく、領域内の全域に亘って、より確実に明瞭な画像が得られる。従って、本実施形態の撮像方法によれば、上下方向にフレーム7やカメラ8を駆動させることなく、箱桁2の側面についての明瞭な画像を、より確実に得ることができる。
[4.第4実施形態]
次に、図9〜図11を参照しながら、第4実施形態を説明する。
図9は、第4実施形態における箱桁側面についての撮像を説明する図である。本実施形態では、図9に示すように、4台のカメラ8が同一円周上に配置固定され、各カメラ8が箱桁2の側面を撮像するようになっている。このとき、各カメラ8は、撮像される領域(撮像範囲)の面積が等しくなるように倍率が調整可能に、配置固定されている。なお、第1実施形態等と同様、カメラ81が領域A1を撮像し、カメラ82が領域A2を撮像し、カメラ83が領域A3を撮像し、カメラ84が領域A4を撮像するようになっている。また、図9では、図示の簡略化のために、カメラ8を固定する固定手段は図示していない。
図10は、撮像する際の機構を説明する図である。図10においては、図9に示した形態を簡略化して、2台のカメラ81,82により、長さL1の箱桁2の側面を撮像するものとしている。カメラ81,82のピント位置は、それぞれ、箱桁2の側面の点P5、P8上にある。
箱桁2の側面の長さをL1、カメラ81,82が配置固定される円(半径b0)の中心点P0から箱桁2の側面までの距離d、点P0から側面2の下端までの高さをL0とする。また、カメラ81,82は、フレーム7に対して、それぞれγ1、γ2の角度をなして配置固定されている。さらに、カメラ81,82による撮像範囲をAsとする(例えばカメラ81は、点P6と点P7との間の領域を撮像する)。また、カメラ81,82は、箱桁2の側面よりも少しはみ出して撮像する。このはみ出し量をΔAsとする。また、橋梁2の下方のはみ出し量をΔAs’とし、この値は、ΔAsよりも大きくなるように設定される。さらに、カメラ81の撮像可能範囲の中心P5を通り、光軸に垂直な面をA1とする。
これらの条件を用い、図11を参照しながら撮像方法を説明する。
図11は、第4実施形態における箱桁側面についての撮像のフローを説明する図である。図11に示すフローは、演算制御部100により実行される。
はじめに、カメラの設置角度が決定される(ステップS301)。本実施形態においては、まず、上部に配置されるカメラ82の設置角度γ2が決定される。具体的には、以下の式(2)に基づき、設置角度γ2が決定される。
即ち、ステップS301においては、決定された撮像範囲Asとはみ出し量ΔAsとに基づき、設置角度γ2が決定される。
次いで、決定されたγ2になるように、カメラ82の位置調整が行われる(ステップS302)。そして、演算制御部100は、全てのカメラの設置角度が調整されたか否かを判定し(ステップS303)、調整されていないカメラがある場合には(No方向)、当該カメラの設置角度の決定が行われる(ステップS301)。本実施形態では、カメラ81の設置角度γ1の決定がまだ行われていないため、次に、カメラ81の設置角度γ1が決定される。
カメラ81の設置角度γ1は、以下の式(1)に基づき算出される。
なお、本実施形態では説明しないが、カメラ8が3台以上ある場合にも、同様に算出可能である。即ち、最上部のカメラ8を基準として、i番目のカメラ8の設置角度γは、以下の式(4)に基づいて算出可能である。
全てのカメラ8の位置調整が為された後、図示しない支持材に配置固定されたカメラ8が、箱桁2の側面の近傍に配置される(ステップS304)。即ち、箱桁2(構造物)の近傍の同一円周上に、撮像範囲As、撮像範囲の重なり量ΔAs、及び、前記円の中心から撮像対象物である箱桁2(構造物)までの距離dに基づいて決定される角度γになるように、カメラ8(複数の撮像手段)が配置固定された支持材を、駆動手段(図示しない)によって箱桁2(構造物)に対向させる対向ステップが実行される。
そして、カメラ8が配置された後、各カメラ8の倍率が決定される(ステップS305)。具体的には、まず、カメラ81による撮像範囲A1が決定される。この範囲は、カメラ8の光軸に鉛直な方向の撮像範囲の長さである。撮像範囲A1は、以下の式(5)により算出される。
ここで、以下の式(6)が成立する。
ここで、zはカメラ8に備えられる撮像素子(図示しない)の受光範囲、bivはカメラ8から側面までの距離、yはカメラ8のレンズから撮像素子までの実効距離である。なお、カメラ8にレンズが複数備えられる場合には、レンズ間の距離によりyが決定される。
前記式(6)において、A1及びzは定数である。そのため、bivが決定されれば、yも一義的に決定されることになる。即ち、カメラ8から側面までの距離が決定されれば、カメラ8の倍率(ズーム倍率)が一義的に決定されることになる。そこで、カメラ8の倍率を決定するために、カメラ8から側面までの距離が求められる。即ち、カメラ8(複数の撮像手段)のうち、カメラ81〜84(各々の撮像手段)から箱桁2(構造物)までの距離を演算制御部100が求める距離決定ステップが実行される。
カメラ8から側面までの距離の求め方としては、レーザ測距計等による実測、又は、計算式による算出、の2通りがある。計算式としては、最上部のカメラ8(本実施形態ではカメラ82)を基準とするi番目のカメラ8においては、以下の式(7)が適用可能である。
そして、いずれかの方法により算出されたbivを式(6)に代入してyを算出し、カメラ8の倍率が決定される。即ち、前記距離決定ステップにおいて求められた距離(実測又は算出)と、カメラ81〜84(撮像手段)が前記支持材に対する角度γi(前記式(5)及び式(6)参照)と、に基づいて、カメラ81〜84(撮像手段)により撮像される範囲が同じになるように、演算制御部が前記撮像手段の撮像倍率を決定する倍率決定ステップが実行される。
次いで、決定された倍率になるように、カメラ8の倍率の調整が行われる(ステップS306)。そして、演算制御部100は、全てのカメラの倍率が調整されたか否かを判定し(ステップS307)、調整されていないカメラがある場合には(No方向)、当該カメラの倍率の決定が行われる(ステップS305)。一方で、全てのカメラ8の倍率調整が為されている場合には(Yes方向)、撮像が行われる(ステップS308)。即ち、演算制御部100が前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率になるようにカメラ81〜84(撮像手段)を調整し、カメラ81〜84(撮像手段)が、前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率により箱桁2(構造物)を撮像する撮像ステップが実行される。
撮像されて得られた画像は、カメラ8間での設置角度の相異により、歪みが生じている。そのため、設置角度γiに基づいて、撮像された画像が補正される(ステップS310)。具体的には、以下の式(8)が用いられて、補正が行われる。
ここで、Bi0vは、i番目のカメラ8により撮像されて得られた画像における寸法、Bivは補正後の画像における寸法である。
次いで、補正後の画像の合成が行われる(ステップS310)。本実施形態においては、カメラ8間で、解像度及び撮像範囲が同じである。従って、このようにして補正した画像を単に合成することで、箱桁2の上下方向側面の画像が簡便に得られる。
このように、本実施形態においては、複数のカメラ8が同じ円周上に配置固定されている。そのため、省スペース化が図れるとともに、狭い空間に対して挿入することが可能となり、撮像可能箇所が増加する。さらには、ステップS309において実行される画像補正も、カメラ8の設置角度γiのみに基づいて行われるため、画像補正の操作が過度に煩雑になることがない。従って、このような撮像方法によっても、簡便に構造物を観察することができる。
[5.第5実施形態]
次に、図12を参照しながら、第5実施形態を説明する。
図12は、第5実施形態における箱桁側面が撮像される様子を模式的に示す図である。図9を参照して説明した第4実施形態においては、カメラ8は同一の円周上に配置されている。しかし、箱桁2の大きさによっては、隣接するカメラ8間に距離を設けることができず、適切な間隔でカメラ8を設けることができないことがある。
そこで、第5実施形態においては、橋軸方向視では同一円周上ではあるが(図12(c))、橋軸に垂直な方向から見た場合に、橋軸方向で、カメラ8間に所定の間隔aを設けて、複数のカメラ8が設けられている(図12(a)及び(b)参照)。即ち、本実施形態においては、カメラ8(複数の撮像手段)は、前記円の中心軸方向視で同一円周上に配置固定され、カメラ8(複数の撮像手段)を構成するカメラ81〜84(各々の撮像手段)は、前記中心軸方向に間隔を有して配置されている。
隣接するカメラ8間の距離は前記のようにaであるが、隣接するカメラ8からの光軸間の距離もaであるものとする。
このようにカメラ8を配置した場合でも、第4実施形態と同様にして撮像することができる。ただし、図12(a)や図12(b)に示すように、各カメラ8により撮像された画像は、橋軸方向にaずつずれている。具体的には、図12(a)に示すように、例えば、カメラ81の撮像範囲と、カメラ82の撮像範囲とは、橋軸方向にaだけずれている。従って、aだけずれた撮像範囲の画像が得られるようになっている。
そのため、基本的な撮像方法は、第4実施形態のフロー(図11参照)と同様ではあるが、図11に示したステップS309の補正時に、画像のずれが併せて補正される。具体的には、得られた画像の端部が揃えられた状態で、画像の合成(ステップS310)が行われる。
第5実施形態の撮像方法によれば、隣接するカメラ8の間隔が狭いため適切にカメラ8を配置することが難しい場合でも、適切な位置にカメラ8を配置することができるようになる。また、前記のように、撮像される側面の位置が橋軸方向でずれることとなるが、簡単な補正により、ずれの無い、合成された画像が得られる。
[6.第6実施形態]
次に、図13を参照しながら、第6実施形態を説明する。
図13は、第6実施形態における箱桁側面が撮像される様子を模式的に示す図である。前記の第5実施形態においては、各カメラ8からの光軸は平行になっている。そのため、撮像範囲や得られる画像には、ずれが生じている。そこで、第6実施形態においては、図13に示したように、各カメラ8間に間隔aを設けるものの、各カメラ8を、円の中心軸方向に角度を有して配置し、撮像範囲や得られる画像にずれが生じないようにしている。
第6実施形態の撮像方法は、第4実施形態や第5実施形態において説明した撮像方法と基本的には同じであるが、カメラ8に角度を有して配置することによる、新たなステップが追加されている。具体的には、主には(1)カメラ84の光軸方向に対する、橋軸方向への成す角度αiの決定、(2)角度を有して配置されたカメラ8が撮像したことによる画像補正、の2つのステップである。
なお、αiは、光軸に平行な方向のカメラ8(本実施形態ではカメラ84)を基準とし、i番目のカメラ8が当該光軸に対して橋軸方向へ成す角度である。例えば、4番目のカメラ81がカメラ84の光軸方向に対して為す角は、図13(b)に示すα4となる。
(1)光軸方向に対しての成す角度αiの決定
角度αiは、図11に示したステップS301(カメラの設置角度の決定)において、角度γiとともに決定される。角度αiは、具体的には、以下の式(9)により決定される。
そして、設置角度γiの他、決定されたαi(カメラ84の光軸方向に対する、橋軸方向への成す角度)も併せて考慮され、前記のステップS301が実行される。
(2)角度を有して配置されたカメラ8が撮像したことによる画像補正
第4実施形態のステップS305(カメラ8の倍率の決定)において倍率が決定され、この倍率になるようにカメラ8が制御されている。そして、この倍率で撮像された画像について、画像補正が行われている(ステップS309)。
ここで、本実施形態においては、カメラ8が角度を有して配置されているため、別の倍率決定方法(ステップS305)も可能である。
具体的には、カメラ8から側面までの距離を求める方法において、例えば3つの方法が考えられる。一つ目としては、もしaの大きさがdよりもずっと小さく、aの値を無視できる場合には、第4実施形態において示した式(7)を用いて、距離を求めることができる。これにより、第6実施形態に特有の画像補正を行う必要が無く、より簡便な画像補正を行うことができる。
二つ目としては、実測により、距離を求めることができる。さらに、三つ目としては、以下の式(10)を用いて、距離を求めることができる。
そして、これら三つの方法により求められた距離を用いて、倍率が決定可能である。
これらの方法のうち、二つ目及び三つ目の方法により求められた距離を用いて倍率を決定した場合、第6実施形態に特有の画像補正が行われる。具体的には、撮像された画像について、橋軸方向及び上下方向の補正が行われる。橋軸方向の補正は、以下の式(11)が用いられる。上下方向の補正は、以下の式(12)が用いられる。
式(11)中、Bi0vは、撮像されて得られた画像における寸法、Bivは補正後の画像における寸法である。
式(12)中、Bi0hは、撮像されて得られた画像における寸法、Bihは補正後の画像における寸法である。
この補正が行われた画像が合成されることにより、箱桁2の側面全体の画像が得られる。このように、第6実施形態においては、カメラ8(複数の撮像手段)を構成するカメラ81〜84(各々の撮像手段)は、前記中心軸方向に各々角度を有して配置固定され、前記角度は、隣接するカメラ8(撮像手段)の間隔aと、カメラ8(撮像手段)と箱桁2(構造物)との間の距離(実測又は算出)と、に基づき決定されるようになっている。
そして、第6実施形態によれば、隣接するカメラ8の間隔が狭いため適切にカメラ8を配置することが難しい場合でも、適切な位置にカメラ8を配置することができるようになる。また、合成前に簡単な補正を行うことにより、より精度のよい、合成された画像が得られる。
[7.変形例]
以上、本実施形態を具体的に説明したが、本実施形態は前記の内容に何ら制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更して実施可能である。
例えば、前記の第1実施形態では、設置角度θ1及び設置間隔d1が全て等しく設置されたカメラ8により、撮像が行われるとした。ただし、設置間隔はカメラの8が異なる撮像素子数よりなる場合には、そのカメラの撮像素子数に対応して得られる撮像範囲に対応した設置間隔d1を設定してもよい。これにより、画像補正の操作が過度に煩雑になることがなく、簡便に同等の解像度で構造物を観察することができる。
さらに、別の方法として、カメラ8が異なる撮像素子数よりなる場合でも、設置間隔や倍率を同じにして撮像した後に、得られた画像の解像度が他の画像と同じなるように差分がなくなるようにデータ処理で調整する手間が入るが、簡便に同等の解像度で構造物を観察することができるようになる。
また、例えば、図示はしないが、図9等に示した円の中心は、フレーム7上に無くてもよく、カメラ8が同一円上に配置されるように、カメラ8をフレーム7に直接固定してもよい。
2 箱桁(構造物)
5 クレーン車(駆動手段)
7 フレーム(支持材)
8 カメラ
81(8) カメラ
82(8) カメラ
83(8) カメラ
84(8) カメラ
100 演算制御部

Claims (8)

  1. 複数の撮像手段が固定された支持材を、駆動手段によって、撮像対象である構造物の被撮像領域全域が複数の撮像手段で撮像できる近傍の所定位置に設置して撮像する撮像方法において、
    隣り合う撮像手段により得られる撮像範囲の解像度が同程度になるように撮像手段の位置と角度を設定する配置ステップと、
    前記複数の撮像手段のうち、各々の撮像手段から前記構造物までの距離を求める距離決定ステップと、
    前記距離決定ステップにおいて求められた距離と、前記撮像手段が前記支持材に対して成す角度と、に基づいて、前記撮像手段により撮像される範囲が同じになるように、演算制御部が前記撮像手段の撮像倍率を決定する倍率決定ステップと、
    前記演算制御部が前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率になるように前記撮像手段を調整し、前記撮像手段が、前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率により前記構造物を撮像する撮像ステップと、を有することを特徴とする、構造物の撮像方法。
  2. 前記複数の撮像手段は、前記支持材に対して等角度で固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の構造物の撮像方法。
  3. 前記配置ステップにおいて、前記複数の撮像手段は、前記構造物に対して正対ではない形態で対向していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の構造物の撮像方法。
  4. 前記複数の撮像手段を構成する各々の撮像手段の間隔と角度と距離に基づいて、前記演算制御部が、前記構造物の寸法を決定する構造物寸法ステップを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の構造物の撮像方法。
  5. 複数の撮像手段が固定された支持材を、駆動手段によって、撮像対象である構造物の被撮像領域全域が複数の撮像手段で撮像できる近傍の所定位置に設置して撮像する撮像方法において、
    前記複数の撮像手段が前記支持材に配置固定するに当り、構造物から所定の距離を置いた同一円周上に、隣り合う撮像手段により得られる撮像範囲の解像度が同程度になるように、撮像範囲、撮像範囲の重なり量、及び、前記円の中心から撮像対象物である構造物までの距離に基づいて決定される角度になるように設定する配置ステップと、と、
    前記複数の撮像手段のうち、各々の撮像手段から前記構造物までの距離を求める距離決定ステップと、
    前記距離決定ステップにおいて求められた距離と、前記撮像手段が前記支持材に対する前記角度と、に基づいて、前記撮像手段により撮像される範囲が同じになるように、演算制御部が前記撮像手段の撮像倍率を決定する倍率決定ステップと、
    前記演算制御部が前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率になるように前記撮像手段を調整し、前記撮像手段が、前記倍率決定ステップにおいて決定された倍率により前記構造物を撮像する撮像ステップと、を有することを特徴とする、構造物の撮像方法。
  6. 前記複数の撮像手段は、前記円の中心軸方向視で同一円周上に配置固定され、前記複数の撮像手段を構成する各々の撮像手段は、前記中心軸方向に隣接する撮像手段が互いに衝突しない間隔を有して配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の構造物の撮像方法。
  7. 前記複数の撮像手段を構成する各々の撮像手段は、前記中心軸方向に各々角度を有して配置固定され、前記角度は、隣接する前記撮像手段の間隔と、前記撮像手段と前記構造物との間の距離と、に基づき決定されることを特徴とする、請求項6に記載の構造物の撮像方法。
  8. 前記撮像ステップにおいて前記撮像手段が前記構造物を撮像するとき、前記演算制御部は、前記撮像手段からの前記構造物までの距離と、予め記憶されているピント中心距離とピント許容距離範囲の関係と、に基づいて、ピント中心距離を、その撮像範囲全域に対応させて変化させて撮像し、得られたピント中心距離の異なる画像の中でピントが所望の解像度以上の像となる領域を選択して画像を合成することで、前記構造物についての画像を得ることを特徴とする、請求項1、2、5〜7の何れか1項に記載の構造物の撮像方法。
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